JPH09114468A - 粉体含有シート状物及び粉体含有シート状物を用いた吸音材 - Google Patents

粉体含有シート状物及び粉体含有シート状物を用いた吸音材

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JPH09114468A
JPH09114468A JP7275769A JP27576995A JPH09114468A JP H09114468 A JPH09114468 A JP H09114468A JP 7275769 A JP7275769 A JP 7275769A JP 27576995 A JP27576995 A JP 27576995A JP H09114468 A JPH09114468 A JP H09114468A
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sound absorbing
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JP7275769A
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Kenji Onishi
兼司 大西
Yuzo Okudaira
有三 奥平
Hideyuki Ando
秀行 安藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低周波数域における吸音性能がよい粉体含有
シート状物及びそれを用いた吸音材を提供する。 【解決手段】 粉体含有シート状物は、粒子の振動によ
り吸音性能を発現する粉体5と、音響的に透明な袋状物
6とを備えていて、厚み5mm以下である。粉体5は袋状
物6に充填されている。袋状物の内部空間が面状に配置
された多数の小空間に仕切られていて、粉体が多数の小
空間に充填されていてもよい。多孔質基材が袋状物に充
填されており、粉体が多孔質基材の空隙に含まれていて
もよい。多孔質基材の代わりに、表裏面が開口した多数
のセルが面状に配置された格子状構造体が使用され、粉
体が、セル内に充填されていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉体含有シート状
物および粉体含有シート状物を用いた吸音材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、以下のような場合に用いられる吸
音材がある。 (A) リスニングルーム、楽器練習室等の内装材として用
いる。室内の音響特性が問題となる部屋で、室内残響時
間特性、反射特性などを制御するために仕上げ用の内装
材として使うのである。
【0003】(B) 壁、天井の充填材として用いる。遮音
特性が要求される部屋では、壁や天井の遮音性能を向上
させるために2重パネル構造を採る場合が多い。これら
パネル間に吸音材を充填して更に性能を上げるようにす
るのである。 (C) その他、吸音ダクトの内貼り用、騒音を発生する機
器の防音カバーの内貼り用などに用いる。
【0004】上記用途に用いられる従来の吸音材である
発泡ウレタン、グラスウールなどは、図20、図21に
示すように素材の多孔性を利用している。すなわち、図
20、図21にみるように、発泡ウレタン1やグラスウ
ール3の連通した気泡2や孔4の中に音波が入射する
と、それが複雑な断面形状をした連続気泡であるため
に、音波が伝播していく途中で気泡壁面との粘性摩擦な
どによって音圧が減少し、その結果、音波エネルギーが
材料の中で吸収されるのである。
【0005】多孔質材の吸音率は、音波の周波数が高く
なるほど、また厚みが増すほど大きくなる。換言すれ
ば、低周波域の音波に対しては小さい吸音率しかもたな
い。多孔質材の厚みを増せば、低周波域の吸音率を上げ
ることができる。ただ、厚みが厚くなると、部屋の内装
材として使用した場合には部屋が狭くなるという問題が
生じ、ダクト内貼りとして使用した場合には空気の通路
が狭くなってしまうという問題が生じる。そのため、厚
み増加で低周波域の吸音率を上げるという方法は適切な
方策ではない。しかし、低周波域において十分な吸音率
があれば、リスニングルームの室内音響特性、壁、床、
天井等の遮音、機械騒音の抑制、いずれの場合にも非常
に有用な吸音材となる。
【0006】発明者らは低周波帯域の音波に対して、粉
体粒子の振動を利用した以下に示すような吸音材を提案
している。 (1) 枠体両側の開口部が音響透過性のフィルムで覆われ
ている箱状体の内部に粉体を充填させた吸音パネル(特
願平2−294220号)。 (2) シート状多孔質材の空隙内部に粉体を導入・保持さ
せた吸音材(特開平5−313669号公報)。
【0007】(3) 繊維間の空隙に樹脂バインダーを介在
させて粉体を保持させた吸音材(特願平6−17629
5号)。 すなわち、粉体粒子をパネル内部に充填・保持させる
か、または、シート状の繊維間に粉体粒子を保持させた
吸音材である。つまり、粉体は流動性があり、実際に使
用する際には取り扱いにくいという欠点を有しているた
め、上記(1) のようにパネルにするか、あるいは、上記
(2) または(3) のように粉体粒子を多孔質材中に振動可
能な状態で含ませることで、取り扱い性を向上させるこ
とを可能としてきた。
【0008】粉体粒子の吸音機構としては、数μmから
数100μmの粒子からなる粉体層に音波が入射する
と、図22に示すような粉体層の縦振動モートが励起さ
れ、そのモードが生じる周波数帯域で吸音率が大きくな
る。第1次モードは、粉体層の波長の1/4が粉体層厚
と一致した周波数で生じるが、粉体層内の弾性波の速度
は一般的に数10m/sec 以下と遅いため、30〜50mm
程度の薄い層でも125〜250Hzの低周波数領域で
第1次モードが生じる。このような粉体粒子からなる粉
体層を利用して、粉体の種類や粉体層厚などを変えるこ
とにより低周波数帯域の音波を効率良く吸収する吸音材
が設計できることを見いだしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の粉体を
利用した吸音材では、低周波数域での吸音性能を得るた
めには、数10mm程度の厚みの粉体層が必要であり、実
際に使用する際には、材料として取り扱いにくいという
欠点を有している。すなわち、前記(1) のパネルでは、
任意のサイズの切断及び加工が困難であり、枠体により
重くなるといった欠点がある。また、前記(2) または
(3) のような吸音材でも、使用中の粉体の偏り・こぼれ
等は完全には防げず、切断、加工の際にも粉体層からの
粉のこぼれが多く、材料として取り扱いにくいといった
問題点がある。
【0010】これらの欠点を補うために、発明者らは、
粉体層の厚みを減らす様々な検討を進めていく中で以下
のことを見いだしている。即ち、粉体層の音波が透過す
る側に多孔質層を積層させることにより、粉体層の厚み
を積層構造体の20〜80%に減らして、材料としての
取り扱い性を向上させることが可能となる(特願平6−
257217号公報)。
【0011】しかし、多孔質材と積層させる場合でも、
総厚みを50mmとすると、粉体層厚みが最低でも10mm
程度、通常25mm程度となる。そのため、粉体を保持す
るために、前記(1) 〜(3) の手段によっても材料として
取り扱い性の点で問題が残り、粉体層を保持していく上
で使用中の粉体の偏り・こほれ等は完全には防げず、粉
体の偏り等により吸音性能が経時的に変化する可能性が
ある。
【0012】以上のように、従来技術においては、低周
波数域の吸音性能を得るためには粉体層厚みが厚く、そ
れにより、切断及び加工が困難で、材料としての取り扱
い性が悪く、さらには粉体の偏り・こぼれ等が生じ、粉
体の偏り等による吸音性能が低下するといった欠点があ
る。本発明の課題は、粉体層、および粉体層を利用した
吸音材に関して、低周波数域における吸音性能がよく、
粉体層の厚みが薄く、切断・加工が可能である等、材料
としての取り扱い性に優れ、粉体のこぼれ・偏り等に起
因する性能劣化を起こさない粉体含有シート状物及びそ
れを用いた吸音材を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体含有シート
状物(以下、粉体含有シート状物を粉体保持シートとい
うことがある)は、第1の態様によれば、粒子の振動に
より吸音性能を発現する粉体と、音響的に透明な袋状物
とを備えていて、厚み5mm以下である。前記粉体は、前
記袋状物に充填されている。
【0014】本発明の粉体含有シート状物は、第2の態
様によれば、第1の態様のシート状物において、前記袋
状物の内部空間が面状に配置された多数の小空間に仕切
られていて、前記粉体が前記多数の小空間に充填されて
いる。本発明の粉体含有シート状物は、第3の態様によ
れば、粒子の振動により吸音性能を発現する粉体と、多
孔質基材と、音響的に透明な袋状物とを備えていて、厚
み5mm以下である。前記多孔質基材は前記袋状物に充填
されており、前記粉体は前記多孔質基材の空隙に含まれ
ている。
【0015】本発明の粉体含有シート状物は、第4の態
様によれば、粒子の振動により吸音性能を発現する粉体
と、表裏面が開口した多数のセルが面状に配置された格
子状構造体と、前記格子状構造体をその表裏面から挟ん
で前記セルの表裏面の開口を閉じる音響的に透明なシー
トとを備えていて、厚み5mm以下である。前記粉体は、
前記セル内に充填されている。
【0016】本発明では、前記粉体は、たとえば、0.
