JPH0911457A - インクジェット記録ヘッドの駆動装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの駆動装置

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JPH0911457A
JPH0911457A JP16655995A JP16655995A JPH0911457A JP H0911457 A JPH0911457 A JP H0911457A JP 16655995 A JP16655995 A JP 16655995A JP 16655995 A JP16655995 A JP 16655995A JP H0911457 A JPH0911457 A JP H0911457A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インク吐出量に対応した複数の駆動電波形を用
意して、これらをプリントデ−タにより選択的にヘッド
を構成するアクチュエ−タに与えて、記録ヘッドと駆動
回路を高価にすることなく且つ記録ドット配置間隔も変
更することなく、記録ドットの大きさを変えてな階調表
現を可能とする。 【構成】インク吐出量に対応した複数の駆動電圧波形を
発生する共通波形発生手段の1つの電圧波形を、システ
ム制御手段が出力する階調データ信号により選択して、
圧電体に印加する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録紙上に形成するド
ットの大きさを可変にして文字・画像の階調表現を高め
るインクジェット記録ヘッドの駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】まず、本願に係るインクジェット記録ヘ
ッドの構成例を図1で説明する。
【0003】図1において、符号1はコの字型の室枠
で、開口面を振動板3で封じることで、内部にインク室
2を形成している。そして、この振動板3には、他端が
固定部材5で固定された圧電体6が固着されており、電
極対7を介して圧電体6に電圧を印加することで圧電体
6を伸縮させて振動板3をたわませ、インク室2を収縮
或いは拡大するよう構成されている。
【0004】圧電体6に電圧を緩やかに印加すると、圧
電体6は図中の右方向に縮みインク室2を膨張させ、図
示せぬリザーバーよりインク供給口4を通してインク室
2にインクを吸引する。その後、急激に印加電圧を除去
すると圧電体6は急激に元に復帰してインク室2を急激
に圧縮し、インク室2内のインクが押圧されて室枠1に
設けたノズル孔8よりインク滴9を吐出させる。
【0005】インクジェット記録ヘッドは、この様な動
作原理で作動し、図1に示したようなアクチュエ−タが
複数個一体形成されている。
【0006】この様に構成されたインクジェット記録ヘ
ッドの従来の駆動方法は、図2に示す方法により行われ
ていた。即ち、図2(a)に示すように、圧電体6に常
時電圧Vmを印加した状態から、印刷信号に同期して、
t1時間をかけて電圧Vpまで印加電圧を上昇させ、イ
ンク室2を膨張してインクを吸引し、所定時間(t2時
間)をおいてから、t3時間で急激に電圧を除去してイ
ンク室2を圧縮し、インク滴を吐出させる。そして、所
定時間(t4時間)後に、t5時間で印加電圧を定常印
加電圧Vmまで上昇させ、基の待機状態に戻し、所定時
間(t6時間)後に、次の印刷信号により印加電圧をV
pまで上昇させるという駆動方法を採っていた。
【0007】尚、図2(b)は、その際の振動板3又は
インク室2の膨張・圧縮の様子を示すもので、0(%)
または100(%)で示す線は、印加電圧が0ボルトま
たはVpの時の静的変位量を示す線であり、図中の下方
向が膨張方向である。実際の動的変位は、上記線を越え
てオーバーシュートし、残留振動が長時間続くことがあ
るが、前述の圧電体の印加電圧傾斜、t4時間の間隔等
のパラメータを最適値に調整することで残留振動を速や
かに静定させている。
【0008】この様な駆動方法によれば、残留振動等に
伴う微小インク滴の発生が防げ印字品質の良好な印刷が
