JP2005201854A - 電力測定方法及び電力測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 計器用変圧器および計器用変流器が高圧受電点に設置されていない高圧受電設備において、高圧受電点での電力を正確に測定する。
【解決手段】 計器用変圧器および計器用変流器が設置されていない高圧受電点1にY−Δ結線の三相変圧器3を接続した高圧受電設備において、高圧側での負荷電流Aを検出する計測用変流器8を取り付け、前記三相変圧器3の低圧側で三相電圧Vの位相変位を補正変圧器11により補正し、その補正された三相電圧に三相変圧器3の変圧比を電力測定器15で乗算して高圧側での三相電圧に換算する。
【選択図】 図1

Description

本発明は電力測定方法及び電力測定装置に関し、詳しくは、高圧受電設備に計器用変圧器および計器用変流器が設置されていない電力系統において、高圧電力を測定する電力測定方法及び電力測定装置に関する。
従来の高圧受電設備の電力測定は、図5に示すように高圧受電点1(図中太線で示す高圧受電設備)で、その高圧受電点1に設置された計器用変圧器VTおよび計器用変流器CTを用いることにより行なわれる。つまり、高圧受電設備に接続された計器用変圧器VTおよび計器用変流器CTにより検出された三相電圧Vおよび負荷電流Aに基づいて高圧受電点1での高圧電力を電力計2により測定するようにしている。
しかし、高圧受電設備では、簡易型キュービクル式のものが多く、そのほとんどの簡易型キュービクル式高圧受電設備は、高圧側に計器用変圧器VTおよび計器用変流器CTを設置していないというのが現状である。
従って、簡易型キュービクル式高圧受電設備では、高圧側に計器用変圧器VTおよび計器用変流器CTが設置されていないことから、高圧受電点1での電力測定ができないため、低圧側にて電力測定を行なっている。
つまり、図6に示すように三相変圧器3や単相変圧器4などの複数の電力変圧器が高圧受電点1に接続された高圧受電設備において、三相変圧器3や単相変圧器4などの各電力変圧器の低圧側(二次側)に電力計5,6をそれぞれ設置し、検出された三相電圧Vおよび負荷電流Aに基づいて低圧側での電力を電力計5,6により測定するようにしている。このようにして各電力変圧器の低圧側で測定した電力を合算することにより、その合計電力を高圧受電点1での電力としている。なお、負荷電流Aの検出については、計測用変流器8などの電流検出器が用いられる。
ところで、前述したように高圧受電点1での電力は、この電力と時間の積により電力量となり電力料金を算定する使用電力量となるものであることから、電力需要者では、高圧受電点1での電力を正確に測定することにより使用電力量が計測できるので、電力料金の削減を目標に電力測定を行う。
しかしながら、簡易型キュービクル式高圧受電設備では、従来、三相変圧器3や単相変圧器4などの各電力変圧器の低圧側(二次側)で電力測定していた。その場合、電力変圧器の損失があるため、この電力変圧器の損失を含めた高圧受電点1での正確な電力を測定することができなかった。ここで、変圧器の損失とは、変圧器の無負荷損と負荷損である。
また、高圧受電設備の高圧側に進相コンデンサ7を挿入接続することにより、力率を改善することが一般に行われているが、前述のように各電力変圧器の低圧側(二次側)で電力測定していたのでは、高圧受電点1での力率を測定することができなかった。電力需要者では、高圧受電点1での力率を正確に測定することができないので電力料金の力率割引を算定できなかった。また、高圧受電点1の力率改善のために設置する進相コンデンサ7の容量を推定することが困難であった。
さらに、従来の場合、受電している電力を測定するとき、三相変圧器3や単相変圧器4などの複数の電力変圧器のすべてについて、すべての電力変圧器の低圧側に電力計5,6を設置しなければならず、また、複数箇所で同時に電力測定を実行しなければならず、測定作業性の低下を招来するという問題もあった。