JPH09131624A - 自動薄片挿入装置及び方法 - Google Patents

自動薄片挿入装置及び方法

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JPH09131624A
JPH09131624A JP7289895A JP28989595A JPH09131624A JP H09131624 A JPH09131624 A JP H09131624A JP 7289895 A JP7289895 A JP 7289895A JP 28989595 A JP28989595 A JP 28989595A JP H09131624 A JPH09131624 A JP H09131624A
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JP7289895A
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English (en)
Inventor
Koji Matsunaga
光司 松永
Fumikazu Ohira
文和 大平
Kunio Koyabu
国夫 小薮
Kazuki Kudo
一樹 工藤
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、例えば光導波路デバイスの組立工
程を自動化することを可能とする自動薄片挿入装置およ
び方法を提供する。 【解決手段】 本発明の一態様によると、薄片を溝付き
部品の溝部に挿入する装置であって、前記薄片を供給す
る薄片供給部と、前記溝付き部品を置く面と、前記薄片
を前記薄片供給部から取り上げて保持する薄片保持用ヘ
ッドと、前記薄片保持用ヘッドを装着するヘッド装着部
を有し、かつ前記薄片保持用ヘッドと前記薄片および前
記溝付き部品との相対位置を水平・垂直方向に平行移動
させると共に、少なくとも一軸方向に前記薄片保持用ヘ
ッドを回転させる自動搬送機構と、前記薄片供給部上で
の前記薄片の位置と角度および前記溝部の位置と角度を
認識し計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づ
き前記自動搬送機構を駆動して前記薄片保持用ヘッドの
相対位置を制御し、かつ前記薄片を前記溝部に挿入する
全工程を制御する装置制御部とからなる自動薄片挿入装
置が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光通信ある
いはコンピュータネットワーク分野における光伝送路の
構築に不可欠な光分岐結合器を構成する光導波路デバイ
スの組みたてを自動的におこなうための自動薄片挿入装
置および方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は光分岐結合器の構造を示してい
る。図1において、1はフィルタ片で、たとえば光透過
性のよい薄い樹脂基板上に誘電体多層膜を形成した構造
であり、その大きさはたとえば縦1mm×横1mm×厚
さ15μmと非常に小さくて薄くかつ脆い薄片である。
【0003】2は光導波路チップでありフィルタ片挿入
溝の付いた溝付き部品である。2aはシリコン基板、2
bは石英ガラス層、サフィックス付きの番号3は石英ガ
ラス層2bのなかに形成された光導波路を表し、4はフ
ィルタ片1を挿入するフィルタ溝で、たとえば幅18μ
m、深さ150μmである。
【0004】この光分岐結合器の働きを説明すると、光
導波路3aから波長1.5μmの光と1.3μmの光を
合わせて入射すると、それらの光のうち波長1.5μm
の光はフィルタ溝4に挿入されたフィルタ片1で反射し
て光導波路3bへ導かれ、波長1.3μmの光はフィル
タ片1を透過し光導波路3cから出てくる。
【0005】こうして二つの波長が混ざった光を分岐し
それぞれ別の光導波路から取り出すことができる。図2
は組立の際にフィルタ片1が供給される状態を示してい
る。
【0006】5はフィルタトレイであり、5aはフィル
タ片1を入れる升目である。フィルタトレイ5はフィル
タ片1が丁度入るような凹の升目5aがマトリックス状
に設けられている。
【0007】図2に示すように、フィルタ片1は升目5
aの中でランダムな位置にあり、また表裏(この例では
誘電体多層膜側が表である)もランダムに入れられてい
