JPH09113710A - 反射シート - Google Patents

反射シート

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JPH09113710A
JPH09113710A JP8213838A JP21383896A JPH09113710A JP H09113710 A JPH09113710 A JP H09113710A JP 8213838 A JP8213838 A JP 8213838A JP 21383896 A JP21383896 A JP 21383896A JP H09113710 A JPH09113710 A JP H09113710A
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JP
Japan
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particles
sheet
reflectance
silver
reflection sheet
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Application number
JP8213838A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kawamoto
悟志 川本
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
Futoshi Hoshino
太 星野
Makoto Nakano
誠 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 シート30上に、樹脂をバインダーと
して粒子を塗布することにより凹凸を生じせしめた層2
0を作製し、当該凹凸面に銀薄膜層10を形成した反射
シート。 【効果】 拡散反射率が大きな反射シートにおいても
鏡面反射シート(拡散反射率3%以下)と同様な高い反
射率が得られる。これにより、反射型液晶用反射シート
においてこれまでよりも高い輝度と広い視野角を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OA機器などに使
用される反射シートに関するものであり、特に反射型の
液晶表示装置に好適に用いられる反射シートに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置(LCD)は、薄型、軽
量、低消費電力の特徴を活かして次々と応用範囲を広げ
ている。現在、LCDの約7割がノート型パソコン及び
ワープロ向けであるが今後は、カーナビゲーション向
け、PDA(個人情報端末)向けの需要が増えるとみら
れている。ノート型パソコン及びワープロ用のLCDの
主流はバックライト型LCDであり、これらの表示装置
の裏面に用いられている反射シートには、主に拡散反射
率が90%以上の白色顔料入り樹脂シートが用いられて
いる。しかして、今後普及することが期待されている小
型の携帯情報機器においては、消費電力の少ない反射型
の液晶表示装置に期待が寄せられている。反射型の液晶
表示装置ではバックライト型のLCDと異なり外光を用
いるために、これまで以上に高い反射率(正反射率+拡
散反射率)の反射シートが求められている。また、反射
型液晶の表示面では、紙と同様に、どのような角度でみ
ても同じ様に白く見えることが理想とされている。この
ようにLCDの表示面を紙のように白くすることをLC
Dのペーパーホワイト化と呼んでいる。ペーパーホワイ
ト化を達成する要因としては、紙と同様に反射シートの
拡散反射率を上げることが考えられる。
【0003】現在一般的に用いられている反射シートと
してはアルミ反射シートがあげられる。アルミ反射シー
トとしては、アルミ箔からなる反射シートもしくはPE
T/アルミ薄膜層からなる反射シートがあげられる。こ
れらにおいては、表面もしくはPET/アルミ薄膜層の
界面を粗面化することにより拡散反射率65%〜80
%、反射率85%〜87%を得ている。
【0004】一方、アルミよりも反射率の高い金属とし
て銀がある。これまでに、本発明者らは、透明高分子フ
ィルム内に添加剤を加えることにより、もしくは、一主
面に凹凸処理を加えること等により適度な曇価と光線透
過率を制御せしめたうえ、平坦なフィルム面に銀薄膜層
を形成することにより、アルミ反射シートよりも反射型
液晶用反射シートに好適に用いることが可能である反射
率の高い反射シートを提案した。しかしながら、拡散反
射率が3%以下である反射シートでは反射率が約96%
であるのに対して、凹凸処理等により反射シートの拡散
反射率を高くした反射シートでは、反射率が低下し約9
0%程度に低下してしまうという問題点があった。更に
