JPH09113429A - 無段変速機用プーリー軸受の摩耗試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際の無段変速機のプ−リ−軸受の使用状態
と同じ状態でプ−リ−軸受の摩耗試験をすることができ
ることを課題とする。 【解決手段】 入力側軸に入力側プ−リ−軸受を介して
入力側プ−リ−が取り付けられた入力部を構成する一
方、この入力側プ−リ−と回転伝達手段を介して連結さ
れる出力側プ−リ−が出力側プ−リ−軸受を介して出力
側軸に取り付けられた出力部を構成し、更に、入力側軸
と入力側プ−リ−軸受間、及び出力側軸と出力側プ−リ
−軸受間の軸間力を調整する軸間力調整手段を設けて、
その軸間力調整手段により軸間力を実際の無段変速機の
軸間力と同様の値になるように調整したうえ前記入力部
及び出力部を実際の無段変速機の回転数に相当する回転
数で回転させることにより、入力側プ−リ−軸受及び出
力側プ−リ−軸受の摩耗を試験するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機用プ−
リ−軸受の摩耗を試験する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗
を試験する摩耗試験装置として、図６に示すようなもの
がある。図６に示すように、外力により回転される回転
軸５１にプ−リ−軸相当材５２が取り付けられている。
また、ハウジング５３の内周部には摩耗試験されるプ−
リ−軸受５４が圧入され、プ−リ−軸受５４の内周部に
プ−リ−軸相当材５２が嵌められる。尚、図７は、図６
のＡ−Ａ矢視断面図である。

【０００３】図６、図７に示すように、ハウジング５３
に対して矢印の方向に荷重を負荷することで、プ−リ−
軸相当材５２とプ−リ−軸受５４間にラジアル荷重（軸
間力）が発生する。この状態で回転軸５１を回転させる
ことによりプ−リ−軸相当材５２は回転するが、ハウジ
ング５３及びプ−リ−軸受５４は回転しない。尚、プ−
リ−軸相当材５２の回転に伴ってハウジング５３及びプ
−リ−軸受５４がプ−リ−軸相当材５２から抜けないよ
うに、プ−リ−軸相当材５２に止め輪５５が嵌められて
いる。

【０００４】このように構成された従来の無段変速機用
プ−リ−軸受の摩耗試験装置において、回転軸５１を回
転させ、プ−リ−軸相当材５２を回転させることによ
り、プ−リ−軸受５４の摩耗を試験している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の無段変速機
用プ−リ−軸受の摩耗試験装置によれば、プ−リ−軸受
５４は常に同じ部分（図７で接触部として示している部
分）でプ−リ−軸相当材５２と接触している。そのた
め、従来の無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験装置
は、実際の無段変速機のプ−リ−軸受の使用状態と異な
るので、実際の無段変速機と従来の摩耗試験装置におけ
るプ−リ−軸受の摩耗形態及び摩耗量の相関をとること
ができないという問題がある。そこで本発明では、実際
の無段変速機のプ−リ−軸受の使用状態と同じ状態でプ
−リ−軸受の摩耗試験を行うことにより、実際の無段変
速機のプ−リ−軸受の摩耗形態及び摩耗量と相関をとる
ことが可能な無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験装置
を提供することを解決すべき課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験装置を、外力
により回転される入力側軸に入力側プ−リ−軸受を介し
て入力側プ−リ−が取り付けられた入力部を構成する一
方、この入力側プ−リ−と回転伝達手段を介して連結さ
れる出力側プ−リ−が出力側プ−リ−軸受を介して出力
側軸に取り付けられた出力部を構成し、更に、前記入力
側軸と前記入力側プ−リ−軸受間、及び前記出力側軸と
出力側プ−リ−軸受間の軸間力を調整する軸間力調整手
段を設けて、その軸間力調整手段により前記軸間力を実
際の無段変速機の軸間力と同様の値になるように調整し
たうえ、前記入力部及び出力部を実際の無段変速機の回
転数に相当する回転数で回転させることにより、前記入
力側プ−リ−軸受及び出力側プ−リ−軸受の摩耗を試験
することである。

【０００７】上記無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験
装置によれば、軸間力調整手段により軸間力を実際の無
段変速機の軸間力と同様の値になるように調整し、更
に、モ−タ等の外力により入力部と出力部とを実際の無
段変速機の回転数に応じた回転数で回転させることによ
り、入力側及び出力側プ−リ−軸受の摩耗状態を試験す
る。この試験状態において、実際の無段変速機と同様に
入力側軸と入力側プ−リ−軸受、及び出力側軸と出力側
プ−リ−軸受は、１回転中、違う部分が接触するため、
入力側及び出力側プ−リ−軸受の摩耗状態が正確に試験
される。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図１は、無段変速機用
プ−リ−軸受の摩耗試験装置１の全体的な構成を示した
平面断面図であり、図２は、この摩耗試験装置１の側面
図である。尚、図５は、実際の無段変速機におけるプ−
リ−軸受の使用状態を示したもので、図５に示すよう
に、実際の無段変速機におけるプ−リ−軸受４０の外周
面は可動プ−リ−４２の内周面に圧入され、プ−リ−軸
受４０の内周面は固定プ−リ−４１の軸部４１Ａの外周
面と嵌合されており、固定プ−リ−４１に対する可動プ
−リ−４２の位置により、Ｖベルト４３を介して回転さ
れる図示していない従動側プ−リ−が無段階に変速され
るように構成されている。