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、計器用変圧器および計器用変流器が高圧受電点に設置されていない高圧受電設備において、高圧受電点での電力を正確に測定し得る電力測定方法及び電力測定装置を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、高圧側三相電圧と低圧側三相電圧に位相変位がある高圧受電設備において、高圧側負荷電流を検出する電流検出手段と、前記高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧の位相変位を補正する位相変位補正手段と、前記電力変圧器の低圧側三相電圧の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算する変圧比演算手段とを具備し、高圧受電設備において電力測定を行うに際して、高圧側負荷電流を検出すると共に、高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧を検出し、その検出した低圧側三相電圧について位相変位を補正し、その位相変位補正した三相電圧に変圧比を乗算して高圧側三相電圧に換算し、その高圧側三相電圧に換算された三相電圧と前記負荷電流に基づいて、高圧側電力を算出することを特徴とする。
ここで、「三相変圧器」(JISC4304)とは、高圧受電点での定格一次電圧6600Vを定格二次電圧210Vに変換する電力変圧器のうち、50kVA超過の三相変圧器は、高圧側巻線と低圧側巻線がY−Δ結線になっており、低圧側電圧を基準に高圧側電圧の位相差は30°進む。三相変圧器の位相変位補正手段は、三相変圧器の低圧側に接続されたΔ−Y結線の補正変圧器により低圧側電圧の位相変位を30°補正することが可能である。
なお、「三相変圧器」(JISC4304)のうち、50kVA以下の三相変圧器は、高圧側巻線と低圧側巻線がY−Y結線になっており、高圧側電圧と低圧側電圧の位相変位はないので、位相変位補正の必要はない。他の三相変圧器としては、単相変圧器を二台組み合わせたV−V結線の変圧器や、単相変圧器を三台組み合わせたΔ−Δ結線の変圧器では、高圧側電圧と低圧側電圧の位相変位はないので、位相変位補正の必要がない。
本発明では、負荷電流を高圧側で検出する一方、三相電圧を三相変圧器の低圧側で検出し、その三相変圧器の高圧側電圧と低圧側電圧に位相変位がある場合は、低圧側三相電圧の位相変位を補正し、その位相変位補正した三相電圧に三相変圧器の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算することにより、高圧受電点で計器用変圧器および計器用変流器により検出する三相電圧および負荷電流と同等のものが得られ、その結果、高圧受電点に計器用変圧器および計器用変流器が設置されていない場合であっても、高圧受電点での電力を測定することが可能となる。
本発明の電力測定では、負荷電流を高圧受電点で検出していることから、三相電圧の検出を三相変圧器の低圧側電圧についてのみ行なうだけで三相電圧の位相変位補正と変圧比換算により高圧受電点での三相電圧が得られる。この負荷電流と三相電圧を測定することにより高圧受電点の電力計測ができる。従って、高圧受電設備の高圧電路に接続された他の電力変圧器について、その電力変圧器の低圧側で電力測定を行なう必要がない。
また、前述の構成において、三相電圧を測定する三相変圧器が稼動している時は、何らかの低圧負荷が接続されており、この低圧負荷による負荷電流が三相変圧器に流れている。この三相変圧器に負荷電流が流れている場合に、この三相変圧器の内部インピーダンスと負荷電流に基づく三相変圧器の負荷損が生じている。三相変圧器では、変圧比による低圧側定格三相電圧以外に、この三相変圧器に流れている負荷電流による負荷損による電圧変動率が生じている。
そこで、本発明は、高圧受電点での電力を測定すべき高圧受電設備において、高圧側負荷電流を検出する電流検出手段と、前記高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧の負荷損による電圧変動率を補正する損失補正手段と、前記電力変圧器の低圧側三相電圧の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算する変圧比演算手段とを具備し、高圧受電設備において電力測定を行うに際して、高圧側負荷電流を検出すると共に、高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧を検出し、その検出した低圧側三相電圧について前記電力変圧器の負荷損による電圧変動率を補正し、その電圧変動率補正した三相電圧に変圧比を乗算して高圧側三相電圧に換算し、その高圧側三相電圧に換算された三相電圧と前記負荷電流に基づいて、高圧側電力を算出することを特徴とする。