る。従来、この光分岐結合器の組立てはフィルタ片1が
小さくて薄い脆いということ、およびフィルタ片1とそ
れが挿入されるフィルタ溝4との寸法差がわずかである
ということから、熟練した人手に頼っていた。
【0008】まず、作業者がフィルタトレイ5を傾けな
がらピンセットで升目5aの中のフィルタ片1を軽く突
いてガーゼなど清浄で柔軟な布の上に落とし、フィルタ
片1の表裏を目視で判別してピンセットで挟み、フィル
タ片1の表(誘電体多層膜側)が入射光側の光導波路3
aの側に来るようにして、実体顕微鏡の視野の中でフィ
ルタ溝4とフィルタ片1の位置をおおまかに確認し、つ
いでフィルタ片1を光導波路チップ(すなわち溝付き部
品)2に押し当てて滑らせ、ピンセットから伝わる微妙
な感触を指先で確認して挿入していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来技術においては、小さくて薄く、脆い薄片であるフ
ィルタ片のフィルタ溝への挿入を人手に頼っていたた
め、フィルタ片をピンセットで挟む際に落下して汚染し
たり、強く挟み過ぎて破損したり、挿入時に折り曲げて
しまい不良品となるなどが起こりやすく、歩留まりが悪
かった。
【0010】また、人手であるため集中力を要する精密
作業を長時間連続で行なうことは不可能で生産性が悪か
った。また、この組立作業には一定水準以上の技術と経
験が必要であり、熟練した作業者の養成も不可欠であっ
た。
【0011】これらのために従来技術は生産性が悪く、
コストが高いという欠点があった。そこで、本発明は、
以上のような点に鑑みてなされたもので、光導波路デバ
イスの組立工程を自動化することにより、例えば光導波
路デバイスの生産性をあげコストを引き下げることを可
能とする自動薄片挿入装置および方法を提供することを
目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題を解決するために、薄片を溝付き部品の溝部に挿入す
る装置であって、前記薄片を供給する薄片供給部と、前
記薄片を前記溝部に挿入する際に前記溝付き部品を置く
面と、前記薄片を前記薄片供給部から取り上げ前記薄片
の一部を突き出して保持する薄片保持用ヘッドと、前記
薄片保持用ヘッドを装着するヘッド装着部を有し、かつ
前記薄片保持用ヘッドと前記薄片および前記溝付き部品
との相対位置を水平・垂直方向に平行移動させることが
でき、かつ少なくとも一軸方向に前記薄片保持用ヘッド
を回転させることができる自動搬送機構と、前記薄片供
給部上での前記薄片の位置と角度および前記溝部の位置
と角度を認識し計測する計測部と、前記計測部の計測結
果に基づき前記自動搬送機構を駆動して前記薄片保持用
ヘッドの相対位置を制御し、かつ前記薄片を前記溝部に
挿入する全工程を制御する装置制御部とからなることを
特徴とする自動薄片挿入装置が提供される。
【0013】また、本発明によると、薄片を溝付き部品
の溝部に挿入する装置であって、前記薄片を供給する薄
片供給部と、前記薄片を前記溝部に挿入する際に前記溝
付き部品を置く面と、前記薄片を前記薄片供給部から取
り上げ前記薄片の一部を突き出して保持する薄片保持用
ヘッドと、前記溝部に挿入された前記薄片を接着し固定
するための接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッドと、前記
薄片保持用ヘッドおよび接着剤塗布ヘッドを同時にまた
は交換して装着するヘッド装着部を有し、かつ前記薄片
保持用ヘッドと前記薄片および前記溝付き部品との相対
位置を水平・垂直方向に平行移動させることができ、か
つ少なくとも一軸方向に前記薄片保持用ヘッドを回転さ
せることができる自動搬送機構と、前記薄片供給部上で
の前記薄片の位置と角度および前記溝部の位置と角度を
認識し計測する計測部と、前記計測部の計測結果に基づ
き前記自動搬送機構を駆動して前記薄片保持用ヘッドの
相対位置を制御し、かつ前記薄片を前記溝部に挿入し前
記接着剤を前記溝部に塗布する全工程を制御する装置制
御部とからなることを特徴とする自動薄片挿入装置が提
供される。
【0014】また、本発明によると、前記薄片および前
記溝付き部品をそれぞれ自動的に供給する薄片フィー
ダ、溝付き部品フィーダを設けたことを特徴とする自動
薄片挿入装置が提供される。
