JPH09122476A - 水中油中水型エマルシヨンの調製方法 - Google Patents

水中油中水型エマルシヨンの調製方法

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JPH09122476A
JPH09122476A JP7285503A JP28550395A JPH09122476A JP H09122476 A JPH09122476 A JP H09122476A JP 7285503 A JP7285503 A JP 7285503A JP 28550395 A JP28550395 A JP 28550395A JP H09122476 A JPH09122476 A JP H09122476A
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洋子 岸本
Satoru Tokuyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性の問題のために利用が制限されていた
水中油中水型エマルシヨンに関し、特定の乳化剤を組み
合わせて使用することにより、高い安定性を維持しうる
水中油中水型エマルシヨンを得る。 【解決手段】 油分、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライ
ドのエチレンオキサイド付加物、および、多価アルコ―
ルと脂肪酸との部分エステルからなる非イオン系界面活
性剤とアミノ酸またはその塩および非還元性の糖アルコ
―ルを含む水溶液を用いて油中水型エマルシヨンを調製
し、これを、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチ
レンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステルのエ
チレンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキル
エ―テルまたはポリオキシエチレン・ポリオキシプロピ
レングリコ―ルの中から選ばれる乳化剤を含有する水に
加えて、水中油中水型エマルシヨンを調製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中油中水型エマ
ルシヨンの調製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水中油中水型や油中水中油型のような複
合エマルシヨンは、従来より、水中油型エマルシヨンが
油中水型に、油中水型エマルシヨンが水中油型に、それ
ぞれ、転相する際に生じる一過性の状態であると理解さ
れていた。ところが、近年、乳化技術が進歩するにした
がつて、上記のような複合エマルシヨンの調製が積極的
に試みられるようになつてきている。
【0003】その中でも、水中油中水型エマルシヨン
は、さまざまな分野において、多くのすぐれた特性を有
すると考えられているが、複合エマルシヨンとしての安
定性に問題があるため、一般には、そのほとんどの用途
で単純な水中油型エマルシヨンや油中水型エマルシヨン
が用いられている。
【0004】たとえば、化粧料では、皮膚呼吸を防げな
い、水や汗に対して流れ落ちにくいなどの特徴がある油
中水型エマルシヨンと、べたつきが少なく、さつぱりと
した使用感が得られやすい水中油型エマルシヨンとの両
方の長所をともに有するエマルシヨンとして、有用な製
品が得られることが期待されているが、実際には、安定
性が低いなどのため、現在の日本のスキンケア製品にお
いて、水中油中水型エマルシヨンを安定に形成している
例はほとんどみられない。また、医薬品では、薬物を内
水相に包含させることにより、その放出を制御する、ド
ラツグ・デリバリ―・システムへの応用が考えられる
が、この場合も内包率を維持できない点や安定性の点か
ら、複合エマルシヨンの利用が制限されている。とく
に、化粧料や医薬品では、1〜2年という長期の保証期
間があるため、安定な乳化物が得られにくい処方では、
明らかに実用化が困難となる。
【0005】このような問題に対し、これまでに多くの
検討がなされている。たとえば、特開昭63−3331
1号公報では、デキストリン脂肪酸エステルを中間層の
油相成分中に配合し、特定のベントナイトを外水相成分
中に配合することにより、特公平5−37962号公報
では、乳化剤としてポリグリセリン縮合リシノレイン酸
エステルを用いることにより、特公平3−16173号
公報では、HLB9以下の親油性界面活性剤と水とから
ゲルを形成させ、このゲルを油相中に分散させて油中水
型エマルシヨンを調製し、これを外水相と混合乳化する
ことにより、特公平6−76315号公報では、乳化剤
としてレシチンを用い、かつ内水相の浸透圧を外水相よ
り高く調整した油中水型エマルシヨンを、浸透圧を内相
より低く調整した外水相に添加し、乳化することによ
り、それぞれ、安定な水中油中水型エマルシヨンが得ら
れることが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記のいず
れの方法も、水中油中水型エマルシヨンとしての安定性
を維持するという面では、必ずしも満足できるものでは
なかつた。安定なエマルシヨンを調製する際には、使用
する油分の種類に対して、最も適切な乳化剤処方を選択
することが必要であるが、とくに、エマルシヨン状態を
維持させにくい水中油中水型の複合エマルシヨンにおい
ては、適当な乳化剤処方を用いても、安定性の高いエマ
ルシヨンを調製することは困難であつた。
【0007】本発明は、安定性の問題のために利用が制
限されていた水中油中水型エマルシヨンに関し、それら
の問題点を解決するものであり、その目的とするところ
は、特定の乳化剤を組み合わせて使用することにより、