1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/cm3
範囲のかさ密度とを有するものであるか、0.1〜10
00μmの平均粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲のか
さ密度とを有する第1粉体とバネ定数1×102N/m以下
の微小繊維からなる第2粉体との混合粉体であるか、ま
たは、0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.
5g/cm3 の範囲のかさ密度とを有する第1粉体とバネ定
数1×102N/m以下の微小繊維からなる第2粉体とを有
し、前記微小繊維が前記第1粉体の粒子の表面に付着し
ているものである。
【0017】本発明の吸音材は、第1の態様によれば、
本発明の第1〜第4の態様のいずれかの粉体含有シート
状物が、吸音する音波の入射側に設置され、前記粉体含
有シート状物の音波の透過側に存在する空気が弾性層と
して働く構造を持つものである。本発明の吸音材は、第
2の態様によれば、本発明の第1〜第4の態様のいずれ
かの粉体含有シート状物が、吸音する音波の入射側に設
置され、前記粉体含有シート状物の音波の透過側に、2
00kg/m3 以下のかさ密度と1.0×103 〜1.0×
106N/m2 の範囲内のヤング率とを有する多孔質材が積
層されているものである。
【0018】本発明の吸音材は、第3の態様によれば、
本発明の第1〜第4の態様のいずれかの粉体含有シート
状物が、吸音する音波の入射側に設置され、前記粉体含
有シート状物の音波の透過側に、300〜500kg/m3
の範囲内のかさ密度と1.0×106 〜1.0×108N
/m2 の範囲内のヤング率とを有する多孔質材が積層され
ているものである。
【0019】吸音材に用いられる本発明の粉体含有シー
ト状物は、上記第1〜4の態様のいずれの態様でもよ
い。本発明の吸音材では、前記多孔質材は、たとえば、
ロックウール繊維とバインダーからなるロックウール吸
音板である。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の粉体含有シート状物は、
第1の態様によれば、粒子の振動により吸音性能を発現
する粉体と、音響的に透明な袋状物とを備えていて、厚
み5mm以下である。前記粉体は、前記袋状物に充填され
ている。粒子の振動により吸音性能を発現する粉体は吸
音特性に優れているので、この粉体を用いた粉体含有シ
ート状物では、粉体の充填量を少なくしても、つまり粉
体層厚みを薄くしても低周波数域での吸音性能を発現で
きる。しかも、粉体を音響的に透明な袋状物に充填した
り、あるいは、骨格材たる多孔質基材とを音響的に透明
な袋状物に充填し粉体をその多孔質基材の空隙に含有さ
せたりしてシート状に成形した粉体保持シートは、吸音
性能と材料としての取り扱い性とを共に満足させること
が可能となる。
【0021】本発明の粉体含有シート状物は、第2の態
様によれば、第1の態様の粉体含有シート状物におい
て、前記袋状物の内部空間が面状に配置された多数の小
空間に仕切られていて、前記粉体が前記多数の小空間に
充填されている。たとえば、図1のシート状物の断面図
に示すように、袋状のシート6が部分的に接着されてお
り、シート6内部の粉体が接着部分7によりセル状のユ
ニット構造に分割されている。つまり、シート6が部分
的に接着されていることによって格子状構造(またはセ
ル構造)を持ち、粉体5がシート6内部に分割・保持さ
れている。このため、粉体5の移動が接着部分7によっ
て妨げられるため、粉体の偏り等による吸音性能の低下
が抑制できる。
【0022】袋状物を構成するシートとしては、音響的
に透明であり、粉体のこぼれが防止できるものであれば
特に限定はされない。例えば通気性のあるペーパー、織
物、不織布シート、ガラスクロス等、あるいは厚みが概
ね50μm以下のポリエステルシート、ポリエチレンシ
ート、ビニルシート等の高分子シートやアルミフォイル
等の金属箔などが挙げられる。これらのシートは用いる
粉体の粒径、粉体の充填量によって任意に選択される。
袋状物は、たとえば、筒状のシートの両端開口部を後述
する方法によって接着することにより袋状にしたもの、
あるいは、2枚のシートを対向するようにして重ね合わ
せ、周縁部などを後述する方法によって接着することに
より袋状にしたものでもよい。
【0023】シートを部分的に接着させる方法としては
特に限定はされず、たとえば、糸で縫いつける、シート
に接着剤あるいは粘着剤を付着させ接着する、熱融着の
バインダーにより接着する等の方法が挙げられる。つま
り、通常の取り扱いの範囲で接着部分が維持できれば良
い。シートの接着部分で囲まれるセル部分のサイズとし
ては、通常数cmから数十cmの範囲であれば、吸音特性に
影響を与えないが、セルサイズが小さいほど、切断等に
よって崩されるセル構造が少なく粉体のこぼれが少なく
なるといった利点がある。
【0024】粉体保持シートにおける粉体6としては、
粒子の振動により吸音性能を発現する粉体、たとえば、
特開平5−158483号公報、特開平5−17357
7号公報で提案された吸音特性に優れた粉体が使用され
うる。粒子の振動により吸音性能を発現する粉体として
は、また、たとえば、 ・0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/
cm3 の範囲のかさ密度とを有する粉体、 ・0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/
cm3 の範囲のかさ密度とを有する第1粉体とバネ定数1
×102N/m以下の微小繊維からなる第2粉体との混合粉
体、または、 ・0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/
cm3 の範囲のかさ密度とを有する第1粉体とバネ定数1
×102N/m以下の微小繊維からなる第2粉体とを有し、
前記微小繊維が前記第1粉体の粒子の表面に付着した粉
体、が挙げられる。
【0025】粉体の平均粒径またはかさ密度が前記範囲
を外れると、低音域での吸音特性に劣るおそれがある。
低音域での吸音特性をより高めるという点からは、1〜
300μmの平均粒径と0.1〜0.8g/cm3 の範囲の
かさ密度とを有する粉体がより望ましい。本発明に用い
られる粉体としては、フラット型またはピーク型の、吸
音率の周波数特性と持つものが挙げられる。吸音率の周
波数特性がフラット型またはピーク型でないと、低音域
での吸音特性に劣るおそれがある。
【0026】フラット型の、吸音率の周波数特性を有す
るとは、特定の周波数以上の周波数の音波が入射した時
に、ほぼ一定の吸音率を有することである。ここで、特
定の周波数は、粉体層の厚みによって変化するため、そ
の値には特に限定はない。フラット型の、吸音率の周波
数特性を有する粉体としては、 ・バーミキュライト(平均粒径:200〜400μm,
かさ密度:0.1g/cm3) ・湿式シリカ(平均粒径:400〜500μm,かさ密
度:約0.1〜0.2g/cm3 ) ・軟質炭酸カルシウム(平均粒径:1〜2μm,かさ密
度:約0.4g/cm3 ) ・ナイロンパウダー(平均粒径:180〜500μm,
かさ密度:約0.5g/cm 3 ) ・フェライト仮焼品(平均粒径:1.3〜1.5μm,
かさ密度:約1.0g/cm 3 ) ・金マイカ(平均粒径:650μm,かさ密度:約0.