この三相変圧器の負荷損による電圧変動率を補正する損失補正手段を設けることにより、三相変圧器の内部インピーダンスと負荷電流に基づいて、三相変圧器の負荷損による電圧変動率を補正することができ、高圧電力を正確に測定することが可能となる。
さらに、前述の構成において、三相変圧器の定格電圧は、高圧側6600V、定圧側210Vで、変圧比が整数比になっていない。三相変圧器の高圧側と低圧側の変圧比を整数比に補正する変圧比補正手段を設けることが望ましい。このようにすれば、三相変圧器の高圧側と低圧側の変圧比を整数比に補正することができれば、計測した三相変圧器の低圧側三相電圧を整数倍に算定することにより、三相変圧器の変圧比換算で小数点以下の端数計算が不要になり、高圧電力をより一層正確に測定することが可能となる。
本発明によれば、負荷電流を高圧側の受電点で検出すると共に、三相電圧を三相変圧器の低圧側で検出し、その検出電圧の位相変位を補正して検出電圧に三相変圧器の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算することにより、高圧受電点に計器用変圧器VTおよび計器用変流器CTが設置されていない場合であっても、高圧受電点での電力が得られる。この電力と時間の積により電力量が得られることから、電力料金の削減を目的とした電力需要家のニーズに対応することが容易となる。
本発明の電力測定では、三相電圧の検出を三相変圧器についてのみ行なえばよく、高圧受電設備の高圧電路に接続された他の電力用変圧器について電力測定を行なう必要がないので、測定作業性が大幅に改善される。また、三相変圧器の位相変位補正や変圧比の換算、負荷損による電圧変動率補正により、その高圧電力をより一層正確に測定することができる。
図1および図2は、本発明の実施形態の一つで、電力測定装置の概略構成を示す。図1は、電力測定装置を電力系統に設置する場合の接続状態を示す回路図であり、図2は、電力測定装置の高圧側への具体的な接続状態を示す説明図である。なお、図4および図5と同一部分には同一参照符号を付す。また、図1は、図4および図5と同様、単線結線図として示す。さらに、図1において丸で囲まれた符号A,Vは、検出された負荷電流および三相電圧を示すもので、電流計および電圧計を示すものではない(図4および図5についても同様)。
この実施形態の電力測定装置は、図1および図2に示すように計器用変圧器VTおよび計器用変流器CT(図4参照)が設置されていない高圧受電点1にY−Δ結線の電力変圧器3(以下、三相変圧器と称す)を接続した高圧受電設備に適用するものである。つまり、この高圧受電設備では、簡易型キュービクル式のものが多く、そのほとんどの簡易型キュービクル式高圧受電設備では、三相変圧器3の高圧側に計器用変圧器VTおよび計器用変流器CTを設置していないことから、高圧受電点1での電力を直接的に測定することができないが、この実施形態の電力測定装置を使用することにより、高圧受電点1での電力を間接的に測定することができるようになる。
なお、簡易型キュービクル式高圧受電設備における高圧受電点1には、前述したY−Δ結線の三相変圧器3以外に、V−V結線の変圧器(二台の単相変圧器)やΔ−Δ結線の変圧器(三台の単相変圧器)があり、また、二次側に動力負荷が接続された三相変圧器3のほかに、二次側に電灯負荷が接続された単相変圧器4(単相三線式変圧器)もある。
この簡易型キュービクル式高圧受電設備における高圧受電点1では、図2に示すように三相配電線U,V,Wから高圧ケーブル端末12を介してそれぞれ引き込まれた三本の高圧ケーブル13U,13V,13Wのうち、二本の高圧ケーブル13U,13Wに電流検出手段である計測用変流器8U,8Wを取り付ける(図1では、これら二つの計測用変流器8U,8Wをまとめて一つの計測用変流器8として表記する)。この計測用変流器8U,8Wにより高圧側の受電点での負荷電流Aを検出する。その計測用変流器8U,8Wとしては、クランプ型のものが好適であるが、それ以外のタイプの計測用変流器を使用することも可能である。
なお、計測用変流器8U,8Wとしては、低圧用あるいは高圧用のいずれのものでも使用可能であり、低圧用の変流器で高圧ケーブル13U,13Wの負荷電流Aを検出する場合には、その高圧ケーブル13U,13Wの、例えば接地電位に接続された低電界部位に低圧用変流器を取り付けるようにすればよい。また、高圧用の変流器で高圧ケーブル13U,13Wの負荷電流Aを検出する場合には、その高圧ケーブル13U,13Wの外装部位に高圧用変流器を取り付けるようにすればよい。
