JPH09117051A - コンデンサ調相設備用保護リレー - Google Patents

コンデンサ調相設備用保護リレー

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JPH09117051A
JPH09117051A JP26831195A JP26831195A JPH09117051A JP H09117051 A JPH09117051 A JP H09117051A JP 26831195 A JP26831195 A JP 26831195A JP 26831195 A JP26831195 A JP 26831195A JP H09117051 A JPH09117051 A JP H09117051A
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JP
Japan
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capacitor
phase
voltage
failure
capacitors
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JP26831195A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Kitano
信之 北野
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンデンサ調相設備の母線Lの各相に接続され
たコンデンサにおいて故障が発生した場合、現地にて容
易に故障コンデンサを特定すること。 【解決手段】母線の各相に接続された各コンデンサ
1 ,C2 ,C3 の端子電圧Va ,Vb ,Vc を総和
し、前記端子電圧を総和した値が予め設定された整定値
を超えた場合にコンデンサの素子故障と判定する。コン
デンサの素子故障と判定された際に、検出されたコンデ
ンサの端子電圧に基づいて、(1) |(|Va |−|Vb
|)|<δ,(2) |(|Vb |−|Vc |)|<δ,
(3) |(|Vc |−|Va |)|<δ(ただし、δは予
め設定された基準値とする。)を演算し、(1) 式が成立
する場合にはc相に接続されたコンデンサを、(2) 式が
成立する場合にはa相に接続されたコンデンサを、(3)
式が成立する場合にはb相に接続されたコンデンサをそ
れぞれ故障と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ調相設
備に備えられたコンデンサの素子故障を検出するコンデ
ンサ調相設備用保護リレーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】高圧回路に適用される電力用コンデンサ
設備の保護方式として、保護リレーを用いた方式が一般
的に使用されている。図3は、保護リレーが用いられた
電力用コンデンサ設備の保護方式の一例を示した接続図
である。同図によると、母線Lに遮断器CBが接続さ
れ、母線Lのa相,b相,c相の各相にコンデンサ
1 ,C2 ,C3 (コンデンサC1 ,C2 ,C3 は、実
際には多数のコンデンサが直並列回路を構成している。
以下、コンデンサC1 ,C2 ,C3 を総称するときは
「コンデンサC」という。)、リアクトルSR1 ,SR
2 ,SR3 が接続されている。
【0003】コンデンサCには、放電コイルDC1 ,D
2 ,DC3 (以下、総称するときは「放電コイルD
C」という。)がそれぞれ並列に接続され、各放電コイ
ルDCの2次巻線が直列に接続されて保護リレー11に
つながれ、Δ結線を形成している(この接続方式を「オ
ープンデルタ方式」という。)。この接続により、放電
コイルDCの2次巻線を利用して検出される各コンデン
サCの端子電圧の総和(ベクトル和)が保護リレー11
に供給される。
【0004】保護リレー11に供給される、各コンデン
サCの端子電圧の総和は、通常、系統電圧が平衡状態で
あるため、正常時では0Vである。しかし、いずれかの
