JPH09126278A - 歯付ベルト - Google Patents

歯付ベルト

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JPH09126278A
JPH09126278A JP28142995A JP28142995A JPH09126278A JP H09126278 A JPH09126278 A JP H09126278A JP 28142995 A JP28142995 A JP 28142995A JP 28142995 A JP28142995 A JP 28142995A JP H09126278 A JPH09126278 A JP H09126278A
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JP
Japan
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belt
glass
bending
toothed belt
glass core
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JP28142995A
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English (en)
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Kaneteru Hasebe
兼輝 長谷部
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般のゴムベルトに使用されているガラス心
体をポリウレタン製歯付ベルトに使用する際に、ガラス
心体により付与される耐屈曲疲労性を大幅に低下させる
ことなく、歯付ベルトの耐折曲げ性の向上を図り、もっ
て、ベルトの折曲げを伴う製造過程におけるポリウレタ
ンベルトの取扱いを容易化してガラス心体入りポリウレ
タン製歯付ベルトの実用化をさらに進める。 【解決手段】 ベルト本体1の背ゴム部2にベルト長さ
方向に延びかつベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて
平行にかつ交互に並ぶように埋設され、互いに異なる方
向に加撚されてなるガラス繊維製の2種類のガラス心体
4s,4zのうち、一方のガラス心体4sの撚り係数を
20〜10回/10cmの範囲に、また他方のガラス心
体4zの撚り係数を8〜2回/10cmの範囲にそれぞ
れ設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動伝達機構に
用いられる歯付ベルトに関し、特にベルト抗張体として
のガラス心体の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、OA機器や精密機械の駆動伝
達機構における歯付ベルトとして、耐摩耗性等に優れて
いるとされるポリウレタン製のものが多く用いられてい
る。その際に、ベルト抗張体として一般的に使用されて
いる従来の心体には、金属ワイヤ、ポリエステル繊維及
びアラミド繊維の3種類があって、それぞれ次のような
長所及び短所を持っている。
【0003】 ワイヤ心体は、強度及びヤング率が共
に高くて高負荷伝動に適しているが、短所としては、ベ
ルト製造過程において、多数のベルトの集合体である円
筒成形体から1本ずつ幅カットして各々のベルトを得る
際に、刃物で容易にカットできないことや、ベルト側面
にワイヤが露出していると、プーリフランジに擦れ合う
ために使用できないことがある。さらには、温度に対す
る寸法(長さ)安定性のわるいことや、錆が発生する等
の短所もある。
【0004】 ポリエステル心体は、廉価でありかつ
湿度に対する寸法安定性がよく、軽負荷伝動には適して
いるが、強度的に劣るために高負荷伝動には適さず、し
かも温度に対する寸法安定性がわるい等の短所がある。
【0005】 アラミド心体は、ワイヤ心体の場合と
同様に強度的に優れており、しかも、ワイヤ心体の場合
のようなカット時の困難さや、側面に露出したときの不
具合がないために、高負荷伝動用として広く採用されて
いる。ところが、湿度に対する寸法変化の大きいことが
最大の欠点であり、さらに、高価であることも難点とさ
れている。
【0006】つまり、上記ポリウレタン製ベルト用の心
体としては、廉価であってしかも強度的に優れ、かつ温