可能である。
【0009】ところで、昨今、この様なインクジェット
記録ヘッドを用いて、記録ドット密度が300〜400
/インチ程度で、階調表現に優れた印刷出力が望まれて
きており、特にカラ−画像出力において要望が著しい。
【0010】ところが、従来のテキスト印字を主体とし
たインクジェット記録ヘッドでは、図3(a)に示すよ
うに記録ドット径の大きさは、塗り潰し可能にして文字
をきれいに表現するために、ドット配置間隔より大きく
設定している。
【0011】このドット配置間隔とドット径で階調画像
を印刷すると、図3(b)に示すようにドットが連なり
特殊なパ−タンが発生して、ザラツキ感・目障り又は汚
い画像となってしまう。また、ドットとドットが部分的
に重なってしまうことから、階調のダイナミクレンジが
小さくなってしまい原画のような階調豊かな印刷出力が
得られない。
【0012】そこで、階調を重視する印刷においては、
図3(c)に示すように記録ドット径を可変にすること
が考えられている。この様なドット径を用いて記録を行
えば、図3(d)に示すように同じドット配置でも階調
性に優れた美しい印刷結果が得られることになる。
【0013】従来のドット径を変調する技術として、特
開昭57−41966号公報、特開昭58−20165
7号公報、特開昭59−190862号公報等で開示さ
れている技術があるが、これらは、何れも異なる径のノ
ズルを複数用意してインク吐出量を制御するもので、変
調ドットレベルに応じた分のノズルが必要で、ヘッドの
大型化とその分の駆動回路が必要になることから、装置
が大変複雑となり高価になるとうい問題がある。
【0014】また別の技術として、特開平1−1309
49号公報に開示の技術もある。この技術は、圧電体へ
の第1回目のパルスの印加後、この印加により生じたイ
ンクの圧力波動パルスを打ち消す為に第2〜第n回のパ
ルスの印加を行うとともに、第1回目の印加パルス〜第
n回目の印加パルスの相対的な印加タイミング及びパル
ス強度の比を一定に保ったままパルス強度を可変設定し
て吐出インク量を制御するものである。この技術の実現
には、1ノズルに対してアナログ乗算器、増幅回路が必
要となり、多数ノズルのインクジェット記録ヘッドに対
しては、構成が複雑且つ極めて高価になる欠陥を有す
る。又、アナログ回路で供給電圧近傍までパルス出力振
幅を得ることは、困難で電源利用効率も悪い欠陥も有す
る。
【0015】また、更に別の技術として、主走査方向に
比較的小さいドットで、極めて近傍に数個のドットを乾
燥に到る前に着滴させ、結合拡大させてドット大きさを
変える方法も提案されているが、この場合はヘツドのイ
ンク吐出周波数特性を数倍に高める必要があり、電力消
費も数倍になる欠陥を有する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な問題
に鑑みてなされたもであって、その目的とするところ
は、インク吐出量に対応した複数の駆動電圧波形を用意
して、これらをプリントデ−タにより選択的に圧電体に
印加して、記録ヘッドと駆動回路を高価にすることな
く、且つ、記録ドットの大きさを変え、記録ドット配置
間隔も変更することなく階調表現を可能としたインクジ
ェット記録ヘッドの駆動装置を提供するものである。
【0017】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成するため
に、本発明のインクジェット記録ヘッドの駆動装置は、
請求項1において、圧電体に電圧を印加し、該圧電体の
伸縮によりインク室の体積を変化させインクを吐出させ
るインクジエット記録ヘッドの駆動装置において、イン
ク吐出量を制御する波形の異なる複数の駆動電圧波形を
発生する共通波形発生手段と、多値のプリントデ−タを
一個の肯定出力に変換・記憶するプリントデ−タ記憶手
段と、前記プリントデ−タ記憶手段の出力を所定形式で
信号処理する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力
をレベル変換して制御信号となし、前記複数の駆動電圧
波形の内の一つを前記圧電体に印加するマルチプレクサ
