JPH09125189A - 高耐力、高延性鋳鉄及びその製造方法 - Google Patents
高耐力、高延性鋳鉄及びその製造方法Info
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- JPH09125189A JPH09125189A JP28272495A JP28272495A JPH09125189A JP H09125189 A JPH09125189 A JP H09125189A JP 28272495 A JP28272495 A JP 28272495A JP 28272495 A JP28272495 A JP 28272495A JP H09125189 A JPH09125189 A JP H09125189A
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Abstract
造方法を提供する。 【解決手段】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.1〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Cu0.7%〜1.5%、M
g0.015〜0.06%を含み、残部Feと不可避的
不純物の鋳鉄であって、微細フェライト基地組織に黒鉛
が晶出した組織であり、Niを含有しても良く、このよ
うな適正な組成と成分範囲を持つ鋳鉄素材をオーステナ
イト化処理後焼入し、640〜710℃で焼戻し処理す
る製造方法によって得られる。
Description
鉄及びその製造方法に関するものである。
有しているため、種々の機械や自動車部品として広く使
用されている。伸びを必要とする部品にはJISのFC
D370材や450材等が使用され、機械的強度を必要
とする部品には、JISのFCD600材等が使用され
ている。とくに自動車の懸架装置部品としては、かしめ
加工や塑性加工の必要性が高まってきており、優れた耐
力と伸び特性、または優れた耐力比と伸び特性を兼備し
たものが要求されている。
て、特公昭55ー9452号公報には、低Mn材でフェ
ライト粒とパーライト粒との微細混合組織よりなる基地
に黒鉛を晶出した組織を有するものが開示されている。
また、特開平3ー202418号公報には、JISのF
CD400材等を用い、自動車部品の締結部のみを誘導
加熱保持後、焼入れ、焼戻し処理し、硬さの低下を防ぐ
技術が開示されている。
のFCD370材はほとんどが通常のフェライトの基地
で伸びは17%以上、耐力は235N/mm2と規定さ
れており、高延性を示すが、耐力比(耐力/引張強さ)
は0.65〜0.70程度である。一方、FCD600
材は通常のフェライトとパーライトの混合組織の基地で
耐力は373N/mm2 以上、伸びは3%以上と規定さ
れており、耐力比は0.63〜0.65程度である。何
れの場合も耐力比は0.63〜0.70と不十分であっ
た。
開示される球状黒鉛鋳鉄として、CuやNiを含有する
例が示されている。しかしこの球状黒鉛鋳鉄は0.06
又は0.07%の低Mn材を用い、パーライト基地のも
のを775〜790℃の狭い共析変態温度に加熱後空冷
することにより、基地がパーライト粒とこのパーライト
粒からフェライト化した粒との微細混合組織となるもの
である。耐力比は0.65と低く優れた耐力と伸び特
性、または優れた耐力比と伸び特性を兼備するものでは
なく、熱処理加熱温度範囲も狭く管理する温度範囲が狭
いという問題がある。また、特開平3ー202418号
公報には、JISのFCD400材等の鋳造部品につい
て部分的に硬度の低下を防ぐために、誘導加熱による局
部熱処理が開示されているが、局部熱処理された部分は
焼戻しマルテンサイト組織となり、他の部分は通常のフ
ェライト基地組織となっており、鋳造部品全体について
優れた耐力と伸び特性、または優れた耐力比と伸び特性
を兼備していない。
延性を兼備した鋳鉄とその製造方法を提供することを目
的とする。
解決するために種々検討し、鋳鉄の適正な組成と成分範
囲を確認し、かつ適正な熱処理を施すことが必要である
ことを究明し本発明に想到した。
発明の高耐力、高延性鋳鉄は、重量比で、C3.0〜
4.0%、Si1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2
%、P0.1%以下、S0.02%以下、Cu0.7〜
1.5%、Mg0.015〜0.06%を含み、残部F
eと不可避的不純物の鋳鉄であって、焼入マルテンサイ
トを焼戻しした微細フェライト基地組織に黒鉛が晶出し
た組織であることを特徴とする。
は、重量比で、C3.0〜4.0%、Si1.0〜3.
0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%以下、S0.
02%以下、Ni0.1〜3.0%、Cu0.7〜1.
