JPH09129159A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JPH09129159A
JPH09129159A JP22537296A JP22537296A JPH09129159A JP H09129159 A JPH09129159 A JP H09129159A JP 22537296 A JP22537296 A JP 22537296A JP 22537296 A JP22537296 A JP 22537296A JP H09129159 A JPH09129159 A JP H09129159A
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JP
Japan
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conductive
transparent film
film
ray tube
conductive transparent
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Application number
JP22537296A
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English (en)
Inventor
Shigemi Hirasawa
重實 平澤
Norikazu Uchiyama
則和 内山
Toshio Tojo
利雄 東條
Hisao Uyama
尚夫 宇山
Hisashi Nose
寿司 能勢
Juichi Igarashi
寿一 五十嵐
Zenjiro Kanzaki
善次郎 神崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性透明膜61 に対する密着性を確保して
導電性透明膜61 の部分的な破損の発生を防ぎ、かつ、
製造コストを安価にすることが可能な陰極線管を提供す
る。 【構成】 パネル部1の前部表面に、導電性透明膜61
及び2酸化シリコン(SiO2 )膜62 からなる帯電防
止膜6を形成し、導電性透明膜61 の端部を導電テープ
7により補強バンド5に接地接続している陰極線管にお
いて、帯電防止膜6と導電テープ7とを接着させる接着
部の少なくとも一部に、2酸化シリコン(SiO2 )膜
2 との密着性が良好な導電フィラー含有のシリコン接
着剤8を介在させる。これにより導電性透明膜61 と導
電テープ7との間の抵抗値が大幅に低下し、シリコン接
着剤8の良好な密着性と相俟って導電性透明膜61 と導
電テープ7との間の放電の発生に伴う導電性透明膜61
の破損を防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管に係わり、特
に、パネル部前面に帯電防止膜等の導電性透明膜を付着
させた場合、この導電性透明膜と接地接続部材との間の
電気的接続を長期間にわたり良好に維持させることが可
能な陰極線管に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管は、内面に螢光面が形
成されているパネル部と、電子銃を収納したネック部
と、パネル部とネック部とを連接するファンネル部とか
らなるガラス製の真空外囲器を備えており、陰極線管の
動作時には、パネル部内面に形成されている螢光面に高
い陽極電圧が印加されるものである。そして、ガラス製
のパネル部を介して螢光面と対向する領域、即ち、パネ
ル部表面には、静電誘導によって螢光面に印加される高
電圧に対応した静電荷が誘起され、陰極線管の操作者等
がパネル部表面に触れたとき、誘起された静電荷に伴う
高電圧によって電撃を与える。
【0003】かかる電撃から陰極線管の操作者等を護る
ため、パネル部表面に導電性透明膜を形成させ、この導
電性透明膜を接地接続することにより、パネル部表面に
誘起された静電荷を接地点に誘導させるようにした陰極
線管の帯電防止手段(電撃防止手段)は、既に開発され
ており、その一例として、特開平2−82434号、特
開平4−174945号等に開示の手段がある。
【0004】ここで、図4は、かかる既知の帯電防止手
段を備えた陰極線管を示す構成図であって、図4(a)
は、その全体構造の概要を示す断面構成図、図4(b)
は、そのパネル部前面の状態を示す部分構成図である。
【0005】図4(a)、(b)において、41はパネ
ル部、42はネック部、43はファンネル部、44は外
