JPH09127284A - 原子炉の点検補修装置及び方法 - Google Patents

原子炉の点検補修装置及び方法

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JPH09127284A
JPH09127284A JP7283890A JP28389095A JPH09127284A JP H09127284 A JPH09127284 A JP H09127284A JP 7283890 A JP7283890 A JP 7283890A JP 28389095 A JP28389095 A JP 28389095A JP H09127284 A JPH09127284 A JP H09127284A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉圧力容器内の炉水を排出することなく
炉内を点検し、補修することができる原子炉の点検補修
装置を提供する。 【解決手段】 中空体よりなる水密容器と、この水密容
器に形成された開口部と、この開口部の周囲に設けられ
たシール装置と、前記水密容器に設けられたシリンダ
と、前記水密容器の内部を気相状態にするための気相形
成手段とを備えている。そして、前記シリンダの出力軸
の先端部を炉内構造物に押圧し、その反力によって前記
シール装置の先端部を原子炉圧力容器の内周面に押圧し
て前記水密容器の内部を前記原子炉圧力容器の内部から
水密に隔離し、前記気相形成手段によって前記水密容器
の内部を気相状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の点検補修
装置及び方法に係わり、特に、原子炉圧力容器の内部の
炉水を排出することなく炉内の点検補修を行うことがで
きる原子炉の点検補修装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水炉の一種である沸騰水型原子炉は、
例えば図8に示したような構成を備えている。図8にお
いて符号60は原子炉を示し、この原子炉60は取り外
し可能な上蓋61を有する原子力圧力容器62を備えて
いる。原子炉圧力容器62の内部には複数の柱状の燃料
集合体63、63…63よりなる炉心64が設けられて
おり、各燃料集合体63は複数の細長の燃料棒(図示を
省略)を備え、各燃料棒は二酸化ウランペレットを燃料
被覆管で覆うようにして構成されている。炉心64の上
方には気水分離器65が設けられており、この気水分離
器65の上方には蒸気乾燥器66が設けられている。ま
た、燃料集合体63、63…63の間隙にはその長手方
向に移動自在の複数の制御棒67、67…67が挿入さ
れており、これらの制御棒67、67…67は制御棒駆
動機構(CRD)68によって上下方向に駆動される。
制御棒駆動機構68は制御棒67、67…67に接続さ
れたロッド69、69…69を備えており、これらのロ
ッド69、69…69は原子炉圧力容器62の下部から
貫通して延びる円筒状のハウジング(圧力容器貫通ハウ
ジング)70、70…70の内部に挿入されている。こ
れらのハウジング70、70…70の下端部には、制御
棒駆動機構本体を取り付けるために、ハウジング70の
外径よりも大きな径よりなるフランジ71、71…71
が形成されている。
【0003】炉心64の周囲には略円筒状の炉心シュラ
ウド72が周設されており、この炉心シュラウド72と
原子炉圧力容器62の内壁との間隙には複数のジェット
ポンプ73、73…73が周設されている。原子炉圧力
容器62の側周壁には再循環水入口ノズル74及び再循
環水出口ノズル75が容器壁を貫通して設けられてお
り、これらの再循環水入口及び出口ノズル74、75は
原子炉圧力容器62の外部に設けられた再循環ループ7
6によって連結されている。この再循環ループ76の一
端部は再循環水入口ノズル74を経由してジェットポン
プ73のノズル73aに対向しており、また、再循環ル
ープ76の途中には再循環ポンプ77が介装されてい
る。
【0004】原子炉圧力容器62の側周壁には主蒸気出
口ノズル79が容器壁を貫通して設けられており、この
