JPH09124465A - 経皮吸収製剤用基剤および経皮吸収製剤の製造法 - Google Patents

経皮吸収製剤用基剤および経皮吸収製剤の製造法

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JPH09124465A
JPH09124465A JP30516695A JP30516695A JPH09124465A JP H09124465 A JPH09124465 A JP H09124465A JP 30516695 A JP30516695 A JP 30516695A JP 30516695 A JP30516695 A JP 30516695A JP H09124465 A JPH09124465 A JP H09124465A
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alkyl
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JP30516695A
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Chiaki Nagahama
千秋 長浜
Jun Hosoda
純 細田
Takashi Mihashi
隆史 三橋
Takayuki Izeki
隆幸 井関
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長400nm以下の活性エネルギー線によ
って分解あるいは劣化する薬剤を含む経皮吸収製剤用基
剤を、該薬剤を分解あるいは劣化させること無しに光重
合によって製造する方法を提供する。 【解決手段】(a)エチレン性不飽和結合を有する単量
体、(b)波長400nm以下の活性エネルギー線で分
解あるいは劣化する薬剤および(c)波長400nm以
上の活性エネルギー線で重合開始可能な光重合開始剤を
含有する経皮吸収製剤用基剤用組成物に波長400nm
以下の光線を実質的に含まない活性エネルギー線を照射
する経皮吸収製剤用基剤の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は経皮吸収製剤の製造
法に関し、より詳しくは、波長400nm以下の活性エ
ネルギー線で分解あるいは劣化する薬剤を含む光重合性
経皮吸収製剤用基剤用組成物を該薬剤を分解あるいは劣
化すること無しに製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】経皮吸収製剤、例えば、含水性基剤であ
る貼付剤は、親水または水溶性ポリマー、水、保湿剤、
薬剤等を混練し、不織布上に展延することにより製造さ
れている。現在貼付剤に用いられているポリマーは、ポ
リアクリル酸、ポリビニルアルコール、ゼラチン、ヒド
ロキシプロピルセルロース等のポリマーである。これら
のポリマーを用いた基剤で、高い粘着力を得ようとする
と、剥離時に皮膚に膏体が残り、衣服を汚染するなどの
問題があった。この問題を改善する試みとしてポリマー
を架橋し、凝集力を付与させる方法が報告されている。
例えば、エポキシ系架橋剤を添加する方法(特開昭57-2
4308号公報参照)多価金属を添加する方法(特開昭59-2
5320号公報参照)などが報告されている。しかし、これ
らの方法では、1)架橋反応に時間がかかる、2)高粘
度のポリマーと他の成分を均一に混合するのが難しい、
などの問題があった。
【0003】以上のような背景から、光重合によって基
剤をゲル化させ、貼付剤を製造する方法が報告されてい
る(特開平5-502239号公報参照)。この方法は、モノマ
ー、架橋剤(エチレン性不飽和結合を2個以上有する単
量体)、水、保湿剤、薬剤等を含む溶液をフィルム上に
塗布し、紫外線を照射することにより重合、ゲル化さ
せ、貼付剤を得ている。この方法は、上記のポリマーを
エポキシ系架橋剤や多価金属を用いて架橋させる方法に
比べて、1)低粘度のモノマー溶液を調製するため溶液
の混合が容易である、2)光重合によってゲル化させる
ため短時間で架橋反応が完了する、という利点がある。
しかし、紫外線を用いて重合を行うため、紫外線で分解
あるいは劣化するような薬剤は用いることができないと
いう問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題を解
決すべくなされたものであり、本発明の目的は紫外線の
ような波長400nm以下の活性エネルギー線によって
分解あるいは劣化する薬剤を含む経皮吸収製剤用基剤を
光重合によって製造する方法を提供しようというもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために種々の検討を重ねた結果、光重合をおこな
う活性エネルギー線の波長を400nm以上に制御し、
特定の光重合開始剤を用いることによって、薬剤を分解
あるいは劣化させることなしに光重合できることを見い
出し、なされたものである。
【0006】すなわち、本発明は、(a)エチレン性不
飽和結合を有する単量体、(b)波長400nm以下の
活性エネルギー線で分解あるいは劣化する薬剤および
(c)波長400nm以上の活性エネルギー線で重合開
始可能な光重合開始剤を含有する経皮吸収製剤用基剤用
組成物に波長400nm以下の光線を実質的に含まない
活性エネルギー線を照射することを特徴とする経皮吸収