5%、Mg0.015〜0.06%を含み、残部Feと
不可避的不純物の鋳鉄であって、焼入マルテンサイトを
焼戻しした微細フェライト基地組織に黒鉛が晶出した組
織であることを特徴とする。
し、伸びが13%以上で耐力比が0.75以上であるこ
と、あるいは伸びが13%以上で耐力y(N/mm2)
と伸びx(%)との関係が次式で表される相関式y≧ー
(100/17)x+490を満足することを特徴とす
る。
し、伸びが10%以上で耐力比が0.80以上であるこ
と、あるいは伸びが10%以上で、耐力y(N/m
m2) と伸びx(%)との関係が次式で表される相関式
y≧ー(100/17)x+530を満足することを特
徴とする。
こと、黒鉛が鋳造時に晶出する黒鉛と熱処理時に晶出す
る微細2次黒鉛からなることを特徴とする。
分範囲として、Cuが0.85〜1.30%であるこ
と、Niが0.5〜1.5%であることを特徴とする。
性として、Cuのみを含有する場合、伸びが15%以上
で耐力比が0.80以上であること、CuおよびNiを
含有する場合、伸びが12%以上で耐力比がO.85以
上であることを特徴とする。なお、本発明の鋳鉄として
は、上記した組成と成分範囲からなり、焼入マルテンサ
イトを焼戻しした微細フェライト基地組織に黒鉛を晶出
した組織であるが、組織中に未分解のマルテンサイトか
ら生じた炭化物が一部存在しても良い。
方法は、重量比で、C3.0〜4.0%、Si1.0〜
3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%以下、S
0.02%以下、Cu0.7〜1.5%、Mg0.01
5〜0.06%を含み、残部Feと不可避的不純物の鋳
鉄素材をオーステナイト化温度領域に昇温した後に所定
時間保ち、その後焼入れを行い、さらに640〜720
℃で焼戻しを行って微細フェライト基地組織に黒鉛を析
出することを特徴とする。
で、C3.0〜4.0%、Si1.0〜3.0%、Mn
0.2〜1.2%、P0.1%以下、S0.02%以
下、Ni0.1〜3.0%、Cu0.7〜1.5%、M
g0.015〜0.06%を含み、残部Feと不可避的
不純物の鋳鉄素材をオーステナイト化温度領域に昇温し
た後に所定時間保ち、その後焼入れを行い、さらに64
0〜720℃で焼戻しを行って微細フェライト基地組織
に黒鉛を析出することを特徴とする。
ナイト化温度領域が790〜910℃であること、オー
ステナイト化温度領域で2つの所定温度に所定時間保つ
2段加熱することを特徴とする。
鉄の組成と各成分範囲の限定理由について述べる。
イト(チル)が晶出しやすく、また4.0%を越えると
キッシュ黒鉛が出やすくなりいずれも強度と伸びが低下
するので、3.0〜4.0%とする。
びが低下する。一方、Siが3.0%を越えると基地が
脆くなり伸びが低下し、被削性も低下するので、1.0
〜3.0%とする。
% Mnは炭化物形成元素であり1.2%を越えるとチルを
出やすくし伸びが低下する。また、0.2%以下にする
には使用原材料を厳選する必要があり、コスト高となる
ことから、0.2〜1.2%とする。
るので、0.1%以下とする。
下するので、0.02%以下とする。
ましくは、0.85〜1.30% Cuは本発明の鋳鉄を構成する成分としては重要な元素
であり、焼入れマルテンサイトのフェライト化にあた
り、フェライトの再結晶化を阻止するため含有され、
0.7%未満ではその効果が小さく必要とする耐力、耐
力比が得られず、1.5%を越えて含有すると伸びが低
下する。従って、Cuは0.7〜1.5%とし、より優
れた耐力と伸びを兼備するために、好ましくは、0.8
5〜1.30%とする。
〜0.06% Mgは黒鉛球状化剤として含有されるものであり、0.
015%未満では黒鉛が球状化せず、一方、0.06%
を越えて含有されると、チル発生の原因となるので0.
