JPH09123152A - コンクリート管製造におけるノロ漏れ防止方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート管の製造において、表面性状に
優れたコンクリート管を製造するとともに、内型枠を長
期に使用することのできるノロ漏れ防止方法を提供する
ものである。 【解決手段】 外型枠、内型枠及びパレットをセットし
て型枠を形成し、型枠内に生コンクリートを打設しなが
ら、型枠を振動させてコンクリートを締め固めた後、型
枠及びパレットを脱型する工程を含むコンクリート管の
製造方法において、パレットにシールシートを被せ、シ
ールシートの上にコンクリート管に埋め込むプラスチッ
クフェースを載置してノロ漏れを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート管を
製造する際に発生するノロの漏れ防止方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電力ケーブルを敷設するために用
いるコンクリート管は、生コンクリートを型枠に打設し
ながら、型枠を振動させてコンクリートを締め固めた
後、脱型してコンクリート管を製造する、打設から脱型
までの時間を早くした即脱式により製造されている。図
４は従来の即脱式によるコンクリート管の製造方法の説
明図で、型枠は、モータＭにより振動する基台１に外型
枠２と外型枠２内に１本あるいは複数本の管からなる内
型枠３をセットすることにより形成される。外型枠２の
下部には、内型枠３が挿通される孔を有し、外型枠２と
内型枠３を密閉するとともにコンクリート管のソケット
部を成形する形状をしたアルミニウム製のパレット４が
外型枠２にクランプ５により固定されている。パレット
４の上には、コンクリート管のソケット部内面に埋め込
まれるプラスチックフェース５が載置されている。

【０００３】コンクリート管の製造工程は、パレット４
が固定されている外型枠２、内型枠３及びパレット４を
セットして型枠を形成した後、型枠内に回転式ホッパー
７から生コンクリート８を打設しながら、型枠を振動さ
せてコンクリート８を締め固めた後、外型枠２、内型枠
３及びパレット４を脱型してコンクリート管を取り出す
ことよりなる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記即脱式
の製造では、型枠に加えられた振動により、生コンクリ
ート中の水分、セメント分、砂等の微紛からなるノロが
流れだし、コンクリート管のコーナー部分等の表面が荒
い骨材のみとなり、巣のできた状態となるため、表面性
状が悪く、そのままでは出荷できないので、後工程で表
面仕上をして外観形状を整える必要がある。また、型枠
の振動によって、前記微紛は、内型枠とパレットとの間
に入り込み、内型枠を磨耗させ、内型枠を長期に使用す
ることができない。

【０００５】そこで、本発明は、コンクリート管の製造
において、表面性状に優れたコンクリート管を製造する
とともに、内型枠を長期に使用することのできるノロ漏
れ防止方法を提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、外型枠、内型
枠及びパレットをセットして型枠を形成し、型枠内に生
コンクリートを打設しながら、型枠を振動させてコンク
リートを締め固めた後、型枠及びパレットを脱型する工
程を含むコンクリート管の製造方法において、パレット
にシールシートを被せ、シールシートの上にコンクリー
ト管に埋め込むプラスチックフェースを載置してノロ漏
れを防止する。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の製造方法を説明
するための縦断面図で、外型枠２にパレット４をクラン
プ５で固定し、基台１に配置されている内型枠３に合わ
せて外型枠２をセットし、上部より生コンクリート８を
打設しながら型枠２，３に振動を加えてコンクリート８
を締め固めた後、型枠２，３及びパレット４を脱型して
コンクリート管を製造する。

【０００８】図２は図１のＡ部の拡大断面図、図３は本
発明のノロ漏れ防止に使用するシールシートの平面図
で、パレット４の表面にはシールシート９が被されてお
り、その上にプラスチックフェース６を載置することに
よりシールシート９が押さえられ固定される。図３に示
すシールシート９は、４本の貫通孔を有するコンクリー
ト多孔管を製造する場合に用いるものであるから、４本
の内型枠３を通す４個の孔１０が形成されている。シー
ルシート９の材質は、コンクリートとの剥離性や内型枠
との密着性の点からポリプロピレン、ポリエチレン、塩
化ビニール等が望ましく、また、その厚みは０．１〜
０．４ｍｍで十分に使用できる。

【０００９】パレット４は、内型枠３に挿通しやすいよ
うに、パレット４の孔１１の内径寸法が内型枠３の外径
寸法より大きくしてあるために、両者の間に形成される
間隙１２にノロ漏れが生じるので、シールシート９の孔
１０の内径は、パレットの孔１１のそれより大きく、内
型枠３の外径と同じにすると、生コンクリート打設後
に、シールシートが生コンクリートの重量によりパレッ
ト及び外型枠表面に密着し、ノロ漏れ防止の効果が増大
し、表面性状のよいコンクリート管が得られる。

【００１０】

【発明の効果】本発明の効果は、次のとおりである。

【００１１】（１） ノロ漏れがないので、コンクリー
ト管の表面性状がよく外観形状の整った製品ができ、ま
た、表面仕上をする必要が殆どないので、表面仕上を行
っていた従来法に比べて、製造時間、労力、製造費を大
幅に減らすことができる。

【００１２】（２） ノロ漏れがないので、振動による
内型枠の磨耗が防止されるために、内型枠を長期にわた
り使用することができ、製造コストが下がる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の製造方法の説明図。

【図２】図１のＡ部の拡大断面図。

【図３】本発明の製造方法に使用するシールシートの平
面図。

【図４】従来法によるコンクリート管の製造方法の説明
図。

【符号の説明】

１ 基台１、 ２ 外型枠、 ３ 内型枠、 ４ パレ
ット、５ クランプ、６ プラスチックフェース、 ７
回転式ホッパー、 ８ 生コンクリート、９ シール
シート、 １０ シールシートの孔、 １１ パレット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外型枠、内型枠、及び内型枠を挿通する
   孔を有するパレットをセットして型枠を形成し、型枠内
   に生コンクリートを打設しながら、型枠を振動させてコ
   ンクリートを締め固めるコンクリート管製造において、
   パレット表面に内型枠に密着する孔を有するシールシー
   トを被せ、さらに、シールシートの上にコンクリート管
   に埋め込むプラスチックフェースを載置することを特徴
   とするコンクリート管製造におけるノロ漏れ防止方法。