製剤用基剤の製造方法、ならびに(a)エチレン性不飽
和結合を有する単量体、(b)波長400nm以下の活
性エネルギー線で分解あるいは劣化する薬剤、および
(c)波長400nm以上の活性エネルギー線で重合開
始可能な光重合開始剤を含有する経皮吸収製剤用基剤用
組成物を支持体の一面に塗布した後、波長400nm以
下の光線を実質的に含まない活性エネルギー線を照射す
ることを特徴とする経皮吸収製剤の製造方法、を要旨と
するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において使用される単量体
(a)としては、分子内にエチレン性不飽和結合を有す
る化合物であれば、その構造や官能基数にかかわらずい
ずれも使用可能である。このような単量体の例として
は、例えば、「UV.EB 硬化材料」〔編集:ラドテック研
究会、発行:(株)CMC(1992) 〕の54〜81頁に記載の各
種(メタ)アクリレートモノマー・オリゴマー、液状ポ
リブタジエン化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリ
エン等の他、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族
炭化水素、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル化合物、(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマ
ー、N−メチルピロリドン等のN−ビニルモノマー、
(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸
及びその塩、ビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸及
びその塩等が挙げられる。
【0008】これらの単量体は、目的に応じて選択して
使用すればよく、また、1種類を用いてもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0009】例えば、経皮吸収製剤の中でも親水性の基
剤を製造する場合には、分子中にアミド基やヒドロキシ
ル基を有する単量体、アミノ基を有する単量体及びその
塩、あるいはカルボキシル基やスルホン酸基を有する単
量体及びその塩等の水溶性あるいは親水性の一官能性単
量体が使用できる。例えば、分子中にアミド基を有する
単量体としては、(メタ)アクリルアミド等、分子中に
ヒドロキシル基を有する単量体としては、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、メチロール(メタ)アクリル
アミド等、分子内にアミノ基を有する単量体及びその塩
としては、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、およびこれらの塩等、分子内にカルボキシル基を有
する単量体及びその塩としては、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シト
ラコン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩等、分子内にスルホン酸基を有
する単量体及びその塩としては、p−スチレンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルスル
ホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルスル
ホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロ
キシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオ
キシブチルスルホン酸、およびこれらのアルカリ金属
塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられ
る。その他、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロ
ラクタム、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等
も使用可能である。これらの中で、特に、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩は、
生体への安全性が高く保存安定性も良好であることか
ら、好適に使用される。また、上記親水性単量体に加え
て、得られる貼付剤の親水性を損なわない範囲で、疎水
性の単量体を共重合成分として加えてもよい。さらに、
分子内にエチレン性不飽和結合を2個以上有する多官能
性単量体、例えば、メチレンビスアクリルアミド、ジビ
ニルベンゼン、ジアリルアミン、ジアリルメタクリルア
ミド、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等
を架橋性成分として添加することもできる。
【0010】本発明は、皮膚刺激性の面から皮膚pHに
近い弱酸性下で製造するのが好ましい。特に単量体とし
て2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
を使用する場合は、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸が酸性側で自然重合を起こしやすいた