と、よりなることを特徴とする。
【0018】また、請求項2において、前記複数の駆動
電圧波形の一つは、インク吐出に到らない程度の電圧波
形あることを特徴とする。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0020】図4に本発明に適用する駆動回路のブロッ
ク構成と、部分的な回路を示す。
【0021】符号20は所定の複数のドット大きさに対
応した駆動電圧波形を発生する共通波形発生手段で、具
体的には図5に示す(a)、(b)、(c)、(d)の
ような波形信号S3、S2、S1、S0を発生する。こ
の共通波形発生手段20の具体的な構成は出願人が特開
平2−164544号公報、特開平2−274554号
公報などに開示している。これらは、波高値Vp1、V
p2、Vp3、Vmとタイミングが少し異なるものであ
り、これらの波形信号S3、S2、S1、S0によ記録
されるドット大きさをD3、D2、D1、D0とすれ
ば、D3>D2>D1>D0=0(インクを吐出しな
い)で、図3に示すC3、C2、C1にそれぞれ対応す
る。
【0022】本実施例では、吐出しない値も含めて4値
に設定したが、この値に限定されるものではない。しか
し、実際問題として、アクチュエ−タ特性の製造上又は
温度等の環境上のバラツキによるドット大きさがオ−バ
ラップして、多値表現に限界生じることから、闇雲に多
くしても意味がなく6値くらいまでが適当である。
【0023】尚、D0=0としたインク吐出させない場
合の波形信号S0も出力するようにしているのは、ノズ
ル開口部近傍に形成されるメニスカスが外気に触れて表
面が膜化するのを微振動を与えて防止するためである。
ただ、数十分以上印字指令が来ない場合には、記録ヘッ
ドをホ−ムポジションに戻しノズル面をキヤップしてイ
ンクの蒸発と固化を防止することは従来通りである。
【0024】符号21はシステム制御手段で、共通波形
発生手段20の発生タイミング信号PSの出力と、更に
後述する複数のドライブユニット22、・・・に多値の
プリントデ−タ、シフトクロック、ラッチパルス等を出
力するものである。
【0025】ドライブユニット22は、階調デ−タ(多
値のプリントデ−タ)を取り込む記憶手段23と、この
記憶手段23の出力処理を行う信号処理手段27と、信
号処理手段27の出力を制御信号として、共通波形発生
手段20が出力する駆動電圧波形S0、S1、S2、S
3の内の1つを選択して圧電体に印加し、階調デ−タに
対応したドットを形成させるマルチプレクサ30より構
成されている。
【0026】詳細には、記憶手段23は、システム制御
手段21からの2ビット階調デ−タをバイナリ信号とし
シフトし記憶するシフト回路24と、該シフト回路24
の出力を所定のタイミングでラッチ回路25にラッチし
てシリアルデータをパラレルデ−タに変換する2ビット
のラッチ回路25と、該ラッチ回路25の出力を4出力
に変換して何れか一つを肯定出力にするデ−コ−ダ26
より構成されている。
【0027】尚、シフト回路、ラッチ回路を4ビット構
成にして、階調デ−タを何れか一個が肯定のシリアルデ
−タとなるように転送すれば、デ−コ−ダを不要にした
記憶手段23も構成できる。
【0028】そして、記憶手段23からの4出力は、シ
ステム制御手段21が出力するイネブル信号に同期して
ANDゲ−ト28と、処理信号CS0、CS3を通過さ
せるORゲ−ト29よりなる信号処理手段27を介して
マルチプレクサ30へ出力される。
【0029】マルチプレクサ30では、信号処理手段2
7の出力をレベル変換器31で所定のレベルまでレベル
変換し、4個のトラスファゲ−ト32の制御端子に出力
する。それにより、4個のトランスファゲート32の1
つが導通し、駆動電圧波形S0、S1、S2、S3の内
の一つが圧電体に印加される。これにより、個々のノズ
ルから要求された量のインクが吐出される。
【0030】レベル変換を必要とするのは、デ−コ−ダ
までは約5ボルトの供給電源電圧に対して、マルチプレ
クサに印可されるピ−ク電圧が15〜50ボルトである
ことによる。
【0031】次に、システム制御手段21から出力する
