JPH09123354A - 複合パネル及びその製造方法 - Google Patents

複合パネル及びその製造方法

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JPH09123354A
JPH09123354A JP30690295A JP30690295A JPH09123354A JP H09123354 A JPH09123354 A JP H09123354A JP 30690295 A JP30690295 A JP 30690295A JP 30690295 A JP30690295 A JP 30690295A JP H09123354 A JPH09123354 A JP H09123354A
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JP
Japan
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meth
acrylate
composite panel
parts
weight
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JP30690295A
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English (en)
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Sumio Kuroda
純夫 黒田
Tatsuo Yoshiya
達夫 吉屋
Yasuhiko Yamaguchi
保彦 山口
Makoto Ihira
誠 井平
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NAMARIICHI KK
Takiron Co Ltd
Original Assignee
NAMARIICHI KK
Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の用途に用いる複合パネルにおいて、耐
衝撃性と耐擦傷性の両方を兼ね備えたものを提供する。 【構成】 ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレ
ートとアルキレングリコール(メタ)アクリレートが
1:3〜4:1で含有され、さらにこの両成分100重
量部に対して、ジ又はトリ(メタ)アクリレートモノマ
ーが10重量部以下混入された中間膜組成物を介して、
ガラス板とプラスチック板を積層したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合パネル、詳し
くはプラスチック板とガラス板との積層複合パネルに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年安全性の要求される建物や車両の開
口部や間仕切りに合わせガラスやポリカーボネートのよ
うなプラスチック板が使用されることが多くなってき
た。
【0003】この合わせガラスは2枚のガラス板の間に
中間膜を介在させ3層構造に複合化したものである。こ
の中間膜には、ポリビニルブチラールやエチレン酢酸ビ
ニル共重合体のフィルムが主として使われている。複合
の方法は2枚のガラス板の間に同じ大きさに裁断したフ
ィルムを挟み、高温、高圧で、加熱圧着して複合化する
のが一般的である。更に最近は、2枚のガラス板の間に
未重合の中間膜組成物を注入し、充填し、複合化した
後、重合させて中間膜を形成させる方法も一般化しつつ
ある。
【0004】ガラスとガラスを貼り合わせた合わせガラ
スは割れにくく、割れてもほとんど飛び散らないので、
怪我をしないということで使用されているが、これはあ
くまでもガラスとの比較であって、強力な外力が加われ
ば割れるし、飛散や怪我も皆無ではない。
【0005】プラスチック板はポリカーボネートの外に
ポリ塩化ビニルやポリメタアクリレートなどの板があ
り、いずれも衝撃強度がガラスより強く割れ難い、裁断
や成型がし易いという利点はあるが、耐擦傷性が弱く、
使用中表面に擦り傷がついて透明度が低下するという重
大な欠点がある。
【0006】そのため、一部のプラスチックでは表面に
ハードコートという有機物塗装を行なって透明性の要求
される各種窓や産業機器に使用はされている。しかし、
ハードコート自体有機物塗装であるため、無塗装のもの
と比較すると良好であるという程度のものであり、ガラ
スの擦傷性とは比較にならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近、自動車や車両だ
けでなく建築物や産業機器の分野においても、安全に対
