JPH09113798A - レトロフォーカス型レンズ - Google Patents
レトロフォーカス型レンズInfo
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- JPH09113798A JPH09113798A JP7292111A JP29211195A JPH09113798A JP H09113798 A JPH09113798 A JP H09113798A JP 7292111 A JP7292111 A JP 7292111A JP 29211195 A JP29211195 A JP 29211195A JP H09113798 A JPH09113798 A JP H09113798A
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Abstract
トロフォーカス型レンズを提供する。 【解決手段】物体側から順に負屈折力の第1レンズ群G
1と正屈折力の第2レンズ群G2を有し、第1レンズ群G
1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズLAと、
該負メニスカスレンズ成分LAよりも像側に配置された
正レンズLBとを有し、第1レンズ群G1の各レンズ面の
うち少なくとも1面は非球面に形成され、第2レンズ群
G2は、物体側から順に共に正屈折力の第2レンズ群前
群G2Fと第2レンズ群後群G2Rを有し、近距離物点への
合焦は、第2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G2R
を共に物体側に移動することによって行い、第2レンズ
群前群G2Fと第2レンズ群後群G2Rとの無限遠物点合焦
時から近距離物点合焦時までの移動量をそれぞれXFと
XRとしたとき、1<XR/XF≦5なる条件を満足する
ことを特徴とする。
Description
カス方式のレトロフォーカス型レンズに関するものであ
る。
ンズの合焦方式としては、近距離性能の向上および操作
性の向上のために、レンズの後部を移動させて合焦を行
うリアフォーカス方式がある。このうち特開昭59−2
16114号公報に開示されたリアフォーカス方式のレ
トロフォーカス型広角レンズは、画角が2ω=64°と
比較的小さく、また負の前群と正の後群との色消しおよ
び両群の独立した収差補正が不十分であり、この結果合
焦による後群の移動に伴い、像面湾曲、非点収差、コマ
収差の変動が大きく、倍率色収差の変動も発生する不都
合があった。
は、合焦時に2つの群を移動させて近距離合焦時の収差
変動を減少させた超広角レトロフォーカス型レンズが開
示されている。しかしながらこの合焦方式では、下方コ
マ収差の補正と倍率色収差の変動への対処が必ずしも十
分ではなく、各移動群に対し、さらに十分な各群色消し
および独立した収差補正が望まれていた。また特開平5
−188294号公報には、第1レンズ群を残して後群
が3群に分離し、それぞれ移動する合焦方式を有した比
較的画角の小さい大口径広角レトロフォーカス型レンズ
が開示されている。しかしながらこの合焦方式は3群に
分離して行うため、複雑でコストアップにつながるもの
である。また各群色消しが必ずしも十分にはなされてお
らず、さらには各群の独立した収差補正も必ずしも十分
には行われていないために、倍率色収差の変動を招くお
それがあった。また製造上の問題として、結像性能が非
常に良好に達成できたとしても、製造公差がきびしく、
かつ偏心に対して必ずしも十分に強いとは言えなかっ
た。
あり、大画角を有し、比較的大口径を有し、無限遠物点
から近距離物点に至る合焦領域全域で安定した高い結像
性能を有し、特に像面湾曲、非点収差、倍率色収差の合
焦による変動が非常に少なく、小型で前玉径も小さく、
構成枚数の少ないリアフォーカス方式のレトロフォーカ
ス型レンズを提供することを課題とする。
フォーカス型の広角レンズは、テッサータイプのような
マスターレンズに逆ガリレオ式のコンバーターを付けた
ところから発展している。本質的には負の前群と正の後
群とを空気間隔によって十分に分離し、主点を像側に移
動させ、一眼レフに使用できるようにバックフォーカス
を十分に確保するように設計されている。そのためパワ
ー配置の点から見ると、負の前群と正の後群とが十分に
分離され、軸上光線の入射高hと軸外光線の入射高he
