JPH09132721A - 耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーと触媒からなる耐衝撃性の改良された組成物 - Google Patents

耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーと触媒からなる耐衝撃性の改良された組成物

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JPH09132721A
JPH09132721A JP19379096A JP19379096A JPH09132721A JP H09132721 A JPH09132721 A JP H09132721A JP 19379096 A JP19379096 A JP 19379096A JP 19379096 A JP19379096 A JP 19379096A JP H09132721 A JPH09132721 A JP H09132721A
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amorphous resin
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Darryl Nazareth
ダリル・ナザリス
Stephen Michael Cooper
スティーブン・マイケル・クーパー
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General Electric Co
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】耐熱性非晶質樹脂官能化エラストマー化合
物及び当該組成物の延性を改良し得る触媒を含有する熱
可塑性樹脂組成物が提供される。ここで、前記触媒と前
記耐熱性非晶質樹脂は官能化エラストマー化合物の添加
に先だって溶融混合される。 【効果】この組成物は物理的性質が向上しており、特に
延性が向上している。この組成物は所望の物理的性質を
示す成形品を製造するのに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、官能化エラストマ
ー化合物と、該官能化化合物を架橋することができると
共に/或いは当該組成物の延性を改良することができる
触媒とを含んでなる耐熱性非晶質樹脂の耐衝撃性改良組
成物に関する。好ましい実施形態においては、該官能化
エラストマー化合物は官能化化合物の添加前に耐熱性非
晶質樹脂と溶融混合される。本発明の組成物は、物品へ
と成形したとき、例えば熱的性質のような他の重要な性
質を犠牲にすることなく、幾つかの性質が劇的に向上す
る。
【0002】
【従来の技術】約160℃を超えるガラス転移温度をも
つ非晶質樹脂は、例えば高温耐性、寸法安定性、加水分
解安定性及び電気的性質を始めとするユニークな組合せ
の特性を有するため工業的に魅力のある材料である。こ
のような非晶質樹脂の例としては、例えば、ポリエーテ
ルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホ
ン樹脂がある。しかし、一般に、これらの樹脂の典型的
な欠点の一つは、その耐衝撃性が若干劣ること、換言す
れば、耐熱性非晶質樹脂から製造した成形品が幾分脆性
であることである。したがって、これら非晶質樹脂のそ
の他の優れた特性を犠牲にすることなく、その耐衝撃性
を増大させることができれば望ましいであろう。こうし
た耐熱性非晶質樹脂の耐衝撃性を耐薬品性や加水分解安
定性のような他の物理的性質と併せて改良すれば、これ
らの樹脂の用途がさらに広がるであろう。
【0003】上述の通り、ポリエーテルイミド樹脂は耐
熱性非晶質樹脂の代表的な例である。ポリエーテルイミ
ド樹脂は、米国インディアナ州マウント・バーノン(Mou
nt Vernon)のゼネラル・エレクトリック社(General Ele
ctric Company)からウルテム(ULTEM) 樹脂という商標で
販売されている。また、1983年3月31日に出願さ
れ1984年10月17日に特開昭59−182847
号として出願公開された住友化学工業株式会社の日本特
許出願に教示されている通り、オレフィン性グリシジル
−メタクリレートコポリマーを用いてポリエーテルイミ
ド樹脂の耐衝撃性を改良することも知られている。
【0004】しかしながら、この先行技術文献には、触
媒とポリエーテルイミドとをエポキシ官能性α−オレフ
ィンエラストマーの添加前に溶融混合しておいたときの
触媒で、衝撃強さに関し予期し得ないほど劇的な増大が
達成し得るという点については開示されていないし、ま
た認識されていないことも明らかである。本発明の組成
物は、射出成形により成形品としたとき、熱的性質を損
なわずに衝撃特性を劇的に増大させることができる。
【0005】エポキシ官能性エラストマーを含んだ衝撃
性改良ポリエーテルイミドは、本出願人に譲渡された1
994年7月5日出願の米国特許出願第08/2706
07号(Nazareth他)に開示されている。上記出願にお
いて、その発明者らは、触媒とポリエーテルイミドとを
エポキシ官能性α−オレフィンエラストマーの添加前に
溶融混合しておいたときの触媒で、衝撃強さに関して予
期し得ないほど劇的な増大が達成し得るという点につい
