JPH09124740A - 免疫学的活性物質・酵素共重合体および免疫学的活性物質測定試薬 - Google Patents

免疫学的活性物質・酵素共重合体および免疫学的活性物質測定試薬

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JPH09124740A
JPH09124740A JP8145806A JP14580696A JPH09124740A JP H09124740 A JPH09124740 A JP H09124740A JP 8145806 A JP8145806 A JP 8145806A JP 14580696 A JP14580696 A JP 14580696A JP H09124740 A JPH09124740 A JP H09124740A
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Japan
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active substance
immunologically active
enzyme
group
antibody
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JP8145806A
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English (en)
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Hidejiro Sakaki
秀次郎 榊
Motohiro Mitani
元宏 三谷
Satoshi Yamada
智 山田
Kenshirou Shiyudou
健志郎 首藤
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F246/00Copolymers in which the nature of only the monomers in minority is defined

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  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗原または抗体を、酵素免疫測定法により高
感度で短時間に測定する。 【解決手段】 A−[(Y1)k−(X1)m−R1]n(Aは抗体
または抗原の残基、R1はラジカル重合可能な重合性
基、X1およびY1は2価の残基、mおよびkは0または
1、nは1以上の数)で表わされる免疫学的活性物質単
量体と、E−[(Y2)r−(X2)p−R2]q(Eは酵素の残
基、R2はラジカル重合可能な重合性基、X2およびY2
は2価の残基、pおよびrは0または1、qは1以上の
数)で表わされる酵素単量体とを重合してなる免疫学的
活性物質・酵素共重合体を測定試薬として用いる酵素免
疫測定法であって、被検物質となる抗原または抗体を含
む検体と、上記測定試薬とを接触させ、検体中の被検物
質と測定試薬中の免疫学的活性物質・酵素共重合体とを
抗原抗体反応させた後、得られる反応生成物を酵素活性
を利用して測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免疫学的活性物質
・酵素共重合体、この共重合体の製造方法、前記共重合
体を含む免疫学的活性物質測定試薬およびこの試薬を用
いた免疫学的活性物質の測定方法に関する。本発明の免
疫学的活性物質測定試薬は、臨床検査の分野における免
疫学的活性物質(抗原または抗体)の定性または定量に
利用するためのものである。
【0002】
【従来の技術】近年、各種疾患と関連して生体中に出現
するタンパク質等の免疫学的活性物質を、免疫反応(抗
原抗体反応)を利用して検出し、診断に利用することが
広く行われている。このような抗原抗体反応を利用した
測定法としては、放射免疫測定法(RIA)、酵素免疫
測定法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテッ
クス比濁法、免疫比濁法(TIA)などの各種の方法が
開発されている。
【0003】酵素免疫測定法は酵素標識した抗体(また
は酵素)を利用し、被検物質となる抗原(または抗体)
を測定する方法であり、被検物質に抗原抗体反応により
結合した酵素標識抗体(または抗原)の量を、酵素活性
を利用して測定する方法である。このような酵素免疫測
定法は放射性標識物を使用しないので安全であり、また
定量性に優れているなどの理由で広く利用されている。
【0004】近年、ますます高感度の免疫学的測定法が
要望されており、酵素免疫測定法においても改善が行わ
れている。例えば、固定化抗体に検体を加えた後洗浄
し、次にビオチン標識酵素を加えた後洗浄し、次に1)
アビチン標識酵素を加えた後洗浄し、次に酵素の基質を
加える方法や、2)アビチンを加えた後洗浄し、次にビ
オチン標識酵素を加えた後洗浄し、次に酵素の基質を加
える方法などが知られている。しかしながら、これらの
方法は、通常の酵素免疫測定法と比較すると測定感度は
高くなるものの、測定に要する時間が長くなるという問
題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酵素
免疫測定法において、高感度で短時間に測定を行うため
の免疫学的活性物質・酵素共重合体およびその製造方法
を提供することである。本発明の他の目的は、上記免疫
学的活性物質・酵素共重合体を含み、対応する免疫学的
活性物質を高感度で短時間に測定することができる免疫
学的活性物質測定試薬、およびこの試薬を用いた免疫学
的活性物質の測定方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の免疫学的活
性物質・酵素共重合体、この共重合体の製造方法、前記
共重合体を含む免疫学的活性物質測定試薬、およびこの
試薬を用いた免疫学的活性物質の測定方法である。 (1)一般式(1) A−[(Y1)k−(X1)m−R1]n …(1) (式中、Aは免疫学的活性物質の残基、R1はラジカル
重合可能な重合性基、X1は2価の残基、mは0または
1、Y1は2価の残基、kは0または1、nは1以上の
数を示す。)で表わされる免疫学的活性物質単量体と、
