JPH0911277A - 射出成形機におけるノズルの心出し方法 - Google Patents

射出成形機におけるノズルの心出し方法

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JPH0911277A
JPH0911277A JP18772095A JP18772095A JPH0911277A JP H0911277 A JPH0911277 A JP H0911277A JP 18772095 A JP18772095 A JP 18772095A JP 18772095 A JP18772095 A JP 18772095A JP H0911277 A JPH0911277 A JP H0911277A
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annular body
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centering
mold
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JP18772095A
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Tatsuya Kawasaki
達也 川崎
Norihisa Miyauchi
徳久 宮内
Wataru Shiraishi
亘 白石
Osamu Fujioka
修 藤岡
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Original Assignee
Fanuc Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1781Aligning injection nozzles with the mould sprue bush

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  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 心出し作業時におけるノズルやバンドヒータ
の保護と心出し精度の向上。 【構成】 金型1のノズル挿入口3に遊嵌する外径を備
えた環状体9をノズル6の先端に環装し、射出シリンダ
4を前進させて環状体9とノズル挿入口3との干渉を確
認しながら射出シリンダ4を上下左右に移動させて、ノ
ズル挿入口3の中心軸とノズル6の中心軸とを一致させ
る。環状体9によりノズル6やバンドヒータ7が金型1
やステーショナリープラテン2に衝突するのを防止し、
ノズル6およびバンドヒータ7の安全を確保する。ま
た、環状体9がノズル挿入口3に容易に侵入できるよう
に射出シリンダ4の位置を調整することにより、ノズル
6の軸心をスプルー穴8の軸心に正確に一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は射出成形機における
ノズルの心出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機の射出ユニットには射出シリ
ンダを揺動するためのスイベル機構や射出成形機に対す
る射出ユニットの取付け位置を上下左右に調整するため
の微調整機構が設けられている。そして、取付け位置の
調整またはスクリューや射出シリンダの交換等に際して
微調整機構やスイベル機構を動かした場合には、必ず、
ノズルの中心軸が金型のノズル挿入口の中心軸と一致す
るように心出しの再調整作業を行わなければならない。
ノズルの外周面と金型のノズル挿入口の内周面との間の
クリアランスおよびノズルに取付けられるバンドヒータ
の外周面とステーショナリープラテンのノズル挿入口の
内周面との間のクリアランスはせいぜい1〜2mm程度で
あり、心出し作業が不適当なままノズルタッチ動作を行
ったりするとノズルやバンドヒータとノズル挿入口との
間で容易に干渉が発生して部品の損傷を招くからであ
る。更に、ノズルの先端と金型のスプルー穴とがずれる
と樹脂洩れの危険があり、また、実際に樹脂洩れを生じ
ないまでも、ノズルの先端と金型のスプルー穴とがずれ
ればスプルーの端面によってノズルの有効径の一部が遮
られることになるので、射出速度や射出圧力等が変動す
る危険がある。また、ステーショナリープラテンと共に
固定側金型を支えるノズルの位置が金型中心からずれる
ことによって生じる型締力のバランス変化等の問題もあ
り、前述の射出速度や射出圧力等の変動と共に成形品の
寸法精度や面粗度および重量の不安定化といった成形異
常が心配される。
【0003】これらの問題は全てノズルの中心軸とノズ
ル挿入口の中心軸とのずれによって生じるものであるか
ら、結局のところ、ノズル挿入口に対するノズルの心出
しさえ適確に行われるのであれば、全ての問題は解消さ
れ得る。しかしながら、実際上の問題として、この心出
し作業はそれほど容易なものではなく、これを行うオペ
レータにはある程度の熟練が必要とされ、また、熟練し
たオペレータであっても確実な心出し作業を行うには相
当量の作業時間が要求される。
【0004】図5は従来の方法で行われる心出し作業の
概略を示す概念図であり、金型1およびステーショナリ
ープラテン2については金型1のノズル挿入口3の中心
軸を含む平断面で示している。射出シリンダ4に関して
はその先端部分についてのみ示しているが、実際には射
出シリンダ4の基部(図中右側)が図示しない射出ユニ
