JPH0890197A - ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法 - Google Patents

ダイカスト鋳造装置及びダイカスト鋳造方法

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JPH0890197A
JPH0890197A JP22290394A JP22290394A JPH0890197A JP H0890197 A JPH0890197 A JP H0890197A JP 22290394 A JP22290394 A JP 22290394A JP 22290394 A JP22290394 A JP 22290394A JP H0890197 A JPH0890197 A JP H0890197A
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哲郎 菅沼
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 チップ潤滑剤による火炎の発生を防止する。 【構成】 給湯口26から射出スリーブ23内に金属溶
湯Mが供給され、射出プランジャ24の前進により金属
溶湯Mが金型19のキャビティ20内に充填される。こ
のとき、射出スリーブ23の内面には、油性のチップ潤
滑剤Tが塗布されている。窒素ガスボンベ28と吹付口
体29とを配管30により接続してなり、給湯口26部
分に外部から窒素ガスを吹付けるガス吹付装置14を設
ける。吹付口体29を、奥側から前面側に向けて拡開
し、その前面が給湯口26に対応した横長な開口部29
aとされた形状とする。キャビティ20に連通する吸引
経路36に吸引ポンプ37を接続すると共に、吸引経路
36を開閉する開閉機構39を有し、射出スリーブ23
内の窒素ガスを吸引するするガス吸引装置15を設け
る。給湯工程時に、ガス吹付装置14及びガス吸引装置
15を動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出スリーブ内に供給
された金属溶湯を射出プランジャにより加圧して金型の
キャビティ内に充填するようにしたダイカスト鋳造装置
及びダイカスト鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用のアルミニウム部品を製
造するためのダイカスト鋳造装置は、図8に示すよう
に、固定型1及び可動型2からなり内部にキャビティ3
を形成する金型4と、前記キャビティ3内に金属(アル
ミニウム)溶湯Mを充填するための射出装置5とを備え
て構成されている。そして、前記射出装置5は、前記キ
ャビティ3内にランナー6を介して連通し給湯口7を有
する射出スリーブ8内を、射出プランジャ9を前進,後
退させるように構成されている。
【0003】これにて、前記金型4の型締めの工程、ラ
ドル10により前記給湯口7から射出スリーブ8内に金
属溶湯Mを供給する給湯の工程、前記射出プランジャ9
を前進させて射出スリーブ8の金属溶湯Mを加圧してキ
ャビティ3内に充填する射出の工程が順に実行され、キ
ャビティ3内の金属Mが凝固した後、金型4を型開きし
て製品を取出す工程が行われる。このとき、次の型締め
工程を行う前に、前記キャビティ3の内面に離型剤を吹
付塗布し、さらに、前記射出スリーブ8の内面に、チッ
プ潤滑剤Tを吹付塗布する工程が実行されるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
に、射出装置5にあっては、射出プランジャ9(チッ
プ)を滑らかに摺動させるために射出スリーブ8の内面
にチップ潤滑剤Tを吹付塗布するようにしているのであ
るが、このチップ潤滑剤Tとして、油性チップ潤滑剤や
黒鉛粉末入りの油性潤滑剤等を使用することが、十分な
潤滑性を得るためには望ましい。しかしながら、油性の
潤滑剤Tは可燃性があるため、金属溶湯Mの給湯時に、
その高熱により発火し、給湯口7部分から立上るように
して火炎Fが発生する不具合があった。この火炎Fは、
大きいときには70cm程度まで立上ることがある。
【0005】そこで、このような火炎Fの発生を防止す
るために、チップ潤滑剤Tとして、比較的燃えにくい水
溶性のものを使用することも行われている。ところが、
水溶性の潤滑剤Tでは、油性のものよりも潤滑性に劣る
