JPH09125228A - マスク及びこれを用いた誘電体薄膜のパターン形成方法 - Google Patents

マスク及びこれを用いた誘電体薄膜のパターン形成方法

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JPH09125228A
JPH09125228A JP7306829A JP30682995A JPH09125228A JP H09125228 A JPH09125228 A JP H09125228A JP 7306829 A JP7306829 A JP 7306829A JP 30682995 A JP30682995 A JP 30682995A JP H09125228 A JPH09125228 A JP H09125228A
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mask
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film
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俊二 渡辺
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性の劣化の小さい誘電体薄膜のパターンを
形成することができる、マスク及びこれを用いた誘電体
薄膜のパターン形成方法を提供する。 【構成】 マスク1は、所定のパターンを有するステン
レス製の薄板10の表面にニッケル層20を介して金層
30がコーティングされた構成とされる。基板温度を高
温に維持しつつ、マスク1を基板に密着させて保持し
て、スパッタリング法などにより、マスク1を密着させ
た基板全体に誘電体薄膜を形成した後、マスク1を取り
除いて基板上に誘電体薄膜のパターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスク及びこれを
用いた誘電体薄膜のパターン形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、特に高い比誘電率を持つ誘電体薄
膜や圧電特性、焦電特性、強誘電特性を持つ誘電体薄膜
への要望が高まり、チタン酸ストロンチウム、チタン酸
バリウム、チタン酸鉛(PT)、チタン酸ジルコン酸鉛
(PZT)を代表とするペロブスカイト構造を持つ酸化
物の誘電体薄膜材料が注目されている。
【0003】基板表面に所望の薄膜パターンを形成する
方法としては、リソグラフィーを利用してパターニング
するリソグラフィー法や、卑金属製のマスクを使用して
パターニングするマスク法等がある。一般に、薄膜に非
常に微細なパターンを形成するためにはリソグラフィー
法のみが適応されるが、サブミリ程度の微細化パターン
であればマスク法で充分パターニングは可能である。
【0004】また、リソグラフィー法によるパターニン
グを実施するには、フォトレジスト塗布、露光、フォト
レジストのエッチング等の工程及びこれらの工程に用い
る装置ならびに工程実施にかかる費用は多大なものがあ
る。一方、マスク法は、リソグラフィー法によるパター
ン形成に比して必要な装置が少なくてすみ、非常に安価
にパターニングが可能であり、化学エッチング等が困難
な薄膜材料に対しても広く有効である。
【0005】誘電体薄膜のパターンを形成するマスク法
は、通常、ステンレス(SUS)、コバルト、モリブデ
ン、リン青銅等の卑金属のマスク基板上に所定のネガパ
ターンをエッチングにより形成してマスクを作製し、こ
のマスクを誘電体薄膜のパターン形成時に基板に密着さ
せて保持して、蒸着等の手段によりマスクを密着させた
基板全体に誘電体薄膜を形成した後、マスクを取り除い
て基板上に誘電体薄膜のポジパターンを形成する方法で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、誘電体薄膜の
パターンを前記従来のマスク法により形成した場合は、
マスク法を使用せずに誘電体薄膜のパターンを形成した
場合に比して、得られた誘電体薄膜の特性値、特に比誘
電率の値が劣っていた。
【0007】このため、従来は、特性劣化の小さい誘電
体薄膜のパターンを形成するためには、マスク法を用い
ることができず、コストの高いリソグラフィ法等を採用
せざるを得ないと考えられていた。
【0008】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、特性の劣化の小さい誘電体薄膜のパターンを形成す
ることができる、マスク及びこれを用いた誘電体薄膜の
パターン形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本件発明者らが、前述し
