JP3611895B2 - 浴槽となるベッド、それに着脱できるトイレおよびそれを使用したベッド、バスおよびトイレシステム - Google Patents

浴槽となるベッド、それに着脱できるトイレおよびそれを使用したベッド、バスおよびトイレシステム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は風呂を使用することができるベッドに関する。さらに詳しくは、ベッド上に使用時に容器様立体形状をなす防水シートを敷き、防水シートの端部を固定して、ベッドの体と接触する面の少なくとも一部を低下させることによりシートを容器様立体形状に展張し浴槽となし、その容器様部分にお湯をいれることが可能であり、使用後はお湯を排出した後、前記低下させたベッド面を上昇させることによりベッドとして使用することができるバスとなるベッドであり、少なくとも、ベッド面を相対的に低下させる工程、給湯する工程、排水する工程、ベッド面を相対的に上昇させる工程が全自動で行なわれるシステムに関する。また、浴槽となるベッドにトイレを着脱自在に固定し、ベッドから水平に移動でき、ユーティリティをベッド、バスからやり取りできるベッド、バス、トイレシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
寝たきり老人や身体に障害があり歩行が不自由な人の数は2000年では日本において約100万人になるといわれ、これらの人の感染症を防いだり、気持ちの良い生活を送ることができるようにするために、これらの人を家庭で入浴できるようにすることは、社会的に重要な問題になっている。さらに介護者が家庭の主婦や同じ老人にしわ寄せさせられている現状に鑑みると、機能的である一方、取扱の容易な装置の開発が待たれている。
【0003】
従来、身体に障害のある人または歩行の不自由な老人を在宅で風呂に入れる方法としては、一度人を抱き上げたり車椅子に移乗させ、浴室に運んでまた抱き下ろして浴槽に入れたりされている。また最近では家屋内に移動用クレーンを設置して人を吊り上げ、人を浴室に運んで浴槽の中に吊り下ろして湯に入れるということが行われている。また、ベッドのそばに浴槽を置くものでは、一度人を持ち上げて、浴槽に下ろしたり、入浴後人をベッドに運ぶ必要がある。
【0004】
さらに、一度人をつり上げた上で、ベッドの横またはベッドの上にプラスチック製の浴槽を置き、湯を張り、再び人を吊り下ろして湯に入れるということが行われている。このために被介護者が恐怖感を懐いたり、吊り上げる設備が必要であった。
【0005】
また他の方法としては、特開昭49−95763、特開平4−285555には防水シートを使用する例が記載されているが、ベッド面を固定端部より低下できないので、例えば腰掛けた姿勢をとったり、肩まで浸かるという自由な姿勢で入浴することが出来ない。さらにまた浴槽となる部分の水深を例えば50cm以上にとることを考えると、不安定になったり、また膨大な量の湯を溜めなければならないという難問がある。
【0006】
さらに他の方法としては、平面に折り畳まれた合成樹脂製等の箱または担架をベッドの上に置き、それを展張することにより浴槽の形にすることが行われている。しかしこの方法では人を転がして、折り畳まれた板状の浴槽をベッドの上に載せるために、人を板状のものの上で転がすために障害者が痛みを感じたり、介護者が、特に老人の介護者が一人で設置したりすることは困難であった。また、このベッドの上に載せるタイプの設備では水深が浅く、腰を下ろして湯に肩まで入ったりするなどの自由な形がとれなかったり、また背の支えが殆どないために主として頭または首でささえるために使用感もまたよくなかった。
【0007】
その他、風呂および給湯設備を乗せた車によるサービスが行われているが、費用と人手がかかる上に、医師の診断が必要であったり、冬季に車椅子に乗って屋外を車まで運ばれたり又は他人の目に曝されることに対する被介護者側にとっても問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ベッドに寝た切りの人を、抱いたり、車椅子に移乗させて浴室に運んだりすることなく、吊って上下させることなく、また人を固い板等の上でころがすことなく、一人の介護者により、ベッドを浴槽にし、浴槽に湯または水を容易に給水したり使用中または使用後に排水したり、充分な深さを持ち、各種の体の状態に合わせて腰掛ける状態から寝たままの状態まで所望の形をとることができ、体が足部、腰部、背部、頭部等で体を支えることができる、寝た切りの人を毎日でもあるいは排泄物で汚れた時など必要な時に何時でも容易に風呂に入れたり洗浄することができて浴槽に変化可能なベッドを提供することにある。加えて、脱衣、給湯、排水、着衣まで寒さを感ずることなく、外して干さなくても防水シートの乾燥を直ちに行うことができる浴槽に変化可能なベッドを提供することにある。また、裸の状態でも他人の視線に曝されることなく、寒気に曝されることの少ない浴槽に変化可能なベッドを提供することにある。さらにベッドが浴槽になりサウナ風呂としても利用できる浴槽になるベッドを提供することにある。
【0009】
さらに、少なくとも、ベッド面を相対的に低下させる工程、給湯する工程、排水する工程、ベッド面を相対的に上昇させる工程が全自動で行なわれる浴槽となるベッドを提供することである。
【0010】
さらに、ベッド面より移行が容易で、排泄後の水洗、乾燥、排気のできる介護者の負担の少ないトイレを含む上記システムを提供することである。
【0011】
全体として、感染症や褥そうを防ぎ、介護が容易且つ適切に行える就寝、入浴、排泄が行えるベッド、バス、トイレシステムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
すなわち、本発明は、ベッドの体と接触する面(以後ベッド面という)の少なくとも一部に、使用時に容器様立体形状をなす防水シートを敷き、防水シートの少なくとも端部を含む一部をベッドの周辺部の少なくとも一部に固定し、ベッド面の少なくとも一部をシートの固定した端部より相対的に低下させることにより、生じた防水シートの容器様立体形状の内容積部分に水を容れることにより浴槽となるベッドが得られることを見出した。
【0014】
本発明のベッドはさらに、ベッド面の少なくとも一部が、上下に移動することによりベッド面が所望の形状に変形可能なものである。このために、身体の不自由な人が体を足部、腰部、背部または頭部等で支えることができるために体にかかる負担を減少することができるとともに、浴槽が充分な深さをもつために湯に肩までつかる姿勢、腰掛ける姿勢あるいは背をもたれかけた姿勢あるいは寝た姿勢などをとることができ、本人の体の状態にあったより自由な体位で入浴ができるものである。
【0015】
さらに本発明においては、防水シートは、ベッドの体と接触する面の少なくとも一部が上下に移動して生じた立体形状に合わせて成形された防水シートであり、防水シートの固定された部分と、相対的に低下されるベッド面上に敷かれる防水シートの部分との間に、相対的に低下されるベッド面の移動距離に見合った折り返し部の防水シートを設けたものである。これにより、就寝時においてベッド面上の防水シートを平面に保ち、入浴時において防水シートを容器様立体形状にすることができる。
【0016】
折り返し部は、伸縮性の材質または伸縮性の構造をもったものを使用することができる。これにより、湯を入れた場合に、移動してできたベッド面の浴槽の形状にぴったりと合わせることができるし、排水時に水の残る部分を少なくすることができる。
【0017】
さらに、防水シートの体と接触する面の少なくとも一部がエアーマットでできているものである。したがって、排水後、水分を除去した後、直ちにベッドとして使用することができる。
【0018】
また、エアーマットはその表面から空気を噴出できるものを使用することにより、エアーマットを通して空気を好ましくは温度、湿度の調節された空気を噴出させることができるものである。これにより、保温、防水シートの乾燥、体の乾燥、皮膚の継続的乾燥、場合により人の短時間の発汗を行なうことができる。
【0019】
さらに、本発明は、当浴槽となるベッドに他の浴槽に貯蔵された湯水をポンプおよび配管により供給、循環することができるシステムである。
【0020】
さらに、本発明は、少なくとも、ベッド面の低下、防水シートによる浴槽の形成、給湯、排水、ベッド面の上昇を全自動式に行なうことができるシステムである。
【0021】
さらに、上記システムのベッド面の高さが可変できるベッドにベッド面と座る位置が同じ高さのトイレを着脱自在に固定し、ベッド面からトイレへの移乗が容易であり、前記システムより湯水、温風を着脱自在に配管し供給することができるシステムである。
【0022】
本発明により、脱着衣時、給排水時に寒さを感じず、排水後タオル等で拭いた防水シートを即時に乾燥できる。この方法によれば、意識がはっきりしていて、平面上で多少体の移動ができる程度の人であれば介護者を要せず、一人ででも使用することができるものである。したがって、交通事故で半身付随になった人等にも適切に使用することができる。
【0023】
さらに、上記防水シートとして、40℃において少なくとも50kg/cmの引張強さを有し、排水後の防水シート上への残水量が多くとも200g/mである防水シートを使用することにより取扱が容易で使用中の安全が保たれ、繰り返し使用が可能である。
【0024】
本発明のベッドはさらに、ベッド面の少なくとも一部が、上下に移動することによりベッド面が所望の形状に変形可能であるために、身体の不自由な人が体を足部、腰部、背部または頭部等で支えることができるために体にかかる負担を減少することができるとともに、浴槽が充分な深さをもつために湯に肩までつかることができ、腰掛ける姿勢あるいは背をもたれかけた姿勢あるいは寝た姿勢など本人の体の状態にあったより自由な体位で入浴ができるものである。このために、防水シートは所望の形状に移動変形したベッド面の立体形状に合わせられ、また予めそのように作っておいてもよい。
【0025】
またさらに、浴槽より水が撥ねてベッドの周辺を濡らさないようにするために防水シートの少なくとも一部に補助シートを設けることができる。またさらに、浴槽の上部面を被覆シートで覆うことにより、他の人に必要以上に体を見せることがなく、介護者も被介護者も気を使わずに利用できるものであり、また裸の人が寒気に曝されることが少なくなるものである。さらに本発明の設備は上部面を被覆シートで覆い頭部のみを出すことにより、これに加熱空気等を通気すれば、体を乾燥したり、サウナ用槽として利用できる。
【0026】
防水シートは、ベッドの体と接触する面を固定端部より相対的に低下させた後敷いてもよいし順番は問わない。
【0027】
また防水シートは一回毎に取外ししてもしないで使用してもよい。すなわち、長期間敷いたまま取り外さずに使用することができる。取外し使用することも容易であるので、水洗、除菌、乾燥、日光消毒を行うこともできる。
【0028】
この際防水シートはベッド面に人が寝たまま、機械的にシートを引き出して敷くようにしたものでもよい。この場合シートの端部をチャック等で掴み機械的に引出し、ベッド面上に敷くことができる。逆の操作でシートを取り外すことができる。また取外しの際に脱水乾燥ロールの間を通すこともできる。
【0029】
防水シートの乾燥は、疎水性の材質を使用することにより、体を拭った後のバスタオルで拭くことにより達成することができる。ベッドの周辺から乾燥エアーまたは温風をおくることにより防水シートや体の乾燥を行なうことができる。
【0030】
また防水シートはエアーマット構造やウォーターベッド構造を含むものであってもよい。すなわち、たとえば防水シートの少なくとも一部で体と接触する部分がエアーマットでできていてもよい。エアーマットはまたエアーマットの表面に穴が開いていていたり、または布目のような目開きを持ち、圧縮空気がそこから噴出するものであつてもよい。エアーマットの供給空気を加熱しておくと、脱着衣や給排水の際に寒さを防いだり、また入浴中に泡によるマッサージ効果も得られる。また、入浴後、体を乾燥する上でも有効である。ただし、表面に湯垢や髪の毛等が付着し易いので、これらが付きにくい材質や表面形状をしているものが好ましい。防水シートの一部または全部がエアーマットでできていてもよい。この場合エアーマットは表面が撥水性の処理がしてあるか、撥水性の樹脂でつくることができる。
【0031】
噴出エアーは好ましくは温度あるいは湿度あるいは空気量、あるいはこれらの適切な組み合わせが調節できるものが好ましい。さらに空気量を調節するために、圧力を調節できるようにしてあってもよい。温度としては、10ないし100℃であり、脱衣、着衣、給排湯の際に寒さを避けたり、さらにはサウナ浴を使用したり、夏の暑い時期に涼しくすることができる。このために、健常者の使用する浴槽の湯または冷水と熱交換することにより加熱あるいは冷却することができるし、他にヒーター、外気からヒートポンプを使用して空気調節することもできる。
【0032】
体またはエアーマットの乾燥のために、湿度は40ないし80%にコントールできることが好ましい。このため、従来の空調の原理を使用することができる。空気量としては、温度にもよるが、防水シートの必要な面積すなわち、体の防水シートと接触する面積、好ましくは水が接触する面積に対して、1リットル/平方メートル/分ないし1立方メートル/平方メートル/分が好ましい。また圧力としては、噴出空気穴から水が逆流しないように水深300mmないし900mmを考慮して、水が逆流しないために水圧300−900mmAqに対抗できるように空気の圧力をそれよりも高く、例えば400−2000mmAq程度に保つことができる。単に体を乾燥させる時または保温する時には圧力は大気圧よりも少し加圧であればよい。空気圧は、必要により、入浴時と乾燥時と就寝時とでかえることができる。噴出空気量は、水深のために減少される。すなわち、空気は加圧されるが、噴出量は低下し、さらに加圧にしない限り入浴中は泡は余り出ないので湯気の発生を過大にならないように抑えることができる。故に、空気圧または噴出口の口径を調節することにより水蒸気の発生を減少し、室内の湿気を抑えることができる。また、浴槽の縁より空気を吸引して湯気を配管により外部に排出することもできる。泡の発生が好ましい場合にはさらに加圧にして行うことができる。
【0033】
エアーの噴出はマット表面の多数の微小な穴によって行われる。穴は例えば底面部エアーマット表面およびその周辺の水と接触する防水シート部分にもあってもよい。穴は、表面に局所的にあってもよいし、表面全体にあってもよい。穴は直径1mm以下好ましくは0.1mmないし0.001mmである。径の下限は使用状態によってかわるが、0.0001mm程度である。あまりに小さいと、目詰まりを起こしたり、乾燥を行うのに不十分である。穴の径は一種類でなくてもよい。低圧のときには、大きな局所的に存在する穴が作用し、さらに加圧した時には、シートの比較的全体に分布する細かい穴によっても防水シートあるいは体の乾燥を図ることができる。エアーマットのセル毎に穴径の異なるものを使用することもできる。