ット本体の先端に取付けられており、この射出ユニット
本体は前述の微調整機構を調整することにより、射出成
形機に対して上下左右方向に微調整可能とされている。
ここでいう上下方向とは図5における紙面厚み方向であ
り、また、左右方向とは紙面の天地方向である。この微
調整機構は、射出ユニットと射出成形機本体とを個別に
組立てておいて最終工程で各ユニット同志を組合わせる
ような場合の寸法精度の確保、例えば、射出成形機本体
に固設されたステーショナリープラテン2のノズル挿入
口5と射出シリンダ4との相対位置等に関する寸法精度
の確保等のために必要とされる機構である。
【0005】例えば、射出ユニットの底面から射出シリ
ンダ4の取付け位置までの高さや射出成形機本体の上面
からステーショナリープラテン2のノズル挿入口5の穿
設位置までの高さ等に加工精度や組立て上の累積誤差に
よる固体差が多少あるにせよ、最終的に必要とされるの
はノズル挿入口5と射出シリンダ4との位置関係である
から、前述の微調整機構により射出ユニット本体を射出
成形機に対して上下に移動させることにより射出成形機
に必要とされる最終的な寸法精度、つまり、ノズル挿入
口5と射出シリンダ4との位置関係を確保することがで
きるのである。横方向のずれもこれと同様である。従っ
て、少なくとも、射出成形機の最終的な組立て工程にお
いては前述した微調整機構を調整して射出成形機に対す
る射出ユニット本体の相対位置の調整作業を行う必要が
ある。
【0006】また、射出ユニット本体はそのスイベル機
構により射出ユニットベースに対して水平面内で旋回可
能とされ、シリンダ4の先端を射出成形機の左右、つま
り、図5においては天地方向に揺動することができるよ
うになっている。更に、射出ユニット本体を旋回可能に
取付けた射出ユニットベースはノズルタッチ用の駆動手
段によりステーショナリープラテン2に対して接離する
方向に駆動されるようになっており、所定のノズルタッ
チ動作およびスプルーブレイク動作は無論、射出ユニッ
ト本体をステーショナリープラテン2から大きく離間さ
せることも可能である。そして、スクリュー交換等に際
してはステーショナリープラテン2から射出ユニット本
体を大きく離間させた状態で前述のスイベル機構により
射出ユニット本体を旋回させ、ステーショナリープラテ
ン2の面上から射出シリンダ4の先端を横に振って退避
させた状態で射出シリンダ4からノズル6を取り外し、
射出シリンダ4の先端からスクリューを引抜き、また
は、挿入する。この際、作業終了後に射出ユニット本体
を完全な初期位置に旋回させて復帰させないと金型1の
ノズル挿入口3の中心軸と射出シリンダ4の中心軸とが
一致せず、前述の場合と同様、部品の損傷や樹脂洩れお
よび型締力のバランス変化等による成形異常が発生する
危険があり、やはり上下左右の位置調整の場合と同様、
金型1のノズル挿入口3に対するノズル6や射出シリン
ダ4の心出し作業を正確に行う必要がある。
【0007】ノズル挿入口3に対するノズル6や射出シ
リンダ4の心出し作業を行う際には、まず、前述の微調
整機構等を緩めて射出ユニットベースに対し射出ユニッ
ト本体が容易に移動できるようにしておき、目測によっ
て射出ユニット本体の上下左右位置や旋回位置を調整す
る。そして、射出ユニットベースに送りをかけてノズル
6やノズル6のバンドヒータ7をステーショナリープラ
テン2のノズル挿入口5や金型1のノズル挿入口3に接
近させた後、相互干渉を確認しながら更に細密に微調整
機構等を調整してノズル挿入口3に対する射出シリンダ
4の心出しを行うようにする。しかし、図5に示すよう
に、射出シリンダ4をステーショナリープラテン2に極
めて接近させた状態ではノズル6やバンドヒータ7がオ
ペレータの視線を遮るため、スプルー穴8とノズル6の
先端との接触を直接確認することはできず、スプルー穴
8とノズル6の先端とを完全に一致させることは非常に
困難である。
【0008】また、オペレータが著しく不慣れな場合で
は、スプルー穴8とノズル6の先端とを一致させること
はおろか、最初の位置決め作業自体に失敗し、図5に示
すように、ノズル6やバンドヒータ7自体を金型1のノ
ズル挿入口3やステーショナリープラテン2のノズル挿
入口5にぶつけてしまうといった可能性もある。射出ユ
ニットベースの前進動作は射出成形機の送り機構によっ
て機械的に行われるものであるから、ノズル6やバンド
ヒータ7が金型1やステーショナリープラテン2に衝突
した際には相当に大きな力が作用し、慌てて非常停止を
かけたとしてもノズル6やバンドヒータ7等の部品の損
傷を回避することは難しい。また、ノズル6やバンドヒ
ータ7を金型1のノズル挿入口3に支障なく通すことが
できたとしても、ノズル6の先端と金型1のスプルー穴
8とが完全に一致するといった保証はなく、前述した通
り樹脂洩れや成形異常の危険は否めない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の欠点を解消し、ノズルやバンドヒータに損傷
を与えることなくノズル挿入口に対するノズルの心出し
作業を行うことができ、更に、金型のスプルー穴とノズ
ル先端とを確実に一致させることのできる射出成形機に
おけるノズルの心出し方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、金型のノズル
挿入口に遊嵌する外径を備えた環状体を射出成形機のノ
ズル先端に環装し、射出シリンダを前進させて前記環状
体と前記ノズル挿入口との干渉を確認しながら射出シリ
ンダを移動させて前記ノズル挿入口の中心軸と前記ノズ