【0015】また、本発明によると、前記薄片の挿入と
前記接着剤の塗布が完了したひとつまたは複数の前記溝
付き部品に対して接着剤を硬化させる硬化部を付加した
ことを特徴とする自動薄片挿入装置が提供される。
【0016】さらに、本発明によると、自動薄片挿入装
置を用いて前記薄片を前記溝部に挿入する際に、前記計
測部で計測した前記溝部の位置と角度の値にもとづき前
記自動搬送機構を制御して前記薄片保持用ヘッドに保持
した前記薄片を前記溝部の近傍にほぼ平行に位置合わせ
し、前記薄片保持用ヘッドを下げて前記薄片の先端を前
記溝付き部品につき当てて前記薄片をわずかに撓ませ、
前記溝部を跨ぐ方向に前記薄片保持ヘッドをわずかに相
対移動させることによって前記薄片の先端を前記溝部の
入り口に絡ませ、しかる後に前記薄片保持用ヘッドを押
し下げ、前記薄片を前記溝部に挿入することを特徴とす
る自動薄片挿入方法が提供される。
【0017】すなわち、本発明では、上述のような問題
を解決するため、たとえば組立ロボットのような自動搬
送機構をもちいて、人手を介さず全自動でフィルタ片を
挿入する構成を用いるようにしている。
【0018】本発明を具体化するうえでは次の2つの基
本的な技術課題を解決しなければならない。第一は、フ
ィルタ片のような小さく薄く壊れやすい薄片を組立ロボ
ットのような自動搬送機械によってトレイから取り上
げ、姿勢保持する方法の実現である。
【0019】本発明ではこれを解決するために、フィル
タ片すなわち薄片を吸着によって取り上げ、挟み込んで
保持する機能をコンパクトに一体化し、フィルタ片を取
りにゆく動作の一工程の間に保持を完了する薄片保持用
ヘッドを用いるようにしている。
【0020】第二は寸法差の極くわずかな溝部にフィル
タ片を簡単確実に挿入する方法の実現である。これを解
決するひとつの方法は、組立ロボットのような自動搬送
機構で保持されたフィルタ片と、そのフィルタ片を挿入
すべき溝部の位置、角度をたとえば光学的に計測し、自
動搬送機構を制御してフィルタ片と溝部の位置をはめ合
わせ誤差の範囲に合わせ、挿入する方法である。
【0021】これはフィルタ片と溝部のはめ合わせ誤差
がたとえば20μm程度の大きさの場合には有効な方法
である。しかし、光導波路チップとフィルタ片のよう
に、はめ合わせ誤差が2,3μmしかない場合には、フ
ィルタ片と溝部の相対位置を1μm程度の精度で計測
し、制御しなくてはならず、それは計測がより複雑で装
置コストが高くなる。
【0022】また、市販の組立ロボットではそれだけの
高精度な位置制御は不可能なため特殊な自動搬送機構が
必要となって装置コストが大幅に増大し、生産性も劣る
という問題点がある。
【0023】これを解決するもうひとつの方法は、フィ
ルタ片の柔軟性を巧みに利用する方法であり、本発明で
はこの方法を用いることにより、フィルタ片と溝部の相
対位置を高精度で合わせる必要がなく、簡単確実に挿入
することができる制御方法を実現している。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明では以上のような薄膜保持
用ヘッドと柔軟性を利用した挿入制御を基軸技術とし
て、組立ロボットのような自動搬送機構を用いた自動薄
片挿入装置を可能にしている。
【0025】以下本発明の実施の形態を図面を参照して
具体的に説明する。図3は本発明の第一の実施の形態で
ある。1は薄く小さな薄片であるフィルタ片、2は溝付
き部品である光導波路チップ、5はフィルタ片1を供給
するためのフィルタトレイであり、この場合薄片供給部
に相当する。
【0026】6は光導波路チップ(すなわち溝付き部
品)2を供給するための溝付き部品トレイであり、フィ
ルタ片1を挿入する際に光導波路チップ(すなわち溝付
き部品)を置く面をも兼ねている。
【0027】7はフィルタ片(すなわち薄片)1をフィ
ルタトレイ(すなわち薄片供給部)5から取り上げ、フ
ィルタ片1の一部を突き出して保持するための薄片保持
用ヘッドであり、その具体的な構造と動作は図4におい
て説明する。
【0028】8は自動搬送機構である組立ロボット、9
a,9b,9cは組立ロボットのアームで、それぞれ第
一アーム、第二アーム、垂直アームである。10は溝部
4に挿入されたフィルタ片1に接着剤を塗布するための
接着剤塗布ヘッド、11は接着剤を吐出するニードル、