輝度と視野角のバランスを高めるためには、反射率を低
下させることなく拡散反射率を得ることが必要であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、拡散反射率
が5%以上の拡散反射体においてこれまでよりも高い反
射率を有する反射シートを提供するためになされたもの
であり、反射型の液晶装置において、視野角と輝度のバ
ランスを従来より高次元で達成することを課題とするも
のである。
【0006】すなわち、本発明は、シート上に粒子を塗
布することにより施した凹凸により拡散反射を生じせし
めることにより、これまでよりも反射率の低下の少ない
高反射率の反射シートを提供することを課題とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、粒子の直径
の平均が1μm以上好ましくは20μm 以下の粒子を高
分子フィルム上にバインターを用いて塗布し、得られた
凹凸面に銀薄膜を蒸着等にて成膜することにより、これ
までよりも高い反射率が得られることを見いだし本発明
に到達した。
【0008】すなわち、本発明は、(1) シート
(A)の主面上に、少なくとも、粒子の直径の平均値が
1μm以上である粒子を塗布することにより凹凸を生じ
せしめた層(B)と、銀薄膜層(C)とがABCの順に
構成されてなる反射シートであり、また、(2) 粒子
を塗布することにより凹凸を生じせしめた層(B)が粒
子とバインダーを混合せしめて塗布される(1)に記載
の反射シートであり、(3) 粒子が分散重合により製
造された高分子である(1)または(2)に記載の反射
シートであり、(4) 粒子が分散重合により製造され
たポリスチレンまたはポリメタクリル酸メチルである
(1)乃至(3)の何れかに記載の反射シートであり、
(5) バインダーと粒子の全重量に対する粒子の重量
%が5%以上75%以下である(1)乃至(4)の何れ
かに記載の反射シートであり、(6) 直径20μmを
越える粒子を含まない(1)乃至(5)の何れかに記載
の反射シートあり、(7) シート(A)が、高分子フ
ィルムと金属板との積層体である(1)乃至(6)の何
れかに記載の反射シートを要旨とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の実施の形態を説明する。
【0010】本発明のもっとも基本的な反射シートの例
は図1乃至図4に示したとおりである。図1は、シート
30上に、樹脂をバインダーとして粒子を塗布すること
により凹凸を生じせしめた層20を作製し、当該凹凸面
に銀薄膜層10を形成した反射シートであり、また、図
2は上記反射シートに加え、銀保護層60及び接着層
(粘着層)70、接着層保護シート80からなる反射シ
ートである。図3または図4は、シートに高分子フィル
ム40と金属板50との積層体からなるシート30を用
いた例である。ここで用いられる接着層は図5に示され
ている偏光フィルム90との接着に用いられる。
【0011】本発明におけるシートとは、粒子を塗布す
ることにより凹凸を生じせしめた層20及び銀薄膜層1
0を支持する基板であり、この材質及び厚みは特に限定
されない。かかるシートの材質としては、高分子フィル
ム、金属板、紙等が、またはこれらを用いた積層体が挙
げられる。積層体としては、例えば、金属板/高分子フ
ィルム、金属板/紙等であり、各層は直接または接着剤
(粘着剤)層を介してお互いに接着されている。高分子
フィルムとしてはポリエチレン、ポリスチレン、ポリエ
ステル、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、三
酢酸セルロース、ポリアリレート等が使用できるが、必
ずしもこれらに限定されるわけではない。また、金属板
としては、アルミ板、真鍮板、鋼板、ステンレス板等が
使用できるが必ずしもこれらに限定されるわけではな
い。シート上への粒子の塗布、銀薄膜層の形成を考慮し
た場合、シートは連続加工可能なロール状であることが
好ましい。更に、連続加工のしやすさ、取り扱い等を考
慮すると軽量で柔軟性に富む高分子フィルムのロールが
好ましい。一方、シートに金属板を用いた際には切断加
工、打ち抜き加工、曲げ加工等により、形状保持性に優
れた部品を製造することができる。これらは反射型液晶
とした際に構造部材として用いることができる。高分子
フィルムの上記連続加工適性と、金属板の加工適性、形
状保持性、剛性を活かした反射シートの製造方法として
は、はじめに高分子フィルムのロールに粒子の塗布、銀
薄膜層の形成を行い、続いて、接着剤(粘着剤)を塗布
し、最後に金属ロールまたは金属板等に張り合わせる方
法がある。これらの方法を用いれば、金属板上に直接粒
子の塗布、銀薄膜層の形成を行うよりも容易に製造が可
