JPH09134781A - 薄膜エレクトロルミネッセンスパネルおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜エレクトロルミネッセンスパネルおよびその製造方法

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JPH09134781A
JPH09134781A JP7291500A JP29150095A JPH09134781A JP H09134781 A JPH09134781 A JP H09134781A JP 7291500 A JP7291500 A JP 7291500A JP 29150095 A JP29150095 A JP 29150095A JP H09134781 A JPH09134781 A JP H09134781A
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JP
Japan
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panel
seal plate
thin film
groove
desiccant
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JP7291500A
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English (en)
Inventor
Mikihiro Noma
幹弘 野間
Satoshi Inoue
智 井上
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示性能を損なわずに充分な吸湿性、防湿性
を有すると共に、安価な構成となる薄膜ELパネルを提
供する。 【解決手段】 ガラス基板1上に形成された、電極層
2、第1絶縁層3、白色発光層4、第2絶縁層5、電極
層6からなるEL素子を覆うシール板7のガラス基板1
と対向する面に、EL素子による表示部分を覆うように
溝15を設け、上記溝15に、ガラス基板1とシール板
7との表示部分における間隙より大きな粒径を有する乾
燥剤12を分散させた絶縁性オイル11を注入する。こ
れにより、薄膜ELパネルの表示部分には乾燥剤12が
入っていない絶縁性オイル11のみを、溝15には、乾
燥剤12が充分に分散された絶縁性オイル11を、一度
に注入することができ、また、表示性能を損なわずに充
分な吸湿性、防湿性を有する薄膜ELパネルが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば平面薄型デ
ィスプレイとして用いられる薄膜エレクトロルミネッセ
ンスパネルおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報化産業時代の到来と共に平面
薄型ディスプレイの需要が高まりつつあるなかで、薄膜
エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescen
t )パネルは、長寿命であることから、特にFA(Fact
ory Automation)用ディスプレイとして注目されてい
る。
【0003】最近では、このような薄膜ELパネルとし
て、従来実用化されているMn添加ZnS(ZnS:M
n)膜を発光層として用いた黄色ELパネルに加え、よ
り豊かな発光色とより高い発光輝度を求めて、Tb添加
ZnS(ZnS:Tb)膜やCe添加SrS(SrS:
Ce)膜、Eu添加SrS(SrS:Eu)膜等を発光
層に用いた、緑色、青色、赤色の各画素をマトリクス状
に配置した並置方式薄膜ELパネルや、ZnS:Mn/
SrS:Ce/ZnS:Mn積層発光層等の白色発光層
にカラーフィルタを重ねてカラー化するフィルタ方式薄
膜ELパネル等の開発が盛んに行われている。
【0004】これら薄膜ELパネルのなかでも、上記フ
ィルタ方式薄膜ELパネルは、その構造、作成方法によ
って2種類に大別される。つまり、(1)EL素子が形
成されたELパネル基板と、フィルタを形成した別のシ
ール板とを貼り合わせる構造と、(2)ELパネル基板
上に形成されたEL素子上にフィルタを直接形成した
後、掘り込み加工を行ったシールガラスを用いて封止す
る構造とに大別できる。
【0005】上記(1)の構造を有する薄膜ELパネル
としては、例えば特開昭64−40888号公報に開示
されている薄膜ELパネルを挙げることができる。通
常、上記(1)の構造を有する薄膜ELパネルでは、E
Lパネル基板とシール板との間に数十μmの間隙を設
