JPH09121863A - 植物の改変方法及び改変植物 - Google Patents

植物の改変方法及び改変植物

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JPH09121863A
JPH09121863A JP7285839A JP28583995A JPH09121863A JP H09121863 A JPH09121863 A JP H09121863A JP 7285839 A JP7285839 A JP 7285839A JP 28583995 A JP28583995 A JP 28583995A JP H09121863 A JPH09121863 A JP H09121863A
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JP
Japan
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plant
protein kinase
amino acid
activity
gene
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Application number
JP7285839A
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English (en)
Inventor
Yasunori Machida
泰則 町田
Toshiya Muranaka
俊哉 村中
Kenji Oita
憲治 大江田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】植物細胞内でHMG-CoA リダクターゼを効率よく
脱リン酸化状態にする技術を提供する。 【解決手段】3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコ
エンザイムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植
物の細胞内に、植物細胞内で機能可能なプロモーター、
配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内の
N末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロ
でリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的
に該活性を示さないように改変したプロテインキナーゼ
の遺伝子、及び植物細胞内で機能可能なターミネータ
ー、を機能可能な形で有する発現カセットを導入するこ
とにより該植物内でのHMG-CoA リダクターゼ活性を増加
させる方法及び、同発現カセットが細胞内に導入された
植物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物の改変方法及び改
変植物に関する。
【0002】
【従来の技術】植物における酢酸メバロン酸経路では、
まず、3分子のアセチルCoA の縮合によって生じる炭素
数6の化合物が還元されてメバロン酸が生成される。次
に、メバロン酸の脱炭酸によって生じる炭素数5のイソ
ペンテニルピロリン酸、および、その異性体のジメチル
アリルピロリン酸とが結合することによって、炭素数1
0のモノテルペンであるゲラニルピロリン酸が生成す
る。さらに、このような炭素数5の化合物が重合を繰り
返し、種々のテルペン類、精油、樹脂、カロチノイド、
天然ゴム、ステロイド等が合成される。これら化合物
は、特に医薬や食品添加物等の分野において有用であ
り、多くの場合には植物から抽出されている。そこで、
このような化合物を植物内で多く合成するために、酢酸
メバロン酸経路の代謝能力を向上させる技術が望まれて
いる。米国特許第5349126 号には、酢酸メバロン酸経路
における鍵酵素であるメバロン酸生成を触媒する酵素、
即ち、3-ヒドロキシ-3- メチルグルタリルコエンザイム
Aリダクターゼ(以下、HMG-CoA リダクターゼと記
す。)の遺伝子を動物細胞からクローニングし、クロー
ニングされた動物由来の遺伝子を植物細胞内に導入する
ことによりHMG-CoA リダクターゼを植物細胞内で過剰発
現させる方法が開示されている。該方法によれば、酢酸
メバロン酸経路の最終的代謝産物であるキャンペステロ
ール、シクロアルテノール、シトステロール、スティグ
マステロール、スクアレンを増加させることが可能にな
る旨の記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、HMG-CoA リ
ダクターゼは、植物細胞内でリン酸化を受けた状態では
活性を示さない酵素であり、該酵素が植物細胞内で脱リ
ン酸化されることによりはじめて活性を示す状態にな
る。このため、HMG-CoA リダクターゼを植物細胞内で単
に過剰発現させるだけでは必ずしも充分に該酵素の活性
を増加させることはできない。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは鋭意検討を行った結果、ある種のリン酸化能を
有するプロテインキナーゼが実質的に該活性を示さない
ように、該酵素の遺伝子を改変し、この改変された遺伝
子を植物細胞内に導入することにより、植物細胞内にお
いてリン酸化を受けた状態で存在する酵素の割合を減少
させ、逆に脱リン酸化の状態にある酵素の割合を増加さ
せることに成功し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、 1.3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイ
ムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植物の細胞
内に、(1) 植物細胞内で機能可能なプロモーター、(2)
配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内の
N末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロ
でリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的
に該活性を示さないように改変したプロテインキナーゼ
の遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なターミネー
ター、を機能可能な形で有する発現カセットを導入する
ことにより該植物内でのHMG-CoA リダクターゼ活性を増
加させる方法、 2.3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイ
ムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植物の細胞
内に、(1) 植物細胞内で機能可能なプロモーター、(2)
配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内の
N末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロ
でリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼの触媒領
域のサブドメインIIにおいて保存されているリジンを他
のアミノ酸に置換することにより得られるプロテインキ
ナーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なター
ミネーター、を機能可能な形で有する発現カセットを導
入することにより該植物内でのHMG-CoA リダクターゼ活
性を増加させる方法、 3.3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイ
ムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植物の細胞
内に、(1) 植物細胞内で機能可能なプロモーター、(2)
HMG-CoA リダクターゼをインビトロでリン酸化する活性
を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を示さない
ように改変したプロテインキナーゼの遺伝子、及び(3)
植物細胞内で機能可能なターミネーター、を機能可能な
形で有する発現カセットを導入することにより該植物内
でのHMG-CoA リダクターゼ活性を増加させる方法、 4.(1) 植物細胞内で機能可能なプロモーター、(2) 配
列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN
末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロで
リン酸化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に
該活性を示さないように改変したプロテインキナーゼの
遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なターミネータ
ー、を機能可能な形で有する発現カセットが細胞内に導
入された植物、 5.(1) 植物細胞内で機能可能なプロモーター、(2) 配
列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN
末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロで
リン酸化する活性を示すプロテインキナーゼの触媒領域
のサブドメインIIにおいて保存されているリジンを他の
アミノ酸に置換することにより得られるプロテインキナ
ーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なターミ
ネーター、を機能可能な形で有する発現カセットが細胞
内に導入された植物、 6.(1) 植物細胞内で機能可能なプロモーター、(2) HM
G-CoA リダクターゼをインビトロでリン酸化する活性を
示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を示さないよ
うに改変したプロテインキナーゼの遺伝子、及び(3) 植
物細胞内で機能可能なターミネーター、を機能可能な形
で有する発現カセットが細胞内に導入された植物、を提
供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、植物細胞内でHMG-CoA
リダクターゼを効率よく脱リン酸化状態にする技術に関
する。以下、さらに詳細に本発明を説明する。本発明で
用いる遺伝子工学的手法は例えば、J.Sambrook, E.F.Fr
isch, T.Maniatis著;モレキュラー クローニング 第
2版(Molecular Cloning 2nd edition )、コールドス
プリング ハーバー ラボラトリー(Cold Spring Harb
or Laboratory )発行、1989年等に記載される通常の方
法に準じて実施できる技術である。プロテインキナーゼ
とは、アデノシン-3- リン酸(ATP) のγ- リン酸基を特
定のタンパク質のセリン、トレオニンまたはチロシンの
ヒドロキシル基へ転移する反応を触媒する酵素(EC 2.