【0034】
微小な穴を、表面全体に存在させるには、シートに機械的に穴を開ける他に、織物または不織布を使用することができる。たとえば表面を撥水性にした織物または不織布、撥水性のある繊維で作られた織物または不織布が使用できる。例えば不織布としては、ポリオレフィン製の不織布タイベックスまたはテフロン材質を使用したゴアテックス(デュポン製)等の通気性防水シートが挙げられる。噴出する空気の圧力が高ければ空気の噴出する穴の径が大きくても水が逆流することを防ぐことができる。
【0035】
エアーマットの構造は、例えば、全体が一つのセルでできていてもよいが、多数のセルに分かれていて、それらの全部または一部からエアーを噴出させてもよい、更に身長方向に対して横長または縦長のセルからなるようにできる。セルは交換できるように一本づつ独立にできていもよいし、また、セルの隔壁を共用するように非独立にできていてもよい。各セルは全てが連通して空気を送ることもできるが、一つ置きまたは二つ置き等に連通させて交互に加圧と減圧ができるようにしてもよい。エアマット部分の膨張時の厚さは1ないし10cmである。
【0036】
また湯を入れないで使用するとき例えば就寝時には、セルの全部または一部が空気による加圧膨張と空気を排出し圧の減少による収縮を繰り返すことにより、交互に膨張、収縮を行うために体に運動を与えて血行の促進や褥そう防止をはかることができる。その間隔は種々の周期で行うことができる。セルの構造としては体の長手方向に直角な横パイプ型であっても、縦パイプ型であってもよいし、長いパイプ型の代わりに、立方体形、直方体形、亀甲形、菱形、花びら形等のセルであってもよい。これらのセル間のつなぎ目はそこに水が溜まりやすいので、水はけの良い形状例えば、上に凸の円弧状、山形または左およびまたは右に下がった形状を使用することができ、セル間のくぼみを伝わって水が流れ落ち易いような構造がよい。
【0037】
防水シートは、変形して立体容器状の底部のみがエアーマットであっても、側面部またはその一部がエアーマットであってもよい。底部のエアーマットと側面部のエアーマットとは空気セルが繋がっていても、それぞれ別々のセルからできていてもよいし、セルの一部がくびれて薄く平たくなってつながっていてもよい。また防水シートの側面部がエアーマット構造を持っていない時には、側面部は撥水性のよいシートでできていることが好ましい。更に側面部の周辺部例えば固定端部についても撥水性のよいシートでできているとよい。
【0038】
また、防水シートはウォーターベッドの上に敷いてもよい。防水シートが通気性でもあり、防水シートとウォーターベッドの間に空気を送り、入浴前後の保温や防水シートの乾燥を行うことができるものであってもよい。防水シートがウォーターベッドと一体の構造を持つ場合にはさらに体圧の分散や睡眠に適するものとすることが出来る。
【0039】
このため、防水シートから体にかかる圧力を就寝時に4000Pa程度に低くすることができる。
【0040】
また、防水シートの角の部分をエアーバッグ構造とすることにより、水量の減少をはかることができる。防水シートの角の部分をエアーバッグ構造とすることは四隅であってもよいし、足の部分の隅であってもよい。防水シートは、エアーバッグ構造部分からエアーを抜くことにより、殆ど元の平面にもどることができるので就寝時の邪魔になることはない。
【0041】
本発明のベッドはさらに、防水シートの一部をエンボス加工することにより、入浴時に滑ることを防ぐことができる。さらに防水シートをベッド面に吸引することによりシートがずれたりすることにより人が不安定になったり、またその結果防水シートに無理な力がかかり破損することが防がれる。さらに防水シートは必要により、多重シートを使用し、万一、表面または裏面のシートが破れたり、傷がついてもベッドまたはその他の部分を濡らさないように、安全性を図ることができる。また、多重シートの間に粘着層のようなシーラント層を設けることにより、多重シートが相互に密着されるとともにピンホールや裂け目が生じても漏水が抑えられる。また多重シートは相互に密着できる構造のものとし、密着部に水が侵入した時はそれが視覚により検知するようにすることもできる。
【0042】
低下させるベッド面はベッドとして利用できる面の全体であっても一部であってもよく、さらに一つであっても複数に分割されたものであってもよい。本発明で、相対的に低下させることとは、防水シートの固定されたベッドの周辺部よりベッド面を低下させることか、防水シートの固定されたベッドの周辺部をベッド面より高く上げることかまたはその両者を言う。
【0043】
本発明のベッドはさらに、寝台面が、複数の分割された部分からなる浴槽となるベッドを含む。複数の分割された部分は、ベッドの身長方向と直角に分割されてもよく、また体位を仰向けからうつ伏せにするために、ベッドの身長方向に沿って分割されてもよく、さらには褥そう防止等の種々の要請に応えるためにそれら両者の方向に分割されていてもよい。またベッド面の分割方法は一部または全体が複数の部分に不連続的に例えば板状の形に分割されていてもよく、また連続して湾曲できる面に分割されていてもよく、また、不連続部分と連続部分が混在していてもよい。低下するベッド面は頭側、胴側、足側等いずれの部分でもよい。
【0044】
ベッド面の大きさは、人の大きさ、体位、水量により適宜選ぶことができる。通常浴槽としての大きさは、幅40cm以上、長さ70cm以上であり、好ましくは幅50cm以上、長さ90cm以上であり、深さについては寝た状態では20−40cm、尻を下ろしてあしを延ばした状態では40−50cm、腰掛けた状態では、60−90cmが好ましい。余り大きければ取扱や、水量の点で不利であり、通常幅1m以下、長さ2m以下である。
【0045】
防水シートは少なくとも移動シート部と非移動シート部からなり、非移動シート部は固定手段により固定してもよいし、非移動シート部の大きさまたは重さを充分にすることにより摩擦等により動きにくくしてもよい。
【0046】
本発明で、防水シートの固定された端部とは、固定手段によりシートが固定される部分(例えばマジックテープでシートの端部を固定する場合マジックテープの取り付けられたシート部分)のみを言うのでなく、固定された防水シートと同様に相対的に低下しない部分をも含む。したがって、非移動ベッド面上の防水シートも固定された端部に含まれる。
【0047】
ベッド面に敷かれた防水シートの端部はベッドの周辺部の少なくとも一部に固定される。防水シートは該シートの全周辺端部で連続的に固定されてもよいし、不連続的に固定されてもよい。
【0048】
防水シートをベッドの周辺部に固定するためにあらゆる方法を利用することができる。例えば、シートの端部に穴をあけ、ベッドの周辺部にフックを設け、これに防水シートの穴を引っかける方法、穴とフックの代わりにボタンを付けて両者を固定する方法、ボタンの代わりに、紐、マジックテープ、マグネット、粘着テープまたは接着テープを利用する方法、シートの少なくとも一部を掴むためのクリップまたはバインダーにより固定する方法、シートの一部に取り付けたジッパーとベッドの対応する周辺部に取り付けたジッパーにより固定する方法、シートの一部を挟み込むための溝と抑え板、あるいはシートの端部に棒を設け棒がベッドの周辺部の少なくとも一部に引っ掛かるようにして留めることもできる。棒の代わりにおもりをつけ、シートを引っ張ることによりベッドに対して相対的に固定することができる。おもりは防水シートの端部自身であったもよい。あるいは、シートの周辺部を周辺部に沿って折り曲げて例えば逆L字型の下向きの溝状の部分をつくりこれをフレームの上部周辺の縁の部分に上から引っ掛けることにより固定することもできる。フレームの上部のかわりに横向きまたは下向きに張り出したフレームの一部に引っ掛けることにより固定することもできる。本発明で張出部とは上記フレームの上部周辺の縁の部分あるいはフレームの上部のかわりに横向きまたは下向きに張り出したフレームの一部で引っかけることができる形の部分を言う。フレームの一部のかわりに、別途上記の張出部を設けたりしてもよい。あるいはシートの周辺部を周辺部に沿って長細い袋状にして、長細い袋に紐またはゴム紐を通し、それにより袋状部を締めつけることにより固定することもできる。防水シートの固定手段として防水シートの上から磁石を置き防水シートの下の鉄材または磁石との間に挟むことができる。
【0049】
さらに、固定手段の一つとしてベッドのフレームおよび側面部を含む周辺部に複数の減圧吸引用の開口部を設け、ポンプ等により減圧にすることにより防水シートを上記周辺部に固定させることができる。さらに減圧吸引により防水シートの底面部を固定することができるので、足で引っかけたりずらしたりすることによる防水シートの破壊や、湯に入る人が滑ったりする危険を防止する点で利点がある。そのため、上部、側面部、底部に減圧吸引用の開口部を設けることができる。
【0050】
ベッドの周辺部には、上記の各種方法に対応した各種の手段を設置することができる。固定する方法を選択することにより、または風呂として使用中にベッド面を上下に移動することにより、使用中においてもある程度所望の形の浴槽に変化できる。例えば、図4において上半身ベッド面を上方に上げたり、あるいは初めに基準高さにしておき、使用中に上半身ベッド面を防水シートの形状による限度の深さまで低下させることができる。また、上半身ベッド面が低下した状態で頭側端部を回動上昇するように作っておけば頭部を洗ったりするのに都合がよい。このため減圧吸引の場合は、フレームの上方部は固定されたまま、側面部及び/又は底面部の固定が解除され、移動後、再度固定することが行われる。安全性向上のため、固定手段を二重に設けることができる。固定手段は互いに異なった手段の組み合わせが好ましい。例えば、減圧吸引とシートの端部を掴むためのクリップ、あるいは逆L字型に開口した袋状部をフレームの上部に引っ掛ける方法と減圧吸引とがその例である。
【0051】
固定部はベッドと一体であっても別であってもよく、固定部は上下に移動または伸縮できるものであってもよい。固定部はフレームの状態であってもよい。フレームは無底、無蓋の箱状であってもよい。箱の形状が台形のように上部又は底部がそれぞれ大きさが異なっていてもよい。また箱といっても完全な四角である必要はなく丸みを持っていても、または楕円型の筒型であってもよい。固定部は上下に移動しまたは上下に伸縮して防水シートの固定端部が上下することによりベッド面を上下に移動しなくても防水シートを容器様立体形状にすることができる。防水シートの固定手段として後に述べるスペーサーの上部等に引っかけて使用することもできる。
【0052】
ベッド面の上下への移動は、ベッド面全体にしても、部分的な移動ベッド面にしても、自動的にまたは手動により行うことができるが、必要な場合に予め設定された位置に自動的に移動できるものであることが好ましい。自動的に移動させる手段としては公知のあらゆる手段が使用可能である。例えば、ジャッキ、油圧機、テコ、駆動アーム、バネ、弾性体等が挙げられる。駆動源は、ハンドル回転操作による手動でも、モーターでも駆動できる。モーターは正逆回転可能であったり、加減速機構を備えていてもよい。また複数に分割された各ベッド面を連動して動かしてもよい。さらに一つの駆動源により例えばクラッチ機構等を使用して複数のベッド面を移動または回動することもできる。また、背起こし動作のようにベッド面を回動上昇させる機能を持っていてもよい。これは防水シートを敷いたり、上半身を起き上がった姿勢にするためにも都合がよい。これらは従来使用されている回動上昇手段を用いて行うことができる。また電動と手動を兼ね添えた方法によれば停電または電気系統の故障の場合でも処置することができる。ベッド面の相対的低下は必ずしも防水シートを敷いた後である必要はなく、防水シートを敷く前でも後でも、シートを固定する前でも後でも必要により行うことができる。
【0053】
操作の簡便さのためには、例えば、ベッド面の目的とする変形位置を装置に記憶させておき、必要時に装置を作動させ、モーターや油圧装置あるいはギア、回転軸、駆動アーム等により、ベッド面を所定の形状に移動変形させることができる。
【0054】
本発明においては少なくとも、防水シートを敷いたベッド面を相対的に低下させて浴槽形に変形させる工程、給湯工程、排水工程、ベッド面を相対的に上昇させて仰臥用ベッド平面に戻す工程が全自動により行なわれることが好ましい。
【0055】
さらに必要によりエアマット構造を持つ防水シートより温風を吹き出す工程、排水後温風吹き出しによるエアマット及び体を乾燥させ工程等が全自動により行なわれてもよい。
【0056】
複数に分割された不連続のベッド面または連続したベッド面も同様にして所定の位置に移動させ変形させることができる。ベッド面は平面であっても、上または下に曲がったものであっても構わない。また、ベッド面は全面が板やマット等により覆われていなくてもよく、底面や側面の一部が空間になっていても構わない。例えば網状や格子状のものでも使用できる。ベッド面は、防水シートに張った湯による水圧と中に入る人の重みや動きに耐えるようなものでできている必要があるが、必ずしも硬いものでできている必要はなく、発泡材やエアーマットやウォーターベッド、またはベッドの内部にスプリングを持つものなど、柔らかい物であってもよい。
【0057】
防水シートに張った湯による横方向への水圧に耐えるようにするためには、防水シート自体が耐圧性であるか、またはベッドの側面が防水シートを隔てて水圧に耐えられるものが使用される。側面は、少なくとも一部が、板状、網状、格子状、線状のものでできていてもよいし、防水シートに張られた湯を充分支えることができれば一部が空間になっていても構わない。側面も又、防水シートに張った湯による水圧と中に入る人の動きに耐えるようなものでできている必要があるが、必ずしも硬いものでできている必要はなく、床面と同様に接触面が柔らかい物であってもよい。複数に分割されたベッド面を相互に上下に移動した場合にベッド面間に段差ができる場合がある。この段差部分の空間には上記側面で述べた板状、網状、格子状、線状のものを使用して横方向に働く水圧等を支えることができる。具体的には、ベルト、板、柱等であり、ベルト、板等が伸縮性のものであっても板が多段に分かれ、スライドできるものであってもスプリングのようなものであっても良い。これらの横圧支持部材は上下に移動できて、ベッド面より下に引っ込んだり横に倒したり横からさらに下方に倒したりできて、非使用時に邪魔にならないようにしてもよい。
【0058】