ため、射出スリーブ8や射出プランジャ9(チップ)の
摩耗が大きくなり、寿命が低下するといった問題を生ず
ることになる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、潤滑剤による射出プランジャの十分な
潤滑性を得ながらも、その潤滑剤による火炎の発生を効
果的に防止することができるダイカスト鋳造装置及びダ
イカスト鋳造方法を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のダイカスト鋳造
装置は、キャビティを形成する金型と、前記キャビティ
にランナーを介して連通される射出スリーブと、この射
出スリーブ内を前進,後退する射出プランジャとを具備
し、給湯口から前記射出スリーブ内に金属溶湯を供給
し、その金属溶湯を前記射出プランジャの前進により加
圧して前記キャビティ内に充填するようにしたものにあ
って、前記射出スリーブ内への給湯時において前記給湯
口部分に外部から不活性ガスを吹付ける不活性ガス吹付
手段と、この不活性ガス吹付手段により吹付けられた不
活性ガスを前記射出スリーブ内を通して吸引する吸引手
段とを設けた構成に特徴を有する(請求項1の発明)。
【0008】この場合、前記不活性ガス吹付手段を、ガ
ス供給源からの不活性ガスを、前記給湯口の近傍に配置
される吹付口体に配管により導くように構成すると共
に、前記吹付口体を、前記給湯口に向けて拡開する形状
に構成すれば、より好ましい(請求項2の発明)。ま
た、前記吸引手段を、前記金型内に設けられ一端がキャ
ビティに連通された吸引経路と、この吸引経路の他端側
に接続された吸引ポンプと、前記吸引経路を開閉する開
閉機構とを含んで構成することもできる(請求項3の発
明)。
【0009】そして、本発明のダイカスト鋳造方法は、
キャビティを形成する金型の型締め工程と、前記キャビ
ティにランナーを介して連通される射出スリーブ内に給
湯口から金属溶湯を供給する給湯工程と、前記射出スリ
ーブ内を射出プランジャを前進させて供給された金属溶
湯を前記キャビティ内に充填する射出工程とを順に実行
するようにした方法にあって、前記給湯工程実行時にお
いて前記給湯口部分に外部から不活性ガスを吹付けると
共に、吹付けられた不活性ガスを前記射出スリーブ内を
通して吸引するようにしたところに特徴を有するもので
ある(請求項4の発明)。
【0010】このとき、前記不活性ガスの吹付けを、給
湯工程が終了し、射出工程において前記射出プランジャ
が前進して前記給湯口を塞ぐまで継続して行うようにす
れば、より効果的である(請求項5の発明)。
【0011】
【作用及び発明の効果】本発明の請求項1のダイカスト
鋳造装置によれば、射出スリーブ内への金属溶湯の給湯
時において、不活性ガス吹付手段により、給湯口部分に
外部から不活性ガスが吹付けられ、これと共に、吸引手
段により、その不活性ガスが射出スリーブ内を通して吸
引されるようになる。これにより、給湯口部分及び射出
スリーブ内に不活性ガスが充満するようになり、射出ス
リーブ内の潤滑剤及び金属溶湯が外部の空気(酸素)と
遮断されるようになる。
【0012】従って、射出スリーブ内に燃えやすい潤滑
剤が存在し、金属溶湯の高熱を受けたとしても、その潤
滑剤が発火することがなくなり、もって、潤滑剤による
射出プランジャの十分な潤滑性を得ながらも、その潤滑
剤による火炎の発生を防止することができる。また、金
属溶湯が酸素と触れることを防止することができるの
で、金属溶湯の酸化を防止する効果も併せて得ることが
できる。
【0013】この場合、前記不活性ガス吹付手段を、ガ
ス供給源からの不活性ガスを、前記給湯口の近傍に配置
される吹付口体に配管により導くように構成すると共
に、前記吹付口体を、前記給湯口に向けて拡開する形状
に構成すれば(請求項2のダイカスト鋳造装置)、吹付
口体から吹付けられる不活性ガスにより、給湯口部分全
体を覆うようにすることができ、酸素との遮断性を良好
とすることができる。
【0014】また、前記吸引手段を、前記金型内に設け
られ一端がキャビティに連通された吸引経路と、この吸
引経路の他端側に接続された吸引ポンプと、前記吸引経
路を開閉する開閉機構とを含んで構成すれば(請求項3
のダイカスト鋳造装置)、射出スリーブ内だけでなくキ
ャビティ内をも不活性ガスを充満させることができ、キ
ャビティ内における金属溶湯の酸化をも防止することが