7.1.37.)である。
【0006】まず、「配列番号1で示されるアミノ酸配
列であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ酸であ
るセリンをインビトロでリン酸化する活性を示すプロテ
インキナーゼを実質的に該活性を示さないように改変し
たプロテインキナーゼの遺伝子」について説明する。該
遺伝子とは、配列番号1、即ち、(N)-His Met Lys Tyr
Asn Arg Ser Thr Lys Asp Val Thr Lys Ala Ser-(C) で
示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端から7
番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸化す
る活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を示
さないように改変したプロテインキナーゼを暗号化して
いる構造遺伝子を意味する。用いられるプロテインキナ
ーゼの遺伝子が上記の遺伝子であるかどうかは、配列番
号1で示されるアミノ酸配列であるペプチドを通常の方
法により合成し、合成されたペプチド内のN末端から7
番目のアミノ酸であるセリンを用いられるプロテインキ
ナーゼがインビトロでリン酸化できるかどうかをプロテ
インキナーゼの改変の前後において調べることにより簡
便に検定できる。
【0007】具体的な方法として、例えば、次の方法を
用いることができる。グルタチオン-S- トランスフェラ
ーゼ(GST )遺伝子と用いられるプロテインキナーゼ遺
伝子との融合遺伝子がtac プロモーター制御下で発現で
きるような大腸菌発現ベクターを構築し、構築された大
腸菌発現ベクターにより形質転換した大腸菌を培養す
る。尚、tac プロモーター、GST 遺伝子を含む大腸菌発
現ベクターはファルマシア社から購入することができ
る。あるいは、D. B. Smith らのGene, 67, 31-40 (198
8)に記載の方法に準じて構築することもできる。培養
後、集菌された大腸菌をL緩衝液(50mM Tris-HCl (pH7.
5), 25% ショ糖) 等に懸濁した後、ソニケーターで菌体
を破砕することにより得られた無細胞抽出物をGlutathi
one-Sepharose 4B(ファルマシア社)に吸着させる(4
℃で終夜回転処理)。遠心分離で融合タンパク質を吸着
したGlutathione-Sepharose 4Bを集め、WE緩衝液(20mM
Tris-HCl (pH7.5), 2mM MgCl2 , 1mM DTT)等に懸濁し、
遠心分離した後、再び少量のWE緩衝液等に懸濁する。つ
ぎに、該懸濁液中に含まれるGlutathione-Sepharose 4B
に吸着した融合タンパク質を、配列番号1で示されるア
ミノ酸配列であるペプチド、γ33あるいはγ32P-ATP を
含む緩衝液中に混合することにより反応させる。反応
後、上記のペプチドをリン酸セルロース紙、アニオン交
換カラム、薄層電気泳動等の方法により分離および/ま
たは回収し、該ペプチドから放射能が検出される否かを
通常の方法により調べる(J. E. Casnellie 、Methodsi
n Enzymology, 200, 115-120 (1991)参照)。上記の方
法では、用いられるプロテインキナーゼ遺伝子が、配列
番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末
端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリ
ン酸化する活性を実質的に示さないプロテインキナーゼ
の遺伝子であれば、ほとんど検出されないのに対し、そ
うでない場合では、放射能が検出される。このようにし
て、プロテインキナーゼの改変の前後においてリン酸化
能を検定することにより、用いられるプロテインキナー
ゼ遺伝子が、配列番号1で示されるアミノ酸配列である
ペプチド内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリン
をインビトロでリン酸化する活性を示すプロテインキナ
ーゼを実質的に活性を示さないように改変したプロテイ
ンキナーゼの遺伝子であるかどうかを確認することがで
きる。
【0008】本発明では、「配列番号1で示されるアミ
ノ酸配列であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ
酸であるセリンをインビトロでリン酸化する活性を示す
プロテインキナーゼを実質的に該活性を示さないように
改変したプロテインキナーゼ」の遺伝子として、例え
ば、配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド
内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビ
トロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼの触
媒領域のサブドメインIIにおいて保存されているリジン
を他のアミノ酸に置換することにより得られるプロテイ
ンキナーゼの遺伝子を使用することができる。ここで、
触媒領域とは、T. Hunter によってMethodin Enzymolog
y, 200, 3-37 (1991)の表1 に示されている触媒領域を
示し、また他のアミノ酸とは、該アミノ酸の残基に対し
ATP が結合しないようなアミノ酸を意味し、例えば、ア
ルギニンをあげることができる。タバコNPK5プロテイン
キナーゼを用いる場合、触媒領域のサブドメインIIにお
いて保存されているリジンに相当する48番目のリジンを
アルギニンに置換することにより目的とする「配列番号
1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端か
ら7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸
化する活性を実質的に示さないように改変したプロテイ
ンキナーゼ」を得ることができる。また、ラットAMPKプ
ロテインキナーゼを用いる場合、触媒領域のサブドメイ
ンIIにおいて保存されているリジンに相当する45番目の
リジンをアルギニンに置換することにより目的とする
「配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内
のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビト
ロでリン酸化する活性を実質的に示さないように改変し
たプロテインキナーゼ」を得ることができる。
【0009】もちろん、本発明では、「配列番号1で示
されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端から7番