た従来のマスク法により誘電体薄膜のパターンを形成し
たときに、当該誘電体薄膜の比誘電率の値が大きくなら
ない理由を追求したところ、次の点がその原因であるこ
とが判明した。
【0010】誘電体薄膜、例えば、ペロブスカイト構造
を持つ酸化物の誘電体薄膜を基板上に形成する場合は、
緻密な構造にして優れた誘電体薄膜の特性を得るために
成膜時に基板温度を300〜700゜C程度の高温に維
持することが好ましい。従来のマスク法では、この時、
卑金属製のマスクが基板に密着して使用されるため、マ
スクを構成する材料の鉄、ニッケル、クロム、マンガン
等の卑金属成分が成膜する誘電体薄膜内の酸素と反応
し、相互拡散が起こる。また、卑金属は融点が比較的低
いので、マスクを構成する卑金属成分が誘電体薄膜内へ
熱拡散していく。その結果、誘電体薄膜中の酸素が欠乏
したり、化学量論比が崩れることとなり、誘電体薄膜の
特性値、特にその比誘電率が低下してしまう。なお、卑
金属は、貴金属と異なり、酸化し易いとともに融点が比
較的低いという特性を有している。
【0011】また、誘電体薄膜がSi34、Ta2N、
AlNなどの窒化物の誘電体薄膜やその他の誘電体薄膜
で場合であっても、マスクを構成する材料の卑金属成分
が誘電体薄膜内へ熱拡散し、化学量論比が崩れ、誘電体
薄膜の特性値、特にその比誘電率が低下してしまう。
【0012】本発明はこのような原因究明の結果に基づ
いてなされたものであり、本発明によるマスクは、前記
従来のマスク法で用いられたマスクと異なり、所定パタ
ーン(ネガパターン)を有するマスク基材の表面に直接
又は所定の膜を介して貴金属がコーティングされた構成
としたものである。そして、本発明による誘電体薄膜の
パターン形成方法は、本発明による前記マスクを使用し
て、基板上に誘電体薄膜のパターンを形成するものであ
る。
【0013】本発明よるマスクの表面は貴金属で覆われ
ており、貴金属は反応性が低く安定であるとともに融点
が高いという特性を有している。このため、このマスク
を使用して基板上に誘電体薄膜のパターンを形成する場
合、貴金属によって、マスク材料成分及び誘電体薄膜成
分の相互反応や相互拡散が阻止されるとともに、マスク
材料成分の誘電体薄膜内への熱拡散が阻止されることに
なる。そのため、誘電体薄膜の化学量論比が崩れなくな
る。したがって、本発明によれば、マスクを用いるにも
かかわらず、比誘電率などの特性の劣化の小さい誘電体
薄膜のパターンを形成することができる。
【0014】前記マスク基材の材質は、限定されるもの
ではないが、誘電体薄膜に転写すべきパターンを形成し
易い材料であることが好ましい。この点を考慮すると、
前記マスク基材の材料として、例えば、従来のマスクと
同様に、ステンレス、コバルト、モリブデン、リン青銅
等の卑金属を用いることができる。卑金属であれば、エ
ッチングにより簡単に、誘電体薄膜に転写すべきパター
ンを形成しておくことができる。
【0015】貴金属をマスク基材の表面に直接にコーテ
ィングする場合に貴金属の付着強度が弱い場合がある
が、そのような場合には、マスク基材の表面と貴金属と
の間に介在させる前記所定の膜として、貴金属の付着強
度を増すための緩衝層を用いればよい。例えば、SUS
系マスク基材の場合には、このマスク基材の表面にチタ
ン又はニッケル等の層を緩衝層として形成し、その上に
貴金属をコーティングすればよい。これにより貴金属の
付着強度を確保することができる。
【0016】前記貴金属としては、例えば、金、白金、
ロジウム、レニウム、ルテニウム、パラジウム、オスミ
ウム、イリジウム及び銀からなるグループのうちの1つ
の金属、又は、前記グループのうちの2つ以上の金属か
らなる合金を用いることができる。前記合金としては、
例えば、白金ロジウムを挙げることができる。もっと
も、前記貴金属はこれらに限定されるものではない。
【0017】本発明によるマスクでは、抜けたパターン
部の側面にも貴金属がコーティングされていることが必
要である。パターン部の側面には誘電体薄膜が直接触れ
るので、この側面に貴金属がコーティングされていない
と、マスク材料成分及び誘電体薄膜成分の相互反応や相
互拡散が生じたり、マスク材料成分の誘電体薄膜内への
熱拡散が生じたりして、形成される誘電体薄膜の特性が
劣化してしまうためである。
【0018】貴金属は、前記マスク基材の表面に直接又
は前記所定の膜を介して、化学的な電気メッキ法でコー
ティングしてもよい。電気メッキ法により貴金属をコー
ティングすると、貴金属がマスク基材の全体にコーティ
ングされてパターン部の側面にもコーティングされるこ
とが保証され、有用である。
【0019】貴金属は、前記マスク基材の表面に直接又
は前記所定の膜を介して、電気メッキ法によらずに、例
えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法及び