とが各レンズ面への入射高において明確な差を有してい
た。したがって、その軸上光線と軸外光線との入射高
h,heの差を十分に利用することで、収差補正の自由
度が増すという要素も有していた。しかしながら前後群
の明確な分離は、全系の大型化や前玉径の増大を生むこ
とになる。また画角が増加すれば、さらなる大型化や前
玉径の増大を招くことになる。したがって近年のレトロ
フォーカス型広角レンズや超広角レンズでは、前後群の
分離を弱め、大きな空気間隔をガラスの厚肉化によって
補い、小型化と小径化を進めてきた。しかしながら収差
的には、像面湾曲収差と倍率色収差の曲がりや、下方コ
マ収差の画角による差の増大を招く等の欠点を生じるこ
ととなる。
光線と軸外光線との入射高h,heの分離が不十分であ
ることに起因するものと、前群と後群との間隔を十分に
確保していないために各レンズを強いパワーによって構
成する必要があり、各入射光線、特に軸外光線の偏角α
eが大きくなり、各面での収差発生量が増大することに
起因するものとが考えられる。それらを解決するには、
複数枚のレンズで構成し、できるだけ各レンズ面に入射
・射出する軸外光線の偏角αeを小さくすることが必要
であり、その結果大型化し、前群と後群とを分離したタ
イプのレトロフォーカス型広角レンズとの差が微小にな
ってしまう。また、特に画角2ωが94°を越えるよう
な超広角レンズにおいては、さらにこの現象が顕著に発
生するために、現在の超広角レンズのほとんどは、前玉
径が大きすぎて、巨大なフィルターしか取り付かない
か、または前玉径が大きすぎてフィルターの取り付かな
いレンズが一般的である。これらの問題を解決する手段
が負の前群に非球面を導入して薄肉化を図ることと、
負、正、2群ズームレンズのパワー配置の決定方法を超
広角レンズのパワー配置の決定に応用することである。
また、負、正の2群に前群と後群とを明確に分離するこ
とは、独立して収差補正を行い、当然色消しも十分行う
ことでもあり、正の後群を合焦のために移動させても、
色収差をはじめとする各収差の変動を極力抑えることが
可能になるのである。
を十分に分離し、各群独立に収差補正を行うこととし
た。このとき、前群と後群とのパワーバランスと、前群
と後群との間の空気間隔の大小によって、前玉径、全
長、バックフォーカス、構成枚数の多寡、合焦時の移動
量や性能劣化などがほぼ決定する。また、超広角化すれ
ばするほど軸外光線の入射高heは大きくなり、負の前
群も巨大化、厚肉化する。そのため本発明では、負正2
群ズームレンズの前群の収差構造より、最適な負の前群
の構成を見出した。すなわち本発明の第1レンズ群G1
には、負メニスカスレンズ成分A1と、それよりも像側
の正レンズ成分LBとを設け、両レンズ成分LA,LBの
間隔を十分に保ち、且つ第1レンズ群G1に非球面を導
入することによって構成枚数を減らし、薄肉化、小型
化、小径化を行っている。したがって、第1レンズ群G
1がこの必要条件を満たさなければ、大型化や前玉径の
増大は免れず、本発明の目的の1つを達成できなくな
る。
を合焦群として使用し、近距離撮影時に物体側に移動さ
せる方式を採っている。この方式においては前記したと
おり、正の後群である第2レンズ群G2を正のマスター
レンズ群として独立した収差補正を行うことが望まし
く、すなわち、合焦のための移動によって発生する軸外
光線の偏角αeや入射高heの変化による収差変動が、極
力少なくなるようなレンズ構成や特別な手段が望まれ
る。そこで本発明においては、第2レンズ群G2内にさ
らに可変間隔(フローティング間隔)を設定し、第2レ
ンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G2Rとを互いに異な
る移動量で移動することによって合焦を行い、主に像面
湾曲等の軸外収差を極力小さくするフローティング方式
を採用することとした。また、基本的な第2レンズ群G
2のレンズ構成および形状は、主にテッサータイプ、エ
ルノスタータイプ、ガウスタイプ等の構成をベースにす
ることが望ましいが、特にガウスタイプをベースにした
場合、無限遠物点からの軸上光線の傾角αが比較的小さ
い空気間隔が存在し、フローティング方式のベースにす
ることに適している。
れたものであり、すなわち、物体側から順に、負の屈折