できる。さらには、開閉機構により吸引経路を閉じるこ
とにより、吸引経路内に金属溶湯が侵入する不具合を未
然に防止することができる。
【0015】そして、本発明の請求項4のダイカスト鋳
造方法によれば、給湯工程実行時において給湯口部分に
外部から不活性ガスを吹付けると共に、吹付けられた不
活性ガスを射出スリーブ内を通して吸引するようにした
ので、給湯口部分及び射出スリーブ内に不活性ガスが充
満するようになり、射出スリーブ内の潤滑剤及び金属溶
湯が外部の空気(酸素)と遮断されるようになる。
【0016】従って、射出スリーブ内に燃えやすい潤滑
剤が存在し、金属溶湯の高熱を受けたとしても、その潤
滑剤が発火することがなくなり、もって、潤滑剤による
射出プランジャの十分な潤滑性を得ながらも、その潤滑
剤による火炎の発生を防止することができる。また、金
属溶湯が酸素と触れることを防止することができるの
で、金属溶湯の酸化を防止する効果も併せて得ることが
できる。
【0017】このとき、前記不活性ガスの吹付けを、給
湯工程が終了し、射出工程において前記射出プランジャ
が前進して前記給湯口を塞ぐまで継続して行うようにす
れば(請求項5のダイカスト鋳造方法)、射出スリーブ
内に給湯が完了した後も、射出スリーブ内の金属溶湯
が、給湯口部分において酸素と触れることを確実に防止
することができ、金属溶湯の酸化防止効果をより一層高
めることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図1乃至
図5を参照して説明する。まず、図1を参照しながら、
本実施例に係るダイカスト鋳造装置11の全体構成につ
いて説明する。このダイカスト鋳造装置11は、大きく
分けて、鋳造を行う金型装置12、金属溶湯Mの充填を
行う射出装置13、不活性ガス吹付手段たるガス吹付装
置14、吸引手段たるガス吸引装置15を備えて構成さ
れている。
【0019】このうち金型装置12は、プラテン16に
固定された固定型17及びこの固定型17に対して接離
移動可能な可動型18からなる金型19を備えると共
に、前記可動型18を前記固定型17に対して接離方向
に移動させて型締め,型開きを行う図示しない型駆動装
置を備えて構成されている。型締め状態においては、前
記金型19内に鋳造製品の形状に対応したキャビティ2
0が形成されるようになっている。
【0020】また、前記金型19内には、キャビティ2
0の図で上部に位置して、余分な金属溶湯Mを逃がすた
めのオーバーフロー部21が平板状のオーバーフローゲ
ートを介して設けられている。さらには、詳しく図示は
しないが、金型19には、押出しピン22等からなる製
品取出機構が設けられている。尚、金型19には、図示
しないガス抜きベントが設けられている。また、後述す
るように、前記キャビティ20の内面には、離型剤が吹
付塗布されるようになっている。
【0021】一方、前記射出装置13は、図2及び図3
にも示すように、前記金型19(固定型18)の図で下
部から右方に連続して延びる射出スリーブ23と、この
射出スリーブ23内を前進,後退する射出プランジャ2
4と、この射出プランジャ24を往復動させる図示しな
い駆動装置とを備えて構成されている。前記射出スリー
ブ23の先端部(図で左端部)は、ランナー25を介し
て前記キャビティ20と連通されている。また、前記射
出プランジャ24の先端部のチップ24aは、射出スリ
ーブ23の内面を摺動するようになっており、このとき
の摺動を滑らかに行うために、射出スリーブ23の内面
には、潤滑性の良い油性のチップ潤滑剤Tが吹付塗布さ
れるようになっている。尚、本実施例では、前記射出プ
ランジャ24の移動速度は可変速とされている。
【0022】そして、前記射出スリーブ23の上面部に
は、給湯口26が設けられている。さらには、詳しく図
示はしないが、前記給湯口26から射出スリーブ23内
に金属溶湯(例えばアルミニウム溶湯)Mを供給するた
めの供給機構が設けられている。この供給機構は、金属
溶湯Mを保持する炉や、金属溶湯Mを給湯口26から注
ぎ込むためのラドル27等を備えて構成されている。
【0023】これにて、詳しくは後述するように、前記
金型19の型締め工程、ラドル27により給湯口26か
ら射出スリーブ23内に金属溶湯Mを供給する給湯工
程、射出プランジャ24を図で左方へ向けて前進させて
射出スリーブ23内の金属溶湯Mを加圧してキャビティ