ベッド面は一つであってもよいし複数に分割された部分からなっていてもよく、各部は独立にまたは連結して水平にすることも、傾斜させることもできる。複数の部分に分かれた寝台面は、2ないし7に、好ましくは3ないし5つの部分に分かれたものであるかまたは、連続して湾曲できる部分をもつものが使用できる。各部分は独立してあるいは必要であれば相互に関連して、上下およびまたは左右に移動できるものである。またさらには、必要であれば回動したり、回転したりして位置を種々の形に変化させることができる。各部分は相互に独立していても、少なくとも一部で連結されていてもよい。ベッド面全体の上下できる高さは通常ベッドに寝る状態で使用する高さ(以後、基準高さと言う)よりも高くあったり低くあったりすることができる。しかし、必要により低くしか出来ないものを含んでいてもよい。浴槽として使用する場合には、例えば5つの部分に分かれた寝台面について説明すると(図6参照)、頭の部分は基準高さよりも少し下がり、背の位置はそれよりも腰の方へ低く傾斜し、腰の位置はそれよりもさらに下がり水平か背部から脚部の方に傾斜してもよく、あるいは腰の安定のために脚部から背部の方に緩く傾斜していてもよく、脚の位置はさらに傾斜して、足の平の部分が水平で最も下がるようにしてもよい。また、頭部は基準高さと同じか高くしても構わない。必要によりこれらの部分の高さの関係は任意に選ぶことができる。
【0059】
人がベッドに寝た状態で上記の複数の部分からなるベッド面を、固定端部より相対的に下げることにより、周囲がベッドの周辺部に固定された防水シートは、人の重みやそれ自体の重量、シート下部に給排水管を取り付けた場合にはその動きにより、またはベッド面の減圧吸引によりくぼみ、そこに湯を溜めることができる。このためシートは伸縮性のある一枚の平面のシートであってもよい。また防水シートは予め所望の形に移動変形したベッド面に合わせて成形したものであってもよい。さらに変形の形は単純な箱型であってもよいし頭部から足部への単純な傾斜であってもよいし、階段状であってもよい。階段状であっても、例えば、わずかに頭部の方向から足部の方向へ傾斜していればさらに防水シート上の残水量を少なくすることができる。また、防水シートの折れ曲がり部や垂直部と水平部が交差する部分は丸みを帯びた構造にすることにより残水量を少なくすることができる。ベッド面が軟らかく、体の接しているベッド面、とくに腰部により水平部が凹み、そこに水が残留する場合は、凹みに応じてベッド面の水平部を傾斜させておくか、または排水中に水平部を傾斜させることにより残水量を少なくすることができる。
【0060】
またシートは四角い一枚の平面を成すシートの四隅を切り欠き、立体容器状にして使用する場合に、各隅の切り欠いた対応する結合辺を防水ジッパー等の手段により結合して容器の縦の辺を構成することもできる。また、防水シートの周辺部を伸縮性の材質で作り、隅に弛みを生じないようにすることもできる。このため、周辺部の辺をエラストマー、ゴムのシート、布あるいは帯、その他伸縮性の大きい織布または不織布、あるいは形状記憶材料で作成することができる。
【0061】
また、防水シートを予め容器用立体形状に成形し、防水シートのうち、相対的に低下されるベッド面上に敷かれる防水シートの部分(移動シート部という)と、端部側シートの部分(非移動シート部という)との間に相対的に移動される距離に見合った折り返し部分を設けることができる。これにより元の就寝時の状態では、移動シート部と非移動シート部は同一平面になり折り返し部はその間に収納されて、就寝時に邪魔にならない。
【0062】
折り返し部は伸縮性の材質を使用することができる。伸縮性の材質としては、エラストマー、ゴム等である。エラストマーとして例えば、ガラス転移点が30−40℃程度のものが使用される。即ち給湯により軟らかくなり、周囲の支持板等へ密着しやすく、通常仰臥している状態では、やや硬くなる材質を使用することができる。
【0063】
また、折り返し部は伸縮性の構造のものを使用することができる。たとえば、非伸縮性の材質を蛇腹状に折り曲げたり、多重に折り曲げたり、巻いた構造にすることにより、展張することが可能である。また、伸縮性の構造は、膨らむことにより、その端部間の距離が縮むものであつてもよい。例えば、空気パイプを側面を接して並べたものであれば、パイプに空気を入れ膨らますことにより、パイプを並べた端部間の距離は縮み、空気を抜き平面状態とすることにより、端部間の距離は伸びる。
【0064】
移動距離に見合ったとは、相対的に低下されるベッド面の移動距離と、折り返し部が展張されて容器様立体形状の側面となる時の側面の長さがほぼ等いことを言い、非伸縮性の材質を使用するときにはベッド面の移動距離のほぼ1/2であり、伸縮性の材質又は構造のものを使用するときにはその伸びを含めてベッド面の移動距離のほぼ1/2 である。伸びは10%伸びた状態でなくても、途中の伸びの状態であってもよい。
【0065】
折り返し部は移動シート部と非移動シート部と一体の構造であり、それらの間から水が洩れることはない。移動シート部、折り返し部、非移動シート部は同一シートで出来ていてもよいし、別のシートを融着、溶着、接着等により繋ぎ合わせたものでもよい。
【0066】
容器様立体形状は単に箱型であってもよいし、足部が深く、頭部が浅いような傾斜状の箱型であってもよい。低下距離の異なる分割されたベッド面に合わせて底面が階段状であってもよい。この場合階段状となる隣接するベッド面間にも段差部分に相当する折り返し部を設けることができる。しかし、防水シートの折り返し部または移動シート部あるいはその両者に伸縮性の材質を使用するか、またはエアーマットのような膨張伸縮できる構造のものを使用することにより、折り返し部を減少することができる。低下距離が短い場合には、折り返し部をなくすることができる。また、折り返し部を非伸縮性の材質を使用することもできるが周辺との密着性の点では伸縮性のものの法がよい。
【0067】
なお、ベッド面の一部を低下させ、防水シートが浴槽をなすためには、例えば図11−14に示すような方法で行なうことができる。
【0068】
ベッド面全体の上下動は、アーム94、95を回動させることにより行なうことができる。回動の方法は例えば下記の方法が挙げられる。
【0069】
(1) アーム94、95は、一端がそれぞれ回転軸96、97に固定され、他端が横にコの字形の開口部のあるガイドレール98内を水平に移動できるようにして、回転軸はモーター等の駆動源により回転される。回転軸はモーターに直結されてもよいし、歯車、チェーン、ベルト等を介在して回転されてもよい。回転軸96、97は歯車、チェーン、ベルトにより相互に同期できる。アーム94、95は直接連接棒に繋げられ、同期して回動することができる。回転軸96、97の回転により、アーム94、95を回動させることにより、ベッドが水平状態を保ちながら上下動できる。
【0070】
(2) アーム94、95は同上のように設置され、回転軸96、97に軸支されたアーム94、95の一部を、またはアームを延長させた一部を、ピストン等により押しまたは引くことにより回動することができる。
【0071】
(3) 図とは異なって、アーム94、95をハの字形に設置し、アーム94、95の中間部を相互に近づけたり遠ざけたりすることによりアームを回動することができる。そのためには、両アームの中間部に螺子部を設け、一方回転する駆動軸に前記螺子部に螺合する螺子部を設け、螺子を介して、駆動軸により両アームの中間部を水平方向に互いに引っ張ったり押したりすることにより回動することができる。
【0072】
その他公知のあらゆる方法が使用できる。
【0073】
ベッド面の一部を低下させるには、例えばつぎの方法で行なうことができる。図11−14で、上下に移動する足部ベッド面では、下部ア−ム61、62及び上部ア−ム65、66が回動されることにより、足部ベッド面71が上下に移動される。下部ア−ム61、62は、一端が下部フレーム91に固定された軸63、64の回りに回動可能に軸支され、ア−ム61、62の他端は上下回動アーム連結軸67、68に軸支され、軸67、68はさらにアーム65、66の一端に軸支される。アーム65、66の他端は足部ベッド面71の両端にある固定軸63’、64’の回りに回動可能に軸支される。軸67、68の両端はコの字形の溝を持つ駆動板81の溝に沿って水平方向に可動である。軸67、68の中間には、駆動軸82が通る穴が貫通している。駆動軸82には表面に螺子が切ってある。軸67、68の穴の面には螺子が切られており、駆動軸82の螺子と螺合する。したがって、駆動軸82の回転により、螺子を介して軸67、68が相互に遠近する。なお、駆動軸82の螺子は軸67、68が遠近できるように、一端側半分と他端側半分の螺子の切りかたが逆である。駆動軸82はモーター80等の駆動源により駆動される。駆動軸82のモーター側と反対の端部と、モーター側の端部は支持板の溝83、84を上下する。また溝83、84により、モーターは回転の反作用が止められ、駆動軸82を回転できる。モーターの回転により軸67、68が遠近して、駆動板81が下降、上昇する。それにより、下部ア−ム61、62及び上部ア−ム65、66が回動され、移動面71が下降、上昇する。71’は移動面71が人が寝ている面より足上げになつた状態である。
【0074】
防水シートの立体形状は浴槽として使用する時の水量を少なくするために、足の方が細くなっていたり、寝袋型であってもよい。浴槽として使用する時の容量は水量の点からは、300リットル以下、さらにこのましくは200リットル以下、更に好ましくは100リットル以下である。
【0075】
本発明の装置は風呂に入る体位を自由に選ぶことができ、それに応じて風呂の深さを数cm−約100cmに変化することができる。したがって、心臓等に水圧による負担をかけたくない場合には好みの姿勢で肩部から腰、足部の方に湯をかけることができる。
【0076】
排水時にベッド面を上昇させながら排水を行ない、伸縮性シートの場合はベッド面の上昇とともに浴槽形状が小さくなり、最後に足元に湯が残るようにできる。また、尻部ベッド面を足側がややあがり背側が下がった状態にさせて排水することもできる。また側面方向に水が集まって流れるようにしてもよい。この逆に側面に集まり足の方へ流れるようにしてもよい。
【0077】
浴槽部の下には、漏水等に備えて、受け水用の槽を設置することができる。
【0078】
また浴槽より水が撥ねてベッドの周囲を濡らさないように、種々の方法をとることができる。このため、防水シートの全周または一部にさらに補助シートを存在させてもよい。とくに洗髪のために頭部に補助シートを存在させることは好ましい。補助シートは防水シートの一部であってもよいし、他の別なシートからなっていてもよい。補助シートは防水シートと同時に一体成形加工されてもよく、後からウェルドや接着によりあるいは他の固定手段を用いて防水シートに取り付けられてもよい。他の固定手段としては前記防水シートの固定手段もまた使用できる。補助シートの材質は防水シートと同じものを使用することもできる。補助シートの大きさは、防水シートに接する側の長さは任意でよいが、それと直角にのびる方向の高さは10cm以上50cm以下がよい。低いと撥ね防止にならず高すぎると介護がしにくくなる。補助シートはベッドの隅等に棒や枠を立て、これに補助シートの先端を下向きに開口し上部が閉じた袋状にしておき、この袋部を引っかけることにより立たせることができる。その他、多くの場合、ベッドの頭部および足部には、種々の処置を行うのに使用できる金属製の縦型フレームが設けられるのでこれを利用してもよい。
【0079】
浴槽の上部の面の少なくとも一部が被覆シートで覆われていてもよい。これにより入浴者の体が露出されるのを防ぐことができるので、介護者も被介護者も、視線を気にすることが少なくなり、また水の飛散を防止したり、室内への水蒸気の余分な蒸発を減少させたり、裸の状態でいる時に寒気が体に触れるのを少なくすることができる。また、排水後加熱空気を給排することにより体を乾燥する上でも都合がよい。また、浴槽を被覆シートで覆い、シートの一部から頭部をだすことができるようにしたものでは、浴槽に加熱空気または水蒸気を給気または通気することにより、サウナ風呂として使用することができる。
【0080】
被覆シートは防水シートと一体に作られていてもよいし、ベッド、防水シート、補助シートに前記各種の手段で取り付けられていてもよい。また防水シートの一部を延長して被覆シートとしてもよい。また、ボタン、マジックテープ、ジッパー、ひも等各種の手段で相互の延長した端を留めることもできる。被覆シートの材質は防水シートと同じものでも他の種類のものでも使用できる。さらに視線を遮るために不透明なものを使用することもできる。被覆シートは必要時に捲くり上げたり、外したりできるものであってもよい。被覆シートは給気口、排気口または通気口を持ったものであってもよい。被覆シートは視線を遮ったり保温等必要により不透明なもの、模様等が施されたものを使用することもできる。また被覆シートと防水シートとが一体に作られて、全体として人体の形状に合わせた形のもの例えば寝袋状のものであってもよい。
【0081】
水を張る方法としてはあらゆる方法が使用可能である。例えば、湯沸かし器を設置しそれから湯を供給する方法、別に健常者の使用する風呂場の浴槽(他の浴槽という)からホースとポンプにより湯を供給する方法等によることができる。また、湯を風呂場の浴槽との間で循環使用することもできるし、湯沸器に接続されたタンクとの間で循環し、浴温を調節することができる。このような入浴設備一式は家庭において余り場所をとらずに設置することができる。
【0082】
湯は使用後には、あらゆる方法で排水することが可能である。例えば、ポンプとホースにより排水する。ポンプは給水に使用したものでも、別のものでもよい。排水後防水シートの浴槽に水が残らないように一番低い所を設け、そこに使用後の湯が集まるようにすることができる。例えば頭部を高くし、背中、腰部をそれより低くし、足部を最も低くすることにより体に付着した水分とともに足元に水を溜め、排水することができる。このために、シートは予め浴槽の形に成形したものを使用することができる。例えば前述のように、頭部が最も浅く、背中、腰部になるにしたがって深くなり、足元が最も深くなるように成形してあれば水が最も低い部分に溜り、排水が効率良く行われる。たとえば、足元の段の片隅に円筒状の窪みのような水を集められる部分をもうけることにより、ポンプ等で吸い込み易い形にしてもよい。また、本人の姿勢により足を上げる場合には、尻部を最も低くして此処に水が集まり排水できるようにしてもよい。またシートに残る水分の量はシートの材質により影響される。シートの材質は親水性のものでも疎水性のものでもよい。疎水性のものを使用すると表面に水の残る量を低下させることができる。
【0083】