一般式(2) E−[(Y2)r−(X2)p−R2]q …(2) (式中、Eは酵素の残基、R2はラジカル重合可能な重
合性基、X2は2価の残基、pは0または1、Y2は2価
の残基、rは0または1、qは1以上の数を示す。)で
表わされる酵素単量体とを重合してなる免疫学的活性物
質・酵素共重合体。 (2)一般式(1) A−[(Y1)k−(X1)m−R1]n …(1) (式中、Aは免疫学的活性物質の残基、R1はラジカル
重合可能な重合性基、X1は2価の残基、mは0または
1、Y1は2価の残基、kは0または1、nは1以上の
数を示す。)で表わされる免疫学的活性物質単量体と、
一般式(2) E−[(Y2)r−(X2)p−R2]q …(2) (式中、Eは酵素の残基、R2はラジカル重合可能な重
合性基、X2は2価の残基、pは0または1、Y2は2価
の残基、rは0または1、qは1以上の数を示す。)で
表わされる酵素単量体とをラジカル重合することを特徴
とする免疫学的活性物質・酵素共重合体の製造方法。 (3)上記(1)記載の免疫学的活性物質・酵素共重合
体を含むことを特徴とする免疫学的活性物質測定試薬。 (4)被検物質となる免疫学的活性物質を含む検体と、
上記(3)記載の免疫学的活性物質測定試薬とを接触さ
せ、検体中の被検物質と免疫学的活性物質測定試薬中の
免疫学的活性物質・酵素共重合体とを抗原抗体反応させ
た後、得られる反応生成物を酵素活性を利用して測定す
ることを特徴とする免疫学的活性物質の測定方法。
【0007】本発明において、「免疫学的活性物質」と
は「抗体および/または抗原」を意味する。また「(メ
タ)アクリ」は「アクリおよび/またはメタクリ」を意
味する。
【0008】前記一般式(1)においてR1で示される
ラジカル重合可能な重合性基としては、ラジカル重合可
能な不飽和結合を含む基であれば特に限定されるもので
はないが、アクリロイル基、メタクリロイル基、マレイ
ミド基、スチリル基、ビニル基などがあげられる。これ
らの中では、一般式(1)で表わされる単量体同士、一
般式(1)で表わされる単量体と一般式(2)で表わさ
れる単量体、または一般式(1)で表わされる単量体と
他のモノマーとの重合性がよいアクリロイル基、メタク
リロイル基、マレイミド基、スチリル基などのエチレン
性不飽和結合を含む基が好ましい。
【0009】前記一般式(1)においてX1で示される
2価の残基は特に限定されるものではないが、アミド
基、エステル基、チオエステル基、エーテル基、アルキ
レン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン
基、アルキレンウレタン基、フェニレン基、スルホニル
基などがあげられる。
【0010】前記一般式(1)においてY1で示される
2価の残基は、後述の免疫学的活性物質(被標識物質)
中の反応性官能基と、後述の一般式(3)で表わされる
修飾剤中の反応性官能基(Y')とから形成される基
(結合)であり、具体的なものとしてはアミド基、ジカ
ルバミド結合、ウレア結合、ウレタン結合、ジスルフィ
ド結合、イミド酸アミド結合、3−チオスクシンイミド
基(マレイミド基にチオール基が反応して形成された結
合)などがあげられる。
【0011】前記一般式(1)においてAで示される免
疫学的活性物質の残基は、後述の一般式(3)で表わさ
れる修飾剤と反応し得る反応性官能基、例えば水酸基、
カルボキシル基、アミノ基、メルカプト基、各種糖鎖を
開環させたアルデヒド基等の反応性官能基を有する免疫
学的活性物質であって、抗体または抗原となり得る免疫
学的活性物質(以下、被標識物質という場合がある)の
残基である。
【0012】上記被標識物質としては、例えばC反応性
タンパク質(CRP)、リューマチ因子(RF)、トラ
ンスフェリン等の血漿タンパクに対する抗体;甲状腺刺
激ホルモン(TSH)、トリヨードサイロニン
(T3)、サイロキシン(T4)、チロキシン結合性タン
パク(TBG)、サイログロブリン、インスリン、エス
トリオール(E3)、絨毛性ゴナドトロピン(HC
G)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)等のホルモン
に対する抗体;癌胎児性抗原(CEA)、β2−マイク
ログロブリン、α−フェトプロテイン(AFP)等の腫
瘍関連物質に対する抗体;HBs抗原、HBs抗体、H
Be抗原、HBe抗体等のウイルス肝炎の抗原または抗
体に対する抗体または抗原;ムンプス、ヘルペス、麻
疹、風疹、サイトメガロ等のウイルス、抗エイズ抗体
(HIX2)等の各種生体成分に対する抗体または抗
原;フェノバルビタール、アセトアミノフェノン、サリ
チル酸、シクロスポリン等の各種薬剤に対する抗体;酵
素等のタンパク質;酵素に対する抗体などがあげられ
る。上記抗体においては、Fabフラグメント、F(a
b)'2フラグメントまたは還元型抗体であってもよい。
上記被標識物質としての酵素は、免疫学的活性という性
質を有するタンパク質として用いるものであり、生体触
媒作用という性質を有するタンパク質として用いるもの
ではない。すなわち被標識物質としての酵素は、酵素活
性を発揮させるために用いるのではない。なお、上記抗
体または抗原に対する抗原または抗体が、後述する本発
明の免疫学的活性物質測定試薬または測定方法における
測定対象の免疫学的活性物質(被検物質)になる。
【0013】前記一般式(1)においてnは1以上の
数、好ましくは免疫学的活性物質の種類にもよるが1〜
100、さらに好ましくは1〜50である。nが100
を超えると、免疫学的活性物質の種類にもよるが、免疫
学的活性が低下する場合がある。
【0014】前記一般式(2)においてEで示される酵
素の残基は、後述の一般式(5)で表わされる修飾剤と
反応し得る反応性官能基、例えば水酸基、カルボキシル
基、アミノ基、チオール基、各種糖鎖を開環させたアル
デヒド基等の反応性官能基を有する酵素の残基である。
【0015】上記酵素としては、従来から酵素免疫測定
法において使用されている酵素が使用でき、例えばアセ
チルコリンエステラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、
β−D−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコ
ースオキシダーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵
素、ヘキソキナーゼ、ペニシリナーゼ、ペルオキシダー
ゼ、リゾチームなどがあげられる。これらの中では、酵
素免疫測定法において汎用的に用いられているアルカリ
性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ペルオ
キシダーゼなどが好ましい。
【0016】前記一般式(2)においてqは1以上の
数、好ましくは酵素の種類にもよるが1〜100、さら
に好ましくは1〜50である。qが100を超えると、
酵素の種類にもよるが、酵素活性が低下する場合があ
る。
【0017】前記一般式(2)においてR2で示される
ラジカル重合可能な重合性基、X2で示される2価の残
基およびY2で示される2価の残基としては、それぞれ
前記一般式(1)においてR1、X1またはY1で示され
る基として例示した基と同様の基があげられる。
【0018】前記一般式(1)で表わされる免疫学的活
性物質単量体は、例えば前記免疫学的活性物質(被標識
物質)と、一般式(3) Y'−(X1)m−R1 …(3) (式中、Y'は免疫学的活性物質(被標識物質)中の反
応性官能基と結合可能な反応性官能基、R1、X1および
mは前記と同じものを示す。)で表わされる修飾剤とを
反応させることにより製造することができる。
【0019】上記一般式(3)においてY'で示される
反応性官能基としては、前記免疫学的活性物質(被標識
物質)中の反応性官能基と結合可能な反応性官能基であ
れば特に限定されるものではないが、水酸基、カルボキ
シル基、アルデヒド基、アミノ基、メルカプト基、スク
シニミジルオキシカルボニル基、イミドエステル基、ハ
ロゲノニトロアリル基、ピリジノジスルフィド基、マレ
イミド基、フタルイミドチオ基、ハロゲノメチルカルボ
ニル基、ハロゲノカルボニル基、ハロゲノスルホニル
基、ニトロアジドフェニル基、ジアゾトリフルオロアセ
チル基、イソシアネート基などがあげられる。これらの
中では、前記免疫学的活性物質(被標識物質)または酵
素中のアミノ基との結合が容易な、スクシニミジルオキ
シカルボニル基、イソシアネート基、ハロゲノカルボニ
ル基、ハロゲノスルホニル基などが好ましい。
【0020】前記一般式(3)で表わされる修飾剤の具
体的なものとしては、次のものが例示される。R1
(メタ)アクリロイル基である重合性基を有する修飾剤
としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクロレイ
ン、(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリロイ
ルイソシアネート、(メタ)アクリロイルオキシエチル
イソシアネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
ルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、6−((メタ)アクリロイルアミノ)カプロン酸、
3−((メタ)アクリロイルアミノ)プロピオン酸など
をあげることができる。これらの中では、前記免疫学的
活性物質(被標識物質)または酵素との反応が容易な
(メタ)アクリル酸クロリド、(メタ)アクリロイルイ
ソシアネートなどが好ましい。
【0021】またR1がマレイミド基である重合性基を
有する修飾剤としては、N−(6−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド、N−(4−マレイミドブチ
リルオキシ)スクシンイミド、N−(8−マレイミドカ
プリルオキシ)スクシンイミド、N−(11−マレイミ
ドウンデカノイル)スクシンイミド、N−(6−マレイ
ミドカプロイルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウ
ム塩、N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スルホス
クシンイミドナトリウム塩、N−(8−マレイミドカプ
リルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、N−
(11−マレイミドウンデカノイル)スルホスクシンイ
ミドナトリウム塩、N,N′−オキシジメチレンジマレ
イミド、N,N′−o−フェニレンジマレイミド、N,
N′−p−フェニレンジマレイミド、スクシニミジル
4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カ
ルボキシレート、スルホスクシニミジル 4−(N−マ
レイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレー
ト、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシ
ンイミドエステル、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒ
ドロキシスルホスクシンイミドエステル、スクシニミジ
ル 4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート、スル
ホスクシニミジル 4−(p−マレイミドフェニル)ブ
チレートなどをあげることができる。これらの中では、
水溶性を有し、前記免疫学的活性物質(被標識物質)ま
たは酵素との反応が容易なN−(6−マレイミドカプロ
イルオキシ)スクシンイミド、N−(6−マレイミドカ
プロイルオキシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、
N−(4−マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシン
イミドナトリウム塩、N−(8−マレイミドカプリルオ
キシ)スルホスクシンイミドナトリウム塩、N−(11
−マレイミドウンデカノイル)スルホスクシンイミドナ
トリウム塩などが好ましい。
【0022】さらに、R1がスチリル基である重合性基
を有する修飾剤としては、カルボキシスチレン、ホルミ
ルスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチレン、ス
チレンカルボン酸クロリド、スチレンスルホン酸クロリ
ドなどをあげることができる。これらの中では、前記免