5〜0.6g/cm3 ) 等が挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、あるい
は、2以上の粉体が併用されたりする。
【0027】ピーク型の吸音率の周波数特性を有すると
は、吸音率の周波数特性曲線が上に凸の極大値を有する
ことである。ここで、上に凸の極大値となる周波数は、
粉体層の厚みによって変化するため、その値には特に限
定はない。ピーク型の吸音率の周波数特性を有する粉体
としては、シリカ、マイカ、タルク等が挙げられる。よ
り具体的には、たとえば、 ・金マイカ(平均粒径:40μm,かさ密度:約0.4
g/cm3 ) ・湿式シリカ(平均粒径:7〜150μm,かさ密度:
約0.1〜0.3g/cm3) ・球状シリカ(平均粒径:3〜28μm,かさ密度:約
0.3〜0.9g/cm3 ) ・タルク(平均粒径:1.5〜9.4μm,かさ密度:
約0.3〜0.5g/cm3) ・アクリル樹脂微粉体(平均粒径:1〜2μm,かさ密
度:約0.3g/cm3 ) ・ケイ酸カルシウム粉体(平均粒径:20〜30μm,
かさ密度:約0.1g/cm 3 ) ・パーライト粉体(平均粒径:100〜150μm,か
さ密度:約0.1〜0.2g/cm3 ) ・フッ素樹脂粉体(平均粒径:5〜25μm,かさ密
度:約0.4〜0.5g/cm 3 ) ・ベントナイト(平均粒径:0.3〜3.5μm,かさ
密度:約0.5〜0.8g/cm3 ) ・シラスバルーン(平均粒径:30〜50μm,かさ密
度:約0.2〜0.3g/cm3 ) ・溶融シリカ(平均粒径:5〜32μm,かさ密度:約
0.5〜0.8g/cm3 ) ・炭化ケイ素粉体(平均粒径:0.4〜5.0μm,か
さ密度:約0.6〜1.1g/cm3 ) ・ナイロンパウダー(平均粒径:5〜250μm,かさ
密度:約0.3〜0.5g/cm3 ) ・アクリル樹脂粉体(平均粒径:45μm,かさ密度:
約0.6〜0.7g/cm3) ・炭素繊維粉体(平均繊維径:14〜18μm,繊維
長:100〜200μm,かさ密度:約0.5〜0.6
g/cm3 ) ・二酸化チタン粉体(平均粒径:0.1〜0.25μ
m,かさ密度:約0.5〜0.7g/cm3 ) ・炭酸カルシウム粉体(平均粒径:3〜30μm,かさ
密度:約0.6〜1.0g/cm3 ) ・塩化ビニル樹脂粉体(平均粒径:130μm,かさ密
度:約0.5g/cm3 ) ・バリウムフェライト磁粉(平均粒径:1.8〜2.2
μm,かさ密度:約1.5g/cm3 ) ・シリコーンパウダー(平均粒径:0.3〜0.7μ
m,かさ密度:約0.2〜0.3g/cm3 ) 等が挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、あるい
は、2以上の粉体が併用されたりする。
【0028】一例として、ピーク型の吸音率の周波数特
性を有する粉体からは、平均粒径が1.5〜3.2μ
m,かさ密度が約0.4g/cm3 のタルクを、フラット型
の吸音率の周波数特性を有する粉体からは、平均粒径が
200〜400μm,かさ密度が約0.1g/cm3 のバー
ミキュライトを選んで、30mm厚みでのそれらの垂直入
射吸音率特性を図2に示した。図2中、曲線8は、タル
クの吸音率特性、曲線9は、バーミキュライトの吸音率
特性をそれぞれ示す。
【0029】本発明のシート状物における粉体として
は、 ・0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/
cm3 の範囲のかさ密度と(好ましくは、1〜300μm
の平均粒径と0.1〜0.8g/cm3 の範囲のかさ密度
と)を有する第1粉体とバネ定数1×102N/m以下(好
ましくはバネ定数10N/m 以下)の微小繊維からなる第
2粉体との混合粉体、または、 ・0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/
cm3 の範囲のかさ密度と(好ましくは、1〜300μm
の平均粒径と0.1〜0.8g/cm3 の範囲のかさ密度
と)を有する第1粉体とバネ定数1×102N/m以下(好
ましくはバネ定数10N/m 以下)の微小繊維からなる第
2粉体とを有し、前記微小繊維が前記第1粉体の粒子の
表面に付着した粉体、を用いることがより一層望まし
い。これらの粉体を用いることにより、低音域での吸音
特性がより向上する。微小繊維のバネ定数が前記範囲を
外れると、低音域での吸音特性に劣るおそれがある。
【0030】具体的には、図3に示すように、粉体粒子
10の表面に、上記数値範囲内のバネ定数を有する微小
繊維11からなる粉体とを混合するか、あるいは、粉体
粒子10からなる粉体の該粒子10の表面に微小繊維1
1からなる粉体の該微小繊維11を付けることで、粉体
粒子10からなる粉体よりさらに吸音特性を低音域化す
ることができ、粉体層の厚み(または、シート状物の厚
み)をより低減することが可能となる。
【0031】粉体粒子10に付着・混合させる微小繊維
11としては、金属ウィスカーなどのウィスカー、プラ
スティック繊維、植物繊維、ガラス繊維やそれらが凝集
した構造体等が用いられる。より具体的には、チタン酸
カリウムウィスカー、炭化ケイ素ウィスカー、酸化亜鉛
ウィスカー、ケイ酸カルシウム針状粉体、セピオライト
等が挙げられる。繊維径および繊維長についても特に限
定はされないが、通常平均繊維径が0.1〜10μmの
範囲であり、繊維長は数μmから数十μmまでの範囲内
である。
【0032】微小繊維11は、これらに限定されるもの
ではなく、バネ定数が1×102N/m以下のものであれば
良く、望ましくはバネ定数が10N/m 以下のものであ
る。さらには、粉体粒子10と微小繊維11との混合割
合は特に限定はされないが、粉体粒子10からなる粉体
と微小繊維11からなる粉体との重量比率は、たとえ
ば、20:1〜1:10の範囲内であり、5:1〜1:
3の範囲内が好ましい。微小繊維粉体の比率が、前記範
囲を外れると低音域での吸音特性に劣るおそれがある。
粉体粒子10への微小繊維11の付着方法についても特
に限定はされないが、たとえば、希釈したバインダーに
微小繊維体を混合し、熱風中を流動している粉体粒子に
スプレーする方法や、あるいは、熱融着性バインダーを
コーティングした粉体粒子と微小繊維を混合加熱すると
いう方法などがある。
【0033】粉体粒子の吸音機構を説明する。粉体層に
音波が入射すると、図22に示すような粉体層の縦振動
モードが励起され、そのモードが生じる周波数帯域では
吸音率が大きくなる。吸音率が大きくなる周波数をピー
ク周波数(fr)とすると、frは、粉体層のヤング率