能となる。
【0012】シートの厚みとしては限定的な値はない
が、15〜500μm程度のものが好ましく用いられ
る。より好ましくは25〜300μm であり、更により
好ましくは50〜200μm である。15μmよりあま
り薄いと支持基板として剛性が不十分であり、また、5
00μmよりあまり厚いとシートとしての柔軟性にかけ
ると共に、コスト上好ましくない。
【0013】バインダーとしては、ポリアミド系、ポリ
エステル系、ポリウレタン系、アクリル系等の熱可塑性
接着剤、及び尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等
の熱硬化性接着剤等の樹脂が用いられる。これらは、シ
ート及び粒子との密着性を考慮して選択される。
【0014】本発明においてシートに塗布される粒子と
しては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、スチ
レンメタクリレート、スチレンアクリレート、スチレン
ブタジエン等の高分子からなる粒子や、また、アルミ
ナ、チタニア(チタン白)、酸化鉛(鉛白)、酸化亜鉛
(亜鉛華)、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸バリ
ウム、チタン酸カリウム、珪酸ソーダ等のいわゆる白色
顔料系の粒子や、酸化珪素等の無機系の粒子が用いられ
る。粒子については要するにその形状ないし粒子径が重
要であり、粒子径がそろったものであることが好まし
く、材質等には特に限定されない。
【0015】ここで高分子からなる粒子の調整方法とし
ては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法が挙げられ
る。乳化重合法が最も一般的であるが、近年、分散重合
も盛んに行われている。どの重合法においても生成する
高分子は分散媒に難溶であり、分散媒と高分子間の表面
張力により粒子化する。高分子粒子は、粒子表面に結合
または吸着している保護層によって安定化され、さらに
粒子内架橋によっても安定化される。これら3方法の中
でも特に分散重合法を用いた粒子作製では、サブミクロ
ンから数十ミクロンまでの広い範囲の粒子が得られる特
徴がある。
【0016】かかる分散重合法では、分散媒として非水
溶媒が用いられ、分散剤としては両親媒性高分子が用い
られる。なお、モノマーは分散媒中に溶けることが必要
であり、モノマーが溶解した分散媒中に開始剤を加える
ことによりに重合が開始する。重合は溶液中で進行し、
粒子析出後は粒子内でも進行する。スチレンの分散重合
においては溶媒として用いるアルコールの炭素数により
生成する粒子の直径がかなり広い範囲で変化することが
知られている(例えば、A.J.Paine, J.Polym.Sci.,Poly
m.Chem.Ed.,38,2485(1990) 。また、得られる粒子直径
のばらつきも非常に小さいことから有用な重合方法であ
る。
【0017】本発明において、粒子の直径の平均値は1
μm以上であることが好ましい。より好ましくは2μm
以上12μm以下であり、更に好ましくは3μm以上1
0μm以下である。粒子径が1μmよりあまり小さいと
高い反射率が得られない。また、直径が大きな粒子、例
えば20μmを越えるような粒子が存在するとシート上
に均一に塗布するのが難しい。
【0018】粒子の直径の分布は小さいもの、すなわち
出来るだけ粒径の揃ったものの方が効率の良い反射を得
ることができ、本発明の目的と一致する。直径分布の大
きなサンプルから特定の粒子径の粒子を分離することは
困難である。よって上記分散重合等により、初めから非
常に分子量分布の小さな粒子を得ることが好ましい。な
お、粒径のよく揃った粒子、例えば球形のもの等は、市
販のものも幾つか入手可能であり、それらを使用しても
かまわない。
【0019】本発明において粒子の直径の平均値は、例
えばSEM写真より、無作意にに選んだ100個の粒子
の直径より求める。なお、粒子の直径はSEM写真以外
に光学顕微鏡写真より読みとることができる。また、得
られた写真または像を画像処理を用いて、より簡単に粒
径分布を求めることができ、いずれでもかまわないので
ある。
【0020】バインダーと粒子の全重量に対する粒子の
重量%は5%以上75%以下であることが好ましい。よ
り好ましくは10%以上60%以下であり、更により好
ましくは20%以上40%以下である。あまり粒子の量
が少なく例えば5%未満では拡散反射率が小さく写り込
みやぎらつきが発生し、反射型液晶用反射シートとして
好ましくない。また、あまり粒子の量が大であり75%
を大幅に越えるとバインダーに対して粒子が多すぎるた
めに粒子の密着性が悪く、よって粒子の脱落、剥がれ等
が起こる。
【0021】粒子の塗布法としては、粒子とバインダー