する要求が高くなり、従来の合わせガラス以上の安全
性、即ち衝撃強度を有し、且つ透明度の低下の小さい複
合材が要望されるようになってきた。
【0008】そこで、安全性と擦傷性の両方を兼ね備え
たものとして、ガラス板とポリカーボネート板と貼り合
わせた透明な複合パネルを作るべく検討はされている。
しかし、まだ完成には到らず、汎用化されていない。そ
の原因としては、次の2点が考えられる。 ポリカーボネートの線膨張係数がガラスのそれと比
較して格段に大きい ポリカーボネートの耐有機溶剤性が悪い これらは、ポリ塩化ビニル、ポリメタアクリル酸エステ
ル等のプラスチック板に共通した性質である。
【0009】そこで、ポリカーボネート板とガラス板の
貼り合わせに、合わせガラスの中間膜として使用されて
いるポリビニルブチラールやエチレン酢酸ビニル共重合
体のフィルムを応用する方法が検討されている。これ
は、同じ大きさに裁断されたフィルムをポリカーボネー
ト板とガラス板との間に挟み、80〜120℃で加熱圧
着するため、貼り合わせた時すでに歪が内在し、これが
複合パネルの反りや剥離の原因となる。この傾向は複合
パネルのサイズが大きくなる程大きく、従って大きなサ
イズのものの製造は困難である。
【0010】これは、中間膜の熱的歪吸収能が充分でな
いので、既重合のフィルムを熱溶融圧着するフィルム法
では避けられない問題である。
【0011】また、液状樹脂注入型のものが合わせガラ
ス用として提案されているが、これらはアクリル酸若し
くはメタアクリル酸の低級アルキルエステルを主成分と
するもので、ポリカーボネート板の表面を侵すこと、重
合硬化時の総発熱量が大きいためガラス用としては使用
できるが、ガラス板とポリカーボネート板との複合用と
しては適切でない。
【0012】ガラス板とプラスチック板とを複合化させ
る中間膜組成物としては、次のような特長を有すること
が必要である。 プラスチック板を溶解したり、表面を侵したりしな
い。 重合熱はできるだけ小さく、その発生量と貼り合わ
せ時の除熱の調整が容易なもの。 得られた中間膜は、プラスチック板とガラス板に適
切に接着し、更に、使用時の熱的環境で軟らかさや弾性
の変化ができるだけ小さいもの。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上のような現状に鑑
み、本発明者は鋭意研究の結果本発明複合パネルを完成
したものであり、その特徴とするところは、ポリアルキ
レングリコール(メタ)アクリレートとアルキレングリ
コール(メタ)アクリレートが1:3〜4:1で含有さ
れ、さらにこの両成分100重量部に対して、ジ又はト
リ(メタ)アクリレートモノマーが10重量部以下混入
された中間膜組成物を介して、ガラス板とプラスチック
板を積層した点にある。
【0014】本発明複合パネルに用いるプラスチック板
の種類、大きさ、厚みなどは、特に限定されず、複合パ
ネルが製造できるものであればどのようなものでもよ
い。例えば、透明な板ばかりでなく、着色したもの、印
刷したもの、又は積層された機能性プラスチック板など
がある。これらプラスチック板としては、ポリカーボネ
ート樹脂、アクリル樹脂(MMA等)、塩化ビニル樹
脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)等がある
が、これらは用途によって使い分ければよい。
【0015】また、プラスチック板のサイズは、その用
途によって決めればよく限定するものではない。しか
し、大きいものでは900×1800mm、1000×2
000mm等である。またその厚みも用途により、またサ
イズにより決定するもので特に限定するものではない。
小さいものでは0.2〜2mm程度であり、前記した大き
いサイズのものでは2〜15mm程度である。更に、プラ
スチック板は通常平面であるが、曲面であってもよい。
例えば、湾曲したエレベーターの窓、自動車のフロント
ガラス等である。
【0016】また、ガラス板も、同様に通常のフロート
ガラスだけでなく型板ガラス、更には表面を印刷、塗装
したガラスなども使用できる。サイズはプラスチック板
と同じである。厚みも用途、サイズによって決めればよ
い。通常は2〜10mm程度である。平面に限らないこと
は上記したプラスチック板と同様である。
【0017】複合パネルの組み合わせも、単純にガラス
板とプラスチック板とを中間膜を介して複合化した3層
構造のものから、プラスチック板を中間に両側にそれぞ
れ中間膜とガラス板を配した5層構造のもの、更にはプ
ラスチック板とガラス板とをそれぞれもう1枚づつ積層
した9層構造のもの等が含まれる。これらは、大きな強
度を必要とする巨大水槽、防弾ガラス等に好適である。
【0018】ポリアルキレングリコール(メタ)アクリ
レートとは、ポリアルキレングリコールアクリレート又