力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第
2レンズ群G2とを有し、第1レンズ群G1は、物体側に
凸面を向けた負メニスカスレンズ成分LAと、該負メニ
スカスレンズ成分LAよりも像側に配置された正レンズ
成分LBとを有し、第1レンズ群G1の各レンズ面のうち
少なくとも1面は非球面に形成され、第2レンズ群G2
は、物体側から順に、正の屈折力を有する第2レンズ群
前群G2Fと、正の屈折力を有する第2レンズ群後群G2R
とを有し、無限遠物点から近距離物点への合焦は、第2
レンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G2Rとを互いに異
なる移動量にて物体側に移動することによって行い、第
2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G2Rとの無限遠
物点合焦時から近距離物点合焦時までの移動量をそれぞ
れXFとXRとしたとき、 1<XR/XF≦5 ‥‥(1) なる条件を満足するレトロフォーカス型レンズである。
収差の変動、特に像面湾曲、非点収差の変動を抑えるた
めの条件である。第2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群
後群G2Rとの間の空気間隔は、その直後のレンズ面に入
射する軸上光線の傾角αが小さいほど球面収差等の変動
を伴わずに軸外収差の変動が可能になり、好ましい。し
たがって、第2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G
2Rとの間の空気間隔の変化による像面湾曲及び非点収差
等の軸外収差の変動について着目した場合に、条件
(1)の下限を下回ると、第2レンズ群後群G2Rの移動
量が第2レンズ群前群G2Fよりも少なくなり、無限遠か
ら近距離への合焦時にフローティングのために使用する
可変間隔が広がる状態になる。本発明の場合、近距離合
焦時に発生する像面湾曲、非点収差の正の方向に大きく
変位する現象を補正し、無限遠から近距離物点合焦時に
至るまで良好な像面湾曲および非点収差の補正状態を保
つことを主な目的としてリアーフォーカスのフローティ
ング方式を採用している。したがって、フローティング
間隔が近距離で広がる方向では、像面湾曲および非点収
差がより正の方向に変位し悪化してしまい、フローティ
ング方式を採用する意味がなくなるので好ましくない。
なお、条件(1)の下限を1.2にすると、さらに像面
湾曲、非点収差等の収差の変動が少なくなり、さらに条
件(1)の下限を1.3にすれば、本発明の効果をより
発揮できる。
2レンズ群後群G2Rの移動量が著しく大きくなり、第2
レンズ群前群G2Fとの間のフローティング間隔を確保す
るのが困難になる。また、収差的に見てもフローティン
グ効果が過剰に働き、上記とは逆に像面湾曲、非点収差
が近距離撮影時に負の方向に変位し、好ましくない。な
お、条件(1)の上限を3.0とし、さらには2.5と
すると、さらに本発明の効果を発揮することができる。
G2Fと第2レンズ群後群G2Rとの焦点距離をそれぞれf
2Fとf2Rとしたとき、 0.1≦f2R/f2F≦5 ‥‥(2) なる条件を満足することが好ましい。条件(2)の下限
を下回る場合、第2レンズ群後群G2Rに比べて第2レン
ズ群前群G2Fのパワーが弱くなることを意味している。
この場合、第2レンズ群後群G2Rの最も物体側のレンズ
面に入射する軸上光線の傾角αが発散したままとなり、
値も比較的大きな値になる。したがって、合焦時にフロ
ーティングを行えば、傾角αが大きい値を取る分だけ球
面収差の変動を発生させ好ましくない。また、球面収差
の変動がある程度許容できるような暗い光学系において
も、第2レンズ群G2全体のパワーの中で第2レンズ群
後群G2Rに強いパワーを持たせることになり、上方コマ
収差が悪化し、好ましくない。なお、条件(2)の下限
を0.2とし、さらには0.3とすると、さらに良好な
パワーバランスが得られ、本発明の効果をより発揮でき
る。
とは逆に第2レンズ群後群G2Rのパワーが弱まり、第2
レンズ群前群G2Fのパワーが強まるパワーバランスにな
る。このため、後群G2Rの最も物体側のレンズ面に入射
する軸上光線の傾角αは収れんし、比較的に大きい値を
取る。したがって、フローティングを行えば傾角αが大