主蒸気出口ノズル79には主蒸気配管81が接続されて
いる。また、原子炉圧力容器62の側周壁には、水位計
装用の圧力容器貫通ノズル78が貫通して設けられてい
る。図9はこの圧力容器貫通ノズル78付近の詳細を示
しており、図9から分かるように原子炉圧力容器62の
内壁面にはステンレス鋼よりなる肉盛り部82が溶接に
よって形成されている。圧力容器貫通ノズル78の炉心
64側の端部は耐熱性、耐食性に優れたインコネル合金
よりなる溶接部83が形成されている。
【0005】原子炉圧力容器62の内部は、炉心64が
十分に冠水する位置まで炉水(軽水)Wで満たされてお
り、この炉水Wは原子炉60の減速材及び冷却材の機能
を有している。
【0006】また、原子炉圧力容器62の上方には、図
10に示したように主として燃料集合体63の交換や配
置替えを行うための燃料交換機84が設けられている。
この燃料交換機84を用いて燃料集合体63の交換等を
実施する際には、原子炉圧力容器62の上蓋61を取り
外して行う。
【0007】上述したような構成を備えた沸騰水型原子
炉においては、燃料集合体63を構成する燃料棒の中の
ウランの核分裂反応によって熱が発生し、この熱によっ
て炉水Wが加熱されて沸騰する。沸騰した炉水Wは気水
分離器65によって水蒸気と水に分離され、分離された
水蒸気は蒸気乾燥器66によって乾燥された後に主蒸気
出口ノズル79及び主蒸気配管81を介して蒸気タービ
ン(図示を省略)へ送られる。蒸気タービンに送られた
水蒸気は蒸気タービンを回した後に復水器(図示を省
略)によって凝縮され、給水配管(図示を省略)及び給
水ノズル(図示を省略)を介して原子炉圧力容器62の
内部に環流される。また、再循環ポンプ77によってジ
ェットポンプ73のノズル73aに圧送された炉水W
は、ジェットポンプ73によって加圧されて炉心64の
下部に入り、流れを上向きに変えて炉心64の内部に流
入する。このようにジェットポンプ73を用いることに
よって炉水Wを効率的に循環させることができる。ま
た、制御棒駆動機構68は、例えば水圧駆動でロッド6
9、69…69を上下動させて制御棒67、67…67
を挿入し又は引き抜くことによって、核分裂によって放
出された中性子を適宜吸収して原子炉60の出力を制御
する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、例えば圧力
容器貫通ノズル78の材料としてオーステナイト系ステ
ンレス鋼(SUS304等)を使用している場合、圧力
容器貫通ノズル78と原子炉圧力容器62との溶接部分
又は溶接部近傍の圧力容器貫通ノズル78に一定条件下
で応力腐蝕割れ(SCC)が発生する可能性がある。こ
の応力腐蝕割れは、材料の鋭敏化(溶接の熱影響によっ
て結晶粒界近傍にクロム欠乏層を生じ、耐食性が劣化す
る現象)、溶接部に生じる溶接残留応力、及び微量の溶
存酸素を含む高温の炉水環境の3つの要因が重畳した場
合に発生する恐れがある。したがって、応力腐蝕割れ
は、前記3つの因子を軽減するか、1つ以上を消去する
ことによって防止することが可能であり、既に種々の対
策が講じられている。また、上記応力腐蝕割れ以外に
も、何らかの原因によって圧力容器貫通ノズル78の内
面等に錆やクラック等が発生する可能性がある。
【0009】従来、上述した応力腐蝕割れやその他の原
因によって圧力容器貫通ノズル78等に割れが発生した
場合、補修作業を行うためには原子炉圧力容器62の内
部の炉水Wを炉外に排出する必要があった。そして、炉
水Wを排出した後に、原子炉圧力容器62の外側から作
業員が配管の切断等の作業を行っていた。
【0010】このように従来の補修作業は、原子炉圧力
容器62の内部の炉水Wを外部に排出した後に実施しな
ければならなかったために、作業時間が長時間に及ぶば
かりでなく、炉水Wによる放射線の遮蔽効果が失われる
ために作業環境における線量率が増加し、作業員の許容
被曝線量との関係から作業を迅速に行うことが極めて困
難であった。
【0011】本発明は上述した事情を考慮した成された
ものであって、例えば圧力容器貫通ノズルの内面や溶接