を、粒子に対して貧溶媒、バインダーに対して良溶媒で
ある溶媒中に溶かし混合した溶液を作製し、これらをバ
ーコーター法、リバースコート法、グラビアコート法等
によりシート上に塗布する方法が好ましい。
【0022】銀薄膜層の形成法は、湿式法および乾式法
がある。湿式法とはメッキ法の総称であり、溶液から銀
を析出さて膜を形成する方法である。具体例を挙げると
すれば、銀鏡反応等がある。一方、乾式法とは、真空成
膜法の総称であり、具体的に例示するとすれば、抵抗加
熱式真空蒸着法、電子ビーム加熱式真空蒸着法、イオン
プレーティング法、イオンビームアシスト真空蒸着法、
スパッタ法等がある。とりわけ、本発明には連続的に成
膜するロールツロール方式が可能な真空成膜法が好まし
く用いられる。
【0023】真空蒸着法では銀の原材料を電子ビーム、
抵抗加熱、誘導加熱等で溶融させ、蒸気圧を上昇させ、
好ましくは0.1mTorr(約0.01Pa)以下で
基材表面に蒸着させる。この際に、アルゴン等のガスを
0.1mTorr(約0.01Pa)以上導入させ、高
周波もしくは直流のグロー放電を起こしてもよい。
【0024】スパッタ法では、DCマグネトロンスパッ
タ法、rfマグネトロンスパッタ法、イオンビームスパ
ッタ法、ECRスパッタ法、コンベンショナルrfスパ
ッタ法、コンベンショナルDCスパッタ法等を使用し得
る。スパッタ法においては、原材料は銀の板状のターゲ
ットを用いればよく、スパッタガスには、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトン、キセノン等を使用し得る
が、好ましくはアルゴンが用いられる。ガスの純度は、
99%以上が好ましいが、より好ましくは99.5%以
上である。
【0025】銀薄膜層の厚さは、70nm〜300nm
が好ましく、より好ましくは100nm〜200nmで
ある。70nm未満では、銀の膜厚が十分でないため
に、透過する光が存在し、反射率が十分でなくなる。一
方、膜厚を300nmを越えて厚くしても反射率は上昇
せず、飽和傾向を示す上に、銀層の高分子フィルムに対
する密着性が低下するので好ましくない。
【0026】なお、本発明においては、粒子の大きさが
数μm程度であるのに対して、銀薄膜層の厚みが70〜
300nmとはるかに薄いため、(B)層における粒子
の凹凸に追随して銀薄膜層の外表面にも凹凸が形成され
る。このことは、銀薄膜層の表面をAFM( 原子間力顕
微鏡 )で観察することによっても確認している。図1や
図2はこれをモデル的に示したものである。
【0027】膜厚の測定は、触針粗さ計、繰り返し反射
干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法等があるが、
水晶振動子法では成膜中に膜厚が測定可能なので所望の
膜厚を得るのに適している。また、前もって成膜の条件
を定めておき、試料基材上に成膜を行い、成膜時間と膜
厚の関係を調べた上で、成膜時間により膜を制御する方
法もある。銀薄膜層には、性能に害を及ぼさない程度
の、金、銅、ニッケル、鉄、コバルト、タングステン、
モリブデン、タンタル、クロム、インジュウム、マンガ
ン、チタン等の金属不純物が含まれてもよい。
【0028】反射シートを構成する各層間の密着力を高
めるために、各層間を仲立ちする金属層、樹脂層等のい
わゆる易接着層を設けること及び、基板表面の前処理は
当業者の知るところである。特に密着性の悪い銀を高分
子上に設ける際には、高分子表面に、コロナ放電処理、
グロー放電処理、表面化学処理等の前処理を行うこと
は、銀薄膜層と高分子との密着性を向上させる手段とし
て当業者が用いる常套手段であろう。
【0029】銀薄膜層の硫化及び酸化防止のために、銀
薄膜上に銀保護層を設けることは、本発明の反射シート
の信頼性を向上させる意味から好ましい。銀保護層とし
ては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂及びウレタ
ン系樹脂等の透明樹脂が、また、酸化珪素、窒化珪素等
の透明無機薄膜が用いられる。接着層(粘着層)として
は、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ア
クリル系接着剤、エポキシ樹脂等の透明な接着剤が用い
られる。これらは銀保護層として用いることもできる。
【0030】さらに、接着剤(粘着剤)に剥離容易な状
態にて付着させられた接着層保護シートを設けることも
使用上好ましい形態とみなせる。該接着層保護シートと
しては、紙製、または、高分子製のシートが用いられ
る。この場合、使用時には保護用シートを剥離してもよ
いし、剥離せずにそのままも使用してもよい。
【0031】用いる接着層保護シートと、接着剤の薄膜
層との接着には、容易な剥離を保証するために必要に応