015〜0.06%とする。
%、好ましくは、0.5〜1.5% Niは耐力や耐力比を向上する成分であり、その効果を
発揮するためには0.1%以上の含有を必要とするが、
3.0%を越えて含有されても効果は小さく、高価格と
なる。従って、Niは0.1〜3.0%とし、より優れ
た耐力と伸びを兼備するために、好ましくは、0.5〜
1.5%とする。
と成分範囲を有する鋳鉄素材が次に述べる適正な熱処理
によって、微細フェライト基地組織に微細2次黒鉛が析
出した組織となって得られるものである。
しては、上記組成と成分範囲を有する鋳鉄素材を、オー
ステナイト化温度領域に昇温してオーステナイト化した
後に焼入れを行い、さらに焼戻し処理を行うものであ
る。焼戻し温度が640℃未満では焼戻しマルテンサイ
トのセメンタイトの分解が十分でなく、伸びが不十分で
あり、710℃を越えるとフェライトが急激に粗大化す
る傾向を示し耐力が低下し、優れた耐力と伸びを兼備す
ることができない。またSi含有量が少なく、かつ、N
i、Mnを多めに添加する場合にはオーステナイトが生
じるため望ましくない。従って、上記組成と成分範囲を
有し、微細フェライト基地組織に黒鉛を晶出または析出
した組織として、優れた耐力と伸び、または優れた耐力
比と伸びを兼備するために、焼戻し温度を640〜72
0℃とする。
し、微細2次黒鉛と通常サイズの黒鉛を晶出するために
は、オーステナイト化温度領域として790〜910℃
とする。焼入れ後のマルテンサイトの炭素濃度を低く
し、焼戻し後の耐力および伸びを向上させるためには、
オーステナイト化温度領域で2つの所定温度に加熱処理
し、オーステナイト化温度領域内の低い温度に保持後焼
入れを行う2段加熱オーステナイト化処理とすることも
できる。
に用いた鋳鉄素材の組成を比較例と共に、その最終化学
成分(ただし、残部Feと不可避的不純物を除く)と、
その鋳鉄素材の熱処理後の本発明鋳鉄の耐力、引張強
さ、伸び、耐力比(耐力/引張強さ)の値を表1に示
す。なお、熱処理としては、850℃に30分加熱後8
00℃まで冷却し800℃で30分保持後、油冷焼入れ
し、700℃に1時間焼戻し処理したものである。
370相当材、No.2はFCD600相当材の比較例
であり、No.3〜11は本発明の実施例である。FC
D370相当材は伸びは26%と大きいが耐力は320
N/mm2、耐力比はO.73と低い。一方、FCD6
00相当材は耐力が420N/mm2と比較的高いが、
耐力比が0.56と低く、伸びも9%と小さい。これに
対し、No.3〜11の本実施例は、いずれも優れた耐
力と伸び、または耐力比と伸びを兼備している。No.
3〜7のCuを含有したものは、伸びが13%以上で耐
力比が0.75以上であり、好ましいものでは伸びが1
5%以上で耐力比が0.80以上である。No.8〜1
1のCuとNiを含有したものは、伸びは若干低下する
が耐力、耐力比は高くなる。伸びが10%以上で耐力比
が0.80以上であり、好ましいものでは伸びが12%
で耐力比が0.85以上である。
含有量を変えた場合の焼戻し後のミクロ組織を示す。図
1の(a)はJISのFCD370相当材について、
(b)は比較例としてCuを0.27%含有したもの、
(c)は本発明でCuを0.75%含有したものの焼戻
し後のミクロ組織を示す金属顕微鏡写真であり、倍率は
400倍である。図2の(a)は本発明でCuを1.2
5%含有したものの焼戻し後のミクロ組織を示す倍率が
400倍の金属顕微鏡写真であり、(b)はその拡大S
EM写真で、倍率は4000倍である。本発明の熱処理
として、850℃に30分加熱後冷却し800℃に30
分保持後、油冷焼入れし、700℃に1時間焼戻し処理
を施した。
トのサイズが約60〜65μm と大きく、CuをO.2
7%含有した鋳鉄でも、黒鉛の周りのフェライトが大き
い。Cuを0.75および1.25%含有した本発明の
鋳鉄では、約10μm という微細フェライト基地組織と
なり、鋳造時に晶出した黒鉛の他に熱処理時に晶出した
約5〜10μm の微細2次黒鉛が分散した組織となって
いる。パーライトからフェライト化するものと相違し、
本発明の如くマルテンサイトからフェライト化されたも
のは、焼戻し処理時に焼入れマルテンサイトから炭素が
抜け、マルテンサイトのレンズ状の形状を痕跡として残
す長形の微細フェライトになっていることが、図2
(b)からわかる。
の実施例について、850℃に30分加熱後冷却し80
0℃に30分保持後、油冷焼入れし、焼戻し温度を70
0、675、650、600℃に変えた場合の耐力、引
張強さ、伸び、耐力比の値を示す。
ら焼戻し温度としては、640〜720℃が良いが、焼
戻し温度が低くなると伸びが低下する傾向にあるので、
好ましくは、665〜720℃である。720℃を上限
としたのは表2中No.10(2.0%Ni添加)のオース
テナイト変態開始温度が720℃、完了温度が743℃
となるためである。
について、オーステナイト化温度の影響を調べた結果を
示す。