度及び湿度に対する寸法安定性に優れたものが要求され
ている。特に、家電製品やOA機器の分野においては、
軸間固定で使用されるケースが増えてきていることか
ら、長さ変化の少ないものが強く要求されている。
【0007】そこで、上記の要求に応えるべく、ポリエ
ステル繊維糸及びポリアミド繊維糸が撚り合わされてな
るコード(実開昭58−35035号公報参照)や、ポ
リブチレンテレフタレートの撚糸コード(実開昭59−
10540号公報参照)や、全芳香族ポリエステル繊維
コード(特開昭63−57941号公報参照)等、種々
の提案がなされているが、これらは何れも特種品である
ことと、やはり強度的に劣ること等の理由から、実用化
には至っていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の要求を満たすこ
のとできる心体として、容易に考えられるものに、ゴム
製ベルトの抗張体として一般的に使用されているガラス
心体が挙げられる。
【0009】詳しく説明すると、上記ガラス心体は、ガ
ラス繊維からなる加撚糸である。その加撚の際に、優れ
た耐屈曲疲労性をベルト本体に付与することを目的とし
て、撚り係数は、一般に、20〜10回/10cmとさ
れることが多い。そして、ベルト抗張体として使用する
際には、一般に、S撚り及びZ撚りの2種類のガラス心
体を用い、これらガラス心体をベルト幅方向に交互に配
置することで、撚り方向に起因するベルト走行時の片寄
りをガラス心体間で互いに打ち消すようになされてい
る。
【0010】上記ガラス心体の長所としては、廉価であ
り、強度的にも優れていることが挙げられる。その上、
温度及び湿度に対する寸法安定性もよく、したがって、
上記ポリウレタン製歯付ベルトの心体としては最適であ
る。ただ、これまでは、ポリウレタンとの接着技術が不
十分であったために実用化されていなかったのである
が、この点については、本出願人が先の出願(特願平6
−140435号参照)で提案した技術により既に解決
をみている。
【0011】ところが、ベルト製造現場において、上記
ガラス心体を用いて実際にポリウレタン製の歯付ベルト
を作製しようとすると、次のような問題の生じることが
判明した。
【0012】すなわち、ガラス心体は、上述のような要
求を満足させる優れた性質を持っているが、反面、折り
曲げられると強度が極端に低下する。このために、ベル
ト製造過程において取り扱い難いという難点があり、こ
の難点が、ガラス心体をポリウレタン製の歯付ベルトに
採用する上で重大な障害となっている。
【0013】具体的に説明すると、上記ポリウレタン製
ベルトの場合では、それ以外のゴム製ベルトの場合に比
べて、円筒成形体を幅カットする際に、そのカット面が
平滑過ぎて摩擦係数が高くなる。このために、吸着現象
を起こしてベルトの完全な分離のなされないことが多
く、手作業にてベルトを引き剥がさなければならない。
その際に、ベルトを折り曲げなければ引剥がし作業が進
まず、その折曲げによりガラス心体の強力が低下するの
である。尚、ポリウレタン製以外のゴムベルトの場合で
は、それ程の極端な吸着現象は起きないとしても、やは
り折曲げによる強力の低下は上記ポリウレタンの場合と
同様に起きる。
【0014】この発明は斯かる諸点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、ポリウレタン製等のゴム製歯付
ベルトにおいて、撚り方向の互いに異なる2種類のガラ
ス心体をベルト抗張体として使用する際に、それら2種
類のガラス心体を使い分けることで、従来の撚り係数の
ガラス心体によりベルト本体に付与される優れた耐屈曲
疲労性を大幅に低下させることなく、その耐折曲げ性の
向上が図れるようにすることにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、ガラス心体をベルト抗張体
として使用する際に、2種類のガラス心体が使用される
ことに着目し、優れた耐屈曲疲労性をベルト本体に付与
できる従来の撚り係数のガラス心体に、優れた耐折曲げ
性をベルト本体に付与できる撚り係数のガラス心体を組
み合わせて使用することで、歯付ベルトにおける耐屈曲
疲労性及び耐折曲げ性の両方の特性をバランスさせるよ
うにした。
【0016】具体的には、ベルト長さ方向に延びる断面
矩形状の背ゴム部のベルト内面側に、ベルト長さ方向に
所定ピッチ間隔をおいて多数の歯ゴム部が配設されてな
るベルト本体と、各々、上記背ゴム部にベルト長さ方向