高い安定性を維持しうる水中油中水型エマルシヨンを得
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、油分に対し、特
定の乳化剤とともに、親油性である特定の非イオン系界
面活性剤と、アミノ酸またはその塩および特定の糖アル
コ―ルを含有する水溶液との混合物を、組み合わせて用
いることにより、安定な油中水型エマルシヨンを調製
し、ついで、このエマルシヨンを、親水性である特定の
非イオン系界面活性剤を含む水中に分散、乳化させるこ
とにより、高い安定性を有する水中油中水型エマルシヨ
ンが得られることを見い出し、本発明を完成するに至つ
た。
【0009】すなわち、本発明は、常温で液状を呈する
油分に、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレン
オキサイド付加物と、A)3個以上の水酸基を有する多
価アルコ―ルと脂肪酸との部分エステルからなる常温で
液状を呈する非イオン系界面活性剤と、B)アミノ酸ま
たはその塩を1〜40重量%および分子内に少なくとも
5個以上の水酸基を有する非還元性の糖アルコ―ルを1
〜20重量%含有する水溶液とを、A成分の非イオン系
界面活性剤:B成分の水溶液が重量比で1:1から1:
20となるように混合、攪拌したものとを、添加したの
ち、水を加えて、油中水型エマルシヨン(以下、WOエ
マルシヨンという)を調製し、これを、ヒドロキシ脂肪
酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物、ソル
ビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、ポ
リオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチレ
ン・ポリオキシプロピレングリコ―ルの中から選ばれる
少なくとも1種の乳化剤0.2〜20重量%を含有する
水に添加し、乳化することを特徴とする水中油中水型エ
マルシヨン(以下、WOWエマルシヨンという)の調製
方法に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いるA成分は、3個以
上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂肪酸との部分エ
ステルからなる、常温で液状を呈する親油性の非イオン
系界面活性剤である。上記の部分エステルは、多価アル
コ―ルの種類によつて異なるが、たとえば、水酸基が3
個のグリセロ―ルの場合、主にモノエステルとジエステ
ルと少量のトリエステルとの混合物であり、水酸基が4
個のジグリセロ―ルやソルビタンの場合、モノエステ
ル、ジエステルと少量のトリエステルおよびテトラエス
テルとの混合物である。これら部分エステルのうち、乳
化剤として良好な性能を発揮させるため、部分エステル
の単品またはそれらの混合物が常温で液状を呈し、かつ
親油性であるものの中から、選択、使用される。
【0011】部分エステルを構成する3個以上の水酸基
を有する多価アルコ―ルとしては、たとえば、グリセロ
―ル、ジグリセロ―ル、トリグリセロ―ル、テトラグリ
セロ―ル、ヘキサグリセロ―ル、オクタグリセロ―ル、
デカグリセロ―ル、キシリト―ル、ソルビト―ル、マン
ニト―ル、ソルビタン、トリメチロ―ルプロパン、ペン
タエリスリト―ルなどが挙げられる。
【0012】部分エステルを構成する脂肪酸としては、
たとえば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、オレ
イン酸、イソステアリン酸、リノ―ル酸など、上記の多
価アルコ―ルとの部分エステルが液状を呈するものであ
る限り、公知の種々の脂肪酸を使用することができる。
これらの脂肪酸の中でも、とくにシス−Δ9−オクタデ
セン酸を85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−不飽
和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オレイン酸が
好ましい。
【0013】A成分の部分エステルとして、とくに好適
なものは、上記の高純度オレイン酸から誘導される、グ
リセロ―ルモノオレ―ト、ソルビタンモノオレ―ト、ソ
ルビタンジオレ―ト、ジグリセロ―ルモノオレ―ト、ジ
グリセロ―ルジオレ―トなどである。これらの部分エス
テルは、アシル基として非常に高純度なオレイン酸が導
入されているため、酸化安定性にすぐれ、また界面活性
剤分子間の配向性が高まる結果、皮膚への浸透性や乳化
安定性などの機能性にすぐれるといつた特徴があり、現
在、一般に市販されているオレイン酸誘導体と比べて、
最終的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性に著し
く寄与させることができる。
【0014】本発明で用いるB成分は、アミノ酸または
その塩と、分子内に少なくとも5個以上の水酸基を有す
る非還元性の糖アルコ―ルとを含有する水溶液である。
アミノ酸またはその塩としては、一般的な食品添加物、
日本薬局方外医薬品として知られているものの中から選
択使用できる。また、上記の非還元性の糖アルコ―ルと
しては、食品や日本薬局方外医薬品として一般的に用い
られているものの中から選択使用でき、とくにキシリト
―ル、ソルビト―ル、マンニト―ル、マルチト―ル、ラ
クチト―ルなどが好ましく用いられる。
【0015】アミノ酸には、グリシン、アラニン、アル
ギニン塩酸塩、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタ
ミン、グルタミン酸、ヒスチジン、ロイシン、イソロイ
シン、プロリン、ハイドロキシプロリン、セリン、スレ