11bは接着剤をニードル11に送るフレキシブルチュ
ーブ、12は接着剤塗布ヘッドを置くスタンド、13
a,13b,13cは相互に機械的、電気的、流体的な
結合をワンタッチでなすことができるアダプタである。
【0029】このうちアダプタ13aは垂直アーム9c
の先端に取り付けられてヘッド装着部として機能する。
また、アダプタ13bは薄片保持用ヘッドに組込まれ、
アダプタ13cは接着剤塗布ヘッドに組込まれている。
【0030】14は高倍率のズームレンズのごとき光学
レンズとTVカメラからなる測定ヘッド、15は測定ヘ
ッド14を垂直アーム9cまたはヘッド装着部13aに
固定するための固定部品、16は組立ロボット8の制御
をするロボット制御部、17は測定ヘッド14から取り
込んだ画像情報から位置と角度を割り出す画像処理回路
でである。
【0031】そして、測定ヘッド14と画像処理回路1
7とで測定部が構成される。18は接着剤塗布ヘッドの
駆動部、19は薄片の挿入、接着剤塗布、硬化など全工
程を管理・制御する装置制御部、20は各構成を乗せる
装置ベースである。
【0032】この動作は、まずフィルタ片1を乗せた薄
片トレイ5を供給位置に置き、光導波路チップを載せた
溝付き部品供給トレイ6を装置の挿入位置におく。次
に、組立ロボット8の垂直アーム9cの先端のヘッド装
着部13aに薄片保持用ヘッド7を装着し、組立ロボッ
ト8を操作して薄片保持用ヘッド7の先端を薄片トレイ
5の上に移動させる。
【0033】次に、測定ヘッド14でひとつのフィルタ
片1をとらえ、その位置と角度を計測し、それにあわせ
て組立ロボット8のアーム9a,9b,9cを操作し、
薄片保持用ヘッド7がフィルタ片1の片側を直角にとら
えるようにする。
【0034】次に、垂直アーム9cを降下させ薄片保持
用ヘッド7でフィルタ片1を保持する。このときの薄片
保持用ヘッドの動作は図4を用いてあとで説明する。
【0035】この状態で測定ヘッド14によってフィル
タ片1の側面ないしは表面を観察し、フィルタ片1の表
裏を判別する。フィルタ片1の表裏が反対であればこの
状態で薄片保持用ヘッド7を180度回転する。
【0036】次に、組立ロボット8を操作しフィルタ片
1を保持した薄片保持用ヘッド7を、溝付き部品供給ト
レイ6に乗った光導波路チップ2の上に移動する。そし
て、計測ヘッド14で溝部4をとらえ画像処理回路17
で位置と角度を計測する。
【0037】これにフィルタ片をあわせるように組立ロ
ボット8を制御し、薄片保持用ヘッド7を静かに降ろ
し、フィルタ片1を溝部4に挿入する。挿入したら薄片
保持用ヘッド7からフィルタ片1を離して、再び組立ロ
ボット8を操作し薄片保持用ヘッドで次のフィルタ片1
を保持し、同様にして次の光導波路チップ2の溝部4に
挿入する。
【0038】この操作を光導波路チップ2の数だけ繰り
返す。すべての溝部4にフィルタ片1が挿入できたら、
組立ロボット8のヘッド装着部13aから薄片保持用ヘ
ッド7をはずし、接着剤塗布ヘッド10を装着する。
【0039】次に、組立ロボット8を操作して溝部4に
挿入されたフィルタ片1の一つ一つに順次ニードル11
の先を接近させ駆動部18を駆動して接着剤を塗布す
る。このときのニードル11の先端位置の制御は、計測
ヘッド14を用いてその都度位置を計測するのでもよい
が、フィルタ片1を溝部4に挿入した際の位置を制御部
19で記憶しておけば再測定の必要なく、能率的に接着
剤を塗布することができる。
【0040】このように光導波路チップ2を溝付き部品
トレイ6に載せて装置に供給し、その溝付き部品トレイ
6に載せたままフィルタ片1を挿入し、接着剤を塗布す
ることによって、より一層生産能率を高めることができ
る。
【0041】これら全工程は制御部19によって制御さ
れる。こうしてフィルタ片挿入、接着剤塗布が終了した
全ての光導波路チップ2を溝付き部品トレイ6ごと装置
から取出し、たとえば紫外線照射装置などのような接着
剤硬化装置にいれて一括硬化させれば能率がよい。
【0042】なお、この実施の形態では光導波路チップ
2を溝付き部品トレイ6に載せて装置に供給し、その溝
付き部品トレイ6に載せたままフィルタ片1を挿入する
ことによって、より一層生産性を高めたが、溝付き部品
トレイ6を用いず、光導波路チップを個別に組み立ての
面に置き、ひとつひとつ挿入、塗布を行なうこともでき
ることは言うまでもない。