処理信号CS0、CS3について説明する。電源投入時
には、各圧電体は完全に放電状態にあることから、イン
ク吐出動作に先だって圧電体を待機状態のVmまで充電
する必要がある。そこで処理信号CS0により、強制的
に図5に示す駆動電圧波形S0の0ボルトからVmまで
の区間を選択して緩やかに充電させるものである。ま
た、処理信号CS3は何等かの原因でノズルが目詰まり
した場合等に、全てのノズルよりインクを吐出させて通
常状態に回復させる時に出力するものである。
【0032】尚、本実施例では、多値のプリントデ−タ
(階調デ−タ)の生成は、システム制御手段21が元画
像デ−タより生成記録画像に整合させた画像処理、例え
ば多値ディザ法、多値誤差拡散法等より実行する。ま
た、本実施例では、信号線数を減らすために階調データ
をシリアルデータとして転送するようにしているが、信
号線が増えても問題ない場合は、直接パラレルデータと
して出力し、ラッチ回路に記憶させても良い。
【0033】ところで、アクチュエ−タを構成する圧電
体は、駆動側から見ると単に容量性負荷とみなせ、その
容量値Cは構成にもよるが、概ねC=500pF〜20
nFであるので、充放電による消費電力Pは、P=N・
C・Vc^2・fになる。ここで、Nは圧電体の総数、
Vcは充電電圧、fは駆動周波数(数K〜数十Khz)
であり、この消費電力Pは数十ワットになる場合があ
る。この電力は、主に共通波形発生手段20で消費され
るので、共通波形発生手段20は放熱を配慮した設計が
必要な場合がある。
【0034】以上をまとめて、入力画像デ−タ対出力画
像濃度階調を1種の大きなドットによる場合と、本願の
方法によるものと比較して示したのが、図6である。実
線が本願によるものであり、階調豊かな出力結果が得ら
れる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、単
に所望の複数のドット大きさに対応する駆動電圧波形を
選択するのみであるから、回路構成が簡単でコストパフ
ォマンスの良い美しい階調画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電体を用いたアクチュエ−タに用いたインク
ジェット記録ヘッドの例を説明する図である。
【図2】圧電体を駆動する駆動電圧の波形例と、これに
呼応してインク室の膨張と収縮過程を示す図である。
【図3】ドット大きさによる階調表現の差異を説明する
図である。
【図4】本発明の実施例の回路ブロック構成と部分的な
回路構成を示す図である。
【図5】本発明に適用する異なる大きさのドットを形成
する駆動電圧波形例を示す図である。
【図6】従来方法と本発明による階調表現能力の差異を
示す図である。
【符号の説明】
20…共通波形発生手段 21…システム制御手段 22…ドライブユニット 23…階調デ−タの記憶手段 27…信号処理手段 30…マルチプレクサ 24…シフト回路 25…ラッチ回路 26…デ−コ−ダ 31…レベル変換器 32…トランスファゲ−ト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧電体に電圧を印加し、該圧電体の伸縮に
    よりインク室の体積を変化させインクを吐出させるイン
    クジエット記録ヘッドの駆動装置において、 インク吐出量を制御する波形の異なる複数の駆動電圧波
    形を発生する共通波形発生手段と、 多値のプリントデ−タを一個の肯定出力に変換し、記憶
    するプリントデ−タ記憶手段と、 前記プリントデ−タ記憶手段の出力を所定形式で信号処
    理する信号処理手段と、 前記信号処理手段の出力をレベル変換して制御信号とな
    し、前記複数の駆動電圧波形の内の一つを前記圧電体に
    印加するマルチプレクサと、 よりなることを特徴とするインクジェットヘッドの駆動
    装置。
  2. 【請求項2】前記複数の駆動電圧波形の一つは、インク
    吐出に到らない程度の電圧波形あることを特徴とする請
    求項1記載のインクジェット記録ヘッドの駆動装置。
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