JPH09129514A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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JPH09129514A
JPH09129514A JP31159995A JP31159995A JPH09129514A JP H09129514 A JPH09129514 A JP H09129514A JP 31159995 A JP31159995 A JP 31159995A JP 31159995 A JP31159995 A JP 31159995A JP H09129514 A JPH09129514 A JP H09129514A
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JP
Japan
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aluminum foil
electrolytic capacitor
concentration
aluminum
surface area
Prior art date
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Pending
Application number
JP31159995A
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English (en)
Inventor
Masahiko Kawai
正彦 川井
Masaya Hirukawa
昌也 蛭川
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MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解コンデンサの電極に用いられるアル
ミニウム箔の表面積を効率的に拡大する。 【解決手段】 純度が99.85〜99.992wt%
の純アルミニウムからなり、表面から深さ5〜15nm
までの範囲が平均で0.015〜10wt%のGaを含
む電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。 【効果】 粗面化処理の際にGaによって均一かつ
高濃度のピットが形成されて箔の表面積が大幅に増大
し、この箔を用いた電解コンデンサの静電容量を向上さ
せることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサの
陰極または陽極に用いられる電解コンデンサ電極用アル
ミニウム箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解コンデンサの電極に用いられるアル
ミニウム箔は、陽極用、陰極用に限らず、粗面化処理
(電解エッチング)を行うことによって表面積を有効に
増大させ、よって静電容量を高めて使用されるのが一般
的である。表面積を有効に増大させるためには、電解エ
ッチングの際に表面で腐食孔が均一にかつ多数発生する
必要がある。現在、この表面の均一腐食性を良くするた
めに、製造過程中途の圧延によって表面に形成された油
膜を、溶剤脱脂により除去したり、軽いソーダ洗浄で除
去したりしており、また、特公昭62−42370号に
提案されているように、アルミニウム箔の表面にPb、
Bi、In等の濃縮層を形成しておく方法も提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
によると表面の残油による未エッチング部はなくなるも
ののしばしば結晶粒界で過度の腐食が生じ、箔の強度が
弱くなるとともに表面積拡大の効果も少なくなるという
問題が発生している。また、特公昭62−42370号
に示されている不純物を規定量にコントロールすること
は実際には非常に困難であり、また、この方法の適用
は、500℃以上で最終焼鈍を行う製品にのみ有効であ
るという制約がある。本発明は、上記事情を背景として
なされたものであり、より静電容量の高い電解コンデン
サを得ることができる電解コンデンサ電極用アルミニウ
ム箔を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者ら上記問題点を
解決するべく、鋭意研究を行ったところ、電解エッチン
グの際に起こる結晶粒界での過溶解は、箔の中に含まれ
ている特定の元素、即ち特にGaが結晶粒界に偏在する
ため、粒界が過度に腐食され、よって溶解量が増大する
ことが原因になっていることが判明した。そこで、上記
粒界腐食を抑制するために熟慮検討したところ、アルミ
ニウム箔表面にGa濃縮層を設けることによって、粒界
腐食が抑制されるとともに結晶粒内での均一エッチング
性が得られ、表面積が効果的に拡大されることを見出
し、本発明をするに至ったものである。
【0005】すなわち、本発明の電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔は、純度が99.85〜99.992w
t%の純アルミニウムからなり、かつ表面から深さ5〜
15nmまでの限られた範囲が平均で0.015〜10
wt%のGaを含むGa濃縮層であることを特徴とす
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアルミニウム箔は、特定
の製造工程を経て粗面化処理、化成処理等がなされる。
濃縮層を最表面より5nm〜15nmの範囲に制限した
理由は、5nm未満であると、均一エッチングの効果が
十分に得られず不均一なピットの発生が認められるため
であり、一方、15nmを越えると、全面腐食の形態に
なり、かえって表面積拡大の効果が低減するため5nm
〜15nmの範囲に限定する。
【0007】また、濃縮層の平均Ga濃度を0.015
%以上とした理由は、0.015%未満度では、均一エ
ッチングの効果が得られないためであり、また、10%
以下とした理由は、10%を越えると全面溶解の形態に
なり、表面が平滑性を帯び所望の表面積拡大率が得られ
ないためである。なお、同様の理由で平均濃度の下限を
0.05%、上限を5%とするのが望ましく、さらに、
下限を0.2%、上限を2%とするのが一層望ましい。
なお、濃縮層の濃度分布では、上記各上下限値が最小値
または最大値となるのが望ましい。さらに、平均濃度が
0.05%以上の場合には、最小値を0.015%以上
とするのが望ましく、平均濃度が5%以下の場合には最
大値を10%以下とするのが望ましく、平均濃度が0.