【0043】図4は前述の第一の技術課題を解決する第
二の実施の形態で、前述した本発明の第一の実施の形態
において組立ロボット8のヘッド装着部13aに装着さ
れた薄片保持用ヘッド7のより詳細な構造を示す実施の
形態である。
【0044】図5はその動作を説明する図である。70
は薄片保持用ヘッドの筐体、71はフィルタ片1を吸着
するための吸着部で、71bはその吸着面、72a,7
2bはフィルタ片1を挟んで保持するための嘴状のエッ
ジである。
【0045】73a,73bはそのエッジ72a,72
bを取り付けるアーム、74a,74bはそのアーム7
3a,73bを回転させる支点、75はアーム73aと
アーム73bを引き付けエッジ72a,72bを閉じる
ためのバネ、76はアーム73aとアーム73bの上端
を押してエッジ72a,72bを開くためのプランジ
ャ、76bはプランジャ76の先端、77はプランジャ
76の駆動部で、たとえばソレノイドあるいはシリンダ
・ピストン構造からなっている。
【0046】この動作を図5を用いて説明する。まず、
図5の(a)に示すように、回転機構78によって吸着
部71を回転し吸着面71aを下に向け、組立ロボット
によって筐体70をフィルタトレイ5の升目5aの上部
へ移動する。
【0047】升目5a内でのフィルタ片1の位置・角度
および表裏は必ずしも揃っておらず、ランダムである場
合が普通である。そこで、測定ヘッド14および画像処
理回路17からなる計測部で升目5aの中にあるフィル
タ片1の位置と角度を測定し、その測定データにもとづ
き吸着面71bの位置をフィルタ片1の片側(この例の
場合は右側)に寄せ、かつフィルタ片1と吸着面71b
のなす水平角度が平行または一定の角度になるように合
わせる。
【0048】そして、吸着面71bがフィルタ片1に接
するまで静かに筐体70を降下させる。このとき、吸着
面71bがフィルタ片1に接するよりも前にエッジ72
a,72bの先端がフィルタトレイ5の縁などに当たっ
て筐体70の降下を妨げることのないように、吸着面7
1bの位置がエッジ72a,72bの先端よりも十分下
にあるように設計されている。
【0049】さらに、真空配管79を動作させてフィル
タ片1を吸着し、筐体70を上昇させると、フィルタ片
1はその片側(この例では右側)が吸着され、持ち上げ
られる。
【0050】次に、図5の(b)に示すように、駆動部
77を動作させプランジャ76を押し下げ、その先端7
6bでアーム73aとアーム73bの上端を押し、エッ
ジ72a,72bを開く。
【0051】その後、回転機構78を用いて吸着部71
を回転し、あらかじめ開いてあったエッジ72a,72
bの間にフィルタ片1が来るようにする。次に、図5
(c)に示すように、駆動部77をオフしバネ75でア
ーム73aとアーム73bを引き寄せ、エッジ72a,
72bを閉じてフィルタ片1を挟み込み保持する。
【0052】このときフィルタ片1は吸着されていない
もう一方の側が下に突き出した状態で保持される。この
状態で測定ヘッドによってフィルタ片1の側面ないしは
表面を観察し、フィルタ片1の表裏を判別する。
【0053】フィルタ片1の表裏が反対であればこの状
態で筐体70を180度回転する。エッジ72aとエッ
ジ72bの閉じた先端の位置を筐体70の回転軸にほぼ
一致させてあるから回転によってフィルタ片1の位置は
変わらないので、以下の操作に都合がよい。
【0054】さらに、図5の(d)に示すように、回転
機構78によって吸着部71を回転し、フィルタ片1の
挿入の邪魔にならない位置に退避させる。この状態で組
立ロボットのハンドを操作して薄片保持用ヘッドの筐体
70を光導波路チップ2のフィルタ溝4の上部に移動さ
せ筐体70を降下させれば、フィルタ片1をフィルタ溝
4に挿入することができる。
【0055】なお、ここではエッジ72a,72bとア
ーム73a,73bを別の部品として説明したが、アー
ム73a,73bの下側の先端を薄く加工し、エッジ7
2aとアーム73a、エッジ72bとアーム73bを一
体の構造にできることは言うまでもない。
【0056】このように吸着部とこれを回転させる回転
機構、フィルタ片をエッジで挟んで保持する保持部を備
えた薄片保持用ヘッドを用いることにより、組立ロボッ
トなどの自動搬送機でフィルタトレイからフィルタ片を
簡単確実に取り上げ、表裏の向きに合わせて反転でき、