20内に充填する射出工程が順に実行され、この後、キ
ャビティ20内の金属Mが凝固した後、金型19を型開
きして製品を取出す工程が行われる。このとき、次の型
締め工程を行う前に、前記キャビティ20の内面に離型
剤を吹付塗布し、さらに、前記射出スリーブ23の内面
に、チップ潤滑剤Tを吹付塗布する工程が実行されるよ
うになっている。
【0024】さて、前記ガス吹付装置14及びガス吸引
装置15について述べる。まず、ガス吹付装置14は、
前記給湯口26部分に外部から不活性ガス例えば窒素ガ
スを吹付けるためのものであり、ガス供給源たる窒素ガ
スボンベ28と、前記給湯口26の近傍に配置される吹
付口体29とを、配管30により接続して構成されてい
る。
【0025】このとき、図2及び図3に示すように、前
記吹付口体29は、例えば薄金属板やプラスチックから
なり、奥側から前面側に向けて拡開し、その前面全体が
前記給湯口26に対応した横長な開口部29aとされた
薄形の箱状をなしている。この吹付口体29は、前記射
出スリーブ23の給湯口26の直ぐ上部の奥側に位置
し、取付ステイ31及び取付棒32により前記プラテン
16に取付けられている。また、前記配管30は、吹付
口体29の奥側部分にコネクタ33により接続されてい
る。
【0026】そして、図1に示すように、前記配管30
の途中部位には、圧力調整用のレギュレータ34が設け
られていると共に、配管30を開閉する電磁バルブ35
が設けられている。これにて、電磁バルブ35が開放動
作されることにより、窒素ガスボンベ28からの窒素ガ
スが、レギュレータ34により調整された圧力で吹付口
体29の開口部29aから前側つまり給湯口26に向け
て吹付けられるようになっているのである。このとき、
吹付口体29の開口部29aは、給湯口26の幅に対応
した横長偏平状とされていることにより、給湯口26の
上面部が窒素ガスのガスカーテンで覆われるようになっ
ている。
【0027】一方、前記ガス吸引装置15は、前記キャ
ビティ20内及びこれに連通する射出スリーブ23内の
ガス(空気あるいは窒素ガス)を吸引するためのもので
あり、前記金型19(可動型18)内に設けられた吸引
経路36、この吸引経路36の基端側に接続される吸引
源たる吸引ポンプ37、吸引経路36内の圧力を検出す
る真空計38、前記吸引経路36を開閉する開閉機構3
9等から構成されている。そのうち吸引経路36は、基
端部が金型19の外面部で開放すると共に、先端部が前
記オーバーフロー部21にて開口しており、もって、オ
ーバーフロー部21を介して前記キャビティ20の上部
に連通されている。そして、この吸引経路36の基端側
が金型19の外部にて配管40を介して前記吸引ポンプ
37に接続されている。
【0028】また、前記開閉機構39は、油圧シリンダ
41により図で左右方向に往復移動されるカットオフピ
ン42と、前記油圧シリンダ41をオン,オフ動作させ
る電磁バルブ43等から構成されている。これにて、前
記カットオフピン42の前進状態(通常状態)では、該
カットオフピン42の先端部が前記吸引経路36の先端
開口部を塞いでおり、電磁バルブ43により油圧シリン
ダ41が動作されると、図示のようにカットオフピン4
2が後退(図で左方向)して吸引経路36を開放するよ
うになっている。
【0029】次に、上記のように構成されたダイカスト
鋳造装置11における鋳造方法について、図4及び図5
も参照して述べる。図4は鋳造の工程の流れを順に示し
ている。即ち、金型19の型開き工程(P1)が行われ
て前回の鋳造製品の取出し工程(P2)が終了すると、
次に、金型19のキャビティ20の内面に離型剤を吹付
塗布する離型剤吹付工程(P3)、及び、射出スリーブ
23の内面にチップ潤滑剤Tを吹付塗布するチップ潤滑
剤吹付工程(P4)が実行されるようになっている。こ
のとき本実施例では、チップ潤滑剤Tとして、潤滑性に
優れる一方比較的燃えやすい性質を有する油性の潤滑剤
が用いられる。
【0030】続いて、金型19の型締め工程(P5)が
実行され、引続き給湯工程(P6)が実行される。この
とき、型締め工程(P5)までの工程においては、電磁
バルブ35が閉塞されていて吹付口体29からの窒素ガ
スの吹付けはなく、また、カットオフピン42が前進状
態にあって、吸引経路36が閉塞している。尚、射出プ
ランジャ24も後退しており、給湯口26が開放された
