JPH09133171A - 減衰力可変式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力可変式油圧緩衝器

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JPH09133171A
JPH09133171A JP28900195A JP28900195A JPH09133171A JP H09133171 A JPH09133171 A JP H09133171A JP 28900195 A JP28900195 A JP 28900195A JP 28900195 A JP28900195 A JP 28900195A JP H09133171 A JPH09133171 A JP H09133171A
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Akira Tanaka
朗 田中
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 主弁の振動を抑制しながら応答性を向上でき
る減衰力可変式油圧緩衝器を提供する。 【解決手段】 主弁18に高圧側の主油室内の圧力を閉
方向に作用させる副油室31と、該副油室と低圧側の主
油室内とを連通するパイロット通路36を開閉可能に配
設され、副油室31内の圧力が設定圧を越えるとパイロ
ット通路36を開いて副油室31から低圧側主油室に作
動油を逃がすことにより主弁18への閉方向力を変化さ
せるパイロット弁35と、上記設定圧を可変制御する設
定圧可変手段として機能するリニアソレノイドコイル4
4とを備えた緩衝器6において、作動油を、副油室31
内と、主弁18の移動に伴って容積が変化するダンピン
グ室54との間で流動させることにより主弁減衰力を発
生させ、もって主弁18の振動を抑制するダンピング機
構を設け、主弁18の開度が小さいときの上記主弁減衰
力を開度が大きいときの主弁減衰力より大きく設定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、緩衝器が発生する
ダンパの減衰力を可変制御できるようにした油圧緩衝器
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動二輪車等の車両に用いられ
る緩衝器では、走行条件等によってダンパ減衰力を自由
に可変制御できることが望ましい。
【0003】そこで従来、例えば図8に示す減衰力可変
式油圧緩衝器60が採用されている。この緩衝器60は
以下のように構成されている。シリンダ61内をピスト
ン62により上,下油室63,64に画成し、該ピスト
ン62に形成された副油室62b内に上記両油室63,
64を連通する主通路62aを開閉する主弁65を配設
する。そして該副油室62bに逆止弁62cを介して上
記上,下油室63,64の圧力の高い側を連通させると
ともに、該副油室62b内の圧力を逃がすパイロット通
路62dをパイロット弁66で開閉可能とし、かつ該パ
イロット弁66の閉方向付勢力を電磁コイル67で調節
可能とする。
【0004】この従来の緩衝器60では、走行条件等に
応じて上記電磁コイル67への通電量を制御することに
より、パイロット弁66のパイロット通路62dの閉
力、ひいては主弁65の閉方向力が制御され、その結
果、作動油が主弁65と主通路62aの弁座との開隙間
を通って流れる際のダンパ減衰力が可変制御される。
【0005】ところがこの緩衝器60の場合、主弁65
がその移動方向に振動し、圧力変動が発生し易いという
問題がある。そこで主弁65内にダンプリング70を相
対的にスライド自在に挿入配置し、該ダンプリング70
と主弁スライド孔62fとで囲まれた空間をダンピング
室71としたものがある。
【0006】上記緩衝器60では、上記ダンピング室7
1内の作動油が主弁65の開閉動作に伴って該ダンプリ
ング70と主弁65との摺動面間の隙間(オリフィス)
aを通って流動することにより主弁65に働く主弁減衰
力が発生し、これにより主弁65の振動が抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記従来の緩
衝器では、ダンピング室71内の作動油が上記オリフィ
スaを流動する際に発生する主弁減衰力は、主弁65の