装導電膜、45は補強バンド、46は導電性透明膜、4
7は導電性粘着テープ、48は保護テープである。
【0006】そして、パネル部41は、前側内面にカラ
ー螢光膜(図示なし)が形成され、内部にシャドウマス
ク(図示なし)が装着される。ネック部42は、内部に
電子銃(図示なし)が収納される。ファンネル部43
は、パネル部41とネック部42とを連接するのもの
で、外側に偏向ヨーク(図示なし)が装着され、外面に
外装導電膜44が被着される。補強バンド45は、パネ
ル部41の外周に巻回され、導電性透明膜46は、パネ
ル部41の前部表面に形成される。導電性粘着テープ4
7は、導電性透明膜46と補強バンド45を導電接続す
るように複数個所に貼付けられ、保護テープ48は、導
電性透明膜46に対する導電性粘着テープ47の粘着性
を補強するため、導電性粘着テープ47上にそれぞれ貼
付けられる。この場合、導電性透明膜46としては、表
面抵抗が108 Ω/□程度のアンチモンをドープした錫
酸化物(ATO)薄膜が用いられる。
【0007】かかる構成にすれば、陰極線管の動作時
に、パネル部41の前部表面に静電誘導によって静電荷
が誘起されたしても、その静電荷は導電性透明膜46か
ら導電性粘着テープ47を介して接地接続されている補
強バンド45に流れ、操作者等がパネル部41の前部表
面に触れたとしても、操作者等が電撃を受けることがな
いものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記特開平4−174
945号等に開示の手段は、一応、陰極線管のパネル部
41の前部表面に誘起される静電荷に基づいた電撃を防
止することが期待できるものであるが、最近になって、
カラー陰極線管のパネル部の前部表面に付着させる導電
性透明膜46は、いままでのような静電荷に基づいた電
撃を防止するためだけではなく、陰極線管のパネル部4
1の前面から外部に放射される電界や磁界を遮蔽するた
めに利用することが考えられるようになってきた。
【0009】ところが、陰極線管のパネル部41の前部
表面に形成される導電性透明膜46を用いて、パネル部
41の前面から外部に放射される電界や磁界を遮蔽する
ためには、前記特開平4−174945号に開示のよう
に、表面抵抗が108 Ω/□程度のものを用いた場合に
は抵抗値が高過ぎ、表面抵抗が102 乃至105 Ω/□
程度の抵抗値のものが必要になる。
【0010】この場合、前記特開平4−174945号
に開示の手段において、表面抵抗が102 乃至105 Ω
/□程度の抵抗値を持つ導電性透明膜46を陰極線管の
パネル部41の前部表面に形成し、その導電性透明膜4
6を介して補強バンド45に接地接続した場合は、比較
的高い表面抵抗(102 乃至105 Ω/□)を持つ導電
性透明膜46に対して、導電性粘着テープ47における
導電率、付着性、熱伝導性がいずれも不十分であって、
陰極線管の動作時に、導電性透明膜46と導電性粘着テ
ープ47との間にスパッタリングが生じるようになる。
即ち、パネル部41の前部表面における静電荷が誘起さ
れる領域は、導電性透明膜46の全域にわたるので、図
4(a)、(b)に図示されるように、導電性粘着テー
プ47によって導電性透明膜46を部分的に接地接続す
ると、導電性透明膜46に貼付された導電性粘着テープ
47の全域に放電が発生し、このときのスパッタリング
によって導電性透明膜46が部分的に破損されるという
問題を有している。
【0011】もっとも、高級品種のカラー陰極線管で行
われているように、パネル部41の前部表面に形成させ
た導電性透明膜46を、別途設けた導通用端子に導電接
続し、この導通用端子を接地接続すれば、スパッタリン
グによる導電性透明膜46の部分的な破損の発生を避け
ることができるが、このような導通用端子を設ければ、
カラー陰極線管の製造コストがかなり増大してしまうと
いう問題がある。
【0012】また、前記特開平2−82434号に開示
の手段は、陰極線管のパネル部の前部表面に導電性透明
膜を設けるとともに、導電性透明膜の表面に反射防止膜
を構成する絶縁膜を設け、この絶縁膜の一部に接地電極
を設けて、導電性透明膜と接地電極との間にコンデンサ
を形成したもので、粒径が1μm以下の導電性微粒子を
含んだ導電性ペーストを用いて接地電極を構成すること
により、導電性透明膜と接地電極との間の抵抗値を10
6 Ω以下にしているもので、導電性ペーストの構成の一
例として、シリコン系樹脂に黒鉛微粒子を分散したもの
を用いている。
【0013】ところが、特開平2−82434号に開示