状態とされている。
【0031】そして、給湯工程(P6)においては、上
述のように、ラドル27により金属溶湯Mが給湯口26
から射出スリーブ23内に注ぎ込まれるのであるが、こ
の給湯工程の開始と共に、ガス吹付装置14及びガス吸
引装置15が作動されて窒素ガスの吹付け及び吸引の工
程(P7)が併せて実行される。窒素ガスの吹付けは、
配管30に設けられた電磁バルブ35を開放し、窒素ガ
スボンベ28からの窒素ガスを所要圧力で吹付口体29
に導くことにより行われる。また、窒素ガスの吸引は、
油圧シリンダ41によりカットオフピン42を後退させ
て吸引経路36を開放すると共に、吸引ポンプ37を駆
動することにより行われる。
【0032】これにて、射出スリーブ23内への金属溶
湯Mの供給が行われながら、吹付口体29の開口部29
aから給湯口26の上面部に向けて窒素ガスが吹付けら
れるようになると共に、その窒素ガスが射出スリーブ2
3内を通りさらに金型19のキャビティ20を通って吸
引されるようになるのである。尚、吸引の初期において
は、キャビティ20及び射出スリーブ23内に残存して
いた空気が吸引され、次第に窒素ガスに置換されるよう
になり、最終的には、給湯口26部分及び射出スリーブ
23内に窒素ガスが充満するようになるのである。この
とき、吹付口体29が拡開形状とされていることによ
り、給湯口26部分全体を窒素ガスのカーテンにより覆
うことができ、酸素遮断性は極めて良好となる。
【0033】ここで、射出スリーブ23の内面部の比較
的燃えやすいチップ潤滑剤Tが金属溶湯Mの高熱を受け
るため、チップ潤滑剤Tの周囲に酸素(空気)が存在す
ると、発火して火炎を生じてしまう事情がある。ところ
が、窒素ガスの吹付け及び吸引の工程(P7)が併せて
行われるため、窒素ガスにより、射出スリーブ23内の
チップ潤滑剤T及び金属溶湯Mが外部の空気(酸素)と
遮断されるようになるので、チップ潤滑剤Tが発火する
ことなく給湯工程(P6)が完了するようになるのであ
る。また、金属溶湯Mが酸素と触れて酸化することも未
然に防止されるのである。
【0034】給湯工程が完了すると、射出プランジャ2
4を前進させて金属溶湯Mを加圧し、ランナー25を通
してキャビティ20内に充填する射出工程(P8)が実
行される。このとき、本実施例においては、射出プラン
ジャ24は、チップ24aが前記給湯口26を塞ぐまで
は低速で前進移動され、そこからは高速で前進移動され
るという二段階で移動が行われるようになっている。そ
して、前記窒素ガスの吹付け及び吸引の工程(P7)
は、図5における「基本パターン」に示すように、給湯
工程(P6)中ずっと継続して行われると共に、給湯工
程が終了して射出工程(P8)に入っても、射出プラン
ジャ24のチップ24aが前記給湯口26を塞ぐまでは
継続して行われるようになっているのである。
【0035】射出プランジャ24が給湯口26を塞いで
外部空気が射出スリーブ23内へ侵入する虞のなくなっ
たところで、電磁バルブ35が閉塞され、さらに、カッ
トオフピン42を前進させて吸引経路36を閉塞すると
共に、吸引ポンプ37を停止することにより、窒素ガス
の吹付け及び吸引の工程(P7)が終了される。このよ
うに、射出工程の初期まで窒素ガスの吹付け及び吸引の
工程を継続したことにより、給湯が完了した後も、射出
スリーブ23内の金属溶湯Mが、給湯口26部分におい
て酸素と触れることを確実に防止することができ、金属
溶湯の酸化防止効果をより一層高めることができる。さ
らにこの時点では、キャビティ20内も窒素ガスに置換
されているので、キャビティ20内における金属溶湯M
の酸化をも防止することができるのである。
【0036】そして、キャビティ20内に金属溶湯Mが
加圧充填されると射出工程は終了する。このとき、金属
溶湯Mが余分に充填されると、その余剰分がオーバーフ
ロー部21内に逃げるのであるが、このときには、既に
カットオフピン42により吸引経路36の先端部が閉塞
されているので、金属溶湯Mが吸引経路36内に侵入す
ることが未然に防止されるのである。この後、キャビテ
ィ20内に加圧充填された金属溶湯Mを固化させる凝固
工程(P9)が行なわれ、凝固が完了すると、再び金型
19の型開き(P1)からの工程が繰返される。
【0037】このように本実施例によれば、給湯工程及
び射出工程の初期において、ガス吹付け装置14及びガ
ス吸引装置15を作動させるようにしたので、給湯口2