E、かさ密度ρ、粉体層厚みtで次式のように表すこと
ができる。 fr=(E/ρ)1/2 /4t 粉体層のヤング率Eは粉体粒子表面のバネ定数で決定さ
れる。
【0034】通常、粉体粒子表面のバネ定数は1×10
2N/mよりも大きいため、前記微小繊維のバネ定数が1×
102N/m以下と粉体粒子1個のバネ定数よりも小さけれ
ば、吸音特性をさらに低音域化することができる。本発
明の粉体含有シート状物の厚みは、5mm以下であり、好
ましくは3mm以下である。前述したように、吸音ピーク
周波数frは粉体物性(E/ρ)1/2 と粉体層厚みtに
よって決定される。そのため、要求される吸音特性に応
じて粉体含有シート状物の厚みと用いる粉体層を選択す
る必要がある。低音域で高い吸音特性を得るためには、
厚みを増やすことが有効であるが、5mmを越える厚みに
なると、シートとしての取り扱い性が困難となる。
【0035】また、図4に上記第3の態様の本発明の粉
体含有シート状物の1実施例の断面を模式図で示す。こ
のシート状物は、粒子の振動により吸音性能を発現する
粉体14と、多孔質基材13と、音響的に透明な袋状物
(または表面シート)12とを備えていて、厚み5mm以
下である。前記多孔質基材13は前記袋状物12に充填
されており、前記粉体14は前記多孔質基材13の空隙
に含まれている。
【0036】多孔質基材13は、骨格となるシート状多
孔質材であり、たとえば、ポリエステル系不織布、レー
ヨン、ナイロン、ポリプロピレン系の不織布や、グラス
ウール、ロックウール等の繊維構造体、発泡ウレタン等
の発泡樹脂材などが挙げられる。袋状物12についても
特に限定はされないが、上記第1および第2の態様の粉
体含有シート状物に用いられる袋状物と同様のものが使
用できるが、中でも、骨格となるシート状多孔質材と接
着させ、粉体含有シート状物として一体化させる必要が
あるため、粘着性、接着性、熱融着性を有するものが望
ましいが、あるいは、バインダー等により袋状物と多孔
質基材とを接着させてもよい。
【0037】図5および6に、上記第4の態様の本発明
の粉体含有シート状物の別々の実施例を斜視図で示す。
図5に示す粉体含有シート状物は、粉体17がメッシュ
状に編まれた構造体16の内部のセル構造部分に含ま
れ、開口部分を音響的に透明なシート15で閉じてい
る。また、図6に示す粉体含有シート状物は、粉体20
がセル構造体19内部に充填され、図5のものと同様に
その開口部がシート18で閉じられている構造を持つ。
【0038】本発明において、粉体含有シート状物の骨
格となる格子状構造体としては、図5に示すように、格
子形状を有するものや、あるいは図6に示すようなハニ
カム形状を有するものなどが挙げられ、より具体的に
は、メッシュ状になった高分子シート、ペーパーハニカ
ム等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。しかし、シートとしての取り扱い性の観点から、格
子状構造体が柔軟性を有するものがより一層望ましい。
【0039】シート15、18についても特に限定はさ
れないが、上記第1および第2の態様の粉体含有シート
状物に用いられる袋状物と同様の材質が使用できるが、
中でも、骨格となる格子状構造体と接着させ、粉体含有
シート状物として一体化させる必要があるため、粘着
性、接着性、熱融着性を有するものが望ましいが、ある
いは、バインダー等によりシートと格子状構造体とを接
着させてもよい。
【0040】本発明の粉体含有シート状物は、取り扱い
性を向上させるために、厚みを増やすことに限界があ
る。そのため、低周波数域でより高い吸音性能が要求さ
れる部位や、低周波数域から中高音域にわたって吸音性
を要求される部位に対して、発明者らは、粉体含有シー
ト状物の吸音特性を様々な角度から検討し、粉体含有シ
ート状物を用いた吸音材が利用可能であることを見いだ
した。その結果、以下のように、吸音材の取り扱い性の
向上と性能劣化の防止を維持したまま、優れた吸音性能
が同時に実現可能となった。
【0041】本発明の吸音材は、第1の態様によれば、
本発明の粉体含有シート状物が、吸音する音波の入射側
に設置され、前記粉体含有シート状物の音波の透過側に
存在する空気が弾性層として働く構造を持つものであ
る。この吸音材は、具体的には、たとえば、図7に示す
ように、上面開口の箱状体22の開口部の縁に四角いシ
ート状物21の四周を貼り付け、箱状体22内部に空気
層23を閉じ込めた構造を有する。そのため、粉体含有
シート状物内部に充填した粉体の共振による吸音作用
と、空気層23をバネとした粉体含有シート状物の共振
による吸音作用があわさって、低周波数域での吸音効果
がより一層高まる。シート状物21は、本発明の粉体含
有シート状物のいずれであってもよい。
【0042】図7に示す構造では、音波が入射する際、
粉体含有シート状物21が空気層23をバネとして共振
する。空気層23のバネは、弾性層である空気の体積弾
性率(1.4×105 N/m2 )および空気層23の厚
みによって決定される。そのため、箱状体22の寸法、
材質については特に限定されないが、粉体含有シート状
物21の厚み、充填する粉体の種類、物性に応じて任意
に選択される。
【0043】本発明の吸音材は、第2の態様によれば、
本発明の粉体含有シート状物が、吸音する音波の入射側
に設置され、前記粉体含有シート状物の音波の透過側
に、200kg/m3 以下のかさ密度と1.0×103
1.0×106N/m2 の範囲内のヤング率とを有する多孔
質材が積層されているものである。このような構造によ
り、低周波数域においてより優れた吸音性能を持たせる
ことができる。この吸音材は、具体的には、たとえば、
図8に示す断面構造の模式図に見るように、粉体含有シ
ート状物24に多孔質材25を積層した構造を持つ。シ
ート状物24は、本発明の粉体含有シート状物のいずれ
であってもよい。
【0044】多孔質材25は、かさ密度200kg/m3
下、ヤング率1.0×103 〜1.0×106N/m2 の範
囲内であれば、特に限定はされないが、通常、ロックウ
ール、グラスウール、不織布等の無機及び有機繊維から
なる繊維質材や、ウレタン等の発泡樹脂体等が用いられ
る。多孔質材のかさ密度またはヤング率が上記範囲を外
れると、シート状物の共振が困難となり、低周波数域で
の吸音作用が低くなるおそれがある。多孔質材の密度お
よびヤング率は、用いる多孔質材の厚みに応じて最適な
範囲を選ぶのがよい。多孔質材の厚みを薄くする場合
は、比較的低いかさ密度でヤング率の小さなものを選ぶ
のがよい。
【0045】図8に示す積層構造の場合、その吸音特性
