JPH091309A - 液状離型剤の塗布方法及び鋳造方法 - Google Patents

液状離型剤の塗布方法及び鋳造方法

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JPH091309A
JPH091309A JP14748795A JP14748795A JPH091309A JP H091309 A JPH091309 A JP H091309A JP 14748795 A JP14748795 A JP 14748795A JP 14748795 A JP14748795 A JP 14748795A JP H091309 A JPH091309 A JP H091309A
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JP
Japan
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cavity
mold
release agent
liquid
pressing
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JP14748795A
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English (en)
Inventor
Mikinari Nozaki
美紀也 野崎
Mitsuhiro Karaki
満尋 唐木
Masato Hakoiwa
正人 箱岩
Toshiaki Midorikawa
俊明 緑川
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Toyota Motor Corp
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Powdered Metals Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Devices For Molds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金型5のキャビティ型面52が突部の裏面、
溝、孔等を備える場合であっても、これらの箇所にも液
状離型剤を回り込ませ得、離型剤の未塗布箇所を防止す
るのに良好な液状離型剤の塗布方法を提供する。 【構成】液状離型剤3は、シリコーン、エステル、アル
ファーオレフィンからなる油性のものであり、水で希釈
されておらず、粘度が5〜20cp(25℃)である。
金型5を型締めした状態で弁81を開放して液状離型剤
3をキャビティ54内に注入して充満させる。液状離型
剤3が充満した後、油圧回路70の駆動によりプランジ
ャーチップ61の先端をc位置に後退して、重力の作用
でキャビティ54内の液状離型剤3を離型剤排出口67
から外部に排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液状離型剤の塗布方法及
び鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に金型のキャビティ型面には離型
剤が塗布される。離型剤は製品の型離れ性等に貢献でき
る。特開昭62−127150号公報には、ダイカスト
鋳造金型を型締めした状態で、金型の開口からミスト状
離型剤をキャビティ内に吹きつけて充満することにより
離型剤をキャビティ型面に塗布し、更にキャビティ内の
余剰のミスト状離型剤を金型の排出口から吸引排出させ
る離型剤塗布技術が開示されている。
【0003】上記した技術によれば、金型を型締めした
状態で離型剤を吹きつけるので、離型剤の飛散や舞い上
がりの防止に貢献でき、作業環境の良好化を図り得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらノズルか
ら噴出されたミスト状粒子がキャビティ型面のうちの突
部に衝突すると、衝突面で離型剤はべトベト状に付着し
がちとなる。更にノズルから噴出されたミスト状粒子は
突部に衝突すると、突部のうちの衝突面の裏面には回り
込みにくく、そのため離型剤は衝突面の裏面には塗布さ
れにくい。更にキャビティ型面に深溝、細溝、細孔等が
形成されている場合には、これらの箇所にミスト状粒子
が回りにくく、これらの箇所が未塗布となるおそれがあ
る。深溝、細溝、細孔等にも確実に塗布するためミスト
状離型剤の噴出時間を長くすると、ミスト状離型剤はノ