目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸化する
活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を示さ
ないように改変したプロテインキナーゼ」の遺伝子とし
て、HMG-CoA リダクターゼをインビトロでリン酸化する
活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を示さ
ないように改変したプロテインキナーゼの遺伝子も使用
することができる。グルタチオン-S- トランスフェラー
ゼ(GST )遺伝子と用いられるプロテインキナーゼ遺伝
子との融合遺伝子がtac プロモーター制御下で発現でき
るような大腸菌発現ベクターを構築し、構築された大腸
菌発現ベクターにより形質転換した大腸菌を培養する。
尚、tac プロモーター、GST 遺伝子を含む大腸菌発現ベ
クターはファルマシア社から購入することができる。あ
るいは、D. B. Smith らのGene, 67, 31-40 (1988)に記
載の方法に準じて構築することもできる。培養後、集菌
された大腸菌をL緩衝液(50mM Tris-HCl (pH7.5), 25%
ショ糖) 等に懸濁した後、ソニケーターで菌体を破砕す
ることにより得られた無細胞抽出物をGlutathione-Seph
arose 4B(ファルマシア社)に吸着させる(4 ℃で終夜
回転処理)。遠心分離で融合タンパク質を吸着したGlut
athione-Sepharose 4Bを集め、WE緩衝液(20mM Tris-HCl
(pH7.5), 2mM MgCl2 , 1mM DTT)等に懸濁し、遠心分離
した後、再び少量のWE緩衝液等に懸濁する。つぎに、該
懸濁液中に含まれるGlutathione-Sepharose 4Bに吸着し
た融合タンパク質を、ニコチアナ シルベストリス(Ni
cotiana sylvestlys)由来のHMG-CoA リダクターゼ、γ
33あるいはγ32P-ATP を含む緩衝液中に混合することに
より反応させる。反応後、上記のHMG-CoA リダクターゼ
を熱処理した後、Gel loading 緩衝液を加え10-20%SDS-
PAGEにかける。電気泳動後、ゲルをクーマシーブルーで
染色し、乾燥後、オートラジオグラフィーを行う。上記
の方法では、用いられるプロテインキナーゼ遺伝子が、
HMG-CoA リダクターゼをリン酸化する活性を実質的に示
さないプロテインキナーゼの遺伝子であれば、期待され
るHMG-CoA リダクターゼ分子量の位置にシグナルがほと
んど検出されないのに対し、そうでない場合では、期待
される分子量の位置にシグナルが放射能が検出される。
このようにして、プロテインキナーゼの改変の前後にお
いてリン酸化能を検定することにより、用いられるプロ
テインキナーゼ遺伝子が、HMG-CoA リダクターゼをリン
酸化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活
性を示さないように改変したプロテインキナーゼの遺伝
子であるかどうかを確認することができる。
【0010】本発明で用いられる「植物細胞内で機能可
能なプロモーター」とは、植物細胞内で機能可能な転写
および翻訳開始等の遺伝子発現調節に関与する領域を有
する遺伝子のことであり、たとえば、ノパリン合成酵素
遺伝子(NOS) プロモーターやオクトピン合成酵素遺伝子
(OCT) プロモーターといったアグロバクテリム・ツメフ
ァシエンスのT-DNA 由来の構成的プロモーター、また
は、カリフラワーモザイクウイルス( CaMV) 由来の19S
や35S プロモーターといった植物ウイルス由来のプロモ
ーター、または、タバコ由来のParA遺伝子プロモーター
等をあげることができる。また、その他の公知の植物由
来のプロモーターもあげられる。
【0011】本発明で用いられる「植物細胞内で機能可
能なターミネーター」とは、植物細胞内で機能可能な転
写終結等の遺伝子発現調節に関与する領域を有する遺伝
子のことであり、たとえば、T-DNA 由来のNOS ターミネ
ーター等の植物由来のターミネーター、ニンニクウイル
スGV1 や GV2のターミネーター等のウイルス由来のター
ミネーター等をあげることができる。また、その他の公
知の植物由来のターミネーターもあげられる。
【0012】(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
ー、(2) 配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプ
チド内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをイ
ンビトロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼ
を実質的に該活性を示さないように改変したプロテイン
キナーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なタ
ーミネーターを機能可能な形で有する発現カセットは、
DNA リガーゼの作用によって連結する通常の方法によ
り、「植物細胞内で機能可能なプロモーター」と「植物
細胞内で機能可能なターミネーター」の間に「配列番号
1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端か
ら7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸
化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性
を示さないように改変したプロテインキナーゼの遺伝
子」が位置するように、必要に応じてリンカー等を用い
て構築すればよい。ここで述べる「リンカー」は着目す
るDNA 末端に結合させ、目的とする制限酵素認識配列を
導入することを可能にする2本鎖の合成DNA を指す。こ
のように構築された発現カセットは、「植物細胞内で機
能可能なプロモーター」と「配列番号1で示されるアミ
ノ酸配列であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ
酸であるセリンをインビトロでリン酸化する活性を示す
プロテインキナーゼを実質的に該活性を示さないように
改変したプロテインキナーゼの遺伝子」が機能可能な形
で結合し、そして「配列番号1で示されるアミノ酸配列
であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ酸である
セリンをインビトロでリン酸化する活性を示すプロテイ
ンキナーゼを実質的に該活性を示さないように改変した
プロテインキナーゼ」を発現することのできる遺伝子構
築体である。尚、特定植物中で機能する、あるいは特定
の植物器官で特異的に機能することができるプロモータ