部分に欠陥が発生した場合において、原子炉圧力容器内
の炉水を排出することなく炉内を点検し、補修すること
ができる原子炉の点検補修装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る原子炉の点検補修装置は、中空体よりなる水密容器
と、この水密容器に形成された開口部と、この開口部の
周囲に設けられたシール装置と、前記水密容器に設けら
れたシリンダと、前記水密容器の内部を気相状態にする
ための気相形成手段とを備え、前記シリンダの出力軸の
先端部を炉内構造物に押圧し、その反力によって前記シ
ール装置の先端部を原子炉圧力容器の内周面に押圧して
前記水密容器の内部を前記原子炉圧力容器の内部から水
密に隔離し、前記気相形成手段によって前記水密容器の
内部を気相状態にするようにしたことを特徴とする。
【0013】請求項2記載の発明による原子炉の点検補
修装置は、前記気相形成手段は、前記水密容器の内部に
圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、前記水密容器
の内部の炉水及び前記圧縮空気供給手段から供給された
圧縮空気を排出する排出手段とを備えていることを特徴
とする。
【0014】請求項3記載の発明による原子炉の点検補
修装置は、前記水密容器の内部に液体浸透検査装置を備
え、この液体浸透検査装置は、検査用の液体を噴霧する
液体噴霧装置と、欠陥を確認するためのブラックライト
及びカメラ装置とを有し、前記液体噴霧装置は噴霧方向
を調整するための移動機構を有することを特徴とする。
【0015】請求項4記載の発明による原子炉の点検補
修装置は、炉心シュラウドのシュラウドヘッドボルトブ
ラケットに係合しうる位置決めピンを有する位置決め用
吊り装置を備え、前記位置決めピンを前記シュラウドヘ
ッドボルトブラケットに係合させることによって所定位
置に位置決めするようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項5記載の発明による原子炉の点検補
修装置は、気相状態にある前記水密容器の内部を加熱す
るための加熱手段を有することを特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明による原子炉の点検補
修装置は、前記シール装置の先端部を前記原子炉圧力容
器の内周面の湾曲形状に対応するように形成し、この先
端部にリップシールを設けたことを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明による原子炉の点検補
修方法は、請求項4記載の原子炉の点検補修装置を前記
位置決め用吊り装置を介して燃料交換機のホイストに吊
り下げ、前記ホイストを操作して前記位置決めピンを前
記シュラウドヘッドボルトブラケットに係合させて所定
位置に位置決めし、前記シリンダを作動してその出力軸
の先端部を前記炉心シュラウドの外周面に押圧して前記
水密容器の内部を前記原子炉圧力容器の内部から水密に
隔離し、前記気相形成手段によって前記水密容器の内部
を気相状態にすることを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明による原子炉の点検補
修方法は、請求項7記載の原子炉の点検補修方法におい
て、前記炉心シュラウドの外周面と前記原子炉圧力容器
の内周面との間隙に放射線遮蔽体を設け、この放射線遮
蔽体と前記原子炉圧力容器の内周面との間隙の所定位置
に前記点検補修装置を配置し、前記シリンダを作動して
その出力軸の先端部を前記放射線遮蔽体に押圧して前記
水密容器の内部を前記原子炉圧力容器の内部から水密に
隔離するようにしたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】第1の実施形態 以下、本発明による原子炉の点検補修装置及び方法の第
1実施形態について図面を参照して説明する。なお、上
述した従来技術と同一部材には同一符号を付して詳細な
説明は省略する。
【0021】図1及び図2において符号1は本実施形態