【０００９】図１に示すように、無段変速機用プ−リ−
軸受の摩耗試験装置１は、駆動源となる可変速モ−タ−
２のシャフト２Ａがフランジ３Ａ，３Ｂを介して入力側
軸４に連結されている。この入力側軸４は、両端部が、
テ−ブル（機台）５の上面に固定された入力側ステイ６
Ａ，６Ｂに取着のベアリング７Ａ，７Ｂに軸支されてお
り、可変速モ−タ−２の回転駆動により回転される。フ
ランジ３Ａ，３Ｂはボルト８Ａ，８Ｂを用いて結合さ
れ、更にフランジ３Ｂの回転を入力側軸４に伝えるた
め、キ−９が嵌められている。また、入力側軸４の左端
部にはネジ４Ａが形成されており、このネジ４Ａに対し
て平ワッシャ１０とナット１１を用いてフランジ３Ｂと
入力側軸４とが結合されている。

【００１０】前記プ−リ−軸受４０に相当する入力側プ
−リ−軸受１２Ａ，１２Ｂの外周面は入力側プ−リ−１
３の内周面に圧入され、入力側プ−リ−軸受１２Ａ，１
２Ｂの内周面は前記固定プ−リ−４１の軸部４１Ａに相
当する入力側軸４の外周面と嵌合されている。そして、
入力側軸４と入力側プ−リ−１３との間にキ−１４を嵌
めることにより入力側軸４の回転が入力側プ−リ−１３
に伝達される。尚、入力側プ−リ−１３が入力側軸４の
軸方向に移動しないように止め輪１４Ａ，１４Ｂが入力
側軸４の外周面に嵌められている。

【００１１】一方、テ−ブル（機台）５の上面に固定さ
れた出力側ステイ１６Ａ，１６Ｂにはベアリングホルダ
−１７Ａ，１７Ｂが取り付けられており、ベアリングホ
ルダ−１７Ａ，１７Ｂにはベアリング１８Ａ，１８Ｂが
取り付けられている。そのベアリング１８Ａ，１８Ｂに
は出力側軸１９が軸支されている。また、ベアリングホ
ルダ−１７Ａ，１７Ｂは、出力側軸１９と直角の方向に
移動可能に出力側ステイ１６Ａ，１６Ｂに嵌着されてい
る。

【００１２】前記プ−リ−軸受４０に相当する出力側プ
−リ−軸受２１Ａ，２１Ｂの外周面は出力側プ−リ−２
２の内周面に圧入され、出力側プ−リ−軸受２１Ａ，２
１Ｂの内周面は前記出力側軸１９の外周面と嵌合されて
いる。この出力側プ−リ−２２は、前述の入力側軸４の
回転がベルト２３を介して伝達されるため回転される。
そして、出力側軸１９と出力側プ−リ−２２との間にキ
−２４を嵌めることにより出力側プ−リ−２２の回転が
出力側軸１９に伝達される。尚、出力側プ−リ−２２が
出力側軸１９の軸方向に移動しないように止め輪２５
Ａ，２５Ｂが出力側軸１９の外周面に嵌められている。

【００１３】前記ベアリングホルダ−１７Ａ，１７Ｂに
はテンションボルト２６Ａ，２６Ｂの先端部が出力側軸
１９と直角の方向に取り付けられている。そしてテンシ
ョンボルト２６Ａ，２６Ｂの基端部はネジが切られてお
り、出力側ステイ１６Ａ，１６Ｂの外周面に接したナッ
ト２７Ａ，２７Ｂに螺合されている。従って、ナット２
７Ａ，２７Ｂを締め付けることによって、前記ベルト２
３に張力を与え、前記入力側軸４、出力側軸１９それぞ
れにおいて、入力側プ−リ−軸受１２Ａ，１２Ｂ、及び
出力側プ−リ−軸受２１Ａ，２１Ｂとの間に軸間力を発
生させることができる。

【００１４】テンションボルト２６Ａ，２６Ｂには、歪
みゲ−ジ３１Ａ，３１Ｂが貼り付けられており、この部
分における歪みを検出するようになっている。歪みゲ−
ジ３１Ａ，３１Ｂは、リ−ド線３２Ａ，３２Ｂを介して
ストレインアンプ３３に接続されている。そしてストレ
インアンプ３３で増幅された歪み検知信号をレコ−ダ−
３４に導いて表示及び記録させる。