ーを選択することによって任意の発現形態の改変植物を
得ることも可能となる。たとえば、根部特異的に発現す
るプロモーターを用いることにより、根部に特異的に
「配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内
のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビト
ロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼを実質
的に該活性を示さないように改変したプロテインキナー
ゼ」を発現させることができ、酢酸メバロン酸経路の代
謝能力を根部に特異的に向上させることが可能となる。
また、逆に組織特異性のない植物ウイルス由来のプロモ
ーターを用いることにより、組織特異性なく「配列番号
1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端か
ら7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸
化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性
を示さないように改変したプロテインキナーゼ」を発現
させることができ、酢酸メバロン酸経路の代謝能力を植
物全体で向上させることが可能となる。
【0013】このようにして構築された発現カセット
を、例えば、イネ、トウモロコシ、モロコシ、ライム
ギ、オオムギ、コムギ、タマネギ等の単子葉植物、ダイ
ズ、エンドウ、インゲン、アルファルファ等のマメ科植
物;タバコ、トマト、ナス、ジャガイモ等のナス科植
物、ダイコン、ナタネ、キャベツ、シロイヌナズナ等の
アブラナ科植物;メロン、キュウリ、カボチャなどのウ
リ科植物;ニンジン、セロリ等のセリ科植物;レタス等
のキク科植物等の双子葉植物等に導入する方法として
は、植物種によって異なるが、土壌細菌であるアグロバ
クテリウムの感染を利用する方法やプロトプラストへの
エレクトロポレーションにより遺伝子を導入する方法、
植物組織あるいはプロトプラストへのパーティクルガン
により遺伝子を導入する方法等の通常の方法をあげるこ
とができる。そして構築させた発現カセットが導入され
た植物細胞は、植物組織培養技術において通常用いられ
る方法に準じて再生され、植物体として得ることができ
る。このような方法は、例えば、S.B. Gelvin, R. A. S
chilperoort and D. P. S. Verma著;プラントモレキュ
ラー バイオロジー/マニュアル(Plant Molecular Bio
logy/Manual)、ルアー アカデミック パブリッシャー
ズ(Kluwer Academic Publishers)発行、1988年等に記載
されている。
【0014】具体的には、例えば、イネへの遺伝子導入
にはパーティクルガン法を用いることができる。イネ種
子を脱穀、籾すり後、オーキシンを含む Linsmaier and
Skoog(LS)培地(Physiol. Plant. 18, 100-127 (196
5))で培養し、胚を脱分化を図る。脱分化して大きくな
った胚を切取り、オーキシンを含むLS寒天培地に置床す
る。前記のようにして構築された発現カセット、およ
び、抗生物質等の薬剤耐性マーカー用プラスミドを混合
し、パーティクルガンによって、寒天培地に置床した胚
に遺伝子を導入する。この胚を抗生物質等の薬剤と植物
ホルモンを含むLS培地で無菌的に選抜培養する。さら
に、増殖した胚由来カルスを抗生物質等の薬剤を含むLS
培地上で選抜し、抗生物質等の薬剤耐性遺伝子が導入さ
れた再生個体を得る。これらの選抜植物からゲノムDNA
を調製し、PCR もしくはサザンブロット解析により「配
列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN
末端から7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロで
リン酸化する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に
該活性を示さないように改変したプロテインキナーゼの
遺伝子」が挿入された植物体を選抜する。本発明に従え
ば、形質転換植物におけるHMG-CoA リダクターゼキナー
ゼの活性が低下し、そしてHMG-CoA リダクターゼの活性
を増加させることができる。そして HMG-CoAリダクター
ゼによって合成されたメバロン酸、及び、その下流の代
謝産物である種々のテルペン類、精油、樹脂、カロチノ
イド、天然ゴム、ステロイド等の化合物の合成が促進さ
れる。さらに、本発明の副次的な効果として、植物の根
の伸長増加が認められた。根の伸長増加は、乾燥地にお
ける生育の増加、強風などに対する倒伏防止、根での有
用物質生産の増加などに利用できる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により詳細に説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0016】実施例1 (インビトロにおけるペプチド
のリン酸化) 配列番号1及び2で示されるアミノ酸配列であるペプチ
ドを自動アミノ酸合成装置(Per Septive Biosystems
製、9050 Peptide Synthesizer))により合成した。タ
バコプロテインキナーゼNPK5をコードするDNA (cNPK5)
を、Mol. Cell. Biol., 14, 2958-2965 (1994)に記載さ
れる方法に準じて、タバコプロテインキナーゼ遺伝子断
片CC5 (配列番号3で示される塩基配列)をプローブと
し、タバコ培養細胞BY-2(Kato et al. (1972) Liquid
suspension culture of tobacco cells, p. 689-695. I
n G. Terui (ed.) Fermentation technology today. So
cietyof Fermentation Technology, Osaka, Japan. 等
に記載され、例えば、東京大学理学部植物学講座で分譲
可能な状態で保管されている)から調製したcDNAライブ
ラリーをスクリーニングすることにより得た。得られた
cNPK5 の全長を含むBamHI 断片を、プラスミドpUC18 の
BamHI 部位に挿入することによりpXK1を構築した。尚、
pXK1は、cNPK5 の5'側にpUC18 のマルチクローニングサ
イトのXbaIが、cNPK5 の3'側にpUC18 のマルチクローニ
ングサイトのKpnIが、配置される構造となったものであ
る。プロテインキナーゼにおける触媒領域のサブドメイ
ンIIにおいて保存されるリジンに相当する、タバコプロ
テインキナーゼNPK5の48番目のリジンをアルギニンに置
換するために、pXK1を鋳型としたPCR による塩基置換法