に延びかつベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて互い
に平行にかつ交互に並ぶように埋設され、互いに異なる
方向に加撚されてなるガラス繊維製の2種類のガラス心
体とを備えた歯付ベルトが前提である。
【0017】そして、上記2種類のガラス心体のうち、
一方のガラス心体の撚り係数(1)を、20〜10回/
10cmの範囲に設定する。また、他方のガラス心体の
撚り係数(2)を、8〜2回/10cmの範囲に設定す
る。尚、ここでは、撚り係数は、長さ10cm当たりの
撚り回数で表される。
【0018】上記の構成において、撚り係数(1)は、
耐屈曲疲労性に優れることから、ゴムベルトでは一般的
に用いられている撚り係数であるが、反面、折曲げに対
しては弱く、例えば1回の折曲げで強力は40〜60%
に低下する。したがって、撚り係数(1)のみで構成さ
れたベルトでは、折曲げを受けることさえなければ、耐
屈曲疲労性に優れていることから最適といえるが、ポリ
ウレタン製歯付ベルトの場合では、上述のとおり、製造
過程において折曲げは避けられないことから、最適では
ない。
【0019】一方、撚り係数(2)は、撚り係数(1)
に比べて耐屈曲疲労性に劣るため、ゴムベルトの場合に
は通常では使用されていない。しかしながら、折曲げに
対しては優れていて、例えば1回の折曲げを受けた場合
でもその強力保持率は80〜95%と極めて高い。つま
り、撚り係数(2)による耐屈曲疲労性は、撚り係数
(1)に比べて劣るとはいうものの、それ自体が極端に
劣っているという訳ではない。しかも、折曲げに起因す
る強力低下に対しては、上述のとおりに優れている。
【0020】以上のことから、歯付ベルトに使用するガ
ラス心体としては、この両方を組み合わせて使用するこ
とが最適といえる。そうすることにより、耐折曲げ性及
び耐屈曲疲労性の両方にバランスのとれたベルト仕様と
なる。
【0021】請求項2の発明では、上記請求項1の発明
において、ベルト本体の材料を、ポリウレタンとする。
【0022】上記の構成において、ポリウレタン製の歯
付ベルトでは、それ以外のゴム製の歯付ベルトの場合と
異なり、その製造過程においてベルトの折曲げを伴うの
で、上記請求項1の発明での作用は効果的に営まれる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、この発明の実施例に係る
ポリウレタン製歯付ベルトを示し、この歯付ベルトは、
ベルト長さ方向に延びる断面矩形状の背ゴム部2のベル
ト内面側(同図の下面側)に、ベルト長さ方向に所定ピ
ッチ間隔をおいて多数の歯ゴム部3,3,…が一体に配
設されてなるベルト本体1を有する。上記各歯ゴム部3
は断面円弧状をなしていて、この歯付ベルトの巻き掛け
られる歯付プーリの歯部との間で円滑に噛合してベルト
走行音が低減されるようになっている。
【0024】上記背ゴム部2には、各々、ベルト長さ方
向に延びかつベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて互
いに平行にかつ交互に並ぶようにスパイラル状に2連巻
きされた2種類のガラス心体4s,4zが埋設されてい
る。これらガラス心体4s,4zは、例えば、各々、R
FL処理液に浸漬された後に熱処理されたガラスフィラ
メントからなる複数本のガラス繊維束が引き揃えられた
状態で加撚されることでなっていて、その加撚は、一方
のガラス心体4sの場合はS方向に、また他方のガラス
心体4zの場合はZ方向りにそれぞれ施されている。
【0025】そして、上記S撚りのガラス心体4sの撚
り係数は、20〜10回/10cmの範囲内である15
回/10cmに設定されている。また、上記Z撚りのガ
ラス心体4zの撚り係数は、8〜2回/10cmの範囲
内である4回/10cmに設定されている。
【0026】ここで、これら各ガラス心体4s,4zの
撚り係数による特性を簡単に説明すると、上記S撚りの
ガラス心体4sの撚り係数(20〜10回/10cm)
は、耐屈曲疲労性に優れることから、ゴムベルトでは一
般的に用いられている撚り係数である。反面、折曲げに
対しては弱く、このために、ポリウレタン製歯付ベルト
の場合では、「発明が解決しようとする課題」の項で説
明したとおり、製造過程において折曲げは避けられない
ことから、最適ではない。
【0027】一方、上記Z撚りのガラス心体4zの撚り
係数(8〜2回/10cm)は、折曲げに対しては優れ
ている。反面、S撚りのガラス心体4sの撚り係数の場