オニン、バリン、フエニルアラニンなどがあり、これら
の中でも、中性のアミノ酸、とくにアラニンとセリンが
好ましい。これらのアミノ酸は、通常L−体であるが、
その異性体であるD−体、またそれらの混合物であるD
L−体であつても、同様に使用できる。アミノ酸の塩に
は、ナトリウム塩やカリウム塩などの1価の金属塩、カ
ルシウム塩やマグネシウム塩などの2価の金属塩があ
り、とくにアスパラギン酸ナトリウム1水和物、アスパ
ラギン酸カリウム2水和物、グルタミン酸ナトリウム1
水和物、グルタミン酸カリウム1水和物などが好ましく
用いられる。
【0016】水溶液中のアミノ酸またはその塩の濃度
は、1〜40重量%である。1重量%より低いと、最終
的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性が低下す
る。アミノ酸またはその塩の濃度が高いほど、上記の安
定性が向上してくるが、40重量%よりも高くなると、
結晶が析出しやすくなる。本発明においては、併用する
糖アルコ―ルがアミノ酸またはその塩の結晶析出を防
ぎ、高濃度でも安定な水溶液とすることができるが、実
用上は、過飽和状態を与えない濃度範囲とすべきであ
り、この過飽和状態を与えない濃度はアミノ酸またはそ
の塩の溶解度によつて異なるため、選択したアミノ酸ま
たはその塩の溶解度に応じて、上記範囲内において、適
当な濃度を設定するのがよい。
【0017】また、水溶液中の非還元性の糖アルコ―ル
の濃度は、1〜20重量%である。1重量%より低い
と、最終的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性に
問題を生じる場合がある。また、20重量%より高くな
ると、アミノ酸またはその塩の溶解性に問題を生じやす
くなり、結果として、安定なWOWエマルシヨンを得る
ことが困難となる。
【0018】本発明においては、上記A成分の部分エス
テルからなる常温で液状を呈する親油性の非イオン系界
面活性剤と、上記B成分の水溶液とを、前者:後者が重
量比で1:1から1:20となるように混合し、これを
強固なゲル状になるまで撹拌することにより、通常、ゲ
ル状の混合物として、得ることができる。ここで、撹拌
は強いほど良好なゲル状態を得ることができるが、その
際、撹拌機によつてその混合物が高温になる場合には、
常温以下に保つために冷却しながら撹拌を行うようにす
るのがよい。
【0019】なお、A成分とB成分との混合比率は、B
成分中のアミノ酸またはその塩、非還元性の糖アルコ―
ルの種類とその濃度に応じて、適宜最適な比率が選ばれ
る。たとえば、B成分がL−グルタミン酸ナトリウム1
水和物5重量%およびラクチト―ル5重量%の水溶液の
場合、A成分:B成分の重量比が1:2〜1:10の範
囲となるようにするのがよい。また、L−グルタミン酸
ナトリウム1水和物40重量%およびラクチト―ル20
重量%の水溶液の場合、A成分:B成分の重量比が1:
2〜1:15の範囲となるようにするのがよい。
【0020】本発明においては、まず、上記のゲル状の
混合物を用いて、WOWエマルシヨンの内相となるWO
エマルシヨンを調製する。この方法は、常温で液状を呈
する油分に、ヒドロキシ脂肪酸トリグセライドのエチレ
ンオキサイド付加物からなる乳化剤と、上記のゲル状の
混合物を添加して分散させ、しかるのち水を加えて撹拌
混合して乳化させるものであり、この方法により、低粘
度な領域でも安定性の高いWOエマルシヨンを調製する
ことができる。
【0021】油分としては、従来より化粧品などに広く
用いられているエステル系油性基剤や、同じく化粧品に
多く用いられている非エステル系油性基剤のうちから、
常温で液状を呈するものを広く使用できる。従来より化
粧品などに広く用いられているエステル系油性基剤のう
ち、常温で液状を呈するものとしては、たとえば、大豆
油、ひまわり油、ホホバ油などの天然由来の植物油など
のほか、グリセロ―ルトリオレ―ト、エチルオレ―ト、
エチルリノレ―ト、デシルオレ―ト、オレイルオレ―ト
やイソプロピルミリステ―トなどが挙げられる。また、
同じく化粧品に多く用いられている非エステル系油性基
剤としては、オレイルアルコ―ル、スクアラン、スクア
レン、流動パラフイン、ポリブテンなどが挙げられ、こ
れらのエステル系および非エステル系の油性基剤のうち
から、目的に応じて1種または2種以上の混合物を用い
ることができる。
【0022】これらの中でも、好ましくは、シス−Δ9
−オクタデセン酸を85重量%以上含有し、かつシス−
Δ9−不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オ
レイン酸のエステル化物、たとえばグリセロ―ルトリオ
レ―ト、ジグリセロ―ルテトラオレ―ト、エチルオレ―
ト、デシルオレ―ト、オレイルオレ―ト、プロピレング
リコ―ルモノオレ―ト、プロピレングリコ―ルジオレ―
ト、トリメチロ―ルプロパントリオレ―トなどを用いる
のがよい。すなわち、これらの高純度オレイン酸からな
るエステル系油性基剤の使用により、WOWエマルシヨ
ンの安定性や皮膚刺激性を改善できるから、このエステ
ル系油性基剤を単独で、あるいはこれと前記の油性基剤
との混合物を用いるのが望ましい。
【0023】乳化剤であるヒドロキシ脂肪酸トリグセラ
イドのエチレンオキサイド付加物において、ヒドロキシ
脂肪酸トリグセライドとしては、ヒマシ油や硬化ヒマシ
油などがあり、そのエチレンオキサイドの平均付加モル
数が20〜60モルであるものを用いるのが好ましい。
上記の平均付加モル数が20モル未満では、低粘度な領
域でのWOエマルシヨンの安定性が低下する。また、上
記の平均付加モル数が60モルを超えると、WOエマル
シヨンが転相しやすくなり、結果として、WOエマルシ
ヨンの安定性がやはり低下する。
【0024】このヒドロキシ脂肪酸トリグセライドのエ