疫学的活性物質(被標識物質)または酵素との反応が容
易なスチレンカルボン酸クロリド、スチレンスルホン酸
クロリドなどが好ましい。
【0023】上記のような免疫学的活性物質(被標識物
質)に前記一般式(3)で表わされる修飾剤を反応させ
ることにより、免疫学的活性物質中の前記反応性官能基
と修飾剤中の前記反応性官能基とが結合し、前記一般式
(1)で表わされる免疫学的活性物質単量体が得られ
る。この反応は下記反応式(4)で示される。
【0024】
【化1】 (式中、A、R1、X1、Y1、Y'、m、nおよびkは前
記と同じものを示す。)
【0025】免疫学的活性物質と前記一般式(3)で表
わされる修飾剤との反応は、免疫学的活性物質を溶解し
た溶液に、修飾剤を溶解した溶液を加え、反応温度0〜
50℃、好ましくは4〜25℃で15分間〜24時間、
好ましくは1〜12時間反応させることにより行うこと
ができる。免疫学的活性物質を溶解する溶媒としては、
リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス/塩酸
緩衝液または各種生理食塩水等の水系溶媒;各種有機溶
媒;前記水系溶媒と有機溶媒との混合液などが使用でき
る。また修飾剤を溶解する溶媒としては、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフランまたはこれらの混合液等が使用
できる。修飾剤は前記化合物をそのまま使用することも
できるし、免疫学的活性物質との反応を容易にするため
に、カルボキシル基、アミノ基または水酸基などの官能
基を活性化させたのち反応に供することもできる。
【0026】このようして得られる反応生成物は精製す
ることなく免疫学的活性物質単量体として使用すること
ができるし、必要により透析、塩析、ゲルろ過、限外ろ
過などの方法により精製することもできる。
【0027】なお、合成した免疫学的活性物質単量体中
のnの数は、修飾した重合可能な重合性基を直接定量し
て求めることもできるし、免疫学的活性物質単量体中の
反応性官能基を定量することにより求めることもでき
る。後者において、例えばこの反応性官能基がアミノ基
の場合、反応前(修飾前)および反応後(修飾後)の単
量体中のアミノ基を定量し、修飾剤により修飾されたア
ミノ基の割合(修飾率)を求め、この修飾率からnの数
を求めることができる。
【0028】前記一般式(2)で表わされる酵素単量体
は、免疫学的活性物質の代わりに前記酵素を用いて、こ
の酵素と一般式(5) Y''−(X2)p−R2 …(5) (式中、Y''は酵素中の反応性官能基と結合可能な反応
性官能基、R2、X2およびpは前記と同じものを示
す。)で表わされる修飾剤とを、前記免疫学的活性物質
単量体を製造する場合と同様にして反応させることによ
り製造することができる。一般式(5)においてY''で
示される反応性官能基としては、前記Y'で示される反
応性官能基と同様な基があげられる。
【0029】上記反応は下記反応式(6)で示される。
【化2】 (式中、E、R2、X2、Y2、Y''、p、qおよびrは
前記と同じものを示す。)
【0030】本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合体
は、前記一般式(1)で表わされる免疫学的活性物質単
量体と前記一般式(2)で表わされる酵素単量体とをラ
ジカル重合してなる共重合体であり、下記一般式(1
a)で表わされる免疫学的活性物質単量体に由来する構
造単位と、下記一般式(2a)で表わされる酵素単量体
に由来する構造単位とを含んでいる。
【0031】
【化3】 (式中、R3は前記R1の残基、iは0以上の数、jは1
以上の数で、i+j=nを満たす。R4は前記R2の残
基、sは0以上の数、tは1以上の数で、s+t=qを
満たす。ここで、nおよびqは前記一般式(1)または
(2)のnおよびqと同じである。A、X1、m、Y1
k、E、X2、p、Y2およびrは前記と同じものを示
す。)
【0032】一般式(1a)または(2a)中のR3
たはR4の具体的なものとしては下記のものが例示され
るが、これらに限定されない。
【化4】
【0033】本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合体
は、前記必須の構造単位のほかに他のモノマーに由来す
る構造単位を含んでいてもよい。上記他のモノマーは前
記一般式(1)で表わされる免疫学的活性物質単量体お
よび/または前記一般式(2)で表わされる酵素単量体
とラジカル共重合可能なモノマーであれば特に限定され
るものではないが、例えば(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリル酸アミド、N−ヒドロキシ(メ
タ)アクリル酸アミド、N,N−ジアルキル(メタ)ア
クリル酸アミド、N,N−ジアルキルアミノエチル(メ
タ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸、ポリエチ
レングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル、ピロ
リドン、スチレン、α−メチルスチレン、メチル核置換
スチレン、核アルキル置換スチレン、クロロ核置換スチ
レン、核ハロゲン置換スチレン、スチレンスルホン酸ナ
トリウム、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、イソブチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテ
ル、ジエチルイタコネート、ジ−n−ブチルイタコネー
ト等のビニル系モノマーなどがあげられる。これらの他
のモノマーは1種単独で使用することもできるし、2種
以上を混合して使用することもできる。他のモノマーと
しては、水溶性ビニル系モノマーが好ましい。
【0034】本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合体
の重合度は、通常2〜1000、好ましくは3〜100
0、さらに好ましくは4〜100であり、免疫学的活性
物質・酵素共重合体中に占める前記一般式(1a)で表
わされる構造単位は0.001〜90モル%、好ましく
は0.01〜80モル%、前記一般式(2a)で表わさ
れる構造単位は0.01〜99モル%、好ましくは0.