6部分及び射出スリーブ23内に窒素ガスが充満するよ
うになり、射出スリーブ23内のチップ潤滑剤T及び金
属溶湯Mが外部の空気(酸素)と遮断されるようにな
り、チップ潤滑剤Tが発火することがなくなる。従っ
て、従来のように火炎Fの発生防止のために潤滑性を犠
牲にして水溶性のチップ潤滑剤Tを使用していたものと
異なり、十分良好な潤滑性を有するチップ潤滑剤Tを使
用することができて射出スリーブ23や射出プランジャ
24の高寿命を得ながらも、チップ潤滑剤Tによる火炎
の発生を効果的に防止することができるものである。ま
た、金属溶湯Mが酸素と触れることを防止することがで
きるので、金属溶湯Mの酸化を防止するという副次的な
効果も併せて得ることができる。
【0038】この場合、特に本実施例では、吹付口体2
9を、給湯口26に向けて拡開する形状としたので、給
湯口26部分全体を窒素ガスのガスカーテンにより覆う
ことができ、酸素との遮断性をいっそう良好とすること
ができる。また、本実施例では、射出スリーブ23内だ
けでなくキャビティ20内をも窒素ガスを充満させるよ
うに構成したので、キャビティ20内における金属溶湯
Mの酸化をも防止することができ、しかも、カットオフ
ピン42により、吸引経路36内に金属溶湯Mが侵入す
る不具合を確実に防止することができるものである。
【0039】さらに、特に本実施例では、窒素ガスの吹
付け及び吸引を、給湯工程実行中だけでなく、その後の
射出工程の初期まで(射出プランジャ24が給湯口26
を塞ぐまで)継続して行うようにしたので、射出スリー
ブ23内に給湯が完了した後も、射出スリーブ23内の
金属溶湯Mが、給湯口26部分において酸素と触れるこ
とを確実に防止することができ、チップ潤滑剤Tの発火
を防止することは勿論、金属溶湯Mの酸化防止効果をよ
り一層高めることができるものである。
【0040】ところで、従来より、この種のダイカスト
鋳造装置にあって、溶湯の酸化防止のために、キャビテ
ィ内の空気を不活性ガスに置換し、その後キャビティ内
に溶湯を充填する方法が考えられている(特開平5−2
93589号公報参照)。ところが、このものでは、射
出装置側において給湯時に給湯口部分を窒素ガスの膜で
覆うものではないため、火炎の発生防止効果は得られな
い。これに対し、本実施例では、給湯工程の実行中にお
いて、常時給湯口26部分に窒素ガスを吹付けるもので
あるから、チップ潤滑剤Tが酸素と接触することを確実
に防止することができて、火炎の発生を効果的に防止す
ることができるものである。
【0041】尚、上記実施例では、窒素ガスの吹付け及
び吸入を、給湯工程開始と同時に開始し、射出工程の初
期にて終了するようにしたが、(図5の基本パター
ン)、図5に示すように、別のパターン(変形パターン
A〜C)も可能である。変形パターンAでは、窒素ガス
の吹付け及び吸入を給湯工程開始と同時に開始し終了と
同時に終了しており、変形パターンBでは、窒素ガスの
吹付けのみを射出工程の初期まで継続しており、変形パ
ターンCでは、給湯工程の途中から窒素ガスの吹付け及
び吸入を開始している。これら図示のパターン以外に
も、様々な変形が可能である。
【0042】図6は本発明の他の実施例を示すものであ
り、この実施例が上記実施例と異なる点は、吸引手段た
るガス吸引装置51の構成にある。即ち、本実施例のガ
ス吸引装置51にあっては、吸引管路52の先端が、射
出スリーブ23の給湯口26よりも前側部分に位置して
開口しており、この吸引管路52の基端部に、電磁バル
ブ53及び吸引ポンプ54を接続するようにしている。
【0043】この場合、ガス吹付装置14から給湯口2
6に向けて吹付けられた窒素ガスは、射出スリーブ23
内を通って吸引管路52から吸込まれるようになってい
る。かかる構成においても、給湯時のチップ潤滑剤Tに
よる火炎の発生防止という所期の目的を達成することが
できるものである。また、上記実施例のようなカットオ
フピン42等の開閉機構39が不要となり、構成が簡単
となる。このように、不活性ガスを吸引する位置は、種
々変形可能である。
【0044】また、ガス吹付装置においても種々の変形
は可能である。例えば上記吹付口体29に代えて、図7
に示すようなマニホールドタイプの吹付口体61を設け
るようにしても良い。この吹付口体61は、配管30が
接続される主部61aの前面に、給湯口26の幅に対応