℃の場合は、焼戻し温度としては675℃でも700℃
でも伸びが大きいが、オーステナイト化温度が900℃
と高くなった場合には、伸びおよび耐力の観点より焼戻
し温度としては675℃より700℃の方が良い。
の関係を図3に示す。図3には、JIS G5502に
示されるFCD370、400、450、500、60
0、700、800材の下限値(図中×)とそれぞれ相
当材の実測値(図中△)を合わせ表示する。図中黒三角
▲1は表1のNo.1の比較例(FCD370相当材)
を、黒三角▲2は表1のNo.2の比較例(FCD60
0相当材)の値を示し、白丸○はCu含有の本発明の実
施例を、黒丸●はCuとNiを含有する本発明の実施例
の値を示している。
m2、伸び:26%)と黒三角▲2(耐力:420N/
mm2、伸び:9%)を結ぶ線は、耐力をyで、伸びを
xで表すと次の相関式となる。 y=ー(100/17)x+473 本発明としては、優れた耐力と伸びの兼備した鋳鉄の提
供を目的としており、Cuを含有するものでは、耐力と
してはy≧ー(100/17)x+490以上の相関式
を満足し、伸びが13%以上である図3の線ABCの右
上の領域の値を有する高耐力、高延性鋳鉄である。Cu
とNiを含有するものでは、より高い耐力と若干の伸び
の低下を考慮し、耐力としてはy≧ー(100/17)
x+530以上の相関式を満足し、伸びが10%以上で
ある図3の線DEFの右上の領域の値を有する高耐力、
高延性鋳鉄である。
ISのFCD370材およびFCD600材と、No.
6の本発明の実施例について、応力ー歪曲線を図4に示
す。図中に示すNo.は表1に示すNo.に対応し、そ
の鋳鉄についての特性を示している。本発明の鋳鉄は、
従来の球状黒鉛鋳鉄であるFCD370や600材と異
なり、鋼に類似した降伏現象を示し、優れた耐力と伸び
特性を兼備すると共に、耐塑性変形能は高いが、一度塑
性変形を開始するとあまり加工硬化せず変形する。した
がって、かしめ加工のように部分的な塑性加工を行う必
要がある場合、例えば図5に示す自動車の懸架装置部品
1の材料として本発明の材料を適用する場合には、懸架
装置部品1のかしめ加工部2を誘導コイル3を用いた誘
導加熱により部分加熱し、熱処理を施すことによって、
熱処理部について耐塑性変形能は高いが、一度塑性変形
を開始するとあまり加工硬化せず変形するという特性を
備える様にすることができ、極めて有用となる。
高延性を兼備しており、機械的強度と共にかしめ加工や
塑性加工の必要性が高まってきている自動車の懸架装置
部品の材料として有用であり、このような優れた特性と
組織を有する鋳鉄は、適正な組成と成分範囲を持つ鋳鉄
素材をオーステナイト化処理後焼入し、640〜720
℃で焼戻し処理する本発明の製造方法によって得られる
ものである。
組織を示す金属顕微鏡写真である。
示す金属顕微鏡およびその拡大SEM写真である。
を示す図である。
図である。
る場合の部分熱処理の態様を示す図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Cu0.7〜1.5%、Mg
0.015〜0.06%を含み、残部Feと不可避的不
純物の鋳鉄であって、焼入マルテンサイトを焼戻しした
微細フェライト基地組織に黒鉛が晶出または析出した組
織であることを特徴とする高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項2】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Ni0.1〜3.0%、Cu
0.7〜1.5%、Mg0.015〜0.06%を含
み、残部Feと不可避的不純物の鋳鉄であって、焼入マ
ルテンサイトを焼戻しした微細フェライト基地組織に黒
鉛が晶出または析出した組織であることを特徴とする高
耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項3】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Cu0.7〜1.5%、Mg
0.015〜0.06%を含み、残部Feと不可避的不
純物の鋳鉄であって、焼入マルテンサイトを焼戻しした
微細フェライト基地組織に黒鉛が晶出または析出した組
織であり、伸びが13%以上で耐力比が0.75以上で
あることを特徴とする高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項4】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Ni0.1〜3.0%、Cu
0.7〜1.5%、Mg0.015〜0.06%を含
み、残部Feと不可避的不純物の鋳鉄であって、焼入マ
ルテンサイトを焼戻しした微細フェライト基地組織に黒
鉛が晶出または析出した組織であり、伸びが10%以上
で耐力比が0.80以上であることを特徴とする高耐