け、この間隙に絶縁性の樹脂またはオイルを充填してい
る。
【0006】ところが、上記薄膜ELパネルは何れも、
上記絶縁性の樹脂またはオイルに含まれる微量の水分、
および、薄膜ELパネル内に湿気が入り込むこと等によ
って、時間の経過と伴に劣化する傾向にある。そこで、
上記水分の吸収、防湿の為に、ELパネル基板とシール
板との間に、乾燥剤を添加する試みがなされている。
【0007】しかしながら、薄膜ELパネルの厚さを薄
くするために、ELパネル基板とシール板との間隙は、
できるだけ薄い方が好ましい。また、シール板の内側に
カラーフィルタを設けた場合には、視角の変化による色
ずれをなくし、明瞭な表示を得るためには、ELパネル
基板とシール板とができるだけ接近している必要があ
る。さらに、表示部分に不透明な乾燥剤が入り込むと表
示性能を損なうため、乾燥剤は、表示部分外にのみ配置
する必要がある。このため、ELパネル基板とシール板
との間に充分な量の乾燥剤を配置することは困難であ
り、吸湿性、防湿性が不充分となることから、薄膜EL
パネルの長期信頼性を損なう原因となっている。
【0008】そこで、充分な量の乾燥剤を表示部分外に
のみ配置するために、特開平4−71190号公報に
は、図3に示すように、基板21上に設けられた、電極
22、下部絶縁層23、発光層24、上部絶縁層25、
透明電極26、およびカラーフィルタ27を覆うシール
板29の表示部分の外側に、ELパネル基板21側に開
口した額縁状の溝30を設け、この溝30にのみ乾燥剤
31を埋め込むことで画像の表示品質と防湿性とを同時
に実現した薄膜ELパネルが開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
薄膜ELパネルを得るためには、ELパネル基板21と
シール板29とを貼り合わす前にシール板29の溝30
に乾燥剤31を埋め込む工程と、ELパネル基板21と
シール板29とを接着剤32により貼り合わせた後で、
上記ELパネル基板21とシール板29との間隙に、オ
イル注入孔33から絶縁性オイル28を注入する工程の
2工程を必要とする。この結果、薄膜ELパネルの製造
に係る費用が増加するという問題が生じている。
【0010】本発明は、上記各問題点に鑑みなされたも
のであって、その目的は、表示性能を損なわずに充分な
吸湿性、防湿性を有すると共に、安価な構成となる薄膜
ELパネルおよびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の薄膜エレクトロルミネッ
センスパネルは、エレクトロルミネッセンス(EL)素
子(例えば、一対の電極と、その間に設けられた少なく
とも片側に絶縁層を有する発光層とからなる)が形成さ
れたELパネル基板(例えばガラス基板)と、ELパネ
ル基板のEL素子形成面を覆うように接着されるシール
板とを有し、このELパネル基板とシール板との間隙が
絶縁性液体(例えば絶縁性オイル)で満たされている薄
膜ELパネルにおいて、上記シール板のELパネル基板
側には、EL素子による表示部分を囲むように溝が形成
され、上記ELパネル基板とシール板との表示部分にお
ける間隙よりも大きな粒径を有する乾燥剤が、上記絶縁
性液体とともに、上記溝とELパネル基板との間の空間
に封入されていることを特徴としている。
【0012】上記の構成によれば、表示部分に乾燥剤が
入り込むことがないので、上記薄膜ELパネルの表示性
能が損なわれることがない。
【0013】また、上記の薄膜ELパネルでは、ELパ
ネル基板とシール板とを接近して設けることができると
共に、従来のように、乾燥剤を溝の中に埋め込んだ場合
と比較して、乾燥剤の露出表面面積が大きい。このた
め、薄膜ELパネル内に充填される絶縁性液体と乾燥剤
との接触面積も大きい。このため、本発明にかかる薄膜
ELパネルは、より一層、吸湿性、防湿性に優れ、長期
信頼性が高い。
【0014】また、上記の薄膜ELパネルは、乾燥剤を
溝の中に埋め込む必要がないため、安価な構成となって
いる。
【0015】本発明の請求項2記載の薄膜ELパネル
は、上記請求項1記載の薄膜ELパネルにおいて、上記
シール板に、分光フィルタ(例えば、緑、青、赤色のカ
ラーフィルタ)が設けられていることを特徴としてい
る。
【0016】これにより、上記薄膜ELパネルは、マル
チカラー表示が可能になる。さらに、上記請求項1の構
成から、シール板と基板とを接近させた状態のままで、
表示部分外に乾燥剤を充分に配置することができるの
で、視角の変化による色ずれがなく、明瞭な表示を得る
ことができる。
【0017】本発明の請求項3記載の薄膜ELパネルの
製造方法は、EL素子が形成されたELパネル基板と、