2%以上の場合には、最小値を0.1%以上とするのが
望ましく、平均濃度が2%以下の場合には最大値を4%
以下とするのが望ましい。
【0008】なお、本発明のアルミニウム箔のGa濃度
は、上記したGa濃縮層を除いた他部では、0.015
%未満であり、さらに10〜120ppmであるのが望
ましい。この場合、濃縮層と他部との間には、0.01
5%〜120ppmの範囲でGaを含む若干の遷移層を
存在させることも可能である。一般に、純アルミニウム
においても不純物として僅かにGaを含んでいるが、本
発明では、その中でも10〜120ppmの濃度でGa
を含む純アルミニウムを原料とするのが望ましい。その
理由は、後述する化学溶解によって生地中のGaを利用
して所望の濃度のGa濃縮層を形成するために上記濃度
範囲が必要となるためである。具体的にはここで生地中
のGa濃度が10ppm未満であると十分な濃度のGa
濃縮層が得られず、また、Ga濃度が120ppmを越
えると、得られるGa濃縮層のGa濃度が高くなりすぎ
るためである。なお、同様の理由で、下限を15pp
m、上限を100ppmとするのが望ましい。
【0009】上記構成の箔を製造する方法の一つとして
以下の方法が示される。すなわち、カセイソーダなどの
アルカリ性水溶液を用いて圧延材(硬質)を化学溶解す
る方法であり、その化学溶解量は厚みで0.1μm以上
が適切である。なお、この場合に重要なことは、溶解を
緩やかに進行させることであり、これによりアルミニウ
ム生地中に含まれていたGaが残存しながらアルミニウ
ム生地が優先的に溶出し、よってアルミニウム箔の表面
層にGa濃縮層を形成することができる。溶解速度を過
度に早めない方法としては、使用するアルカリ性水溶液
の温度を必要以上に上げず、また浸漬時間も短時間にす
ることが挙げられる。このように化学溶解によってGa
を選択的に残存させることができるのは、Gaは固溶し
た状態でアルミニウム生地中に含まれており、カセイソ
ーダによる化学溶解では容易に溶出しないためと考えら
れる。その後、最終焼鈍を行う場合は、非酸化性雰囲気
中において400℃以下の温度で焼鈍すると良い。それ
以上の高温で焼鈍をした場合、折角形成された濃縮層が
消滅してしまう恐れがあるためである。
【0010】Ga濃縮層を設けた本発明のアルミニウム
箔は、粗面化処理すなわち電解エッチングの際に全面に
分散したGa粒子が腐食の起点になり、結晶粒内に均一
にピットが形成される。したがって粒界にピット形成が
集中することもなく、アルミニウム箔に均一かつ高密度
にピットが形成されて表面積が効果的に拡大する。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。常法によ
り製造した99.85%〜99.993%純度のアルミ
ニウム箔(厚0.1mm硬質)を表1に示すように供試
材No.1〜14として用意し、各供試材に対し、焼鈍
前処理として5〜10%濃度のNaOH水溶液を用いて
化学溶解を行った(No.10、13は非処理)。その
後、不活性ガス中で、300℃で数時間加熱する焼鈍を
行い、常温迄冷却した後、粗面化処理に相当する電解エ
ッチングを行った。
【0012】なお、電解エッチングの条件は以下のとお
りである。
【0013】
【表1】
【0014】エッチングを施した供試材について腐食減
量と静電容量とを測定し、また、表面層(10nm厚)
におけるGaの濃度分布を分析した。Gaの分析は、X
PS(Xray Photoelectron Spectroscopy;X線電子分
光法)により原子比率(Ga/Al比)を表面からの深
さ方向について求めた。なお、表面層には酸化皮膜層を
含まないものとした。これらの結果を表2に示す。
【0015】
【表2】
【0016】表2から明らかなように、本発明のアルミ
ニウム箔(発明材)は、表面に適量のGa濃縮層が形成
されており、電解エッチングによって良好な静電容量が
得られ、また腐食減量も過度に多くはならなかった。一
方、比較材のうち表面層のGa濃度が低いNo.10、
11、13、14では、腐食減量が多い割には静電容量
が低く、効率的な粗面化がなされていない。これは、粒
界において化学溶解が過度に進行したためと考えられ
る。また、比較材のうち、表面層のGa濃度が高すぎる
No.12は、腐食減量は減少しているものの静電容量
は十分に向上していない。これは、粒界腐食は避けられ
るもののGa濃度が高すぎるために全面腐食状態にな
り、表面積の拡大が有効になされなかったためと考えら
れる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電解コンデ
ンサ電極用アルミニウム箔によれば、純度が99.85
〜99.992wt%の純アルミニウムからなり、かつ
表面から深さ5〜15nmまでの限られた範囲が平均で
0.015〜10wt%のGaを含むGa濃縮層である
ので、粗面化処理(電解エッチング)の際に、結晶粒内
に高密度にピットが形成され、効率的に静電容量を高め
ることができる。また、この際の腐食減量も最小限です
むので、強度の低下を招くこともない。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度が99.85〜99.992wt%
    の純アルミニウムからなり、かつ表面から深さ5〜15
    nmまでの限られた範囲が平均で0.015〜10wt
    %のGaを含むGa濃縮層であることを特徴とする電解
    コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP31159995A 1995-11-06 1995-11-06 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 Pending JPH09129514A (ja)

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JP31159995A Pending JPH09129514A (ja) 1995-11-06 1995-11-06 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009318A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ
JP2007238994A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Toyo Aluminium Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007009318A (ja) * 2005-05-31 2007-01-18 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ
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