チレンオキサイド付加物からなる乳化剤の使用量として
は、WOエマルシヨンの全体量中、0.5〜10重量%
程度であるのがよい。また、この乳化剤と前記の油分の
ほかに、WOエマルシヨン中、0.5〜20重量%の割
合で、3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂肪
酸との部分エステルを添加してもよく、これにより最終
的に調製されるWOWエマルシヨンの安定性をさらに高
めることができる。
【0025】上記の部分エステルとしては、前記ゲル状
の混合物を構成するA成分と同じ、常温で液状を呈する
親油性の非イオン系界面活性剤であつて、A成分と同種
のものを使用することができる。とくに好ましくは、シ
ス−Δ9−オクタデセン酸を85重量%以上含有し、か
つシス−Δ9−不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する
高純度オレイン酸から誘導される、グリセロ―ルモノオ
レ―ト、グリセロ―ルジオレ―ト、ジグリセロ―ルモノ
オレ―ト、ジグリセロ―ルジオレ―ト、ソルビタンモノ
オレ―ト、ソルビタンセスキオレ―ト、ソルビタントリ
オレ―ト、マンニト―ルモノオレ―ト、マンニト―ルジ
オレ―ト、マンニト―ルトリオレ―トなどを用いるのが
よい。
【0026】WOエマルシヨンの調製において、油分お
よび水相(内水相)の使用比率は、エマルシヨンの用途
目的に応じて、適宜選択される。一般的には、油分:水
相が重量比で90:10から10:90となるようにす
ればよい。また、このエマルシヨンの調製に際し、前記
のゲル状混合物の添加量は、WOエマルシヨン中の1〜
20重量%、好ましくは3〜10重量%の割合とするの
が好ましい。
【0027】本発明においては、上記の方法で調製した
WOエマルシヨンを用いて、WOWエマルシヨンを調製
する。この方法は、上記のWOエマルシヨンを、ヒドロ
キシ脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加
物、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付
加物、ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレングリコ―ルの中から
選ばれる少なくとも1種の乳化剤0.2〜20重量%を
含有する水に添加し、乳化させるものであり、これによ
り安定性の高いWOWエマルシヨンを調製できる。
【0028】水に含有させる乳化剤は、上記4種の乳化
剤の中から、その1種または2種以上が選択されるが、
このうち、ヒドロキシ脂肪酸トリグリセライドのエチレ
ンオキサイド付加物としては、前記のWOエマルシヨン
の調製に用いたものと同様のもの、つまり、ヒマシ油や
硬化ヒマシ油などからなるヒドロキシ脂肪酸トリグセラ
イドのエチレンオキサイド付加物であつて、その平均付
加モル数が20〜60モルであるものを用いるのが好ま
しい。上記の平均付加モル数が20モル未満では、WO
エマルシヨンの分散性が低下し、結果として、WOWエ
マルシヨンの安定性が低下する。また、上記の平均付加
モル数が60モルを超えると、内相のWOエマルシヨン
が転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨン
の安定性がやはり低下する。
【0029】また、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレ
ンオキサイド付加物としては、脂肪酸部分が不飽和であ
るソルビタンオレイン酸エステルのほか、ソルビタンラ
ウリン酸エステルやソルビタンカプリル酸エステルなど
の飽和脂肪酸からなるソルビタンエステルのエチレンオ
キサイド付加物が挙げられ、とくにエチレンオキサイド
の平均付加モル数が5〜40モルであるものを用いるの
が好ましい。上記の平均付加モル数が5モル未満では、
WOエマルシヨンの分散性が低下し、結果として、WO
Wエマルシヨンの安定性が低下する。また、上記の平均
付加モル数が40モルを超えると、内相のWOエマルシ
ヨンが転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシ
ヨンの安定性がやはり低下する。
【0030】これらの中でも、とくにシス−Δ9−オク
タデセン酸を85重量%以上含有し、かつシス−Δ9−
不飽和脂肪酸を90重量%以上含有する高純度オレイン
酸からなるソルビタンオレイン酸エステルのエチレンオ
キサイド付加物であるポリオキシエチレンソルビタンオ
レ―トを用いるのが好ましい。このような高純度オレイ
ン酸誘導体を用いると、WOWエマルシヨンの安定性が
さらに高められる。
【0031】さらに、ポリオキシエチレンアルキルエ―
テルとしては、アルキル基が飽和であるポリオキシエチ
レンドデシルエ―テルやポリオキシエチレンセチルエ―
テルのほか、アルキル基が不飽和であるポリオキシエチ
レンオレイルエ―テルが挙げられ、とくにアルキル基の
炭素数が12〜18で、エチレンオキサイドの平均付加
モル数が5〜40モルであるものを用いるのが好まし
い。上記の平均付加モル数が5モル未満では、WOエマ
ルシヨンの分散性が低下し、結果として、WOWエマル
シヨンの安定性が低下する。また、上記の平均付加モル
数が40モルを超えると、内相のWOエマルシヨンが転
相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨンの安
定性がやはり低下する。
【0032】これらの中でも、とくにシス−Δ9−オク
タデシルアルコ―ルを85重量%以上含有し、かつシス
−Δ9−不飽和脂肪族アルコ―ルを90重量%以上含有
する高純度オレイルアルコ―ルのエチレンオキサイド付
加物であるポリオキシエチレンオレイルエ―テルを用い