ルの中心軸とが一致するように調整することを特徴とす
る構成により前記目的を達成した。
【0011】また、ノズルに遊嵌する大きさに形成され
た内径を有する環状体や衝撃吸収素材で形成された環状
体を用いて心出し作業を行うことによりノズルやバンド
ヒータの損傷を確実に防止するようにした。
【0012】更に、環状体の先端面またはノズル挿入口
の周辺部に光明丹等を塗布して射出シリンダを前進さ
せ、環状体の先端面とノズル挿入口の周辺部とを当接さ
せて干渉部位を特定して調整方向を求めることにより、
心出し作業を一層簡単に行えるようにした。
【0013】また、金型のノズル挿入口に遊嵌する最大
外径を備えた先細りのテーパ形状を有する環状体を射出
成形機のノズル先端に固定し、前記環状体の先端面をノ
ズル挿入口の投影面内に位置させて射出シリンダを前進
させることにより、射出シリンダを強制的に移動させて
ノズルの中心軸とノズル挿入口の中心軸とを一致させる
ようにした。
【0014】また、ノズル中心軸と同軸上に光路を有す
る光学センサをノズル先端もしくはノズルを取外した射
出シリンダの先端に取付け、金型のノズル挿入口から後
退させたシリンダを移動させて前記光学センサにより金
型のノズル挿入口を検知することにより、ノズル挿入口
の中心軸とノズルの中心軸とを一致させられるようにし
た。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、環状体9をノズル6の先端
に環装して心出し作業を行う場合の実施形態について図
1および図2を参照して説明する。環状体9としては図
1(b)に示すような円環状の環状体9aを利用するこ
とが可能であり、心出し作業において最低限度の効果を
発揮するために環状体9aに必要とされる要件は、その
内径が図1(a)および図2に示されるようにノズル6
の外周面に嵌合可能であること、および、その外径が金
型1のノズル挿入口3に遊嵌される大きさであることの
2点のみである。環状体9aを金型1のノズル挿入口3
に内嵌した際に生じる間隙は片側で1mm程度、つまり、
直径にして、環状体9aの外径がノズル挿入口3の内径
に比べて2mm程度小さく形成されていることが望まし
い。
【0016】環状体9aをノズル6に環装して心出し作
業を行えば、その作業工程がどのようにして行われよう
とも、最低限、金型1やステーショナリープラテン2へ
の直接衝突によるノズル6やバンドヒータ7の損傷は回
避される。また、ノズル挿入口3と環状体9aとの間の
クリアランスが片側で1mm程度もあれば、環状体9aを
ノズル挿入口3に突入させて行う心出し作業にも十分な
余裕がある。実際の心出し作業に際しては図2に示すよ
うにノズル6からバンドヒータ7を取外してノズル6の
先端に環状体9aを環装してもよいし、また、バンドヒ
ータ7が図1(a)に示されるように比較的短いもので
あるなら、バンドヒータ7を装着したままノズル6の先
端部に環状体9aを取り付けてもよい。
【0017】なお、メーカー側で実施される射出成形機
の最終組立て工程で心出しの調整を行うような場合には
必ずしもステーショナリープラテン2に金型1が装着さ
れている必要はない。ステーショナリープラテン2のノ
ズル挿入口5の穿設位置の精度や該挿入口5の内周面の
仕上げ精度さえ十分であれば、ノズル挿入口5の内径を
基準として2mmほど小さく加工された環状体9aをノズ
ル6の先端に環装してノズル挿入口5と環状体9aとの
関係によりノズル6の心出し調整作業を行うことができ
るからである。
【0018】また、メーカー側で実施される射出成形機
の最終組立て工程で心出し作業を行うような場合であれ
ば、必ずしもその段階でノズル6が射出シリンダ4に装
着されている必要はない。射出シリンダ4に対する取付
け方式においてノズル6と同様の構成(例えば捩込式)
を有する円柱体を環状体9aに代わる専用ジグとして予
め準備しておき、ノズル6や環状体9aの代わりにこの
専用ジグを射出シリンダ4の先端に取付けて心出し作業
を行うことができるからである。当然、この専用治具の
直径はステーショナリープラテン2のノズル挿入口5の
内径(ダミー金型を取付けて心出し作業を行う場合では
ノズル挿入口3の内径)よりも2mmほど小さく形成して
おく必要がある。また、ノズル挿入口5の大きさや射出
シリンダ4の直径にもよるが、射出シリンダ4の先端部
の直径をノズル挿入口5の内径に見合った大きさに予め
削り込んでおくことにより、射出シリンダ4の先端を環
状体9aや前述の専用ジグに代えて心出し作業に利用す
ることも可能である。
【0019】尤も、実際上の問題としてステーショナリ
ープラテン2のノズル挿入口5の寸法や仕上精度を製造
段階において厳密に管理するということが一般に行われ
ているというわけではない。ノズル挿入口5自体は飽く
までノズル6やバンドヒータ7を通すための貫通孔に過
ぎないので必ずしもその加工精度は高くなく、基本的に
は、金型1(工場出荷の調整時においてはダミー金型等
を用いる)のノズル挿入口3とノズル6に取付けられた
環状体9aとの遊嵌による心出しを適用すべきである。
その理由は、ステーショナリープラテン2に対する金型
1の位置決めはステーショナリープラテン2の金型取付
け面に刻設された周溝と金型1の取付板に刻設された周
溝とをロケートリングで接続することによって厳密に行
われるため、ステーショナリープラテン2の真の中心と
スプルー穴8との位置関係において極めて高い位置決め
精度が確保されるからであり、基本的には、金型1のノ
ズル挿入口3とノズル6との間で適切な心出しが行われ