コンデンサに、容量変化、短絡または開放等の異常が発
生すれば、そのコンデンサの端子電圧が変化する。した
がって、そのコンデンサが接続された相の相電圧が変化
し零相電圧が発生する。保護リレー11では、この端子
電圧の変化分を検出することによりコンデンサの故障を
検出している。
【0005】保護リレー11は、各放電コイルDCの2
次側から供給される各コンデンサCの端子電圧の総和を
所定レベルの電圧信号に変換する補助トランスPT、補
助トランスPTで変換された電圧信号を所定電気角(た
とえば30度)ごとにサンプリングするサンプルホール
ド回路12、アナログ信号をディジタル信号に変換する
A/D変換器13、各コンデンサCの端子電圧の総和
の、たとえば2乗平均値(実効値)が予め設定された整
定値を超えたか否かを判定するCPU14、各コンデン
サCの端子電圧を総和した実効値が予め設定された整定
値を超える場合、遮断器CBにトリップ出力する補助リ
レー15等を備えている。
【0006】上記の構成により、各コンデンサCの端子
電圧を総和し、その実効値が予め設定された整定値を超
えるか否かの判定処理を行うことによって、保護リレー
11によるコンデンサ素子の故障の検出を行うことがで
きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、各放電
コイルDCの2次側巻線は、オープンデルタ方式による
結線がなされ保護リレー11に接続されている。そのた
め、母線Lのa相,b相,c相に接続されたコンデンサ
Cのうち、いずれかのコンデンサで故障が発生した場
合、どの相に接続されたコンデンサにおいて故障が発生
したのかを、特定することができないことが多い。
【0008】もちろん、コンデンサの故障発生時には、
故障コンデンサを特定するために油漏れの有無、端子部
の加熱の有無等の目視による点検や、シェーリングブリ
ッジ回路を利用した測定器等を用いて静電容量の測定、
損失の測定等が行なわれる。しかし、目視による故障コ
ンデンサの特定はコンデンサ内部で発生した故障におい
ては難しく、また、現地で使用することのできる上記測
定器の定格試験電圧は現地に設置されたコンデンサの定
格電圧に不足している場合が多い。そこで、コンデンサ
の定格電圧に応じた比較的大きな測定器を用いることが
考えられるが、大きな測定器を用いると輸送に手間と費
用とがかかり、充分な測定ができないのが現状であっ
た。
【0009】そこで、コンデンサの外部からコンデンサ
故障の特定がどうしてもできないときは、各相に接続さ
れたコンデンサCをそれぞれ設備から取外して、工場に
持ち帰り、3 つあるコンデンサをひとつずつ開封してコ
ンデンサの内部に構成されたコンデンサ素子を調査し、
コンデンサ素子の修復または交換を行う。コンデンサを
工場に持ち帰るのは、一般に、電力用コンデンサはコン
デンサ素子を複数個接続して容器に収納し、予め脱気、
脱湿処理した絶縁油を含浸し密封した構造となっている
ために、その現地での補修が不可能であるからである。
【0010】しかしながら、工場における調査において
は、正常なコンデンサまで開封してしまう場合がある。
そのため、一旦、コンデンサを開封してしまってから、
そのコンデンサをそのまま継続して使用しようと思う
と、上述したような複雑な構造のためにコンデンサを最
初から製作するのと同程度の手間と費用とを費やすこと
になる。
【0011】よって、コンデンサを補修するには、工場
での故障コンデンサの特定、調査に多大な時間と費用と
がかかることに加え、コンデンサの設備からの取外し、
補修後の設備への取付け、あるいは輸送において時間と
費用とがさらにかかるので、現地にて故障コンデンサを
特定できる装置が望まれていた。現地にて故障コンデン
サの特定ができれば、故障したコンデンサだけ設備から
取外し、工場に持ち帰り調査すればよいからである。
【0012】そこで、本発明の目的は、上述の技術的課
題を解決し、母線Lのa相,b相,c相に接続されたい
ずれかのコンデンサにおいて故障が発生した場合、現地
にて容易に故障コンデンサを特定することができるコン