の手段は、かかる導電性ペーストを単にバインダ材の一
種として開示しているだけで、シリコン系樹脂である2
酸化珪素(SiO2 )膜に対する密着性や放熱性を確保
するための手段や各種条件等については何等考慮されて
いないものである。
【0014】本発明は、かかる問題点を解決するもの
で、その目的は、導電性透明膜に対する密着性を確保し
て導電性透明膜の部分的な破損の発生を防ぎ、かつ、製
造コストを安価にすることが可能な陰極線管を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等の研究によれ
ば、2酸化シリコン(SiO2 )構造に対して最良の濡
れ性を持つ接着剤は、シリコン接着剤であることを見出
したもので、このような知見に基づいて、本発明がなさ
れたものである。
【0016】即ち、前記目的を達成するために、本発明
の陰極線管は、導電性透明膜に、当該導電性透明膜を接
地接続する導電テープを接着する場合、導電性透明膜と
導電テープとの接着部の少なくとも一部に、導電性透明
膜の最表面部分の2酸化シリコン(SiO2 )構造に対
して良好な濡れ性(密着性)を有する導電フィラー含有
のシリコン接着剤を介在させる手段を具備している。
【0017】前記手段によれば、陰極線管のパネル部の
前部表面に、表面抵抗が108 Ω/□程度の導電性透明
膜を付着したときだけでなく、表面抵抗が102 乃至1
5Ω/□程度の導電性透明膜を付着したときにおいて
も、導電性透明膜と導電フィラー含有のシリコン接着剤
(導電テープ)との間の抵抗値は、これまでの接着剤に
おける抵抗値よりもかなり低くなるばかりか、導電性透
明膜と導電テープとの間の密着性が向上し、接着部分の
熱放散が大きくなるので、導電性透明膜に誘起された静
電荷に基づく高電圧により、導電性透明膜と導電テープ
との間にスパッタリングが生じなくなり、それによって
導電性透明膜の破損の発生を未然に防げる。
【0018】また、前記手段によれば、導電フィラー含
有のシリコン接着剤自体は高価なものでないので、導電
フィラー含有のシリコン接着剤を用いたことにより、陰
極線管の製造コストを増大させることもない。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、陰
極線管は、パネル部の前部表面に導電性透明膜を形成
し、この導電性透明膜の端部を金属性の補強バンドに接
地接続する場合に、導電性透明膜と補強バンドとの接地
経路の少なくとも一部に、2酸化シリコン(SiO2
との密着性が良好な導電フィラー含有のシリコン接着剤
を介在させたものである。
【0020】本発明の実施の形態の一例において、補強
バンドへの接地は導電性テープを介して行われ、この導
電性テープが導電フィラー含有のシリコン接着剤と接し
ているものである。
【0021】本発明の実施の形態の他の例において、導
電フィラーは、黒鉛、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、
アルミニウム(Al)の中から選択した1つのものの微
粒子からなるものである。
【0022】本発明の実施の形態のさらに他の例におい
て、シリコン接着剤は、比抵抗が100Ωcm以下、粘
度が10P乃至1000000Pの範囲内のものであっ
て、その厚さが100μm以上のものである。
【0023】また、本発明の実施の形態の好適例におい
て、導電性透明膜は、表面に2酸化シリコン(Si
2 )膜が形成された帯電防止膜からなるものである。
【0024】かかる本発明の実施の形態によれば、前述
のように、導電性透明膜と導電フィラー含有のシリコン
接着剤(導電テープ)との間の抵抗値は、これまでの接
着剤における抵抗値よりもかなり低くなり、かつ、導電
性透明膜と導電テープとの間の密着性が向上し、接着部
分の熱放散が大きくなるので、導電性透明膜に誘起され
た静電荷に基づく高電圧により、導電性透明膜と導電テ
ープとの間にスパッタリングが生じることがなく、導電
性透明膜の破損の発生を未然に防げる。
【0025】また、本発明の実施の形態によれば、導電
フィラー含有のシリコン接着剤自体は高価でないことか
ら、導電フィラー含有のシリコン接着剤を用いても、陰
極線管の製造コストを増大させることがない。
【0026】さらに、本発明の実施の形態によれば、ガ
ラスの熱伝導率は1.6×10~7乃至2.9×10~7
al/cm・sec・℃であるのに対し、シリコン樹脂
の熱伝導率は2×10~4乃至45×10~4cal/cm
・sec・℃であり、シリコン樹脂は、ガラスに比べて