合に比べて耐屈曲疲労性に劣るために、ゴムベルトの場
合には通常では使用されていないが、極端に劣っている
訳ではない。
【0028】したがって、この実施例によれば、ポリウ
レタン製歯付ベルトに使用するガラス心体として、優れ
た耐屈曲疲労性をベルト本体1に付与できる撚り係数に
設定されたガラス心体4sに、優れた耐折曲げ性をベル
ト本体1に付与できる撚り係数に設定されたガラス心体
4zを組み合わせて使用するようにしたので、これら耐
屈曲疲労性及び耐折曲げ性の両方の特性をバランスさせ
ることができ、上記歯付ベルトの耐屈曲疲労性を大幅に
低下させることなく、その耐折曲げ性を改善してベルト
製造過程でのベルト折曲げを伴う取扱いを容易化するこ
とができる。
【0029】尚、上記実施例では、S撚りのガラス心体
4sの撚り係数を、15回/10cmに設定するように
しているが、20〜10回/10cmの範囲であればよ
い。一方、Z撚りのガラス心体4zの撚り係数について
は、これを4回/10cmに設定するようにしている
が、8〜2回/10cmの範囲であればよい。
【0030】また、上記実施例では、S撚りのガラス心
体4sの撚り係数を20〜10回/10cmの範囲に、
またZ撚りのガラス心体4zの撚り係数を8〜2回/1
0cmの範囲にそれぞれ設定するようにしているが、こ
れとは逆に、Z撚りのガラス心体の撚り係数を20〜1
0回/10cmの範囲に、またS撚りのガラス心体の撚
り係数を8〜2回/10cmの範囲にそれぞれ設定する
ようにしてもよい。
【0031】さらに、上記実施例では、ベルト本体の材
料をポリウレタンとしているが、その他のゴム材料を用
いるようにしてもよい。
【0032】−具体例− ここで、上記実施例のポリウレタン製歯付ベルトに対
し、耐折曲げ性及び耐屈曲疲労性を調べるために行った
試験について説明する。尚、上記ポリウレタン製歯付ベ
ルトのサイズは、ベルト長さを486mm、歯ゴム部の
ピッチを3mm、またベルト幅を6mmとし、これを発
明例とした。
【0033】また、比較のために、S撚り及びZ撚りの
両ガラス心体の各撚り係数が共に、4回/10cm、8
回/10cm、15回/10cm及び20回/cmであ
る各ポリウレタン製歯付ベルトを作製し、これらを、そ
れぞれ比較例1〜4として上記試験の対象に加えた。つ
まり、比較例1及び2は、一般の歯付ベルトの場合より
も撚り係数の値の小さいガラス心体を使用したものであ
る。一方、比較例3及び4は、一般の歯付ベルトの場合
と同じ撚り係数のガラス心体を使用したものである。
尚、各ベルトサイズは発明例の場合と同じである。
【0034】次表1に、発明例及び比較例1〜4のガラ
ス心体の各撚り係数を併せて示しておく。
【0035】
【表1】
【0036】先ず、耐折曲げ性の試験では、1回だけ折
り曲げたときの強力保持率〔単位:%〕をそれぞれ調べ
た。その測定結果を、図2の特性図に併せて示す。
【0037】図2の特性図において、比較例1〜4から
判るのは、撚り係数が小さいほど耐折曲げ性に優れると
いうことである。また、比較例3及び4から判るのは、
一般の歯付ベルトに使用されているガラス心体では、耐
折曲げ性に劣っていることから、ポリウレタン製歯付ベ
ルトには適していないということである。一方、発明例
では、比較例1及び2の場合よりは劣るものの、約75
%の強力維持率を示している。これを比較例3及び4の
場合と比較すると、比較例3の場合の1.2倍以上であ
り、また比較例4の場合の1.8倍以上である、これら
のことから、発明例では、従来の撚り係数のベルト心体
のみを用いた場合に比べて耐折曲げ性が大幅に改善され
ており、耐折曲げ性に関する不具合は殆ど解消されるも
のと考えられる。
【0038】次に、耐屈曲疲労性の試験を行った。試験
要領としては、各々、上記各歯付ベルトが噛合可能な2
つの歯付プーリ(歯数は12)を用い、これら両歯付プ
ーリ間に各歯付ベルトを巻き掛けた状態で一方の歯付プ
ーリを回転駆動することにより、各歯付ベルトを各歯付
プーリに巻き付く部分で屈曲させるようにした。そし
て、所定屈曲回数毎の強力保持率をそれぞれ調べた。こ
の試験には、比較例1〜4のうち、比較例1及び3のみ
を対象として加えた。尚、屈曲回数(一周毎の屈曲回数
は2回)は、1000回、1万回、10万回、100万
回及び1000万回の5つとした。その結果を、図3の
特性図に併せて示す。
【0039】図3の特性図において、比較例1及び3を
対比すると、従来の撚り係数のガラス心体のみが使用さ
れている比較例3では、1000万回の時点での強力維