デンサ調相設備用保護リレーを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めの請求項1記載のコンデンサ調相設備用保護リレー
は、コンデンサ調相設備に設置されたコンデンサの素子
故障を検出するコンデンサ調相設備用保護リレーであっ
て、母線のa,b,c相に接続された各コンデンサの端
子電圧Va ,Vb ,Vc を検出する検出手段と、前記検
出手段によって検出された各コンデンサの端子電圧を総
和し、各コンデンサの端子電圧を総和した値が予め設定
された整定値を超えた場合にコンデンサの素子故障と判
定する判定手段と、前記判定手段によってコンデンサの
素子故障が判定された際に、前記検出手段によって検出
されたコンデンサの端子電圧に基づいて、 |(|Va |−|Vb |)|<δ (1) |(|Vb |−|Vc |)|<δ (2) |(|Vc |−|Va |)|<δ (3) (ただし、δは予め設定された基準値とする。)を演算
し、(1) 式が成立する場合にはc相に接続されたコンデ
ンサを故障と判定し、(2) 式が成立する場合にはa相に
接続されたコンデンサを故障と判定し、(3) 式が成立す
る場合にはb相に接続されたコンデンサを故障と判定す
る個別判定手段と、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0014】なお、前記各コンデンサの端子電圧を総和
した値は、実効値、peak-to-peak値等のいずれを採用し
てもよい。前記の構成によれば、母線の各相に接続され
た各コンデンサの端子電圧をベクトル的に総和し、各コ
ンデンサの端子電圧を総和した値が予め設定された整定
値を超えた場合にコンデンサの素子故障が発生したこと
を判定する。
【0015】さらに、コンデンサの素子故障が判定され
た際に、前記検出された各コンデンサの端子電圧に基づ
いて前記(1) ,(2) ,(3) 式を演算し、(1) 式が成立す
る場合はc相に接続されたコンデンサを故障と判定し、
(2) 式が成立する場合はa相に接続されたコンデンサを
故障と判定し、(3) 式が成立する場合はb相に接続され
たコンデンサを故障と判定する。
【0016】上記のように判定することのできる理由
は、3相のうち、いずれかのコンデンサが故障をおこし
ている場合、故障したコンデンサの端子電圧は、3相の
うち、他の2相に接続されている正常なコンデンサの端
子電圧と異なる。したがって、3相のうち、2相に接続
されているコンデンサの端子電圧がほぼ等しいときに
は、他の1相に接続されているコンデンサの端子電圧を
異常電圧とみなすことができ、その相に接続されている
コンデンサを故障と判定できるからである。
【0017】よって、コンデンサの端子電圧を総和した
値によってコンデンサの素子故障が発生したことを判定
することができ、さらに、前記(1) ,(2) ,(3) 式によ
る判定結果によって各相に接続されているコンデンサの
中から故障コンデンサを特定することができる。また、
請求項2に記載のコンデンサ調相設備用保護リレーは、
請求項1記載のコンデンサ調相設備用保護リレーにおい
て、前記判定手段は、前記検出手段によって検出された
各コンデンサの端子電圧に基づいて、 |Va +Vb +Vc |>ε (4) (ただし、εは予め設定された整定値とする。)を演算
し、(4) 式が成立する場合にコンデンサの素子故障と判
定することを特徴とするものである。
【0018】前記の構成によれば、母線の各相に接続さ
れた各コンデンサの端子電圧に基づいて、前記(4) 式を
演算し、前記(4) 式が成立する場合に、母線の各相に接
続された、いずれかのコンデンサ素子の故障が発生した
ことを判定することができる。また、請求項3に記載の
コンデンサ調相設備用保護リレーは、請求項1記載のコ
ンデンサ調相設備用保護リレーにおいて、前記検出手段
によって検出された各コンデンサの端子電圧を一定の分
圧比で分圧する分圧手段を有し、前記判定手段は、前記
分圧手段によって分圧された各コンデンサの端子電圧を
Δ結線により総和し、Δ結線された端子に現れた電圧値