一方、前述の三相変圧器3の低圧側(二次側)に位相変位補正手段であるΔ−Y結線の補正変圧器11を設置する。この補正変圧器11により、三相変圧器3の低圧側での三相電圧Vに生じている位相変位(位相ずれ)を補正する。なお、この実施形態では、三相変圧器3の低圧側と補正変圧器11の一次側との間に保護用の開閉器14を介設しているが、この開閉器14は必ずしも必要なものではない。
ここで、三相変圧器3は、定格容量50kVA超過で、図3(a)に示すように一次側巻線[Y]で二次側巻線[Δ]の変圧器であることから、30°の位相差を生じ、具体的に一次側巻線[Y]を基準とすると、二次側巻線[Δ]は30°の遅れ位相となる。この三相変圧器3に対して、図3(b)に示すように前述したΔ−Y結線の補正変圧器11を設置したことにより、三相変圧器3での遅れ位相を元に戻し、三相変圧器3の一次側巻線での位相、つまり、高圧受電点1での電圧位相に合致させる。
前述した補正変圧器11の二次側に電力測定器15を設置すると共に、その電力測定器15に高圧受電点1での計測用変流器8U,8Wの出力を接続する。この電力測定器15は、補正変圧器11により位相変位が補正された三相電圧に三相変圧器3の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算する変圧比演算手段としての機能を有し、その高圧側での三相電圧と、計測用変流器8U,8Wにより検出された高圧側での負荷電流Aとに基づいて高圧受電点1での電力を算出する。
ここで、補正変圧器11では、三相変圧器3の高圧側と低圧側の変圧比を整数補正する変圧比補正手段としての機能を具備する。つまり、通常の三相変圧器の場合、定格電圧は、高圧側が6600Vで低圧側が210Vとなっているので、その変圧比が220/7(31.429)となって整数にならない。
そこで、補正変圧器11では、一次側を210V、二次側を220V(または110V)とすることにより、三相変圧器3の高圧側と補正変圧器11の二次側の変圧比が30(または、60)となって整数になるように変圧比を設定している。このように三相変圧器3の高圧側と補正変圧器11の二次側の変圧比が整数となるように設定していることから、補正変圧器11により位相変位が補正された三相電圧Vに三相変圧器3の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算するに際して、三相変圧器の変圧比換算で小数点以下の端数計算が不要になり、変圧比の整数補正でもって換算した高圧側での三相電圧と負荷電流Aに基づいて得られた高圧受電点1での電力がより一層正確な値となる。
補正変圧器11では、一次側を210V、二次側を220V(または、110V)とする変圧比に設定することから、二次側に220V(または、110V)のタップを有することになるが、三相変圧器3における変圧比が高圧側6300V、低圧側210Vとなっており、変圧比が30(または、60)の場合も存在するため、補正変圧器11の二次側には210V(または105V)のタップも設けている。
一方、電力測定器15は、三相変圧器3の内部インピーダンスと負荷電流Aに基づいて三相変圧器3の負荷損による電圧変動率を補正する損失補正手段としての機能を具備する。つまり、三相変圧器3には、三相変圧器3に負荷電流Aが流れると、内部インピーダンスと負荷電流Aによる負荷損が生じて、この三相変圧器3の負荷損による電圧変動率が生じる。そこで、前述した補正変圧器11により位相変位が補正された三相電圧Vに三相変圧器3の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算するに際して、この負荷損による電圧変動率を三相変圧器3の銘板に表示されたインピーダンス電圧と負荷電流Aにより変圧器に生じている負荷損による電圧変動率を補正することにより、高圧側での三相電圧と負荷電流Aに基づいて得られた高圧受電点1での電力がより一層正確な値となる。
以下、前述の負荷損による電圧変動率について補足説明する。なお、図4は負荷損による電圧変動率を説明するためのもので、図中に示す符号のものはベクトル量を示す。
まず、インピーダンス電圧は以下の要領で得られる。図4中、三相変圧器の一次側電圧をV1、その二次側電圧をV2、三相変圧器の内部インピーダンスおよび負荷電流に基づく電圧変動率(電圧降下)をVtとすると、V1=V2+Vtとなる。