る限り、ステーショナリープラテン2のノズル挿入口5
とノズル6やバンドヒータ7との間で干渉が生じるとい
うことはないからである。
【0020】また、成形作業時においてロケートリング
の直径が一致しない金型1やロケートリングを備えてい
ない金型1をステーショナリープラテン2に装着した場
合には必ずしも金型1のセンタをステーショナリープラ
テン2のセンタに厳密に一致させられるとは限らず、そ
の場合に敢えて射出成形作業を行うのであれば、ステー
ショナリープラテン2と金型1との関係がどうであれ、
ノズル6の中心軸をスプルー穴8のセンタに合わせて射
出成形作業を行う以外になく、やはり、金型1のノズル
挿入口3とノズル6に取付けられた環状体9aとの遊嵌
による心出しを適用すべきなのである。
【0021】以上、環状体9aや専用ジグとステーショ
ナリープラテン2のノズル挿入口5との間の関係、射出
シリンダ4の先端部とステーショナリープラテン2のノ
ズル挿入口5との間の関係等を利用して心出し作業を行
うことを否定するものではないが、以下、最も実用性の
高い例として、金型1のノズル挿入口3と環状体9aと
の関係により心出し作業を行う場合の実施形態について
説明する。
【0022】ノズル6の外周面に嵌合可能な内径と金型
1のノズル挿入口3に遊嵌され得る外径とを備えた最も
限定されないかたちの環状体9a(請求項1の構成)を
用いて行う心出し作業の内容は、環状体9aを利用する
点を除き、従来の心出し作業と全く同様である。つま
り、既に従来の技術の項でも述べた通り、最初に射出ユ
ニットの微調整機構等を緩めて射出ユニットベースに対
し射出ユニット本体が上下左右に容易に移動できるよう
にしておき、目測によって射出ユニット本体の上下左右
位置や旋回位置を調整してから射出ユニットベースに送
りをかけて射出ユニット本体をステーショナリープラテ
ン2に向けて前進させ、環状体9aを図1(a)または
図2に示すようにして環装したノズル6をステーショナ
リープラテン2のノズル挿入口5や金型1のノズル挿入
口3に接近させ、ノズル挿入口3,5に対する環状体9
aの干渉を確認しながら微調整機構等を細密に調整し
て、ノズル挿入口3に環状体9aが侵入するようにノズ
ル挿入口3に対する射出シリンダ4の心出し、つまり、
射出ユニット本体の上下左右位置や旋回位置の調整を行
うのである。
【0023】環状体9aをノズル6に環装して行う点を
除き基本的な心出し方法それ自体に関しては従来のもの
と全く同様であるから、当然、この実施形態においても
射出ユニットの前進に際して環状体9aがステーショナ
リープラテン2や金型1に衝突するといった問題は解消
され得ないが、少なくとも、この実施形態においてはノ
ズル6の先端に環装された環状体9aによってステーシ
ョナリープラテン2や金型1に対する直接衝突からノズ
ル6やバンドヒータ7が守られることになり、これらの
部品の破損といった心配は解消される。
【0024】しかし、このままでは、環状体9aの衝突
によるステーショナリープラテン2や金型1の傷や損傷
までは防止することができない。また、射出ユニットベ
ースに送りをかける前に行った目測による最初の心出し
調整が不適で環状体9aがノズル挿入口3,5の入り口
等に干渉した場合であっても、干渉発生後オペレータが
直ちにこれを認識することは困難であり、この結果、干
渉を生じたままの状態で機械による微速送りがかけ続け
られ、ステーショナリープラテン2や金型1の傷や損傷
が大きくなるといった従来と同様の問題も発生し得る。
オペレータ側で干渉発生の認識が遅れる原因は、射出ユ
ニットベースの送り速度が遅く、正常な送りから干渉の
ための過負荷による強制停止への速度変化が分かりにく
いという点にあるが、当然、この送り速度を速めたので
は衝突時のダメージが著しく増大するので、干渉発生の
早期発見のために射出ユニットベースの送り速度を増大
させるといった考えは成り立たない。
【0025】そこで、心出しが適確に行われていない状
態で射出ユニットベースが送られた際にステーショナリ
ープラテン2や金型1に生じる損傷を防止するためのよ
り効果的な実施形態は、環状体9aとノズル6との嵌合
においてそのハメアイを遊嵌状態とすることである(請
求項2の構成)。環状体9aをノズル6に対して摺動可
能に取付ければ、環状体9aがステーショナリープラテ
ン2や金型1に対して衝突した際にノズル6に対する環
状体9aの後退動作が自由に許容され、この結果、環状
体9aが射出ユニットベースの送りによってステーショ
ナリープラテン2や金型1に対して強力に押し付けられ
るといった事態が自然に回避され、ステーショナリープ
ラテン2や金型1の傷や損傷が防止されるのである。ま
た、環状体9aに対してノズル6が徐々に突入していく
ような動作を見れば、環状体9aがノズル挿入口3,5
の入り口等に干渉しているのは一目瞭然であり、オペレ
ータの側としても干渉の発生を容易に認知することがで
きる。この場合、環状体9aがノズル6の基部に移動す
るまでの間に射出ユニットベースの送りを停止させれば
よく、干渉発生の認知遅れや、射出ユニットベースによ
る環状体9aの強制押圧によるステーショナリープラテ
ン2や金型1の損傷も一切問題とはならない。また、射
出ユニットベースの送り速度はかなり遅いので環状体9
a自体の慣性運動のエネルギーは問題とならず、環状体
9aの材質の硬度が如何に高かろうと、環状体9aがノ
ズル6の軸方向に沿って自由に移動できる限り、ステー
ショナリープラテン2や金型1に傷や損傷が生じる心配
はない。環状体9aの材質として何を利用しようと自由