力、高延性鋳鉄。 - 【請求項5】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Cu0.7〜1.5%、Mg
0.015〜0.06%を含み、残部Feと不可避的不
純物の鋳鉄であって、焼入マルテンサイトを焼戻しした
微細フェライト基地組織に黒鉛が晶出または析出した組
織であり、伸びが13%以上で、耐力y(N/mm2)
と伸びx(%)との関係が次式で表される相関式y≧ー
(100/17)x+490を満足することを特徴とす
る高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項6】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Ni0.1〜3.0%、Cu
0.7〜1.5%、Mg0.015〜0.06%を含
み、残部Feと不可避的不純物の鋳鉄であって、焼入マ
ルテンサイトを焼戻しした微細フェライト基地組織に黒
鉛が晶出または析出した組織であり、伸びが10%以上
で、耐力y(N/mm2) と伸びx(%)との関係が次
式で表される相関式y≧ー(100/17)x+530
を満足することを特徴とする高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項7】 前記鋳鉄であって、降伏現象を示すこと
を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の高耐
力、高延性鋳鉄。 - 【請求項8】 黒鉛が鋳造時に晶出する黒鉛と熱処理時
に晶出する微細2次黒鉛からなることを特徴とする請求
項1〜7のいずれか1項に記載の高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項9】 重量比でCuが0.85〜1.30%で
ある請求項1〜8のいずれか1項に記載の高耐力、高延
性鋳鉄。 - 【請求項10】 重量比でNiが0.5〜1.5%である
請求項2、4、6〜8のいずれか1項に記載の高耐力、
高延性鋳鉄。 - 【請求項11】 伸びが15%以上で耐力比が0.80以
上である請求項3、5、7〜9のいずれか1項に記載の
高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項12】 伸びが12%以上で耐力比が0.85以
上である請求項4、6〜8、10のいずれか1項に記載
の高耐力、高延性鋳鉄。 - 【請求項13】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Cu0.7〜1.5%、Mg
0.015〜0.06%を含み、残部Feと不可避的不
純物の鋳鉄素材をオーステナイト化温度領域に昇温した
後に所定時間保ち、その後焼入れを行い、さらに640
〜710℃で焼戻しを行って微細フェライト基地組織に
黒鉛を晶出することを特徴とする高耐力、高延性鋳鉄の
製造方法。 - 【請求項14】 重量比で、C3.0〜4.0%、Si
1.0〜3.0%、Mn0.2〜1.2%、P0.1%
以下、S0.02%以下、Ni0.1〜3.0%、Cu
0.7〜1.5%、Mg0.015〜0.06%を含
み、残部Feと不可避的不純物の鋳鉄素材をオーステナ
イト化温度領域に昇温した後に所定時間保ち、その後焼
入れを行い、さらに640〜720℃で焼戻しを行って
微細フェライト基地組織に黒鉛を晶出することを特徴と
する高耐力、高延性鋳鉄の製造方法。 - 【請求項15】 前記オーステナイト化温度領域が790
〜910である請求項13又は請求項14記載の高耐
力、高延性鋳鉄の製造方法。 - 【請求項16】 前記オーステナイト化温度領域で2つの
所定温度に所定時間保つ2段加熱する請求項13〜15
のいずれか1項に記載の高耐力、高延性鋳鉄の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP28272495A JP3823347B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高耐力、高延性鋳鉄及びその製造方法 |
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JP28272495A JP3823347B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高耐力、高延性鋳鉄及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09125189A true JPH09125189A (ja) | 1997-05-13 |
JP3823347B2 JP3823347B2 (ja) | 2006-09-20 |
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JP (1) | JP3823347B2 (ja) |
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