JPH09118772A - 生物付着防止性樹脂組成物および生物付着防止性防汚基材 - Google Patents

生物付着防止性樹脂組成物および生物付着防止性防汚基材

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JPH09118772A
JPH09118772A JP7279388A JP27938895A JPH09118772A JP H09118772 A JPH09118772 A JP H09118772A JP 7279388 A JP7279388 A JP 7279388A JP 27938895 A JP27938895 A JP 27938895A JP H09118772 A JPH09118772 A JP H09118772A
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JP
Japan
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biofouling
resin composition
resin
antifouling
copper powder
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JP7279388A
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Tsutomu Yamamoto
勉 山本
Susumu Kano
進 加納
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Toyo Denshoku KK
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toyo Denshoku KK
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、長期間優れた生物付着防止性機能を
発揮し、かつ、軽くて扱い易く、しかも各種基材に簡
単、容易に生物付着防止性を付与することができる生物
付着防止性樹脂組成物および生物付着防止性防汚基材を
提供せんとするものである。 【課題手段】本発明の生物付着防止性樹脂組成物は、樹
脂と銅粉とが混合されてなり、かつ、各銅粉の隣り合う
間隔が500ミクロン未満にある状態で分布されている
ことを特徴とするものであり、また、本発明の生物付着
防止性防汚基材は、かかる生物付着防止性樹脂組成物
が、10ミクロン以上の膜厚で基材表面に塗布されてい
ることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽くて扱い易く、
高い生物付着防止性を耐久性よく有する優れた生物付着
防止性樹脂組成物およびそれからなる防汚基材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から生物付着を防止するための防汚
基材に関する出願は多数見られ、なかでも純銅からなる
銅粉や、酸化銅を合成樹脂などと共に布帛や糸状物など
に加工したものが提案されている。しかしそれらはいず
れも単なるアイディアにすぎず、生物付着防止性機能を
発揮する期間が非常に短く、加工時の問題、コスト、製
品の取扱い性等はもちろん、特に耐久性を度外視したも
のばかりであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み、長期間優れた生物付着防止性機能を
発揮し、かつ、軽くて扱い易く、しかも各種基材に簡
単、容易に生物付着防止性を付与することができる生物
付着防止性樹脂組成物および生物付着防止性防汚基材を
提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するため次のような手段を採用する。すなわち、本
発明の生物付着防止性樹脂組成物は、樹脂と銅粉とが混
合されてなり、かつ、各銅粉の隣り合う間隔が500ミ
クロン未満にある状態で分布されていることを特徴とす
るものであり、また、本発明の生物付着防止性防汚基材
は、かかる生物付着防止性樹脂組成物が、10ミクロン
以上の膜厚で基材表面に塗布されていることを特徴とす
るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、従来の生物付着を防止
する基材の耐久性、短すぎる有効期間の問題について鋭
意検討したところ、樹脂内に分散させた銅粉同士を特定