熱伝導率が高いので、導電性透明膜と導電テープとの間
に導電フィラー含有のシリコン接着剤を介在させること
により放熱作用が良好になり、導電性透明膜と導電テー
プとの間に発生するスパッタリングを防止できる。
【0027】その他に、本発明の実施の形態によれば、
導電性透明膜と導電テープとの間に介在させる導電フィ
ラー含有のシリコン接着剤の厚さを100μm(1/1
0mm)以上にすることにより、導電性透明膜の最表面
部分の2酸化シリコン(SiO2 )構造に対し、良好な
密着性を保持することができるようになり、この点から
も導電性透明膜と導電テープとの間に発生するスパッタ
リングを防止できる。
【0028】一般に、流(液)体中に微粒子を含有する
いわゆるスラリー(導電フィラー含有のシリコン接着
剤)には、揺変性(チクソトロピー)があり、ストレス
が加わっていない(無負荷)状態では高粘度と同等な挙
動を示し、ストレスが加えられた(負荷)状態では低粘
度と同等な挙動を示す性質がある。このような揺変性を
有するスラリーの場合、無負荷状態のとき100P程度
の粘度であっても、負荷状態においては実質的に500
P程度の粘度と同じ動粘性を示すことがある。
【0029】そこで、本発明の実施の形態によれば、導
電性透明膜と導電テープとの間に導電フィラー含有のシ
リコン接着剤を介在させるとき、100μm以上の厚さ
を得るためには、負荷状態において500P程度の粘度
があれば実用上容易に形成することが可能になる。さら
に、シリコン樹脂は、通常、プラスチック容器(チュー
ブ)または専用のカートリッジに充填されており、ノズ
ル(φ1乃至5程度)から押出して使用するのに支障の
ない粘度のものであればよく、粘度の最高値としては、
数万P程度の粘度のものまで使用可能であり、また、大
量に使用する場合は缶入のものを用い、へら等でコーテ
ィングすることを考えれば、1000000P程度の粘
度のものまで塗布可能であり、一方、粘度の最低値とし
ては、塗布したものが流れ落ちない10P程度の粘度の
ものまで塗布可能である。これらの点から、導電フィラ
ー含有のシリコン接着剤の粘度は、10P乃至1000
000P程度の粘度のものが実用的な範囲になる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0031】図1は、本発明に係わる陰極線管の一実施
例の要部を示す構成図であって、図1(a)は、その全
体構造の概要を示す断面構成図、図1(b)は、そのパ
ネル部前面の状態を示す部分構成図であって、陰極線管
がカラー陰極線管である例を示すものである。
【0032】図1(a)、(b)において、1はパネル
部、2はネック部、3はファンネル部、4は外装導電
膜、5は補強バンド、6は帯電防止膜、7は導電テー
プ、8は2酸化シリコン(SiO2 )との密着性が良好
な導電フィラー含有のシリコン接着剤、例えば、黒鉛を
導電フィラーとして含有させたSE5085ECシリコ
ンRTV(商品名、以下、これを導電フィラー含有のシ
リコン接着剤という)である。
【0033】そして、パネル部1は、前部内表面にR
(赤)、G(緑)、B(青)の螢光膜(図示なし)が形
成され、内部に螢光膜に対向してシャドウマスク(図示
なし)が装着される。ネック部2は、内部に電子銃(図
示なし)が収納される。ファンネル部3は、パネル部1
とネック部2とを連接するもので、外側に偏向ヨーク
(図示なし)が装着され、外面に外装導電膜4が被着さ
れている。補強バンド5は、パネル部1の外周に巻回さ
れ、帯電防止膜6は、パネル部1の前部表面の全域を覆
うように形成される。導電テープ7は、帯電防止膜6と
補強バンド5を導電接続するように複数個所(図1に図
示の例では2個所)に貼付けられ、導電フィラー含有の
シリコン接着剤8は、導電性透明膜6と導電テープ7と
の接着部の少なくとも一部に介在される。
【0034】次に、図2は、図1(a)、(b)に図示
の実施例において、導電フィラー含有のシリコン接着剤
8を介在させる場合の第1の例を示す部分的に拡大した
断面構成図である。
【0035】図2において、図1(a)、(b)に示さ
れた構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付け
ている。
【0036】第1の例において、帯電防止膜6は、導電
性透明膜61 と2酸化シリコン(SiO2 )膜62 の積
層体によって構成されているもので、2酸化シリコン
(SiO2 )膜62 は、反射防止の目的で設けられると
ともに、剥離し易い導電性透明膜61 を保護する目的で