め、酸解離定数(pka)3.0〜5.5の有機化合物
を添加することによって溶液を安定化することができ、
経皮吸収製剤用基剤を安定に調製できる。
【0011】このような有機化合物の中でもアクリル
酸、メタクリル酸のようにエチレン性不飽和結合を有す
る弱酸は、他のエチレン性不飽和結合を有する単量体と
共重合するのでハイドロゲル中に低分子量の弱酸が残存
しないことからより好ましい。
【0012】本発明でいう波長400nm以下の活性エ
ネルギー線で分解あるいは劣化する薬剤(b)とは、該
化合物を含有する光重合性組成物を、波長400nm以
下の紫外線を含む活性エネルギー線を用いて硬化させる
場合、硬化に必要な最低の照射条件でも分解あるいは劣
化し得る薬剤をさす。
【0013】このような薬剤としては抗炎症薬であるケ
トプロフェン、インドメタシンの他ビタミンA、ビタミ
ンD、ビタミンE、ニフェジピン、コルヒチン、ジフェ
ンヒドラミン、ノスカピン、ベタメタゾン、プロピオン
酸テストステロンなどが挙げられる。
【0014】本発明において使用される光重合開始剤
(c)としては、波長400nm以上の活性エネルギー
線で重合開始可能なものであれば、いずれも使用可能で
ある。このような光重合開始剤としては、例えば、カン
ファーキノンなどのα−ジケトン化合物や、下記一般式
(1)で示されるアシルホスフィンオキシド化合物等が
挙げられる。
【0015】
【化4】 〔式中、R1 は炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素
原子数2〜18のアルケニル基、フェニル基、(炭素原
子数1〜12アルキル)−フェニル基、ハロゲノフェニ
ル基、(炭素原子数1〜12アルコキシ)−フェニル
基、シアノ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニ
ル基、炭素原子数1〜12アルコキシ基および/または
ハロゲン原子によりモノ置換またはポリ置換された炭素
原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロ
アルキル基、未置換またはハロゲン原子、炭素原子数1
〜12のアルキル基および/または炭素原子数1〜12
のアルコキシ基によりモノ置換またはポリ置換された炭
素原子数6〜12のアリール基、1種またはそれ以上の
O、Sおよび/またはN原子を含みかつ縮合ベンゾ基を
含むことができ、または/および未置換または炭素原子
数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ
基および/またはハロゲン原子により置換された5員ま
たは6員の複素環の一価の基を表すか、または下記一般
式(2)
【0016】
【化5】
【0017】(式中、Xはフェニレン基、キシリレン
基、シクロヘキシレン基または未置換またはハロゲン原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4
のアルコキシ基もしくはフェニル基によりモノ置換また
はポリ置換されうる炭素原子数1〜6のアルキレン基を
表す。)で表される基を表し、R2 は炭素原子数1〜1
8のアルキル基、炭素原子数2〜18のアルケニル基、
フェニル基、(炭素原子数1〜12アルキル)−フェニ
ル基、ハロゲノフェニル基(炭素原子数1〜12アルコ
キシ)−フェニル基、シアノ基、炭素原子数2〜5のア
ルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜12アルコキシ
基および/またはハロゲン原子によりモノ置換またはポ
リ置換された炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子
数5〜8のシクロアルキル基、未置換またはハロゲン原
子、炭素原子数1〜12のアルキル基および/または炭
素原子数1〜12のアルコキシ基によりモノ置換または
ポリ置換された炭素原子数6〜12のアリール基、1種
またはそれ以上のO、SまたはN原子を含み、かつ縮合
ベンゾ基を含むことができ、および/または未置換また
は炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4の
アルコキシ基および/またはハロゲン原子により置換さ
れた5員または6員の複素環の一価の基を表すか、また
は基−COR3 もしくは−OR4 を表すか、あるいはR
1 およびR2 またはR1 およびR4 はリン原子と一緒に
なって4〜15個の炭素原子を有する単環式もしくは二
環式もしくは三環式の環を形成し、R3 は炭素原子数1
〜18のアルキル基、炭素原子数2〜6のアルケニル
基、フェニルビニル基、フェニル基、炭素原子数2〜5
のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、炭素原子数
1〜12のアルキルチオ基および/またはフェニルチオ
基によりモノ置換、またはポリ置換された炭素原子数1
〜8のアルキル基、未置換または炭素原子数1〜12の
アルキル基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数1
〜12のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルコキシ
カルボニル基、炭素原子数1〜4のアルキルチオ基およ