は粉体含有シート状物単独の吸音特性と、音波の透過側
に積層する多孔質材の吸音特性によって決定される。通
常、ロックウール、グラスウールといった、かさ密度が
200kg/m3 以下の多孔質材では500Hz以上の中高
音域で吸音特性を示すが、低周波数域での吸音作用はほ
とんどない。しかし、図11に示す構造の場合、多孔質
材をバネにした粉体含有シート状物の共振による吸音作
用によって、低周波数域での吸音作用が高まる。さらに
は、前記粉体含有シート状物が音波透過性を有するた
め、粉体含有シート状物を透過した音波が、多孔質材内
部に入射することにより、中高音域での吸音特性も付与
できる。そのため、粉体含有シート状物の厚み、充填す
る粉体の種類、物性に応じて、積層する多孔質材が任意
に選択される。
【0046】本発明の吸音材は、第3の態様によれば、
本発明の粉体含有シート状物が、吸音する音波の入射側
に設置され、前記粉体含有シート状物の音波の透過側
に、300〜500kg/m3 の範囲内のかさ密度と1.0
×106 〜1.0×108N/m2の範囲内のヤング率とを
有する多孔質材が積層されているものである。この吸音
材は、第2の態様の吸音材と同様な構造を有しており、
図9に示すように、粉体含有シート状物26に多孔質材
27を積層した構造を有する。シート状物26は、本発
明の粉体含有シート状物のいずれであってもよい。
【0047】多孔質材27は、かさ密度が300〜50
0kg/m3 の範囲内であり、ヤング率1.0×106
1.0×108N/m2 の範囲内であれば、特に限定はされ
ないが、具体的には、ロックウール繊維とバインダーか
らなるロックウール吸音板や、ロックウール、グラスウ
ールといった無機繊維を、フェノール樹脂等のバインダ
ーで成形したボード、あるいは、ウレタンボードのよう
な発泡性樹脂ボードが挙げられる。
【0048】多孔質材のかさ密度またはヤング率が上記
範囲を外れると、シート状物の共振が困難となり、低周
波数域での吸音作用が低くなるおそれがある。多孔質材
の密度およびヤング率は、用いる多孔質材の厚みに応じ
て最適な範囲を選ぶのがよい。多孔質材の厚みを薄くす
る場合は、比較的低いかさ密度でヤング率の小さなもの
を選ぶのがよい。
【0049】第3の態様の吸音材においては、粉体含有
シート状物を、吸音する音波の入射側に設置し、かつ、
この粉体含有シート状物の音波の透過側に、多孔質材が
積層されていることを特徴としている。多孔質材とし
て、かさ密度が300〜500kg/m3 の範囲内であり、
ヤング率1.0×106 〜1.0×108N/m2 の範囲内
であれば、多孔質材の弾性率が、空気の体積弾性率より
も1オーダー以上大きくなるため、粉体含有シート状物
の共振による吸音効果は得られない反面、ボードとして
の取り扱いが可能であるといった利点が得られる。さら
には、多孔質材と粉体含有シート状物とを積層すること
で、多孔質材としての中高音域での吸音効果と、粉体含
有シート状物の低周波数域での吸音効果が同時に得られ
る。
【0050】本発明の吸音材は、リスニングルーム、楽
器練習室の内装材、吸音ダクトの内貼り用、騒音を発生
する機器の防音カバーの内貼り用として用いることがで
きる。さらには、二重床や二重壁パネル等の間隙に設置
することにより、床衝撃音低減あるいは遮音性向上効果
が得られる。
【0051】
【作用】本発明の粉体含有シート状物は、粒子の振動に
より吸音性能を発現する粉体が、音響的に透明な袋状物
に充填された構造、前記粉体が多孔質基材内部に充填さ
れ該多孔質基材が音響的に透明な袋状物に充填された構
造、あるいは、前記粉体が面状に配置された多数のセル
を有する格子状構造体内部に充填され音響的に透明なシ
ートでセルの表裏面の開口を閉じた構造を有しているた
め、粉体の偏り等による吸音性能の低下が抑制でき、吸
音性能と材料としての取り扱い性共に満足させることが
できる。
【0052】前記粉体が、0.1〜1000μmの平均
粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲のかさ密度とを有す
る第1粉体とバネ定数1×102N/m以下の微小繊維から
なる第2粉体との混合粉体であるか、または、0.1〜
1000μmの平均粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲
のかさ密度とを有する第1粉体とバネ定数1×102N/m
以下の微小繊維からなる第2粉体とを有し、前記微小繊
維が前記第1粉体の粒子の表面に付着しているものであ
る場合には、粉体の充填量、つまり粉体層厚みを薄くす
ることが可能であり、薄型で吸音性能が高く、かつ取り
扱い性に優れた粉体含有シート状物が得られる。
【0053】粉体含有シート状物の音波透過側に空気層
や多孔質材を設けた構造により、粉体含有シート状物内
部に充填した粉体の共振による吸音作用と、空気層や多
孔質材をバネとした粉体含有シート状物の共振による吸
音作用が合わさって、低周波数域での吸音効果がより一
層高まる。また、粉体含有シート状物が音波透過性を有
するため、ロックウール吸音板等のかさ密度、ヤング率
が大きく、ボードとしての取り扱いが可能な多孔質材と
粉体含有シート状物とを積層することでも、多孔質材と
しての中高音域での吸音効果と、粉体含有シート状物の
低周波数域での吸音効果が得られる。
【0054】
【実施例】以下に、本発明の具体的な実施例を示すが、
本発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1)実施例1の粉体含有シート状物は、図1に
示すような断面構造を有し、すでに説明したとおりであ
り、図10にみるように、粉体29が、厚み200μ
m、メッシュ径が約20μmの通気性を有するガラスク
ロス(厚み0.2mm)28によって閉塞され、厚み5mm
のシート状に成形されている。ガラスクロス28は、熱
融着性のバインダーによって、部分的に接着されてセル
構造を持ち、その内部に粉体29が保持されている。な
お、粉体29は、平均粒径150μmでかさ密度0.3
g/cm3 のシリカ粉体(ピーク型の吸音率の周波数特性を
有する)と、微小繊維構造体である炭化ケイ素ウィスカ
ー(平均繊維径0.4μm、繊維長5〜20μmの範囲
内、バネ定数10N/m )を重量比1:1で混合して得ら
れた混合粉体からなる。
【0055】なお、本発明の粉体は前記シリカ粉体に限
定するものでなく、粉体層の縦振動により吸音する粉体
であればよい。また、微小繊維構造体も炭化ケイ素ウィ
スカーに限るものでない。実施例1における粉体含有シ
ート状物は、音響的に透明で通気性を有するガラスクロ