るのが好ましい。このような高純度オレイン酸誘導体を
用いると、WOWエマルシヨンの安定性がさらに高めら
れる。
【0033】また、ポリオキシエチレン・ポリオキシプ
ロピレングリコ―ルとしては、一般的に医薬品や化粧品
に用いられているもののうち、エチレンオキサイドの平
均モル数が50〜200モル、プロピレンオキサイドの
平均モル数が5〜80モルであり、エチレンオキサイド
の平均モル数とプロピレンオキサイドの平均モル数の比
が2:1以上である、親水性のものから種々選択して使
用するのが好ましい。ここで、とくに、エチレンオキサ
イドの平均モル数とプロピレンオキサイドの平均モル数
の比が2:1より低くなると(つまり、エチレンオキサ
イドの含量が低くなると)、WOエマルシヨンの分散性
が低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定性が
低下する。また、エチレンオキサイドの平均モル数が5
0モル未満となると、WOエマルシヨンの分散性が上記
同様に低下し、結果として、WOWエマルシヨンの安定
性が低下する。さらに、エチレンオキサイドの平均モル
数が200モルを超えると、内相のWOエマルシヨンが
転相しやすくなり、結果として、WOWエマルシヨンの
安定性がやはり低下する。
【0034】本発明においては、外水相に用いる乳化剤
として、上記4種の乳化剤のほか、グリセロリン脂質を
併用することにより、WOWエマルシヨンの安定性をさ
らに高めることができる。グリセロリン脂質としては、
大豆由来のリン脂質(大豆レシチン、大豆水添レシチン
など)や、卵黄由来のリン脂質(卵黄リン脂質、卵黄水
添リン脂質など)など、天然由来のもののほか、高度に
精製された種々の高純度リン脂質(ホスフアチジルコリ
ン、ホスフアチジルエタノ―ルアミンなど)やリゾリン
脂質などの中から種々選択して使用できる。これらは単
独で用いても、2種以上を選択、混合して使用してもよ
い。
【0035】このようなグリセロリン脂質を併用する場
合、上記4種の乳化剤:グリセロリン脂質が重量比で2
0:1〜1:2となる割合で使用するのがよい。また、
上記4種の乳化剤とグリセロリン脂質との合計量が、外
水相中0.2〜20重量%の範囲を超えないように使用
するのが望ましい。
【0036】本発明において、WOWエマルシヨンの調
製に際し、ホモミキサ―、ホモジナイザ―、クレアミツ
クスなどの一般的な乳化装置のほか、多孔質膜を利用し
た膜乳化装置など、一般的に乳化が可能な手段であれ
ば、どのような装置でも使用できる。また、このような
装置を用いたエマルシヨンの調製にあたり、内相となる
WOエマルシヨンと外水相の混合比は、目的に応じて、
内相:外相が2:1から1:10になるように適宜設定
すればよい。
【0037】本発明の方法により調製されるWOWエマ
ルシヨンは、従来では困難であつた低粘度な領域でも、
安定性にすぐれるといつた特徴があり、たとえば、内相
を形成するWOエマルシヨンの油相に油溶性の有効成
分、同エマルシヨンの水相やWOWエマルシヨンの外水
相に水溶性の有効成分を添加することにより、皮膚に対
する浸透性、柔軟性さらには使用感にすぐれた化粧料や
皮膚上で用いる医薬品や注射剤、あるいは農薬などに利
用することができる。
【0038】
【実施例】つぎに、本発明を、実施例によりさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定さ
れるものではない。
【0039】実施例1 <WOエマルシヨンの調製>A成分として、ジグリセロ
―ルモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE
PGO−9021L」、アシル基組成:シス−Δ9−
オクタデセン酸含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂
肪酸含量94重量%〕10部を用いた。また、B成分と
して、L−グルタミン酸ナトリウム1水和物3部および
マンニト―ル1部を精製水6部に溶解させた水溶液を用
いた。このA成分およびB成分を、常温にて、クレアミ
ツクスCLM−0.8S〔(株)エムテクニツク製〕を
用いて、10,000回転で10分間撹拌混合して、ゲ
ル状混合物を得た。
【0040】つぎに、油分として、グリセロ―ルトリオ
レ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE GO−9
03」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重
量%〕6部と、スクアレン6部とを用い、これらの油分
に、50℃に加温したポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
〔日本油脂(株)製「ユニオツクス HC−40」、エ
チレンオキサイド平均付加モル数40〕0.5部と上記
のゲル状混合物2部を混合して、油相中に十分に分散さ
せたのち、攪拌しながら精製水6部を徐々に加え、常温
にて、クレアミツクスCLM−0.8S〔(株)エムテ
クニツク製〕を用いて、8,000回転で10分間撹拌
混合して、25℃の粘度が72センチポイズのWOエマ
ルシヨンY1を調製した。
【0041】<WOWエマルシヨンの調製>精製水10
部に、乳化剤として、ポリオキシエチレン・ポリオキシ
プロピレングリコ―ル(エチレンオキサイド平均付加モ
ル数160、プロピレンオキサイド平均付加モル数3
0)0.5部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化
分散液を撹拌しながら、これに上記のWOエマルシヨン
Y1:10部を徐々に加え、常温にて、クレアミツクス
CLM−0.8S〔(株)エムテクニツク製〕を用い
て、8,000回転で5分間攪拌混合して、WOWエマ