ズルに直接対面する型面ではべトベト状に付着しがちと
なる。
【0005】そのため、上記装置では離型剤塗布のばら
つきが発生し易い不具合がある。更に粉体状離型剤を塗
布する方式として静電気を利用して静電塗布する方式が
考えられるものの、この場合には、金型の温度が常温以
上のときには均一塗布は困難となる。更に静電塗布とい
えども、キャビティ型面のうち突部の裏面や凹部内には
離型剤は回りにくく、離型剤を均一に塗布するのは必ず
しも容易ではない。
【0006】本発明は上記した実情に鑑みなされたもの
であり、請求項1の課題は、液状離型剤を型締め状態の
金型のキャビティに注入することにより、キャビティ型
面が突部の裏面、深溝、細溝、細孔等を備える場合であ
っても、これらの箇所にも液状離型剤を回り込ませ得、
これにより離型剤の未塗布箇所を防止するのに良好な液
状離型剤の塗布方法を提供するにある。
【0007】請求項2の課題は、請求項1の課題に加え
て、型締め状態の金型のキャビティ内の圧力を検出し、
検出圧が所定値を越えると押圧ピストンの速度を低速化
することにより、液状離型剤の注入の際に、金型の割り
面間の隙間に液状離型剤が漏れることを軽減、回避する
のに有利な液状離型剤の塗布方法を提供するにある。請
求項3の課題は、請求項1の課題に加えて、溶湯を押圧
する押圧ピストンを利用して液状離型剤をキャビティに
注入する方式を採用し、液状離型剤の注入の際に押圧ピ
ストンの速度を溶湯押圧時よりも低速化することによ
り、型締め状態の金型の割り面間の隙間に液状離型剤が
漏れることを軽減、回避するのに有利な鋳造方法を提供
するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る液状離型
剤の塗布方法は、液状離型剤と、キャビティ及びキャビ
ティに連通する注入口とをもつ型締め可能な金型とを用
い、金型を型締めした状態で、金型の注入口から液状離
型剤をキャビティに注入してキャビティを充満すると共
に、注入した後の余剰の液状離型剤を金型のキャビティ
から排出することにより、離型剤をキャビティ型面に塗
布することを特徴とするものである。
【0009】液状離型剤は、粘度5〜300cp(25
℃)殊に粘度5〜50cp(25℃)で、水で希釈しな
い油性のものを採用することが好ましい。請求項2に係
る液状離型剤の塗布方法は、液状離型剤と、キャビティ
をもつ型締め可能な金型と、キャビティに対面する押圧
ピストンと、キャビティ内の圧力を直接または間接的に
検出する圧力検出手段と、圧力検出手段の検出に応じて
押圧ピストンの速度を可変に制御する速度可変制御手段
とを用い、金型を型締めした状態で、キャビティ内のま
たはキャビティ内に注入する液状離型剤を押圧ピストン
で押圧し、その後にキャビティ内の余剰の液状離型剤を
キャビティから排出することにより、離型剤をキャビテ
ィ型面に塗布する方法であって、押圧の際に、圧力検出
手段でキャビティ内の圧力を検出し、キャビティ内の圧
力が所定値未満となる様に押圧ピストンの速度を制御す
ることを特徴とするものである。
【0010】請求項3に係る鋳造方法は、液状離型剤
と、キャビティをもつ型締め可能な金型と、キャビティ
内のまたはキャビティ内に送給する溶湯を溶湯押圧速度
域で押圧する押圧ピストンと、押圧ピストンを溶湯押圧
速度域及びその速度よりも低速の低速押圧速度域で作動
させ得る速度可変制御手段とを用い、金型を型締めした
状態で、キャビティ内のまたはキャビティ内に送給すべ
く液状離型剤を低速押圧速度域で押圧ピストンにより押
圧すると共に、その後にキャビティ内の余剰の液状離型
剤をキャビティから排出することにより、液状離型剤を
キャビティ型面に塗布する離型剤塗布工程と、キャビテ
ィ内のまたはキャビティ内に送給すべく溶湯を溶湯押圧
速度域で押圧ピストンにより押圧する鋳造工程とを順に
実施することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】請求項1によれば、型締めされた状態の金型の
キャビティに液状離型剤を注入するので、ミスト状離型
剤を吹きつける場合よりも、金型のキャビティのうち突
部の裏面、深溝、細溝、細孔等の凹部にも液状離型剤が
回り込む。そのため金型のキャビティのうち突部の裏
面、深溝、細溝、細孔等の凹部にも離型剤が塗布され
る。
【0012】殊に粘度5〜300cp(25℃)特に粘
度5〜50cp(25℃)で、かつ水で希釈しないシリ
コーン系、エステル、アルファ−オレフィン系の油性の