はポリアルキレングリコールメタアクリレートをいい、
化1で示されるポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、化2で示されるポリプロピレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、又は化3で示されるポリエ
チレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等の化合物をさす。
【化1】 (但し、n=2〜14、R=水素又はメチル基)
【化2】 (但し、n=3〜12、R=水素又はメチル基)
【化3】 (但し、m=3〜10、n=3〜10、R=水素又はメ
チル基)
【0019】アルキレングリコール(メタ)アクリレー
トとは、化4で示される2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、化5で示される2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、又は化6で示される2−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレートをいう。
【化4】 (但し、R=水素又はメチル基)
【化5】 (但し、R=水素又はメチル基)
【化6】 (但し、R=水素又はメチル基)
【0020】これらのポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレートと、アルキレングリコール(メタ)ア
クリレートとの共重合体の主鎖から懸架されている水酸
基はガラス表面の水酸基と水素結合を形成し、中間膜と
ガラス界面との接着に、又(メタ)アクリレート基はポ
リカーボネート等のプラスチック板界面との接着にそれ
ぞれ寄与し、その割合とアルキレン基の長さは両界面で
の接着強さと中間膜の柔らかさや弾性に影響を及ぼす。
【0021】即ち、アルキレングリコール(メタ)アク
リレートは中間膜のガラス板及びプラスチック板への接
着をより大きくするが、中間膜自身を硬く、弾性を小さ
くする。一方、ポリアルキレングリコール(メタ)アク
リレートは、アルキレン基の付加モル数(m、n)が大
きくなると、軟らかく弾性のある中間膜を形成するが、
水酸基密度と(メタ)アクリレート基密度が小さくなる
ため、ガラス板及びプラスチック板の界面での接着が低
下し、更には中間膜自身の凝集力も小さくなる。また、
アルキレン基の付加モル数が小さくなると、それぞれの
界面での接着性は向上するが、得られた中間膜の柔軟性
と弾性が小さくなり、熱的歪吸収能が低下する。従っ
て、このような性能を釣合いよく、満たすためアルキレ
ングリコール(メタ)アクリレートとポリアルキレング
リコール(メタ)アクリレートとの混合比率が重要とな
る。
【0022】具体的には、ポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレートのアルキレン基の付加モル数は3
〜14がよく、より好ましくは4〜10である。また、
ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートとアル
キレングリコール(メタ)アクリレートとの混合比は、
1:3〜4:1の間である必要がある。即ち、両成分の
みでいうと、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリ
レートが25重量%以上で80重量%以下であるという
ことである。25%以下では、形成された中間膜の熱的
歪吸収能が十分でなく、80%以上ではプラスチック板
との界面での接着力が低下するためである。この混合比
率が本発明の重要なポイントの1つである。
【0023】ジ又はトリ(メタ)アクリレートモノマー
とは、アクリレート基を2つ又は3つ有しているモノマ
ーであり、主鎖自体は限定しない。即ち、主鎖が炭化水
素であってもポリエーテルのように酸素を含有していて
もよい。また、側鎖に水酸基等を持っていてもよい。例
えば、化7で示されるポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、化8で示されるポリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、化9で示されるグリセ
ロールメタアクリレートアクリレート、化10で示され
るトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等
がある。
【化7】 (但し、R=水素又はメチル基、n=1〜14)
【化8】 (但し、R=水素又はメチル基、n=1〜14)
【化9】
【化10】 (但し、R=水素又はメチル基)