による原子炉の点検補修装置を示し、この点検補修装置
1は中空部材によりなる水密容器2を備えており、この
水密容器2の一面には円形の開口3が形成されている。
この開口3の周縁には短筒状のシール装置4が突設され
ており、この短筒状のシール装置4の先端部は原子炉圧
力容器62の内壁の曲面形状に対応する形状を備えてい
る。また、シール装置4の先端縁には弾性体よりなるリ
ップシール5が設けられており、原子炉圧力容器62の
内壁の曲面形状に対応して水密に密着しうるようになっ
ている。
【0022】水密容器2の両側面には台座6がそれぞれ
固着されており、これらの台座6にはそれぞれ上下一対
のシリンダ7がボルト8によって締結固定されている。
これらのシリンダ7のピストンロッド9の先端部には球
状の回転自在部材10が取り付けられており、これらの
回転自在部材10はピストンロッド9を進出させること
によって炉心シュラウド72の外周面に押圧されるよう
になっている。ピストンロッド9は、シリンダ7に形成
された供給口11から水又は空気を圧入することによっ
て駆動される。
【0023】水密容器2の内部の中央部には、水中テレ
ビカメラ12がOリング13、14によって気密に固設
されている。また、水密容器2の内部には、ベースプレ
ート15が上下動自在に設けられており、このベースプ
レート15にはナット部16が固着されている。このナ
ット部16には螺旋棒17が螺合されており、この螺旋
棒17は駆動ベルト18を介して電動モータ19によっ
てその位置で回転されるようになっている。
【0024】ベースプレート15には縦長の開口20が
上方にやや偏椅して形成されており、この縦長の開口2
0の中に上記水中テレビカメラ12の先端部が挿通され
ている。この水中テレビカメラ12の先端部の側方に位
置するようにして、上下一対の2組のスプレイノズル2
1、21、21、21がベースプレート15に配設され
ており、これらのスプレイノズル21、21、21、2
1からは液体浸透検査用の洗浄液、浸透液及び現像液が
噴霧されるようになっている。ベースプレート15には
現像後に欠陥の有無を確認するための第1のブラックラ
イト22a、22a及び第2のブラックライト22b、
22bが配設されている。なお、第1のブラックライト
22aと第2のブラックライト22bとは視野領域等が
異なるものであり、対象物の状態等に応じて適宜使い分
けることができる。ベースプレート15の下方には、水
密容器2の内部及び気相空間にある原子炉圧力容器62
や圧力容器貫通ノズル78の内壁における結露を防止す
るために一対のヒータ23、23が設けられている。な
お、この結露の防止は、溶接補修時の割れの発生を防
ぎ、また補修箇所に吹き付けられた洗浄液等の流出を防
ぐ上で有効である。
【0025】水密容器2の下部には水密容器2の内部の
水を排出するための排出口24が設けられ、一方、水密
容器2の上部には圧縮空気を供給するための供給口25
が設けられている。排出口24は、水密容器2の内部の
水及び供給口25から供給された空気を排出するための
真空ポンプ(図示を省略)に接続されており、一方、供
給口25は、水密容器2の内部に圧縮空気を供給するた
めの圧縮空気供給手段(図示を省略)に接続されてい
る。
【0026】図3及び図4は、上述した本実施形態によ
る原子炉の点検補修装置1を原子炉圧力容器62の内周
面と炉心シュラウド72の外周面との間に配置した状態
を示している。点検補修装置1には位置決め用吊り装置
30が取り付けられており、この位置決め用吊り装置3
0は燃料交換機84(図10参照)の補助ホイスト(図
示を省略)に吊り下げられている。位置決め用吊り装置
30にはプレート31が設けられており、このプレート
31には一対の位置決めピン32、32が下向きに固着
されている。これらの位置決めピン32、32は、炉心
シュラウド72に固着された一対のシュラウドヘッドボ
ルトブラケット85、85に係合できるように配置され
ている。
【0027】次に、本実施形態の作用について説明す
る。まず、原子炉圧力容器62の内部が炉水Wで満たさ
れた状態で、図3及び図4に示したように、燃料交換機