び/またはハロゲン原子により置換された炭素原子数5
〜10のシクロアルキル基、未置換または炭素原子数1
〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ
基、炭素原子数1〜12のアルコキシアルキル基、炭素
原子数1〜4のアルキルチオ基および/またはハロゲン
原子によりモノ置換またはポリ置換された炭素原子数6
〜12のアリール基を表すか、または1種またはそれ以
上のO、SまたはN原子を含有し、且つハロゲン原子、
炭素原子数1〜4のアルキル基もしくは炭素原子数1〜
4のアルコキシ基によりモノ置換またはポリ置換されう
る一価の5員または6員の複素環基を表し、そしてR4
は炭素原子数1〜18のアルキル基、フェニル(炭素原
子数1〜4アルキル)基、炭素原子数5〜8のシクロア
ルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基を表す
か、または下記一般式(3)
【0018】
【化6】
【0019】(R1 、R2 およびXは前記の意味を有す
る)で表される基を表す〕
【0020】このような光重合開始剤の例としては、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、2,6−ジクロルベンゾイルジフ
ェニルホスフィンオキシド、2,5,6−テトラメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6
−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエ
ステル、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニ
ルフォスフィンオキシド、ビス(2,6−ジクロルベン
ゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキ
シド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−
メチルプロピル)フォスフィンオキシド、ビス−(2−
フェニルプロピル)−(2,4,6−トリメチルベンゾ
イル)−フォスフィンオキシド等が挙げられる。
【0021】これらの光重合開始剤は、1種類を用いて
もよいし、2種以上を併用してもよい。また、硬化反応
を促進したりあるいは未反応残存モノマー量を低減する
目的で、第三級アミン等の増感剤を併用してもよい。
【0022】本発明の経皮吸収製剤用基剤用組成物に
は、上記した成分の他に、水、保湿剤、薬剤溶解剤、経
皮吸収促進剤、増粘剤等を添加することができる。保湿
剤としてはグリセリン、プロピレングリコール等の多価
アルコール、経皮吸収促進剤としてはハッカ油、リモネ
ン等の精油成分、増粘剤としては溶性でんぷん、ヒドロ
キシプロピルセルロース等の水溶性高分子等が挙げられ
る。
【0023】本発明で用いられる上記経皮吸収製剤用基
剤用組成物は、ポリオレフィンフィルム、ポリエステル
フィルム等の支持体に塗布した後、特定の活性エネルギ
ー線を照射することによりシート状にすることができ
る。
【0024】本発明に用いられる活性エネルギー線は、
波長400nm以下の光線を実質的に含まない活性エネ
ルギー線であることが必要である。本発明でいう波長4
00nm以下の光線を実質的に含まない活性エネルギー
線とは、アナログ万能光度計LI-185B および地上用セン
サーLI-200S (共に米国ライカー社製)を用いて測定し
た波長400nm以上の光線強度Qvと、紫外線強度計UV
R-365 形(トプコン社製)で測定した波長400nm以
下の光線強度Quとの割合Qu/Qvが、0.5以下である活
性エネルギー線を意味する。上記強度比Qu/Qvは0.5
以下である必要があり、好ましくは0.2以下である。
Qu/Qvが0.5を越える場合には、光重合性組成物が
硬化するまでに、薬剤(b)が著しく分解あるいは劣化
してしまう。
【0025】上記のような波長400nm以下の光線を
実質的に含まない活性エネルギー線としては、光源から
発生する活性エネルギー線が上記特定の条件を満たして
いればそのまま使用できるが、400nm以下の光を多
く含んでいる光源であっても、適当なフィルターを用い
て透過光が上記特定の条件を満たすように調整してやれ
ば使用可能である。
【0026】上記活性エネルギー線の照射は、空気中で
行ってもよいし、不活性ガス中で行ってもよい。また、
光重合性組成物の表面に酸素透過性の低いフィルム等を
かぶせ、その上から照射してもよい。また、活性エネル
ギー線は、光重合性組成物の片面から照射してもよい
し、両面から照射することもできる。
【0027】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
【0028】実施例1 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の
ナトリウム塩39gをイオン交換水25.2gに溶解し
た。更にメチレンビスアクリルアミド0.08g、グリ
セリン35gを加え、均一に溶解した。この溶液に0.
3gのケトプロフェンを加え均一に混合した。溶液のp
Hを塩酸を用いて6.0に調整し、遮光下で光重合開始
剤としてBASF社のルシリンTPO(2,4,6−トリメ
チルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド)0.