排水は容器用立体形状の防水シートの上方より排水管を下ろしてもよいし、防水シートの最低部に排水口を設けてもよいし、折り返し部の底部に排水管を設けてもよい。
【0084】
防水シートを撥水性のポリマーで作成したり、シートの表面に撥水性のポリマーをラミネートしたりコーティングしたり撥水剤で処理したりして複合的機能を与えることができる。撥水性のポリマーとしては、フッ素樹脂系のポリマーやシリコン系のポリマーが挙げられる。また、ゴミや垢が付きにくくするためにも上記の処理が利用できる。また表面に傷が付きにくくする処理も行うことができる。例えば表面を上記樹脂またはアクリル樹脂でラミネートしたりコートしたりすることができる。
【0085】
防水シートを入浴に使用する度に展張、取外しする場合には、介護者による防水シートの運搬、展張、清掃、乾燥、保存等の取扱の点からシートの重量、形状、大きさが決められる。介護者が老人である場合もあり、シートの重量は数kg程度以下である。10kg以上になると日常、上記のような取扱をすることが困難である。また、防水シート等の面積は使用する大きさにもよるが、10m以下であり、通常数m程度である。したがって、防水シートの材質としては、単位重量として1kg/m以下好ましくは500g/m以下のものが使用される。防水シートの材料としては種々のものがあるが、使用できるものは、比重が0.5から2程度のものである。この結果シートの厚みは約2mm以下、好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.5mm以下である。
【0086】
一方、風呂の内部で立ち上がり、石鹸等により滑ったり、段差につまずいて倒れたりした場合に、足の接触部からシートにかかる力に対して防水シートが破損しないためには、防水シートとして、風呂として通常使用する温度約40℃において少なくとも50kg/cm、好ましくは100kg/cm以上の引張強さをもつものがよいことが判った。また、シートを展張する時の引張に耐える強さからも、上記の強さのものがよい。しかし、湯の重量に耐えるだけであれば上記引張強さよりも小さくてもよい。
【0087】
防水シートの破損は、ベッドや駆動部分さらには寝室まで濡らす危険性があるので、ピンホール、亀裂等の防止は極めて重要であり、材質の選択、充分な厚み、二重シート、二重シート間へのシーラント層の挿入等の考慮がなされる。防水シートは、引っかけ破れや突き破れが生じ難いことが好ましく、各種のテストが考えられる。このために、引き裂き強度が、50g/mm以上好ましくは、100g/mm以上、さらに好ましくは200g/mm以上であったり、破裂強さが2kg/cm/mm以上、好ましくは5kg/cm/mm以上であるものが目安として例示される。しかしながらこれ以下の数値であっても使用条件、使用回数によっては使用できないわけではない。また防水シートを例えば、高さ13mmの突起棒を立てて、水を張ったフィルムを突起棒に突っかけて横方向に引きずることにより、その時の水の荷重を変えて、引っかけに耐える荷重として表すこともできる。例えば0.1mmの厚さの防水フィルムを使用して2kg程度以上の引っかけ強度であるものが例示される。また耐ピンホール性の優れたものを使用することが好ましく、例えば試験機先端の曲率半径0.49mm時に100g以上好ましくは、200g以上の荷重に耐えるものを目安として例示することができる。この他、初期引き裂き−継続引き裂き強度、衝撃強さ、耐屈曲性、耐磨耗性等の物性も場合により考慮される。
【0088】
さらに、被介護者を数日に一度好ましくは一日に一度、寝る前等に風呂に入れるためには、後処理が容易なことが重要である。防水シートの水と接触する面積は、前述のように10m以下であり、通常数m程度である。介護者が老人一人である場合も考慮すると、シート上に残る水分量を200g/m以下に、さらには100g/m以下に低下させることが好ましい。この結果、バスタオルあるいはタオル一枚でシートを完全に拭き取ることができる。また防水シートの一部を、表面から空気の噴出できる構造にすることにより、温風を噴出させることにより、防水シートを取り外して干さなくても、直ちに乾燥してその上に就寝することができる。また滑り止めのための防水シート表面のエンボス加工の深さや面積や水が低い段へ流れていくためのエンボスの形状等も場合により考慮される。
【0089】
またシートは加熱された湯により柔らかくなり過ぎないように配慮することが必要である。余りに柔らかくなると防水シートの弛みにより排水時に水が残り易く、また体の重みが加わったときに足に付着して破れたりする危険がある。またシートの伸縮も残水量を少なくするために考慮しなければならないことである。したがって、ベッドが低下して構成する浴槽の形状に対応して伸縮できる予備成形されたシートを用いることもできる。この場合、湯を張った時に、熱と水圧等でシートが伸びることにより、弛みがなく浴槽面に密着し、排水時に貯水量が減少するとシートが若干縮み、弛みが無くなるために水が局所に残留するのを少なくすることができる。また使用後に防水シート等をタオル等で拭き水分を拭い去る場合に、シートが張っており、拭い易い。
【0090】
また、耐熱性としては、湯の重量や人の重量が加わった場合に30〜50℃で著しく熱変形したり物性の低下しないものが要求される。また、耐寒性としては、余り低温は問題にならないが、屋外において乾燥あるいは殺菌させることがあるので脆化温度0℃以上、地域、季節によっては脆化温度−30℃以上のものが選択される。エラストマーとして使用される例えばポリウレタンエラストマーのガラス転移点は好ましくは30−40℃の間である。
【0091】
さらには、皮膚に対する衛生上の点からも材質の選択、添加剤の選択が考慮されなければならない。このため厚生省20号食品衛生試験等に合格するものであり、指定の各添加剤が使用される。全体として無味、無臭で無毒なものがよく、廃棄時に無害なものであればさらによい。
【0092】
上記のような諸条件を満たすために防水シートの材質としては、合成樹脂製のシート、フィルム、あるいは天然繊維、合成繊維から作られた布または不織布を防水加工して得られたシートも使用できるしターポリンのような防水帆布や防水紙も使用できる。
【0093】
合成樹脂としては、低、中、高密度ポリエチレン、アイソタクテックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1のようなポリオレフィン、ポリスチレン、ABSのような芳香族炭化水素樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−アクリレートのような高ニトリルレジン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレンのような塩素樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリテトラフロロエチレンのようなフッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、液晶ポリエステル、ポリ乳酸、ポリヒドロキシカルボン酸のようなポリエステル樹脂、6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン等各種のナイロン、液晶ポリアミドのようなポリアミド樹脂、ポリウレタン、ポリアセタール、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテル、ジ酢酸セルロース、トリ酢酸セルロース、ニトロセスロース、シリコン樹脂、天然ゴム、合成ゴム、その他のポリマーあるいは、グラフトマー、エラストマー、モレキュラーコンポジットが使用できる。これらの原料のコポリマーは所要の条件を満たしたものは使用できるが上記モノマーの組み合わせ及びその量を変えたものは全部を例示するときりがないが、例えば、エチレン−プロピレン、塩ビ−酢ビ、エチレン−塩ビ、4,6−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、6,11−ナイロン等が挙げられる。フィルムは未延伸でも、一軸延伸でも、二軸延伸でもよい。
【0094】
合成ゴムとしては、イソプレン、スチレン、ブタジエン、ニトリル−ブタジエン、クロロプレン、ブチル、アクリル、シリコン、フッ素、エチレン−プロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン、クロロスルフォン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロロヒドリン、ポリノルボルネン等の各ゴムが使用できる。またエラストマーとしては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、オレフィン、スチレン、ニトリル、塩化ビニル、ポリブタジエン、塩素化ポリエチレン、ナイロン等の各エラストマーが使用できる。またこれら相互のラミネート、コーテイングさらにはこれらとポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ乳酸のようなポリヒドロキシカルボン酸等とのラミネート、コーテイング等による複合材料も使用できる。上記材料と綿、麻、羊毛、絹、皮革、紙等の天然材料を糸状、綿状、布状で混入したりラミネートすることができる。
【0095】
さらに上記材料とアルミ箔あるいは錫箔とのラミネートあるいはコーテイングないしはアルミ等の金属または透明性が必要なばあいはセラミックの蒸着による複合体も利用できる。箔の厚みは7−25μmのものが例示される。蒸着による厚みは上記箔の厚みと同等程度かまたは薄いものでもよい。またフィルムに強度を与えるために、ガラス、炭素、ポリエステル、アラミド、金属、形状記憶材料等の繊維状、テープ状、布状等の補強材を添加することもできる。また、シートの表面は種々の材質によりコーティング処理することができる。これにより表面に傷が付き難くなったり、汚れが付き難くなったり、水の残留を少なくしたり、滑り難くなったりすることができる。
【0096】
また、展張時のシート面どうしのブロッキングを防止することも重要である。このため、添加剤として各種のスリップ剤を使用することができる。スリップ剤としては高級脂肪族カルボン酸アミドのようなものが使用できる。また、表面にエンボス加工を施すことにより、ブロッキング性を改善することができる。このようにして得られた各種シートの剥離強度は0.5g/cm以下、好ましくは0.1g/cm以下が使い易い。また折り返し部の低部に給気管を設け、空気を送り、シート間を離すことによりシートがくっつき合うのを防止することができる。
【0097】
種々の目的のために、防水シートは一枚であっても多数枚のシートからなっていてもよい。多数枚のシートは離れていても相互に密着しまたは接着され多層シートであってもよい。安全上多数枚のシートを使用することができる。多数枚のシートは、互いに離れている場合、シート相互が滑らないような材質の組み合わせを用いることができし、さらにはシートどうしを点または線状に接着しシートが相互にずれないようにすることもできる。
【0098】
多層シートを使用すると、表面または裏面のシートに傷、ピンホールまたは裂け目等ができた場合でも、シートの間にシーラントを積層することにより漏水を防ぐことができる。シーラントとしては、ウレタン、シリコン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリサルファィド、AB系等あらゆる種類のものが使用できる。とくに水分硬化型のものを使用した場合は、一液型であっても二液型であっても、侵入した水と反応して傷口を塞ぎ、漏水を防ぐことができる。とくに急速硬化型のものを使用すれば漏水に対する安全性が向上する。水分硬化型のものを使用する場合は、空気中の湿分により機能を低下させないためにアルミ、またはバリアー性のあるものでラミートすることができる。
【0099】
さらにまた表面または裏面のシートに傷等がつき、水または空気が侵入した場合にはそれを目視により検知できるように、表面および裏面のシートに線等を印刷しそれが重なるようにしておくことによりこれを検出することができる。また表面および裏面のシートの互いに密着する面に水溶性の色素で印刷しておくか、または色素粉を入れておくことにより水の侵入を検知することができる。また、シートにフェノールフタレンのような指示薬とアルカリを微細なカプセル状にして塗布しておき水に接した場合に発色するようにしてもよい。またシートが離れている場合シート間には発泡体や液体あるいは断熱性のガス等を加えることができる。発泡体を使用した場合、単に断熱効果があるだけでなく、表面の傷が裏面のシートにまで及びにくい。気体や液体を入れておくと、シート面にピンホール等の小さな傷が生じてもガスや液体が逃げるために、これを検出することができる。
【0100】
シートの表面は滑らかである方が水の残りかたが少ないが、入浴時の滑りを防止する面からは、表面にエンボス等の凹凸を与えてもよい。エンボス等の大きさ、形状には限定はない。また、シートは断熱性やクッション性、軟らかさを与えるために発泡体でできていてもよいし、発泡体が表面または内部に張り合わされていてもよい。また、シートに着色や模様をつけても構わない。これらのシートまたはフィルムは使用前は折り畳んでおき、使用時に展張し、使用後は再び折り畳みまたは巻いて、干したりして乾燥または殺菌して再使用することができる。このためシートには適当な軟らかさを与えるために可塑剤等を添加したり、紫外線吸収剤や耐候性安定剤を添加してもよい。またさらには黴が生えたり雑菌が繁殖するのを防ぐために、殺菌剤等の薬剤を添加することができる。また、防水、補助、被覆の各シートは、畳んでおいた場合にシート面が相互にくっつかないようにするために滑剤、アンチブロック剤を加えることができる。さらに、適当な硬さや比重を与えたりするために、各種の充填剤を加えることができる。
【0101】
シートの加工方法としては、ヒートシール、ウェルド、接着剤を使用する方法等どのような方法でもよく、強度が保持され、またつなぎ目が分厚くなったりしなければ良い。したがって、継ぎ目なしシートが好ましい。
【0102】
また防水シートの折り返し部分にエアーバッグやエアマット構造の部分を設けてもよい。
【0103】
必要な場合には、防水シートの一部が水量を減少するための又はクッション性を良くするための空間を構成するスペーサーを設けてもよい。スペサーがエアーバッグに拠って行われてもよいし、固体状物に拠って行われてもよい。スペーサーを側面または側面の足先にかけて細くなる一部におくことができる。スペーサーを片側のみにおくこともできる。またスペーサーを側面の他に上部、例えば足の上部に設けたり、下部に設けたりすることができる。
【0104】