設けられているものである。
【0037】この第1の例においては、導電性透明膜6
1 と補強バンド5との間を導電テープ7によって導電接
続する場合、導電テープ7の略中央部付近に当たる帯電
防止膜6の端縁部付近に導電フィラー含有のシリコン接
着剤8を付着させている。このとき、導電フィラー含有
のシリコン接着剤8は、厚さが100μm以上、比抵抗
が100Ωcm以下、粘度が10P乃至1000000
Pの範囲内のものである。このようにシリコン接着剤8
を介在させることにより、帯電防止膜6の最表面部分に
ある2酸化シリコン(SiO2 )膜62 に対して良好な
密着性を発揮させることができ、また、導電フィラー含
有のシリコン接着剤8の付着部分における帯電防止膜6
と導電テープ7との間の抵抗値が低下することによっ
て、導電性透明膜61 と導電テープ7との間に発生する
スパッタリングを防止できる。
【0038】かかる構成によれば、陰極線管の動作時
に、パネル部1の前部表面に静電誘導によって静電荷が
誘起されたしても、その静電荷は、帯電防止膜6におけ
る導電フィラー含有のシリコン接着剤8の付着部分から
導電テープ7に伝わり、導電テープ7から接地接続され
た補強バンド5に流れるので、操作者等がパネル部1の
前部表面に触れたとしても、操作者等が電撃を受けるこ
とがない。
【0039】この第1の例において、導電性透明膜61
と導電性フィラー含有のシリコン接着剤8とは、導電性
フィラー含有のシリコン接着剤8と導電性透明膜61
の間に2酸化シリコン(SiO2 )膜62 を絶縁層とす
るコンデンサが形成されるので、直に接していなくても
所期の機能を発揮させることができる。
【0040】また、この第1の例において、導電性透明
膜61 の全域に静電荷が蓄積されることから、導電性透
明膜61 を導電テープ7を介して補強バンド5に接続
(接地接続)した場合は、導電テープ7の先端部でスパ
ッタリングが起り、導電テープ7の先端部に対向した導
電性透明膜61 の一部を破損する可能性があるが、スパ
ッタリングが発生したとしても、このスパッタリングが
発生した導電性透明膜61 の部位の抵抗は徐々に大きく
なり、一方、シリコン樹脂は熱伝導率が2×10~4乃至
45×10~4cal/cm・sec・℃であるため、シ
リコン樹脂の優れた熱伝導性により、導電性透明膜61
の破損消失を防止することができる。
【0041】続く、図3は、図1(a)、(b)に図示
の実施例において、導電フィラー含有のシリコン接着剤
8を介在させる場合の第2の例を示す部分的に拡大した
断面構成図である。
【0042】図3において、図1(a)、(b)に示さ
れた構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付け
ている。
【0043】第2の例においても、帯電防止膜6は、導
電性透明膜61 と2酸化シリコン(SiO2 )膜62
積層体によって構成されているもので、2酸化シリコン
(SiO2 )膜62 は、反射防止の目的で設けられると
ともに、剥離し易い導電性透明膜61 を保護する目的で
設けられているものである。
【0044】この第2の例においては、帯電防止膜6と
補強バンド5との間を導電テープ7により導電接続する
場合、導電テープ7の一端部付近に当たる帯電防止膜6
上に導電フィラー含有のシリコン接着剤8を付着させて
いるもので、導電フィラー含有のシリコン接着剤8の付
着部分における導電性透明膜61 と導電テープ7との間
の抵抗値を低下させ、しかも、2酸化シリコン(SiO
2 )膜62 と導電テープ7との密着性を向上させるよう
にしているものである。
【0045】かかる構成によれば、第1の例と同様に、
陰極線管の動作時に、パネル部1の前部表面に静電誘導
によって静電荷が誘起されたしても、その静電荷は、導
電性透明膜61 における導電フィラー含有のシリコン接
着剤8の付着部分から導電テープ7に伝わり、導電テー
プ7から接地接続された補強バンド5に流れる。これ
は、導電性透明膜61 と導電フィラー含有のシリコン接
着剤8との間に2酸化シリコン(SiO2 )膜62 を絶
縁層とするコンデンサが形成されるためである。そし
て、第2の例においては、最もスパッタリングの起き易
い導電テープ7の端部に導電フィラー含有のシリコン接
着剤8を用いているため、導電性透明膜61 が損傷を受
けることがなくなり、良好な状態に接地接続することが
できるもので、操作者等がパネル部1の前部表面に触れ
ても、操作者等が電撃を受けることがない。