であり、当然、靭性や弾性に富んだものを利用すること
には何らの制限もない。
【0026】また、環状体9aの材質としてゴム等のよ
うに靭性や弾性に富んだ衝撃吸収素材を適用するのであ
れば、ステーショナリープラテン2や金型1との干渉に
よって環状体9a自体が変形して衝撃を吸収することが
できるので(請求項3の構成)、必ずしも環状体9aを
ノズル6に対して摺動自在とする必要はなく、相当に強
い嵌合状態でノズル6に環装してしまったとしても一向
に差し支えはない。ステーショナリープラテン2や金型
1に対する環状体9aの干渉、つまり、心出し状態の適
否の判定は、衝撃吸収素材からなる環状体9aの変形に
より容易に認識することができる。無論、この場合にお
いても環状体9aをノズル6に対して摺動自在に取付け
ることには全く問題がない。
【0027】以上、実質的に3つの実施形態について説
明しているが、いずれの場合も最初の操作によって適切
な心出し作業が行われずに環状体9aとノズル挿入口
3,5との間で干渉が生じてしまったような場合には、
射出ユニットベースを再び後退させ、最初の心出し操作
の場合と同様の処理操作、つまり、目測による心出し作
業を行ってから、再度射出ユニットを前進させ、環状体
9aとノズル挿入口3,5との干渉を再び確かめる必要
がある。そして、基本的には、このような操作の繰り返
しによって適切な心出し作業を達成することが可能であ
る。最終的に、環状体9aがノズル挿入口3に自由に出
入りできるようになったならば、環状体9aをノズル6
から取り外し、調整機構を固定して射出ユニットベース
に対する射出ユニットの位置を保持し、心出し作業を終
了する。しかし、前述の実施形態においては、目測によ
る1回の作業毎に心出しの適否の結果が確認されるのみ
であり、心出しが不適と判断された場合の調整方向や調
整量までは分からない。従って、目測による心出し作業
を繰り返し行わなければならないという煩わしさがあ
る。
【0028】心出し状態が不適である場合の調整方向や
調整量を知るための最も簡単な方法として、調整作業の
開始時に予め環状体9aの先端面またはノズル挿入口
3,5の入り口周辺部に光明丹等を塗布しておき、環状
体9aの先端とノズル挿入口3,5の入り口との当たり
を確かめる方法がある(請求項4の構成)。例えば、目
測で実施した最初の調整作業の後に射出ユニットベース
に送りをかけたときに環状体9aの先端面やノズル挿入
口3,5の入り口周辺部の右端に光明丹が付着したとす
るなら前述の調整機構を調整して射出ユニット本体を僅
かに左側に寄せればよく、また、下側に光明丹が付着し
たとするなら前述の調整機構を調整して射出ユニット本
体を僅かに上側に寄せればよいということである。その
とき必要とされる調整量は光明丹の付着具合を確認する
ことにより容易に把握することができる。なお、ここで
いう光明丹とはチョークやパステルおよびインク等を始
めとする各種の着色手段、つまり、物品との圧着によっ
て物品の側に痕跡を残すことのできる全ての塗布材料を
含む。
【0029】また、ノズル6の先端に環装する環状体9
として図1(c)に示すような先細りのテーパ形状を有
する環状体9bを利用し、この環状体9bをノズル6の
先端に環装した状態でノズル6をノズル挿入口3に突入
させるようにすれば、ノズル6の軸心をノズル挿入口3
の中心に強制的に位置決めすることも可能である(請求
項5の構成)。つまり、射出ユニットベースに対し射出
ユニット本体が上下左右に容易に移動できるように調整
機構を予め緩めておいて、ノズル6の先端に環状体9b
を取付け、射出ユニットベースに送りをかけてノズル6
諸共に環状体9bをノズル挿入口3に突入させることに
より、環状体9bの外周テーパ面とノズル挿入口3の内
周面との間の調心作用を利用して環状体9bの中心をノ
ズル挿入口3の中心へと導いてノズル6の軸心をノズル
挿入口3の中心に一致させるのである。射出ユニットベ
ースに対し射出ユニット本体が上下左右に容易に移動で
きる状態とされているので、理論的には、ノズル6の上
下左右方向位置や姿勢に倣って射出ユニット本体の側が
上下左右方向に自由に移動して適切な心出し位置に落ち
着く筈である。従って、この状態で調整機構を固定して
射出ユニットベースに対する射出ユニットの位置を保持
すれば心出し作業が1回の操作で完了する可能性があ
る。
【0030】しかし、実際には射出ユニット本体が射出
ユニットベースに対して完全に自由に動くということは
ないので射出シリンダ4や射出ユニット本体の各部に応
力歪みが残り、射出ユニットベースを後退させてノズル
挿入口3からノズル6を引抜いた瞬間に各部の歪みが復
旧してノズル6の位置に狂いが生じる場合がある。従っ
て、ノズル6および環状体9bをノズル挿入口3に突入
させた段階で射出ユニット本体を樹脂ハンマ等で打つ等
してあらゆる方向からの微小振動を与え、射出ユニット
本体を射出ユニットーベースに十分に馴染ませてから調
整機構を固定するといった必要があろう。環状体9bを
取り付けたまま射出成形作業を行うのであれば話は別だ
が、この実施形態では飽くまで環状体9bを取外した状
態で射出成形作業を行うことを念頭に置いているので、
環状体9bを取外した状態でもノズル挿入口3に対する
ノズル6の心出し状態が維持される必要があり、残留応
力の除去作業が必要である。なお、図1(c)に示すよ
うな環状体9bは射出ユニット本体を上下左右方向のみ
に移動させて行う心出しに適したものであり、射出ユニ
ットの旋回動作を考慮したものではない。射出ユニット