が予め設定された整定値を超えた場合にコンデンサの素
子故障と判定することを特徴とするものである。
【0019】前記の構成によれば、各コンデンサの端子
電圧を分圧することによって、各コンデンサの端子電圧
をΔ結線により総和し、Δ結線された端子に現れた電圧
値をディジタル信号に変換した際の、フルスケール1ビ
ットあたりの電圧を小さくできるので、精密なA/D変
換が可能となり、各コンデンサの端子電圧をΔ結線によ
り総和し、Δ結線された端子に現れたときの電圧値と整
定値との、より詳細な比較ができ、コンデンサの素子故
障を判定するときの検出精度を上げることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を、
添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
第一実施形態にかかるコンデンサ調相設備用保護リレー
が適用されるシステムの一例を示す接続図である。同図
によると、母線Lに遮断器CBが接続され、母線Lのa
相,b相,c相の各相にコンデンサCと、リアクトルS
1 ,SR2 ,SR3 とが接続されている。各コンデン
サCに並列に接続された各放電コイルDCの2次巻線
は、それぞれ独立に保護リレー1に接続される。
【0021】保護リレー1は、各放電コイルDCの2次
側から供給される各コンデンサCの端子電圧Va
b ,Vc (ただし、Vは振幅と位相とを含む意味の記
号を示し、以下同様とする。)を所定レベルの電圧信号
に変換する補助トランスPT1 ,PT2 ,PT3 (以
下、総称するときは「補助トランスPT」という。)、
各補助トランスPTで変換された電圧信号を所定電気角
(たとえば30度)ごとにサンプリングするサンプルホ
ールド回路2a ,2b ,2c 、マルチプレクサ3、アナ
ログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器4、
各コンデンサCの端子電圧を総和した値が予め設定され
た整定値を超えるか否かの判定等を行うCPU5、各コ
ンデンサCの端子電圧等をデータとして記憶するメモリ
6、各コンデンサCの端子電圧を総和した値が予め設定
された整定値を超える場合、遮断器CBにトリップを出
力する補助リレー7、CPU5で演算判定された結果を
表示する表示部8等を備えている。
【0022】なお、前記CPU4は、特許請求の範囲の
請求項1から3までに記載の判定手段、個別判定手段と
してそれぞれ機能するものである。また、前記補助トラ
ンスPTは、同じく請求項1から3までに記載の検出手
段、同じく請求項3に記載の分圧手段として機能するも
のである。次に、上記の構成により、各コンデンサCの
端子電圧に基づいて、コンデンサ素子の故障を検出する
動作手順について説明する。
【0023】各コンデンサCの端子電圧Va ,Vb ,V
c は、各放電コイルDCの2次側から保護リレー1に入
力され、補助トランスPTで電圧変換された後、サンプ
ルホールド回路2a ,2b ,2c 、マルチプレクサ3を
介して、A/D変換器4によってアナログ信号からディ
ジタル信号に変換される。ディジタル信号に変換された
各コンデンサCの端子電圧は、CPU5に供給され、C
PU5に搭載されたソフトウェアによって次式の演算が
行われる。 |Va +Vb +Vc |>ε (4) ただし、εは予め設定された整定値とする。整定値εは
予めユーザによって設定されるものであるが、本実施形
態においてはコンデンサの1素子の故障が検出できる値
に設定されることが望ましい。
【0024】(4) 式により、各コンデンサCの端子電圧
の総和の大きさを求め、その値が予め設定された整定値
εを超えるか否かを判定し、各コンデンサCの端子電圧
の総和の大きさが整定値εを超えるとき、CPU5は補
助リレー7に対しトリップ出力を発生する。トリップ指
令を受けた補助リレー7は、遮断器CBに対して遮断信
号を送る。
【0025】以上のように、各放電コイルDCの2次巻
線を利用して検出される各コンデンサCの端子電圧は、