ては開示していないし、また認識してもいない。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、加熱撓み温度のような
他の重要な物理的性質を実質的に保持したまま、延性、
耐薬品性、加水分解安定性などの向上した耐熱性非晶質
樹脂の耐衝撃性改良組成物を製造するための組成及び方
法を提供することである。
【0007】
【発明の概要】本発明によれば、耐熱性非晶質樹脂と、
官能化エラストマー化合物と、組成物の延性を改良し得
る触媒とを含んでなる新規ポリマーブレンド組成物が製
造される。好ましい実施形態では、官能化エラストマー
化合物の添加前に触媒を耐熱性非晶質樹脂と溶融混合す
る。当該組成物は、成形された状態で、他の高温耐性非
晶質樹脂組成物と比較して、劇的に向上した耐衝撃性、
改良された耐薬品性及び/又は改良された加水分解安定
性を示す。本発明のポリマーブレンドは、向上した衝撃
特性を示すほか、その基材樹脂の有する他の優れた熱的
性質は良好に保持している。
【0008】 〔発明の詳細な説明〕高いガラス転移温度(以後Tgと
略す)を有する非晶質樹脂は当技術分野で広く知られた
樹脂である。有用な樹脂の代表的な例としては、ポリエ
ーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリ
(アリールエーテル)コポリマー樹脂及びポリスルホン
樹脂がある。耐熱性非晶質樹脂のTgは一般に約160
℃を超え、好ましくは約170℃を超え、最も好ましく
は約180℃を超える。こうした範囲を下回るTgを有
する非晶質樹脂は、最高度の耐熱用途、したがって最も
需要の多い工業用途に従事できるほどの耐熱性をもたな
い。本発明の範囲に属しない部類の非晶質ポリマーは、
ポリ(フェニレンエーテル)樹脂、ポリカーボネート樹
脂、及びポリカーボネートコポリマー樹脂(例えばポリ
エステルカーボネートなど)である。
【0009】既に述べた通り、ポリエーテルイミド樹脂
は、本発明において高いTgを有する非晶質樹脂として
有用である。ポリエーテルイミド樹脂(以後PEIと略
す)も公知の化合物であり、その製造方法及び特性は米
国特許第3803085号及び同第3905942号に
記載されている(これらの米国特許の開示内容は援用に
よって本明細書の内容の一部をなす)。
【0010】本発明のブレンドの製造に使用されるPE
Iは、次式(I)の繰返し単位を複数、通例10〜10
00又はそれ以上含んでいる。
【0011】
【化1】
【0012】上記式中、Tは−O−又は式−O−Z−O
−の基であって、当該−O−又は−O−Z−O−基の二
価の結合は3,3′位、3,4′位、4,3′位又は
4,4′位にあり、Zは下記の式(II)からなる群から
選択される二価の基である。
【0013】
【化2】
【0014】ただし、Xは下記の式(III )の二価の基
からなる群から選択されるものであり、qは0又は1で
ある。
【0015】
【化3】
【0016】ただし、yは1〜約5の整数である。ま
た、上記式(I)中のRは、(a)炭素原子数6〜約2
0の芳香族炭化水素基及びそのハロゲン化誘導体、
(b)炭素原子数2〜約20のアルキレン基、(c)炭
素原子数3〜約20のシクロアルキレン基、及び(d)
下記一般式(IV)の二価の基、からなる群から選択され
る二価の有機基である。
【0017】
【化4】
【0018】ただし、Qは次式(V)からなる群から選
択されるものである。
【0019】
【化5】
【0020】ただし、yは約1〜約5の整数である。一
つの実施形態では、PEIは上記のエーテルイミド単位
に加えて次式(VI)のポリイミド繰返し単位をも含んだ
コポリマーであってもよい。
【0021】
【化6】
【0022】上記式中、Rは上記で定義した通りであ
り、Mは以下に示す式(VII )、式(VIII)及び式(I
X)からなる群から選択される。
【0023】
【化7】
【0024】
【化8】
【0025】
【化9】
【0026】PEIは当業者に周知の方法で製造するこ
とができ、その一例を挙げると、下記の式(X)の芳香
族ビス(エーテル無水物)を下記の式(XI)の有機ジア
ミンと反応させる。
【0027】
【化10】
【0028】(XI) H2 N−R−NH2 上記式中、T及びRは上記で定義した通りである。代表
的なジアミンにはm−フェニレンジアミン及びp−フェ
ニレンジアミンがある。その他の有用なジアミンは当技
術分野で公知である。PEI及びその製造方法は、Will
iams他の米国特許第3983093号に記載されている
(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部を
なす)。
【0029】特定の芳香族ビス(エーテル無水物)と有
機ジアミンの例は、例えば米国特許第3972902号
及び同第4455410号(その開示内容は援用によっ
て本明細書の内容の一部をなす)に開示されている。上
記の式(X)に包含される芳香族ビス(エーテル無水
物)の好ましいものとしては、Tが次式(XII )のもの
で、そのエーテル結合が3,3′位、3,4′位、4,
3′位、4,4′位にあるか或いはそれらの混在型であ
る化合物がある。
【0030】
【化11】
【0031】ただし、Yは以下の式(XIII)からなる群
から選択される。
【0032】
【化12】
【0033】PEI/ポリイミドコポリマーを使用する
場合、ビス(エーテル無水物)と組合せてピロメリト酸
無水物のような二無水物を使用する。一般に、有用なP
EIは、25℃のm−クレゾール中で測定して、約0.