【0024】上記した2成分だけでなく、このような多
官能モノマーを混合することにより形成された中間膜分
子は立体網目状構造をとり、弾性が大きくなり、熱的歪
吸収能が向上し、複合パネルの使用時の温度変化による
反りを抑制し、長期耐久性が改善される。この成分の混
入量も重要であり、前記した2成分の合計を100重量
部として、10部以下でなければならない。好ましく
は、1〜5部である。10部以上になると、架橋密度が
高くなりすぎ中間膜自体の弾性、柔軟性、熱的歪吸収能
が損なわれる。
【0025】以上が本発明で用いる中間膜組成物の構成
であるが、これに前記した成分と共重合可能な不飽和モ
ノマーを加えることも可能である。例えば、化11で示
されるアルキル(メタ)アクリレート等である。
【化11】 (但し、R1=水素又はメチル基、R2=炭素数4〜1
8のアルキル基)
【0026】アルキル(メタ)アクリレートは、上記の
組成物の希釈剤として使用することもでき、混合物の粘
度が低下し、ポリカーボネート等のプラスチック板とガ
ラス板の間隙への注入が容易になる。その使用量は、ポ
リアルキレングリコール(メタ)アクリレートとアルキ
レングリコール(メタ)アクリレートの混合物100重
量部に対して、100部以下、好ましくは50部以下で
ある。これ以上混入すると、前記した組成物の優れた物
性が失われる。
【0027】更に、本発明に用いる組成物に通常感光性
組成物に使用される添加剤、例えば光重合開始剤等を加
えることは可能である。例えば、ベンゾインエーテル
系、ケタール系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系
等の開始剤を該組成物100重量部に対して、0.5〜
5.0部添加することにより、低温、低照射量、短時間
で中間膜の形成が可能となる。また、中間膜の老化、黄
変を抑制するため、プラスチック類一般に使用されてい
る老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカッ
プリング剤などの併用は妨げない。
【0028】常温領域で中間膜を形成させることは、本
発明のプラスチック板とガラス板との複合パネルを製造
する場合極めて重要なことである。例えば、ポリカーボ
ネートとガラスの線膨張係数は夫々、7×10-5mm/
℃、 0.9×10-5mm/℃で、これは通常これら複合パネ
ルが要求されるサイズ、例えば1800mmに換算する
と、その膨張長さの差は、 0.11mm /℃で、これは12
0℃の熱圧着法では、その差が、11mmに達する。よっ
て、できる限り常温に近い温度で複合化することが重要
である。
【0029】この膨張長さの差は、高温で複合するフィ
ルム法であっても、あるいは後重合法であっても、いま
だ界面の接着が十分なされていない段階、あるいは中間
膜が充分に形成されていない脆弱な状態では、到底耐え
られるものではない。そこで、本発明が提案する常温領
域(0〜60℃)での中間膜形成が極めて有効な手段と
なるのである。そのためには、前記開始剤を併用し、発
熱と除熱のバランスをとりながら複合を行なう。除熱
は、複合パネルの片面又は両面から冷風を吹き付けなが
ら紫外線を照射してもよいし、また一定温度の水に浸漬
し、水中で照射してもよい。
【0030】具体的な複合方法は、合わせガラスの場合
と全く同様に、プラスチック板とガラス板との間に、一
定厚み(1〜4mm、小さいものでは0.2〜1mm)の間
隙を設け、この中に中間膜組成物を充填し、紫外線を照
射し、重合硬化させるものである。しかし、複合時の熱
的歪をできるだけ小さくするために、重合硬化は常温領
域(0〜60℃)で行なうのが好ましい。そのために、
複合時の発熱は適切に調整し、除熱しながら行なう。具
体的には、複合時に冷風を吹き付けたり、或いは冷水中
に浸漬して温度が高くならないように、除熱しながら紫
外線を照射して重合硬化させる方法が好ましい。このよ
うな方法は、加熱圧着によるフィルム法や触媒硬化によ
る本発明類似の注入法では到底なし得ないものである。
そのためには中間膜形成時の発熱量はできるだけ少ない
方が除熱のコントロールがし易く、得られた複合パネル
の反りなど異状も少なくなる。本発明に好適に用いられ
る組成物の重合熱は約30〜80Kcal/kg で低級アルキ
ル(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするものより
格別に小さい。具体的には、メチルメタアクリレートの
133Kcal/kg や、エチルメタアクリレートの125Kc
al/kg を主成分とするものに比べて、ほぼ半分(23〜
60%)で、これは常温領域で中間膜を形成させるため
には欠くべからざる特長である。
【0031】次に使用時の温度変化によって発生する歪