ス28を袋状物(または表面シート)として用い、ガラ
スクロス28が部分的に接着されて(接着部分30)、
内部空間が面状に配置された多数の小空間に仕切られて
いて、いわばセル構造体となっており、そのセル構造内
部(小空間内部)に粉体29が充填されているため、粉
体の偏りによる吸音性能の劣化等を防ぐことができる。
また、粉体のこぼれを防止するために、ガラスクロスで
粉体が閉塞されたシート状となっているため、取り扱い
性に優れ、かつ粉体層の縦振動により低周波数域におい
て高い吸音特性を有する。
【0056】(実施例2)実施例2の粉体含有シート状
物は、図4に示すような断面構造を有しており、すでに
説明したとおりである。このシート状物は、また、図1
1にみるように、粉体33が、シート状繊維構造体であ
るポリプロピレン系不織布32を骨格とし、その空隙内
部に含まれている。さらには、厚み25μmのポリエス
テルフィルム31によって、粉体33を含んだポリプロ
ピレン系不織布32の表面を覆い、シート状に成形され
ている。粉体含有シート状物の総厚みは、表面シートと
骨格部分であるポリプロピレン系不織布を合わせて約2
mmである。
【0057】なお、粉体33は、平均粒径150μmで
かさ密度0.3g/cm3 のシリカ粉体(ピーク型の吸音率
の周波数特性を有する)の各粒子に、微小繊維構造体で
あるケイ酸カルシウム針状粉体(平均繊維径1μm、繊
維長5〜10μmの範囲内、バネ定数16N/m )の粒子
(粉体同士の重量比1:1)と水性のウレタンエマルジ
ョンバインダーの混合溶液をスプレーコーティングし、
熱風中で乾燥させ付着させた構造の粉体である。この粉
体33の粒子330は、図12に示すように、ポリプロ
ピレン系不織布32の繊維320の空隙部分に散布され
繊維空隙部分に含まれている。
【0058】実施例2における粉体含有シート状物は、
音響的に透明なポリエステルフィルムを袋状物(または
表面シート)として用い、骨格となるポリプロピレン系
不織布32の空隙内部に粉体33が充填されているた
め、粉体の偏りによる吸音性能の劣化等を防ぎ、粉体の
こぼれを防止できる。そのため、取り扱い性に優れ、か
つ粉体層の縦振動により低周波数域において高い吸音特
性を得ることが可能となる。
【0059】(実施例3)実施例3の粉体含有シート状
物は、図13に示すように、粉体36が、骨格となるセ
ル構造体であるペーパーハニカム35のセル内部に含ま
れている。さらには、ペーパーハニカム35の表裏面開
口部分に、厚み25μmポリエステルフィルムに粘着層
を25μmの厚みで設けた粘着性ポリエステルフィルム
34を接着させることによって、シート状に成形されて
いる。粉体含有シート状物の総厚みは、表面シートと骨
格部分であるペーパーハニカムを合わせて約2mmであ
る。
【0060】また、ペーパーハニカムのセル内部に充填
する粉体36は、平均粒径150μmでかさ密度0.3
g/cm3 のシリカ粉体(ピーク型の吸音率の周波数特性を
有する)の各粒子に、微小繊維構造体である炭化ケイ素
ウィスカー(平均繊維径0.4μm、繊維長5〜20μ
mの範囲内、バネ定数10N/m )の粒子(粉体同士の重
量比1:1)と水性のウレタンエマルジョンバインダー
の混合溶液をスプレーコーティングし、熱風中で乾燥さ
せ付着させて得られた粉体からなる。
【0061】実施例3における粉体含有シート状物は、
音響的に透明なポリエステルフィルム34を表面シート
として用い、骨格となるペーパーハニカム35のセル内
部に粉体36が充填されているため、粉体の偏りによる
吸音性能の劣化等を防ぎ、粉体のこぼれを防止できる。
そのため、取り扱い性に優れ、かつ粉体層の縦振動によ
り低周波数域において高い吸音特性を得ることが可能と
なる。
【0062】本発明の粉体含有シート状物における粉体
層としては、以上実施例1から3までに示したものに限
定されない。ただし、粉体としては、0.1〜1000
μmの平均粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲のかさ密
度とを有する第1粉体とバネ定数1×102N/m以下の微
小繊維からなる第2粉体との混合粉体であるか、また
は、0.1〜1000μmの平均粒径と0.1〜1.5
g/cm3 の範囲のかさ密度とを有する第1粉体とバネ定数
1×102N/m以下の微小繊維からなる第2粉体とを有
し、前記微小繊維が前記第1粉体の粒子の表面に付着し
ているものを用いることがより一層望ましい。つまり、
吸音特性に優れた粉体を用いることによって、粉体の充
填量、つまり粉体層厚みを薄くしても低周波数域での吸
音性能を発現できる。そのため、シート状に成形した粉
体含有シート状物において、吸音性能と材料としての取
り扱い性共に満足させることが可能となる。
【0063】(実施例4)実施例4の吸音材は、図14
に示すような構造を有している。吸音材は、箱状体30
0の上面開口を覆うように粉体含有シート状物37を開
口部分の縁に接着させて得られる。箱状体300として
は、厚み3mmの合板を用いた底板39および側板38か
らなるものを用いる。シート状物37は、図10にも示
すように、ガラスクロス28が、熱融着性のバインダー
によって、部分的に接着されて(接着部分30)セル構
造を持ち、その内部に粉体29が保持されている。粉体
29は、平均粒径150μmでかさ密度0.3g/cm3
シリカ粉体(ピーク型の吸音率の周波数特性を有する)
と、微小繊維体である炭化ケイ素ウィスカー(平均繊維
径0.4μm、繊維長5〜20μmの範囲内、バネ定数
10N/m )を重量比1:1で混合して得られた混合粉体
を充填して袋の口を接着剤で封して保持した厚み5mmの
シートである。この吸音材の内部は中空の空気層となっ
ており、空気層の厚みとなる側板38の高さは25mmで
あり、吸音材の総厚みは33mmとなる。空気層は、弾性
層として働く空気層である。
【0064】実施例4における吸音材は、粉体含有シー
ト状物の音波透過側に空気層を設けた構造により、粉体
含有シート状物内部に充填した粉体の共振による吸音作
用と、空気層をバネとした粉体含有シート状物の共振に
よる吸音作用が合わさって、低周波数域での吸音効果の
高いものとなる。 (実施例5)実施例5の吸音材は、図15に示すような
構造を有している。吸音材は、厚み25mm、密度24kg
/m3、ヤング率3×103N/m2 のロックウールファイバ
ー41に、実施例2で示した粉体含有シート状物40を
積層、接着して得られる。粉体含有シート状物40は、
図11にもみるように、平均粒径150μmでかさ密度
0.3g/cm3 のシリカ粉体(ピーク型の吸音率の周波数