ストローク量(開度)と無関係に常に一定であることか
ら、主弁65の開度が小さく振動が発生し易い状態だけ
でなく、主弁65の開度が全開に近い振動の発生しにく
い状態でも上記主弁減衰力が作用する等、不必要な場合
にも主弁減衰力が作用するという問題がある。
【0008】本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされ
たもので、振動の発生(圧力変動)を抑制しながら応答
性を向上できる減衰力可変式油圧緩衝器を提供すること
を課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
ンダ内を2つの主油室に画成するピストンに、該2つの
主油室を連通する主通路を開閉する主弁と、該主弁に高
圧側の主油室内の圧力を閉方向に作用させる副油室と、
該副油室と低圧側の主油室内とを連通するパイロット通
路を開閉可能に配設され、副油室内の圧力が設定圧を越
えると上記パイロット通路を開いて上記副油室から低圧
側主油室に作動油を逃がすことにより上記主弁への閉方
向力を変化させるパイロット弁と、上記設定圧を可変制
御する設定圧可変手段とを備えた減衰器において、作動
油を、上記副油室内と、上記主弁の移動に伴って容積が
変化するダンピング室との間で、流動させることにより
主弁減衰力を発生させ、もって主弁の振動を抑制するダ
ンピング機構を設け、上記主弁の開度が狭いときの上記
主弁減衰力を開度が広いときの主弁減衰力より大きく設
定したことを特徴としている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1において、上
記主弁減衰力を、主弁開度が零から極小開度までは一旦
増加させて該大きさに保持し、さらに開度が増加するに
伴って減少させたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を
添付図面に基づいて説明する。図1〜図7は請求項1,
2の発明の一実施形態による減衰力可変式油圧緩衝器を
説明するための図であり、図1は上記緩衝器が採用され
た懸架装置の模式図、図2は上記緩衝器の要部の断面側
面図、図3は上記緩衝器のパイロット弁部分を示す図、
図4,図5,図7は上記緩衝器の作用効果を説明するた
めの特性図、図6はダンピング機構部分の拡大図であ
る。
【0012】図において、1は本実施形態緩衝器が採用
された懸架装置であり、該懸架装置1は、車輪2が軸支
されたサスペンションアーム3を車体4により上下揺動
自在に枢支し、該アーム3と車体4との間にコイルスプ
リング5,及び緩衝器6を介設した構造のものである。
【0013】上記緩衝器6は、下端部が上記サスペンシ
ョンアーム3に連結されたシリンダ7内をピストン9に
より上,下主油室7a,7bに画成してなり、該ピスト
ン9に接続されたピストンロッド10の上端部が上記車
体4に連結されている。そして、上記車輪2の上下動に
よりピストン9がシリンダ7内を相対的に上下移動する
ことにより所定の減衰力が発生するようになっている。
【0014】また、上記ピストン9のシリンダ7に対す
る相対移動速度や位置、及び車両の走行速度,操舵角,
加減速度等の走行条件を示すデータを検出するセンサ1
1と、上記走行条件に応じて上記緩衝器6の減衰特性を
予め設定されたパターンに基づいて制御する制御装置
(コントローラ)12とが設けられている。ここで上記
減衰力特性としてユーザーの好みのものを手動スイッチ
等により上記制御装置12に適宜入力するようにしても
良い。なお、13は上記制御装置12と緩衝器1とを接
続する電気配線である。
【0015】上記ピストン9は、図2に示すように、上
端にピストンロッド10が一体形成され、下端が開口し
た筒状の外ケース14と、この外ケース14内に下端開
口から順に装填された上ボデー15,中間ボデー16,
及び下ボデー17とを備えており、該下ボデー17を外
ケース14の下端開口内に螺挿することにより一体化さ
れている。
【0016】上記下ボデー17の軸芯には主弁挿入穴1
7aが形成されており、該挿入穴17a内には主弁18
が上下にスライド可能に装填されている。また該下ボデ
ー17及び上記外ケース14には、上記上主油室7aと
下主油室7bとを連通する主油路19が形成されてお
り、この主油路19の下主油室7bへの開口19aは、
上記主弁18が下降位置にある時に閉じ、上昇位置にあ