ルシヨンを調製した。
【0042】実施例2 <WOエマルシヨンの調製>A成分として、グリセロ―
ルモノオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE
GO−991」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデ
セン酸含量99重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量
99重量%〕3部と、ソルビタンモノオレ―ト〔日本油
脂(株)製「NOFABLE SO−901」、アシル
基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量88重量%、
シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量94重量%〕6部を用い
た。また、B成分として、L−アスパラギン酸ナトリウ
ム1水和物3部およびキシリト―ル1部を精製水14部
に溶解させた水溶液を用いた。このA成分およびB成分
を、実施例1と同様に撹拌混合して、ゲル状混合物を得
た。
【0043】つぎに、油分として、デシルオレ―ト〔日
本油脂(株)製「NOFABLEDO−90」、アシル
基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重量
%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕12
部を用い、この油分に、ソルビタンセスキオレ―ト〔日
本油脂(株)製「NOFABLE SO−902」、ア
シル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:88重
量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94重量%〕
1.6部と、50℃に加温したポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数40)
0.4部と、上記のゲル状混合物1部を混合して、油相
中に十分に分散させたのち、攪拌しながら精製水8部を
徐々に加え、以下、実施例1と同様に撹拌混合して、2
5℃の粘度が40センチポイズのWOエマルシヨンY2
を調製した。
【0044】<WOWエマルシヨンの調製>実施例1の
WOWエマルシヨンの調製において、WOエマルシヨン
Y1:10部に代えて、上記のWOエマルシヨンY2:
10部を用いた以外は、実施例1と同様に攪拌混合し
て、WOWエマルシヨンを調製した。
【0045】実施例3 <WOエマルシヨンの調製>A成分として、ソルビタン
モノオレ―ト〔日本油脂(株)製「ノニオン OP−8
0R」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量55重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量78重量
%〕5部を用いた。また、B成分として、L−グルタミ
ン酸ナトリウム1水和物3部およびマルチト―ル1部を
精製水6部に溶解させた水溶液を用いた。このA成分お
よびB成分を、実施例1と同様に撹拌混合して、ゲル状
混合物を得た。
【0046】つぎに、油分として、オレイルオレ―ト
〔日本油脂(株)製「NOFABLEOO−908
0」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94
重量%〕4部と、ポリブテン〔日本油脂(株)製「パ―
ルリ―ムEX」〕8部とを用い、これらの油分に、ソル
ビタントリオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABL
E SO−903」、アシル基組成:シス−Δ9−オク
タデセン酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪
酸含量:94重量%〕1.0部と、ソルビタンセスキオ
レ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−9
92」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量:99重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:99
重量%〕0.5部と、50℃に加温したポリオキシエチ
レン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加モル数
40)0.5部と、上記のゲル状混合物1部を混合し
て、油相中に十分に分散させたのち、攪拌しながら精製
水8部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に撹拌混合
して、25℃の粘度が166センチポイズのWOエマル
シヨンY3を調製した。
【0047】<WOWエマルシヨンの調製>実施例1の
WOWエマルシヨンの調製において、WOエマルシヨン
Y1:10部に代えて、上記のWOエマルシヨンY3:
10部を用いた以外は、実施例1と同様に攪拌混合し
て、WOWエマルシヨンを調製した。
【0048】実施例4〜6 <WOWエマルシヨンの調製>精製水10部に、乳化剤
として、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ―ト
〔日本油脂(株)製「NOFABLE ESO−902
0」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94
重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕0.