ここで、三相変圧器の定格電流をI2、変圧比aとすると、三相変圧器で発生する電圧降下には、抵抗電圧降下rI2とリアクタンス電圧降下xI2が存在する。ただし、r=r1/a2+r2、x=x1/a2+x2である。なお、r1は一次側巻線の抵抗、r2は二次側巻線の抵抗、x1は一次側巻線のリアクタンス、x2は二次側巻線のリアクタンスである。
通常は、これらを定格二次電圧に対するパーセント率で表す場合が多いことから、パーセント抵抗電圧は、qr=rI2/V2×100、パーセントリアクタンス電圧は、qx=xI2/V2×100、パーセントインピーダンス電圧は、qz=zI2/V2×100となる。ただし、z=√(r2+x2)である。このパーセントインピーダンス(インピーダンス電圧)は三相変圧器の銘板に表示されており、三相変圧器のインピーダンス電圧試験結果より実測された値である。
次に、三相変圧器の部分負荷(定格負荷との比をnとする)のとき、電圧変動率εを計算すると、電圧変動率ε=n×(V1−V2)/V2×100≒n×(qrcosφ+qxsinφ)となる。ただし、cosφは負荷力率であり、sinφは√(1−cos2φ)となる。このように電圧変動率εは、負荷の条件(電流、力率)により変動する。
前述のように三相変圧器の電圧変動率εが負荷電流I2だけでなく負荷力率cosφにより大きく変動する。この電圧変動率εの最大値は、三相変圧器のインピーダンス電圧に等しく、遅れ力率の0.8から0.5程度で発生する。この三相変圧器の電圧変動率εは、高圧受電点の電力測定を行なった場合に、そのまま測定誤差(3から5%程度)になって、測定した電力値が小さくなる。この電圧変動分は、電力測定値に対して大きな誤差要因になるので、前出したような損失補正手段が必要となってくる。
そこで、この損失補正手段では、三相変圧器の二次側で負荷電力P(kW)と皮相電力Q(kVA)を測定する。三相変圧器の負荷率n(%)が、n=Q/Ptで算定できる。ただし,Pt=変圧器の定格容量(kVA)である。また、三相変圧器の負荷力率cosφが、cosφ=負荷電力P/皮相電力Qで算定できる。
一方、三相変圧器のインピーダンスZは、Z=qz(V2/I2)=%V/I2である。ただし、パーセントインピーダンスqz、%Vは、三相変圧器の銘板に表示されている値である。また、三相変圧器の一次側巻線および二次側巻線の抵抗r1、r2は実測による。従って、三相変圧器のリアクタンスxは、x=√(z2−r2)となり、この結果から、三相変圧器の電圧変動率εは、前述したようにε=n×(qrcosφ+qxsinφ)であることから、この電圧変動率は、三相変圧器の内部インピーダンスと負荷電流による電圧変動Vtに相当する。従って、三相変圧器の電圧変動Vtは、Vt=ε×V2となる。三相変圧器の補正電圧VSHは、VSH=VS+Vtとなる。ただし、VSは三相変圧器の二次側の測定電圧である。この補正した三相変圧器の二次側電圧VSに変圧比aを乗算すれば、三相変圧器の高圧側電圧V1=aVSHとなる。
なお、前述した位相変位補正機能、変圧比補正機能および負荷損による電圧補正機能は、ソフトウェアで構成することも可能である。つまり、この実施形態では、位相変位補正機能および変圧比補正機能を補正変圧器11で達成しているが、この補正変圧器11に代えて、電力測定器15で演算処理により位相変位補正機能および変圧比補正機能を達成することも可能である。
前述の構成からなる電力測定装置を利用した電力測定は、以下の要領でもって行なわれる。
まず、簡易型キュービクル式高圧受電設備における高圧受電点1に計測用変流器8U,8Wを接続する。つまり、高圧受電点1における二本の高圧ケーブル13U,13Wに計測用変流器8U,8Wを取り付け、その計測用変流器8U,8Wの出力を電力測定器15に接続する(図2参照)。この計測用変流器8U,8Wは、前述したように低圧用あるいは高圧用のいずれも使用可能である。一方、三相変圧器3の低圧側に開閉器14を介して補正変圧器11の一次側を接続すると共に、その補正変圧器11の二次側を電力測定器15に接続する(図1および図2参照)。
前述の計測用変流器8U,8Wにより高圧受電点1での負荷電流Aを検出し、三相変圧器3の低圧側でその三相変圧器3にて生じた三相電圧Vの位相変位(位相ずれ)を補正変圧器11により補正する。つまり、三相変圧器3がY−Δ結線であるのに対して補正変圧器11がΔ−Y結線であることから、補正変圧器11による位相変位の補正が可能となっている。