る時に開くようになっている。
【0017】上記主弁18は、上部に凹室18aを有
し、下部が略きのこ形に形成された略有底円筒状のもの
であり、その外周面にテーパ状に形成されたシール面1
8bが上記開口19aの周縁(弁座)に当接するよう構
成されており、該主弁18のシール面18bより下側部
分に上記下主油室7bの圧力が作用する。また、上記主
弁18の上記シール面18bより上方には段部18cが
上記下側部分より大径に形成されており、この段部18
cに上記主油路19を介して上主油室7aの圧力が上向
き(開方向)に作用するようになっている。
【0018】上記主弁18の上部の凹室18aの上端部
内には、樹脂製又は金属製で筒状の防振リング22の下
端部が相対的に上下スライド可能に挿入されており、該
防振リング22の内側に突出するように形成された上端
フランジは上記中間ボデー16の下面に当接している。
また上記凹室18aの底部にはスペーサ26が配設され
ている。上記防振リング22の上端フランジと上記底部
のスペーサ22内に形成された穴18dの底面との間に
は、該スペーサ22を介在させて該防振リング22を上
記中間ボデー16下面に押圧固定するとともに、上記主
弁18を下向きに付勢する二重コイルバネ23が縮装さ
れている。
【0019】上記二重コイルバネ23は、上記スペーサ
26を挟んで直列に重ねられた大,小コイルバネ24,
25で構成されている。該大コイルバネ24の下端は、
上記スペーサ26のフランジ26aに上方から当接して
おり、上記小コイルバネ25の上端はスペーサ26の内
底に、また、その下端は主弁18の穴18dにそれぞれ
当接している。ここで主弁18の全閉状態では、上記ス
ペーサ26のフランジ26aの下面と凹室18aの底面
との間には若干の隙間が開くように上記コイルバネ寸法
が設定されている。
【0020】このようにして、上記主弁18の凹室18
a,穴18d,上記防振リング22,及び上記中間ボデ
ー16の下面で囲まれた空間が副油室31となってい
る。そして上記穴18d内は、共通油孔32から分岐油
孔30,31を介して上主油室7a,下主油室7bに連
通しており、これらの油孔の分岐部にはチェック弁33
が配設されいてる。また上記スペーサ26には、上記穴
18d内と上記凹室18a内とを連通する連通穴26b
が形成されている。これにより上記副油室31内に、上
主油室7a又は下主油室7bの何れか高い方の圧力が導
入されるようになっている。
【0021】上記副油室31はパイロット弁35を介し
てパイロット通路36に連通しており、該パイロット通
路36はチェック弁37,38を介してそれぞれ下主油
室7b,上主油室7aに連通している。
【0022】上記パイロット通路36は、パイロット弁
35の下流側から半径方向に伸びる複数の放射路部39
と、該各放射路部39をつなぐ環状部40とで構成され
ており、該環状部40が上記チェック弁37,38に連
通している。
【0023】上記パイロット弁35は、中間ボデー16
の軸芯部分に弁室41を凹設し、該弁室41内に弁体4
2を上下にスライド可能に配設するとともに、該弁体4
2をこれの弁軸42dに装着されたプランジャ43を介
してリニヤソレノイド44により下向きに付勢するよう
に構成されている。
【0024】図3に示すように、上記弁室41の底壁4
1cの平坦な上面には環状の開口溝(弁孔)41aが形
成され、下面には3つの略楕円状の凹溝41bが形成さ
れており、該凹溝41b及び上記開口溝41aを介して
上記弁室41と副油室31とが連通可能となっている。
上記開口溝41aの周縁は平坦な弁座となっている。
【0025】上記弁体42は、円盤部42aの下面に環
状の凸部42bを一体形成するとともに、該弁体42の
下面側から上面側に連通する3つの略楕円状の貫通穴4
2cを形成した構造のものである。該弁体42の上昇に
より、上記凸部42bと上記開口溝41aの周縁部(弁
座)との間にパイロット開口が形成され、該パイロット
開口を通って流れる作動油の流れ方向は、該弁体42の
移動方向と交差するようになっている。ここで上記弁座
及び凸部42bの下面(受圧面)は弁体42の移動方向
bと直交している。
【0026】上記リニヤソレノイド44は、励磁される
とその励磁力に対応した下向きの力をプランジャ43を
介して上記弁体42に付与するものであり、上記励磁力