CPU5に搭載されたソフトウェアによって総和され、
その大きさが整定値を超えるか否かの判定処理が行なわ
れることにより、母線Lのa相、b相、c相に接続され
た、いずれかのコンデンサ素子の故障が検出される。さ
らに、CPU5はいずれかのコンデンサ素子の故障が検
出された後、上記処理に加えて、各コンデンサCの端子
電圧に基づいて、母線Lのa相、b相、c相に接続され
た、どのコンデンサが故障しているかを判別するための
処理を行う。
【0026】この判別処理は、母線Lのa相、b相、c
相のうちの2相に接続されたコンデンサの端子電圧がほ
ぼ同じ電圧である場合に、残りの相に接続されたコンデ
ンサを故障コンデンサとする処理である。つまり、3相
のうち、いずれかのコンデンサが故障をおこしている場
合、故障したコンデンサの端子電圧は、3相のうち、他
の2相に接続されている正常なコンデンサの端子電圧と
異なることになる。
【0027】したがって、3相のうち、2相に接続され
ているコンデンサの端子電圧がほぼ等しいときには、他
の1相に接続されているコンデンサの端子電圧を異常電
圧とみなすことができ、その相に接続されているコンデ
ンサを故障と判定できる。そのため、CPU5は3相の
うちの2相に接続されているコンデンサの端子電圧を比
較する処理を、下式(1) ,(2) ,(3) に基づいて行う。 |(|Va |−|Vb |)|<δ (1) |(|Vb |−|Vc |)|<δ (2) |(|Vc |−|Va |)|<δ (3) ただし、δは予め設定された基準値であり、この基準値
δにはひとつのコンデンサ素子の故障時に発生する、他
のふたつの正常であるコンデンサ素子の端子電圧間に発
生する差電圧を適用すればよい。具体的には、量子化の
誤差、放電コイルDCまたは補助トランスPTの電圧変
換における誤差、コンデンサCの容量のばらつき、各機
器間ケーブルのインピーダンス等を考慮して設定される
値である。たとえば基準値δは整定値εの数%になる。
【0028】CPU5は上記(1) ,(2) ,(3) 式に基づ
いて演算を行い、たとえば、(1) 式が成立する場合には
c相に接続されたコンデンサを故障と判定する。つま
り、コンデンサC1 の端子電圧Va の大きさとコンデン
サC2 の端子電圧Vb の大きさとの差の絶対値が基準値
δより小さい場合、端子電圧Va と端子電圧Vb とはほ
ぼ等しいと認識し、よって、3相のうちの残りのコンデ
ンサC3 の端子電圧Vcが異常電圧であると判定する。
すなわち、コンデンサC3 が故障していると判定する。
【0029】同様に、(2) 式が成立する場合にはa相に
接続されたコンデンサC1 を故障と判定し、(3) 式が成
立する場合にはb相に接続されたコンデンサC2 を故障
と判定する。故障したコンデンサの端子電圧を含む、各
相のコンデンサCの端子電圧Va ,Vb ,Vc と、上記
(1) ,(2) ,(3) 式による判定結果とは、コンデンサの
故障と判定したと同時にメモリ6に記憶される。また、
CPU5に接続された表示部8には、上式(1) ,(2) ,
(3) の演算結果によって判定された故障コンデンサが接
続されている相の種類、または各相のコンデンサCの端
子電圧Va ,Vb ,V c とが表示される。
【0030】このように、故障発生時に故障相等が表示
部8に表示されるので、ユーザはこの表示を見て、速や
かに修理に入ることができる。また、故障発生時の異常
データはメモリ6に記憶されているため、後でユーザに
よって当該データを参照することができる。以上のよう
に、本実施形態によれば、各コンデンサCの端子電圧を
それぞれ独立に保護リレー1で検出し、保護リレー1に
おいてはソフトウェアによって、各コンデンサCの端子
電圧を総和し、その大きさと整定値とを比較することに
より、コンデンサ素子の故障を検出することができる。
さらに、3相のうちの2相のコンデンサの端子電圧がほ
ぼ同じ場合に、他の相に接続されたコンデンサを故障コ
ンデンサとする判定処理を、上記判定式(1) ,(2) ,
(3) に基づいて行い、その判定結果によって母線Lのa
相、b相、c相に接続されたコンデンサCのうちの、故