な距離間隔で存在させた樹脂組成物とすると、意外にも
上記生物付着防止性能を高めることができね、かつ、そ
の効能期間を大幅に延長できることを究明して、本発明
に到達したものである。
【0006】本発明において使用する銅粉とは、純銅、
若しくは銅と他の金属との合金、例えば銅/ニッケル、
銅/亜鉛や酸化物などであって、すなわち、銅が70%
以上含まれている合金、化合物をいう。これらは電解に
より粉末状に析出させて作られた電解粉や、溶融した
銅、銅合金を高速の流体によって飛散凝固させたアトマ
イズ粉が好ましく、その平均粒径は10〜50ミクロン
の範囲にあるものが好ましい。粒径がこれ以上大きくな
ると、合成樹脂と撹拌する際に銅粉の重量が大きいこと
から沈殿して合成樹脂と均一に混ざりにくくなるほか、
布帛などにコーティングした際に銅粉の分布が均一でな
く、ある部分に凝集したり、分布していない部分ができ
易くなる。反対に銅粉の粒径が小さすぎると、樹脂との
均一性はよいものの、同重量を使用しても銅粉の粒径の
大きいものに比べて嵩張るため、加工後の基材が厚くな
る傾向がある上に、海水中などでの銅の溶出速度が速
く、したがって防汚効果の持続性が短すぎることとな
る。ここでいう平均粒径は、粒子の短辺と長辺の平均長
さ分布を平均したもので表される。
【0007】これらの銅粉を、樹脂、たとえばアクリ
ル、ウレタン、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリオレフィン系およびエチ
レン・酢ビ共重合体樹脂や、さらに天然樹脂などの少な
くとも1種類と混合し、鋼材、プラスチック成型品、繊
維糸条や布帛などの基材に複合または塗布加工する。
【0008】これらの天然樹脂や合成樹脂は、もちろん
架橋剤、増粘剤などを併用しても構わない。これらの樹
脂の中でも、水中(海中)での溶解性の速度との関係も
配慮するのが好ましく、溶解性の比較的大きくないもの
が、有効期間の延長の上から好ましい。これら樹脂の種
類と溶解性との関係を配慮して、各種樹脂の混合樹脂を
使用することも好ましい。とりわけアクリルやポリビニ
ルアルコールなどの樹脂が、加工性、樹脂のコストの面
からも考慮して好ましく使用される。
【0009】銅粉と合成樹脂との配合比は、銅粉:樹脂
が20〜70:80〜30が好ましく、さらに好ましく
は40〜60:60〜40である。ここで銅粉と合成樹
脂との配合比は、銅粉、合成樹脂とも水分を伴わない乾
燥した状態でのものである。樹脂組成物での銅粉の量が
70%を越えて多く存在させると溶出量が多くなり、生
物付着防止性防汚効果の点では好ましいが、銅粉の粒径
の項でも述べたように重量が大きくなりすぎる嫌があ
り、加工後の基材の硬度が硬くなりすぎる傾向を示し、
その結果、取り扱いにくく、コスト高になる欠点が生ず
る。また、銅粉の配合比が20%より少なくなると、樹
脂中の銅粉の存在量が少なすぎて、加工後の銅粉と銅粉
との粒子の間隔が広くなりすぎ、生物付着防止効果が激
減し、銅粉の存在していない合成樹脂の部分に水中のス
ライム等の生物が付着しやすくなる。すなわち、生物は
非常に僅かの間隙でも付着する性質を有するものである
ため、銅粉は、できるだけ狭い間隔で均一に存在させて
おくのが重要である。すなわち、一般的に、つまり従来
技術では、各銅粉の間隔は実験的に約500〜1000
ミクロン程度であることを究明しているが、付着防止効
果を達成する、さらにその持続効果を達成するのには、
銅粉と隣り合う銅粉の間隔は、500ミクロン未満、好
ましくは300ミクロン以下、さらに好ましくは200
ミクロン以下、特に好ましくは100ミクロン以下の範
囲で存在させるのがよい。
【0010】該樹脂組成物の複合膜厚または塗膜厚は、
好ましくは10ミクロン以上であるのがよく、これより
も膜厚が小さくなると効果の持続性が低下する傾向があ
り、実験では1年以上の効果を持続させることが難しか
った。もちろん使用する場所の水温、潮流、水深、海水
の栄養度等の自然条件によっても銅粉の溶出速度は影響
するが、徐々に溶出して効果を長持ちさせるには、該樹
脂組成物の膜厚は10ミクロン以上であるのが好まし
い。かかる膜厚は加工する基材がフィルム等のように全
く厚さ斑のないものはどこを測定してもほぼ均一である
が、織物などのように凹凸のある基材では、加工後の膜
厚が凹部と凸部とで異なるので、そのような基材の場合
は、凸部の膜厚をいう。一般には、膜厚は加工する際の
布帛(織物)などの基材とナイフコートの間隔などから
経験的に算出されるが、実際の製品の断面を顕微鏡、電
子顕微鏡写真などで確認するのが最も好ましい。また、