を制御することにより、上記パイロット弁35の開き始
める副油室31の内圧が変化するようになっており、本
発明の設定圧可変手段として機能する。なお、上記励磁
力は上記電気配線13を介してソレノイド43に伝達さ
れる電圧の大きさによって制御される。
【0027】ここで上記リニアソレノイド44への電力
供給が停止されると、弁体42は副油室31内の圧力に
より、プランジャ43の上端面43aが上記外ケース1
4の上端部に配設されたストッパ44bの凸部44aに
当接するまで上昇する。この場合、上記円盤部42aの
外周面により上記パイロット通路36の放射路部39が
閉じられる。
【0028】一方、上記中間ボデー16には上記円盤部
42aにより放射路部39が閉じられた場合の、副油室
31内の圧力を所定圧に調整するための圧力調整弁50
が設けられている。該圧力調整弁50は、上記弁室41
の円盤部42aより下側部分と上記パイロット通路36
の環状部40内とを連通する連通孔50a内にボール5
0bを配設し、該ボール50bを付勢ばね50cで閉方
向に付勢した構造のものである。
【0029】上記主弁18の上端面,主弁挿入穴17a
の内面,上記パイロット弁35の底壁41c,及び上記
凹室18a内にスライド自在に挿入された上記防振リン
グ22で囲まれた空間はダンピング室54となってお
り、該ダンピング室54の容積は、上記主弁18の上下
移動、つまり該主弁18の開度に伴って変化する。
【0030】そして上記主弁18の凹室18aと上記防
振リング22の外周面との間隙でもってオリフィス53
が形成されている。これにより上記主弁18の開度の変
化に伴ってダンピング室54の容積が変化すると、作動
油が上記オリフィス53を介して副油室31とダンピン
グ室54との間を流動し、この際に主弁18に働く主弁
減衰力が発生する。このようにして上記主弁18の振動
を抑制するダンピング機構が構成されている。
【0031】ここで、上記オリフィス53の長さ(減衰
力)は、図7の特性線Aに示すように、上記主弁18の
ストローク量が極小さい領域では、該ストローク量に伴
って一旦長く(大きく)なり、その後短く(小さく)な
るよう構成されている。なお、図7の特性線Bは、上記
従来の緩衝器におけるオリフィス長さ(減衰力)が常に
一定であることを示している。
【0032】図6は、上記減衰力特性を実現するための
構造を示している。即ち、本実施形態では、主弁18の
凹室18a側のオリフィス構成面の長さはL1に、ダン
プリング22側のオリフィス構成面長さはL1よりΔL
/2(本実施形態の場合はHと等しい)だけ短いL2に
設定されており、かつ主弁全閉時に主弁オリフィス構成
面の上端がダンプリングオリフィス構成面の上端よりH
だけ下方に位置するように構成されている。
【0033】これにより実質的オリフィス長は、主弁1
8の開度零位置のL2−ΔL/2から開度Hの最大長さ
L2まで増加し、さらに開度がΔL/2増加するまで同
じ長さL2に保持され、その後開度が増加するほど減少
する。
【0034】次に、上記緩衝器6の動作について説明す
る。路面の凸部等により上記車輪2が突き上げられて緩
衝器6が圧縮状態になると、ピストン9が図1,2の下
方に相対的に押されることとなり、下主油室7bが昇圧
し、作動油が分岐油孔31からチェック弁33,共通油
孔32を通って副油室31に導入され、該副油室31も
昇圧する。
【0035】上記パイロット弁35は、その弁体42に
よりニヤソレノイド44で設定された付勢力でもって開
口溝41aを閉じているが、この場合に上記副油室31
の内圧により上記弁体42に作用する開方向力が上記付
勢力を越えると弁体42が開口溝41aを開き、作動油
は開口溝41a,貫通孔42c,パイロットイロット通
路36を通り、さらにチェック弁38を通って上主油室
7aに流動する。
【0036】上記パイロット弁35の開により副油室3
1の内圧が低下し、主弁18は下主油室7bの圧力によ
り押し上げられ、これにより主油路19の開口19aが
開き、作動油は下主油室7bから上主油室7aに流動
し、この際にダンパ減衰力が発生する。そして上,下主
油室7a,7bの差圧が所定値以下になると、主弁18
が二重コイルばね23及び副油室31内の圧力により戻
されて、主油路19を閉じる。以上の動作を繰り返しな
がらピストン9が相対的に下降する。
【0037】車輪2が下降し、緩衝器6が伸長する場合