04gを添加し、よく混合してから真空脱泡をした。ポ
リエステルフィルム上に厚さ1mmの型枠を置き、溶液
を型枠に流し込みシート状とし上部をポリエステルフィ
ルムでシールした。そして上部から、青色蛍光灯(東芝
製 FL-20S-B)の前面にアクリル板(三菱レイヨン製ア
クリライトL#001 、3mm厚)を取り付けた光源を用
いて活性エネルギー線を照射した。なお、上記光源を用
いた場合、上部ポリエステルフィルム(アクリル板側の
フィルム)の下側で測定した光線強度比Qu/Qvは0.1
であった。5分間の照射により組成物は硬化し、無色透
明の貼付剤が得られた。この貼付剤を溶剤で抽出し、液
体クロマトグラフィーで分析したところ、ケトプロフェ
ンはそのまま残存しており、分解はほとんど起こってい
なかった。
【0029】実施例2〜5 実施例2〜5の組成を表1に示した。表1に示す組成物
を調製し、そのpHを4.5に調整し、実施例1と同様
に光照射を行い無色透明の貼付剤を得た。得られた貼付
剤を実施例1と同様に溶剤で抽出し、液体クロマトグラ
フィーで分析したところ、ケトプロフェンはそのまま残
存しており、分解はほとんど起こっていなかった。
【0030】
【0031】単位:g AMPS-Na : 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸のナトリウム塩 Aa:アクリル酸 HEMA:メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル ACMO:アクリロイルモルホリン L-TPO :ルシリンTPO CGI-1700(CIBA-GEIGY 社製品):2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オンとビスアシル
フォスフィンオキシドの混合物 MBAA:メチレンビスアクリルアミド KP:ケトプロフェン
【0032】比較例1 光源としてケミカルランプ(東芝製 FL20S-BL)を用
い、且つ、アクリル板を用いなかった以外は、実施例1
と同様にして組成物に活性エネルギー線の照射を行っ
た。なお、上記光源を用いた場合、ポリエステルフィル
ムの下側で測定した光線強度比Qu/Qvは9.0であっ
た。5分間の照射により組成物は硬化したが、得られた
貼付剤は、白濁していた。この貼付剤を実施例1と同様
に溶剤で抽出し、液体クロマトグラフィーで分析したと
ころ、ケトプロフェンのピークは減少しており、分解が
起こっていることが判明した。
【0033】比較例2 光重合開始剤として、2,4,6−トリメチルベンゾイ
ルジフェニルホスフィンオキシドの代わりにベンゾイン
エチルエーテルを同量使用した以外は、実施例1と同様
に組成物に活性エネルギー線の照射を行った。15分間
の照射でも組成物は硬化しなかった。
【0034】本発明の実施例および比較例の光照射後の
薬剤残存率(%)を表2に示す。
【0035】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、波長400nm以下の
活性エネルギー線で分解あるいは劣化する薬剤を含む組
成物を、該薬剤を分解あるいは劣化させること無しに光
硬化させることができる。従って、光分解性薬剤含有の
経皮吸収製剤の製造において、生産性の良好な光硬化方
法を適用することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井関 隆幸 東京都千代田区丸の内一丁目5番1号 日 東化学工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)エチレン性不飽和結合を有する単
    量体、(b)波長400nm以下の活性エネルギー線で
    分解あるいは劣化する薬剤および(c)波長400nm
    以上の活性エネルギー線で重合開始可能な光重合開始剤
    を含有する経皮吸収製剤用基剤用組成物に波長400n
    m以下の光線を実質的に含まない活性エネルギー線を照
    射することを特徴とする経皮吸収製剤用基剤の製造法。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和結合を有する単量体
    (a)が、エチレン性不飽和結合を有する水溶性あるい
    は親水性の単量体および2個以上のエチレン性不飽和結
    合を有する単量体を含む請求項1記載の経皮吸収製剤用
    基剤の製造法。
  3. 【請求項3】 エチレン性不飽和結合を有する水溶性あ
    るいは親水性の単量体が、2−アクリルアミド−2−メ
    チルプロパンスルホン酸またはその塩である請求項2記
    載の経皮吸収製剤用基剤の製造法。
  4. 【請求項4】 さらに、pka3.0〜5.5の酸解離
    定数を有する有機化合物を含有する請求項3記載の経皮
    吸収製剤用基剤の製造法。
  5. 【請求項5】 pka3.0〜5.5の酸解離定数を有
    する有機化合物が、アクリル酸である請求項4記載の経
    皮吸収性剤用基剤の製造法。
  6. 【請求項6】 波長400nm以下の活性エネルギー線
    で分解あるいは劣化する薬剤がケトプロフェンである請
    求項1記載の経皮吸収製剤用基剤の製造法。
  7. 【請求項7】 光重合開始剤が下記一般式(1)〜
    (3)で示されるアシルホスフィンオキサイド化合物で
    ある請求項1記載の経皮吸収製剤用基剤の製造法。 【化1】 〔式中、R1 は炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素
    原子数2〜18のアルケニル基、フェニル基、(炭素原
    子数1〜12アルキル)−フェニル基、ハロゲノフェニ
    ル基、(炭素原子数1〜12アルコキシ)−フェニル
    基、シアノ基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニ
    ル基、炭素原子数1〜12アルコキシ基および/または