1〜90モル%、他のモノマーに由来する構造単位は9
9モル%以下、好ましくは1〜98モル%であるのが望
ましい。また免疫学的活性物質・酵素共重合体における
一般式(1a)で表わされる構造単位:一般式(2a)
で表わされる構造単位のモル比は1:3〜1:1000
0、好ましくは1:5〜1:1000であるのが望まし
い。本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合体の分子量
は原料となる免疫学的活性物質または酵素の種類により
一般的に規定することはできないが、例えば免疫学的活
性物質が抗体、酵素がβ−D−ガラクトシダーゼである
場合、平均分子量700,000〜10,000,000程度である。
【0035】本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合体
を製造する際、一般式(1)で表わされる免疫学的活性
物質単量体および一般式(2)で表わされる酵素単量
体、ならびに必要により用いられる他のモノマーの重合
は、開始剤の存在下に行うのが好ましい。
【0036】上記開始剤としては、通常のラジカル開始
剤が制限されることなく使用できる。具体的なものとし
ては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジ
カーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブ
チルペルオキシジイソブチレート、2,2′−アゾビス
[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プ
ロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロク
ロリド、2,2′−アゾビス[2−(4,5,6,7−
テトラヒドロ−1H−1,3−ジアジピン−2−イル)
プロパン]ジヒドロクロリド、2,2′−アゾビス[2
−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イ
ル)プロパン]ジヒドロクロリド、過硫酸塩および過硫
酸一亜硫酸水素塩などがあげられる。開始剤の使用量
は、全モノマー100重量部に対して0.01〜10重
量部、好ましくは0.1〜5重量部とするのが望まし
い。
【0037】重合反応は反応媒体を使用しないで行うこ
ともできるが、免疫学的活性物質単量体または酵素単量
体の活性を低下させない反応媒体中で行うのが好まし
い。反応媒体としては、例えばリン酸緩衝液、炭酸緩衝
液、酢酸緩衝液、トリス/塩酸緩衝液等の緩衝液;水;
メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブタノー
ル、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、テト
ラヒドロフラン、クロロホルム等の有機溶媒などがあげ
られる。これらは一種単独で使用することもできるし、
二種以上を混合して使用することもできる。有機溶媒は
免疫学的活性物質単量体または酵素単量体の活性を失活
させない濃度、例えば0.1〜40体積%の濃度になる
ように緩衝液と混合して使用するのが好ましい。
【0038】免疫学的活性物質・酵素共重合体を製造す
る際、重合度を調整する目的で連鎖移動剤を使用するこ
ともできる。具体的なものとしては、エチルメルカプタ
ン等のアルキルメルカプタン;エタンジチオール等のア
ルキルジチオール;アミノエタンチオール等のアミノア
ルキルメルカプタン;メルカプトエタノール等のヒドロ
キシアルキルメルカプタン;メルカプト酢酸等のカルボ
キシエタンチオールなどがあげられる。連鎖移動剤の使
用量は全モノマー100重量部に対して0.001〜1
00重量部、好ましくは0.01〜10重量部とするの
が望ましい。
【0039】また重合反応は、重合系を不活性ガス、例
えば窒素、アルゴン、ヘリウムなどで置換して行うのが
好ましい。反応条件は、重合温度15〜70℃、好まし
くは20〜60℃、重合時間2〜72時間程度、好まし
くは5〜72時間とするのが好ましい。このようにして
得られる免疫学的活性物質・酵素共重合体の重合度(分
子量)は、重合温度、重合時間、開始剤の種類または使
用量、連鎖移動剤の種類または使用量などを選択するこ
とにより調整することができる。反応終了後は、必要に
より透析、塩析、ゲルろ過,限外ろ過などの方法により
精製することができる。
【0040】本発明の免疫学的活性物質測定試薬は、上
記のようにして得られる免疫学的活性物質・酵素共重合
体を含むものであり、免疫学的活性物質・酵素共重合体
だけからなっていても、他の添加剤が配合されていても
よい。また本発明の測定試薬は、固体ないし粉体のよう
な乾燥状態で保管し、使用時に適当な媒体に溶解して使
用することもできるし、始めから溶液の形態で試薬とす
ることもできる。後者の場合、試薬中の免疫学的活性物
質・酵素共重合体の濃度は1×10-5〜10mg/m
l、好ましくは1×10-3〜1mg/mlとするのが望
ましい。
【0041】上記添加剤としては、従来から抗原抗体反
応を利用した測定試薬に用いられている添加剤が制限な
く使用できる。具体的なものとしては、ウシ血清アルブ
ミン、オボアルブミン等のタンパク質;ドデシル硫酸ナ
トリウム、Tween20(ICI社製、商標)、ポリ
エチレングリコール等の界面活性剤;メタノール、エタ
ノール、アセトン、N,N′−ジメチルホルムアミド、
テトラヒドロフラン等の有機溶媒などがあげられる。
【0042】また免疫学的活性物質・酵素共重合体を溶
解する媒体としては、活性を低下させないで溶解するこ
とができる液であれば制限なく使用することができ、具
体的にはリン酸緩衝液、炭酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリ
ス/塩酸緩衝液等の緩衝液;水;これらの緩衝液または
水と、メタノール、エタノール、プロパノール、t−ブ
タノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミ
ド、テトラヒドロフラン、クロロホルム等の有機溶媒と
の混合液、例えば有機溶媒濃度が0.1〜40体積%の
混合液などがあげられる。
【0043】本発明の測定試薬を用いて被検物質を測定
するには、従来の酵素で標識した抗体または抗原の代わ
りに本発明の測定試薬を用いて、公知の酵素免疫測定法
により行うことができる。すなわち、被検物質となる免
疫学的活性物質を含む検体と本発明の測定試薬とを接触
させ、検体中の被検物質と本発明の測定試薬中の免疫学
的活性物質・酵素共重合体とを抗原抗体反応させた後、
得られる抗原抗体反応生成物を酵素の活性を利用して測
定する。これにより被検物質の定量または定性を行うこ
とができる。
【0044】抗原抗体反応を行う際の反応系の免疫学的
活性物質・酵素共重合体の濃度は0.01ng/ml〜
100μg/ml、好ましくは0.1ng/ml〜10
μg/ml、反応温度は0〜70℃、好ましくは免疫学
的活性物質・酵素共重合体または被検物質が失活しない