ベースに対して射出ユニットが旋回可能な構成に対して
は環状体9bの外周面をその全長に亘ってテーパ形状に
する代わりに最大外径部にストレート部分を残す等の手
段を講じ、ノズル挿入口3の軸心とノズル6の軸心との
間に屈折が生じるのを防止するべきである。
【0031】以上の実施形態ではいずれの場合において
もノズル6に取付けた環状体9(9a,9b)を金型1
に直に接触させて心出し作業を行う必要があるが、非接
触式の光学センサを用いてノズル6の心出し作業を行う
こともできる。次に、非接触式の光学センサを用いて行
う心出し作業の実施形態について説明する。この場合に
必要とされる光学センサは反射光式のアクティブセンサ
または入射光式のパッシブセンサである。
【0032】まず、反射光式のアクティブセンサの場合
では、対象物に対して可視または不可視の光を放つ発光
部と対象物から反射する光を受ける受光部とが必要であ
る。発光部から放たれる光には当然指向性が必要とさ
れ、また、対象物との離間距離が数十センチ程となった
場合にも対象物側の受光面における光の投影形状が微小
なドットポイント状に維持されるものであれば一層効果
的である。なお、ここでいうドットポイントの範囲はス
プルー穴8の直径程度のものまでが許容される。また、
これに対する受光部の受光角度はできる限り狭い方が望
ましく、当然その受光軸の方向は発光部における光の出
力軸と平行であって、かつ、発光部の近傍に位置すべき
である。そして、ノズル6に代えて射出シリンダ4の先
端に装着することのできるセンサ取付けマウント10
a、または、ノズル6の先端に直に装着することのでき
るセンサ取付けマウント10bの先端に、前述のような
構成を有する光学センサ11を固設し、光学センサ11
の光路がノズル6の軸心に一致するようにして、センサ
取付けマウント10aを射出シリンダ4の先端に、また
は、センサ取付けマウント10bをノズル6の先端に装
着する。
【0033】図3(b)に示すのがセンサ取付けマウン
ト10aの一例であり、該マウント10aの基部には射
出シリンダ4の先端に螺合する雄ネジ12が設けられて
いる。そして、センサ取付けマウント10aは雄ネジ1
2を介し、図3(a)に示すようにして射出シリンダ4
の先端に装着される。また、図4(b)に示すのはセン
サ取付けマウント10bの一例であり、該マウント10
bの基部にはノズル6の先端に嵌合する孔13が設けら
れている。そして、センサ取付けマウント10bは孔1
3を介し、図4(a)に示すようにしてノズル6の先端
に装着される。なお、図3(a)および図4(a)に示
す左向きの矢印は光学センサ11からの出力光の光路で
あり、また、右向きの矢印は対象物からの反射光の光路
である。光学センサ11には判定器14が接続されてお
り、光学センサ11の受光部で検出される輝度が設定値
を越えると、ランプの点灯またはブザーの警報により心
出しの完了をオペレータに知らせるようになっている。
【0034】ステーショナリープラテン2や金型1の鋼
材の反射率は比較的低く、また、一般的にいわれるケン
ト紙等の白紙の反射率は90%程と相当に高いので、ス
プルー穴8の裏側から金型1に白紙15を貼り付け、調
整機構を緩めて射出ユニットベースに対する射出ユニッ
ト本体の移動を自在とした状態で射出ユニット本体を上
下左右に移動させてみて、判定器14が反応する位置を
見付けることができれば、ノズル挿入口3に対するノズ
ル6の心出しが完了したことになる(請求項6に対応す
る構成)。従って、オペレータは判定器14が反応する
位置を見付けて調整機構を固定するだけでよい。
【0035】図1および図2を用いて説明した実施形態
においては射出ユニット本体の旋回位置の狂いによる芯
ずれに対しては必ずしも容易に対処することはできない
が、図3および図4に示すような光学センサ11によれ
ば射出ユニット本体の旋回位置の狂いによる芯ずれにも
十分に対処することができる。
【0036】つまり、光学センサ11における発光部と
受光部とは実質的に同軸上に位置するので受光部の受光
軸は光学センサ11の光軸が対象物の面に対しに直交し
ていようといまいと、いいかえれば、射出シリンダ4の
軸心が金型1の取付け面に直交していようといまいと、
常に対象物上の光点の位置を追うことになるが、発光部
からの光が対象物の面に直角に照射された状態では受光
部で検出される光の中に受光面での乱反射による弱い光
と直接の鏡面反射による強い光とが含まれる一方、発光
部からの光が対象物の面に直角に照射されていない状態
では、受光部で検出される光は乱反射による弱い光のみ
となり、鏡面反射による強い光は全く含まれなくなる。
これは、発光部の光軸と受光部の光軸とが実質的に一致
しており、かつ、双方の照射角度および受光角度が極め
て狭い範囲に限定されているからである。従って、発光
部からの光を白紙15に直角に照射した状態で受光部に
より検出される輝度よりも僅かに低い輝度を判定器14
に比較対象として設定しておけば、射出シリンダ4の軸
心が金型1の取付け面に直交し、かつ、射出シリンダ4
の軸心が上下左右方向においてスプルー穴8の投影面内
に位置する時の状況を適確に判定することができるので
ある。より厳密にいうと、受光部により検出される輝度
は、〔発光部からの光を白紙15に直角に照射した状
態〕,〔発光部からの光を白紙15に非直角に照射した
状態〕,〔発光部からの光をステーショナリープラテン
2または金型1に直角に照射した状態〕,〔発光部から
の光をステーショナリープラテン2または金型1に非直
角に照射した状態〕の順で小さくなり、従って、〔発光