ELパネル基板のEL素子形成面を覆うように接着され
るシール板とを有し、このELパネル基板とシール板と
の間隙が絶縁性液体で満たされている薄膜ELパネルの
製造方法において、上記シール板の、ELパネル基板側
の表示部分に対向する領域を囲むように溝を形成し、こ
の溝の形成されたシール板をELパネル板に接着し、上
記溝形成部分に、上記ELパネル基板とシール板との表
示部分における間隙よりも大きな粒径を有する乾燥剤を
絶縁性液体に分散させて注入することを特徴としてい
る。
【0018】上記の製造方法によれば、乾燥剤の粒径
は、ELパネル基板とシール板との表示部分における間
隙より大きいため、上記表示部分に乾燥剤が入り込むこ
とはなく、乾燥剤は、上記溝とELパネル基板との間の
空間に集められる。
【0019】これにより充分な量の乾燥剤を、薄膜EL
パネルの表示部分外にのみ配置することができる。従っ
て、乾燥剤によって、薄膜ELパネルの表示性能が損な
われることがなく、充分な吸湿性、防湿性を有する、長
期信頼性の高い薄膜ELパネルを得ることができる。
【0020】また、上記の方法によれば、表示部分には
乾燥剤が入っていない絶縁性液体のみを、溝には、乾燥
剤が充分に分散された絶縁性液体を、一度に注入するこ
とができるので、生産性を大幅に向上することができる
と共に、製造コストを低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図1および図2に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。図1に、本発明の一実施の形態にかかる薄膜ELパ
ネル(薄膜エレクトロルミネッセンスパネル)を模式的
に表す断面図を、図2に、上記EL薄膜パネルを一部破
断で示す平面図を示す。上記EL薄膜パネルは、図1に
示すように、ELパネル基板としてのガラス基板1と、
ガラスまたは透光性樹脂からなるシール板7とを有して
おり、ガラス基板1とシール板7との間には絶縁性オイ
ル(絶縁性液体)11が充填されている。
【0022】上記ガラス基板1における、シール板7と
の対向面には、ストライプ状の電極パターンを有する電
極層2、第1絶縁層3、白色発光層4、第2絶縁層5、
電極層2と直行するストライプ状の電極パターンを有す
る、透明な電極層6が順に形成されており、これら電極
層2、第1絶縁層3、白色発光層4、第2絶縁層5、電
極層6によって、EL素子を構成している。一方、シー
ル板7における、ガラス基板1との対向面には、分光フ
ィルタとしてのカラーフィルタ8が形成されている。
【0023】上記ガラス基板1とシール板7とは、ガラ
スロッド14が混入されたエポキシ樹脂等のシール剤1
3で周辺部が互いに貼り合わされて接着固定されてい
る。
【0024】そして、上記シール板7には、上記EL素
子による表示部分を囲むように、ガラス基板1側に開口
した溝15が設けられ、上記溝15とガラス基板1との
間の空間(溝15形成部分におけるガラス基板1とシー
ル板7との間隙)には、ガラス基板1とシール板7との
表示部分における間隙よりも大きい粒径を有する乾燥剤
12が封入されている。つまり、溝15は、上記乾燥剤
12が分散された絶縁性オイル11で満たされている。
尚、乾燥剤12が、ガラス基板1とシール板7との表示
部分における間隙より大きい粒径を有するとは、乾燥剤
12が、溝15形成部分以外の部分におけるガラス基板
1とシール板7との間の間隙より大きい粒径を有してい
ることを示す。
【0025】以下に、このような構成のEL薄膜パネル
の製造工程の概略を具体的に説明する。先ず、ガラス基
板1上に、Moからなる200nmの電極層2を積層
し、ストライプ状の複数の電極パターンをドライエッチ
ングにより形成する。
【0026】次いで、電極層2の上部に、Si3 4
SiO2 からなる200nmの第1絶縁層3、ZnS:
Mn/SrS:Ce/ZnS:Mnからなる1200n
mの白色発光層4、SiO2 /Si3 4 からなる20
0nmの第2絶縁層5、ITO(Indium Tin Oxide)か
らなる200nmの電極層6を順に積層する。これら電
極層2、第1絶縁層3、白色発光層4、第2絶縁層5、
電極層6は、例えばスパッタ法や電子ビーム蒸着法等の
一般的な薄膜形成法を用いて形成される。
【0027】上記ZnS:Mn/SrS:Ce/Zn
S:Mnからなる白色発光層4は、ZnSに0.35a
t%のMnを添加し、加圧成形した後、Arガス中で1
時間焼結させたZnS:Mnペレットと、SrSにCe
またはCeCl3 やCeN等のCe化合物を0.1at
%添加し、加圧成形した後、Arガス中で900℃で1
時間焼結させたSrS:Ceペレットとを用いて、例え