きい分球面収差の変動を招き好ましくない。また、第2
レンズ群G2全体のパワーの中で、第2レンズ群前群G
2Fに強いパワーを持たせることになり、第1レンズ群G
1から入射する大きく発散された軸上光線を強いパワー
によって収れんさせなければならず、球面収差の補正が
悪化し好ましくない。なお、条件(2)の上限を4と
し、さらには3.5とすることによって、さらに良好な
パワーバランスになり、本発明の効果を発揮することが
できる。
の焦点距離をf1とし、第2レンズ群G2の無限遠合焦時
における焦点距離をf2としたとき、 0.5≦|f1|/f2≦2.4 ‥‥(3) なる条件を満足することが好ましい。条件(3)の下限
を下回ると、第2レンズ群G2に比べて第1レンズ群G1
のパワーが著しく強くなるために、前玉径は小さくなる
が、下方コマ収差、像面湾曲、非点収差が良好に補正で
きなくなるので好ましくない。なお、条件(3)の下限
を0.7とすることにより、より少ないレンズ構成で良
好な収差補正が可能になる。
ンズ群G2に比べて第1レンズ群G1のパワーが弱くなる
ために、前玉径の増大につながる。また、第2レンズ群
G2のパワーが強まりすぎた場合、球面収差の補正が悪
化する傾向があるばかりか、バックフォーカスが十分に
確保できなくなる可能性があり、好ましくない。なお、
条件(3)の上限を2とし、さらには1.92とするこ
とによって、さらに小型で良好な収差補正が可能にな
る。
点距離をfとし、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2と
の間の無限遠合焦時の可変空気間隔をD1-2としたと
き、 0.3≦D1-2/f≦2.5 ‥‥(4) なる条件を満足することが好ましい。条件(4)の下限
を下回ると、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2への軸
外光線の入射高heや傾角αeと、軸上光線の入射高hや
傾角αとの分離が不十分になり、像面湾曲、非点収差、
下方コマ収差が悪化するばかりか、前玉径が増大し好ま
しくない。また、合焦時の移動量を十分に確保できなく
なり好ましくない。なお条件(4)の下限を0.41と
し、さらには0.45にすると、さらに軸外光線に対す
る収差補正が有利になる。更に0.5にすると、より前
玉径を小さくし、十分な周辺光量を得ることができる。
大きくなりすぎ好ましくない。また、その値が第1レン
ズ群G1の薄肉化により達成されたものであれば、当
然、前記のとおり軸外収差の悪化と、周辺光量不足を招
く結果になり好ましくない。なお、条件(4)の上限を
2とし、さらには1.5にすると、全長を十分短く保つ
ことができ、より好ましい。
の無限遠合焦時における焦点距離をf2としたとき、 1.6≦f2/f≦3 ‥‥(5) なる条件を満足することが好ましい。条件(5)の下限
を下回ると、第2レンズ群G2のパワーが著しく強くな
るため、バックフォーカスが十分に確保できなくなるば
かりか、球面収差や上方コマ収差の補正が困難になる。
また、合焦時の収差変動も増し好ましくない。なお、条
件(5)の下限を1.75にすれば、より良好な収差補
正が可能となる。
レンズ群G2のパワーが弱くなるため、全長が大きくな
り、また、ペッツバール和も負の方向に変位するため、
非点収差が悪化し、これを良好に補正するためには構成
枚数の増大につながり、好ましくない。また、合焦時に
移動量が増大し、その結果さらなる大型化を招き好まし
くない。なお、条件(5)の上限を2.6にすることに
よって、よりコンパクトで、収差補正が良好なレトロフ
ォーカス型レンズが達成できる。
中の負メニスカスレンズ成分LAを最も物体側に配置
し、該負メニスカスレンズ成分LAの焦点距離をfAとし
たとき、 0.1≦fA/f1≦1.0 ‥‥(6) なる条件を満足することが好ましい。条件(6)の下限
を下回ると、第1レンズ群G1のパワーに比べて、負メ
ニスカスレンズ成分LAが著しく強いパワーを有するこ
とになる。したがって、軸外光線の入射高heの最も大
きい負レンズが著しく強いパワーを有することになり、
非球面を導入しても十分な歪曲、像面湾曲等の軸外収差
の補正が困難になる。逆に条件(6)の上限を上回る
と、軸外光線の入射高heの最も大きい負レンズのパワ
ーが弱まることを意味し、前玉径の増大、周辺光量の低
下を招き好ましくない。なお、条件(6)の上限を0.