じて微量の離形剤を分布介在させる。該接着層保護シー
トには、本発明の反射シートを所望の形状に裁断する場
合の便宜ために、方眼状の案内線を印刷することもでき
る。以下、実施例により本発明の実施の態様の一例を説
明する。
【0032】
【実施例】ここで反射率とは、波長550nmでの値で
あり正反射率と拡散反射率の和である。反射率は日立自
記分光光度計U−3400形により、150φの積分球
を用いて測定した。また拡散反射率は上記測定法におい
て、正反射光をライトトラップにて除き、測定した。こ
れらは当業者が一般的に用いる測定方法である。
【0033】〔実施例1〕粒子として分散重合にて作製
した、直径の平均値が5μmのポリスチレン(PS)粒
子を、またバインダーとしてブチルアクリレートを主成
分とするアクリル樹脂を用いた。粒子10重量部に対し
てバインダー90重量部からなるアクリルエマルジョン
を調整し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムに、乾燥膜厚が4μmになるよう
に塗布した。60℃で1日間乾燥後、DCマグネトロン
スパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットとし、
純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、銀を
膜厚100nmになるように形成した。得られた試料の
反射率と拡散反射率を銀側から分光光度計(日立U−3
400)で測定したところ、反射率=97.5%、拡散
反射率=30.2%の反射シートであった。
【0034】〔実施例2〕粒子として分散重合にて作製
した、直径の平均値が5μmのポリスチレン(PS)粒
子を、またバインダーとしてブチルアクリレートを主成
分とするアクリル樹脂を用いた。粒子30重量部に対し
てバインダー70重量部からなるアクリルエマルジョン
を調整し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムに、乾燥膜厚が4μmになるよう
に塗布した。60℃で1日間乾燥後、DCマグネトロン
スパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットとし、
純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、銀を
膜厚100nmになるように形成した。得られた試料の
反射率と拡散反射率を銀側から分光光度計(日立U−3
400)で測定したところ、反射率=97.1%、拡散
反射率=72.5%の反射シートであった。
【0035】〔実施例3〕粒子として分散重合にて作製
した、直径の平均値が5μmのポリスチレン(PS)粒
子を、またバインダーとしてブチルアクリレートを主成
分とするアクリル樹脂を用いた。粒子70重量部に対し
てバインダー30重量部からなるアクリルエマルジョン
を調整し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムに、乾燥膜厚が4μmになるよう
に塗布した。60℃で1日間乾燥後、DCマグネトロン
スパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットとし、
純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、銀を
膜厚100nmになるように形成した。得られた試料の
反射率と拡散反射率を銀側から分光光度計(日立U−3
400)で測定したところ、反射率=95.3%、拡散
反射率=94.5%の反射シートであった。
【0036】〔実施例4〕粒子として分散重合にて作製
した、直径の平均値が2μmのポリスチレン(PS)粒
子を、またバインダーとしてブチルアクリレートを主成
分とするアクリル樹脂を用いた。粒子30重量部に対し
てバインダー70重量部からなるアクリルエマルジョン
を調整し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレー
ト(PET)フィルムに、乾燥膜厚が1.5μmになる
ように塗布した。60℃で1日間乾燥後、DCマグネト
ロンスパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲットと
し、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとして、
銀を膜厚100nmになるように形成した。得られた試
料の反射率と拡散反射率を銀側から分光光度計(日立U
−3400)で測定したところ、反射率=96.2%、
拡散反射率=78.4%の反射シートであった。
【0037】〔実施例5〕粒子として分散重合にて作製
した、直径の平均値が12μmのポリスチレン(PS)