(PCR protocols: aguide to methods and application
s. Academic Press, San Diego, Calif. GElfandら編、
p. 177-183 (1990) に記載されている) によりcNPK5 の
塩基配列293番目のアデニン残基をグアニン残基に置換
し、pXK1(K48R)を構築した。次に、NPK5遺伝子の翻訳開
始点のすぐ上流にBamHI で認識できる塩基配列をPCR 法
によって導入し(導入後の塩基配列は、GGGATCCCCATG--
〔以下、cNPK5 の塩基配列が続く〕に相当する)、NPK5
の全翻訳塩基配列を含む BamHI断片を、tacプロモータ
ー制御下でグルタチオン-S- トランスフェラーゼ遺伝子
が発現できるような大腸菌発現ベクターであるpGEX-3X
(ファルマシア社から購入)のクローニングサイトであ
るBamHI に、グルタチオン-S- トランスフェラーゼとタ
バコプロテインキナーゼNPK5との融合タンパク質ができ
るようにフレームの合う方向に導入し、大腸菌発現ベク
ターpGEX-NPK5 を構築した。同様にして、NPK5(K48R)遺
伝子の翻訳開始点のすぐ上流にBamHI で認識できる塩基
配列をPCR 法によって導入し(導入後の塩基配列は、GG
GATCCCCATG--〔以下、cNPK5 の塩基配列が続く〕に相当
する)、NPK5(K48R)の全翻訳塩基配列を含むBamHI 断片
を、tac プロモーター制御下でグルタチオン-S- トラン
スフェラーゼ遺伝子が発現できるような大腸菌発現ベク
ターであるpGEX-3X (ファルマシア社から購入)のクロ
ーニングサイトであるBamHI に、グルタチオン-S- トラ
ンスフェラーゼとタバコプロテインキナーゼNPK5(K48R)
との融合タンパク質ができるようにフレームの合う方向
に導入し、大腸菌発現ベクターpGEX-NPK5(K48R) を構築
した。このようにして構築したそれぞれの大腸菌発現ベ
クターpGEX-NPK5 、pGEX-NPK5(K48R) で、大腸菌JM109
株(宝酒造製)を形質転換した。尚、大腸菌JM109 株
は、塩化カルシウム法によって調製したコンピテントセ
ルを東洋紡績株式会社から購入し、添付されたマニュア
ルに従って形質転換された。pGEX-NPK5 、pGEX-NPK5(K4
8R) でそれぞれ形質転換した大腸菌で産生される融合タ
ンパク質を、それぞれ、GST-NPK5、GST-NPK5(K48R)と命
名した。pGEX-NPK5 、pGEX-NPK5(K48R) でそれぞれ形質
転換した大腸菌を、5ml のL-ブロスに 100μg/mlのアン
ピシリンを添加した液体培地で28℃で終夜培養した。そ
の後、150ml のL-ブロスに100 μg/mlのアンピシリンを
添加した液体培地に終夜培養した菌液を1.5 ml加え、28
℃で7時間培養した。7時間後に最終濃度2mMの5-ブロ
モ-4- クロロ-3- インドリル- β-D- ガラクシドを添加
し、さらに15時間、28℃で培養した。培養後、集菌され
た大腸菌をL緩衝液(50mM Tris-HCl (pH7.5), 0.12mM P
MSF,1mM MgCl2 ,25%(w/v) ショ糖) 40ml に懸濁し
た後、ソニケーター(BRANSON 製,SONIFIER 250)で菌
体を破砕(条件:出力60,cycle 70, 5分間×4回)し
た。該破砕物を遠心分離(4℃,5000g , 15min)し、上
清を回収することにより無細胞抽出物を得た。得られた
無細胞抽出物40mlをGlutathione-Sepharose4B(ファ
ルマシア社)1ml(50%スラリー)に吸着させた(4 ℃で
終夜回転処理)。遠心分離(4℃,1000g ,5min)で融
合タンパク質(GST-NPK5、GST-NPK5(K48R))を吸着した
Glutathione-Sepharose 4Bを集め、40mlのWE緩衝液(2
0mM Tris-HCl (pH7.5), 2mM MgCl2 , 1mM DTT)に懸濁
し、遠心分離(4℃,1000g,5min )した。この操作
を2回繰り返した後、1mlのWE緩衝液に懸濁した。つぎ
に、該懸濁液1ml中に含まれるGlutathione-Sepharose
4Bに吸着した融合タンパク質のうち、5μgを、配列番
号1あるいは配列番号2で示されるアミノ酸配列である
ペプチド 200μM、γ33P-ATP (370MBq/ml) 1μl,Na
Cl 80mM , glycerol 8% , EDTA 0.8mM , DTT 0.8mM , M
gCl2 5mM を含む40mM HEPES緩衝液(pH 7.0)中に混合す
る(総量 25 μl)ことにより反応させた(30℃、10分
間)。反応後、反応液のうち15μlを1cm 角のリン酸セ
ルロース紙に吸着させた。該リン酸セルロース紙を一旦
乾燥した後、500ml の1%リン酸で3回洗浄し、ついでア
セトンで1回洗浄してから再び乾燥した。乾燥したリン
酸セルロース紙を5mlのシンチレーターに入れ、放射能
を液体シンチレーションカウンターで測定した。その結
果を表1に示す。
【0017】
【表1】 ─────────────────────────────────── 供試ペ 融合タン 放射能(cpm) バックグラウンドの値 プチド パク質 を引いた比放射能(cpm) ─────────────────────────────────── なし GST-NPK5 3750 0 配列番号1 GST-NPK5 8200 4450 配列番号2 GST-NPK5 7700 3950 ─────────────────────────────────── なし GST-NPK5(K48R) 1600 0 配列番号1 GST-NPK5(K48R) 1550 -50 配列番号2 GST-NPK5(K48R) 1630 30 ───────────────────────────────────
【0018】上記のペプチドを添加しない系との比較、
すなわちバックグラウンドの値を引いた値で見ると、融
合タンパク質 GST-NPK5 の場合、配列番号1及び2で示
されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端から7番
目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸化する
活性を示した。これに対してタバコプロテインキナーゼ
NPK5の触媒領域のサブドメインIIにおいて保存されてい
るリジンに相当する48番目のリジンをアルギニンに置換
した融合タンパク質、即ち、融合タンパク質 GST-NPK5
(K48R) の場合、配列番号1及び2で示されるアミノ酸
配列であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ酸で
あるセリンをインビトロでリン酸化する活性を示さなか