銅粉と隣り合う銅粉との間隔の測定も同様に、実際の樹
脂組成物や膜の断面を顕微鏡、電子顕微鏡写真などで測
定して確認する。
【0011】該樹脂組成物を均一に基材(基布)に加工
する方法として、予め基材を平滑処理することが好まし
い。平滑処理とは、基材(特に基布)の凹凸を少なくす
る目的で一般的に用いられるカレンダー加工または合成
樹脂による下引き加工、さらにはこれらの併用加工など
である。
【0012】特に、基材が基布である場合には、基布へ
の樹脂の接着性を高めるため、該基布を精練・セットす
ることが望ましい。また、さらにコーティグ時のナイフ
の滑りをよくして、該樹脂組成物の加工性を高めるため
に精練、カレンダー加工した基布にシリコンや、フッ素
樹脂で撥水加工してもよい。しかし、あまり撥水の効果
を高めると該樹脂組成物を加工した後で、樹脂が剥離し
やすくなることがあるので注意を要する。基布を平滑処
理しないものは、織物の経糸と緯糸の組織等によって凹
凸が大きく、したがって、凹部と凸部への該樹脂組成物
の付着量(厚さ)が大きく異なる。コスト等の面から該
樹脂組成物の量を減らそうとすると、凸部への加工剤の
付着量が減少し、部分的にかすれが生ずる。したがって
どうしても凸部の付着を中心に加工するため、凹部は非
常に余計に付着させることになる。
【0013】本発明は、かかる問題を克服するために、
140℃〜180℃で20Kg/cm2程度のカレンダー加
工を施して、予め基布の凹凸を少なくしておくのが好ま
しい。また、カレンダー加工のみでは平滑性が不足する
場合は、たとえば基布にアクリル等の合成樹脂で下引き
加工する。これによって、基布の平滑性は非常に向上
し、すなわち、基布の凸部に加工した該樹脂組成物の膜
厚さを、基布の凹部に加工した膜厚の2倍以下に制御す
ることができ、非常に均一性に優れた膜厚のものを与え
ることができる上に、経済的である。
【0014】以下、図面によって本発明の生物付着防止
性防汚基材について説明する。図1〜4は、織物から成
る生物付着防止性防汚基材の断面を示すもので、図1
は、通常の基布に該樹脂組成物を加工したものであり、
後述する実施例3を示すものである。図2は、カレンダ
ー加工による平滑処理を行った基布に、該樹脂組成物を
加工したもの(実施例1)、図3は、該平滑処理と更に
アクリル樹脂で下引き加工した基布に、該樹脂組成物を
加工したものを示す(実施例2)。図4は、後述する比
較例1を示すもので、該樹脂組成物の付着量を図1のも
の(実施例3)より少なくして図2(実施例1)と同一
に合わせたもの、樹脂塗布量が少なすぎる例を示すもの
である。
【0015】いずれも該樹脂組成物Eは基布Aの両面に
加工したものであり、基布Aは経糸Bと緯糸Cから成っ
ており、図1では、この基布Aに直接該樹脂組成物Eを
塗布しており、塗布後の該樹脂組成物Eの厚さは、基布
凸部a部分の該樹脂組成物膜厚さと、凹部b部分の該樹
脂組成物膜厚さが大きく異なり、凹部bの該樹脂組成物
の膜厚さは、基布凸部aの2.5倍となる。図2は、基
布Aがカレンダー加工してあるため、特に経糸Bと緯糸
Cとが押し潰されて平滑になり、基布Aの厚さが図1の
基布より薄くなっている。この基布に該樹脂組成物Eを
加工した後の該基布凸部aの該樹脂組成物の膜厚さと基
布凹部bの該樹脂組成物の膜厚さはまだ若干差があるも
のの、図1よりは該樹脂組成物の膜厚さ斑が小さく均一
性がある。また、図3はカレンダー加工によって基布A
をある程度平滑にした後、更にアクリル樹脂によって下
引き加工しており、該樹脂組成物を塗布する前の状態で
は最も平滑である。したがって該樹脂組成物Eも非常に
膜厚さを少なく、薄く塗布することができ、基布凹部b
の部分と、基布凸部aの部分の該樹脂組成物の膜厚さは
ほとんど変わず、均一性に優れた柔軟で取り扱いやすい
防汚基材が得られる。図4は、図1と同じ基布を用い、
図1より該樹脂組成物の膜厚さを減らすように塗布した
ものであるが、基布凸部a部分の該樹脂組成物膜厚さは
少なくなるものの、基布凹部b部分の該樹脂組成物膜厚
さは図1と変わらず、膜厚さの差が非常に大きく、特に
基布凸部a部分は部分的にかすれを生じることがある。
【0016】該樹脂組成物を塗布する基布としては、熱
可塑性合成繊維織物がよく、ポリエステルまたはナイロ
ン織物が好ましいが、吸水性が少なく、耐候性も優れた
ポリエステル織物が最も好ましい。これらの基布は用途
により、密度、目付、織組織等を自由に選択できる。ま
た必要によりポリエステルとナイロンの交織や、他の熱
可塑性合成繊維との交織、混紡糸から成るものであって