液状離型剤を採用すれば、突部の裏面、深溝、細溝、細
孔等の凹部に回り込み易いばかりか、水残留に起因する
ガス欠陥が軽減、回避される。更に液状離型剤は流動性
をもつので、特に上記した粘度の液状離型剤は流動性を
もつので、エアブロー処理する場合であっても短時間で
済む。
【0013】更に液状離型剤が金型のキャビティ型面に
触れると、キャビティ型面は冷却され、金型の過熱は軽
減、回避される。請求項2によれば、液状離型剤を押圧
する際に、圧力検出手段でキャビティ内の圧力を検出
し、キャビティ内の圧力が所定値未満となる様に押圧ピ
ストンの速度を制御する。そのためキャビティ内の圧力
が過剰になることは抑制される。よってキャビティ内の
過圧に起因する金型の見切り面間の隙間への液状離型剤
の漏れは、軽減、回避される。
【0014】請求項3によれば、金型を型締めした状態
で、溶湯押圧速度域よりも低速の低速押圧速度域で押圧
ピストンにより液状離型剤を押圧するので、キャビティ
内の過圧に起因する金型の見切り面間の隙間への液状離
型剤の漏れは、軽減、回避される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (実施例1)実施例1を図1に示す。この例では容器8
0に液状離型剤3が収容されている。液状離型剤3は、
シリコーン、エステル、アルファーオレフィンからなる
油性のものであり、水で希釈されておらず、粘度が5〜
20cp(25℃)である。なおこの粘度は水に近い
か、水よりもやや粘度がある程度の粘性である。
【0016】次に金型5について説明する。金型5は開
閉可能な固定型50と可動型51とからなる。固定型5
0及び可動型51の見切り面をMで示す。固定型50の
キャビティ型面52と可動型51のキャビティ型面52
とでキャビティ54が形成されている。キャビティ54
は、製品形状に対応するキャビティ部分54aと、キャ
ビティ部分54aに連通する堰54bと、堰54bに連
通する貯溜室54cとを備えている。
【0017】金型5の上部には、ガス抜き口56が形成
されている。ガス抜き口56は、キャビティ54に連通
するガスベントとして機能するばかりか、液状離型剤3
を注入する注入口としても機能する。ガス抜き口56に
連通する装入口59を備えた筒体59rが装備されてい
る。装入口59は弁81を介して容器80に連通してい
る。弁81が開放作動すると、容器80内に収容されて
いる液状離型剤3は装入口59に装入される。
【0018】固定型50の下部には溶湯供給装置6が装
備されている。溶湯供給装置6について説明する。固定
型50の下部には通路60を備えた筒体60xが配置さ
れている。通路60には、押圧ピストンとして機能する
プランジャー62が矢印A1、A2方向に前進後退可能
に配置されている。プランジャー62は油圧回路70か
らの油圧に応じて前進後退される。油圧回路70は制御
回路72により制御される。即ち油圧回路70及び制御
回路72により、プランジャー62の速度を可変とする
速度可変制御手段が構成される。
【0019】プランジャー62は、耐熱性をもつプラン
ジャーチップ61をもつ。通路60に連通する溶湯供給
口65及び離型剤排出口67が形成されている。溶湯供
給口65は上方に開口している。離型剤排出口67は、
重力を利用して液状離型剤3を排出するため下方に開口
している。使用に際しては、先ず、固定型50と可動型
51とを型締めすると共に、プランジャーチップ61の
先端を、図1に示すa位置まで前進させておき、キャビ
ティ54が溶湯供給口65や離型剤排出口67に連通し
ない様にする。
【0020】この状態で、弁81を開放作動させて液状
離型剤3を装入口59からガス抜き口56を経てキャビ
ティ54内に注入して充満する。この場合には重力を利
用して注入するので、液状離型剤3の注入は容易であ
り、短時間で済む。上記の様に充満すれば、キャビティ
型面52が突部の裏面、溝等の凹部を備える場合であっ
ても、液状離型剤3は、キャビティ型面52のうち突部
の裏面や凹部の奥方にも細部まで回り込むことができ
る。しかも短時間のうちに回り込むことができる。
【0021】更に液状離型剤3の冷却作用により金型5
の冷却も期待でき、金型5の過熱を防止するのに有利で
ある。上記の様にキャビティ54に液状離型剤3を充満
した後に、プランジャーチップ61の先端をc位置に後
退して、キャビティ54と離型剤排出口67とを連通さ
せる。これにより重力等の作用でキャビティ54内の液
状離型剤3は離型剤排出口67から落下して外部に排出
される。