った。以上の結果より、タバコプロテインキナーゼNPK5
は、正常時には配列番号1及び2で示されるアミノ酸配
列であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ酸であ
るセリンをインビトロでリン酸化する活性を示し、か
つ、上記のようなアミノ酸置換後には、配列番号1及び
2で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端か
ら7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸
化する活性を示さないことが確認された。
【0019】実施例2 (発現カセットの構築) マーカー遺伝子としてカナマイシン耐性遺伝子(NPT I
I)、ハイグロマイシン遺伝子(HPT)、及びレポーター
遺伝子としてβ−グルクロニダーゼ遺伝子(GUS)を持
つバイナリベクターであるpIG121HM(Nucleic Acids Re
s. 19,p.6373-6378,1991)を制限酵素SacIで処理した
後、T4ポリメラーゼ処理を行い平滑末端化した。その後
XbaI処理し、電気泳動によってベクター部分と挿入遺伝
子部分とに分け、ベクター部分を切りだし、BioTechniq
ues,9,p.92-99(1990) に記載の方法に準じたガラスマト
リックスによる吸着法によりベクター部分を回収した。
つぎに、タバコプロテインキナーゼNPK5をコードするD
NAを含むpXK1(実施例1で構築された)及びタバコプ
ロテインキナーゼNPK5の触媒領域のサブドメインIIにお
いて保存されているリジンに相当する48番目のリジンを
アルギニンに置換したタバコプロテインキナーゼ、即
ち、アミノ酸置換タバコプロテインキナーゼNPK5(K48R)
をコードするDNAを含むpXK1(K48R)(実施例1で構築
された)をそれぞれSmaI及びXbaIで処理した後、電気泳
動によってベクター部分と挿入遺伝子部分とに分け、挿
入遺伝子部分を切りだし、BioTechniques,9,92-99(199
0) に記載の方法に準じたガラスマトリックスによる吸
着法により挿入遺伝子部分を回収した(以下、 cNPK5
および cNPK5(K48R)と記す。)。上記で調製したバイナ
リベクターであるpIG121HMのベクター部分と、cNPK5 あ
るいは cNPK5(K48R)をライゲーションさせ、それぞれ、
p35S-cNPK5あるいはp35S-cNPK5(K48R)を構築した(図1
参照)。このようにして構築されたプラスミドは、選抜
マーカーとしてハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT)とカ
ナマイシン耐性遺伝子(NPTII) を有し、両者の間にタバ
コプロテインキナーゼNPK5遺伝子あるいは上記のアミノ
酸置換タバコプロテインキナーゼNPK5(K48R)遺伝子を含
む断片が挿入されている。したがって、ハイグロマイシ
ンとカナマイシンの両方に耐性を有するクローンを選抜
すれば、タバコプロテインキナーゼNPK5あるいは上記の
アミノ酸置換タバコプロテインキナーゼNPK5(K48R)を発
現するクローンを取得することができる。
【0020】実施例3 (タバコの形質転換) 実施例2で得られたp35S-cNPK5及びp35S-cNPK5(K48R)並
びに対照としてpIG121HMを、アグロバクテリウム・ツメ
ファシエンスEHA101株(J.Bacteriol.,168,p.1291-130
1,1986 に記載され、Department of Biology,Washingto
n University,St.Louis,Missouri 等に分譲可能な状態
で保管されている)に、エレクトロポレーション法(条
件:抵抗200 オーム, 電気容量25μF,電圧2.5kV )に
よって導入した。形質転換体は、導入されたプラスミド
が有するハイグロマイシン耐性遺伝子(HPT)とカナマイ
シン耐性遺伝子(NPTII) により付与されるカナマイシン
およびハイグロマイシンに対する薬剤耐性を利用してカ
ナマイシン50ug/ml 、ハイグロマイシン20ug/ml を含む
L培地(bacto -trypton 10g, yeast extract 5g, NaCl
5g, 水1L(pH7.0))で選択することにより得られた。得
られた形質転換体であるアグロバクテリウム・ツメファ
シエンスをカナマイシン50ug/ml 、ハイグロマイシン20
ug/ml を含むL培地で30℃、一夜培養し、得られた菌液
を村中ら,植物細胞工学,Vol.4,p.193-203,1992 に記載
の方法に準じてタバコ葉部の切片に感染させた後、カナ
マイシン、ハイグロマイシンによる選抜を行いながらカ
ルス化、再分化を経て遺伝子組換え体タバコ植物を得
た。
【0021】実施例4 (形質転換タバコの自殖) 遺伝子組換え体タバコ植物(T1世代とする)を温室で栽
培し、自殖させることにより自殖第1世代(T2世代とす
る)の種子を得た。さらに、T2植物の種子をカナマイシ
ン、ハイグロマイシンによる選抜で発芽した植物を温室
で栽培し、自殖させることにより自殖第2世代(T3世代
とする)の種子を得た。さらに、T3植物の種子を発芽さ
せ、温室で栽培することによりT3世代の形質転換幼植物
を得た。
【0022】実施例5 (形質転換タバコにおけるペプ
チドのリン酸化) 実施例4で得られたT3世代の形質転換幼植物の葉(50mg)
を、氷冷下、1mlの 0.25M mannitol, 1mM EDTA, 2mM D
TT, 1mM PMSFを含む50mM Tris-HCl 緩衝液(pH8.0) 中で
乳鉢ですりつぶし、細胞内に蓄積された酵素を抽出し、
遠心分離(4℃,5000g,10min )で上清(粗酵素液)
を得た。得られた上清(粗酵素液)(5μg protein)、配
列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプチド 200μ
M、γ33P-ATP (370MBq/ml) 1μl,NaCl 80mM , glyc
erol 8% , EDTA 0.8mM , DTT 0.8mM , MgCl2 5mM を含
む40mM HEPES緩衝液(pH7.0)中に混合する(総量 25μ
l)ことにより反応させた(30℃、10分間)。反応後、
反応液のうち20μlを1cm 角のリン酸セルロース紙に吸
着させた。該リン酸セルロース紙を一旦乾燥した後、50
0ml の1%リン酸で3回洗浄し、ついでアセトンで1回洗
浄してから再び乾燥した。乾燥したリン酸セルロース紙
を5mlのシンチレーターに入れ、放射能を液体シンチレ
ーションカウンターで測定した。その結果を表2に示
す。
【0023】