補強ガラスや封止カバーのような障害物が光導波路チッ
プ上にある場合でも、フィルタ溝に容易にフィルタを挿
入することができる。
【0057】しかも、それを薄片保持用ヘッドを上下さ
せる一工程の間に行なうことができるので、きわめて能
率的である。図6は前述の第二の技術課題を解決する本
発明の第三の実施の形態で、前述した本発明の第一の実
施の形態において、組立ロボット(すなわち自動搬送機
構)8を操作しフィルタ片(すなわち薄片)1を寸法差
の小さな溝部4に挿入する制御の実施例である。
【0058】その動作を説明すると、まず始めに、測定
ヘッド14と画像処理回路17とから成る計測部でフィ
ルタ片1を挿入すべき溝部4の位置と角度を計測し、そ
の値にもとづき組立ロボット8を制御して薄片保持用ヘ
ッド7のエッジ72a,72bに保持したフィルタ片1
の先端を溝部4の近くに平行に合わせる。
【0059】このときフィルタ片の先端は溝部4と正確
に一致する必要はなく、たとえば200ミクロン以内の
近くにあればよい。次に、図6の(a)に示すように薄
片保持用ヘッド7を下げてフィルタ片1の先端を光導波
路チップ(すなわち溝付き部品)2に突き当ててさらに
押し下げ、フィルタ片1をわずかに撓ませる。
【0060】フィルタ片1は表面の誘電体多層膜は脆い
が基板は樹脂製なのでわずかであるが柔軟性があるの
で、たとえばフィルタ片1の大きさが1mm×1mm×
15μmの場合は200μm程度は十分に押し下げるこ
とができる。
【0061】次に、図6の(b),(c)に示すよう
に、溝部4を跨ぐ方向にわずかに薄片保持用ヘッド7を
相対移動させることによってフィルタ片1の先端をこす
らせながら溝部4を左右に往復相対移動させる。
【0062】すると、フィルタ片1の先端が溝部4の入
り口に入り、しかもいったん入るとフィルタ片1の柔軟
性によってそのまま絡んで往復移動の間も外れない。次
に、図6の(d)に示すように薄片保持用ヘッド7を押
し下げフィルタ片1を溝部4の奥まで挿入する。
【0063】このときエッジ72a,72bがフィルタ
片1を挟んだ位置と溝部4の位置は厳密に一致しなくて
もフィルタ片1の柔軟性で容易に挿入することができ
る。この実施の形態において、フィルタ片1の先端を溝
部4の入り口に確実に絡ませるうえで、フィルタ片1の
押し下げ量および往復移動量は重要なパラメータであ
る。
【0064】たとえばフィルタ1の大きさが1mm×1
mm×15μmの場合は押し下げ量は100μm前後、
往復移動量は200μm前後が適当である。フィルタ片
1の先端を溝部4の入り口により確実に絡ませるために
は、複数回往復移動させることも有効であることも言う
までもない。
【0065】このように本実施例ではフィルタ片1の柔
軟性を利用しているので、挿入工程でフィルタ片1と溝
部4の相対位置を高精度で合わせる必要がなく、簡単確
実に挿入することができる。
【0066】なお、フィルタ片1と溝部4のはめ合わせ
誤差がたとえば20μm程度の大きさの場合は、組立ロ
ボット8で保持されたフィルタ片1と、そのフィルタ片
1を挿入すべき溝部4の位置、角度をたとえば光学的に
計測し、組立ロボット8を制御してフィルタ片1と溝部
4の位置をはめ合わせ誤差の範囲に合わせ、直接挿入す
る方法も有効な方法であることは言うまでもない。
【0067】この場合は上述したフィルタ片1の柔軟性
を利用した挿入方法に変わって直接挿入する方法をとる
ことができる。図7は本発明の第四の実施の形態であっ
て、前述した第一の実施の形態(図3)を基本構成と
し、量産性をより向上させるための機能を付加した実施
の形態である。
【0068】5bはフィルタ片を組立ロボット8で取り
上げ保持する位置にあるフィルタトレイを示し、5cは
その前で待機しているフィルタトレイ、5dは空になっ
たフィルタトレイを示している。
【0069】6bは挿入位置にある光導波路チップをの
せた溝付き部品トレイ、6cはその前で待機している溝
付き部品トレイ、6dは上に載せた光導波路チップへの
フィルタ片の挿入と接着剤塗布が全て完了した溝付き部
品トレイである。
【0070】22a,22b,22cはフィルタ片など
の薄片の入ったフィルタトレイを搬送する薄片フィーダ
を構成する各構成部分で、22aはコンベア、22bは
ストッカ、22cは空になったフィルタトレイを収納す