【0022】次にガス抜き口56から圧縮エアをキャビ
ティ54内に送給して、キャビティ54内に残留してい
る余剰の液状離型剤3を払う。その後、再びプランジャ
ーチップ61の先端をb位置に移動して、キャビティ5
4と溶湯供給口65とを連通させる。この状態ではプラ
ンジャーチップ61による遮断により、キャビティ54
と離型剤排出口67とは非連通となる。従って溶湯供給
口65からキャビティ54に供給される溶湯が離型剤排
出口67から漏れることは、抑止される。この状態で、
液状離型剤塗布工程を終了するので鋳造工程に移行でき
る。鋳造工程では、溶湯供給口65から供給した溶湯を
貯溜室54cに貯溜した状態で、プランジャーチップ6
1を矢印A1方向に前進させ、これにより溶湯をキャビ
ティ54内に供給する。溶湯としてはアルミ系等の軽合
金、鉄系等を採用できる。
【0023】なお本実施例によれば、離型剤排出口67
から外部に排出された液状離型剤3は、容器80に戻さ
れ、再使用に供される。以上説明した様に本実施例によ
れば、金型5を型締めした状態で粘度が低い液状離型剤
3をキャビティ54内に注入するので、キャビティ型面
52のうち突部の裏面や凹部に液状離型剤3が確実に回
り込むことができる。故に、キャビティ型面52のうち
突部の裏面や凹部にも液状離型剤3を塗布することがで
きる。
【0024】更に本実施例では液状離型剤3をキャビテ
ィ54内に上注ぎ方式で注入する方式であり、液状離型
剤3には重力が作用するものの積極的に加圧していない
ので、金型5の見切り面の間の隙間に液状離型剤3が侵
入することは軽減、回避される。故に金型5の見切り面
における離型剤層の過剰堆積を防止でき、金型5の型締
め精度が確保され、製品の寸法精度確保に有利であり、
見切り面におけるバリの軽減、回避に有利である。
【0025】更にミスト状離型剤をノズルから直接吹き
つける方式ではなく、液状離型剤3をキャビティ54内
に注入する方式が採用されているので、液状離型剤3の
舞い上がりや飛散を軽減、回避するのに有利である。殊
に油性の液状離型剤3の舞い上がりや飛散が発生する
と、作業環境の悪化ばかりか、引火、発煙等のおそれが
あるが、本実施例ではかかる不具合を防止できる。よっ
て飛散した液状離型剤3を集塵するための集塵装置を簡
略化または廃止できる。
【0026】(実施例2)実施例2について図2を参照
して説明する。実施例1と基本的には同様の構成であ
る。以下異なる部分を中心として説明する。この例で
は、液状離型剤3をキャビティ54内に下注ぎする方式
が採用されている。
【0027】図2に示す様に液状離型剤3を収容する容
器80、弁81は溶湯供給口65側に配置されている。
そして使用に際しては、先ず、固定型50と可動型51
とを型締めすると共に、油圧回路70の作動によりプラ
ンジャーチップ61の先端を図2のb位置まで前進させ
ておく。この状態で、制御回路72が弁81を開放作動
させる。すると重力により容器80内の液状離型剤3は
溶湯供給口65から貯溜室54c内に貯溜される。この
とき液面はS1程度である。
【0028】次に制御回路72が油圧回路70を低圧作
動状態とし、プランジャー62を低速押圧速度域Vαの
速度で矢印A1方向に前進させ、液状離型剤3をキャビ
ティ54内に注入し、これによりキャビティ54内に液
状離型剤3を充満する。この結果、粘度が低い液状離型
剤3は、キャビティ型面52のうち突部の裏面や凹部の
奥方にも細部まで回り込むことができる。注入の際に必
要ならばプランジャー62を適宜往復移動させることも
好ましい。
【0029】液状離型剤3を充満した後、油圧回路70
の駆動によりプランジャーチップ61の先端をc位置に
後退して、キャビティ54と離型剤排出口67とを連通
させる。これにより重力等の作用でキャビティ54内の
液状離型剤3は離型剤排出口67から落下して外部に排
出される。次にエアブロー処理すべく、ガス抜き口56
から圧縮エアをキャビティ54内に送給して、キャビテ
ィ54内に残留している余剰の液状離型剤3を払う。液
状離型剤3は粘度が低くく流動性に富むので、エアブロ
ー処理も短時間で済む。
【0030】その後、再びプランジャーチップ61の先
端をb位置に移動して、キャビティ54と溶湯供給口6
5とを連通させる。この状態で、離型剤塗布工程を終了
して鋳造工程に移行できる。鋳造工程では、溶湯供給口
65から溶湯を貯溜室54cに送給する。この状態で、
油圧回路70の駆動により、プランジャー62を溶湯押
圧速度域Vβの速度で矢印A1方向に前進させ、これに