ば電子ビーム蒸着法により、膜厚が、それぞれ200n
m、800nm、200nmとなるように積層成膜する
ことによって容易に形成することができる。
【0028】その後、ドライエッチングにより上記電極
層6にストライプ状の複数の電極パターンを、電極層2
と直行するように形成する。これにより、上記電極層2
・6間に、200V程度の両極性パルス電圧を印加する
と、白色発光が第2絶縁層5および電極層6を通過し
て、ガラス基板1と反対側から出射する構造になってい
る。
【0029】一方、板厚2mmのシール板7に、ガラス
基板1側の表示部分、即ち、上記電極層2、第1絶縁層
3、白色発光層4、第2絶縁層5、および電極層6から
なるEL素子形成部分に対向する領域を囲むように、ガ
ラス基板1側に断面略コの字状となるように開口した額
縁状の溝15を、深さ0.5mmとなるように、例えば
メカニカルエッチングにより形成する。
【0030】その後、上記シール板7に、スピンナーで
緑色フィルタ8aを所定間隔となるようにストライプ状
に塗布し、90℃で所定時間プリベークする。その後、
上記緑色フィルタ8aを紫外線露光し、有機アルカリ系
の現像液で現像して200℃でポストベークすることに
より、複数の緑色フイルタ8aをストライプ状にパター
ン化形成する。また、赤色フィルタ8b、青色フィルタ
8cについても同様の工程を繰り返してストライプ状に
パターン化形成する。これにより、所定のパターン幅を
有するストライプ状の複数の緑色フィルタ8a、赤色フ
ィルタ8b、青色フィルタ8cからなる、膜厚1500
nmの緑・赤・青色のカラーフィルタ8を形成する。
【0031】上記薄膜ELパネルは、このように、上記
シール板7に、カラーフィルタ8が設けられていること
で、マルチカラー表示が可能となっている。
【0032】このようにして、ガラス基板1およびシー
ル板7が完成されると、各発光素子画素に各フィルタ画
素が対応するように、ガラス基板1における上記EL素
子形成面と、シール板7のフィルタ8形成面とを向かい
合わせて、ガラス基板1とシール板7とを、ガラスロッ
ド14を添加した、シール剤13としてのエポキシ樹脂
で互いに貼り付ける。上記シール剤13でガラス基板1
とシール板7とを貼り付ける際には、例えば、ガラス基
板1またはシール板7に何れか一方、あるいは、その両
方にシール剤13を塗布し、加熱加圧することによっ
て、ガラス基板1とシール板7とを容易に接着すること
ができる。このとき、上記ガラスロッド14の粒径を2
0μmとすることで、ガラス基板1とシール板7との溝
15形成部分以外の部分における間隙は20μmに保た
れる。つまり、ガラス基板1とシール板7との表示部分
における間隙は20μmに保たれる。
【0033】次いで、上記ガラス基板1とシール板7と
の表示部分における間隙(20μm)より大きく、ガラ
ス基板1とシール板7との溝15形成部分における間隙
より小さい、40μmの粒径を有するシリカゲル等の乾
燥剤12を、充分に加熱脱水した後、充分に加熱脱泡し
たシリコンオイル等の絶縁性オイル11に分散させて、
上記溝15上部に設けられたオイル注入孔9から注入す
る。その後、このオイル注入孔9の開口部に、オイル封
止板10を接着して、オイル注入孔9を封止する。
【0034】上記乾燥剤12を分散させた絶縁性オイル
11の注入は、常法により、容易に行うことができる。
先ず、真空容器に上記薄膜ELパネルと、上記乾燥剤1
2を分散させた絶縁性オイル11を満たした容器を入
れ、ガラス基板1とシール板7との間隙の空気を抜いて
真空状態にする。次に、この状態のまま、薄膜ELパネ
ルのオイル注入孔9をこの絶縁性オイル11に浸漬し
て、上記真空容器内を大気圧に戻す。その結果、絶縁性
オイル11液面に大気圧がかかり、真空状態にある、ガ
ラス基板1とシール板7との間の間隙に、乾燥剤12を
分散させた絶縁性オイル11が注入される。
【0035】このとき、上記ガラス基板1とシール板7
との表示部分における間隙には、乾燥剤12の粒径が大
きいため、乾燥剤12が入り込むことはなく、絶縁性オ
イル11だけが充填される。このため、乾燥剤12によ
って、薄膜ELパネルの表示性能が損なわれることがな
い。
【0036】また、上記ガラス基板1とシール板7との
表示部分における間隙に乾燥剤12が入り込めないの
で、乾燥剤12は、表示部分を囲むようにシール板7に
設けられた溝15とガラス基板1との間の空間に集めら
れる。このため、充分な量の乾燥剤12を表示部分の外
側にのみ配置することができる。
【0037】このように、上記の製造方法を用いて、本
実施の形態に係る薄膜ELパネルを製造すれば、上記乾
燥剤12を絶縁性オイル11に分散させてオイル注入孔