84の補助ホイストに位置決め用吊り装置30を介して
点検補修装置1を原子炉圧力容器62の内部に吊り下
げ、原子炉圧力容器62の内部の配管86、86等を避
けながら、原子炉圧力容器62の内周面と炉心シュラウ
ド72の外周面との間隙に移動させる。そして、補助ホ
イストを操作しながら点検補修装置1の位置を調整し、
位置決め用吊り装置30のプレート31に固着された一
対の位置決めピン32、32を炉心シュラウド72に設
けられた一対のシュラウドヘッドボルトブラケット8
5、85に係合させる。すると、点検補修装置1はその
中心が圧力容器貫通ノズル78の中心にほぼ対応するよ
うにして位置決めされるので、次に水中テレビカメラ1
2によって観察しながら補助ホイストを操作して点検補
修装置1の位置を微調整し、水中テレビカメラ12が圧
力容器貫通ノズル78の正面に位置するようにする。
【0028】このようにして点検補修装置1を所定の位
置に移動させたら、4個のシリンダ7、7、7、7を作
動させ、炉心シュラウド72の外周面に向かってピスト
ンロッド9、9、9、9を進出させる。すると、ピスト
ンロッド9の先端に設けられた球状の回転自在部材10
が炉心シュラウド72の外周面に押圧される。そして、
回転自在部材10は炉心シュラウド72の外周面上を転
動できるので、図5に示したように湾曲した外周面に対
しても安定した接触面が得られる。回転自在部材10が
炉心シュラウド72の外周面に押圧されると、シリンダ
7に対して反力が発生し、この反力によって点検補修装
置1の全体が原子炉圧力容器62の方向に押される。す
ると、水密容器2に突設されたシール装置4の先端縁に
周設された弾性体よりなるリップシール5が原子炉圧力
容器62の内周面に押圧され、水密容器2の内部が密閉
されて外部と水密に隔離される。
【0029】このようにして水密容器2の内部が密閉さ
れたら、水密容器2の内部の炉水Wを排出口24を介し
て真空ポンプ(図示を省略)によって排出しながら、供
給口25を介して圧縮空気供給手段(図示を省略)から
圧縮空気を導入する。すると、水密容器2の内部は圧縮
空気で満たされて気相空間が形成される。気相空間が形
成されたら、ヒータ23、23を作動させて水密容器2
の内部の結露を防止する。また、気相空間形成後も、真
空ポンプによる排気と圧縮空気供給手段による圧縮空気
の導入とを継続して行い、水密容器2の内部に空気が滞
留しないようにして結露を防止する。
【0030】このようにして水密容器2の内部の炉水W
を排出して気相空間を形成したら、液体浸透法によって
圧力容器貫通ノズル78及びその周辺の欠陥の有無を点
検する。すなわち、スプレイノズル21、21、21、
21から圧力容器貫通ノズル78及びその周辺に対して
液体浸透検査用の洗浄液、浸透液及び現像液を噴霧し、
現像後に欠陥の有無をブラックライト22、22、2
2、22を用いて水中テレビカメラ12によって点検す
る。ここで、電動モータ19を駆動してベースプレート
15を上下に移動させることによって、スプレイノズル
21、21、21、21及びブラックライト22、2
2、22、22の上下方向の位置を適宜調整し、水中テ
レビカメラ12が噴霧液によって汚損されないようにし
ながら適切な画像が得られるようにする。
【0031】そして、欠陥が確認された場合には、水密
容器2の内部に気相空間を維持しつつ、圧力容器貫通ノ
ズル78の補修・交換作業を実施する。この作業におい
て、圧力容器貫通ノズル78の周辺には点検補修装置1
によって気相空間が形成されているので、例えば圧力容
器貫通ノズル78を原子炉圧力容器62から切断して取
り外した場合でも、原子炉圧力容器62の内部の炉水が
外部に漏洩するようなことはない。そして、補修作業が
終了したら、再びスプレイノズル21、21、21、2
1から補修箇所に対して液体浸透検査用の洗浄液、浸透
液及び現像液を噴霧し、現像後に欠陥の有無をブラック
ライト22、22、22、22を用いて水中テレビカメ
ラ12によって点検する。なお、液体浸透検査は、補修
作業前には実施せずに補修後にのみ行うようにすること
もできる。
【0032】以上述べたように本実施形態によれば、原