より溶湯をキャビティ54内に高速で充填する。なお溶
湯の冷却を抑えるため等の理由で、溶湯押圧速度域Vβ
は、液状離型剤3を注入する際の低速押圧速度域Vαよ
りも速いものである(Vβ>Vα)。例えば相対評価で
はVβを速度を1としたときには、Vαを0.05〜
0.8にできる。
【0031】キャビティ54内の溶湯が凝固したら、金
型5を型開きし、鋳造品をキャビティ型面52から離型
して取り出す。以上の説明から理解できる様に実施例2
においても前記した実施例1と基本的に同様な効果が得
られる。即ち、金型5を型締めした状態で粘度が低い液
状離型剤3をキャビティ54内に注入するので、キャビ
ティ型面52のうち突部の裏面や凹部に液状離型剤3が
充分回り込むことができる。故に、キャビティ型面52
のうち突部の裏面や凹部にも液状離型剤3を塗布するこ
とができる。
【0032】更に液状離型剤3は油性であり、水で希釈
されていないので、水残留に起因する鋳造欠陥の解消に
有利であり、不良率の低減に貢献できる。更に前述した
様に離型剤塗布工程と鋳造工程とを兼務するプランジャ
ー62の前進速度を離型剤塗布工程と鋳造工程とで切り
換えている。つまり、プランジャー62が溶湯を押圧す
る溶湯押圧速度域Vβと、プランジャー62が液状離型
剤3を押圧する低速押圧速度域Vαとを比較すると、V
αはVβよりも遅いものである(Vβ>Vα)。換言す
れば、溶湯注入のため高速作動するプランジャー62を
液状離型剤3の注入に兼用しつつも、液状離型剤3の注
入の際にプランジャー62の移動速度を遅らせる方式が
採用されている。
【0033】故に、粘度が低い液状離型剤3を用いてい
るものの、型締めされた状態の金型5の見切り面間の隙
間には液状離型剤3が侵入することを防止するのに有利
である。よって前記した実施例同様に金型5の見切り面
において液状離型剤3による離型剤層の過剰堆積を効果
的に防止できる。従って金型5の型締め精度が確保さ
れ、鋳造品である製品の寸法精度の確保に有利であり、
更に見切り面におけるバリの軽減、回避に有利である。
【0034】堰54bは狭い通路であるものの、高温の
多量の溶湯が通過するため過熱されがちである。この点
本実施例によれば、液状離型剤3をキャビティ54内に
下注ぎする方式が採用されているので、液状離型剤3は
キャビティ部分54aよりも前に堰54bを通過する。
そのため低温の多量の液状離型剤3が堰54bに触れる
ことになり、堰54bの過熱防止に有利であり、金型5
の耐久性向上に有利である。
【0035】(実施例3)前記した実施例で用いた図2
を参照して実施例3について説明する。この例は実施例
2と基本的には同様の構成である。以下異なる部分を中
心として説明する。この例では装入口59を備えた筒体
59rには圧力検出手段としての圧力センサ95が保持
されている。圧力センサ95の信号は信号線95xを介
して制御回路72に入力される。筒体59rは駆動シリ
ンダ装置90のシリンダロッド91に接続されており、
金型5が型締めされた状態で、駆動シリンダ装置90が
駆動してシリンダロッド91が矢印Y1方向に前進し、
筒体59rの下部の弾性体層59tが金型5に着座し、
装入口59とガス抜き口56とが連通する。弾性体層5
9tによる弾性作用により、金型5と筒体59rとの間
のシール性は確保される。
【0036】次に前記した実施例同様に油圧回路70の
駆動により、プランジャーチップ61の先端を図2のb
位置まで前進させておく。この状態で、制御回路72が
弁81を開放作動させ、容器80内の液状離型剤3を溶
湯供給口65から貯溜室54c内に注入する。このとき
液面はS1程度である。次に制御回路72の制御により
油圧回路70を作動させ、プランジャー62を矢印A1
方向に前進させ、液状離型剤3をキャビティ54内に注
入し、キャビティ54内に液状離型剤3を充満する。こ
れにより前述同様に液状離型剤3は、キャビティ型面5
2のうち突部の裏面や凹部の奥方にも細部まで回り込む
ことができる。
【0037】この例では、プランジャー62で液状離型
剤3を押圧して液状離型剤3をキャビティ54内に注入
する際に、圧力センサ95でキャビティ54内の圧力を
間接的に検出する。圧力センサ95の検出結果に応じて
プランジャー62の速度を制御し、キャビティ54内の
圧力が所定値未満となる様にする。即ち圧力センサ95
の検出圧が大気圧よりもかなり過剰であるときには、金
型5の見切り面から液状離型剤3が漏れるおそれがある
ため、制御回路72が油圧回路70を制御してプランジ
ャー62の速度を低速にする。