真空蒸着を含む真空薄膜形成技術により物理的にコーテ
ィングしてもよい。この場合、電気メッキ法と同様に貴
金属をパターン部の側面にもコーティングすることに加
え、貴金属をマスク基材の表と裏に同じ膜厚にコーティ
ングする。表と裏に同じ膜厚にコーティングできない
と、マスク基材は通常薄板であるため、得られたマスク
が反ってしまうためである。そこで、貴金属を真空薄膜
形成技術によりコーティングする場合には、具体的に
は、例えば、貴金属のコーティング中にマスク基材を回
転させ、また、コーティング中にDC電界を印加して、
貴金属粒子を引きつけてマスク基材のパターン部分の側
面にも貴金属がコーティングされることを保証する。
【0020】ところで、本発明による前記マスクを使用
して基板上に誘電体薄膜のパターンを形成する場合、具
体的には、例えば、誘電体薄膜を緻密な構造にして優れ
た誘電体薄膜を得るべく基板温度を300〜700゜C
に維持しつつ、前記マスクを基板に密着させて保持し
て、スパッタリング法、イオンプレーティング法及び真
空蒸着を含む真空薄膜形成技術などにより、マスクを密
着させた基板全体に誘電体薄膜を形成した後、マスクを
取り除いて基板上に誘電体薄膜のパターンを形成する。
なお、基板には、単一材料からなる基板のみならず、例
えば、単一材料からなる基板上に下地層などを形成した
ものも含む。
【0021】基板上に形成する誘電体薄膜は、例えば、
チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸
鉛、チタン酸ジルコン酸鉛などの、ペロブスカイト構造
を持つ酸化物の誘電体薄膜であってもよい。もっとも、
形成対象となる誘電体薄膜は、ペロブスカイト構造を持
つ酸化物の誘電体薄膜に限定されるものではなく、窒化
物Si34、Ta2N、AlNなどの窒化物の誘電体薄
膜やその他の誘電体薄膜であってもよい。
【0022】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例によって詳細
に説明する。
【0023】(実施例1)まず、高い比誘電率を持つ圧
電材料であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のパター
ンを高周波(RF)スパッタリング法にて形成した、本
発明の第1の実施例について、図1及び図2を参照して
説明する。
【0024】図1に本実施例で使用した貴金属をコーテ
ィングしたマスク1を示す。図1(a)はその平面図、
図1(b)は図1(a)中ののAーA’線に沿った断面
の拡大図である。
【0025】このマスク1は、マスク基材としてのマス
ク基板10の表面に緩衝層としてのニッケル層20を介
して貴金属である金層30をコーティングした構成を有
している。マスク基板10として、厚み0.2mmのS
US304薄板にエッチングにより0.2mmのライン
アンドスペース(L/S)のパターンを形成したものが
用いられている。このマスク基板10の表面には、金3
0のマスク基板10への付着強度を保証するために、ニ
ッケル層20を電気メッキ法により厚み1μmで形成
し、更に、該ニッケル層20上に厚み3μmの金層30
を電気メッキ法により形成した。
【0026】また、本発明との比較のために、図示して
いないが、厚み0.2mmのSUS304薄板にエッチ
ングにより0.2mmのL/Sのパターンを形成しただ
けのマスク(従来のマスク法により用いられていたマス
クであり、以下「比較マスク」という。)を用意した。
【0027】基板として、白金下地層50をコーティン
グしたシリコン単結晶基板(ウエハー)40を2枚用意
し、マスク1及び前記比較マスクをそれぞれウエハー4
0に密着して保持し、それぞれスパッタリング法にて同
一条件で膜厚0.5μmのPZT膜を形成した。そのス
パッタリング条件は、RFパワーが2W/cm2、基板
温度が400゜C、装置内圧力が0.8Pa、ターゲッ
トがモル比で酸化鉛/酸化ジルコニウム/酸化チタン=
1.1/0.52/0.48の混合焼結体、スパッタガ
スがアルゴン/酸素=90/10である。
【0028】このようにスパッタリング法による成膜は
基板温度400゜Cで実施し、PZT膜をウエハー40
の全面に行い、その後、マスク1及び前記比較マスクを
それぞれ取り外し、基板上にPZT膜の0.2mmのL
/Sのポジパターンを得た。さらに、ウエハー40をP
ZT膜のペロブスカイト構造を得るために650℃で1
時間空気中で焼成した。この様にして、PZT膜60を
作製した。
【0029】さらに、これらのPZT膜60の上にφ
0.1mmのアルミニウム電極層70を蒸着して形成し
た。アルミニウム電極層70は上部電極として使用し、
前もってウエハー40上に形成した白金層50は下部電
極として使用した。こうして作製された評価用PZT膜