る収納部、23a,23b,23cは溝付き部品フィー
ダを構成する各構成部分で、23aはコンベア、23b
はストッカ、23cは収納部である。
【0071】24はフィルタトレイ5がフィルタ片取り
上げ位置にきたことを確認するセンサ、25は溝付き部
品トレイ6が挿入位置にきたことを確認するセンサ、2
6は溝付き部品トレイ6d上の光導波路チップの接着剤
を一括して硬化させるための硬化部で、たとえば接着剤
が最も一般的に用いられている紫外線硬化形のものであ
れば硬化部は紫外線照射装置である。
【0072】この動作を説明すると、まずオペレータは
フィルタ片1を薄片トレイ5に納め、その薄片トレイ5
を必要枚数だけ薄片フィーダのストッカ22bに収納す
る。また、同様に光導波路チップ2を溝付き部品トレイ
6に載せ、その溝付き部品トレイ6を必要枚数だけ溝付
き部品フィーダのストッカ23bに収納する。
【0073】次に、薄片フィーダのコンベア22aを駆
動しストッカ22bからフィルタトレイ5を搬送し、セ
ンサ24で取出し位置にきたらコンベア22aを停止さ
せる。
【0074】同様に溝付き部品フィーダのコンベア23
aを駆動しストッカ23bから溝付き部品トレイ6を搬
送し、センサ25で挿入位置にきたらコンベア23aを
停止させる。
【0075】これ以後、組立ロボット8でフィルタ片1
を取り上げ、光導波路チップに挿入し、その部分に接着
剤を塗布するという工程は図3で説明した第一の実施の
形態と同様である。
【0076】その工程の後、溝付部品トレイ6bの上の
全ての光導波路チップに対してフィルタ片挿入および接
着剤塗布が終わったならば、溝付き部品フィーダのコン
ベア23aを駆動し待機していた溝付き部品トレイ6c
を挿入位置に搬送する。
【0077】すると、このとき全ての光導波路チップに
対してフィルタ片挿入および接着剤塗布が終わった溝付
き部品トレイ6bは、硬化位置6dに来る。これに対し
て硬化部26を操作し一括して接着剤を硬化させる。
【0078】この硬化工程の間に、平行して組立ロボッ
ト8を用いてフィルタ片1の挿入をなすことができるの
で、効率がよい。このように薄片フィーダ、溝付き部品
フィーダを設け、フィルタ片と光導波路チップを自動的
に供給し、フィルタ片挿入および接着剤塗布が終わった
溝付き部品トレイに対して一括して硬化させるようにし
たので、大量生産が能率的に行えるようにすることがで
きる。
【0079】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では第
一に、フィルタ片のような小さく薄く壊れやすい薄片を
組立ロボットのような自動搬送機械によってトレイから
取り上げ保持するために、フィルタ片すなわち薄片を吸
着によって取り上げ、挟み込んで保持する機能をコンパ
クトに一体化し、フィルタ片を取りにゆく動作の一工程
の間に保持を完了する薄片保持用ヘッドを用い、第二
に、フィルタ片1の柔軟性を利用し、挿入工程でフィル
タ片と溝部の相対位置を高精度で合わせる必要がなく、
通常の組立ロボットと計測部で簡単確実に挿入すること
ができるような制御を採用し、第三に、薄片フィーダ、
溝付き部品フィーダを設け、フィルタ片と光導波路チッ
プを自動的に供給し、またフィルタ片の挿入および接着
剤の塗布が終わった溝付き部品に対して一括して硬化さ
せるようにしている。
【0080】これらの基軸技術を用いることにより、組
立ロボットに代表される自動搬送機構を用いて、人手を
介さず全自動でフィルタ片を挿入することが可能にな
る。その結果、生産能率は著しく上がり、大量生産が能
率的に行なうことができ、コストを大幅に引き下げるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光分岐結合器の構造を示す。
【図2】図1において、組立の際にフィルタ片が供給さ
れる状態を示す。
【図3】本発明の第一の実施の形態を示す斜視図。
【図4】第一の技術課題を解決する第二の実施の形態を
示す図。
【図5】図4の動作を説明するための図。
【図6】第二の技術課題を解決する第三の実施の形態を
示す図。