【0038】図3は制御回路72が実行する離型剤注入
処理のフローチャートを示す。ステップS100ではプ
ランジャー62をb位置に待機させる。ステップS10
2では弁81を開放作動し、容器80内の液状離型剤3
を貯溜室54cに貯溜する。ステップS104で1ルー
チンの時間を規定するタイマAをスタートさせる。ステ
ップS106で圧力センサ95によるセンシングを行
い、キャビティ54内の圧力Paを検出する。ステップ
S107でキャビティ54内の圧力Paがしきい値P1
未満のときには圧力Paは過剰ではないので、プランジ
ャー62の速度VがV3となる様に油圧回路70を制御
する。そしてステップS111で、チャタリング防止の
ためタイマAが時間T1に達するまで待機し、時間T1
に達したらステップS104に戻り、上記した処理を繰
り返す。
【0039】ステップS107においてキャビティ54
内の圧力Paがしきい値P1 以上であれば、圧力Paは
やや過剰であるためステップS122に進み、ステップ
S122でキャビティ54内の圧力Paとしきい値P2
(P2 >P1 )とを比較する。そして圧力Paがしきい
値P2 未満のときには、プランジャー62の速度Vがや
や低速であるV2(V3>V2)となる様に油圧回路7
0を制御する。
【0040】更にキャビティ54内の圧力Paがしきい
値P2 以上のときには、キャビティ54内の圧力Paが
かなり過剰であり、金型5の見切り面の隙間から液状離
型剤3が漏れる可能性があるので、プランジャー62の
速度Vを更に低速であるV1(V3>V2>V1)とな
る様に油圧回路70を制御する。上記の様にして液状離
型剤3をキャビティ54内に充満した後、前記した実施
例同様にプランジャーチップ61の先端をc位置に後退
して、キャビティ54と離型剤排出口67とを連通さ
せ、重力等の作用でキャビティ54内の液状離型剤3を
離型剤排出口67から外部に排出する。
【0041】その後鋳造工程を実施する。鋳造工程で
は、溶湯供給口65から供給した溶湯を貯溜室に54c
に貯溜した状態で、プランジャー62を矢印A1方向に
前進させ、溶湯を溶湯押圧速度域Vβでキャビティ54
内に注入する。この例においても溶湯押圧速度域Vβ
は、離型剤3を注入する速度域(V3、V2、V1)よ
りも速いものである。
【0042】上記した鋳造工程では、図2に示す駆動シ
リンダ装置90が駆動してシリンダロッド91が矢印Y
2方向に後退し、圧力センサ95の保護のために筒体5
9rを金型5から離脱させる。以上の説明から理解でき
る様に実施例3においても前記した実施例1と基本的に
同様な効果が得られる。即ち、金型5を型締めした状態
で、粘度が低い液状離型剤3をキャビティ54内に注入
するので、キャビティ型面52のうち突部の裏面や凹部
に液状離型剤3が回り込むことができる。故に、キャビ
ティ型面52のうち突部の裏面や凹部にも液状離型剤3
を塗布することができる。
【0043】更に本実施例では圧力センサ95の検出圧
が過剰のときには、制御回路72が油圧回路70を制御
してプランジャー62の速度を低速にするため、金型5
の見切り面から液状離型剤3が漏れることを防止するの
に有利である。よって金型5の見切り面間の隙間には液
状離型剤3が侵入することを防止するのに有利である。
【0044】(他の例)上記した例によれば、押圧ピス
トンとして、キャビティ54に溶湯を注入する際に使用
するプランジャー62を採用しているが、これに限ら
ず、押圧ピストンは、キャビティ54に注入した溶湯を
押圧して加圧する加圧ピストンとしても良い。加圧ピス
トンは、溶湯の凝固収縮等による欠陥を防止するために
貢献できる。その他本発明は上記しかつ図面に示した実
施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない
範囲内で必要に応じて適宜選択できるものである。
【0045】
【発明の効果】請求項1に係る方法によれば、型締めさ
れた状態の金型のキャビティに液状離型剤を注入するの
で、ミスト状離型剤を吹きつける場合に比較して、金型
のキャビティのうち突部の裏面、深溝、細溝、細孔等に
も液状離型剤が回り込む。そのため金型のキャビティの
うち突部の裏面、深溝、細溝、細孔にも離型剤が塗布さ
れる。そのため離型剤の未塗布に起因する製品欠陥を防
止するのに有利である。
【0046】更に液状離型剤は油性である場合には、水
残留に起因する鋳造不良を防止するのに有利である。請
求項2に係る方法によれば、圧力検出手段でキャビティ
内の圧力を検出し、キャビティ内の圧力が所定値未満と