特性を有する)の各粒子に、微小繊維構造体であるケイ
酸カルシウム針状粉体(平均繊維径1μm、繊維長5〜
10μmの範囲内、バネ定数16N/m )の粒子(粉体同
士の重量比1:1)と水性のウレタンエマルジョンバイ
ンダーの混合溶液をスプレーコーティングし、熱風中で
乾燥させ付着させた粉体33を、図12に示すように、
ポリプロピレン系不織布32の繊維320の空隙部分に
散布され繊維空隙部分に含ませ、さらには、厚み25μ
mのポリエステルフィルム31によって表面を覆い、シ
ート状に成形してなる。吸音材は、厚み約2mmの粉体含
有シート状物40の音波透過側に、厚み25mmのロック
ウールファイバー41を積層させた構造を持ち、吸音材
総厚みは約27mmである。
【0065】実施例5における吸音材は、粉体含有シー
ト状物40の音波透過側に多孔質層であるロックウール
ファイバー41を設けた構造により、多孔質層をバネと
した粉体含有シート状物の共振による吸音作用により、
低周波数域での吸音効果が高まる。さらには、粉体含有
シート状物が音波透過性を有するため、粉体含有シート
状物を透過した音波が、多孔質材内部に入射することに
より、中高音域での吸音特性も付与できる。
【0066】(実施例6)実施例6の吸音材は、図16
に示すような構造を有している。吸音材は、厚み12m
m、密度400kg/m3、ヤング率7×106N/m2 のロッ
クウール吸音板43に、実施例3で示した粉体含有シー
ト状物42を積層、接着して得られる。粉体含有シート
状物42は、図13にもみるように、ペーパーハニカム
35のセル内部に、平均粒径150μmでかさ密度0.
3g/cm3 のシリカ粉体(ピーク型の吸音率の周波数特性
を有する)の各粒子に、微小繊維構造体である炭化ケイ
素ウィスカー(平均繊維径0.4μm、繊維長5〜20
μmの範囲内、バネ定数10N/m )の粒子(粉体同士の
重量比1:1)と水性のウレタンエマルジョンバインダ
ーの混合溶液をスプレーコーティングし、熱風中で乾燥
させ付着させて得られた粉体36を充填し、音響的に透
明なポリエステルフィルム34により表面を覆いシート
状に成形したものである。吸音材は、厚み約2mmの粉体
含有シート状物42の音波透過側に、厚み12mmのロッ
クウール吸音板43を積層させた構造を持ち、吸音材総
厚みは約14mmである。
【0067】実施例6における吸音材において、多孔質
材としてロックウール吸音板に特に限定はされない。し
かし、かさ密度が300〜500kg/m3 の範囲内であ
り、ヤング率1.0×106 〜1.0×108N/m2 の範
囲内の多孔質材であれば、多孔質材の弾性率が、空気の
体積弾性率よりも1オーダー以上大きくなるため、粉体
含有シート状物の共振による吸音効果は得られない反
面、ボードとしての取り扱いが可能であるといった利点
が得られる。さらには、多孔質材と粉体含有シート状物
とを積層することで、多孔質材としての中高音域での吸
音効果と、粉体含有シート状物の低周波数域での吸音効
果が同時に得られる。
【0068】なお、実施例4〜6に示す吸音材は、粉体
含有シート状物の厚み、充填する粉体の種類、物性、積
層する多孔質材等は本実施例に限定されず、要求される
吸音特性に応じて、任意に選択される。上記実施例4〜
6の吸音材における吸音率の周波数特性を図17(実施
例4)、図18(実施例5)、図19(実施例6)に示
す。これらの吸音率の周波数特性は、JIS A140
9に定める残響室法吸音率の計測方法により計測した結
果である。通常、25mm程度の厚みの市販の多孔質吸音
材(ロックウール、グラスウール等)では500Hz以
下の吸音性能はその吸音率で約0.2以下であるのに対
し、図17〜19に示すように、本実施例の場合、50
0Hz以下の低周波数領域で優れた吸音性能を有するこ
とがわかる。
【0069】また、実施例1〜3に示した粉体含有シー
ト状物は、粉体のこぼれ、偏り等がなく、かつシートと
して取り扱いが容易である。そのため、これらの粉体含
有シート状物を利用した、実施例4〜6の吸音材につい
ても、ロックウール、グラスウール等の市販の吸音材料
と同様に取り扱うことができる。本発明の粉体含有シー
ト状物および粉体含有シート状物を用いた吸音材は、薄
型の低周波吸音材として、リスニングルーム、楽器練習
室の内装材、吸音ダクトの内貼り用、騒音を発生する機
器の防音カバーの内貼り用として用いることができる。
さらには、二重床や二重壁パネル等の間隙に設置するこ
とにより、優れた床衝撃音低減効果あるいは遮音性向上
効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】本発明の粉体含有シート状物は、粒子の
振動により吸音性能を発現する粉体が音響的に透明な袋
状物に充填された構造、前記粉体が多孔質基材内部に充
填され該多孔質基材が音響的に透明な袋状物に充填され
た構造、あるいは、前記粉体が面状に配置された多数の
セルを有する格子状構造体内部に充填され音響的に透明
なシートでセルの表裏面の開口を閉じた構造を有してい
て、厚み5mm以下である。前記粉体は吸音特性に優れて
いるので、この粉体を用いた粉体含有シート状物では、
粉体の充填量を少なくしても、つまり粉体層厚みを薄く
しても低周波数域での吸音性能を発現できる。しかも、
粉体含有シート状物は、粉体が音響的に透明な袋状物ま
たは音響的に透明なシートで閉じられたセル内に充填さ
れていて、厚みが5mm以下であるので、厚みが薄くとも
低周波数域での吸音性能に優れ、かつ材料としての取り
扱い性にも優れている。
【0071】また、粉体含有シート状物は、前記粉体が
音響的に透明な袋状物に充填された構造、前記粉体が多
孔質基材内部に充填され該多孔質基材が音響的に透明な
袋状物に充填された構造、あるいは、前記粉体が面状に
配置された多数のセルを有する格子状構造体内部に充填
され音響的に透明なシートでセルの表裏面の開口を閉じ
た構造を有するため、特に粉体が袋状物またはシート内
部に分割・保持されているため、粉体のこぼれあるいは
移動が妨げられ、粉体の偏り等による吸音性能の低下が
抑制できる。
【0072】粉体含有シート状物の音波透過側に空気層
や多孔質材を設けた構造により、粉体含有シート状物内
部に充填した粉体の共振による吸音作用と、空気層や多
孔質材をバネとした粉体含有シート状物の共振による吸
音作用が合わさって、低周波数域での吸音効果がより一
層高まった吸音材が得られる。また、粉体含有シート状
物が音波透過性を有するため、ロックウール吸音板等の
かさ密度、ヤング率が大きい多孔質材と粉体含有シート