2dl/g(デシリットル/グラム)より大の極限粘度
[η]、好ましくは約0.35〜約0.7dl/gの極
限粘度を有する。
【0034】PEIの幾多の製造方法の中には、米国特
許第3847867号、同第3814869号、同第3
850885号、同第3852242号及び同第385
5178号に開示されているものがある。その開示内容
は、本発明のブレンドに使用するPEIの一般的な製造
法及び特殊な製造法を参考例として示するための目的か
ら、援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0035】特に有用なポリエーテルイミド樹脂は次式
(XIV )の繰り返し単位を含むものである。
【0036】
【化13】
【0037】ただし、Rはm−フェニレン基であって、
ジー・イー・プラスチックス社(GE Plastics) からウル
テム(ULTEM) という商標のグレード1000シリーズと
して市販されている。もう一つの特に有用なポリエーテ
ルイミド樹脂は次式(XV)の繰り返し単位を含むもので
ある。
【0038】
【化14】
【0039】ただし、Rはp−フェニレン基であって、
ジー・イー・プラスチックス社からウルテム(ULTEM) と
いう商標のグレードCRS5001シリーズとして市販
されている。別の特に有用なポリエーテルイミド樹脂は
次式(XVI )の繰り返し単位を含むものである。
【0040】
【化15】
【0041】ただし、Rはm−フェニレン基であって、
ジー・イー・プラスチックス社からウルテム(ULTEM) と
いう商標のグレード6000シリーズとして市販されて
いる。さらに別の特に有用なポリエーテルイミド樹脂は
次式(XVII)の繰り返し単位を含むものである。
【0042】
【化16】
【0043】ただし、Rは約60:40のモル比のm−
フェニル基とビス(γ−プロピルジメチルシロキサン)
基であり、該ビス(γ−プロピルジメチルシロキサン)
基におけるシロキサン単位の繰り返し単位の平均は約1
0である。この樹脂はジー・イー・プラスチックスから
市販されており、交互共重合体樹脂はウルテム(ULTEM)
という商標のグレードD9000として、またブロック
共重合体樹脂はシルテム(SILTEM)という商標のグレード
STM1500として入手できる。
【0044】本発明の実施形態の一つには、非晶質樹脂
としてポリ(アリールエーテル)コポリマー樹脂を含ん
だ熱可塑性成形用組成物がある。使用し得るポリ(アリ
ールエーテル)コポリマー樹脂は、アリーレン単位のと
ころどころにエーテル結合とスルホン結合が存在する熱
可塑性ポリアリーレン−ポリエーテル−ポリスルホンで
ある。こうした樹脂を得るには、二価フェノールのアル
カリ金属複塩とジハロベンゼノイド化合物(そのいずれ
か一方或いは双方ともにアリーレン基間にスルホン結合
又はケトン結合、すなわち−SO2 −又は−CO−を有
する)を反応させて、アリーレン単位及びエーテル単位
に加えてスルホン単位又はケトン単位をポリマー連鎖に
導入すればよい。ポリスルホンポリマーは次式(XVIII
)の繰返し単位を含む基本構造を有する。 (XVIII ) −O−E−O−E′− 上記式中、Eは二価フェノールの残基であり、E′は原
子価結合に対するオルト位又はパラ位の少なくとも一方
に不活性な電子吸引基を有するベンゼノイド化合物の残
基であって、これらの残基はいずれも芳香族炭素原子を
介してエーテル酸素にしっかり結合している。このよう
なポリスルホンは、例えば米国特許第3264536号
及び同第4108837号に記載されているポリアリー
レンポリエーテル樹脂の群に包括される。 これらの開
示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。
【0045】二価フェノールの残基Eは次式(XIX )の
二核フェノールから誘導される。
【0046】
【化17】
【0047】式中、Arは芳香族基であって、好ましく
はフェニレン基であり、各Aは独立に同一又は異なる不
活性置換基、例えば炭素原子数1〜4のアルキル基、ハ
ロゲン原子(すなわち、フッ素、塩素、臭素又はヨウ
素)又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、各々
のrは独立に0〜4の値を有する整数であり、Rはジヒ
ドロキシジフェニルの場合にみられるような芳香族炭素
原子間の結合を表わすか、或いは、例えばC(O)、
O、S、S−SもしくはSO2 のような二価の基、又は
アルキレン、アルキリデン、シクロアルキレンもしくは
シクロアルキリデン、又は、ハロゲン、アルキルもしく
はアリールで置換されたアルキレン、アルキリデン、シ
クロアルキレン及びシクロアルキリデン基のような二価
の有機炭化水素基、並びにアルカリーレン基、芳香族
基、及び両方のAr基に縮合した環である。
【0048】典型的な好ましいポリ(アリールエーテ
ル)樹脂は次式(XX)の繰返し単位を含む。
【0049】
【化18】
【0050】式中、A及びrは上記で定義した通りであ