8とし、さらには0.65にすると、さらに本発明の効
果を発揮することができる。
中の正レンズ成分LBを最も像側に配置し、該正レンズ
成分LBのd線を基準としたアッベ数をνdとしたとき、 νd<45 ‥‥(7) なる条件を満足することが好ましい。本発明の場合、各
群とも単独で十分な収差補正および色消しをするところ
に特徴がある。したがって、第1レンズ群G1が比較的
強いパワーを有する負のレンズ群の場合、十分に色消し
するためには、第1レンズ群G1内の正レンズ成分LBに
高分散、すなわちアッベ数の小さいガラスを使用する必
要がある。したがって条件(7)の上限を上回ると、本
発明の場合、第1レンズ群G1の色消しが十分行えず、
結果的に倍率色収差が著しく悪化し好ましくない。な
お、条件(7)の上限を35とし、さらには30とする
ことによって、より良好な色消しが可能になり望まし
い。
中の正レンズ成分LBを最も像側に配置し、該正レンズ
成分LBの焦点距離をfBとしたとき、 0.3≦fB/|f1|≦2.0 ‥‥(8) なる条件を満足することが好ましい。条件(8)の下限
を下回ると、正レンズ成分LBのパワーが強くなりすぎ
て厚肉化し、レンズのフチ厚がなくなり加工困難にな
る。また、収差補正上の問題が解決できたとしても偏心
に弱く好ましくない。なお、条件(8)の下限を0.5
にすることで、さらに本発明の効果が発揮できる。逆に
条件(8)の上限を上回ると、正レンズ成分LBのパワ
ーが弱くなり、下方コマ収差、像面湾曲の補正を十分に
行うには、結果的に他に複数の正レンズが必要になり、
コストアップと大型化の点で好ましくない。なお、条件
(8)の上限を1.7とすることによって、さらに本発
明の効果が発揮できる。
が、正レンズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを
少なくとも1組有し、該接合レンズの正レンズと負レン
ズとのd線に対する屈折率をそれぞれnpとnnとしたと
き、 0.15≦nn−np≦0.5 ‥‥(9) なる条件を満足することが好ましい。本発明のように、
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が共に比較的に強い
パワーを有したレトロフォーカス型レンズの場合、ペッ
ツバール和を正の値にするために、接合レンズを有する
ことが望ましい。条件(9)の下限を下回ると、接合レ
ンズ中の負レンズと正レンズとの屈折率の差が著しく小
さくなり、ペッツバール和が小さくなりすぎて、結果的
に像面湾曲および非点収差が補正困難になり好ましくな
い。なお、条件(9)の下限を0.2とし、さらには
0.25にすると、より良好な収差補正が可能になる。
逆に条件(9)の上限を上回る場合、現在のガラス材料
においては負レンズの分散が大きくなり過ぎて色消し過
剰になり好ましくない。
の中に、又は第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間
に、開口絞りを配置することが好ましい。また、さらに
好ましくは、開口絞りを第2レンズ群G2の中に配置
し、開口絞りを挟んだ前後に、少なくとも各1組の正レ
ンズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを配置する
ことが望ましい。この場合、両方の接合レンズが条件
(9)を満足することがより望ましい。また本発明にお
いては、第1レンズ群G1中の負メニスカスレンズ成分
LAと正レンズ成分LBとの間に、負レンズ成分を介在さ
せることもできる。
は、軸外光線の入射高heが比較的大きいところが歪
曲、像面湾曲等の補正に有利なため、負メニスカスレン
ズ成分LAに設けることが望ましく、像面に向かって凹
面を向けた像面側の面に設定することがより望ましい。
また、非球面の形状は、負レンズ成分に設けた場合、中
心部分の曲率より、周辺部分の曲率が緩くなる形状すな
わち中心部分に比べ周辺部分の負の屈折力(度)が弱く
なる形状を有し、また、正レンズ成分に設けた場合、中
心部分の曲率より周辺部分の曲率が強くなる形状、すな
わち中心部分に比べ周辺部分の正の屈折力(度)が強く
なる形状を有することが望ましい。
する。図1、図4、図7、図10及び図13に、それぞ
れ本発明によるレトロフォーカス型レンズの第1〜第5
実施例のレンズ構成図を示す。各実施例は物体側から順
に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折
力を有する第2レンズ群G2とを有する。第1レンズ群
G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ成分
LAと、該負メニスカスレンズ成分LAよりも像側に配置
された正レンズ成分LBとを有し、第1レンズ群G1の各
レンズ面のうち少なくとも1面は非球面に形成されてい