9から注入するだけで、EL素子による表示部分には乾
燥剤12が入っていない絶縁性オイル11のみを、溝1
5とガラス基板1との間の空間には、乾燥剤12が充分
に分散された絶縁性オイル11を、一度に注入すること
ができるので、生産性を大幅に向上することができると
共に、製造コストを低減することができる。
【0038】また、上記薄膜ELパネルでは、ガラス基
板1とシール板7との表示部分における間隙より大きな
径を有する乾燥剤12が、溝15とガラス基板1との間
の空間に封入されているので、従来のように、乾燥剤を
溝の中に埋め込んだ場合と比較して、乾燥剤12の露出
面積が大きい。このため、薄膜ELパネル内に充填され
る絶縁性オイル11と乾燥剤12との接触面積も大き
い。このため、本発明にかかる薄膜ELパネルは、より
一層、吸湿性、防湿性に優れ、長期信頼性が高い。
【0039】また、上記薄膜ELパネルは、シール板7
とガラス基板1とを接近させて設けることができると共
に、表示部分外に乾燥剤12を充分に配置することがで
きるので、カラー表示を行った場合でも、視角の変化に
よる色ずれがなく、明瞭な表示を得ることができる。
【0040】このように、上記方法によれば、表示性能
を損なうことなく、充分な吸湿性能、防湿性能を有する
長期信頼性の高い薄膜ELパネルを、安価で、かつ、容
易に得ることができる。
【0041】尚、本実施の形態では、上記電極層2にM
oを用いたが、Mo以外にも、Taや、Wや、ITO等
を用いることができる。また、第1絶縁層3および第2
絶縁層5には、Si3 4 、SiO2 以外にも、Ta2
5 やAl2 3 等を用いることができる。電極層6
には、ITO以外にも、Alを添加したZnO(Zn
O:Al)や、Gaを添加したZnO(ZnO:Ga)
等を用いることができる。また、上記第1絶縁層3およ
び第2絶縁層5は、何方か一方のみを用いてもよい。
【0042】さらに、図1には、溝15とガラス基板1
との間の空間(一断面)に、乾燥剤12が1つだけ封入
されているように記載されているが、溝15の大きさに
応じて、複数の乾燥剤12を封入することができる。ま
た、図1は、ガラス基板1とシール板7との間の間隙や
乾燥剤12を強調して記載しているが、実際には、乾燥
剤12は、オイル注入孔9の直径よりは小さく、乾燥剤
12は、絶縁性オイル11に分散させることによって、
オイル注入時に容易に注入することができる。また、上
記実施の形態では、本発明について具体的な数値を挙げ
て説明したが、本発明は、上記実施の形態により何ら限
定されるものではない。即ち、本発明に必要な構成要件
を備えてさえいればよい。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
薄膜エレクトロルミネッセンスパネル(薄膜ELパネ
ル)は、EL素子が形成されたELパネル基板と、EL
パネル基板のEL素子形成面を覆うように接着されるシ
ール板とを有し、このELパネル基板とシール板との間
隙が絶縁性液体で満たされている薄膜ELパネルにおい
て、上記シール板のELパネル基板側には、EL素子に
よる表示部分を囲むように溝が形成され、上記ELパネ
ル基板とシール板との表示部分における間隙よりも大き
な粒径を有する乾燥剤が、上記絶縁性液体とともに、上
記溝とELパネル基板との間の空間に封入されている構
成である。
【0044】上記の構成によれば、本発明にかかる薄膜
ELパネルは、表示部分に乾燥剤が入り込むことがない
ので、上記薄膜ELパネルの表示性能が損なわれること
がない。
【0045】また、上記の薄膜ELパネルでは、ELパ
ネル基板とシール板とを接近して設けることができると
共に、従来のように、乾燥剤を溝の中に埋め込んだ場合
と比較して、乾燥剤の露出表面面積が大きい。このた
め、薄膜ELパネル内に充填される絶縁性液体と乾燥剤
との接触面積も大きい。このため、本発明にかかる薄膜
ELパネルは、より一層、吸湿性、防湿性に優れ、長期
信頼性が高い。
【0046】また、上記の薄膜ELパネルは、乾燥剤を
溝の中に埋め込む必要がないため、安価な構成となって
いるという効果を併せて奏する。
【0047】本発明の請求項2記載の薄膜ELパネル
は、上記請求項1記載の薄膜ELパネルにおいて、上記
シール板に、分光フィルタが設けられている構成であ
る。
【0048】上記の構成によれば、上記薄膜ELパネル
は、マルチカラー表示が可能になる。さらに、上記請求
項1の構成から、シール板と基板とを接近させた状態の
ままで、表示部分外に乾燥剤を充分に配置することがで
きるので、視角の変化による色ずれがなく、明瞭な表示
を得ることができるという効果を併せて奏する。