り、R1 及びR2 は芳香族炭素原子間の結合を表わす。
さらに好ましいものは、上記の式で各rがいずれも0で
あり、R1 が次式(XXI )の二価の連結基であって、R
2 がスルホン基である繰返し単位を含むポリスルホンで
ある。
【0051】
【化19】
【0052】ただし、R3 は独立に低級アルキル、アリ
ール及びそれらをハロゲン置換した基から選択されるも
のであって、好ましくはメチルである。ポリ(アリール
エーテル)コポリマーは通常約5000を超える重量平
均分子量(Mw)を有する。特に有用なポリ(アリール
エーテル)は次式(XXII)の繰返し単位を含むポリ(フ
ェニル)スルホン樹脂である。
【0053】
【化20】
【0054】これは、アモコ社(Amoco) からラーデル(R
ADEL) という商標のグレードR5000Aとして市販さ
れている。別の特に有用なポリ(アリールエーテル)は
次式(XXIII )の繰り返し単位を有するポリ(エーテ
ル)スルホン樹脂である。
【0055】
【化21】
【0056】これは、アモコからラーデル(RADEL) とい
う商標のグレードA300として市販されている。ま
た、別の特に有用なポリ(アリールエーテル)スルホン
は次式(XXIV)の繰り返し単位を有するポリスルホン樹
脂である。
【0057】
【化22】
【0058】これは、アモコ社からユーデル(UDEL)とい
う商標のグレードP−1700として市販されている。
さらにまた別の特に有用なポリ(アリールエーテル)ス
ルホンコポリマー樹脂は次式(XXV )の繰り返し単位を
有する。
【0059】
【化23】
【0060】これは、ICIアドバンスト・マテリアル
ズ社(ICI Advanced Materials)からビクトレックス(VIC
TREX) という商標のグレード4100Gとして市販され
ている。本発明のもう一つの要素は官能化エラストマー
化合物である。好適な官能化エラストマー化合物には、
触媒存在下で架橋できる官能基を含んだ化合物が包含さ
れる。有用な官能基の例としては、例えば、エポキシ
基、オルトエステル基、ニトリル基、カルボン酸基、カ
ルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基及びアミン基
がある。好ましい官能基はエポキシとオルトエステルで
ある。官能化エラストマー化合物には、平均してエラス
トマー分子当たり2以上の官能基、好ましくはエラスト
マー分子当たり2を超える官能基を含んだポリオレフィ
ン性化合物が包含される。官能化エラストマー化合物に
2種類以上の官能性化学種が含まれていてもよい。官能
化エラストマー化合物が耐熱性非晶質樹脂と相溶性であ
ることも重要である。
【0061】本発明の一つの実施形態では、官能化エラ
ストマー化合物は、官能化エラストマー化合物を含まな
い点又は官能化エラストマー化合物と触媒を同時に溶融
混合した点を除けば同一の組成物と比較して、延性及び
相溶性が改善された熱可塑性樹脂組成物を得るのに有効
な量で添加される。延性の改善はノッチ付アイゾット衝
撃強さの増大及び/又は落槍衝撃試験(ダイナタップ衝
撃試験など)における延性破壊モードによって示され
る。相溶性の改善は、ブレンド成分間の全体的相分離(g
ross phase separtion) が最低限に抑えられることを包
含して意味する。相溶性改善の指標としては、例えば離
層傾向の低減、延性の増大及び/又は相形態安定化の向
上などが包含される。
【0062】官能化エラストマー化合物の量は、非晶質
樹脂と官能化エラストマー化合物と触媒の合計重量を基
準にして、通例約1〜約20重量%である。さらに好ま
しくは、官能化エラストマー化合物の量は、非晶質樹脂
と官能化エラストマー化合物と触媒の合計重量を基準に
して、通例約3〜約10重量%であり、最も好ましくは
通例約4〜約7重量%である。
【0063】有用な官能化エラストマーの代表例の一つ
はエポキシ官能性α−オレフィンエラストマーである。
エポキシ官能性α−オレフィンエラストマーは、好まし
くは約60〜約99.5重量%のα−オレフィン及び約
0.5〜約40重量%のα,β−不飽和カルボン酸グリ
シジルエステルを含んだオレフィン性コポリマーが好ま
しい。非晶質樹脂及び触媒と組合せるエポキシ官能性α
−オレフィンエラストマーの量は一般に、PEIの全体
的な靱性及び延性を改良するのに充分な量である。
【0064】本発明で使用するオレフィン性コポリマー
は、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステルとのコポリマーである。ここで、α−オレ
フィンという用語はエチレン、プロピレン、ブテン−1
などを意味する。これらの中ではエチレンが好ましい。
α,β−不飽和酸のグリシジルエステルは次の一般式
(XXVI)の化合物である。
【0065】
【化24】
【0066】式中、R35は水素原子又は低級アルキル基
を表わす。α,β−不飽和酸グリシジルエステルの代表