る。第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力
を有する第2レンズ群前群G2Fと、正の屈折力を有する
第2レンズ群後群G2Rとを有する。このレトロフォーカ
ス型レンズでは、無限遠物点から近距離物点への合焦に
際して、第2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G2R
とを互いに異なる移動量で物体側に移動することによっ
てフォーカシングを行っている。
実施例の全体諸元、レンズ諸元、非球面データ、及びフ
ォーカシングデータを示す。各表の全体諸元において、
fは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角を
表す。また各表のレンズ諸元において、第1カラムは物
体側からのレンズ面の番号、第2カラムrはレンズ面の
曲率半径、第3カラムdはレンズ面の中心間距離、第4
カラムνdはd線(λ=587.6nm)を基準とした
アッベ数、第5カラムndはd線による屈折率、第6カ
ラムはレンズ群番号を表す。
球面を表し、非球面のレンズ面における曲率半径rは、
非球面の頂点での曲率半径を表す。いずれの非球面も、
次式で表される回転対称非球面である。 x:非球面の頂点から光軸方向に測った距離 y:非球面の頂点を通る光軸からの高さ C0:1/r(r=非球面の頂点曲率半径) k:円錐定数 C4,C6,C8,C10:4次〜10次の非球面係数
は非球面のレンズ面の番号、第2カラムkは円錐定数、
第3カラムC4、C6、C8及びC10は非球面係数を表
す。各表のフォーカシングデータにおいて、f/βは焦
点距離又は横倍率、DOは物点距離、D1-2は第1レンズ
群G1と第2レンズ群G2との間の可変空気間隔、Bfは
バックフォーカスを表す。
条件(1)〜(9)におけるパラメータの値を示す。条
件(1)のパラメータXR/XFの値は、上段が最適値、
中段と下段がそれぞれ実用的に使用可能の範囲の上限と
下限を示している。すなわち中段と下段との範囲内にパ
ラメータXR/XFの値を保って合焦を行えば、実用上十
分な性能が得られるが、各実施例においては最適な値と
して表に示した数値により作成されている。また条件
(9)のパラメータnn−npの値は、第2レンズ群G2
中の接合レンズのうち、物体側から順に存在する接合レ
ンズの個数分だけ示している。
9)に第1実施例の、図5(DO=∞)と図6(β=−
0.089)に第2実施例の、図8(DO=∞)と図9
(β=−0.1)に第3実施例の、図11(DO=∞)
と図12(β=−0.1)に第4実施例の、及び図14
(DO=∞)と図15(β=−0.1)に第5実施例の
諸収差を示す。球面収差図中、点線は正弦条件を示し、
非点収差図中、破線はメリジオナル像面を表し、実線は
サジタル像面を示す。各図中FNOはFナンバー、NAは
開口数、ωは半画角、HOは近距離物点に対する入射高
を表す。表6及び各収差図より明らかなように、各実施
例とも所要のレンズ構成と条件(1)とを満たすことに
より、更には条件(2)〜(9)を満たすことにより、
諸収差が良好に補正されたレトロフォーカス型レンズが
得られたことが分かる。
ーがF3.5〜F2.8と明るく、画角2ωが2ω=9
5°〜106°に及ぶ超広角レトロフォーカス型レンズ
において、小型で前玉径が小さく、かつ合焦時の収差変
動が小さく、特に像面湾曲や非点収差、倍率色収差の変
動がほとんどなく、近距離合焦時の周辺光量低下もほと
んどない、リアフォーカス方式のレトロフォーカス型レ
ンズを実現することができる。
面を導入したが、第2レンズ群G2にさらに非球面を設
けて大口径化することも可能である。また各実施例の第
1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔より
明らかなように、最短撮影距離をさらに短縮することも
できる。また本発明では、第1レンズ群G1と第2レン
ズ群G2とで独立した収差補正および色消しを実現して
いるため、第2レンズ群G2を第1レンズ群G1の光軸に
対してシフトさせたり、フィルム面に対しティルトさせ
ることによって、シフト、ティルトレンズとして発展さ
せることも可能であり、本発明のどの実施例を用いても
良好な収差補正を実現することができる。また同様の機
構により、いわゆる防振レンズとしても使用可能であ
り、このような機構を付加した場合も本発明の範囲内で
ある。
レンズ群 G2F…第2レンズ群前群 G2R…第2
レンズ群後群 LA…負メニスカスレンズ成分 LB…正レ
ンズ成分 D1-2…第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可
変空気間隔 ※…非球面 S…開口絞
り
Claims (13)
- 【請求項1】物体側から順に、負の屈折力を有する第1
レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と