障コンデンサを特定することができる。
【0031】したがって、従来のように故障コンデンサ
を特定するのに、工場における調査において故障してい
ないコンデンサまで開封してしまう場合があったが、保
護リレー1によって故障コンデンサを現地にて特定する
ことができるので、無駄な時間とコストとを大幅に省く
ことができる。本実施形態の説明は以上であるが、本発
明は上記の実施形態に限られるものではない。
【0032】図2は、本発明の第二実施形態にかかるコ
ンデンサ調相設備用保護リレーが適用されるシステムの
一例を示す接続図である。図2において、前記図1と同
じ機能部分については同一の参照符号を使用する。第二
実施形態では、図2に示すように、保護リレー21内の
接続が、補助トランスPT4 ,PT5 ,PT6 の2次側
巻線が所定の巻線比で分割され、各補助トランスP
4 ,PT5 ,PT6 の、分割された一方の2次側巻線
が直列に接続されて、Δ結線が形成されサンプルホール
ド回路2dに接続されている、という点に特徴がある。
上記の接続構成により、各補助トランスPT4 ,P
5 ,PT6の分割された一方の2次側巻線の電圧
42,E52,E62はΔ結線により総和され、サンプルホ
ールド回路2dに入力される。そして、Δ結線された端
子に現れた電圧値はCPU5においてコンデンサ故障を
判定する処理に用いられる。
【0033】また、各補助トランスPT4 ,PT5 ,P
6 の、分割された他方の2次側巻線は、それぞれサン
プルホールド回路2a,2b,2cに接続される。各補
助トランスPT4 ,PT5 ,PT6 の、分割された他方
の2次側巻線の電圧E41,E 51,E61は、それぞれコン
デンサCの端子電圧として、CPU5に入力され、上述
した故障コンデンサを特定するための処理に用いられ
る。
【0034】補助トランスPT4 ,PT5 ,PT6 の分
割された一方の2次側巻線の電圧E 42,E52,E62をΔ
結線により総和し、Δ結線された端子に現れた電圧値を
コンデンサ故障の判定処理に用いると、第一実施形態で
示した補助リレー1のコンデンサ故障の判定検出に比べ
てその検出精度を上げることができる。なぜなら、第一
実施形態の補助リレー1は補助トランスPTの2次側電
圧をそのままサンプルホールド回路2a ,2b ,2c
入力しているが、第二実施形態の補助リレー21では補
助トランスPT4 ,PT5 ,PT6 の2次側電圧を分圧
しているために、分圧された一方の2次側電圧E42,E
52,E62をΔ結線により総和し、Δ結線された端子に現
れた電圧値は、第一実施形態の保護リレー1に入力され
た各コンデンサの端子電圧Va ,Vb ,Vc の大きさに
比べ相対的に低くなる。そのため、A/D変換器4でア
ナログ信号がディジタル信号に変換される際の、ユーザ
によって設定されるフルスケールを小さくできるので、
CPU5に入力されるディジタル信号の1ビットあたり
の電圧を小さくすることができ、CPU5ではより細か
い精度で故障電圧を整定値と比較することができる。
【0035】以下に、第二実施形態の効果を具体的に数
値を上げて説明する。第一実施形態におけるA/D変換
器4のコンデンサ故障時の入力電圧を、約100Vとす
ると、A/D変換器4のディジタル信号に変換するとき
のフルスケールは入力電圧の約1.2倍、すなわち約1
20Vに設定される。約1.2倍する理由は、入力電圧
に系統電圧の変動や補助トランスPTの誤差が重畳され
るのを考慮しているためである。A/D変換器4は入力
されたアナログ信号をバイナリーコードの12ビットの
ディジタル信号に変換してCPU5に送る。よって、フ
ルスケールの1ビットあたりの電圧は(計算の便宜のた
めフルスケールを122.88Vとする)、 122.88V/212-1=0.006V となる。
【0036】また、第二実施形態におけるA/D変換器
4のコンデンサ故障時の入力電圧は、補助トランスPT
4 ,PT5 ,PT6 の2次側を分割した分割比によって
決められ約30Vとする。A/D変換器4のディジタル
信号に変換するときのフルスケールは入力電圧の約1.