【００１５】以上のように構成された無段変速機用プ−
リ−軸受の摩耗試験装置１を用いて入力側プ−リ−軸受
１２Ａ，１２Ｂ、及び出力側プ−リ−軸受２１Ａ，２１
Ｂの摩耗試験を行うとき、最初、可変速モ−タ−２の回
転数を、実際の無段変速機の回転数と同じ回転数になる
ように調整する。この回転により、入力側軸４、入力側
プ−リ−１３、入力側プ−リ−軸受１２Ａ，１２Ｂから
成る入力部と、出力側軸１９、出力側プ−リ−２２、出
力側プ−リ−軸受２１Ａ，２１Ｂから成る出力部とが同
時に回転する。また、レコ−ダ−３４のデ−タを見なが
らテンションボルト２６Ａ，２６Ｂにおける荷重が実際
の無段変速機の軸間力と同じ値になるようにナット２７
Ａ，２７Ｂの締め付けを行う。尚、この状態で、図３に
示すように、入力側軸４、出力側軸１９は、それぞれの
外周面と、入力側プ−リ−軸受１２Ａ，１２Ｂ、出力側
プ−リ−軸受２１Ａ，２１Ｂの内径面との間に微小な隙
間ができる一方、１回転中、違う部分が接触することに
なる。

【００１６】上記摩耗試験において、図４に示すよう
に、入力側プ−リ−軸受１２Ａ，１２Ｂ、出力側プ−リ
−軸受２１Ａ，２１Ｂと、ベルト２３との位置関係を実
際の無段変速機と同じ（Ｌ1 ，Ｌ2 の位置）にすること
で、実際の無段変速機と同様の荷重（Ｆ1 ＋Ｆ2 ＝
Ｆ）、即ち軸間力を入力側プ−リ−軸受１２Ａ，１２
Ｂ、出力側プ−リ−軸受２１Ａ，２１Ｂで受ける。この
際、荷重Ｆ1 と荷重Ｆ2 は、一般に異なった大きさであ
る。

【００１７】また、入力側軸４、出力側軸１９それぞれ
の表面粗度、硬度、表面処理等を適宜変更し、プ−リ−
軸受とのベストマッチングを選定することができる。そ
のプ−リ−軸受とのベストマッチングデ−タにより実際
の無段変速機に使用したときのプ−リ−軸受の摩耗デ−
タを得ることができる。また、同様にプ−リ−軸受を変
更した場合も、実際の無段変速機に使用したときのプ−
リ−軸受の摩耗デ−タを得ることができる。更に、入力
側プ−リ−１３、出力側プ−リ−２２の直径を変えるこ
とにより、プ−リ−比を変えて、入力側プ−リ−軸受１
２Ａ，１２Ｂ、出力側プ−リ−軸受２１Ａ，２１Ｂの摩
耗試験をすることができる。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、実際の無
段変速機のプ−リ−軸受の使用状態と同じ状態でプ−リ
−軸受の摩耗試験を行うことができるため、実際の無段
変速機のプ−リ−軸受の摩耗形態及び摩耗量と相関を取
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験装置の全
体的な構成を示した平面断面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】図１の部分拡大断面図である。

【図４】プ−リ−軸受部の荷重状態を示した説明図であ
る。

【図５】実際の無段変速機のプ−リ−軸受の使用状態を
示した断面図である。

【図６】従来の無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験装
置の断面図である。

【図７】図６のＡ−Ａ矢視断面図である。

【符号の説明】

１ 無段変速機用プ−リ−軸受の摩耗試験装置 ２ 可変速モ−タ− ４ 入力側軸 １２Ａ，１２Ｂ 入力側プ−リ−軸受 １３ 入力側プ−リ− １７Ａ，１７Ｂ ベアリングホルダ− １９ 出力側軸 ２１Ａ，２１Ｂ 出力側プ−リ−軸受 ２２ 出力側プ−リ− ２３ ベルト ２６Ａ，２６Ｂ テンションボルト ３１Ａ，３１Ｂ 歪みゲ−ジ ３３ ストレインアンプ ３４ レコ−ダ−

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外力により回転される入力側軸に入力側
   プ−リ−軸受を介して入力側プ−リ−が取り付けられた
   入力部を構成する一方、この入力側プ−リ−と回転伝達
   手段を介して連結される出力側プ−リ−が出力側プ−リ
   −軸受を介して出力側軸に取り付けられた出力部を構成
   し、更に、前記入力側軸と前記入力側プ−リ−軸受間、
   及び前記出力側軸と出力側プ−リ−軸受間の軸間力を調
   整する軸間力調整手段を設けて、その軸間力調整手段に
   より前記軸間力を実際の無段変速機の軸間力と同様の値
   になるように調整したうえ、前記入力部及び出力部を実
   際の無段変速機の回転数に相当する回転数で回転させる
   ことにより、前記入力側プ−リ−軸受及び出力側プ−リ
   −軸受の摩耗を試験することを特徴とする無段変速機用
   プ−リ−軸受の摩耗試験装置。