は中間膜の厚み、弾性、界面のズレ(滑り)によって吸
収させるのが好ましい。そのため、中間膜は適度の軟ら
かさと弾性及び粘着性を有し、一般に軟接着と言われる
状態を幅広い熱的環境の中で長期に保存するものでなけ
ればならない。低温領域(0℃以下)で、弾性を失った
り、強接着になったりすると、歪の吸収が充分行なわれ
ず、反りが発生したり更には接着界面の剥離やガラスの
破断を引き起こす。逆に、高温領域(60℃以上)で中
間膜が軟化すると、発生する歪応力のため中間膜の破壊
や界面での剥離が起こる。従って、このような歪の吸収
は中間膜の厚みが厚い方が好ましく、その適切な厚みは
複合パネルの構成、即ち、複合パネルの大きさ、使用す
るガラス板の厚さ、プラスチック板の厚さ、更には、複
合パネルの使用される環境などによって決定される。一
般的には、ガラス板と中間膜は厚い方が、プラスチック
板は薄い方が使用時の環境適性は良くなる。
【0032】以上の観点から、中間膜の厚みは、1〜4
mmが好ましく、これ以上厚くしてもより以上の性能は期
待できず、またこれ以下では熱的歪吸収能が十分でな
く、反りや剥離の原因になる。しかし、小さいパネルや
薄いもの、また穏和な環境では、それ以下の薄い中間膜
でも使用可能である。
【0033】
【発明の実施の形態】次に実施の形態をあげて本発明を
より詳細に説明する。本発明に用いる中間膜組成物とし
ては、 ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート
(A成分という) アルキレングリコール(メタ)アクリレート(B成
分という) ジ又はトリ(メタ)アクリレートモノマー(C成分
という) の3つの成分が必須であり、各実施例として、これらの
成分が請求の範囲内のものを作成した。表1に示す種々
の実施例の各成分の合計100重量部に対して、ラジカ
ル型光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製イルガキュアー
184)を1重量部添加溶解して実施例組成物を作成し
た。これを、厚さ3mmのガラス板と、それと同寸法、厚
さ3mmのポリカーボネート板を向かい合わせて、その間
隙が1mmになるように固定し、更にその周囲をブチルゴ
ムで液洩れ防止シールを施し、空隙に泡が入らないよう
に実施例組成物を均一に注入充填した。次に、以下述べ
る方法で除熱しながら、ガラス板側から主波長360n
mの紫外線蛍光燈を5分間照射し、注入した組成物を重
合硬化して中間膜を形成させて、厚さ7mmの複合パネル
を得た。
【表1】
【0034】照射した紫外線の強さは、ガラス板平面の
いづれの部分でも1平方センチ当たり2.5〜3.0m
Wで、表2の複合の条件に示すように除熱は複合パネル
の両面から10℃の冷風を吹き付けながら、紫外線の照
射を行なうか、或いは20℃の冷水中に複合パネルを浸
漬して温度上昇を抑制しながら照射を行なった。結果は
表2の試験結果に示す。
【表2】
【0035】また、耐光性、耐熱性、耐衝撃性、反り、
寒熱繰り返し性について、表3に示す評価法を用いて評
価した。
【表3】
【0036】表2から明らかなように、本発明複合パネ
ルは、常温領域で複合化することによって、耐光性、耐
熱性、耐衝撃性だけではなく、反り、寒熱繰り返し性な
どの熱履歴特性のきわめて優れたものを得ることができ
た。
【0037】これは、本発明に用いる中間膜組成物が常
温領域若しくは低温領域で、紫外線による重合が容易に
進行し、且つ重合熱が小さく複合時に発生する熱的歪の
抑制が容易であるためである。そして、熱履歴性だけで
なく、耐熱性、耐衝撃性など複合パネルとしての要求性
能をバランス良く具備するためには、特定割合のA、
B、Cの3成分は必須である。具体的には、実施例2及
び実施例10のように水中浸漬除熱したものは、常温領
域での反りも3mm以下と極めて小さく、低温領域、高温
領域での寒熱繰り返し性も全く問題がない。
【0038】これを、他の例と比較するため、比較例を
作成して同様の実験を行ない、同様の評価をした。ここ
では、実施例と同じような成分を用い、その混合量が請
求の範囲外のものを使用した。これは、その他のもの、
例えば、従来の合わせガラスに用いる中間膜等では、比
較できるほど、良好な複合パネルが得られなかったため
である。
【0039】比較例の混合割合を表4、条件及び結果を
表5に示す。
【表4】
【表5】 実施例と比べて、比較例2及び7は除熱の方法は同じで
あるが、寒熱繰り返し性の劣化が大きく実用性があると
は言えない。特に比較例7は、C成分を含まないため、
耐熱性、耐衝撃性も良くない。また、実施例1及び3〜
9は、冷風除熱したものであるが、実施例2及び10に
比べて0℃での反りは多少大きいが、実用上は問題な
い。
【0040】更に、実施例11は除熱をしないで複合し