子炉圧力容器62の内部が炉水Wで満たされている状態
において圧力容器貫通ノズル78及びその周辺の点検補
修作業を実施することができるので、作業を短時間で確
実に行えるばかりでなく、作業員の放射線被曝量を大幅
に低減させることができる。
【0033】第2の実施形態 以下、本発明による原子炉の点検補修装置及び方法の第
2実施形態について図面を参照して説明する。なお、上
述した従来技術又は第1実施形態と同一部材には同一符
号を付して詳細な説明は省略する。
【0034】本実施形態は、上記第1実施形態における
点検補修装置1の背面側(炉心64に面する側)にある
炉心シュラウド72に、鉛等で形成された放射線遮蔽体
を着脱自在に設けた構成を備えている。
【0035】図6及び図7において符号40は放射線遮
蔽体を示し、この放射線遮蔽体40は、炉心シュラウド
72の湾曲形状に対応して湾曲した平板よりなる遮蔽本
体部41と、この遮蔽本体部41の下端縁に設けられた
張出し部42とを備えている。遮蔽本体部41の上端に
は一対の支持棒43、43の下端が固着されており、こ
れらの支持棒43、43には支持板44が横架されて固
定され、この支持板44の上面にはフック部45が固着
されている。
【0036】次に、本実施形態の作用について説明す
る。本実施形態によって原子炉の点検補修作業を行う際
には、原子炉圧力容器62の内部が炉水Wで満たされた
状態において、まず、燃料交換機84(図10参照)の
補助ホイスト(図示を省略)によって放射線遮蔽体40
を原子炉圧力容器62の内部に吊り下げ、降下させなが
ら原子炉圧力容器62の内周面と炉心シュラウド72の
外周面との間隙に移動させる。そして、補助ホイストを
操作しながら放射線遮蔽体40の位置を微調整し、一対
の支持棒43、43を一対のシュラウドヘッドボルトブ
ラケット85、85に位置合わせすると共に、フック部
45を炉心シュラウド72の上端に掛止して放射線遮蔽
体40を炉心シュラウド72に着脱自在に固定する。
【0037】次に、上記第1実施形態において説明した
方法によって、点検補修装置1を原子炉圧力容器62の
内周面と放射線遮蔽体40の外周面との間の所定位置に
移送し、4個のシリンダ7、7、7、7を作動させ、放
射線遮蔽体40の外周面に向かってピストンロッド9、
9、9、9を進出させる。すると、ピストンロッド9の
先端に設けられた球状の回転自在部材10が放射線遮蔽
体40の外周面に押圧され、シリンダ7に対して反力が
発生し、この反力によって点検補修装置1の全体が原子
炉圧力容器62の方向に押される。そして、水密容器2
に突設されたシール装置4のリップシール5が原子炉圧
力容器62の内周面に押圧され、水密容器2の内部が密
閉されて外部と水密に隔離される。
【0038】このようにして水密容器2の内部が密閉さ
れたら、上記第1実施形態において説明した方法によっ
て、水密容器2の内部に気相空間を形成して所定の点検
補修作業を行う。ここで、本実施形態においては、放射
線遮蔽体40が炉心64と点検補修箇所との間に設けら
れているので、水密容器2の内部を気相状態にした場合
においても、作業環境における線量率を低く抑えること
ができる。
【0039】以上述べたように本実施形態によれば、放
射線遮蔽体40によって作業環境における線量率を低く
抑えることが可能であり、作業員の放射線被曝量を大幅
に低減することができると共に作業効率を大幅に向上さ
せることができる。
【0040】
【発明の効果】請求項1記載の発明による原子炉の点検
補修装置によれば、原子炉圧力容器の内部に配置された
点検補修装置の水密容器の内部に気相空間を形成するこ
とによって、原子炉圧力容器の内部が炉水で満たされて
いる状態において点検補修作業を実施することができる
ので、作業を短時間で確実に行えるばかりでなく、作業
員の放射線被曝量を大幅に低減させることができる。
【0041】請求項2記載の発明による原子炉の点検補
修装置によれば、圧縮空気供給手段及び排出手段によっ
て水密容器の内部を迅速かつ確実に気相状態にすること
ができるので、作業を迅速かつ的確に行うことができ、
また、気相状態形成後も圧縮空気の供給及び排出を継続