例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル及びエタクリル酸グリシジルがある。エポキシ官
能性オレフィン性エラストマーは、当該エラストマー組
成物の重量を基準にして、約60〜約99.5重量%の
α−オレフィン、及び約0.5〜約40重量%、好まし
くは約3〜約30重量%のα,β−不飽和カルボン酸グ
リシジルエステルを含有するオレフィン性コポリマーが
好ましい。この量が約0.5重量%未満であると目的と
する効果が得られず、約40重量%を超えると溶融ブレ
ンディング中にゲル化が起こって生成物の押出し安定
性、成形性及び機械的特性を損なう傾向がある。エポキ
シ官能性ポリオレフィンを、例えば線状低密度ポリエチ
レン(一般に「LLDPE」と略記される)、ポリプロ
ピレン、エチレン−プロピレンコポリマーのような各種
の非官能化ポリオレフィンとブレンドすることも、全体
のエポキシ含量が上記範囲内に収まることを条件とし
て、可能である。好適なエポキシ官能性α−オレフィン
エラストマーとしては、エチレン−アクリル酸グリシジ
ルコポリマー、エチレン−メタクリル酸グリシジルコポ
リマー、エチレン−メタクリル酸グリシジル−酢酸ビニ
ルターポリマー、エチレン−メタクリル酸グリシジル−
アクリル酸メチルターポリマー、エチレン−アクリル酸
エチル−メタクリル酸グリシジルターポリマーがある。
好ましいエポキシ官能性エラストマーは、住友化学工業
株式会社からイゲタボンド(IGETABOND) 及びボンドファ
スト(BONDFAST)という商標で、またエルフ・アトケム社
(Elf Atochem) からロタデール(LOTADER) という商標で
入手できる。
【0067】ただし、官能性エラストマー化合物につい
ては熱安定性が良好であることが重要であることに留意
すべきである。換言すれば、官能性エラストマー化合物
は、これを配合すべき耐熱性非晶質樹脂の加工温度にお
いて熱的に安定でなければならない。そのため、ポリエ
ーテルイミドのような樹脂の場合には、エチレンとメタ
クリル酸グリシジルのコポリマーのようなエポキシ官能
性のエラストマーが好ましい。酢酸ビニル、アクリル酸
エチル又はアクリル酸メチルのような物質を含むターポ
リマーは極めて高い加工温度で熱分解し易いからであ
る。
【0068】本発明の組成物は、上述の通り、1種類以
上の非官能化耐衝撃性改良剤をさらに含んでいてもよ
い。耐熱性非晶質樹脂に適した耐衝撃性改良剤は当業者
に周知である。本発明のポリマー混合物は第三の成分と
して触媒を含んでおり、該触媒は、本発明の方式で利用
すると、耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーを含ん
だ組成物の延性を、触媒を含まない点又は本発明の範囲
に属しない方式で製造した点を除けば同一の組成物に比
べて、増大させる。有用な触媒の代表例としては、非エ
ラストマー性の金属塩、無機添加剤(例えば、Ti
2 、シリカ、ZnO、ZnSなど)、その他所定の官
能化エラストマー化合物を架橋できることの知られてい
る触媒がある。また、触媒が官能化エラストマー化合物
に対する親和性をもっていて、それが耐熱性非晶質化合
物内に孤立した状態で留まらずに耐熱性非晶質樹脂中を
移動して触媒と接触するようにさせるタイプのものであ
ることも好ましい。
【0069】好適な金属塩は無機又は有機の塩であり、
有機酸の金属塩がさらに好ましい。好適な有機酸は飽和
又は不飽和の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂
肪族又は芳香族のスルホン酸又はホスホン酸、及びアル
キル硫酸の塩である。具体的な有機酸としては安息香
酸、パルミチン酸、ラウリン酸、酢酸、ステアリン酸、
グルコン酸及びドデシルベンゼンスルホン酸があるが、
これらに限定されるものではない。
【0070】好適な金属塩は広範な金属から誘導するこ
とができる。なかでも、カルシウム、アルミニウム及び
亜鉛が好ましいが、ナトリウム、リチウム、カリウム、
バリウム、ベリリウム、マグネシウム、銅、コバルト及
び鉄のような金属を除外するものではない。ステアリン
酸の金属塩は望ましい融点と高純度をもっていて広く市
販されているので特に好ましい。
【0071】また、本発明の耐熱性非晶質樹脂と官能化
エラストマー化合物を含んだ組成物の触媒としては、酸
性又は塩基性の無機化合物も有用であり、例えばシリ
カ、金属酸化物(二酸化チタンなど)、金属硫化物、微
細粘土、微細タルク、微細雲母などのような小粒子鉱物
質充填材が好ましい。小粒子とは、平均粒度が約45ミ
クロン未満、好ましくは約25ミクロン未満、最も好ま
しくは約15ミクロン未満である鉱物を包含して意味す
るものとする。さらに、これらを表面処理したものも触
媒として包含される。特に好ましい触媒は二酸化チタン
並びに二酸化チタンと金属塩の混合物である。
【0072】耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマーを
含んだ組成物に触媒を添加すると、得られる組成物は高
温耐熱性、優れた流動性並びに向上した耐薬品性と加水
分解安定性を始めとする有益な特性を他に類のない組合
せで有するという驚くべき知見が得られた。最も驚くべ
き知見の一つは、上記の成分を適当な量比及び順序で組
合せることによって、延性の改善された樹脂組成物を創
製できたことである。したがって、本発明の一つの実施
形態によれば、触媒と官能化エラストマーは、すべての
成分を同時に添加した点を除けば同一の組成物に比して
改善された特性(増大した衝撃特性など)を示す熱可塑
性樹脂組成物が得られるよう充分な量及び順序で耐熱性
非晶質樹脂に添加される。かくして、触媒と官能化エラ
ストマーは、ノッチ付アイゾット衝撃値が少なくとも約
25%、好ましくは少なくとも約45%向上し、リブ付
ダイナタップ衝撃強さが延性衝撃破壊モードで少なくと
も約50%、好ましくは約75%以上向上した熱可塑性
樹脂組成物が得られるような順序及び充分な量で添加さ
れる。
【0073】耐熱性非晶質樹脂がポリエーテルイミド樹
脂である場合の組成物の好ましい衝撃特性の代表的な例
としては、約3.0ft-lbs/in を超えるノッチ付アイゾ
ット衝撃値、好ましくは約3.5ft-lbs/in を超えるノ
ッチ付アイゾット衝撃値、及び延性破壊モードで約42
ft/lbsを超えるダイナタップ衝撃強さ、好ましくは延性
破壊モードで約50ft/lbs以上のダイナタップ衝撃強さ
が挙げられる。例えば、本発明の一つの実施形態では、
触媒と官能化エラストマーは、ノッチ付アイゾット衝撃
値が少なくとも約2.8ft-lbs/in より大きく、ダイナ
タップ衝撃強さが延性衝撃破壊モードで少なくとも約4
2ft-lbsより大きいポリエーテルイミド樹脂組成物が得
られるような順序及び充分な量で添加される。
【0074】耐熱性非晶質樹脂と官能化エラストマー
は、該組成物中に、好ましくは約6:1〜約40:1の
重量比、さらに好ましくは約8:1〜約30:1の重量
比、最も好ましくは約6:1〜約24:1の重量比で存
在する。本発明の組成物は、該組成物の成分(A)、
(B)、(C)の重量を基準にした百分率で表わして、
好適には、(A)の耐熱性非晶質樹脂を、全組成物の重
量を基準にして、好ましくは約50〜約99重量%のレ
ベル、さらに好ましくは約85〜約97重量%、最も好
ましくは約90〜約95重量%のレベルで含み、(B)
の官能化エラストマーを、成分(A)、(B)、(C)
の重量を基準にして、好ましくは約1〜約20重量%、
さらに好ましくは約3〜約10重量%、最も好ましくは
約4〜約7重量%のレベルで含み、(C)の触媒を、成
分(A)、(B)、(C)の重量を基準にして、好まし
くは約0.05〜約5重量%、さらに好ましくは約0.
1〜約1重量%、最も好ましくは約0.1〜約0.3重
量%のレベルで含んでいる。
【0075】本発明の組成物は、また、酸化防止剤、難
燃剤、滴下防止剤(drip retardant)、染料、顔料、着色
剤、強化材、安定剤、帯電防止剤、可塑剤及び滑剤から
なる群から選択される少なくとも1種類の添加剤を有効
量で含有し得る。これらの添加物は当技術分野で公知で
あり、その有効量と配合方法についても同様に公知であ
る。添加物の有効量は広い範囲にわたるが、それらは、
組成物全体の重量を基準にして、通例は約5重量%もし
くは約10重量%未満の量で存在するが、ある種の難燃
剤及び強化材については約30重量%まで或いはそれ以
上で使用することができる。
【0076】本発明の耐熱性非晶質組成物は、また、諸
特性のバランスを改善させるような他のプラスチック樹
脂とブレンドしてもよい。例えば、耐熱性非晶質樹脂
は、ポリカーボネート樹脂、ポリ(エステルカーボネー
ト)樹脂、ポリ(フェニレンエーテル)樹脂、ポリ(フ
ェニルカーボネート)樹脂などのような他の非晶質材料
とブレンドしてもよいと思料される。本発明の耐熱性非
晶質組成物は好ましくはある種の熱可塑性材料を含んで
おらず、特にポリアミド、ポリエステル、液晶ポリマー
及びポリ(アリーレンスルフィド)を含まないのが好ま
しい。本組成物は上記の成分で実質的に構成されるのが
好ましく、上記の成分のみで構成されるのがさらに好ま
しい。
【0077】本発明の組成物の調製は、通常、均質ブレ
ンド形成条件下で上記成分を均質に添加混合することに
よって達成される。かかる条件としては、単軸式又は二
軸式押出機その他上記成分に剪断力を与え得る同様の混
合装置での混合が含まれることが多い。本発明の組成物
では、官能化エラストマーの添加に先だって、耐熱性非
晶質樹脂と触媒を一緒に添加しておくのが望ましい。換
言すれば、本発明の組成物の所望の形態及び特性が得ら
れるように、耐熱性非晶質樹脂と触媒を予め混合してお
いてから官能化エラストマーと混合するのが好ましい。
【0078】加工処理には別々の押出機を使用してもよ
いが、これらの組成物は様々な成分の添加に適合した多
数の供給口をその長手方法に沿ってもつ単一の押出機を