4〜40℃、反応系のpHは2〜13、好ましくは4〜
11とするのが望ましい。反応時間は0.1分間〜1時
間、好ましくは1分間〜20分間とするのが望ましい。
【0045】反応媒体としては、本発明の測定試薬を溶
液状態の試薬とする場合に使用する媒体として例示した
前記緩衝液、水またはこれらと有機溶媒との混合液と同
様のものが使用できる。また反応系には、本発明の測定
試薬に添加することができる添加剤と同様の添加剤を添
加することができる。
【0046】抗原抗体反応生成物を酵素の活性を利用し
て測定するには、従来の酵素免疫測定法と同様に、使用
した酵素に応じて種々の方法を採用することができる。
通常は、酵素の基質を加えて酵素基質反応を進行させ、
生成した生成物の量を測定する方法が採用される。具体
的な方法としては、例えば吸光度法、蛍光法、化学発光
法などの方法が採用できる。酵素の基質としては、従来
の酵素免疫測定法または酵素検出に用いられている基質
を使用することが可能であり、例えばペルオキシダーゼ
の基質としては1,2−フェニレンジアミン、3,3',
5,5'−テトラメチルベンチジンなど、β−D−ガラ
クトシダ−ゼの基質としては2−ニトロフェニル・β−
D−ガラクトシド、4−ヒドロフェニル酢酸、4−メト
キシ−4−(3−ガラクトシドフェニル)スピロ(1,
2−ジオキセタン−3,2'−アダマンタン)二ナトリ
ウム塩、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
など、アルカリ性ホスファターゼの基質としては、4−
ニトロフェニルホスフェート、4−メチルウムベリフェ
リル・β−D−ガラクトシド、4−メチルウムベリフェ
リル・ホスフェート、4−メトキシ−4−(3−ホスフ
ェートフェニル)スピロ(1,2−ジオキセタン−3,
2'−アダマンタン)二ナトリウム塩などをあげること
ができる。
【0047】本発明の免疫学的活性物質の測定方法を、
従来の酵素免疫測定法においても広く使用されているタ
イタープレートを用いた場合について、下記反応式
(7)により具体的に説明する。
【化5】
【0048】反応式(7)は本発明の測定方法に係る反
応を模式的に示したものであり、従来の酵素免疫測定法
において使用されているタイタープレート、例えばNUNC
社から市販されているポリスチレン製のMaxisorp F96
(商標)タイタープレートを用いてマウス抗体を測定す
る場合の例を示している。この場合、測定は反応式
(7)に示されているように、(S1)〜(S4)の4
段階の反応を経て行われる。
【0049】1)まず、タイタープレートの各ウェルに
抗マウス抗体を加え、タイタープレート上に抗マウス抗
体を物理吸着により固定化する(S1)。 2)次に、被検物質となるマウス抗体を含む検体をその
まま、または適当な溶媒で希釈して加え、抗原抗体反応
により抗原抗体複合体を形成させる(S2)。 3)次に、抗マウス抗体と酵素との共重合体からなる免
疫学的活性物質・酵素共重合体(抗マウス抗体・酵素共
重合体)を含む本発明の免疫学的活性物質測定試薬を加
え、上記2)の抗原抗体複合体と抗マウス抗体・酵素共
重合体とを抗原抗体反応させる。これにより、抗原抗体
・抗マウス抗体・酵素共重合体複合体を形成させる(S
3)。 4)次に、未反応の抗マウス抗体・酵素共重合体を洗浄
により除去した後、この酵素に対する基質を大過剰加
え、酵素により基質を分解する(S4)。この酵素基質
反応により生成する生成物を、例えば吸光光度法、蛍光
法、化学発光法などの方法により測定する。この場合、
酵素が重合されているので、単位マウス抗体に対する酵
素の量は、酵素を重合していない従来の試薬を用いた場
合に比べて多くなり、このため生成物の生成量が増加す
る。従って、例えば測定吸光度が高くなり高感度の測定
が行われる。なお、予め既知量のマウス抗体を用いて上
記手順と同様にして測定し、これにより作成した検量線
と対比することにより、検体中のマウス抗体量を定量す
ることができる。
【0050】このように、本発明の免疫学的活性物質の
測定方法は、単位被検物質に対して結合する酵素量が従
来の方法に比べて多くなるため、単位時間当りに基質か
ら生成する生成物の生成量が多くなり、これにより測定
吸光度が高くなって高感度で測定することができる。他
の酵素活性測定方法を採用した場合も、同様に高感度で
測定することができる。このため本発明の免疫学的活性
物質の測定方法は、従来の酵素免疫測定法では測定でき
ない低濃度の被検物質を測定することもできる。また単
位時間当りに基質から生成する生成物の生成量が多くな
っているので、酵素反応に要する時間を短くすることが
できる。さらに本発明の免疫学的活性物質の測定方法
は、従来の酵素で標識した抗体または抗原の代わりに本
発明の測定試薬を用いる方法なので、特別な操作は不要
であり、簡単な操作で短時間に測定することができる。
【0051】
【発明の効果】本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合
体は免疫学的活性物質と酵素とが共重合されているの
で、高感度の免疫学的活性物質測定試薬として使用する
ことができる。
【0052】本発明の免疫学的活性物質・酵素共重合体
の製造方法は、ラジカル重合可能な重合性基を有する特
定の免疫学的活性物質単量体および酵素単量体をモノマ
ーとして用いているので、容易に免疫学的活性物質・酵
素共重合体を製造することができる。
【0053】本発明の免疫学的活性物質測定試薬は上記
免疫学的活性物質・酵素共重合体を含んでいるので、対
応する免疫学的活性物質を高感度で短時間に測定するこ
とができる。
【0054】本発明の免疫学的活性物質の測定方法は上
記測定試薬を用いているので、簡単な操作で、対応する
免疫学的活性物質を高感度で短時間に測定することがで
きる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例および比較
例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限
定されるものではない。 参考例1 マレイミド基修飾β−D−ガラクトシダーゼ
の調製 100mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナト
リウム緩衝液(pH6.0)に10mg/mlの濃度に
なるようにβ−D−ガラクトシダーゼ(分子量約54
0,000)を溶解した。この溶液1000μlに、ジ
メチルホルムアミドに溶解した5mg/ml濃度のN,
N′−o−フェニレンジマレイミド溶液9.9μlを加
え、30℃で30分間、暗所でインキュベートし、β−
D−ガラクトシダーゼ中のチオール基にN,N′−o−
フェニレンジマレイミドを反応させた。
【0056】反応終了後、反応液を、100mMリン酸
水素二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(p
H6.0)で平衡化したSephadex-G25 (Pharmacia LKB
Biotechnology社製、商標)充填カラム(カラムサイ