【表2】 ───────────────────────────────── 導入プラスミド クローン名 放射能(cpm) ───────────────────────────────── pIG121HM(対照) 5-2-1 6400 100 ───────────────────────────────── p35S-cNPK5 6-1-2 6200 96.9 p35S-cNPK5 6-2-1 6500 101.6 ───────────────────────────────── p35S-cNPK5(K48R) 7-1-1 5150 80.5 p35S-cNPK5(K48R) 7-2-3 3200 50.0 ─────────────────────────────────
【0024】タバコプロテインキナーゼNPK5を発現させ
たクローンの場合、配列番号1で示されるアミノ酸配列
であるペプチド内のN末端から7番目のアミノ酸である
セリンをインビトロでリン酸化する活性が低下しなかっ
たのに対し、上記のアミノ酸置換タバコプロテインキナ
ーゼNPK5(K48R)を発現させたクローンの場合、配列番号
1で示されるアミノ酸配列であるペプチド内のN末端か
ら7番目のアミノ酸であるセリンをインビトロでリン酸
化する活性が低下した。
【0025】実施例6 (形質転換タバコ、単離根の伸
長増加1) 実施例4で得られたT2世代の滅菌処理した種子を滅菌し
シュクロース無添加のLS培地(Physiol.Plant,18,p.100
-127,1965 )上に置床し、4℃、1日処理後、23℃、16
時間日長下で4週間培養した。その後、根端から約1cm
を切取り、シュクロース3%のLS培地に、1クローン当た
り10ー15枚の角プレートにつき各10本の根を置床し
た。根の先端部をマークし、8週間目に、伸長した根の
長さを測定した。その結果を図2に示す。pBI121HM(対
照)を導入した遺伝子組換え体タバコ植物の単離根の場
合、全てのサンプルで根の伸長が20mm以下であり、大
部分が10mm以下であった。そして、p35S-cNPK5を導入
した遺伝子組換え体タバコ植物の単離根の場合、全ての
サンプルで根の伸長が35mm以下であり、大部分が10
mm以下であった。これに対して、p35S-NPK5(K48R) を導
入した遺伝子組換え体タバコ植物の単離根の場合、全根
数の37%以上が20mm以上に伸長し、80mm以上伸長した
ものも全根数の約7%も存在した。
【0026】実施例7 (形質転換タバコの根の伸長増
加) 実施例4で得られたT3世代の滅菌処理した種子を滅菌し
た種子をLS培地上に置床し、23℃、16時間日長下で培養
した。10および17日目に根端部の位置をマークしさらに
7日間培養した。培養開始から10,17,24日目にマークし
た点から新たに伸長した根端までの長さを測定した。そ
の結果を表3に示す。
【0027】
【表3】 ─────────────────────────────────── 導入プラスミド クローン名 サンプル数 根の伸長の平均(mm) 10日目 17日目 24日目 ─────────────────────────────────── pIG121HM(対照) 5-1-1 45 7.71 11.73 13.82 pIG121HM(対照) 5-2-1 48 8.50 11.92 12.75 ─────────────────────────────────── p35S-cNPK5 6-2-1 62 3.66 6.08 6.67 ─────────────────────────────────── p35S-cNPK5(K48R) 7-1-1 44 8.68 12.95 17.77 p35S-cNPK5(K48R) 7-2-3 47 9.43 19.45 31.85 ───────────────────────────────────
【0028】p35S-cNPK5を導入した遺伝子組換え体タバ
コ植物の場合、根の伸長が阻害されたのに対して、p35S
-cNPK5(K48R)を導入した遺伝子組換え体タバコ植物の単
離根の場合、根の伸長が促進された。
【0029】実施例8 (形質転換タバコ、単離根の伸
長増加2) 実施例4で得られたT3世代の滅菌処理した種子を滅菌し
た種子をシュクロース無添加のLS培地上に置床し、4
℃、1日の条件で低温処理した後、23℃、16時間日長下
で4週間培養した。その後、根端から約1cmを切取り、
シュクロース3%のLS培地に、角プレート当たり、縦に3
列、各8本の根を置床した。根の先端部をマークし、17
日目に、伸長した根の長さを測定した。結果を表4に示
す。
【0030】
【表4】 ───────────────────────────────── 導入プラスミド クローン名 サンプル数 根の伸長の平均(mm) ───────────────────────────────── pIG121HM(対照) 5-1-1 41 0.01 pIG121HM(対照) 5-2-1 43 0.25 ───────────────────────────────── p35S-cNPK5 6-2-1 49 0.23 ───────────────────────────────── p35S-cNPK5(K48R) 7-1-1 45 11.41 p35S-cNPK5(K48R) 7-2-3 46 9.82 ─────────────────────────────────
【0031】pBI121HM(対照)を導入した遺伝子組換え
体タバコ植物あるいはp35S-cNPK5を導入した遺伝子組換
え体タバコ植物の場合、単離根の伸長が大きく阻害され
たのに対して、p35S-cNPK5(K48R)を導入した遺伝子組換
え体タバコ植物の場合、単離根の伸長は地上部がついて
いた場合と同程度に伸長した。
【0032】
【発明の効果】本発明により、植物細胞内でHMG-CoA リ
ダクターゼを効率よく脱リン酸化状態にすることが可能
になった。さらに、本発明の副次的な効果として、植物
の根の伸長増加を引き起こすことができた。
【0033】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 1 His Met Lys Tyr Asn Arg Ser Thr Lys Asp Val Thr Lys Ala Ser 15
【0034】配列番号:2 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 配列の種類:ペプチド 配列 1 His Met Arg Ser Ala Met Ser Gly Leu His Leu Val Lys Arg Arg 15