【0046】また、第2の例においても、比抵抗が10
0Ωcm以下で、粘度が10P乃至1000000Pの
範囲内である導電フィラー含有のシリコン接着剤8を用
いているため、導電フィラー含有のシリコン接着剤8の
厚さを容易に100μm以上に形成することができ、ま
た、シリコン樹脂の熱伝導率が2×10~4乃至45×1
0~4cal/cm・sec・℃であるため、シリコン樹
脂の優れた熱伝導性が発揮されて、導電性透明膜61
破損消失を防止することができる。
【0047】前記第1の例及び第2の例においては、導
電フィラー含有のシリコン接着剤8が黒鉛の微粒子を導
電フィラーとして含有させたSE5085ECシリコン
RTVである場合を例に挙げて説明したが、本発明によ
る導電フィラー含有のシリコン接着剤8は、かかるSE
5085ECシリコンRTVである場合に限られず、前
述の組成及び性質のものであれば、2酸化シリコン(S
iO2 )との密着性が良好な他の導電フィラー含有のシ
リコン接着剤であっても構わない。この場合、導電フィ
ラー含有のシリコン接着剤8における導電フィラーとし
ては、黒鉛の微粒子の他に、例えば、銀(Ag)の微粒
子、ニッケル(Ni)の微粒子、アルミニウム(Al)
の微粒子を用いることができる。
【0048】また、前記第1の例及び第2の例において
は、導電フィラー含有のシリコン接着剤8の比抵抗を1
00Ωcm以下に選択しているが、その中でも、比抵抗
を20Ωcm以下に選択することが好ましい。
【0049】このように、本実施例によれば、陰極線管
のパネル部1の前部表面に形成した帯電防止膜6を、導
電フィラー含有のシリコン接着剤8を介して導電テープ
7に接着するようにしたので、帯電防止膜6と導電フィ
ラー含有のシリコン接着剤8との間の抵抗値、即ち、帯
電防止膜6と導電テープ7との間の抵抗値を大幅に低減
できるようになり、帯電防止膜6と導電テープ7との密
着性が向上し、帯電防止膜6と導電テープ7との接着部
分の熱放散を高めることができる等の理由により、帯電
防止膜6に誘起された静電荷に基づく高電圧と導電テー
プ7との間に、帯電防止膜6の透明性導電膜61 を破損
に導くようなスパッタリングが生じなくなり、透明性導
電膜61 の破損の発生を未然に防ぐことができる。
【0050】なお、前記実施例においては、陰極線管が
カラー陰極線管である場合を例に挙げて説明したが、本
発明による陰極線管は、カラー陰極線管に限られるもの
でなく、モノクロタイプの陰極線管であってもよい。
【0051】また、前記実施例においては、導電性透明
膜61 がATO膜である場合を例に挙げて説明したが、
本発明による導電性透明膜61 は、ATO膜に限られる
ものでななく、他の同種のもの、例えば、ITO(In
dium Tin Oxide)膜であってもよい。
【0052】さらに、前記実施例においては、補強バン
ド5上に導電テープ7を貼付することを前提にして説明
してきたが、陰極線管の中には、パネル部1の外周と補
強バンド5との間、即ち、補強バンド5の下側に補強バ
ンド5の幅よりも広幅な導電性の補強テープ(図示な
し)が巻かれており、しかも、その導電性の補強テープ
が帯電防止膜6の周辺部の上側領域にまで延在している
ものがある。このような構成の陰極線管においても、帯
電防止膜6とそれに重なり合った導電性の補強テープと
の間に、2酸化シリコン(SiO2 )との密着性が良好
な導電フィラー含有のシリコン接着剤を介在させれば、
導電性透明膜61 を導電性の補強テープを通して補強バ
ンド5に接地接続させることができ、この場合は導電テ
ープ7を別途貼付する必要がない。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、陰極線
管のパネル部の前部表面に形成した導電性透明膜と、こ
の導電性透明膜を接地接続する導電テープとの間に、2
酸化シリコン(SiO2 )との密着性が良好な導電フィ
ラー含有のシリコン接着剤を介在させているので、導電
性透明膜と導電フィラー含有のシリコン接着剤との間の
抵抗値、即ち、導電性透明膜と導電テープとの間の抵抗
値を大幅に低減することができるとともに、導電性透明
膜と導電テープとの密着性が向上し、導電性透明膜と導
電テープとの接着部分の熱放散を高まり、帯電防止膜に
誘起された静電荷に基づく高電圧と導電テープとの間
に、導電性透明膜を破損に導くようなスパッタリングが
生じなくなり、導電性透明膜の破損の発生を未然に防
ぎ、陰極線管のパネル部の前部表面に接触しても電撃を
受けることがないという効果がある。