部からの光を白紙15に直角に照射した状態〕と〔発光
部からの光を白紙15に非直角に照射した状態〕との間
の輝度を比較値として設定することにより、前述のよう
な精密な心出し作業が行えるようになるのである。これ
が、反射光式のアクティブセンサを利用した場合の最適
実施形態である。なお、白紙15に代えて鏡等を利用す
ることには何の問題もない。
【0037】無論、白紙15に代えて反射率の著しく低
い完全黒体に近い黒紙等を利用し、受光部で検出される
輝度が最低のときに判定器14が反応するように構成す
ることによってもある程度正確な心出し作業を行うこと
ができるが、乱反射光と鏡面反射光との重合/非重合の
関係によって直角度、つまり、射出ユニット本体の旋回
位置の狂いを検出することは難しい。
【0038】以上、白紙15や鏡または黒紙等を反射物
として利用し反射光の輝度の大小を判定基準として判定
器14を作動させる場合について述べているが、これら
の反射物に代え、ステーショナリープラテン2や金型1
とは異なる色付き紙等を利用し、受光する色の相違で判
定器14を作動させるようにすることも可能である。当
然、その場合は受光部にB,G,RまたはY,M,Cの
各々に対応する感色特性を備えた複数のフォトダイオー
ド等を利用し、カラーバランスの相違によって判定器1
4を作動させることになる。
【0039】また、白紙15や鏡または黒紙およびその
他の色付き紙等によってスプルー穴8を塞ぐ代わりに該
スプルー穴8を完全な開放状態とし、金型1を開いた状
態で金型1から射出ユニット本体の側に向けてスプルー
穴8を介して室内光を採光するようにすれば、光学セン
サ11の発光部は必要なく、光学センサ11の受光部の
みによる入射光式のパッシブセンサを構成することがで
きる。但し、この場合は、乱反射光と鏡面反射光との重
合/非重合の関係によって射出ユニット本体の旋回位置
の狂いを検出することができない。光学センサ11の受
光部がスプルー穴8を介して採光される拡散均一化した
室内光を検出するからである。
【0040】
【発明の効果】本発明によるノズルの心出し方法は、金
型のノズル挿入口に遊嵌する外径を備えた環状体を射出
成形機のノズル先端に環装し、射出シリンダを前進させ
て環状体とノズル挿入口との干渉を確認しながら射出シ
リンダを移動させてノズル挿入口の中心軸とノズルの中
心軸とを一致させるようにしているので、ノズルやノズ
ルのバンドヒータ等が心出し作業の全工程に亘って環状
体により保護され、心出し作業時におけるノズルやバン
ドヒータ等の損傷が未然に防止される。
【0041】また、ノズルに遊嵌する大きさに形成され
た内径を有する環状体や衝撃吸収素材で形成された環状
体をノズルに取付けて心出し作業を行うので、ノズルや
バンドヒータ等の損傷防止に加え、ステーショナリープ
ラテンや金型の傷や損傷の発生をも防止することがで
き、また、環状体がステーショナリープラテンや金型に
干渉した場合にはノズルや射出シリンダに対する環状体
の相対移動や環状体自体の弾性変形によって心出しの不
一致を容易に確認することができるので、オペレータは
直ちに射出ユニットベースの送りを停止させることがで
き、干渉発生時における送り機構の過負荷防止にも効果
がある。
【0042】更に、環状体の先端面またはノズル挿入口
の周辺部に光明丹等を塗布して射出シリンダを前進さ
せ、環状体の先端面とノズル挿入口の周辺部とを当接さ
せて干渉部位を特定し、干渉を回避する方向に射出シリ
ンダを移動させてノズル挿入口の中心軸とノズルの中心
軸とを一致させるようにしているので、経験や勘または
曖昧な目視確認によって調整方向や調整量を決める従来
の心出し操作に比べ、非常に短時間の内に確実な心出し
作業を行うことができる。
【0043】また、金型のノズル挿入口に遊嵌する最大
外径を備えた先細りのテーパ形状を有する環状体を射出
成形機のノズル先端に固定し、環状体の先端面をノズル
挿入口の投影面内に位置させて射出シリンダを前進さ
せ、射出シリンダを強制的に移動させてノズルの中心軸
とノズル挿入口の中心軸とを一致させるようにしている
ので、1回の射出シリンダの前進動作で心出しを完了さ
せることが可能であり、ノズルやバンドヒータとノズル
挿入口との当たり具合を確かめながら射出シリンダを何
度も前後退させる従来の心出し方法に比べ、極めて短い
時間で心出し作業を完了させることができる。
【0044】環状体がノズル挿入口に容易に侵入できる
ようになった心出し完了状態においては、ノズルの中心
軸とノズル挿入口の中心軸とが確実に一致するから、樹
脂洩れやノズル吐出口の実効断面積変化による射出速度
や射出圧力の変動およびノズル位置の変動に伴う金型の
圧力バランスの変化で生じる成形品の寸法精度や面粗度
および重量の不安定化といった問題が全て解消される。
【0045】また、ノズル中心軸と同軸上に光路を有す
る光学センサをノズル先端もしくはノズルを取外した射
出シリンダの先端に取付け、光学センサにより金型のノ
ズル挿入口を検知することによってノズル挿入口の中心
軸とノズルの中心軸とを一致させるようにしているの
で、ノズルを金型のノズル挿入口に直に接触させるとい
った必要は全くなく、心出し作業時におけるノズルやヒ
ータおよび金型やステーショナリープラテンの安全が完
全に確保され、しかも、極めて高い心出し精度を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】環状体をノズルの先端に環装して心出し作業を
行う場合の実施形態について示す概念図(バンドヒータ
を外さずに環状体を取付けた例)。