【0035】配列番号:3 配列の長さ:410 配列の型:核酸 配列の種類:cDNA 配列 GGGAAGGGGT CGTTTGGGAA GGTTAAAATA GCTGAACATA CCTTAACAGG GCATAAAGTT 60 GCTGTCAAGA TTCTCAATCG TCGGAAAATC AAGAACATGG AAATGGAAGA AAAAGTGAGA 120 AGGGAAATTA AAATATTGAG ATTGTTCATG CATCCTCACA TCATTCGGCT GTATGAGGTT 180 GTAGAGACAC CATCAGATAT ATATGTTGTG ATGGAGTATG TGAAATCTGG TGAGCTGTTT 240 GATTACATTG TGGAGAAGGG CAGACTACAA GAGGATGAAG CTCGTAAATT CTTCCAGCAG 300 ATAATCTCTG GTGTGGAGTA CTGCCACAGG AACATGGTGG TTCATAGAGA TCTAAAGCCT 360 GAGAACCTCC TTTTGGATTC CAAATGGAAT GTGAAGATCG CCGACTTTGG 410
【図面の簡単な説明】
【図1】p35S-cNPK5の構築方法を示す図である。
【図2】p35S-cNPK5(K48R)の構築方法を示す図である。
【図3】T2世代の遺伝子組換え体タバコ植物の単離根
の伸長を示す図である。横軸は伸長した長(mm)、縦
軸に度数を示している。pBI121HMを導入した遺伝子組換
え体タバコ植物(対照)の場合、1クローン計145本
の根、 p35S-cNPK5 を導入した遺伝子組換え体タバコ植
物の場合、6クローン計541本の根、p35S-cNPK5(K48
R)を導入した遺伝子組換え体タバコ植物の場合、6クロ
ーン計541本の根を用いた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコ
    エンザイムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植
    物の細胞内に、(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
    ー、(2) 配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプ
    チド内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをイ
    ンビトロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼ
    を実質的に該活性を示さないように改変したプロテイン
    キナーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なタ
    ーミネーター、を機能可能な形で有する発現カセットを
    導入することにより該植物内でのHMG-CoA リダクターゼ
    活性を増加させる方法。
  2. 【請求項2】3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコ
    エンザイムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植
    物の細胞内に、(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
    ー、(2) 配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプ
    チド内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをイ
    ンビトロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼ
    の触媒領域のサブドメインIIにおいて保存されているリ
    ジンを他のアミノ酸に置換することにより得られるプロ
    テインキナーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可
    能なターミネーター、を機能可能な形で有する発現カセ
    ットを導入することにより該植物内でのHMG-CoA リダク
    ターゼ活性を増加させる方法。
  3. 【請求項3】3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコ
    エンザイムA(HMG-CoA )リダクターゼ活性を有する植
    物の細胞内に、(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
    ー、(2) HMG-CoA リダクターゼをインビトロでリン酸化
    する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を
    示さないように改変したプロテインキナーゼの遺伝子、
    及び(3) 植物細胞内で機能可能なターミネーター、を機
    能可能な形で有する発現カセットを導入することにより
    該植物内でのHMG-CoA リダクターゼ活性を増加させる方
    法。
  4. 【請求項4】(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
    ー、(2) 配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプ
    チド内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをイ
    ンビトロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼ
    を実質的に該活性を示さないように改変したプロテイン
    キナーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可能なタ
    ーミネーター、を機能可能な形で有する発現カセットが
    細胞内に導入された植物。
  5. 【請求項5】(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
    ー、(2) 配列番号1で示されるアミノ酸配列であるペプ
    チド内のN末端から7番目のアミノ酸であるセリンをイ
    ンビトロでリン酸化する活性を示すプロテインキナーゼ
    の触媒領域のサブドメインIIにおいて保存されているリ
    ジンを他のアミノ酸に置換することにより得られるプロ
    テインキナーゼの遺伝子、及び(3) 植物細胞内で機能可
    能なターミネーター、を機能可能な形で有する発現カセ
    ットが細胞内に導入された植物。
  6. 【請求項6】(1) 植物細胞内で機能可能なプロモータ
    ー、(2) HMG-CoA リダクターゼをインビトロでリン酸化
    する活性を示すプロテインキナーゼを実質的に該活性を
    示さないように改変したプロテインキナーゼの遺伝子、
    及び(3) 植物細胞内で機能可能なターミネーター、を機
    能可能な形で有する発現カセットが細胞内に導入された
    植物。
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