エアーバッグはエアーを入れて立体的にしたものが使用できる。したがって必要に応じて空気を出し入れして、膨らませたり、空気を抜いて元の状態で使用することができる。
【0105】
エアーバッグは防水シートと別に設けてもよいし、防水シートとなるエアマットの一部が膨らんでエアーバッグを構成してもよい。エアマットの一部が膨らんでエアーバッグを構成する場合、エアーバッグ部分の材質はセルと同一の材質を使用することもできるが、非常に大きく膨らませる場合には、別の材質を使用して、ゴムのような非常に伸縮性のある材質を使用するかまたは殆ど伸び縮みしない材質を使用して単に予め空気の入る袋状にしたものを使用することができる。
【0106】
スペサーは、展張時に自動的に膨らむようにすると都合がよい。スペーサーとして使用できる固体状物としては、必要な空間が得られる物であれば構わないが、取外しの便宜のためには、ポリウレタンフォームやポリスチレンフォームのような発泡体やFRPあるいは合板で作成した空洞体のようなものが使用できる。もし固く、重量のあるものを使用する場合には取外しが困難なので、機械力により取り外すことができるか、またはベッド面下に引っ込めることができるような構造のものを使用することもできる。浴槽部分は水量を減少させるために、浴槽の構造が足先が細くなり腰部方向が広くなっているものであってもよい。このために、スペーサーとして上記のものを使用することができる。
【0107】
スペーサーは自身で水圧に耐えるのに不十分な場合には、それをさらに外部から支持するためのものが使用される。例えばベッド周辺の枠であり、背上げに使用したベッド面の一部であってもよい。これらは側面部においては水圧が、背面部においては水圧と背圧がかかるのでこれに耐えられる必要がある。例えば入浴時に水深が50cmになった時には、側面にかかる水圧は約200kg/mであり支持体はこれに耐えられるものであることが必要である。本発明では、ベッド面を低下させることができるので、フレームを耐水圧用の支持部材として使用するメリットがあり、強度の高い、安全性の高い浴槽を経済的に提供することができる。
【0108】
給水、排水用のパイプはゴムやプラスチックのような軟質のものでも金属や硬質塩化ビニル、フェノールパイプのような硬質のものでも使用することができる。またパイプは一本のものを給水、排水用に兼用することもできる。また、一本のパイプの中を二つに仕切りをしてそれぞれを給水、排水、循環ライン用に使用することができる。配管は簡単に取付け取外しできる構造のものを使用することができる。
【0109】
給水、排水ポンプの駆動は電動式でも、空気駆動式でも、手動または足踏み式でもよい。給水ポンプは、軸流、斜流、ボリュート、プランジャーあるいはダイヤフラム等どのような形式のものを使用することもできる。給水位置は足元からでも上半身からでも任意の部分からかけられるようになっていもよく、また給水装置の先端部がシャワーとして使用できるものでもよい。
【0110】
排水ポンプは、防水シートの低部に溜まった水をできるだけ排水できるものが好ましい。従来の排水用のポンプを使用することができる。排水を防水シートの上方より配管により吸い込む場合、吸い込み口については、注意が必要である。とくに水の吸い込み口が、底面のみにある場合は防水シートを吸いつけ、排水時に吸い込みを妨害したりする。したがって、吸い込み口は側面または上面にある方が、とくに側面にある方がよい。さらに吸い込み口は、防水シートを傷つけないような構造になっているものがよい。
【0111】
また、他の排水方法として、防水シートには湯水が最も低く溜まる底部または側面の下部に排水口をもうけることができる。排水口は取外し自在に取り付けられる。例えば、内面に螺子を切った配管に、防水シートの排水口(シートが排水口の周辺部において補強された縁を持っている)の周辺部を被せ、その上から環状のナット状螺子を螺合させることによりシートを配管に密着させることができる。また、排水口の部分を短いパイプ状にしておき、それに排水管を接続することにより排水できる。管の材質は金属製プラスチック製のものが使用できる。管は嵌め合わせ、螺合、スプリング、バネ、空気圧、水圧、電磁力で接続することができる。
【0112】
ベッドの大きさ、高さ、形状材質については特に制限はない。ベッドはベッド面を上下できるほかに、介護に適切な高さに調節できるように、ベッド自体を上下に動かすことができたり、褥そう防止や身体を楽にしたり、車椅子にのったり、ベッドから下りたりするために、必要に応じて、ベッド面の一部が、左右に移動したり回転あるいは振動、さらには周期的な脈動ができるようにしてもよい。また、別の場所に移動することができるものであってもよい。このためにモーターやキャスター、およびそれらに必要な停止または固定装置を設置することができる。この構造を持ったものは寝ている姿勢から上半身を起こした姿勢やさらには腰掛け姿勢をとることができる。
【0113】
また本発明は、防水シートをフレームの長手方向の一端に固定し、身体を固定端と反対側に転移し、防水シートをベッド面の過半に敷き延べ、身体を固定端側に転移し、防水シートをベッド面の残りの半面に敷き延べて得られるようにしたものであってもよい。長手方向に二つ以上に分割されたベッド面を、長手方向を軸に回動させ、身体を回動側と反対側に移動させた後、回動させた面を元の水平状態に戻して防水シートを回動させた側のベッド面に敷き延べ、つぎに、身体を移動させた側についても同様の操作を行ない、防水シートをベッド面の残りの半面に敷き延べて得られるようにしたものであってもよい。
【0114】
またベッドの側面は少なくとも一部が扉状、柵状になっていてもよい。この場合シートを外し、ベッドとして使用した場合に腰掛ける姿勢をしたり、腰掛ける姿勢をしたのち扉または柵の一部を開けて車椅子等に乗り移ったり、ポータブルトイレに移ったりするのに便利だからである。毎日の入浴が可能となり、体が温まり、体のこわばりがほぐれた後に、寝たきりにならないために、伝い歩行したり、車椅子に乗ろうとする努力をするときに、ベッド面が上下でき、ベッドの側面が開閉できるので都合がよい。
【0115】
これらの操作は赤外線式リモートコントローラーに記憶させ操作時にボタンを押すだけで行うことができるので、防水シート等を取付けた場合でも操作の邪魔にならない。また、電気設備は感電防止のために40V以下で、さらには24V以下のような低電圧で動作できるものを使用することができる。また防水シートの固定手段に使用した吸引用ブロワーを加熱または未加熱空気の送風に変えて乾燥、マッサージに使うこともできる。さらに好ましくは、防水シートの一部が空気を噴出できるエアマットであり該空気を加温して使用することによりこれらの用に供することができる。ベッドの下には重量に耐えるための基礎設備を設けてもよい。基礎設備に配管類を収容することができる。基礎の大きさは畳一枚分あればよく、畳一枚を外して入れ換えることにより用意に設定することができる。また、入浴のための附属設備として、シャワー設備をつけることができる。これにより汚れた湯や石鹸等を洗い流すことができるしまた好みにより入浴よりもシャワーを好む場合に対しても適応できる。
【0116】
本発明ではつぎのようなシステムをとることが例示される。
【0117】
湯水は健常者の使用する風呂からポンプと配管により供給したり、あるいは近くに設置した瞬間湯沸器あるいはその他の湯水供給設備により供給することができる。
【0118】
例えば、図9において、健常者の使用する風呂から本発明の浴槽までの配管105および102は主配管105aおよび102aおよび細い副配管105bおよび102bからなるようにすることにより、入浴準備として温風吹き出し中に配管内の冷水を温水に切り替えることにより配管内に溜まっていた冷水が体にかかるのを防ぐことができる。また、必要な時に、または常時、主配管に温水または冷水を通し副配管からもどるようにしておくことにより、エアーマットにおける噴出空気の温度湿度の空気調和に使用することもできる。このために、103には熱交換機を設置してエアーマットに送る空気を加熱または冷却することができる。この温水または冷水はエアーマットに送る空気を加熱または冷却せずに直接ベッド面に蛇管のように配管したり、ウォーターベッドに通水してベッド面の温度調節に使用することもできる。
【0119】
供給される湯水は、微量のオゾンを水中に送り出すことができるものを使用することができる。これにより湯水は、タンパク質、脂肪、炭水化物、細菌、臭気物質等を分解、脱色、殺菌、消臭されて健常者の使用する風呂に循環し使用することができる。微量のオゾンは溶解されており、呼吸器より取り込まれる量は規制値よりもはるかに少ない。
【0120】
湯水は鉱石、活性炭のような吸着剤、イオン交換樹脂、充填リング等により吸着分解される。これらの処理は充填塔形式で行うことができる。水流はこれらの充填塔に対して上から通水しても下から通水してもよい。あるいは塔の下部から空気を吹き込んでバブリングさせながら通水することにより酸化したり脱臭することができる。そのため、充填リングには水処理用の接触触媒を担持させることができる。
【0121】
また、湯水は微生物により処理することもできる。このため例えば、微生物を固定した担体を充填した塔に通水することにより分解、脱色、殺菌、消臭することができる。また、湯水は触媒により処理することもできる。このため例えば、触媒を充填した塔に通水することにより分解、脱色、殺菌、消臭することができる。
【0122】
更に、供給される湯水は、紫外線により、さらに完全に分解、脱色、殺菌、消臭が行われる。オゾンでは酸化処理できなかったものが完全に光により分解される。水銀灯のような光源を直接水中に設けてもよいし、水の上に出して設置することもできるし、石英製のガラス板またはセルを通して紫外線を照射してもよい。
【0123】
また、湯水は超音波により処理することもできる。このため例えば、超音波発振器を水中に取り付けることにより水処理が行われる。さらに超音波は体の血行を促進したりする効果がある。
【0124】
上記の方法は各種組み合わせて使用することができる。例えばオゾン処理に加えて、紫外線処理をすることにより白癬菌、大腸菌、臭気、色等を相乗作用的に減少させ、水質を向上させることができる。例えば、大腸菌に代表される細菌を水を一ヵ月間使用しても1立方メートルあたり数個以内に保つことができる。また本発明の入浴可能なベッドには赤外線設備または材料、とくには遠赤外線設備または材料を使用し、または附属として設けることができる。これにより血行等が促進される効果がある。
【0125】
また、湯水は老人が入浴して疲労を感じないように馴化したものを使用できるようにすることが好ましい。このため上記充填塔に適した天然鉱石を充填したり、入浴剤を添加したり、温泉成分、香気成分、酵素成分やイオン化剤等を添加したり、脱気したり、疲労の原因を除去するための吸着あるいは分解処理物質を充填したりすることができる。
【0126】
本発明の浴槽となるベッドは、該ベッドの一部に着脱自在に取り付け固定して、該浴槽への給湯設備を利用して水洗式とする移動式あるいは可搬式トイレ(ポーダルトイレと言うこともある)を附属させることができる。該着脱式トイレは上部排泄物落下室と下部排泄物貯留室とその間を仕切る弁とからなり、本発明のバスとなるベッドへの給排水設備を利用して水洗式とし、吸気設備を利用して乾燥を行ない、排気設備を利用してそれらの臭気を吸引排出できる。
【0127】
ベッド面が可変であることを利用してベッド面とトイレ座面とを同一高さにすることにより該トイレにベッド面より容易に移動が可能である。例えば、本発明ではベッド面の高さが可変であるので、ベッド面とトイレの腰掛け面の高さを合わせることができるので、容易に且つ安全にトイレの腰掛け面に移動することができる。ベッドの側面及び該トイレの側面あるいは背面には必要により扉、柵、握り棒を設けて転落防止や動作の便宜がはかれるようにすることができる。トイレの腰掛け面に移動した後、または都合により移動前に、ベッドの足を載せている面を下げることにより腰掛けた姿勢で用を足すことができるし、またそれが困難であれば元のおなじ高さのままで座って用を足すことができる。また該トイレを本発明の浴槽となるベッドに取り付ける位置は例えば、背起こしが使用できて、起き上がった状態より移動し易い位置に設置することができる。
【0128】
該トイレをベッドに着脱自在に取り付け固定するには、ベッドの一部例えば側面に雄雌の関係で嵌挿できるジョイントにより、ワンタッチで行うことができる。ベッド側面の下部の一部を切り欠き、切り欠きの中にひっこんだ形で雄のジョイントを設置し、該トイレに該切り欠きに嵌挿する部分を設け、その部分に雌のジョイントをもうけることにより、両者を密に且つ強固に嵌挿することにより安定して固定することができる。また同様にして、前記給湯配管の一部をベッドの一部例えば側面に配管しその一部例えば先端に雄のジョイントを取付け、トイレの正面側に雌のジョイントを取付け、両者を水密に嵌挿することにより、排泄後の温水洗浄用に使用することができる。ジョイント及びそれにつながる配管等を伸縮自在にしたり、ベッド面の側面の内外に移動できることにより、該トイレやベッドの側面から固定部あるいは配管が出っ張ったりして、邪魔になったり、引っかける危険を回避できる構造であれば如何なるものも使用することができる。雄、雌のジョイントは何方側に何方をつけてもよい。したがって、固定のためには、単にフックやマグネット、スプリング、バネ等も使用することができる。しかし、液体や気体の配管のジョイントには、気密、水密のものを使用しなければならない。
【0129】
着脱式トイレは、ベッドの側面を切り欠き、ベッド面内に入り込む形にすることもできる。これにより移動が容易になったりトイレ座面に腰掛けたのち、足部を低下させ腰掛けた姿勢にして排泄をより自然な形で行なうことができる。
【0130】
該トイレは必要時に移動して本発明の浴槽となるベッドに固定することができる。例えば、夜寝る前に移動固定し、朝取り外して移動したりできる。また本トイレは、使用後、排泄物をトイレの下部に設けられた気密式タンクに一時貯留し、下部に設けられたタンクを取り外すことにより、朝それを捨てることができる。該トイレは上部室と下部室に分かれ、その間に両者を気密的に開閉する弁を設けることができる。該トイレは例えばガラス繊維含浸ポリプロピレン(三井東圧化学製LFP)を使用して強度、密閉度、外観に優れたものを作成することができる。
【0131】
該トイレには上部に蓋を取り付けることができる。上部の蓋を開けると、弁が自動的にまたは人力により開き、上部室と下部室がつながり、排泄物が直接下の部屋部分に落下する。水洗処理後、該弁を閉じることにより下の貯留された室は気密状態になり臭気は殆ど洩れることはない。しかし多少はもれたり、上部室に付着したものが多少もれることがある。このため、上部室部分と蓋との間にも弁を設けることができる。弁は引き出し式で、ストッパーにより途中で止まり全部引き抜けないタイプのものを使用できる。