には、ピストン9は上向きに相対的に引かれる。このた
め、上主油室7aが昇圧し、その圧力は主油路19から
主弁18の分岐油孔30からチェック弁33,共通油孔
32を通って副油室31に導入される。該副油室31の
内圧による開方向力が、リニヤソレノイド44の付勢力
による閉方向力を越えるとパイロット弁35が開き、作
動油はパイロット通路36,チェック弁37を経て下主
油室7bに逃げる。このため、副油室31が減圧し、主
弁18の段部18cに作用する上主油室7aの圧力と副
油室31の圧力との差圧により主弁18が上昇して主油
路19が開く。
【0038】そのため上主油室7aから下主油室7bへ
作動油が流れ、この際にダンパ減衰力が発生し、また両
主油室7a,7bの差圧が所定値以下になると主油路1
9が閉じ、以上の動作を繰り返しながらピストン9は上
昇する。
【0039】本実施形態では、開弁時に弁体42の凸部
42bと弁室41の底面の開口溝41aの周縁部(弁
座)とで形成されるパイロット開口における作動油の流
れ方向aが該弁体42の移動方向bと交差するように、
理想的には略直交するように、パイロット弁35の形
状,寸法を設定したので、同じパイロット弁ストローク
における実質的開口面積を大きくすることができ、応答
性を向上できるとともに、パイロット弁35の開閉方向
の振動を低減できる。
【0040】上記実質開口面積の点を図4,図5に基づ
いて詳述する。図4は同一プランジャストロークと実質
的開口面積との関係を、図5は同一開口面積とプランジ
ャストロークとの関係を示す。まず、図4(a)は弁体
のシール面を角度θの円錐状とし、弁孔を直径Dの貫通
穴とし、かつプランジャストロークをLとした従来構造
の場合を、図4(b)は本実施形態において開口溝41
aの外径,内径をそれぞれ5D/4,3D/4としたの
場合を示す。なお、上記外径,内径は受圧面積が同一と
なるように設定した。
【0041】まず従来構造の場合、実質的開口面積S′
は、 S′=L×cosθ×π×D であり、これに対して本実施形態の場合、実質的開口面
積Sは、 S=L×π×2D となり、本実施形態では、同じプランジャストロークで
あれば実質的開口面積は従来構造の場合より2倍以上に
増大していることが分かる。なお、実際には作動油の流
れ方向aは弁体42の移動方向bと直交するのではなく
斜めに交差するので、実際の開口面積は上記実質的開口
面積Sより若干小さい。
【0042】また図5において同じ開口面積Sを得る場
合には、従来構造の場合(特性線A)、プランジャスト
ロークはL′必要であるのに対し、本実施形態の場合
(特性線B)、プランジャストロークはLで済むことが
分かる。
【0043】このように本実施形態では、弁室41の底
壁41cに弁孔として環状の開口溝41aを形成し、こ
れを環状の凸部42bで開閉することにより、該凸部4
2bと開口溝41aの周縁(弁座)との間に形成される
パイロット開口を流れる作動油の流れ方向aが弁体42
の移動方向bと交差することとなり、かつ作動油の流れ
が外方と内方の2方向に流れることから、同一プランジ
ャストロークに対する実質的開口面積が大きくなり、応
答性が向上するとともに、パイロット弁の振動を抑制で
きる。
【0044】ここで上記主弁18が開いて上記ダンピン
グ室54の容積が減少するに伴って、該ダンピング室5
4内の作動油が上記オリフィス53を通って副油室31
内に流出する際に主弁減衰力が発生し、これにより主弁
18の開時の振動ひいては圧力変動が抑制される。
【0045】上記主弁18の振動は、これのストローク
量(開度)が小さい領域において発生し易く、該開度が
大きい領域では発生しにくいことが確認されている。本
実施形態では、上記主弁18のストローク量(開度)が
零からH+ΔL/2に達するまでは、上記オリフィス5
3の長さを最大長L2と略等しい長さとしたので、主弁
18のストローク量(開度)が小さく従って振動が発生
し易い領域では、作動油がダンピング室54から副油室
31に流出する際に発生するダンピング機構の減衰力は
従来と同程度の最大値となる。これにより上記主弁18
の振動、ひいては圧力変動を抑制することができる。
【0046】また、上記主弁18のストローク量(開
度)がさらに増加すると、上記オリフィス53の長さは
短くなり、上記主弁減衰力は減少することとなる。この
ように主弁18の振動が発生し難い領域では、ダンピン