また、この補正変圧器11では、一次側を210V、二次側を220V(または110V)とする変圧比に設定することによりその変圧比を補正する。このように補正変圧器11の二次側に220V(または110V)のタップを有することから、三相変圧器3の高圧側と補正変圧器11の二次側の変圧比が30(または60)となって整数になるため、この変圧比の補正でもって、補正変圧器11の二次側から出力される低圧側での三相電圧Vがより一層正確な値となる。
次に、電力測定器15では、前述の補正変圧器11の二次側から出力される低圧側での三相電圧Vと、計測用変流器8U,8Wから出力される高圧受電点1での負荷電流Aとが入力される。この電力測定器15では、前述の低圧側での三相電圧Vに変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算する。この変圧比は、前述したように三相変圧器3の変圧比が整数でないことから、補正変圧器11により整数に補正したもので、その変圧比による換算の結果、正確な値で高圧側での三相電圧が得られる。この換算により得られた三相電圧と、計測用変流器8U,8Wにより検出された高圧側での負荷電流Aとに基づいて高圧受電点1での電力を正確に算出することができる。
電力測定装置を電力系統に設置する場合の接続状態を示す回路図である。 電力測定装置の高圧側への具体的な接続状態を示す説明図である。 (a)は動力変圧器における高圧側および低圧側の各相電圧を示すベクトル図、(b)は補正変圧器における高圧側および低圧側の各相電圧を示すベクトル図である。 負荷損による電圧変動率を説明するための回路図である。 高圧受電点に計器用変圧器および計器用変流器がある場合の電力測定を説明するための回路図である。 高圧受電点に計器用変圧器および計器用変流器がない場合の電力測定を説明するための回路図である。
符号の説明
1 高圧受電点
3 三相変圧器
8 電流検出手段(計測用変流器)
11 位相変位補正手段、変圧比補正手段(補正変圧器)
15 変圧比演算手段、損失補正手段(電力測定器)
V 負荷電圧
A 負荷電流
VT 計器用変圧器
CT 計器用変流器

Claims (4)

  1. 高圧側三相電圧と低圧側三相電圧に位相変位がある高圧受電設備において電力測定を行うに際して、高圧側負荷電流を検出すると共に、高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧を検出し、その検出した低圧側三相電圧について位相変位を補正し、その位相変位補正した三相電圧に変圧比を乗算して高圧側三相電圧に換算し、その高圧側三相電圧に換算された三相電圧と前記負荷電流に基づいて、高圧側電力を算出することを特徴とする電力測定方法。
  2. 高圧受電設備において電力測定を行うに際して、高圧側負荷電流を検出すると共に、高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧を検出し、その検出した低圧側三相電圧について前記電力変圧器の負荷損による電圧変動率を補正し、その電圧変動率補正した三相電圧に変圧比を乗算して高圧側三相電圧に換算し、その高圧側三相電圧に換算された三相電圧と前記負荷電流に基づいて、高圧側電力を算出することを特徴とする電力測定方法。
  3. 高圧側三相電圧と低圧側三相電圧に位相変位がある高圧受電設備において、高圧側負荷電流を検出する電流検出手段と、前記高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧の位相変位を補正する位相変位補正手段と、前記電力変圧器の低圧側三相電圧の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算する変圧比演算手段とを具備したことを特徴とする電力測定装置。
  4. 高圧受電点での電力を測定すべき高圧受電設備において、高圧側負荷電流を検出する電流検出手段と、前記高圧受電設備に接続された電力変圧器の低圧側三相電圧の負荷損による電圧変動率を補正する損失補正手段と、前記電力変圧器の低圧側三相電圧の変圧比を乗算して高圧側での三相電圧に換算する変圧比演算手段とを具備したことを特徴とする電力測定装置。
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