もよい。これらの基布に該樹脂組成物を塗布した防汚基
材は、そのまま縫製、仕立て等の工程を経て使用されて
も良いが、非常に薄地の基布に該樹脂組成物を塗布した
防汚基材を、強力の強い別の未加工基布に縫製やマジッ
クテープで取り付ける、または接着剤で接着させるなど
の方法で使用しても良い。当然、本発明の防汚基材を織
物以外の、たとえばコンクリート、プラスチック、鋼材
など各種構造物、係留索や浮力体などの水産資材、また
は海水取水口等の壁面に取り付けて使用されるものの表
面に取付けて使用することができる。なお、本発明の防
汚基材を係留索や各種の水中構造物に取り付ける際、該
防汚基材を5〜20cm幅程度のテープ状に切断したもの
を用いると、特に取り付け加工がしやすく、該防汚基材
のロスが少なく、早くできる。
【0017】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳しく説
明する。
【0018】実施例1 ポリエステル繊維1000デニール、192フィラメン
ト原糸を引き揃え、目付300g/m2 、織組織平織の
基布を、30%カ性ソーダー液5g/リットルとその他
精練剤を加えた液中で90〜95℃でリラックス精練し
た後、130℃で乾燥し、170℃で1〜2分間セット
した後、金属−金属ローラのカレンダー装置で温度16
0℃、圧力20kg/cm2 で2m/秒の速度で平滑処理を
行った。この基布に福田金属(株)のCu-At-W-250 の純
銅から成るアトマイズ粉40部に対し、中央理化工業
(株)のコータックスTC-921-4を100部(樹脂固形分
40%)、助剤として中央理化工業(株)のコータック
スTC-639を1.5部、硬化剤として長瀬産業(株)のエ
ポキシ樹脂EX614Bを3部、さらに増粘剤として中央理化
工業(株)のコータックス TC100を2部加えたものをよ
く撹拌した後、ナイフコーティング機でコーティング
し、110℃で1分間乾燥した後、裏面も同条件で加工
し、さらに130℃で3分間キュアリングした。加工後
の凸部該樹脂組成物膜厚さは120ミクロンで、銅粉と
アクリル樹脂との付着量は、500g/m2 であった。
【0019】実施例2 実施例1と同基布を用い、カレンダー加工の後同基布に
実施例1で用いたアクリル樹脂コータックスTC-921-4を
用いてナイフコーティング機でまず下引き加工を行い、
110℃で1分間乾燥した後、さらに130℃で3分間
キュアリングした。下引き加工剤アクリル樹脂の付着量
は150g/m2 であった。このあと実施例1と同じ処
方でアクリル樹脂と銅粉、助剤、増粘剤を加工し、さら
に実施例1と同条件で乾燥、キュアリングを行った。加
工後の該樹脂組成物の凸部膜厚さは80ミクロンで下引
き樹脂と合わせた加工剤全体の付着量は、550g/m
2であった。
【0020】なお実施例3は実施例1と同じ糸使いの織
物を用い、カレンダー加工も樹脂による下引き加工もし
なかった基布に、実施例1と同じ処方で、基布の凸部の
防汚加工剤の膜厚さが実施例1と同じ120ミクロンに
なるように加工したものである。
【0021】表1において、防汚効果は各サンプルをス
テンレス10φの丸棒から成る50cm×50cmの枠に縛
り付け、三重県尾鷲湾の水深1.5の海水中に吊して随
時生物付着状態を調べたものであり、数字は防汚基材の
一部分にも生物が付着しなかった期間を示し、数字の大
きいものほど防汚効果があることを示している。
【0022】
【表1】 表1に見られるように実施例1、2は基布を平滑処理し
た後該樹脂組成物を加工したため、実施例3に比べて該
樹脂組成物の付着量が少なく、基布の凸部分に加工した
膜厚さと基布の凹部分に加工した該樹脂組成物の膜厚さ
の比(b/a)が小さく、膜厚さが均一であり、防汚効
果が優れていることがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明により該樹脂組成物の加工膜厚さ
が均一なために、軽くて取り扱いやすく、しかも防汚効
果が長持ちする生物付着防止基材が得られる。また、銅
粉での生物付着防止効果により、防汚基材に付着する生
物の重量増によって、沈没することもなく、防汚基材の
取換え期間も延長され、取換え費用の削減が図れる。ま
た、汚濁防止膜やオイルフェンスに使用するとき、生物
付着がないので使用する浮き子を小さく設定する事がで
き、コスト低減が図れる。しかも銅粉を使用するため、
水中での水流による基材の捲れ上がりが防止でき、水中
での有効面積が増加し、実質的な泥水やオイル等の通過
防止効果がある。また本発明の防汚基材を水面近くに設