することによって、気相状態を確実に維持できるばかり
でなく、点検補修箇所における結露を防止して溶接作業
等に適した作業環境を形成することができる。
【0042】請求項3記載の発明による原子炉の点検補
修装置によれば、水密容器の内部に設けられた液体浸透
検査装置によって、点検補修箇所の状態を迅速かつ的確
に把握することが可能であり、作業効率を大幅に向上さ
せることができる。
【0043】請求項4記載の発明による原子炉の点検補
修装置によれば、位置決め用吊り装置の位置決めピンを
シュラウドヘッドボルトブラケットに係合させることに
よって、点検補修装置の位置決めを迅速かつ確実に行う
ことが可能であり、作業効率を大幅に向上させることが
できる。
【0044】請求項5記載の発明による原子炉の点検補
修装置によれば、気相状態にある水密容器の内部を加熱
手段によって加熱することによって、点検補修箇所にお
ける結露を防止して、溶接作業や液体浸透検査に適した
作業環境を形成することができる。
【0045】請求項6記載の発明による原子炉の点検補
修装置によれば、シール装置の先端部を原子炉圧力容器
の内周面の湾曲形状に対応するように形成し、この先端
部にリップシールを設けたので、水密容器の内部の気相
状態を確実に達成し、維持することができる。
【0046】請求項7記載の発明による原子炉の点検補
修方法によれば、請求項4記載の原子炉の点検補修装置
を位置決め用吊り装置を介して燃料交換機のホイストに
吊り下げ、ホイストを操作して位置決めピンをシュラウ
ドヘッドボルトブラケットに係合させて所定位置に位置
決めし、シリンダを作動してその出力軸の先端部を炉心
シュラウドの外周面に押圧して水密容器の内部を原子炉
圧力容器の内部から水密に隔離し、気相形成手段によっ
て水密容器の内部を気相状態にするようにしたので、原
子炉圧力容器の内部が炉水で満たされている状態におい
て点検補修作業を実施することが可能であり、このた
め、作業を短時間で確実に行えるばかりでなく、作業員
の放射線被曝量を大幅に低減させることができ、また、
位置決め用吊り装置の位置決めピンをシュラウドヘッド
ボルトブラケットに係合させるようにしたので、点検補
修装置の位置決めを迅速かつ確実に行うことが可能であ
り、作業効率を大幅に向上させることができる。
【0047】請求項8記載の発明による原子炉の点検補
修方法によれば、炉心シュラウドの外周面と原子炉圧力
容器の内周面との間隙に放射線遮蔽体を設けたので、こ
の放射線遮蔽体によって作業環境における線量率を低く
抑えることが可能であり、作業員の放射線被曝量を大幅
に低減することができると共に作業効率を大幅に向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原子炉の点検補修装置の第1実施
形態を示した横断面図。
【図2】同実施形態を示した縦断面図。
【図3】同実施形態による点検補修装置を作業位置に配
置する方法を示した説明図。
【図4】同実施形態による点検補修装置を作業位置に配
置した状態を示した正面図。
【図5】同実施形態による点検補修装置を作業位置に配
置した状態を示した平面図。
【図6】本発明による原子炉の点検補修装置の第2実施
形態を作業位置に配置した状態を示した縦断面図。
【図7】同実施形態を作業位置に配置した状態を示した
正面図。
【図8】沸騰水型原子炉の概略構成を示した縦断面図。
【図9】圧力容器貫通ノズル部を示した拡大断面図。
【図10】原子炉停止時に行われる炉内取扱作業を示し
た説明図。
【符号の説明】
1 点検補修装置 2 水密容器 3 円形の開口 4 シール装置 5 リップシール 7 シリンダ 9 ピストンロッド 12 水中テレビカメラ 15 ベースプレート 16 ナット部 17 螺旋棒 18 駆動ベルト 19 電動モータ 21 スプレイノズル 22a、22b ブラックライト 23 ヒータ 24 排出口 25 供給口 30 位置決め用吊り装置 32 位置決めピン 40 放射線遮蔽体 62 原子炉圧力容器 72 炉心シュラウド 84 燃料交換機 85 シュラウドヘッドボルトブラケット