を有し、 前記第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニ
スカスレンズ成分LAと、該負メニスカスレンズ成分LA
よりも像側に配置された正レンズ成分LBとを有し、第
1レンズ群G1の各レンズ面のうち少なくとも1面は非
球面に形成され、 前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力
を有する第2レンズ群前群G2Fと、正の屈折力を有する
第2レンズ群後群G2Rとを有し、 無限遠物点から近距離物点への合焦は、前記第2レンズ
群前群G2Fと第2レンズ群後群G2Rとを互いに異なる移
動量にて物体側に移動することによって行い、 前記第2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群後群G2Rとの
無限遠物点合焦時から近距離物点合焦時までの移動量を
それぞれXFとXRとしたとき、以下の条件を満足するレ
トロフォーカス型レンズ。 1<XR/XF≦5 ‥‥(1) - 【請求項2】前記第2レンズ群前群G2Fと第2レンズ群
後群G2Rとの焦点距離をそれぞれf2Fとf2Rとしたと
き、以下の条件を満足する請求項1記載のレトロフォー
カス型レンズ。 0.1≦f2R/f2F≦5 ‥‥(2) - 【請求項3】前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1と
し、前記第2レンズ群G2の無限遠合焦時における焦点
距離をf2としたとき、以下の条件を満足する請求項1
又は2記載のレトロフォーカス型レンズ。 0.5≦|f1|/f2≦2.4 ‥‥(3) - 【請求項4】レンズ系全系の焦点距離をfとし、前記第
1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の無限遠合焦時
の空気間隔をD1-2としたとき、以下の条件を満足する
請求項1、2又は3記載のレトロフォーカス型レンズ。 0.3≦D1-2/f≦2.5 ‥‥(4) - 【請求項5】レンズ系全系の焦点距離をfとし、前記第
2レンズ群G2の無限遠合焦時における焦点距離をf2と
したとき、以下の条件を満足する請求項1、2、3又は
4記載のレトロフォーカス型レンズ。 1.6≦f2/f≦3 ‥‥(5) - 【請求項6】第1レンズ群G1中の前記負メニスカスレ
ンズ成分LAは最も物体側に配置され、 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、該第1レン
ズ群G1の前記負メニスカスレンズ成分LAの焦点距離を
fAとしたとき、以下の条件を満足する請求項1、2、
3、4又は5記載のレトロフォーカス型レンズ。 0.1≦fA/f1≦1.0 ‥‥(6) - 【請求項7】第1レンズ群G1中の前記正レンズ成分LB
は最も像側に配置され、 該正レンズ成分LBのd線を基準としたアッベ数をνdと
したとき、以下の条件を満足する請求項1〜6のいずれ
か1項記載のレトロフォーカス型レンズ。 νd<45 ‥‥(7) - 【請求項8】第1レンズ群G1中の前記正レンズ成分LB
は最も像側に配置され、 前記第1レンズ群G1の焦点距離をf1とし、該第1レン
ズ群G1の前記正レンズ成分LBの焦点距離をfBとした
とき、以下の条件を満足する請求項1〜7のいずれか1
項記載のレトロフォーカス型レンズ。 0.3≦fB/|f1|≦2.0 ‥‥(8) - 【請求項9】前記第2レンズ群G2は、正レンズと負レ
ンズとの接合よりなる接合レンズを少なくとも1組有
し、 該接合レンズの前記正レンズと負レンズとのd線に対す
る屈折率をそれぞれnpとnnとしたとき、以下の条件を
満足する請求項1〜8のいずれか1項記載のレトロフォ
ーカス型レンズ。 0.15≦nn−np≦0.5 ‥‥(9) - 【請求項10】前記第2レンズ群G2の中に、又は前記
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に、開口絞り
を配置した請求項1〜9のいずれか1項記載のレトロフ
ォーカス型レンズ。 - 【請求項11】前記開口絞りは前記第2レンズ群G2の
中に配置され、 該開口絞りを挟んだ前後に、少なくとも各1組の正レン
ズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを配置した請
求項10記載のレトロフォーカス型レンズ。 - 【請求項12】第1レンズ群G1中の前記負メニスカス
レンズ成分LAと正レンズ成分LBとの間に、負レンズ成
分を介在させた請求項1〜11のいずれか1項記載のレ
トロフォーカス型レンズ。 - 【請求項13】第1レンズ群G1中の前記負メニスカス
レンズ成分LAの像側レンズ面を、前記非球面とした請
求項1〜12のいずれか1項記載のレトロフォーカス型
レンズ。
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