【0054】また、本発明によれば、導電性透明膜と導
電テープとの間に導電フィラー含有のシリコン接着剤を
介在させているだけであり、しかも、導電フィラー含有
のシリコン接着剤自体が高価なものではないので、導電
フィラー含有のシリコン接着剤を用いても、陰極線管の
製造コストが高価にならないという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるカラー陰極線管の一実施例の要
部を示す構成図である。
【図2】図1に図示の実施例において、導電フィラー含
有のシリコン接着剤を介在配置させる場合の第1の例を
示す部分的に拡大した断面構成図である。
【図3】図1に図示の実施例において、導電フィラー含
有のシリコン接着剤を介在配置させる場合の第2の例を
示す部分的に拡大した断面構成図である。
【図4】既知の帯電防止型カラー陰極線管の一例を示す
構成図である。
【符号の説明】
1 パネル部 2 ネック部 3 ファンネル部 4 外装導電膜 5 補強バンド 6 帯電防止膜 61 導電性透明膜 62 2酸化シリコン(SiO2 )膜 7 導電テープ 8 2酸化シリコン(SiO2 )との密着性が良好な導
電フィラー含有のシリコン接着剤(導電フィラー含有の
シリコン接着剤)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管に係わ
り、特に、パネル部前面に帯電防止膜等の導電性透明膜
を付着させた場合、この導電性透明膜と接地接続部材と
の間の電気的接続を長期間にわたり良好に維持させるこ
とが可能な陰極線管に関する。
フロントページの続き (72)発明者 東條 利雄 千葉県茂原市早野3681番地 日立デバイス エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 宇山 尚夫 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 能勢 寿司 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 五十嵐 寿一 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 神崎 善次郎 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル部の前部表面に導電性透明膜を形
    成し、この導電性透明膜の端部を金属性の補強バンドに
    接地接続している陰極線管において、前記導電性透明膜
    と前記補強バンドとの接地経路の少なくとも一部に、2
    酸化シリコン(SiO2 )との密着性が良好な導電フィ
    ラー含有のシリコン接着剤を介在させていることを特徴
    とする陰極線管。
  2. 【請求項2】 前記補強バンドへの接地は導電性テープ
    を介して行われ、前記導電性テープが前記導電フィラー
    含有のシリコン接着剤と接していることを特徴とする請
    求項1に記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 前記導電フィラーは、黒鉛、銀(A
    g)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)の中か
    ら選択した1つのものの微粒子であることを特徴とする
    請求項1乃至2のいずれかに記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 前記シリコン接着剤は、比抵抗が100
    Ωcm以下、粘度が10P乃至1000000Pの範囲
    内のものであって、その厚さが100μm以上であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の陰極
    線管。
  5. 【請求項5】 前記導電性透明膜は、表面に2酸化シリ
    コン(SiO2 )膜が形成された帯電防止膜であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の陰極線
    管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6797876B2 (en) 2001-03-14 2004-09-28 Hitachi, Ltd. Image display device

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