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中空体よりなる水密容器と、この水密容器
    に形成された開口部と、この開口部の周囲に設けられた
    シール装置と、前記水密容器に設けられたシリンダと、
    前記水密容器の内部を気相状態にするための気相形成手
    段とを備え、前記シリンダの出力軸の先端部を炉内構造
    物に押圧し、その反力によって前記シール装置の先端部
    を原子炉圧力容器の内周面に押圧して前記水密容器の内
    部を前記原子炉圧力容器の内部から水密に隔離し、前記
    気相形成手段によって前記水密容器の内部を気相状態に
    するようにしたことを特徴とする原子炉の点検補修装
    置。
  2. 【請求項2】前記気相形成手段は、前記水密容器の内部
    に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、前記水密容
    器の内部の炉水及び前記圧縮空気供給手段から供給され
    た圧縮空気を排出する排出手段とを備えていることを特
    徴とする請求項1記載の原子炉の点検補修装置。
  3. 【請求項3】前記水密容器の内部に液体浸透検査装置を
    備え、この液体浸透検査装置は、検査用の液体を噴霧す
    る液体噴霧装置と、欠陥を確認するためのブラックライ
    ト及びカメラ装置とを有し、前記液体噴霧装置は噴霧方
    向を調整するための移動機構を有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の原子炉の点検補修装置。
  4. 【請求項4】炉心シュラウドのシュラウドヘッドボルト
    ブラケットに係合しうる位置決めピンを有する位置決め
    用吊り装置を備え、前記位置決めピンを前記シュラウド
    ヘッドボルトブラケットに係合させることによって所定
    位置に位置決めするようにしたことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか一項に記載の原子炉の点検補修装
    置。
  5. 【請求項5】気相状態にある前記水密容器の内部を加熱
    するための加熱手段を有することを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか一項に記載の原子炉の点検補修装置。
  6. 【請求項6】前記シール装置の先端部を前記原子炉圧力
    容器の内周面の湾曲形状に対応するように形成し、この
    先端部にリップシールを設けたことを特徴とする請求項
    1乃至5のいずれか一項に記載の原子炉の点検補修装
    置。
  7. 【請求項7】請求項4記載の原子炉の点検補修装置を前
    記位置決め用吊り装置を介して燃料交換機のホイストに
    吊り下げ、前記ホイストを操作して前記位置決めピンを
    前記シュラウドヘッドボルトブラケットに係合させて所
    定位置に位置決めし、前記シリンダを作動してその出力
    軸の先端部を前記炉心シュラウドの外周面に押圧して前
    記水密容器の内部を前記原子炉圧力容器の内部から水密
    に隔離し、前記気相形成手段によって前記水密容器の内
    部を気相状態にすることを特徴とする原子炉の点検補修
    方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の原子炉の点検補修方法にお
    いて、前記炉心シュラウドの外周面と前記原子炉圧力容
    器の内周面との間隙に放射線遮蔽体を設け、この放射線
    遮蔽体と前記原子炉圧力容器の内周面との間隙の所定位
    置に前記点検補修装置を配置し、前記シリンダを作動し
    てその出力軸の先端部を前記放射線遮蔽体に押圧して前
    記水密容器の内部を前記原子炉圧力容器の内部から水密
    に隔離するようにしたことを特徴とする請求項7記載の
    原子炉の点検補修方法。
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