なる様に押圧ピストンの速度を制御するため、キャビテ
ィ内の圧力が過剰になることは抑制される。よってキャ
ビティ内の過圧に起因して液状離型剤が金型の見切り面
から漏れることは軽減、回避される。よって金型の見切
り面において離型剤層の過剰堆積を効果的に防止でき
る。従って金型の型締め精度が確保され、鋳造品である
製品の寸法精度の確保に有利であり、更に見切り面にお
けるバリの軽減、回避に有利である。
【0047】請求項3に係る方法によれば、金型を型締
めした状態で、溶湯押圧速度域よりも低速の低速押圧速
度域で押圧ピストンにより液状離型剤を押圧するので、
キャビティ内の過圧に起因する液状離型剤の漏れは軽
減、回避される。よって金型の見切り面において離型剤
層の過剰堆積を効果的に防止できる。従って金型の型締
め精度が確保され、鋳造品である製品の寸法精度の確保
に有利であり、更に見切り面におけるバリの軽減、回避
に有利である。
【0048】請求項2、3の方法によれば、請求項1の
効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る方法を実施している形態を示す
断面図である。
【図2】実施例2に係る方法を実施している形態を示す
断面図である。
【図3】実施例3に係る制御回路が実行するフローチャ
ートである。
【符号の説明】
図中、3は液状離型剤、5は金型、50は固定型、51
は可動型、52はキャビティ型面、54はキャビティ、
6は溶湯供給装置、70は油圧回路(速度可変制御手
段)、72は制御回路(速度可変制御手段)、95は圧
力センサ(圧力検出手段)を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 45/77 7365−4F B29C 45/77 (72)発明者 箱岩 正人 千葉県香取郡多古町水戸1番地 日立粉末 冶金株式会社内 (72)発明者 緑川 俊明 千葉県香取郡多古町水戸1番地 日立粉末 冶金株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液状離型剤と、キャビティ及び該キャビテ
    ィに連通する注入口とをもつ型締め可能な金型とを用
    い、 該金型を型締めした状態で、該金型の注入口から該液状
    離型剤をキャビティに注入して該キャビティを充満する
    と共に、注入した後の余剰の該液状離型剤を該金型のキ
    ャビティから排出することにより、該離型剤をキャビテ
    ィ型面に塗布することを特徴とする液状離型剤の塗布方
    法。
  2. 【請求項2】液状離型剤と、キャビティをもつ型締め可
    能な金型と、該キャビティに対面する押圧ピストンと、
    該キャビティ内の圧力を直接または間接的に検出する圧
    力検出手段と、該圧力検出手段の検出に応じて該押圧ピ
    ストンの速度を可変に制御する速度可変制御手段とを用
    い、 該金型を型締めした状態で、該キャビティ内のまたは該
    キャビティ内に注入する液状離型剤を該押圧ピストンで
    押圧し、その後に該キャビティ内の余剰の該液状離型剤
    をキャビティから排出することにより、離型剤をキャビ
    ティ型面に塗布する方法であって、 押圧の際に、該圧力検出手段で該キャビティ内の圧力を
    検出し、該キャビティ内の圧力が所定値未満となる様に
    該押圧ピストンの速度を制御することを特徴とする液状
    離型剤の塗布方法。
  3. 【請求項3】液状離型剤と、キャビティをもつ型締め可
    能な金型と、該キャビティ内のまたは該キャビティ内に
    送給する溶湯を溶湯押圧速度域で押圧する押圧ピストン
    と、該押圧ピストンを溶湯押圧速度域及びその速度より
    も低速の低速押圧速度域で作動させ得る速度可変制御手
    段とを用い、 該金型を型締めした状態で、該キャビティ内のまたは該
    キャビティ内に送給すべく液状離型剤を該低速押圧速度
    域で該押圧ピストンにより押圧すると共に、その後に該
    キャビティ内の余剰の該液状離型剤を該キャビティから
    排出することにより、該液状離型剤をキャビティ型面に
    塗布する離型剤塗布工程と、 該キャビティ内のまたは該キャビティ内に送給すべく溶
    湯を溶湯押圧速度域で押圧ピストンにより押圧する鋳造
    工程とを順に実施することを特徴とする鋳造方法。
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