【0132】
最上部の蓋を開閉することにより、弁が自動的に開閉するようにしてもよいし、人力で開閉してもよい。下部室は引き出せる箱状になっている。箱の中に排泄物が貯留される。また、使用後、排泄物をトイレの下部に設けられたタンクにおいて加熱により排泄物を蒸発分解できるものが好ましく使用できる。好ましくは、加熱による蒸発分解が接触触媒の存在下に電気ヒーターで行われるようにすることができる。該トイレは気密式にできているので、一時貯留しておいても臭気が室内に漏れてくることは少ないが、多少の臭気はあるので排気を部屋外に行うことも勧められる。この場合、やはり排気管も前記給湯管のように着脱自在に気密に取り付けることができる。排気管は直接部屋外に排気が出るように設置することもできるし、前記給水管と並列に配管して、健常者の使用する風呂の近く迄配管し、外気に出すこともできるし、前記湯水処理設備により脱臭して排気することもできるし、オゾン発生用の空気源に使用することもできる。あるいはまた、オゾン発生設備で発生したオゾンを該トイレに配管により導き、臭気を処理することもできる。なお、完全にねた切りでおむつを着用している人に対しても、おむつの側にビニール管等を配置し、他端を前記ベッドの排気管に接続することにより、臭気を排気することができる。
【0133】
下部室は引き出せる箱状になっているが、引き出す方向に制限はなく、側面からとり出したり、裏面から取り出したりすることができる。ポーダブルトイレには、移動の便利のために車輪等をつけることができる。水洗後、局部の乾燥には、前記エアーマットの送気に使用した空気または、温風を使用することができる。ワンタッチで着脱する方法としては、公知の液体あるいは気体を送るための配管の接続方法が使用できる。
【0134】
これにより、介護者の用便に対する労力も大幅に改善できるし、且つ衛生的であり、さらに重要なことは、被介護者の精神的負担を少なくすることができることである。また朝でも夜でも簡単に入浴することができるので、夜中の排泄による体の汚れを朝、除くことができる。
【0135】
本発明の浴槽となるベッドは、上記の目的のために、少なくとも、ベッド面を相対的に低下させる工程、給湯する工程、排水する工程、ベッド面を相対的に上昇させる工程が全自動で行なわれる。
【0136】
全自動とは、上記工程の全てが予め、コンピュータ、タイマー付きシーケンサー等に設定され記憶されており、必要な条件をセンサー等で確認しながら、所定の全工程を所定のスケジュールに従って自動的に行なわれること等であり、周知の意味で使用される。
【0137】
従って、全自動の範囲には、少なくともベッド面を相対的に低下させる工程、給湯する工程、排水する工程、ベッド面を相対的に上昇させる工程の他に、ベッド全体の高さ調節工程、脱衣着衣用のベッド面の部分的上下及び回動工程、防水シートの交換敷きのべ工程、空気噴出工程、空気調和工程、乾燥工程、排気工程、排泄物処理工程その他介護のために必要となる工程を加えることができる。
【0138】
センサーとしては、ベッド、シート、重量、人体の位置あるいは、湯水、空気の温度、圧力、量、あるいは環境の水分、あるいは装置の電圧、漏洩電流、あるいは人体の温度、血圧、脈拍等の測定の対象となるものが例示される。
【0139】
本発明のシステムは、このように、最も困難とされる、入浴、用便特に夜間の用便に対して、有効なものであり、被介護者が寝たきりに近い状態から慣れていき、最後に全くの寝たきりになった状態にいたるまで幅広く対処できるものである。これらの、ベッド、風呂、トイレは上記のようにシステム化して使用されることにより従来のものに比較して、省力、衛生、安全、精神的負担の各面で機能性を発揮し、操作的に容易で、且つ経済的なものである。
【0140】
【作用】
ベッド面に、伸縮性材質でできており空気噴出口を持つエアマット構造を有する防水シートを敷き、防水シートの周辺端部をベッドの外周フレームに固定させる。この上に人が仰臥している。エアマットの空気噴出口から温風を吹き出しながら脱衣させる。ベッドの一部を所定の位置に低下させ、これに合わせて、防水シートを所定の形状の窪みを持たせ浴槽とする。
【0141】
防水シートの移動シート部分と非移動シート部分との間には折り返し部分が存在しており、ベッド面が移動する前には両者の間に折り返れた形で垂れ下がって収容されており、ベッド面が移動後は折り返し部分が展開されて浴槽の側面を形成する。折り返し部はエラストマーでできており、伸縮性のために任意の浴槽底面や側面の形状に合わせることができる。使用後は再び折り返され移動シート部分と非移動シート部分との間に収容される。折り返された部分に溜まった水は折り返れた部分の低部に設けられた配管により排水され通気により乾燥される。
【0142】
防水シートには足部に給排水口がある。一方健常者用浴槽には充分な量の適温の湯が用意され、給排水ポンプを内蔵した湯水処理設備を通して防水シート上に形成された浴槽に給湯し、健常者用浴槽との間で循環することができる。これにより好みの姿勢で好みの時間入浴したり一時上がったりすることができる。使用後、前記ポンプにより排水した後ベッド面を元の位置に戻す。
【0143】
さらにベッド面を上下または回動させながら上半身を起こし、ベッド面をタオルで拭き、体を拭き、着衣させる。
【0144】
エアマットの空気噴出口から温風を吹き出すことにより、入浴時においても、空気噴出口への水の侵入を防ぎ、入浴後は防水シート、体の乾燥を行なう。
【0145】
就寝時等にはベッド全体が着脱式トイレの高さまで低下し、ベッドのコの字形に切り欠いた側面に着脱式トイレが取り付けられ、ベッド側ユーティリティ配管とトイレ側ユーティリティ配管とがワンタッチで取付けられる。使用時に着脱式トイレ内の仕切り弁が開き、ベッドに仰臥していた人は背起こし動作により上半身起き上がり、少しの労力によりトイレの座面上に移動することができる。排泄後、ユーティリティ配管を通して温水洗浄、温風乾燥が行なわれ、排気しながら弁を閉じる。排泄物は翌朝等に廃棄される。
【0146】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、形状、寸法、材質等は一例であり、何ら本発明を限定するものではない。さらに、実施例は本発明を限定するものではない。
【0147】
実施例1
図1は本実施例の浴槽となるベッドの斜視図である。(1)はフレームであり、フレーム(1)は全長200cm、全幅90cmであり、頭部側面板(2)、足部側面板(3)、左側面板(4)、右側面板(5)からなる。フレーム(1)にフレームの長手方向に沿って二つに分割され、上半身部ベッド面(6)と下半身部ベッド面(7)とが設けられている。上半身部ベッド面(6)は回動上昇させることができ、下半身部ベッド面(7)は下降後元の高さまで上昇することができる。上半身部ベッド面(6)の大きさは長手方向90cm、幅方向80cmであり、下半身部ベッド面(7)の大きさは長手方向100cm、幅方向60cmである。したがって、フレームの枠自身の幅は上半身部ベッド面(6)の頭側と、フレームの下半身部ベッド面(7)の足側とはそれぞれ5cmであり、上半身部ベッド面(6)の幅方向の側面と接するフレームの枠自身の幅は左右方向5cmであり、下半身部ベッド面(7)の幅方向の側面と接するフレームの枠自身の幅は左右方向15cmである。
【0148】
図2は断面図であり、ベッド面の移動機構を示す。上半身部ベッド面(6)は下半身部ベッド面(7)側の一端側が左右側面板(4)、(5)間に設けられた回転軸(19)に枢着され、上半身部ベッド面(6)の中程下部にはガイド板(11)が設けられ、そのガイド板内を移動する転輪(12)が油圧機構(13)のピストン(14)の先端に取付けられている。フレーム内に取り付けられた油圧機構を駆動させてピストンを伸長させることにより、上半身部ベッド面(6)を図2の破線で示したように回動上昇させることができる。これにより仰臥しているひとの上半身を起き上がった姿勢にすることができ、防水シートを敷くのに便利である。フレーム(1)の下部には、正逆回転モーターおよび加減速機構を有する駆動源(15)が設けられ、駆動源(15)に連動して上下方向に伸縮するジャッキ型伸縮部材(16)が設置されている。ジャッキ型伸縮部材(16)の上面は下半身部ベッド面(7)の下面に固定される。これにより下半身部ベッド面(7)は、モーターの正逆回転により無段階に基準面より所望の深さまで低下しまた、基準面まで上昇させられる。これらの操作は赤外線式リモートコントローラーに記憶させ操作時にボタンを押すだけで行うことができる。上記コントローラーに予め所定の深さを、例えば、下半身部ベッド面(7)の低下させる位置を基準面より50cmの深さになるように設定されている。上半身部ベッド面(6)の頭部と反対側の辺の下部には、支持部材(9)が設けられている。支持部材(9)は上半身部ベッド面(6)と低下した下半身部ベッド面(7)間の段差に対して防水シートの横方向への水圧を受け止めるために設けられたものである。
【0149】
図3は防水シートがベツド面上に敷かれ、下半身部ベッド面(7)が低下し、容器様立体形状が生じた状態を示す。防水シートは、厚み0.2mm、単位面積重量260g/m、引張強さ250kg/cmを有する内部可塑化ポリ塩化ビニールであり、軟質のため平面状への折り畳み、展張に適しており、皮膚に対する感触がよい。防水シートは、図2に示すように移動変形したベッド面と密着できる形状に立体的に成形されており、防水シートの面積は4mであり全重量は約1kgであった。また防水シートは排水に適するように全体として弛みの部分がなくなるように加工されている。またその内容積側の表面は、滑り防止のためにエンボス加工されており、外表面は、開口部との減圧吸引に適するように円滑である。また防水シートの端部は、周囲に逆L字型に折れ曲がり袋状にした開口部(袋状部)を持っている。
【0150】
頭部側面板(2)、足部側面板(3)、左側面板(4)、右側面板(5)上半身部ベッド面(6)、下半身部ベッド面(7)および支持部材(9)には、入口径約10mmパイプ径約3mmのロート状減圧吸引用の開口部が防水シートと接触する面に多数設けられている。各板の中の多数の開口部はパイプにより一つにつながっており、また、上記の板は全てフレキシブルパイプによりつながり、送風機の吸気側に配管により結合され、防水シート敷設後大気圧より約−0.1kg/cmに減圧し、防水シートをそれぞれの部分に吸引により固定することができる。また防水シートはフレームの上部にひっかけられるように防水シートの周囲に逆L字型に折れ曲がり袋状にした開口部(袋状部)を持っている。上記の減圧吸引および防水シートの引っかけによりシートは固定され、それぞれの固定手段に問題が生じた場合に対しても別の種類の固定手段が作用し安全性が保たれる。送風機の排気側は、必要時に加熱器に導かれ、温風として、開口部より吹き出すことができる。
【0151】
仰臥している人の上半身を起こし、上半身部ベッド面(6)に防水シート(10)を敷き、防水シートの周辺部(20)をフレームの上部(21)に引っかける。防水シート(10)の残り下半身部ベッド面(7)に相当する部分は尻の下にたくしこむ様にしておく。上半身を脱衣させた後、上半身部ベッド面(6)を元の水平の位置に戻す。バスを指定して、途中低下位置を予め記憶させたリモートコントローラーを操作し、下半身部ベッド面(7)を少し低下させ足の平が下半身部ベッド面(7)に着く程度まで低下させた位置で、一度下半身部ベッド面(7)を止め、足を立膝にして残りの下半身部ベッド面(7)に相当するシート部分を尻の下より引き出して敷き、防水シートの周辺部(20)をフレームの上部(21)に引っかける。下半身を脱衣させた後、さらにリモートコントローラーを操作し、下半身部ベッド面(7)を所定の位置に低下させる。低下完了直前に自動的に減圧ポンプが作動して、防水シートを吸引して固定される。予め健常者の入る浴槽に湯を、所定温度に沸かしておく。健常者の入る浴槽と給排水ポンプと市水栓をプラスチック製配管により湯水混合温度調節器に結合させる。湯水混合温度調節器より展張された防水シート(10)の内容積部に温度調節された湯をプラスチック製給水管を通して給水する。
【0152】
フレーム(1)は全体的に上下できるようになっており、給水前または入浴中でも必要な高さに調節することができる。使用中は、防水シートは各側面板、ベッド面および支持板に密着固定しており、中で人が動いてもずれたり、中の人が不安定になったりすることがなかった。
【0153】
使用後、吸い込み口が側面にある吸い込み部品と給排水ポンプにより湯を給水管を再度利用して排水する。また、必要により使用中に湯を健常者の入る浴槽との間で循環することもできる。排水後、身体を乾燥時重量190gのバスタオルで拭いたところ、重量は244gであった。そのバスタオルを使用して防水シートの表面を拭いたところバスタオルは368gの残水を吸収した。この結果、防水シートの単位面積当たりの平均残水量は97g/mであった。
【0154】
防水シートの表面を拭いた後、リモートコントローラーを操作して、送風機を温風吹き出しに切り替えて、さらに駆動源(11)のモーターを逆回転させて、ベッド面を元の水平状態に戻し、敷く場合とほぼ逆の操作により、着衣させ、防水シートをはずした。防水シートには水が残留していないので着衣時に衣類が濡れることはなかった。防水シートは浴室に運び水洗した後、日光で一時間乾燥殺菌させ、乾燥後再び折り目に沿ってたたみ、次回の使用に備えた。これらの操作を繰り返して、30回使用したが、防水シートにはピンホール、裂け、固定用折り曲げ部に異常は見られず、またシートの弛みも見られなかった。また黴菌の繁殖の有無を調べたが検出されなかった。臭気や変色も見出されなかった。
【0155】
実施例2
図4を例に説明する。実施例2では防水シートがベツド面上に敷かれ、上半身部ベッド面(6)が30cmの深さまで低下し、下半身部ベッド面(7)が50cmの深さまで低下し、容器様立体形状が生じた状態を示す。
【0156】
フレームおよび各部側面板は実施例1と同じである。実施例1で、下半身部ベッド面(7)がモーターの正逆回転により無段階に基準面より所望の深さまで低下しまた、基準面まで上昇することができると同様に、実施例2では上半身部ベッド面(6)も同様の機構で低下し上昇できるようになっている。上半身部ベッド面(6)の大きさは長手方向90cm、幅方向85cmであり、下半身部ベッド面(7)の大きさは長手方向90cm、幅方向85cmである。上記コントローラーには、予め上半身部ベッド面(6)の低下させる位置を基準面より30cmの深さになるように、下半身部ベッド面(7)の低下させる位置を基準面より50cmの深さになるように設定されている。上半身部ベッド面(6)の低下させる位置には、伸縮自在で所望の高さに設定できる支持板(8)が設けられている。支持板(8)は低下した上半身部ベッド面(6)と下半身部ベッド面(7)間の段差に対して防水シートの横方向への水圧を保持するために設けられたものであり、上半身部ベッド面(6)の低下させる位置を基準面より30cmの深さになる位置で支えられる高さに調節されている。