粒子を、またバインダーとしてブチルアクリレートを主
成分とするアクリル樹脂を用いた。粒子30重量部に対
してバインダー70重量部からなるアクリルエマルジョ
ンを調整し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムに、乾燥膜厚が9.5μmにな
るように塗布した。60℃で1日間乾燥後、DCマグネ
トロンスパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲット
とし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとし
て、銀を膜厚100nmになるように形成した。得られ
た試料の反射率と拡散反射率を銀側から分光光度計(日
立U−3400)で測定したところ、反射率=97.0
%、拡散反射率=64.6%の反射シートであった。
【0038】〔実施例6〕実施例1で得られた反射シー
トのPETフィルム側にポリエステル系接着剤(綜研化
学(株)製、SKダイン)を塗布し、120℃で5分間
乾燥した。その後、120℃の加熱ロールにより厚み
0.3mmのアルミ板とラミネートした。これにより、
金属板と同様な加工性と、形状保持性、剛性を持つ反射
シートを製造することができた。
【0039】〔比較例1〕厚み100μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムの一主面をサンド
ブラスト法により30秒間凹凸化処理した。この処理面
にDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の銀
をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッ
タガスとして、銀を膜厚100nmになるように形成し
た。得られた試料の反射率と拡散反射率を銀側から分光
光度計(日立U−3400)で測定したところ、反射率
=95.2%、拡散反射率=26.4%の反射シートで
あった。
【0040】〔比較例2〕厚み100μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムの一主面をサンド
ブラスト法により45秒間凹凸化処理した。この処理面
にDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の銀
をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッ
タガスとして、銀を膜厚100nmになるように形成し
た。得られた試料の反射率と拡散反射率を銀側から分光
光度計(日立U−3400)で測定したところ、反射率
=92.8%、拡散反射率=65.9%の反射シートで
あった。
【0041】〔比較例3〕厚み100μmのポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルムの一主面をサンド
ブラスト法により60秒間凹凸化処理した。この処理面
にDCマグネトロンスパッタ法で、純度99.9%の銀
をターゲットとし、純度99.5%のアルゴンをスパッ
タガスとして、銀を膜厚100nmになるように形成し
た。得られた試料の反射率と拡散反射率を銀側から分光
光度計(日立U−3400)で測定したところ、反射率
=91.1%、拡散反射率=84.7%の反射シートで
あった。
【0042】〔比較例4〕粒子として分散重合にて作製
した直径の平均値が0.5μmのポリスチレン(PS)
粒子を、またバインダーとしてブチルアクリレートを主
成分とするアクリル樹脂を用いた。粒子30重量部に対
してバインダー70重量部からなるアクリルエマルジョ
ンを調整し、厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムに、乾燥膜厚が0.4μmにな
るように塗布した。60℃で1日間乾燥後、DCマグネ
トロンスパッタ法で、純度99.9%の銀をターゲット
とし、純度99.5%のアルゴンをスパッタガスとし
て、銀を膜厚100nmになるように形成した。得られ
た試料の反射率と拡散反射率を銀側から分光光度計(日
立U−3400)で測定したところ、反射率=97.0
%、拡散反射率=64.6%の反射シートであった。
【0043】実施例1から5及び比較例1から3にて得
られた反射シートの反射率と拡散反射率の関係を図6に
示す。尚、比較のためにPETフィルムに銀を成膜した
鏡面反射シート(反射率97.8%、拡散反射率1.7
%)を図中にプロットした。比較例では拡散反射が大き
くなるにつれて、反射率が91.1%までおよそ6%も
低下していることが分かる。一方、本発明による反射シ
ートでは比較例と同様に拡散反射が大きくなるにつれて
反射率が低下しているが、低下の幅が非常に小さい。拡