ズ:内径13mm×390mm)に、流速0.5ml/
minで通液して分画した(分画体積:1.0ml/各
分画)。各分画の280nmの吸光度を測定することに
より、マレイミド基修飾β−D−ガラクトシダーゼおよ
び未反応のN,N′−o−フェニレンジマレイミドのピ
ークを確認し、下式(8)で表わされるマレイミド基修
飾β−D−ガラクトシダーゼを得た。このβ−D−ガラ
クトシダーゼ1分子当りのマレイミド基の数(mol/
mol)を、4,4′−ジチオピリジンを用いる方法に
より測定したところ、6.7であった。
【0057】
【化6】 (式中、Eはβ−D−ガラクトシダーゼの残基を示す。
q=6.7)
【0058】調製したマレイミド基修飾β−D−ガラク
トシダーゼは、限外濾過により25mg/mlに濃縮し
た。また、マレイミド基修飾β−D−ガラクトシダーゼ
をドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動(SDS−PAGE)に供したところ、調製した
マレイミド基修飾β−D−ガラクトシダーゼは、未修飾
のβ−D−ガラクトシダーゼと比較すると、会合または
重合などの高分子化は起きていないことが確認された。
【0059】参考例2 マレイミド基修飾抗マウス抗体
の調製 100mM炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム緩衝液
(pH9.0)に50mg/mlの濃度になるように抗
マウス抗体(分子量約150,000)を溶解した。こ
の溶液1200μlに、ジメチルホルムアミドに溶解し
た50mg/ml濃度のN−(6−マレイミドカプロイ
ルオキシ)スクシンイミド(EMCS、同仁化学社製、
商標)溶液23.1μlを加え、4℃で12時間、暗所
でインキュベートし、抗マウス抗体中のアミノ基にEM
CSを反応させた。
【0060】反応終了後、反応液を参考例1と同様にし
て分画した。各分画の280nmの吸光度を測定するこ
とにより、マレイミド基修飾抗マウス抗体および未反応
のEMCSのピークを確認し、収分画番号22−33を
分取して、下式(9)で表わされるマレイミド基修飾抗
マウス抗体を得た。
【0061】抗体の修飾可能な遊離アミノ基がEMCS
と反応してアミド結合を形成した割合(修飾率(%))
を、グリシン溶液を標準液、未修飾の抗体の修飾率を0
%として、遊離アミノ基の定量法(Analytical Biochem
istry 14, 328-336(1966))により求めた。その結果、
修飾率は8.0%で、n=7.20であった。
【0062】
【化7】 (式中、Aは抗マウス抗体の残基を示す。n=7.2
0)
【0063】調製したマレイミド基修飾抗マウス抗体を
参考例1と同様にして未修飾の抗マウス抗体と比較する
と、会合または重合などの高分子化は起きていないこと
が確認された。
【0064】実施例1 抗体・酵素共重合体の調製 参考例1で得た25mg/ml濃度のマレイミド基修飾
β−D−ガラクトシダーゼ(以下、ガラクトシダーゼ単
量体という場合がある)溶液、参考例2で得た25mg
/ml濃度のマレイミド基修飾抗マウス抗体(以下、抗
体単量体という場合がある)溶液、下記モノマー溶液お
よび開始剤溶液を用いて抗体・酵素共重合体を調製し
た。すなわちメタクリルアミドおよび2,2′−アゾビ
ス〔2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン〕ジヒド
ロクロリドを100mMリン酸水素二ナトリウム/リン
酸二水素ナトリウム緩衝液(pH6.0)にそれぞれ溶
解し、200.0mg/mlのメタクリルアミド溶液お
よび4.0mg/mlの開始剤溶液を得た。
【0065】次に、上記ガラクトシダーゼ単量体溶液8
00μl、抗体単量体溶液4μl、メタクリルアミド溶
液100μlおよび開始剤溶液100μlを混合し、窒
素雰囲気下、35℃で3日間、暗所において振とうしな
がらインキュベートし、共重合反応を行った。反応終了
後、反応液を100mlの30mMリン酸水素二ナトリ
ウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に
対して、4℃で暗所において透析し、開始剤を除去し
た。
【0066】透析終了後、TSK-GEL G4000SWXL(TOSOH社
製、商標)の充填カラム、およびTSK-GEL G3000SWXL(TO
SOH社製、商標)の充填カラムをこの順序で直列に接続
し、これを用いて分析した。すなわち透析した反応液
を、0.3M NaCl、50mMリン酸水素二ナトリ
ウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.0)で
平衡化した上記カラムに、流速=1.0ml/min、
カラム温度=40℃、サンプル体積=50μl、サンプ
ル濃度=1.0mg/mlの条件で通液した。その結
果、ブルーデキストラン(分子量=2,000,00
0)とチオグロブリン(分子量=669,000)との
間にピークが確認され、抗体・酵素共重合体が調製され
たことが確認された。
【0067】実施例2 マウス抗体の測定 タイタープレート(Maxisorp F96、NUNC社製、商標)の
各ウェルに、100mMリン酸水素二ナトリウム/リン
酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に溶解した
5.0μg/ml濃度の抗マウス抗体(Anti Mouse Ig
G)溶液100μlを加え、4℃で12時間インキュベ
ートし、タイタープレートに抗マウス抗体を固定化し
た。その後、各ウェルを、0.5%Tween 20お
よび150mMNaClを添加した10mMリン酸水素
二ナトリウム/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH
7.5)で3回洗浄した。次に、5%ウシ血清アルブミ
ン、0.5%Tween 20および150mM Na
Clを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン
酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)溶液を各ウェ
ルに300μl加え、25℃で2時間インキュベート
し、プレートをブロッキングした。その後、各ウェルの
溶液をデカンテーションにより除去した。
【0068】0、2、10、50、250または125
0fmol/mlの濃度になるようにマウス抗体(Mous
e IgG)を溶解した6種類の検体溶液〔5%ウシ血清ア
ルブミン、0.5%Tween 20および150mM
NaClを添加した10mMリン酸水素二ナトリウム
/リン酸二水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に、マ
ウス抗体を添加して調製した溶液〕を、各々100μl
ずつ各々16個のウェルに加え、25℃で30分間イン
キュベートし、抗原抗体反応により抗マウス抗体・マウ
ス抗体複合体を形成させた。その後、各ウェルを、0.