使用することによっても製造し得る。例えば、耐熱性非
晶質樹脂と触媒を押出機のスロート(throat)部に添加し
て、官能化エラストマーを混合区域の下流で添加するこ
とができる。その他の任意成分は下流又は上流のいずれ
でも行うことができよう。例えば、ガラス繊維は、押出
機内でのオーバーコンパウンディングによる繊維の破断
を最小限に抑えるため、押出機の終端近くの供給口に添
加するのが有利であることが多い。また、供給口と供給
口の間の各区域に少なくとも1つの排気口(ベント)を
使用して溶融物のガス抜き(大気圧又は真空のいずれで
も)を行うことが有利な場合もある。ブレンディングの
時間及び温度並びに成分添加については、過度の実験を
要することなく当業者が適宜設定し得るはずである。
【0079】本発明の組成物から製造される改良成形品
が本発明の実施形態の一つとなることは明らかであろ
う。本発明の熱可塑性組成物は、望ましいレベルの靱
性、耐薬品性及び加水分解安定性を示す物品へと成形す
ることができる。特に、本発明の熱可塑性組成物は、耐
溶剤性及び高い加熱撓み温度が共に必要とされる自動車
のボンネット内部用部品、並びに高い加熱撓み温度及び
加水分解安定性が共に必要とされる食品用品の製造に有
用である。
【0080】本明細書中で引用した特許及び文献の開示
内容はすべて援用によって本明細書の内容の一部をな
す。
【0081】
【実施例】本発明の幾つかの実施形態を例示するために
以下に実施例を挙げる。以下の実施例はなんら本発明を
限定するものではない。特記しない限り、百分率はすべ
て組成物全体の合計重量を基準にした重量%である。実施例 350rpmの30mm二軸スクリュー押出機でブレン
ドをコンパウンディングした。すべての原料はドライブ
レンドして供給スロートに装入した。押出機のバレルセ
ット温度は約330℃に設定した。次いで、乾燥してペ
レットとしたブレンド材料を350℃で射出成形して、
ASTM D256によるアイゾット衝撃強さ及びAS
TMのD3763(直径4インチ×0.125インチの
ディスクを使用)によるダイナタップ(落槍試験におけ
る破断までのエネルギー)強度を測定するための1/8
インチ標準試験片とした。延性は衝撃を加えた試験片の
目視によって判定した。粘度は、インストロン(Instro
n) 毛細管レオメーターを用いて337℃、荷重5kg
で測定した。
【0082】ポリエーテルイミド樹脂(PEI)は、ゼ
ネラル・エレクトリック社から入手したウルテム(Ulte
m;登録商標)1000及び/又はウルテム1040で
ある。BF−Eは、住友化学工業株式会社から入手した
ボンドファスト(BONDFAST)Eという商標のポリエチレン
−コ−12%グリシジルメタクリレートである。TiO
2 はSCM社から入手したRCL69というグレードの
二酸化チタンである。
【0083】配合物1及び3は、PEIを含んではいる
がエポキシ官能性α−オレフィンエラストマーも金属塩
も含まない対照試料である。配合物2及び4はPEI及
びエポキシ官能性α−オレフィンエラストマーを含んだ
組成物である。配合物2では延性破壊モードが得られた
ものの良好な流動性能に欠けていた。配合物2にウルテ
ム1040を添加すると流動性が向上した(配合物4参
照)が、衝撃特性は損なわれた。
【0084】
【表1】
【0085】配合物5はすべての成分をスロート部に供
給した場合の例である。配合物6では、ウルテムを予め
TiO2 とコンパウンディングしておき、ボンドファス
トEは2度目の押出時に添加した。配合物7では、ウル
テムを予めボンドファストEとコンパウンディングして
おき、TiO2 は2度目の押出時に添加した。配合物8
では、ウルテムとTiO2 をスロート部に供給し、ボン
ドファストEを下流で添加した。配合物9〜14では、
ウルテムを予めTiO2 、HDPE、ステアリン酸ナト
リウム及び/又はイルガホス(Irgafos) 168とコンパ
ウンディングし、ボンドファストEは2度目の押出時に
添加した。
【0086】
【表2】
【0087】予想外なことに、配合物6及び8の物理的
性質は、配合物5及び7(触媒と官能化エラストマーを
スロート部に供給したもの或いは触媒を下流で添加した
もの)よりもずっと良好であった。例えば、配合物5及
び7のノッチ付アイゾット衝撃及びダイナタップ衝撃強
さは配合物6及び8の半分に満たない。配合物11〜1
4も本発明の例であり、官能化エラストマーの添加に先
立って、PEIと触媒としての鉱物質充填材とを予備混
合したものである。本出願人は、予想に反して、PEI
を触媒(例えばTiO2 やNaSt)と予め混合してお
くと物理的性質が大幅に向上することを見出した。例え
ば、配合物11〜14から成形した試験片はダイナタッ
プ衝撃強さが延性破壊モードで約47〜54ft-lbsであ
ったが、これに対して、すべての成分を同時に添加或い
は触媒を下流で添加した配合物5及び7は15ft-lbs及
び27ft-lbsでしかも脆性破壊モードであった。また、
ノッチ付アイゾット衝撃強さも、配合物5及び7の2.