【0157】
頭部側面板(2)、足部側面板(3)、左側面板(4)、右側面板(5)上半身部ベッド面(6)、下半身部ベッド面(7)および支持部材(9)には、実施例1と同様に減圧吸引用の開口部(21)が多数設けられ、防水シート敷設後大気圧より約−0.2kg/cmに減圧し、防水シートをそれぞれの部分に吸引により固定することができる。フレームの上部横の窪んだ位置には、長さ5cm幅3cmの固定用マジックテープが50cm間隔で設けられており、防水シートの対応する位置にもマジックテープが取付けられている。これにより二重に固定され、それぞれの固定手段に問題が生じた場合に対しても別の種類の固定手段が作用し安全性が保たれる。
【0158】
防水シートの材質は、厚み0.1mm、単位面積重量130g/m、引張強さ400kg/cmを有するグラフトポリ塩化ビニール(三井東圧化学製ビニクロングラフトHS)であり、軟質のため平面状への折り畳み、展張に適しており、皮膚に対する感触がよい。防水シートは、移動変形したベッド面と密着できる形状に立体的に成形されており、防水シートの面積は4.0mであり全重量は約0.5kgであった。また防水シートは排水に適するように全体として弛みの部分がなくなるように加工されている。またその内容積側の表面は、滑り防止のためにエンボス加工されており、外表面は、開口部との減圧吸引に適するように円滑である。また防水シートの端部はマジックテープによりフレームの相当する位置にマジックテープにより固定される。
【0159】
仰臥している人の上半身を起こし、上半身部ベッド面(6)に防水シート(10)を敷き、防水シートの周辺部の穴を固定用フックに挿通する。防水シート(10)の残り下半身部ベッド面(7)に相当する部分は尻の下にたくしこむ様にしておく。上半身を元の水平の位置に戻す。足を立膝にして残りの下半身部ベッド面(7)に相当するシート部分を引き出して敷き、防水シートの周辺部の穴を固定用フックに挿通する。バスを指定して、低下位置を予め記憶させた赤外線式リモートコントローラーを操作し、上半身部ベッド面(6)と下半身部ベッド面(7)を所定の位置に低下させると、低下完了直前に自動的に減圧ポンプが作動して、防水シートを吸引して固定される。減圧ポンプには逆止弁が設けられ、水を張った時点で停電した場合でも防水シートの減圧吸引による固定が保たれる。
【0160】
予め健常者の入る浴槽に湯を適切な温度に沸かしておく。健常者の入る浴槽と給排水ポンプと市水栓をプラスチック製配管により湯水混合温度調節器に結合させる。湯水混合温度調節器より展張された防水シート(10)の内容積部に温度調節された湯をプラスチック製給水管を通して給水する。
【0161】
フレーム(1)は全体的に上下できるようになっており、給水前または入浴中でも必要な高さに調節することができる。使用中は、防水シートは各側面板、ベッド面および支持板に密着固定しており、中で人が動いてもずれたり、このため中の人が不安定になったりすることがなかった。使用後、吸い込み口が側面にある吸い込み部品と給排水ポンプにより湯を給水管を再度利用して排水する。排水後、身体を乾燥時重量245gのバスタオルで拭いたところ、重量は297gであった。そのバスタオルを使用して防水シートの表面を拭いたところバスタオルは692gの残水を吸収した。この結果、防水シートの単位面積当たりの平均残水量は173g/mであった。
【0162】
防水シートの表面を拭いた後、コントローラーを操作して、温風吹き出しに切り替えて、さらに駆動源(11)のモーターを逆回転させて、ベッド面を元の水平状態に戻し、敷く場合とほぼ逆の操作により、防水シートをはずし、日光で一時間乾燥殺菌させた。乾燥後再び折り目に沿ってたたみ、次回の使用に備えた。これらの操作を繰り返して、30回使用したが、防水シートにはピンホール、亀裂は生じなかった。また黴菌の繁殖の有無を調べたが検出されなかった。臭気や変色も見出されなかった。
【0163】
実施例3−23
実施例2において、防水シートの材質にグラフトポリ塩化ビニールを使用したかわりに表1に示すものを使用した。防水シートの水と接触する面には種々の形のエンボス加工を施した。実施例2と同様にして、繰り返し30回使用したが、防水シートにはピンホール、裂け、固定穴の亀裂は生じなかった。また黴菌の繁殖の有無を調べたが検出されなかった。臭気や変色も見出されなかった。エンボスによりシート上での体の滑りは防止することが出来、エンボスの種類によるが、防水シート上の平均残水量はいずれも200g/m以下であった。
【0164】
【表1】
Figure 0003611895
【0165】
実施例24
ベッド面の一部が曲面により成っている場合の例を図5に示す。防水シートの材質としてプロピレン−エチレン共重合体(三井東圧化学製FL−100)からなる実施例3のシートを使用した。また支持部材8にはナイロン製のベルトを使用し、ベルトは一端側がフレームの足部側面板の中間位置に固定され、他端側が足の平部のベッド面のフレーム側端部に連結された。本発明の浴槽となるベッドとして安楽な体位で使用することができた。
【0166】
実施例25
図6に基づいて説明する。長方形の枠状のフレームの内法は長手方向長さ1900mm、幅800mmである。フレーム1は枠自身の幅50mm、高さ600mmであり、繊維強化ポリエステル(三井東圧化学製バス用エスター)製である。フレームは動力により高さ方向に伸縮可能であり最低300mmから最高700mm(基準高さ) まで高さが調節可能である。フレームには枠の内側にベッド面が取り付けられ、ベッド面は長手方向に頭部から五つに分割されたベッド面からなる。ベッド面はいずれも幅約800mmであり、身長方向の長さは、頭部ベッド面は300mm、背部ベッド面は500mm、腰部ベッド面は300mm、脚部ベッド面は500mm、足の平部ベッド面は300mmである。ベッド面床板はそれぞれ厚さ20mmのポリプロピレン(三井東圧化学製ポリプロピレンJS−G)製の板に厚さ50mmの表面にスキン層を持ったポリウレタン製発泡スラブ(三井東圧化学製MDI−PH/PPG−GP3025)が接着され、スラブの表面には布が接着されている。フレーム1には防水シートを掴み固定するためのチャックが、取り付けられている。また側面板には実施例1と同様に減圧吸引するための開口部がある。
【0167】
ベッド面の高さはバス使用時は、頭部100mm (基準高さ−100mm)、腰部300mm (基準高さ−300mm)、足の平部500mm (基準高さ−500mm)で、わずかに足部にかけて傾斜しているがほぼ水平である。背部は頭部から腰部にかけて傾斜し、脚部は腰部から足の平部にかけて傾斜している。水平部と傾斜部の段差はナイロン布製ベルトで全体が繋がれている。さらに足の平部の片隅には集水用窪みがある。
【0168】
防水シートとして、表面を梨地にエンボス加工した厚さ50μmのアルミラミネートポリエチレンテレフタレート製シートを湯の入る面にして、厚さ50μmのアルミラミネート軟質塩化ビニール製シートをベッド面側にして、二枚のシートの間に、厚さ50μmの水分硬化型シーリング材(三井東圧化学製タフシーラー100)がコートされている防水シートである。防水シートの形状は、防水シートの周辺部を固定するフレームと低下移動した上記ベッド面の形状に合わせた形状に加工されている。防水シートの面積は5mであった。
【0169】
上記構成の浴槽となるベッドを使用した結果、シートがずれたりすることなく、繰り返し20回使用することができた。30回使用時の防水シート上の平均残水量は91g/mであった。30回使用後、シート面に上方向から最大径1mmの錐を落下させて防水シートに穴を貫通し、またベッド面に最大径0.2mmの針を固定して穴を開けたが、防水シートからいずれも水が漏れることは無かった。
【0170】
実施例26
実施例25において湯の入る面に厚さ50μmの透明なポリプロピレン製シートを、ベッド面側に厚さ50μmの軟質塩化ビニール製シートを使用し、その間に厚さ25μmのイソプレン−スチレン系ホットメルト型粘着材(三井東圧化学製エムティーメルトT−815)が積層されている防水シートを使用した。上記構成の浴槽となるベッドを使用した結果、シートがずれたりすることなく、繰り返し20回使用することができた。30回使用時の防水シート上の平均残水量は47g/mであった。30回使用後、水と接触する表面から剃刀により長さ10mmの防水シートを貫通する裂け目を与えたが、防水シートから水が漏れることは無かった。
【0171】
実施例27
実施例26において湯の入る面に厚さ50μmの透明なポリプロピレン製シートと、ベッド面側に厚さ50μmの軟質塩化ビニール製シートとのみからなる防水シートを使用した。ポリプロピレン製シートの内面には青色の帯が、塩化ビニール製シートの向き合った内面には赤色の帯が互いに重なる形で印刷されている。上記複層シートは多数の位置で点接着されている。上記構成の浴槽となるベッドを使用した結果、シートがずれたりすることなく、繰り返し60回使用することができた。60回使用時の防水シート上の平均残水量は49g/mであった。60回使用後、水と接触するポリプロピレン製シートの表面にのみ剃刀により長さ10mmの裂け目を与えたが、二枚のシート間に水が浸透したが下部シートから水が漏れることは無かった。また、目視により上記青色の帯と赤色の帯がずれてシート間に水が浸透したことが検出された。
【0172】
実施例28
実施例27においてポリプロピレン製シートには何の処理もせず、塩化ビニール製シートの内面にフェノールフタレンと重炭酸ソーダの入ったマイクロカプセルを塗布した複層シートを使用した。上記構成の浴槽となるベッドを使用した結果、繰り返し30回使用することができた。30回使用時の防水シート上の平均残水量は46g/mであった。30回使用後、水と接触するポリプロピレン製シートの表面にのみ剃刀により長さ10mmの裂け目を与えたが、二枚のシート間に水が浸透したが下部シートから水が漏れることは無かった。また、目視により上記シートが赤色に発色して、シート間に水が浸透したことが検出された。
【0173】
実施例29
シートの材質として実施例1で使用したポリ塩化ビニル製単一シートを使用した他は実施例25と同様のベッド構造のものを使用した。頭部において補助シートは防水シートと一体成形されている。補助シートはベッドに附属する補助棒を立てそれに先端を被せる形で固定される。実施例25と同様に使用し、且つ頭部の洗髪を行ったが周囲に水が撥ねることはなかった。使用後、防水シート上の残水量は72g/mであった。
【0174】
実施例30
実施例25におけるベッドを使用して、被覆シートとして実施例25の防水シートと同じ材質を使用して、被覆シートが防水シートと一体成形されたものを使用した。被覆シートは、頭部を出す以外は身体全体が覆われるようにできている。被覆シートの上部はマジックテープがついており被覆シートの上端どうしを重ねて止めることができる。被覆シートの足側半分を上端どうし重ねて止めた。被覆シートは下半身を覆い、入浴時に他者の視線に曝されることがなかった。
【0175】
実施例31
防水シートの材質として厚さ75μmのポリエチレン製シートに25μmのポリ3フッ化塩化樹脂をラミネートしたシート(アライドケミカル社製Aclarラミネートシート) をフッ化樹脂側を湯に接する側にして使用した他は、実施例2と同様に行った。30回使用時の平均残水量は10g/mであった。
【0176】
実施例32
図7は防水シートの一例であり、防水シートの一部がエアーマット構造のものである。体と接触する表面は撥水性のあるウレタンシートでできており、裏面がウレタンゴム製である。それ以外の部分はエアーマット構造を持たず、表面が撥水性のあるウレタンシートでできており、裏面がウレタンゴム製である。エアーマットの各セルは縦に菱形に並んでおり、セルの表面の間を伝って水が流れ落ちやすい。エアーマット構造を持つ部分は、浴槽として使用する時の寸法に合わせて、背部より上で広く、腰部より下で少し狭くなっている。各セルには体と接触する面に、直径0.05mm〜0.0001mmの径を有する小孔が多数存在する。本防水シートはエアーマット構造部において850g/mの単位重量を有し、他の部分も470/mの単位重量を有している。また引張強度は40℃において500kg/cmを有する。該シートの周辺部はコの字状に折り返されて、ベッドの周辺固定枠および背起こしベッド面の上端に引っかけられるようになっている。
【0177】
就寝時には、各セルは、例えば一つ置きに加圧空気が入り表面が膨張して上に凸状になった部分と一つ置きにそれに対して減圧になり収縮して凹状になった部分とが生ずるようにしてある。この加圧、減圧による凹凸動作は数分間隔で交代するようにできる。これにより体圧が分散されると同時に凹凸動作により褥そう防止に役立つ。しかし全体を加圧あるいは減圧に保つこともできる。空気の噴出量は、就寝時には約10リットル/分であり、入浴前後には200リットル/分に流路抵抗を加減することにより調節できる。
【0178】
浴槽として使用する場合には、全部のセルは加圧にされ、空気を噴出させて小孔からの水の侵入を防ぐことができる。送風圧100cm水柱下において送風量は10リットル/分であり空気は40℃に温められている。温められた空気を全部のセルから約200リットル/分でエアーマット部から噴出させながら脱衣させ、つぎにベッド面を低下させた。43℃の湯を100リットル/分の速度で2分間ベッド浴槽へ入れた。空気の噴出により入浴中にも水がエアーマットのセルに侵入することはなかった。
【0179】
入浴後、同一のポンプの吸入側配管と排出側配管の接続を切り替えて排水した。排水後、入浴者の体をバスタオルで拭きさらにそのタオルにより防水シート上の水分を拭った。重量差より防水シート上の平均残水量は91g/mであった。別途の試験で、エアーマットを構成する部分とその他の部分について平均残水量を求めたところ、エアーマットを構成する部分では95g/mであった。ベッド面を上昇させ、エアーマットから噴出する温風で体を乾燥させ着衣させた。排水の開始から着衣迄の時間は約10分間であったが、この間入浴者は温風により寒さを感ずることは無かった。また、防水シートは噴出する温風により乾燥され、毎回取り外す必要がなく、そのままその上で就寝しても湿気を感ずることは無かった。
【0180】
実施例33