5%Tween20および150mM NaClを添加
した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素ナ
トリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。
【0069】次に、各ウェルに、実施例1で得た抗体・
酵素共重合体の希釈液〔5%ウシ血清アルブミン、0.
5%Tween 20および150mM NaClを添
加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二水素
ナトリウム緩衝液(pH7.5)で1000倍希釈した
もの〕100μlを加え、25℃で30分間インキュベ
ートし、上記抗マウス抗体・マウス抗体複合体に抗体・
酵素共重合体を抗原抗体反応させた。その後、各ウェル
を0.5%Tween 20および150mMNaCl
を添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二
水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)で3回洗浄した。
【0070】次に、各ウェルに、β−D−ガラクトシダ
ーゼの基質となる2−ニトロフェニル−β−D−ガラク
トピラノシドの25mM溶液〔100mM NaCl、
0.1%ウシ血清アルブミンおよび1mM MgCl2
を添加した10mMリン酸水素二ナトリウム/リン酸二
水素ナトリウム緩衝液(pH7.5)に基質を溶解した
溶液〕100μlを加え、35℃で10分間インキュベ
ートし、酵素基質反応を行った。次に、200mMの炭
酸ナトリウム溶液を各ウェルに100μl添加した後、
マイクロプレートリーダーにて各ウェルの410nmで
の吸光度を求めた。各濃度の検体の測定吸光度、平均
値、標準偏差(SD)、CV値(%)などを表1に示
す。
【0071】比較例1 実施例2において、抗体・酵素共重合体の代わりにβ−
D−ガラクトシダーゼ標識抗マウス抗体を用いた以外は
実施例2と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】表1および表2の結果から、従来の酵素標
識抗体を用いた比較例1では50fmol/mlの検体
までしか測定することができないが、抗体・酵素共重合
体を用いた実施例2では2fmol/mlまで測定可能
であり、高感度での測定が可能であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08H 1/00 C08H 1/00 G01N 33/535 G01N 33/535

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) A−[(Y1)k−(X1)m−R1]n …(1) (式中、Aは免疫学的活性物質の残基、R1はラジカル
    重合可能な重合性基、X1は2価の残基、mは0または
    1、Y1は2価の残基、kは0または1、nは1以上の
    数を示す。)で表わされる免疫学的活性物質単量体と、
    一般式(2) E−[(Y2)r−(X2)p−R2]q …(2) (式中、Eは酵素の残基、R2はラジカル重合可能な重
    合性基、X2は2価の残基、pは0または1、Y2は2価
    の残基、rは0または1、qは1以上の数を示す。)で
    表わされる酵素単量体とを重合してなる免疫学的活性物
    質・酵素共重合体。
  2. 【請求項2】 一般式(1) A−[(Y1)k−(X1)m−R1]n …(1) (式中、Aは免疫学的活性物質の残基、R1はラジカル
    重合可能な重合性基、X1は2価の残基、mは0または
    1、Y1は2価の残基、kは0または1、nは1以上の
    数を示す。)で表わされる免疫学的活性物質単量体と、
    一般式(2) E−[(Y2)r−(X2)p−R2]q …(2) (式中、Eは酵素の残基、R2はラジカル重合可能な重
    合性基、X2は2価の残基、pは0または1、Y2は2価
    の残基、rは0または1、qは1以上の数を示す。)で
    表わされる酵素単量体とをラジカル重合することを特徴
    とする免疫学的活性物質・酵素共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の免疫学的活性物質・酵素
    共重合体を含むことを特徴とする免疫学的活性物質測定
    試薬。
  4. 【請求項4】 被検物質となる免疫学的活性物質を含む
    検体と、請求項3記載の免疫学的活性物質測定試薬とを
    接触させ、検体中の被検物質と免疫学的活性物質測定試
    薬中の免疫学的活性物質・酵素共重合体とを抗原抗体反
    応させた後、得られる反応生成物を酵素活性を利用して
    測定することを特徴とする免疫学的活性物質の測定方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011201943A (ja) * 2010-03-24 2011-10-13 Saitama Univ Fretを利用した酵素活性測定基質及びその製造方法

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