【0049】本発明の請求項3記載の薄膜ELパネルの
製造方法は、EL素子が形成されたELパネル基板と、
ELパネル基板のEL素子形成面を覆うように接着され
るシール板とを有し、このELパネル基板とシール板と
の間隙が絶縁性液体で満たされている薄膜ELパネルの
製造方法において、上記シール板の、ELパネル基板側
の表示部分に対向する領域を囲むように溝を形成し、こ
の溝の形成されたシール板をELパネル板に接着し、上
記溝形成部分に、上記ELパネル基板とシール板との表
示部分における間隙よりも大きな粒径を有する乾燥剤を
絶縁性液体に分散させて注入する構成である。
【0050】上記の構成によれば、乾燥剤の粒径は、E
Lパネル基板とシール板との表示部分における間隙より
大きいため、上記表示部分に乾燥剤が入り込むことはな
く、乾燥剤は、上記溝とELパネル基板との間の空間に
集められる。
【0051】これにより充分な量の乾燥剤を、薄膜EL
パネルの表示部分外にのみ配置することができる。従っ
て、乾燥剤によって、薄膜ELパネルの表示性能が損な
われることがなく、充分な吸湿性、防湿性を有する、長
期信頼性の高い薄膜ELパネルを得ることができる。
【0052】また、上記の方法によれば、表示部分には
乾燥剤が入っていない絶縁性液体のみを、溝には、乾燥
剤が充分に分散された絶縁性液体を、一度に注入するこ
とができるので、生産性を大幅に向上することができる
と共に、製造コストを低減することができるという効果
を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薄膜ELパネルを
模式的に示す断面図である。
【図2】上記薄膜ELパネルを、一部破断で示す平面図
である。
【図3】従来の薄膜ELパネルの要部断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(ELパネル基板) 2 電極層(EL素子) 3 第1絶縁層(EL素子) 4 白色発光層(EL素子) 5 第2絶縁層(EL素子) 6 電極層(EL素子) 7 シール板 8 カラーフィルタ(分光フィルタ) 11 絶縁性オイル(絶縁性液体) 12 乾燥剤 13 シール剤 15 溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレクトロルミネッセンス素子が形成され
    たエレクトロルミネッセンスパネル基板と、エレクトロ
    ルミネッセンスパネル基板のエレクトロルミネッセンス
    素子形成面を覆うように接着されるシール板とを有し、
    このエレクトロルミネッセンスパネル基板とシール板と
    の間隙が絶縁性液体で満たされている薄膜エレクトロル
    ミネッセンスパネルにおいて、 上記シール板のエレクトロルミネッセンスパネル基板側
    には、エレクトロルミネッセンス素子による表示部分を
    囲むように溝が形成され、 上記エレクトロルミネッセンスパネル基板とシール板と
    の表示部分における間隙よりも大きな粒径を有する乾燥
    剤が、上記絶縁性液体とともに、上記溝とエレクトロル
    ミネッセンスパネル基板との間の空間に封入されている
    ことを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンスパネ
    ル。
  2. 【請求項2】上記シール板に、分光フィルタが設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の薄膜エレクトロ
    ルミネッセンスパネル。
  3. 【請求項3】エレクトロルミネッセンス素子が形成され
    たエレクトロルミネッセンスパネル基板と、エレクトロ
    ルミネッセンスパネル基板のエレクトロルミネッセンス
    素子形成面を覆うように接着されるシール板とを有し、
    このエレクトロルミネッセンスパネル基板とシール板と
    の間隙が絶縁性液体で満たされている薄膜エレクトロル
    ミネッセンスパネルの製造方法において、 上記シール板の、エレクトロルミネッセンスパネル基板
    側の表示部分に対向する領域を囲むように溝を形成し、 この溝の形成されたシール板をエレクトロルミネッセン
    スパネル板に接着し、 上記溝形成部分に、上記エレクトロルミネッセンスパネ
    ル基板とシール板との表示部分における間隙よりも大き
    な粒径を有する乾燥剤を絶縁性液体に分散させて注入す
    ることを特徴とする薄膜エレクトロルミネッセンスパネ
    ルの製造方法。
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