【図7】本発明の第四の実施の形態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…フィルタ片、 2…溝付き部品(光導波路チップ)、 5…フィルタトレイ、 6…部品トレイ、 7…薄片保持用ヘッド、 8…自動搬送機構、 10…接着剤塗布ヘッド、 11…ニードル、 14…測定ヘッド、 15…固定部品、 16…制御部、 17…画像処理回路、 18…駆動部、 19…装置制御部、 20…装置ベース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 工藤 一樹 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄片を溝付き部品の溝部に挿入する装置
    であって、 前記薄片を供給する薄片供給部と、 前記薄片を前記溝部に挿入する際に前記溝付き部品を置
    く面と、前記薄片を前記薄片供給部から取り上げ前記薄
    片の一部を突き出して保持する薄片保持用ヘッドと、 前記薄片保持用ヘッドを装着するヘッド装着部を有し、
    かつ前記薄片保持用ヘッドと前記薄片および前記溝付き
    部品との相対位置を水平・垂直方向に平行移動させるこ
    とができ、かつ少なくとも一軸方向に前記薄片保持用ヘ
    ッドを回転させることができる自動搬送機構と、 前記薄片供給部上での前記薄片の位置と角度および前記
    溝部の位置と角度を認識し計測する計測部と、 前記計測部の計測結果に基づき前記自動搬送機構を駆動
    して前記薄片保持用ヘッドの相対位置を制御し、かつ前
    記薄片を前記溝部に挿入する全工程を制御する装置制御
    部とからなることを特徴とする自動薄片挿入装置。
  2. 【請求項2】 薄片を溝付き部品の溝部に挿入する装置
    であって、 前記薄片を供給する薄片供給部と、 前記薄片を前記溝部に挿入する際に前記溝付き部品を置
    く面と、 前記薄片を前記薄片供給部から取り上げ前記薄片の一部
    を突き出して保持する薄片保持用ヘッドと、 前記溝部に挿入された前記薄片を接着し固定するための
    接着剤を塗布する接着剤塗布ヘッドと、 前記薄片保持用ヘッドおよび接着剤塗布ヘッドを同時に
    または交換して装着するヘッド装着部を有し、かつ前記
    薄片保持用ヘッドと前記薄片および前記溝付き部品との
    相対位置を水平・垂直方向に平行移動させることがで
    き、かつ少なくとも一軸方向に前記薄片保持用ヘッドを
    回転させることができる自動搬送機構と、 前記薄片供給部上での前記薄片の位置と角度および前記
    溝部の位置と角度を認識し計測する計測部と、 前記計測部の計測結果に基づき前記自動搬送機構を駆動
    して前記薄片保持用ヘッドの相対位置を制御し、かつ前
    記薄片を前記溝部に挿入し前記接着剤を前記溝部に塗布
    する全工程を制御する装置制御部とからなることを特徴
    とする自動薄片挿入装置。
  3. 【請求項3】 請求項1および2に記載の自動薄片挿入
    装置において、前記薄片および前記溝付き部品をそれぞ
    れ自動的に供給する薄片フィーダ、溝付き部品フィーダ
    を設けたことを特徴とする自動薄片挿入装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の自動薄片挿入装置にお
    いて、前記薄片の挿入と前記接着剤の塗布が完了したひ
    とつまたは複数の前記溝付き部品に対して接着剤を硬化
    させる硬化部を付加したことを特徴とする自動薄片挿入
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4に記載の自動薄片挿入装
    置を用いて前記薄片を前記溝部に挿入する際に、 前記計測部で計測した前記溝部の位置と角度の値にもと
    づき前記自動搬送機構を制御して前記薄片保持用ヘッド
    に保持した前記薄片を前記溝部の近傍にほぼ平行に位置
    合わせし、 前記薄片保持用ヘッドを下げて前記薄片の先端を前記溝
    付き部品につき当てて前記薄片をわずかに撓ませ、 前記溝部を跨ぐ方向に前記薄片保持ヘッドをわずかに相
    対移動させることによって前記薄片の先端を前記溝部の
    入り口に絡ませ、 しかる後に前記薄片保持用ヘッドを押し下げ、前記薄片
    を前記溝部に挿入することを特徴とする自動薄片挿入方
    法。
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