2倍、すなわち約36Vに設定される。上記で示した計
算と同様に、フルスケールの1ビットあたりの電圧は
(計算の便宜のためフルスケールを36.864Vとす
る)、 36.864V/212-1=0.0018V となる。
【0037】上記のように、第二実施形態においてA/
D変換器4でディジタル信号に変換するときのフルスケ
ールの1ビットあたりの電圧が、第一実施形態において
A/D変換器4でディジタル信号に変換するときのフル
スケールの1ビットあたりの電圧に比べ、約1/3にな
る。したがって、第二実施形態では、より細かい精度で
故障電圧を整定値と比較することができるので、高感度
な保護リレー21とすることができる。
【0038】また、第二実施形態では、コンデンサ故障
を判定するときの検出精度を得るために、補助トランス
PT4 ,PT5 ,PT6 の2次側を分割して、入力され
るコンデンサCの端子電圧を減衰させていたが、補助ト
ランスPT4 ,PT5 ,PT 6 の2次側に、たとえばO
Pアンプで構成された信号減衰部を設け、この信号減衰
部によってコンデンサCの端子電圧を減衰させて、コン
デンサ故障を判定するときの検出精度を得てもよい。
【0039】その他、本発明の要旨を変更しない範囲
で、種々の変更を施すことが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1または請求項2
に記載のコンデンサ調相設備用保護リレーによれば、母
線の各相に接続されたコンデンサの端子電圧を検出して
総和した値と整定値とを比較することにより、コンデン
サ素子の故障を検出することができる。さらに、3相の
うちの2相のコンデンサの端子電圧がほぼ同じ場合に、
他の相に接続されたコンデンサを故障コンデンサとする
判定処理を、所定の計算式に基づいて行い、その結果に
より、母線の各相に接続されたいずれかのコンデンサの
故障を特定することができるので、現地にて容易に故障
コンデンサを特定することができる。
【0041】そのため、実用性の高いコンデンサ調相設
備用保護リレーを提供することができる。また、請求項
3に記載のコンデンサ調相設備用保護リレーによれば、
各コンデンサの端子電圧を分圧することによって、各コ
ンデンサの端子電圧をディジタル信号に変換した際のフ
ルスケール1ビットあたりの電圧を小さくできるので、
各コンデンサの端子電圧をΔ結線により総和し、Δ結線
された端子に現れた電圧値と整定値との、より詳細な比
較ができ、コンデンサの素子故障を判定するときの検出
精度を上げることができる。
【0042】そのため、より高感度なコンデンサ調相設
備用保護リレーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態にかかるコンデンサ調相
設備用保護リレーを適用したシステムの一例を示す接続
図である。
【図2】本発明の第二実施形態にかかるコンデンサ調相
設備用保護リレーを適用したシステムの一例を示す接続
図である。
【図3】従来の、保護リレーが用いられた電力用コンデ
ンサ調相設備の保護方式の一例を示した接続図である。
【符号の説明】
1 保護リレー 2 サンプルホールド回路 3 マルチプレクサ 4 A/D変換器 5 CPU 6 メモリ C1 ,C2 ,C3 電力用コンデンサ DC1 ,DC2 ,DC3 放電コイル PT1 ,PT2 ,PT3 補助トランス

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンデンサ調相設備に設置されたコンデン
    サの素子故障を検出するコンデンサ調相設備用保護リレ
    ーであって、 母線のa,b,c相に接続された各コンデンサの端子電
    圧Va ,Vb ,Vc を検出する検出手段と、 前記検出手段によって検出された各コンデンサの端子電
    圧を総和し、各コンデンサの端子電圧を総和した値が予
    め設定された整定値を超えた場合にコンデンサの素子故
    障と判定する判定手段と、 前記判定手段によってコンデンサの素子故障が判定され
    た際に、前記検出手段によって検出されたコンデンサの
    端子電圧に基づいて、 |(|Va |−|Vb |)|<δ (1) |(|Vb |−|Vc |)|<δ (2) |(|Vc |−|Va |)|<δ (3) (ただし、δは予め設定された基準値とする。)を演算
    し、(1) 式が成立する場合にはc相に接続されたコンデ
    ンサを故障と判定し、(2) 式が成立する場合にはa相に
    接続されたコンデンサを故障と判定し、(3) 式が成立す
    る場合にはb相に接続されたコンデンサを故障と判定す
    る個別判定手段と、を備えることを特徴とするコンデン
    サ調相設備用保護リレー。
  2. 【請求項2】前記判定手段は、前記検出手段によって検
    出された各コンデンサの端子電圧に基づいて、 |Va +Vb +Vc |>ε (4) (ただし、εは予め設定された整定値とする。)を演算
    し、(4) 式が成立する場合にコンデンサの素子故障と判
    定することを特徴とする請求項1記載のコンデンサ調相
    設備用保護リレー。
  3. 【請求項3】前記検出手段によって検出された各コンデ
    ンサの端子電圧を、一定の分圧比で分圧する分圧手段を
    有し、 前記判定手段は、前記分圧手段によって分圧された各コ
    ンデンサの端子電圧をΔ結線により総和し、Δ結線され
    た端子に現れた電圧値が予め設定された整定値を超えた
    場合にコンデンサの素子故障と判定することを特徴とす
    る請求項1記載のコンデンサ調相設備用保護リレー。
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