散反射率が70%を越えるまでほとんど反射率が低下せ
ず、97%台を保っている。また、拡散反射率が90%
を越えた場合でも尚95%以上の反射率を持っているこ
とが分かる。
【0044】図5に例示した反射型液晶用反射シートと
しては、反射率が高く、反射率の視角依存性が少ないこ
とが重要である。そこで反射シートの視角と輝度に関し
て測定を行った。測定は以下の方法で行った。台の上に
反射シートを置き、法線に対して約30゜の角度で2個
の白色電球を設置し反射シートを照らした。次に反射シ
ートから30cmの位置に輝度計をセットし、0〜45
゜における輝度値を測定した。表1に測定例を示す。拡
散反射率のほぼ等しい実施例5と比較例2を比較すると
本発明の反射シートが0゜〜45゜の視角全てにおいて
同じ銀を用いた反射シートよりも高い輝度を得ているこ
とが分かる。また現在一般的に使用されている反射シー
トであるアルミ反射シート(アルミ泊からなる)と比べ
るとその差は明らかである。拡散反射率の大きい実施例
4では視角0゜〜45゜の全ての角度において非常に高
い輝度を持つと共に、0゜においてもアルミ反射シート
と同様の反射率を持つことが分かる。これらより本発明
の反射シートが反射型液晶用反射シートにおいて非常に
優れていることが分かる。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】粒子の直径の平均値が1μm以上好まし
くは20μm 以下の粒子を高分子フィルム上にバインタ
ーを用いて塗布し、得られた凹凸面に銀薄膜を成膜する
ことにより、拡散反射率が大きな反射シートにおいても
鏡面反射シート(拡散反射率3%以下)と同様な高い反
射率が得られた。これにより、反射型液晶用反射シート
において、これまでよりも高い輝度と広い視野角を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射シートの構造断面図
【図2】本発明の反射シートの構造断面図
【図3】本発明の反射シートの構造断面図
【図4】本発明の反射シートの構造断面図
【図5】反射型液晶表示装置の概念図
【図6】反射シートの反射率と拡散反射率の関係を示す
【符号の説明】
10 銀薄膜層 20 粒子を塗布することにより凹凸を生じせしめた層 30 シート 40 高分子フィルム 50 金属板 60 銀保護層 70 接着層(粘着層) 80 接着層保護シート 90 偏光フィルム 100 透明導電性基板 110 液晶 120 シーラント 130 反射シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 太 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 中野 誠 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート(A)の主面上に、少なくとも、
    粒子の直径の平均値が1μm以上である粒子を塗布する
    ことにより凹凸を生じせしめた層(B)と、銀薄膜層
    (C)とがABCの順に構成されてなる反射シート。
  2. 【請求項2】 粒子を塗布することにより凹凸を生じせ
    しめた層(B)が粒子とバインダーを混合せしめて塗布
    される請求項1に記載の反射シート。
  3. 【請求項3】 粒子が分散重合により製造された高分子
    である請求項1または2に記載の反射シート。
  4. 【請求項4】 粒子が分散重合により製造されたポリス
    チレンまたはポリメタクリル酸メチルである請求項1乃
    至3の何れかに記載の反射シート。
  5. 【請求項5】 バインダーと粒子の全重量に対する粒子
    の重量%が5%以上75%以下である請求項1乃至4の
    何れかに記載の反射シート。
  6. 【請求項6】 直径20μm以上の粒子を含まない請求
    項1乃至5の何れかに記載の反射シート。
  7. 【請求項7】 シート(A)が、高分子フィルムと金属
    板との積層体である請求項1乃至6の何れかに記載の反
    射シート。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030051257A (ko) * 2001-12-12 2003-06-25 소니 가부시끼 가이샤 광학 판독용 원고대 및 광학 판독기

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KR20030051257A (ko) * 2001-12-12 2003-06-25 소니 가부시끼 가이샤 광학 판독용 원고대 및 광학 판독기

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