グ機構による主弁減衰力を小さくでき、不必要な減衰力
の発生を回避することができる。
【0047】ここで、本実施形態では、オリフィス長
を、主弁開度18の開度が零からHに達するまでは上記
最大長さL2より短くしたので、主弁開度が極小の領域
においてオリフィス長が必要以上に大きくなるのを回避
できる。このように本実施形態では、減衰の必要な所で
最大の主弁減衰力を与え、それ以外の所では主弁減衰力
を小さくして応答性を向上させることができる。
【0048】なお、上記実施形態では、オリフィス長
(減衰力)を一旦増加した後、減少する場合の例を説明
したが、本発明の減衰力は必ずしもこのように設定する
必要はなく、要は、例えば図7に一点鎖線で示すように
主弁が振動し易い主弁開度の小さい領域の減衰力を主弁
開度の大きい領域の減衰力よりも大きく設定すれば良
い。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明に係る減
衰力可変式油圧緩衝器によれば、ダンピング室内の作動
油が副油室内に流出することにより主弁減衰力を発生す
るダンピング機構を設け、主弁の開度が小さいときのダ
ンピング機構の主弁減衰力を、大きいときの主弁減衰力
より大きく設定したので、主弁開度の小さい領域では主
弁の振動を抑制でき、かつ主弁開度の大きい領域では主
弁減衰力が必要以上に大きくなるのを防止できる効果が
ある。
【0050】請求項2の発明によれば、上記主弁減衰力
を、主弁開度が零から極小開度までは一旦増加させて該
大きさに保持し、さらに開度が増加するに伴って減少さ
せたので、主弁開度が小さい領域における上記主弁減衰
力が必要以上に大きくなるのを回避でき、初期応答性を
向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による緩衝器を備えた懸架
装置の模式図である。
【図2】上記実施形態緩衝器の断面側面図である。
【図3】上記実施形態緩衝器のパイロット弁を示す図で
ある。
【図4】上記実施形態緩衝器の作用効果を説明するため
の特性図である。
【図5】上記実施形態緩衝器の作用効果を説明するため
の特性図である。
【図6】上記実施形態緩衝器のダンピング機構部分の拡
大図である。
【図7】上記実施形態緩衝器の作用効果を説明するため
の特性図である。
【図8】従来の緩衝器の主弁ダンピング機構部分を示す
模式図である。
【符号の説明】
6 緩衝器 7 シリンダ 7a,7b 上,下主油室 9 ピストン 18 主弁 31 副油室 36 パイロット通路 35 パイロット弁 44 リニアソレノイド(設定圧可変手段) 53 オリフィス(ダンピング機構) L1,L2 オリフィス長(減衰力)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内を2つの主油室に画成するピ
    ストンに、該2つの主油室を連通する主通路を開閉する
    主弁と、該主弁に高圧側の主油室内の圧力を閉方向に作
    用させる副油室と、該副油室と低圧側の主油室内とを連
    通するパイロット通路を開閉可能に配設され、副油室内
    の圧力が設定圧を越えると上記パイロット通路を開いて
    上記副油室から低圧側主油室に作動油を逃がすことによ
    り上記主弁への閉方向力を変化させるパイロット弁と、
    上記設定圧を可変制御する設定圧可変手段とを備えた減
    衰力可変式油圧緩衝器において、作動油を、上記副油室
    内と、上記主弁の移動に伴って容積が変化するダンピン
    グ室との間で流動させることにより主弁に働く減衰力
    (主弁減衰力)を発生させ、もって主弁の振動を抑制す
    るダンピング機構を設け、上記主弁の開度が小さいとき
    の上記主弁減衰力を開度が大きいときの主弁減衰力より
    大きく設定したことを特徴とする減衰力可変式油圧緩衝
    器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記主弁減衰力を、
    主弁開度が零から極小開度までは一旦増加させて該大き
    さに保持し、さらに開度が増加するに伴って減少させた
    ことを特徴とする減衰力可変式油圧緩衝器。
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