して例えば4個の吹付筒部62を横方向に並んで備えて
いる。かかる構成においても、給湯口26部分全体を窒
素ガスのカーテンにより覆うことができるものである。
【0045】その他、例えば不活性ガスとしては、二酸
化炭素や、ネオン,アルゴンガス等も採用することがで
き、また、金属溶湯としても、アルミニウム以外にも、
アルミニウム合金や亜鉛合金など各種の金属を使用する
ことができる等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適
宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、ダイカスト鋳
造装置の全体構成を示す縦断正面図
【図2】給湯口及び吹付口体部分を示す上面図
【図3】給湯口及び吹付口体部分を示す正面図
【図4】ダイカスト鋳造の工程を示す図
【図5】給湯に対する不活性ガスの吹付け及び吸引のパ
ターンを示す図
【図6】本発明の他の実施例を示す図1相当図
【図7】異なる他の実施例を示す吹付口体の斜視図
【図8】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】
図面中、11はダイカスト鋳造装置、12は金型装置、
13は射出装置、14はガス吹付装置(不活性ガス吹付
手段)、15はガス吸引装置(吸引手段)、19は金
型、20はキャビティ、21はオーバーフロー部、23
は射出スリーブ、24は射出プランジャ、25はランナ
ー、26は給湯口、27はラドル、28は窒素ガスボン
ベ(ガス供給源)、29,51は吹付口体、36は吸引
経路、37,54は吸引ポンプ、39は開閉機構(開閉
手段)、42はカットオフピン、Mは金属溶湯、Tはチ
ップ潤滑剤を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティを形成する金型と、前記キャ
    ビティにランナーを介して連通される射出スリーブと、
    この射出スリーブ内を前進,後退する射出プランジャと
    を具備し、給湯口から前記射出スリーブ内に金属溶湯を
    供給し、その金属溶湯を前記射出プランジャの前進によ
    り加圧して前記キャビティ内に充填するようにしたもの
    において、 前記射出スリーブ内への給湯時において前記給湯口部分
    に外部から不活性ガスを吹付ける不活性ガス吹付手段
    と、 この不活性ガス吹付手段により吹付けられた不活性ガス
    を前記射出スリーブ内を通して吸引する吸引手段とを設
    けたことを特徴とするダイカスト鋳造装置。
  2. 【請求項2】 前記不活性ガス吹付手段は、ガス供給源
    からの不活性ガスを、前記給湯口の近傍に配置される吹
    付口体に配管により導くように構成されていると共に、
    前記吹付口体は、前記給湯口に向けて拡開する形状とさ
    れていることを特徴とする請求項1記載のダイカスト鋳
    造装置。
  3. 【請求項3】 前記吸引手段は、前記金型内に設けられ
    一端がキャビティに連通された吸引経路と、この吸引経
    路の他端側に接続された吸引ポンプと、前記吸引経路を
    開閉する開閉機構とを備えて構成されていることを特徴
    とする請求項1または2記載のダイカスト鋳造装置。
  4. 【請求項4】 キャビティを形成する金型の型締め工程
    と、前記キャビティにランナーを介して連通される射出
    スリーブ内に給湯口から金属溶湯を供給する給湯工程
    と、前記射出スリーブ内を射出プランジャを前進させて
    供給された金属溶湯を前記キャビティ内に充填する射出
    工程とを順に実行するようにしたダイカスト鋳造方法で
    あって、 前記給湯工程実行時において前記給湯口部分に外部から
    不活性ガスを吹付けると共に、 吹付けられた不活性ガスを前記射出スリーブ内を通して
    吸引するようにしたことを特徴とするダイカスト鋳造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記不活性ガスの吹付けは、給湯工程が
    終了し、射出工程において前記射出プランジャが前進し
    て前記給湯口を塞ぐまで継続して行われることを特徴と
    する請求項4記載のダイカスト鋳造方法。
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