2部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散液を
攪拌しながら、これに、実施例1〜3で調製したWOエ
マルシヨンY1〜Y3:10部を徐々に加え、以下、実
施例1と同様に攪拌混合して、3種のWOWエマルシヨ
ンを調製した。
【0049】実施例7〜9 <WOWエマルシヨンの調製>精製水12部に、乳化剤
として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオ
キサイド平均付加モル数60〕0.2部と、さらに、大
豆水添レシチン〔日本油脂(株)製「コ―トソ―ムNC
−21」〕0.1部を加え、均一に乳化分散させた。こ
の乳化分散液を攪拌しながら、これに、実施例1〜3で
調製したWOエマルシヨンY1〜Y3:10部を徐々に
加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、3種のW
OWエマルシヨンを調製した。
【0050】実施例10〜12 <WOWエマルシヨンの調製>精製水10部に、乳化剤
として、ポリオキシエチレンオレイルエ―テル〔日本油
脂(株)製「NOFABLE EAO−9020」、ア
ルコ―ル基組成:シス−Δ9−オクタデセノ―ル含量8
6重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪族アルコ―ル含量9
4重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕
0.2部を加え、均一に乳化分散させた。この乳化分散
液を攪拌しながら、これに、実施例1〜3で調製したW
OエマルシヨンY1〜Y3:10部を徐々に加え、以
下、実施例1と同様に攪拌混合して、3種のWOWエマ
ルシヨンを調製した。
【0051】比較例1 <WOエマルシヨンの調製>油分として、グリセロ―ル
トリオレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLEGO
−903」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン
酸含量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:
94重量%〕12部を用い、この油分に、実施例1で得
たゲル状混合物1部を混合して、油相中に分散させた。
これを攪拌しながら、あらかじめ精製水6部にポリオキ
シエチレン硬化ヒマシ油(エチレンオキサイド平均付加
モル数40〕0.4部を50℃で溶解したのち常温に冷
却したものを、徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪
拌混合して、25℃の粘度が202センチポイズのWO
エマルシヨンZ1を調製した。
【0052】<WOWエマルシヨンの調製>精製水10
部に、乳化剤として、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
(エチレンオキサイド平均付加モル数60〕0.2部を
加え、均一に分散させた。この乳化分散液を攪拌しなが
ら、これに、上記のWOエマルシヨンZ1:10部を徐
々に加え、実施例1と同様に攪拌混合して、WOWエマ
ルシヨンを調製した。
【0053】比較例2 <WOエマルシヨンの調製>ソルビタンモノオレ―ト
〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−90
1」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量
88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量94重量
%〕5部と精製水5部とを、実施例1と同様に撹拌し
て、ゲル状混合物を得た。
【0054】つぎに、油分として、オレイルオレ―ト
〔日本油脂(株)製「NOFABLEOO−908
0」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量:88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94
重量%〕12部を用い、この油分に、ソルビタンセスキ
オレ―ト〔日本油脂(株)製「NOFABLE SO−
902」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸
含量88重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:94
重量%〕1部と、ポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レ―ト〔日本油脂(株)製「ノニオン OT−22
1」、アシル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含
量:55重量%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:78
重量%、エチレンオキサイド平均付加モル数20〕0.