実施例32において、湯の量を減少するために防水シートの裏面の一部がエアバッグ構造を有する防水シートを使用した。エアバッグに空気を圧入することにより幅10cm、長さ50cm、高さ50cmのエアバッグが、足部の両側面部に設置される。防水シートの湯の入る部分はこの部分だけ小さくなり、湯量を約50リットル減少させることができた。これにより入浴者が入浴感を味わう上で又、介護者が体を洗ったりする上で支障は無かった。排水後エアーバッグ内の空気を抜くことによりその部分の防水シートは平らな面に戻った。さらに付け加えると、エアーバッグは減水用のスペーサーとして使用できる他に、就寝時において足を載せて使用することができる。
【0181】
実施例34
本発明のシステムとしての利用の例を図9に示す。
予め、健常者の使用する浴槽201内に湯を適温に沸かして満たしておく。201の側には湯水処理分配器202が設置されている。201内の湯を湯水処理分配器202内のポンプ212により、主配管105aに低流量で送りこみ、副105bより抜き出し浴槽101に循環することにより配管内を適温の湯で満たしておく。熱交換機103によりエアーマット噴出用空気を加温し、待ち時間における体のウォーミングアップ、乾燥及びエアーマットの乾燥に使用する。送風量は就寝時に比較して約10ないし100倍、例えば300リットル/分に設定される。ベッド浴槽101に201より給湯し、足元から次第に入浴できるようにする。入浴中及び入浴後、湯を201に循環あるいは回収する。排水後は端部配管104は出し入れ自在であり、収納部102に端部を上にして収納されるためにこの部分には水は溜まらない。また熱交換機の上部で端部配管104の間には弁があり、収納部102に端部を上にして収納下場合に、湯水がこれより先に流れないようにしてある。ベッド側面には、後述の着脱式トイレ用の湯水用配管、温風用配管、排気用配管がワンタッチで接続できるためのジョイントが取付けられている。なお、本システムの各部分には、必要により、各種の温度、圧力、水位、過電流、目詰まり等に対するセンサーや漏電ブレーカーを設け、安全対策を多重に行うことができる。
【0182】
202には湯を汲み上げるためのポンプ211と汲み上げた湯水を処理するための活性鉱物、活性炭、イオン交換樹脂の充填された塔部が設置されている。その下流212には加熱部分があり、シース線ヒーターにより水が加熱される。シース線ヒーターは面状であり、ハネカム構造をなしている。ハネカム構造の表面はステンレスでできており、その表面にパラジウムが、また光の照射される部分には二酸化チタンがコーティングされている。一方オゾン発生器214よりオゾンを含む空気が212加熱部分に供給される。さらに212加熱部分には紫外線照射装置215が併設されている。すなわち、ヒーターの外周に水銀灯が水につかるように設置れている。これらにより浴槽101より循環回収される湯水が処理され、脂肪、タンパク質、汗、尿およびフィルターで取りきれないで混入した便、細菌類が分解され、同時に脱色、消臭される。これにより大腸菌で代表される細菌類は全く検出されず、一ヵ月間水を補給するだけで毎日入浴に使用したが老人特有の臭気は201の浴槽において全く感じられなかった。
【0183】
入浴後、バスタオルにより体をふき、防水シートを拭いた。ベッド面を上昇させ、温風により体をゆっくり乾燥させ着衣させた。エアーマットからの温風の噴出量を次第に減少させ、就寝時には10リットル/分にして一定にした。脱着衣、給湯前後、防水シートの乾燥時は送気速度を速くし、これにより保温、即時の乾燥が行われ、就寝時には緩くし、皮膚表面の乾燥、適温化をはかり細菌の繁殖を抑えることができる。この結果、体は清潔に保たれ、尿路感染症、褥そうの危険は非常に著しく減少され、同時に血行が促進され、安眠をえることができる。
【0184】
実施例35
実施例34のシステムにさらに着脱式トイレを設置した例を図8に示す。着脱式トイレは、ベッドに寝ている人が背を起こした姿勢で尻が着く部分のベッド面の真横に取り付けられており、ベッド面の高さは上下に可動であり、トイレの座面の高さと同じ高さに調節され、容易に移乗し易い。なお、ベッド面及びトイレの上側面の必要位置には転落防止のために柵を設けたり、握り棒を設置することができる。着脱式トイレのベッドに固定される正面の一部はベッドの側面に雌雄の関係でジョイントにより嵌合し、しっかりと固定される。同時に、ベッドの側面に配管された温水、エアマット用空気、およびそれらの配管に沿って配置された排気管が該トイレのジョイントに雌雄の関係で水密及び気密に連結される。また、着脱式トイレの蓋や仕切り弁の開閉あるいは排泄物のヒーター処理のために同様にジョイントにより電気が配線結合される。したがって、使用前に温風がおくられ、排気により臭気は室外に排気されている。該トイレの蓋を開けると上部室と下部室の仕切り弁が開き、座面に移乗し、排泄する。この際、ベッド面が低下できるので足を下げ、腰かけた状態で行うことができ、自然の感覚が得られ排泄行為に支障がでない。使用後温水により局部が洗浄される。排泄物、洗浄水は下部室に落下貯留する。下部室には底部に貴金属が被着された電気ヒーターが設置されており、ただちに排泄物等を分解蒸発させる。蒸気は前記配管により室外に排気される。底部には少しの灰分が残るので定期的にまとめて捨てる。また停電の際等には、下部室が引出し状に出来ているので引き出して捨てることができる。また本全システムは外部の緊急連絡情報ネットに接続されており、異常時に対処することができる。なお、着脱式トイレを取り付ける位置は任意のところを選ぶことができる。
【0185】
実施例36
防水シートの一部に折り返し部を設けた例である。図11は足部における身長方向と直角方向のベッドの縦断面図である。
【0186】
(71)は足部ベッド面の移動面、(72)は足部ベッド面の非移動面、(73)は(71)上に敷かれた防水シートの移動シート部、(74)は防水シートの折り返し部、(75)は(72)上に敷かれた防水シートの非移動シート部、(76)は防水シートのエアマット部を示す。
【0187】
防水シートは、相対的に低下されるベッド面上に敷かれる部分(移動シート部)と相対的に低下せずにベッド面上に敷かれる部分(非移動シート部)との間に折り返し部が存在している。折り返し部は、就寝時のようにベッド面全体が同一平面をなす場合は、移動シート部と非移動シート部との間に折り返されて収容されている。防水シートは、移動シート上と非移動シート上に、パイプ状のセルが並んだエアマット構造をもっており、寝た場合にクッションの役目をし、またセルが交互に膨張、収縮する機能を持つ。さらに微小な空気噴出口がセルの表面およびセル間に分布し、エアーの噴出により保温、乾燥、入浴後の防水シートの乾燥に使用される。
【0188】
折り返し部にはエアマット構造はない。防水シートの材質は、厚さ0.2mmのポリウレタンエラストマーが使用される。ポリウレタンエラストマーのガラス転移点は、湯の温度より低く、防水シート上への給湯により、軟らかくよく伸びるようになる。一方排水後、温度の低下により防水シートは硬くなる。ポリウレタンエラストマーのガラス転移点は約35℃であり、引張伸びは約500%である。
【0189】
図12は図11で浴槽形成時の状態を示し、防水シートが容器様立体形状に展開された状態を示す。
【0190】
移動面(71)が低下し、同時に移動シート部(73)も低下する。移動シート部(73)の低下につれて折り返し部(74)が展開される。防水シートは伸縮性の材質であるために、人および湯の重量により伸びて移動面(71)や水圧支持板(81)に密着できる。
【0191】
図13は身長方向のベッドの断面図であり、就寝時のベッド面の状態を示す。防水シートの折り返し部(74)は腰部ベッド面(7)と背部ベッド面(8)との間に折り返された状態で収容される。
【0192】
アーム(94)、(95)が回動することにより上下動フレームが上下する。これにより介護、着脱トイレ使用車いすへの移動が容易になる。
【0193】
図14は、図13において、浴槽形成時の状態を示す。ベッドの腰部、足部の移動面が低下し、同時に移動シートも低下し、それにつれて防水シートの折り返し部(74)が展開伸張される。
【0194】
ベッドの腰部移動面と足部移動面の間には、水圧を支えるための支持板があってもよく、支持板は可動式で移動面の低下とともに立ち上がって支持板の役目をするようにすることができる。
【0195】
【発明の効果】
本発明により、一人の介護者により、ベッドを浴槽にし、浴槽に湯または水を容易に給水したり使用中または使用後に排水したり、充分な深さを持ち、体が足部、腰部、背部、頭部等で体を支えることができて、寝た切りの人を風呂に入れることができて浴槽に変化可能なベッドが得られた。また、裸の状態でも他人の視線に曝されることなく、寒気に曝されることの少ない浴槽に変化可能なベッドが得られた。さらにベッドが浴槽になりさらにサウナ風呂としても利用できる。
【0196】
本発明により、座る、腰掛ける、寝る等のいかなる形にも対処し得、湯の量に見合った大きさのものにすることができ、更に、立体的容器の形状を変えることにより、いかなる体位についても湯の量を一定にできる。
【0197】
本発明により、ベッドから容易に着脱式トイレに移乗し排泄が可能でありその後洗浄乾燥が容易である。本発明により、入浴、排泄を随時行うことができ、また介護の世話を大幅に低下させることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の浴槽となるベッドの斜視図である。
【図2】実施例1の浴槽となるベッドの長手方向縦断面図である。
【図3】実施例1の浴槽となるベッドにおいて、防水シートを敷き、フレームに固定し、ベッド面を低下させた図である。
【図4】実施例2の浴槽となるベッドにおいて、防水シートを敷き、フレームに固定し、ベッド面を低下させた図である。
【図5】ベッド面の一部に曲面部を有する浴槽となるベッドにおいて、防水シートを敷き、フレームに固定し、ベッド面を低下させた図である。
【図6】ベッド面が5つつに分割され、さらに一部に集水部分がある例である。
【図7】実施例32において、防水シートの一部がエアーマットでできている場合の例の斜視図である。
【図8】実施例35において、着脱自在のトイレを浴槽となるベッドに取付けた例の斜視図である。
【図9】実施例34におけるシステムの配置図の例である。
【図10】実施例34に湯水処理分配器のブロックダイヤグラムの例であ
【図11】実施例36において、足部における身長方向と直角方向のベッドの立断面図である。
【図12】図11で浴槽形成時の状態を示す。
【図13】実施例36において、身長方向のベッドの立断面図である。
【図14】図13において、浴槽形成時の状態を示す。
【符号の説明】
1 フレーム
2 頭部側面板
3 足部側面板
4 左側面板
5 右側面板
6 上半身ベッド面
6’ 上半身ベッド面の曲面部
7 下半身ベッド面
7’ 下半身ベッド面の曲面部
8 腰部ベッド面
9 支持部材
10 防水シート
10a エアマット型防水シート
11 ガイド板
12 転輪
13 油圧機構
14 ピストン
15 駆動源
16 ジャッキ型伸縮部材
19 回転軸
20 防水シートの周辺部
21 フレームの上部
30 底部排水部
40 エアバッグ
50 着脱式トイレ
61 下部回動アーム
62 下部回動アーム
63 下部回動アーム用固定軸
64 下部回動アーム用固定軸
63’ 上部回動アーム用固定軸
64’ 上部回動アーム用固定軸
65 上部回動アーム
66 上部回動アーム
67 上下回動アーム連結軸
68 上下回動アーム連結軸
69 水圧支持板
71 足部ベッド面の移動面
72 足部ベッド面の非移動面
73 防水シートの移動シート部
74 防水シートの折り返し部
75 防水シートの非移動シート部
76 防水シートのエアーマット構造部
77 排水、給気管
80 モーター
81 駆動板
82 駆動軸
83 支持板内溝
84 支持板内溝
91 下フレーム
92 上下動フレーム
93 上フレーム
94 フレーム回動アーム
95 フレーム回動アーム
96 回転軸
97 回転軸
98 ガイドレール
101 浴槽となるベッドの浴槽部
102 格納部
103 熱交換器
104 給排水管端部
105 給排水用配管
105a 主配管
105b 副配管
201 健常者浴槽
202 湯水処理分配器
203 給排管
204 給排管端部
204’ 急速吸入兼健常者浴槽循環パイプ
205 給排管端部フィルター
205’ 排水
206 排水管
206’ 排水側切り替え弁
207 排気管
207’ 吸入側切り替え弁
211 ポンプ
212 ヒーター
213 水処理塔
214 オゾン発生装置
215 紫外線照射装置
221 水
222 湯

Claims (3)

  1. ベッド、及び浴槽として使用時に容器様立体形状をなす防水シートからなり、該ベッドの体と接触する面の少なくとも一部に、該防水シートを敷き、該防水シートの少なくとも端部を含む一部を該ベッドの周辺部の少なくとも一部に固定手段により固定した後、該防水シートの敷かれたベッドの面の少なくとも一部を、該防水シートの固定した端部より相対的に低下させることにより、生じた該防水シートの容器様立体形状の内容積部分に湯を容れることにより浴槽となるベッドであって、該防水シートを取り外さずにベッド及び浴槽として繰り返し使用可能であり、該防水シートが、
    (イ):ベッド面を相対的に低下させるにつれて伸縮性平面状シートが伸びて生じたくぼみに、湯を容れ、湯を排出後、相対的に低下されたベッド面を相対的に上昇させるにつれて伸縮性平面状シートが縮んで、元の平面状に戻る伸縮性平面状シート、(ロ):該防水シートの固定された部分と、相対的に低下されるベッド面上に敷かれる防水シートの部分との間に、相対的に低下されるベッド面の移動距離に見合った折り返し部を設け、予め容器様立体形状に賦形されたものであり、非相対的低下時には折り返し部が相対的に低下されるベッド面とその周辺の固定部との間に収容され、相対的低下時には折り返し部が展張されて容器様立体形状の側面をなすシート、又は(ハ):上記(イ)と(ロ)の両者の性質を兼ね備えたシートであることを特徴とする浴槽となるベッド。
  2. 請求項1記載の浴槽となるベッド、他の浴槽、該他の浴槽中に貯えられた湯を該浴槽となるベッドとの間で循環させるための配管およびポンプ、及び、必要に応じて設けられるベッドを乾燥させるための排気設備、からなる入浴システム。
  3. 請求項2記載の入浴システム、及び上部排泄物落下室と引き出し可能な下部排泄物貯留室とその間を仕切る弁とからなるトイレからなり、該入浴システムの浴槽となるベッドに、該トイレを着脱自在に取り付け、トイレ使用時にベッド面を相対的に低下させて該トイレの便座面とほぼ同一面となるようにさせ、該浴槽へ湯を循環させる配管およびポンプを利用して水洗式とし、排気設備を利用してトイレおよび/またはベッドの臭気を吸引排出できるベッド・バス・トイレシステム。
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