1ft-lbs/in 及び2.2ft-lbs/in から、配合物11〜
14の4.2ft-lbs/in 、2.7ft-lbs/in 、3.0ft
-lbs/in 、及び4.5ft-lbs/in へと驚異的に増大し
た。
【0088】本発明の組成物の耐薬品性を例示するた
め、以下の実施例をさらに実施して、幾つかの組成物
の、275°F、20psiの水蒸気中35分サイクル
でのオートクレーブ試験の前後の引張強さ、引張伸び、
衝撃及び曲げ弾性率を測定した。表3Aは試験に付した
組成物を示し、表3Bには上述の物理的性質の試験前と
2000サイクル及び3000サイクルのオートクレー
ブ試験後の値を示す。
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】上記実施例から分かるように、耐熱性非晶
質樹脂に触媒を添加した後で官能化エラストマー化合物
を下流で添加することによって、この耐熱性非晶質樹脂
(例えばポリエーテルイミド)の耐薬品性が劇的に改
善された。触媒及び官能化エラストマー化合物によって
耐熱性非晶質樹脂の耐薬品性がこのように大幅に増大す
るメカニズムについては、これらの化合物が耐薬品性の
向上と関連しているとは本発明者も従前知らずにいたこ
とであり、現時点では本発明者にも明らかでない。
【0092】下記表4のデータは、本発明の組成物の熱
安定性及び加水分解安定性を評価するために実施したオ
ートクレーブ試験の結果をまとめたものである。ケミク
レーブ・サイクリング(Chemiclave Cycling)を、270
°F、20psiの蒸気滅菌溶液中で1サイクル当たり
20分かけて実施した。 ガンマ線:2.5MRad、6MRad及び10MRa
dの線量で試料を暴露した。引張試験片の物理的性質を
評価した。
【0093】EtO:試料を純粋EtOサイクルに暴露
した。当該EtOサイクルのパラメーターは次の通りで
あった:26〜28″Hg;相対湿度45.60%;休
止15分;滅菌剤として100%エチレンオキサイド
(EtO);温度125°F。暴露時間は約8時間であ
った。 TSは組成物の引張強さ(psi)を示し、DYNは組
成物のダイナタップ衝撃を示す。配合物19はポリエー
テルイミド100部である。配合物20は同じポリエー
テルイミド93重量部、スロート部に供給したTiO2
2部、及び下流で添加したボンドファストE5部からな
る。
【0094】
【表5】
【0095】上記の実験から分かるように、本発明の配
合物20では純粋なポリエーテルイミド(配合物19)
と比べて衝撃特性が劇的に改良されており、ケミクレー
ブ500サイクル後でも配合物20の耐衝撃性は純粋な
ポリエーテルイミドより数倍良好であった。以上の実施
例は本発明を例示するためのものにすぎず、本発明を限
定するものでない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQP C08L 71/12 LQP 79/08 LRE 79/08 LRE 81/06 LRF 81/06 LRF

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分を含んでなる組成物。 (a)耐熱性非晶質樹脂、(b)官能化エラストマー化
    合物、及び(c)当該組成物の延性を改良し得る触媒。
  2. 【請求項2】 前記成分(b)及び成分(c)が、これ
    ら両成分を同時に添加したときの同一組成物と比較し
    て、約25%以上向上したノッチ付アイゾット衝撃値及
    び延性衝撃破壊モードで約50%以上向上したダイナタ
    ップ衝撃強さを示す熱可塑性樹脂組成物を与えるのに充
    分な量及び順序で添加されている、請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記成分(b)及び成分(c)が、これ
    ら両成分を同時に添加したときの同一組成物と比較し
    て、約45%以上向上したノッチ付アイゾット衝撃値及
    び延性衝撃破壊モードで約75%以上向上したダイナタ
    ップ衝撃強さを示す熱可塑性樹脂組成物を与えるのに充
    分な量及び順序で添加されている、請求項2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記触媒が、前記官能化エラストマーの
    添加前に、前記耐熱性非晶質樹脂と溶融混合されてい
    る、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記耐熱性非晶質樹脂が、ポリエーテル
    イミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリ(アリー
    ルエーテル)コポリマー樹脂、ポリスルホン樹脂及びこ
    れらのブレンドからなる群から選択される、請求項4記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記触媒並びに前記成分(a)、(b)
    及び(c)の混合順序が、成分(c)を含有しない同一
    組成物と比較して、リブ付ダイナタップ衝撃で測定され
    る延性を100%増大させるものである、請求項1記載
    の組成物。
  7. 【請求項7】 前記触媒が金属塩及び小粒子鉱物質充填
    材からなる群から選択される、請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記官能化エラストマー化合物がエポキ
    シ官能性α−オレフィンエラストマーである、請求項1
    記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記エポキシ官能性エラストマーが約6
    0〜約99.5重量%のα−オレフィンと約0.5〜約
    40重量%のα,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエ
    ステルを含んでなる、請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 さらに、少なくとも1種類の非官能化
    ポリオレフィン樹脂又は非官能化エラストマー樹脂を含
    んでなる、請求項8記載の組成物。
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