5部と、上記のゲル状混合物1部を混合して、油相中に
分散させたのち、攪拌しながら、精製水8部を徐々に加
え、以下、実施例1と同様に撹拌混合して、25℃の粘
度が836センチポイズのWOエマルシヨンZ2を調製
した。
【0055】<WOWエマルシヨンの調製>比較例1の
WOWエマルシヨンの調製において、WOエマルシヨン
Z1:10部に代えて、上記のWOエマルシヨンZ2:
10部を用いた以外は、比較例1と同様に攪拌混合し
て、WOWエマルシヨンを調製した。
【0056】比較例3,4 <WOWエマルシヨンの調製>精製水10部に、乳化剤
として、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ―ト
〔日本油脂(株)製「ノニオン OT−221」、アシ
ル基組成:シス−Δ9−オクタデセン酸含量:55重量
%、シス−Δ9−不飽和脂肪酸含量:78重量%、エチ
レンオキサイド平均付加モル数20〕0.1部と、さら
に、大豆水添レシチン〔日本油脂(株)製「コ―トソ―
ムNC−21」〕0.1部を加え、均一に乳化分散させ
た。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、比較例
1,2で調製したWOエマルシヨンZ1〜Z2:10部
を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合して、
2種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0057】比較例5,6 <WOWエマルシヨンの調製>精製水15部に、乳化剤
として、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレング
リコ―ル(エチレンオキサイド平均付加モル数160、
プロピレンオキサイド平均付加モル数30)0.1部
と、さらに、大豆水添レシチン〔日本油脂(株)製「コ
―トソ―ムNC−21」〕0.1部を加え、均一に分散
させた。この乳化分散液を攪拌しながら、これに、比較
例1,2で調製したWOエマルシヨンZ1〜Z2:10
部を徐々に加え、以下、実施例1と同様に攪拌混合し
て、2種のWOWエマルシヨンを調製した。
【0058】以上の実施例1〜12および比較例1〜6
で調製した各WOWエマルシヨンについて、コントラバ
ス社のレオマツト115を用いて、常温(25℃)での
粘度を測定した。その結果を、内相に用いたWOエマル
シヨンの種類とともに、下記の表1に示した。
【0059】
【0060】つぎに、上記の実施例1〜12および比較
例1〜6で調製した各WOWエマルシヨンについて、エ
マルシヨンの調製後、速やかに下記の要領により、安定
性および使用性の評価を行つた。これらの結果は、後記
の表2(安定性)および表3(使用性)に示されるとお
りであつた。
【0061】<安定性>WOWエマルシヨン10ml
を、20mlのふた付きのガラス製スクリユ―管(滅菌
済)に入れ、各温度での安定性の評価を行つた。調製1
日後、10日後、1ケ月後に肉眼判定の後、位相差顕微
鏡(1,000倍)を用いて、各サンプルについてそれ
ぞれ5視野ずつの観察を行い、下記の基準で評価した。 ◎:エマルシヨンの状態と粒子径の両面でほとんど変化
が認められない ○:エマルシヨンの状態に変化は認められないが、粒子
径に若干の変化が認められる △:水中油中水型を保持しているが、粒子の合一が明ら
かに認められる ×:エマルシヨン粒子が大きな液滴となり、良好な水中
油中水型が一切認められない ××:水中油中水型が全く保持されておらず、明らかに
相分離が認められる
【0062】<使用性>健常な男女20名をパネラ―と
し、WOWエマルシヨンを手の甲に塗布した際の皮膚上
での、のび、さつぱり感および全体的な使用感を、下記
の基準にしたがつて評価した。 ◎:良いと答えた人数が16人以上 ○:良いと答えた人数が12〜15人 △:良いと答えた人数が7〜11人 ×:良いと答えた人数が6人以下
【0063】
【0064】
【0065】上記の表1〜表3の結果から明らかなよう
に、本発明の実施例1〜12の調製方法によれば、常温
で500センチポイズ以下の低粘度な領域においても、
比較例1〜6の調製方法に比べて、安定性および使用性
ともにすぐれる水中油中水型エマルシヨンを調製できる
ものであることがわかる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明では、油分に対
し、特定の乳化剤とともに、親油性である特定の非イオ
ン系界面活性剤と、アミノ酸またはその塩および特定の
糖アルコ―ルを含有する水溶液との混合物を、組み合わ
せて用いることにより、安定な油中水型エマルシヨンを
調製し、ついで、このエマルシヨンを、親水性である特
定の非イオン系界面活性剤を含む水中に分散、乳化させ
るようにしたことにより、低粘度な領域においても、高
い安定性を示す、また使用感にもすぐれたWOWエマル
シヨンを調製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01F 17/42 B01F 17/42

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状を呈する油分に、ヒドロキシ
    脂肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物
    と、A)3個以上の水酸基を有する多価アルコ―ルと脂
    肪酸との部分エステルからなる常温で液状を呈する非イ
    オン系界面活性剤と、B)アミノ酸またはその塩を1〜
    40重量%および分子内に少なくとも5個以上の水酸基
    を有する非還元性の糖アルコ―ルを1〜20重量%含有
    する水溶液とを、A成分の非イオン系界面活性剤:B成
    分の水溶液が重量比で1:1から1:20となるように
    混合、攪拌したものとを、添加したのち、水を加えて、
    油中水型エマルシヨンを調製し、これを、ヒドロキシ脂
    肪酸トリグリセライドのエチレンオキサイド付加物、ソ
    ルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、
    ポリオキシエチレンアルキルエ―テル、ポリオキシエチ
    レン・ポリオキシプロピレングリコ―ルの中から選ばれ
    る少なくとも1種の乳化剤0.2〜20重量%を含有す
    る水に添加し、乳化することを特徴とする水中油中水型
    エマルシヨンの調製方法。
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