たため、除熱したものに比べ表面温度が高く、反りが大
きくなっているが、ガラス板やポリカーボネート板が更
に厚く熱容量が大きくなると、表面温度も低くなり、熱
履歴特性は良くなる。また、実施例9、10、11と比
較例1、2、3とはいずれもA、B、C、3成分系で、
A、B成分の比率が異なるだけで、複合条件は同じもの
であるが、A成分比率が小さくなると、中間膜の弾性率
が小さくなるため、熱履歴特性は良くない。
【0041】また、比較例4、5、6からも分かるよう
に、B成分が少なくなると界面での接着性が低下し、熱
履歴特性だけでなく、耐熱性の低下も招き、C成分を含
まない比較例4、6は耐衝撃性まで悪化する。更に、実
施例6、9、10、11から明らかなように、第4成分
としてアルキル(メタ)アクリレートを併用しても効果
は変わらない。よって、これらの混合によって粘度を適
当に調整することができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明複合パ
ネルは、プラスチックの耐衝撃性とガラスの耐擦傷性を
兼ね備えたもので、使用時の熱的環境変化にも強く実用
性の高いものであり、また製造方法にあっては、反応熱
を除熱しつつ行なうためと、本発明中間膜組成物の反応
熱が小さいことから熱的歪が少なく、所望の寸法のもの
が容易に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 290/06 MRS C08F 290/06 MRS C08L 33/04 LJF C08L 33/04 LJF // C08F 220/20 MMV 7824−4J C08F 220/20 MMV 220/28 MML 220/28 MML B29K 33:04 B29L 9:00 (72)発明者 山口 保彦 大阪府堺市浜寺石津町中3丁2番27号 (72)発明者 井平 誠 大阪市中央区安土町2丁目3番13号 タキ ロン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレングリコール(メタ)アク
    リレートとアルキレングリコール(メタ)アクリレート
    が1:3〜4:1で含有され、さらにこの両成分100
    重量部に対して、ジ又はトリ(メタ)アクリレートモノ
    マーが10重量部以下混入された中間膜組成物を介し
    て、ガラス板とプラスチック板を積層したことを特徴と
    する複合パネル。
  2. 【請求項2】 該中間膜組成物100重量部に対して、
    アルキル(メタ)アクリレート100重量部以下混合さ
    れたものを用いるものである請求項1記載の複合パネ
    ル。
  3. 【請求項3】 プラスチック板とガラス板を一定の間隙
    を持たせて固定し、その間隙に、ポリアルキレングリコ
    ール(メタ)アクリレートとアルキレングリコール(メ
    タ)アクリレートが1:3〜4:1で含有され、さらに
    この両成分100重量部に対して、ジ又はトリ(メタ)
    アクリレートモノマーが10重量部以下混入された中間
    膜組成物を注入し、反応熱を除去しつつ、紫外線照射に
    よって該中間膜組成物を反応固化させることを特徴とす
    る複合パネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 該中間膜組成物100重量部に対して、
    アルキル(メタ)アクリレート100重量部以下混合さ
    れたものを用いるものである請求項3記載の複合パネル
    の製造方法。
JP30690295A 1995-10-30 1995-10-30 複合パネル及びその製造方法 Pending JPH09123354A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018078952A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 日立化成株式会社 合わせガラスの中間膜用樹脂組成物、中間膜用フィルム材及び合わせガラスの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018078952A1 (ja) * 2016-10-31 2018-05-03 日立化成株式会社 合わせガラスの中間膜用樹脂組成物、中間膜用フィルム材及び合わせガラスの製造方法
JPWO2018078952A1 (ja) * 2016-10-31 2019-09-12 日立化成株式会社 合わせガラスの中間膜用樹脂組成物、中間膜用フィルム材及び合わせガラスの製造方法

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