を基板と共に図2に断面図として示す。
【0030】これらの上部及び下部電極を使用して、マ
スク1を使用して作製したPZT膜60と前記比較マス
クを使用して作製したPZT膜60の各比誘電率を測定
した。比誘電率の測定は、LCRメーターを使用して測
定電圧1V、測定周波数1kHzで行い、マスク1で作
製したPZT膜60、前記比較マスクで作製したPZT
膜60について各10個づつ測定し、それぞれその平均
を取った。その測定結果は、金メッキを施さない前記比
較マスクによるPZT膜60の比誘電率の値は310と
低くなったのに対し、本実施例による金メッキを施した
マスク1によるPZT膜60の比誘電率は805であっ
た。また、前述した成膜条件でマスクなしで作製したP
ZT膜の比誘電率は900であるため、マスク1を使用
してPZT膜のパターンを形成する際の比誘電率の低下
は非常に小さくなったと言える。なお、PZTのバルク
セラミックの比誘電率は約980であり、マスク1によ
るPZT膜60は、薄膜化による比誘電率の低下を考え
てもかなり良い値のPZT膜を得ることが可能になった
と言える。
【0031】本実施例では、PZT膜を基板温度400
゜Cで成膜後、マスクを取り外し、空気中で焼成した
が、成膜と焼成を同じ装置で実施する場合、例えば高温
で基板の加熱が可能な場合等は、マスクを取り外さず焼
成を実施することになるが、マスク1を使用した場合に
は同様な特性のPZT膜が得られるのに対し、前記比較
マスクを使用した場合は比誘電率はさらに劣化する。
【0032】なお、基板温度が低いと緻密なPZT膜を
形成することができずその特性が劣化するとともに、基
板温度が高すぎるとマスクの貴金属がPZT膜内に熱拡
散してしまうので、基板温度は300〜700゜Cにす
ることが好ましい。
【0033】(実施例2)次に、チタン酸鉛(PT)の
パターンを高周波(RF)スパッタリング法にて形成し
た、本発明の第2の実施例について、説明する。
【0034】本実施例で使用したマスク(以下、「第2
実施例マスク」という。)は、図面には示していない
が、マスク基材としてのマスク基板の表面に緩衝層とし
てのチタン層を介して貴金属である白金ロジウム層30
をコーティングした構成を有している。前記マスク基板
として、厚み0.2mmのSUS304薄板にエッチン
グにより0.2mmのラインアンドスペース(L/S)
のパターンを形成したものが用いられている。このマス
ク基板の表面には、白金ロジウムのマスク基板への付着
強度を保証するために、チタン層を電気メッキ法により
厚み1μmで形成し、更に、該チタン層上に厚み3μm
の白金ロジウム層を電気メッキ法により形成した。
【0035】また、本発明との比較のために、前記第1
の実施例で説明した比較マスク、すなわち、厚み0.2
mmのSUS304薄板10にエッチングにより0.2
mmのL/Sのパターンを形成しただけのマスクを用意
した。
【0036】基板として、白金下地層をコーティングし
たシリコン単結晶基板(ウエハー)を2枚用意し、前記
第2実施例マスク及び前記比較マスクをそれぞれ前記ウ
エハーに密着して保持し、それぞれスパッタリング法に
て同一条件で膜厚0.2μmのPT膜を形成した。その
スパッタリング条件は、前記第1の実施例と同様に、R
Fパワーが2W/cm2、基板温度が400゜C、装置
内圧力が0.8Pa、ターゲットがモル比で酸化鉛/酸
化チタン=1.1/1.0の混合焼結体、スパッタガ
ス:アルゴン/酸素=90/10とした。
【0037】このようにスパッタリング法による成膜は
基板温度400゜Cで実施し、PT膜をウエハーの全面
に行い、その後、前記第2実施例マスク及び前記比較マ
スクをそれぞれ取り外し、基板上にPT膜の0.2mm
のL/Sのポジパターンを得た。さらに、ウエハーをP
T膜のペロブスカイト構造を得るために650℃で1時
間空気中で焼成した。
【0038】さらに、前記第1の実施例と同様に、これ
らのPT膜の上にφ0.1mmのアルミニウム電極層を
蒸着して形成した。アルミニウム電極層は上部電極とし
て使用し、前もってウエハー上に形成した白金層は下部
電極として使用した。
【0039】これらの上部及び下部電極を使用して、前
記第2実施例マスクを使用して作製したPT膜と前記比
較マスクを使用して作製したPT膜の各比誘電率を測定
した。比誘電率の測定は、前記第1の実施例と同様に、
LCRメーターを使用して測定電圧1V、測定周波数1
kHzで行い、前記第2実施例マスクで作製したPT
膜、前記比較マスクで作製したPT膜について各10個
づつ測定し、それぞれその平均を取った。その測定結果
は、白金ロジウムメッキを施さない前記比較マスクによ
るPT膜の比誘電率の値は50と低くなったのに対し、
本実施例による白金ロジウムメッキを施した第2実施例
マスクによるPT膜の比誘電率は180であった。ま