持率が約70%であるのに対し、従来よりも撚り係数の
値の小さいガラス心体のみが使用されている比較例1で
は、同時点での強力維持率が約60%であって、耐屈曲
疲労性ではやや劣っていることが判る。一方、発明例で
は、同時点での強力維持率が、比較例1の場合よりも比
較例3の場合に近い約65%を示している。このことか
ら、発明例では、従来の歯付ベルトに近いレベルの耐屈
曲疲労性が確保されており、実用的には殆ど問題はない
ものと考えられる。
【0040】以上の試験結果から、発明例では、一般の
ゴムベルトの場合と同じ撚り係数のガラス心体を使用し
たものに近い耐屈曲疲労性を具備しながら、耐折曲げ性
が大幅に改善されており、ポリウレタン性歯付ベルトの
耐屈曲疲労性を大幅に低下させることなく、その耐折曲
げ性を向上させることができるものと考えられる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ベルト長さ方向に延びる断面矩形状の背ゴム部
のベルト内面側に、ベルト長さ方向に所定ピッチ間隔を
おいて多数の歯ゴム部が配設されてなるベルト本体と、
各々、上記背ゴム部にベルト長さ方向に延びかつベルト
幅方向に所定ピッチ間隔をあけて平行にかつ交互に並ぶ
ように埋設され、互いに異なる方向に加撚されてなるガ
ラス繊維製の2種類のガラス心体とを備えた歯付ベルト
において、上記2種類のガラス心体のうち、一方のガラ
ス心体の撚り係数を、一般のゴムベルトに使用されてい
て優れた耐屈曲疲労性をベルト本体に付与できるガラス
心体の場合と同じ20〜10回/10cmの範囲に設定
するようにし、その上で、他方のガラス心体の撚り係数
を、優れた耐折曲げ性をベルト本体に付与できる8〜2
回/10cmの範囲に設定するようにしたので、歯付ベ
ルトにおける耐屈曲疲労性及び耐折曲げ性の両方の特性
をバランスさせることができ、歯付ベルトの耐屈曲疲労
性を大幅に低下させることなく、その耐折曲げ性を向上
させることができる。
【0042】請求項2の発明によれば、上記歯付ベルト
を、ポリウレタン製の歯付ベルトとしたので、ポリウレ
タン製歯付ベルトの耐折曲げ性を向上させることがで
き、よって、ベルトの折曲げを伴う製造過程におけるポ
リウレタンベルトの取扱いを容易化してガラス心体入り
ポリウレタン製歯付ベルトの実用化をさらに進めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係るポリウレタン製歯付ベ
ルトの一部を示す斜視図である。
【図2】発明例及び比較例1〜4における折曲げに対す
る各強力保持率を併せて示す特性図である。
【図3】発明例並びに比較例1及び3における屈曲回数
と強力保持率との各関係を併せて示す特性図である。
【符号の説明】
1 ベルト本体 2 背ゴム部 3 歯ゴム部 4s,4z ガラス心体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト長さ方向に延びる断面矩形状の背
    ゴム部のベルト内面側に、ベルト長さ方向に所定ピッチ
    間隔をおいて多数の歯ゴム部が配設されてなるベルト本
    体と、各々、上記背ゴム部にベルト長さ方向に延びかつ
    ベルト幅方向に所定ピッチ間隔をあけて互いに平行にか
    つ交互に並ぶように埋設され、互いに異なる方向に加撚
    されてなるガラス繊維製の2種類のガラス心体とを備え
    た歯付ベルトにおいて、 上記2種類のガラス心体のうち、 一方のガラス心体の撚り係数は、20〜10回/10c
    mの範囲に設定され、 他方のガラス心体の撚り係数は、8〜2回/10cmの
    範囲に設定されていることを特徴とする歯付ベルト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の歯付ベルトにおいて、 ベルト本体の材料はポリウレタンとされていることを特
    徴とする歯付ベルト。
JP28142995A 1995-10-30 1995-10-30 歯付ベルト Withdrawn JPH09126278A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019111639A1 (ja) * 2017-12-07 2019-06-13 三ツ星ベルト株式会社 摩擦伝動ベルト、そのためのコード並びにそれらの製造方法
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