置するもの、例えば浮き子等の浮力体に取り付けた場
合、樹脂、銅粉等の効果によって耐候性向上効果があ
り、太陽光による基布の劣化を防止する。本発明の防汚
基材はテープ状に切断してロープや水中に設置した構造
物、筒状物等に巻き付けて使用しても良く、その場合の
作業性が向上する等の効果を有する。
【0024】本発明によれば、オイルフェンスや汚濁防
止膜、発電所などの海水取水口、水産資材等に使用され
る基材(コンクリート、プラスチック、鋼材、網、ロー
プ)表面に付着する生物を極めて効果的に防止または忌
避する防汚基材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の基布に生物付着防止性樹脂組成物を塗布
してなる本発明の生物付着防止性防汚基材の断面図を示
すものである。
【図2】本発明の生物付着防止性防汚基材の他の一例を
示す断面図である。
【図3】本発明の生物付着防止性防汚基材の他の一例を
示す断面図である。
【図4】平滑処理しない従来の基布に生物付着防止性樹
脂組成物の付着量を少なくして加工したときの断面図で
ある。
【符号の説明】
A:基布 B:経糸 C:緯糸 D:下引き剤 E:生物付着防止性樹脂組成物 a:凸部の生物付着防止性樹脂組成物膜厚さ b:凹部の生物付着防止性樹脂組成物膜厚さ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂と銅粉とが混合されてなり、かつ、各
    銅粉の隣り合う間隔が500ミクロン未満にある状態で
    分布されていることを特徴とする生物付着防止性樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】該各銅粉の隣り合う間隔が300ミクロン
    以下にある状態で分布されていることを特徴とする生物
    付着防止性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】該銅粉が、平均粒子径10〜50ミクロン
    の範囲にあるものである請求項1記載の生物付着防止性
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】該樹脂が、ポリアクリル、ポリウレタン、
    ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、
    ポリエステル、ポリオレフィン系、エチレン・酢ビ共重
    合体から選ばれた少なくとも1種類である請求項1記載
    の生物付着防止性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】該樹脂組成物が、銅粉:合成樹脂=20〜
    70:80〜30の配合比で含有するものである請求項
    1記載の生物付着防止性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の生物付着
    防止性樹脂組成物が、10ミクロン以上の膜厚で基材表
    面に塗布されていることを特徴とする生物付着防止性防
    汚基材。
  7. 【請求項7】該基材が、鋼材、樹脂成型物または繊維構
    造物である請求項6記載の生物付着防止性防汚基材。
  8. 【請求項8】該繊維構造物が、繊維状物、糸状物または
    布帛状物である請求項7記載の生物付着防止性防汚基
    材。
  9. 【請求項9】該布帛状物が、織物である請求項8記載の
    生物付着防止性防汚基材。
  10. 【請求項10】該樹脂組成物の膜厚が、該織物の凹部で
    の厚さ(b)と凸部での厚さ(a)の膜厚比で、b/a
    ≦2である請求項9記載の生物付着防止性防汚基材。
  11. 【請求項11】該基材が、予め平滑処理が施されている
    請求項6〜10のいずれかに記載の生物付着防止性防汚
    基材。
  12. 【請求項12】該生物付着防止性防汚基材が、汚濁防止
    膜用、オイルフェンス用、フロートカバー用、係留ロー
    プ用または海水取水口用である請求項6記載の生物付着
    防止性防汚基材。
JP7279388A 1995-10-26 1995-10-26 生物付着防止性樹脂組成物および生物付着防止性防汚基材 Pending JPH09118772A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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