た、前述した成膜条件でマスクなしで作製したPT膜の
比誘電率は200であるため、第2実施例マスクを使用
してPT膜のパターンを形成する際の比誘電率の低下は
非常に小さくなったと言える。なお、PTのバルクセラ
ミックの比誘電率は約200であり、第2実施例マスク
によるPT膜は、薄膜化による比誘電率の低下を考えて
もかなり良い値のPT膜を得ることが可能になったと言
える。
【0040】本実施例においても、PT膜を基板温度4
00゜Cで成膜後、マスクを取り外し、空気中で焼成し
たが、成膜と焼成を同じ装置で実施する場合、例えば高
温で基板の加熱が可能な場合等は、マスクを取り外さず
焼成を実施することになるが、マスク1を使用した場合
には同様な特性のPT膜が得られるのに対し、前記比較
マスクを使用した場合は比誘電率はさらに劣化する。
【0041】なお、基板温度が低いと緻密なPT膜を形
成することができずその特性が劣化するとともに、基板
温度が高すぎるとマスクの貴金属がPZT膜内に熱拡散
してしまうので、基板温度は300〜700゜Cにする
ことが好ましい。
【0042】以上、本発明の各実施例について説明した
が、本発明はこれらに限定されるものではない。例え
ば、マスク基材の材質、貴金属の種類、貴金属のコーテ
ィング方法、緩衝層の有無、緩衝層の種類及び形成方
法、基板の構成、基板における下地層の有無、誘電体薄
膜の付着方法などは、前記各実施例に限定されるもので
はない。
【0043】また、本発明によるマスクを用いた誘電体
薄膜のパターン形成方法は、PZTやPTにとどまら
ず、チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウムのペロ
ブスカイト構造を持つ酸化物の誘電体薄膜のパターン形
成にも同様に使用でき、その成膜温度300〜700゜
Cの範囲で可能である。のみならず、本発明によるマス
クを用いた誘電体薄膜のパターン形成方法は、窒化物S
34、Ta2N、AlNなどの窒化物の誘電体薄膜や
その他の誘電体薄膜のパターン形成にも使用でき、これ
らの場合であっても特性劣化が小さくなる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特性劣化の小さい誘電体薄膜のパターンを形成すること
ができる。また、リソグラフィ法等と異なり、マスクさ
え用意すればよいため、安価に誘電体薄膜のパターンを
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるマスクを示す図で
あり、図1(a)はその平面図、図1(b)は図1
(a)中ののAーA’線に沿った断面の拡大図である。
【図2】本発明の第1の実施例によるマスクを使用して
パターニングしたPZT膜の部分断面図である。
【符号の説明】
1 マスク 10 マスク基板 20 ニッケル層 30 金層 40 ウエハー 50 白金下地層 60 PZT膜 70 アルミニウム電極層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定パターンを有するマスク基材の表面
    に直接又は所定の膜を介して貴金属がコーティングされ
    てなることを特徴とするマスク。
  2. 【請求項2】 前記貴金属が、金、白金、ロジウム、レ
    ニウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、イリジ
    ウム及び銀からなるグループのうちの1つの金属、又
    は、前記グループのうちの2つ以上の金属からなる合金
    であることを特徴とする請求項1記載のマスク。
  3. 【請求項3】 前記貴金属が、前記マスク基材の表面に
    直接又は前記所定の膜を介して、電気メッキ法でコーテ
    ィングされたことを特徴とする請求項1又は2記載のマ
    スク。
  4. 【請求項4】 前記貴金属が、前記マスク基材の表面に
    直接又は前記所定の膜を介して、スパッタリング法、イ
    オンプレーティング法及び真空蒸着を含む真空薄膜形成
    技術により物理的にコーティングされたことを特徴とす
    る請求項1又は2記載のマスク。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のマス
    クを使用して、基板上に誘電体薄膜のパターンを形成す
    ることを特徴とする誘電体薄膜のパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 前記誘電体薄膜がペロブスカイト構造を
    持つ酸化物の誘電体薄膜であることを特徴とする請求項
    5記載の誘電体薄膜のパターン形成方法。
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