【図2】環状体をノズルの先端に環装して心出し作業を
行う場合の実施形態について示す概念図(バンドヒータ
を外して環状体を取付けた例)。
【図3】非接触式の光学センサを用いて心出し作業を行
う場合の実施形態について示す概念図(光学センサをシ
リンダに取付けた例)。
【図4】非接触式の光学センサを用いて心出し作業を行
う場合の実施形態について示す概念図(光学センサをノ
ズルに取付けた例)。
【図5】従来の方法で行われる心出し作業の概略を示す
概念図である。
【符号の説明】
1 射出シリンダ 2 ステーショナリープラテン 3 金型のノズル挿入口 4 射出シリンダ 5 ステーショナリープラテンのノズル挿入口 6 ノズル 7 バンドヒータ 8 スプルー穴 9,9a,9b 環状体 10a,10b センサ取付けマウント 11 光学センサ 12 雄ネジ 13 孔 14 判定器 15 白紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 亘 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内 (72)発明者 藤岡 修 山梨県南都留郡忍野村忍草字古馬場3580番 地 ファナック株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型のノズル挿入口に遊嵌する外径を備
    えた環状体を射出成形機のノズル先端に環装し、射出シ
    リンダを前進させて前記環状体と前記ノズル挿入口との
    干渉を確認しながら射出シリンダを移動させて前記ノズ
    ル挿入口の中心軸と前記ノズルの中心軸とが一致するよ
    うに調整することを特徴とする射出成形機におけるノズ
    ルの心出し方法。
  2. 【請求項2】 前記環状体は、前記ノズルに遊嵌する大
    きさに形成された内径を有することを特徴とする請求項
    1記載の射出成形機におけるノズルの心出し方法。
  3. 【請求項3】 前記環状体は衝撃吸収素材で形成されて
    いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の射
    出成形機におけるノズルの心出し方法。
  4. 【請求項4】 前記環状体の先端面またはノズル挿入口
    の周辺部に光明丹等を塗布して射出シリンダを前進さ
    せ、環状体の先端面とノズル挿入口の周辺部とを当接さ
    せて干渉部位を特定し、干渉を回避する方向に射出シリ
    ンダを移動させてノズル挿入口の中心軸とノズルの中心
    軸とが一致するように調整することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1項に記載の射出成形機におけるノ
    ズルの心出し方法。
  5. 【請求項5】 金型のノズル挿入口に遊嵌する最大外径
    を備えた先細りのテーパ形状を有する環状体を射出成形
    機のノズル先端に固定し、前記環状体の先端面をノズル
    挿入口の投影面内に位置させて射出シリンダを前進させ
    ることにより射出シリンダを強制的に移動させて前記ノ
    ズルの中心軸とノズル挿入口の中心軸とが一致するよう
    に調整することを特徴とする射出成形機におけるノズル
    の心出し方法。
  6. 【請求項6】 ノズル中心軸と同軸上に光路を有する光
    学センサをノズル先端もしくはノズルを取外した射出シ
    リンダの先端に取付け、金型のノズル挿入口から後退さ
    せたシリンダを移動させて前記光学センサにより金型の
    ノズル挿入口を検知することによって前記ノズル挿入口
    の中心軸と前記ノズルの中心軸とが一致するように調整
    することを特徴とする射出成形機におけるノズルの心出
    し方法。
JP18772095A 1995-07-03 1995-07-03 射出成形機におけるノズルの心出し方法 Withdrawn JPH0911277A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7665978B2 (en) 2004-01-22 2010-02-23 Fanuc Ltd Injection molding machine having a centering device for centering a nozzle hole
JP2020183057A (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社日本製鋼所 竪型射出成形機の組立用ジグ
JP2021146527A (ja) * 2020-03-17 2021-09-27 宇部興産機械株式会社 射出ノズル芯合わせ治具及び芯合わせ方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7665978B2 (en) 2004-01-22 2010-02-23 Fanuc Ltd Injection molding machine having a centering device for centering a nozzle hole
JP2020183057A (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社日本製鋼所 竪型射出成形機の組立用ジグ
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Effective date: 20020903