    ハロゲン原子によりモノ置換またはポリ置換された炭素
    原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロ
    アルキル基、未置換またはハロゲン原子、炭素原子数1
    〜12のアルキル基および/または炭素原子数1〜12
    のアルコキシ基によりモノ置換またはポリ置換された炭
    素原子数6〜12のアリール基、1種またはそれ以上の
    O、Sおよび/またはN原子を含みかつ縮合ベンゾ基を
    含むことができ、または/および未置換または炭素原子
    数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ
    基および/またはハロゲン原子により置換された5員ま
    たは6員の複素環の一価の基を表すか、または下記一般
    式(2) 【化2】 (式中、Xはフェニレン基、キシリレン基、シクロヘキ
    シレン基または未置換またはハロゲン原子、炭素原子数
    1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基
    もしくはフェニル基によりモノ置換またはポリ置換され
    うる炭素原子数1〜6のアルキレン基を表す。)で表さ
    れる基を表し、 R2 は炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2
    〜18のアルケニル基、フェニル基、(炭素原子数1〜
    12アルキル)−フェニル基、ハロゲノフェニル基(炭
    素原子数1〜12アルコキシ)−フェニル基、シアノ
    基、炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、炭素
    原子数1〜12アルコキシ基および/またはハロゲン原
    子によりモノ置換またはポリ置換された炭素原子数1〜
    8のアルキル基、炭素原子数5〜8のシクロアルキル
    基、未置換またはハロゲン原子、炭素原子数1〜12の
    アルキル基および/または炭素原子数1〜12のアルコ
    キシ基によりモノ置換またはポリ置換された炭素原子数
    6〜12のアリール基、1種またはそれ以上のO、Sま
    たはN原子を含み、かつ縮合ベンゾ基を含むことがで
    き、および/または未置換または炭素原子数1〜4のア
    ルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基および/ま
    たはハロゲン原子により置換された5員または6員の複
    素環の一価の基を表すか、または基−COR3 もしくは
    −OR4 を表すか、あるいはR1 およびR2 またはR1
    およびR4 はリン原子と一緒になって4〜15個の炭素
    原子を有する単環式もしくは二環式もしくは三環式の環
    を形成し、 R3 は炭素原子数1〜18のアルキル基、炭素原子数2
    〜6のアルケニル基、フェニルビニル基、フェニル基、
    炭素原子数2〜5のアルコキシカルボニル基、ハロゲン
    原子、炭素原子数1〜12のアルキルチオ基および/ま
    たはフェニルチオ基によりモノ置換、またはポリ置換さ
    れた炭素原子数1〜8のアルキル基、未置換または炭素
    原子数1〜12のアルキル基、フェニル基、フェノキシ
    基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数2
    〜5のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜4のア
    ルキルチオ基および/またはハロゲン原子により置換さ
    れた炭素原子数5〜10のシクロアルキル基、未置換ま
    たは炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜
    12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のアルコキシ
    アルキル基、炭素原子数1〜4のアルキルチオ基および
    /またはハロゲン原子によりモノ置換またはポリ置換さ
    れた炭素原子数6〜12のアリール基を表すか、または
    1種またはそれ以上のO、SまたはN原子を含有し、且
    つハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基もしく
    は炭素原子数1〜4のアルコキシ基によりモノ置換また
    はポリ置換されうる一価の5員または6員の複素環基を
    表し、そしてR4 は炭素原子数1〜18のアルキル基、
    フェニル(炭素原子数1〜4アルキル)基、炭素原子数
    5〜8のシクロアルキル基または炭素原子数6〜10の
    アリール基を表すか、または下記一般式(3) 【化3】 (R1 、R2 およびXは前記の意味を有する)で表され
    る基を表す〕
  8. 【請求項8】(a)エチレン性不飽和結合を有する単量
    体、(b)波長400nm以下の活性エネルギー線で分
    解あるいは劣化する薬剤、および(c)波長400nm
    以上の活性エネルギー線で重合開始可能な光重合開始剤
    を含有する経皮吸収製剤用基剤用組成物を支持体の一面
    に塗布した後、波長400nm以下の光線を実質的に含
    まない活性エネルギー線を照射することを特徴とする経
    皮吸収製剤の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114129544A (zh) * 2016-02-11 2022-03-04 Icure药品株式会社 经皮给药用紫外线固化型水凝胶树脂、水凝胶以及包含其的泥敷剂

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