状物とを積層することにより、加工・切断が可能なボー
ドとしての取り扱いが可能で、かつ中高音域での吸音効
果と、粉体含有シート状物の低周波数域での吸音効果と
を併せ持つ吸音材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1、第2の態様の粉体含有シート状物の1実
施例の断面構造を表した図。
【図2】フラット型およびピーク型吸音特性を持つ粉体
層の吸音特性を表した図。
【図3】粉体粒子の表面に微小繊維体を付けた粉体の概
念図。
【図4】第3の態様の粉体含有シート状物の1実施例の
断面構造を表した図。
【図5】第4の態様の粉体含有シート状物の1実施例を
表した分解斜視図。
【図6】第4の態様の粉体含有シート状物の別の1実施
例を表した分解斜視図。
【図7】第1の態様の吸音材の1実施例の断面構造を示
す図。
【図8】第2の態様の吸音材の1実施例の断面構造を示
す図。
【図9】第3の態様の吸音材の1実施例の断面構造を示
す図。
【図10】実施例1の粉体含有シート状物の構成を表し
た斜視図。
【図11】実施例2の粉体含有シート状物の構成を表し
た分解斜視図。
【図12】実施例2の粉体含有シート状物の内部構造を
表す概念図。
【図13】実施例3の粉体含有シート状物の構成を表し
た分解斜視図。
【図14】実施例4の吸音材の構成を表した斜視図。
【図15】実施例5の吸音材の構成を表した斜視図。
【図16】実施例6の吸音材の構成を表した斜視図。
【図17】実施例4の吸音材の吸音特性を表す図。
【図18】実施例5の吸音材の吸音特性を表す図。
【図19】実施例6の吸音材の吸音特性を表す図。
【図20】発泡ウレタンの内部構造を表す断面図。
【図21】グラスウールの内部構造を表す断面図。
【図22】従来の吸音材における粉体層の振動モードを
表した図。
【符号の説明】 5 粉体 6 袋状のシート 7 接着部分 10 粉体粒子 11 微小繊維 12 袋状物 13 多孔質基材 14 粉体 15 シート 16 メッシュ状構造体 17 粉体 18 シート 19 セル構造体 20 粉体 21 粉体含有シート状物 23 空気層 24 粉体含有シート状物 25 多孔質材 26 粉体含有シート状物 27 多孔質材 28 ガラスクロス 29 粉体 30 接着部分 31 ポリエステルフィルム 32 ポリプロピレン系不織布 33 粉体 34 ポリエステルフィルム 35 ペーパーハニカム 36 粉体 37 粉体含有シート状物 40 粉体含有シート状物 41 ロックウールファイバー 42 粉体含有シート状物 43 ロックウール吸音板

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子の振動により吸音性能を発現する粉体
    と、音響的に透明な袋状物とを備え、前記粉体が前記袋
    状物に充填されている、厚み5mm以下の粉体含有シート
    状物。
  2. 【請求項2】前記袋状物の内部空間が面状に配置された
    多数の小空間に仕切られていて、前記粉体が前記多数の
    小空間に充填されている、請求項1に記載の粉体含有シ
    ート状物。
  3. 【請求項3】粒子の振動により吸音性能を発現する粉体
    と、多孔質基材と、音響的に透明な袋状物とを備え、前
    記多孔質基材が前記袋状物に充填されており、前記粉体
    が前記多孔質基材の空隙に含まれている、厚み5mm以下
    の粉体含有シート状物。
  4. 【請求項4】粒子の振動により吸音性能を発現する粉体
    と、表裏面が開口した多数のセルが面状に配置された格
    子状構造体と、前記格子状構造体をその表裏面から挟ん
    で前記セルの表裏面の開口を閉じる音響的に透明なシー
    トとを備え、前記粉体が、前記セル内に充填されてい
    る、厚み5mm以下の粉体含有シート状物。
  5. 【請求項5】前記粉体が、0.1〜1000μmの平均
    粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲のかさ密度とを有す
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の粉体含有シート状
    物。
  6. 【請求項6】前記粉体が、0.1〜1000μmの平均
    粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲のかさ密度とを有す
    る第1粉体とバネ定数1×102N/m以下の微小繊維から
    なる第2粉体との混合粉体である、請求項1〜4のいず
    れかに記載の粉体含有シート状物。
  7. 【請求項7】前記粉体が、0.1〜1000μmの平均
    粒径と0.1〜1.5g/cm3 の範囲のかさ密度とを有す
    る第1粉体とバネ定数1×102N/m以下の微小繊維から
    なる第2粉体とを有し、前記微小繊維が前記第1粉体の
    粒子の表面に付着している、請求項1〜4のいずれかに
    記載の粉体含有シート状物。
  8. 【請求項8】請求項1〜7までのいずれかに記載の粉体
    含有シート状物が、吸音する音波の入射側に設置され、
    前記粉体含有シート状物の音波の透過側に存在する空気
    が弾性層として働く構造を持つ、吸音材。
  9. 【請求項9】請求項1〜7までのいずれかに記載の粉体
    含有シート状物が、吸音する音波の入射側に設置され、
    前記粉体含有シート状物の音波の透過側に、200kg/m
    3 以下のかさ密度と1.0×103 〜1.0×106N/m
    2 の範囲内のヤング率とを有する多孔質材が積層されて
    いる、吸音材。
  10. 【請求項10】請求項1〜7までのいずれかに記載の粉
    体含有シート状物が、吸音する音波の入射側に設置さ
    れ、前記粉体含有シート状物の音波の透過側に、300
    〜500kg/m3 の範囲内のかさ密度と1.0×106
    1.0×108N/m2 の範囲内のヤング率とを有する多孔
    質材が積層されている、吸音材。
  11. 【請求項11】前記多孔質材が、ロックウール繊維とバ
    インダーからなるロックウール吸音板である、請求項1
    0に記載の吸音材。
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JP2015148108A (ja) * 2014-02-07 2015-08-20 大成建設株式会社 吸音構造
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