JP2006130626A - 工作機械のワークチャッキング不良検出装置 - Google Patents

工作機械のワークチャッキング不良検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 特殊形状のワークであっても、ローダから工作機械に受け渡されたワークの姿勢不良を検出できる工作機械のワークチャッキング不良検出装置を提供する。
【解決手段】 工作機械1と、この工作機械1にワークWを渡すローダとを設ける。ローダ11には、ローダ11が工作機械1に渡したワークWの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段21を設ける。このワーク姿勢検出手段21が検出したワークWの姿勢が所定のワーク姿勢と異なることを、別に設けたワーク姿勢不良判断手段22で判断する。
【選択図】 図5

Description

この発明は、ガントリー式等のローダによりワークの受渡しが行われる旋盤等の工作機械のワークチャッキング不良検出装置に関する。
旋盤等の工作機械において、ローダよりワークを主軸チャックに受け取った際に、受渡し時のワークの傾き等により、ワークが正しい姿勢で主軸チャックに把持されない場合がある。ワーク姿勢不良の状態で加工を行うと加工誤差が生じる。
このため、従来、このようなワークのチャッキング不良を検出するものとして、例えば、主軸チャックの着座面に孔を設けてエアを吹き付け、主軸チャックの着座面にワークが密着状態に正しく着座されているか否かを、エア供給系の背圧で検出する空圧式のエア漏れ検知装置などが用いられていた。
しかし、ワークの形状によっては主軸チャックの着座面に密着する面を確保できない場合が有り、このような場合には上記した空圧式検出装置でワークのチャッキング不良を検出することはできない。例えば、ベルト溝付きプーリでは、ワーク外周の溝内でチャックを行い、その溝内面を基準としてワークの加工を行うため、主軸チャックへの着座面が得られない。
加工されたワークは、加工後に機外計測等で加工適否を確認するが、前記のようなワーク形状の場合、チャック姿勢の不良により発生する加工不良を、加工前に未然に防ぐことができなかった。
この発明の目的は、着座面が得られないような特殊形状のワークであっても、ローダから工作機械に受け渡されたワークの姿勢不良を検出することができる工作機械のワークチャッキング不良検出装置を提供することである。
この発明の他の目的は、ローダヘッドがチャッキング不良の検出のための手段を設けることができない構成であっても、ローダへの設置を可能とすることである。
この発明のさらに他の目的は、チャッキング不良の検出の確実を図ることである。
この発明の工作機械のワークチャッキング不良検出装置は、工作機械にワークを渡すローダに設けられて前記ローダが工作機械に渡したワークの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段と、検出したワークの姿勢が所定のワーク姿勢と異なることを判断するワーク姿勢不良判断手段とを備えたものである。
この構成によると、ローダに設けられたワーク姿勢検出手段が、前記ローダにより工作機械に渡されたワークの姿勢を検出する。前記ワーク姿勢不良判断手段は、前記ワーク姿勢検出手段により検出した姿勢が、所定のワーク姿勢と異なるか否かを判断する。このため、着座面が得られないような特殊形状のワークであっても、ローダから工作機械に受け渡されたワークの姿勢不良を検出することができる。また、ローダにワーク姿勢検出手段が設けられているため、工作機械に渡したワークの姿勢不良を直ぐに検出することができる。
この発明において、前記ワーク姿勢検出手段は、工作機械に渡すワークを把持するローダヘッドとは別の箇所に設けられたものであっても良い。
前記ワーク姿勢検出手段はローダヘッドに設けても良いが、ローダヘッドはローダチャック等があって、機構上、ワーク姿勢検出手段の設置が難しい場合がある。このような場合でも、ローダヘッドとは別の箇所にワーク姿勢検出手段を設けることで、ワーク姿勢検出手段のローダへの設置が可能になる。また、ワーク姿勢検出手段をローダヘッドと複合した構成とする必要がなく、既設のローダに対しても設置が可能となる。
この発明において、前記ワーク姿勢検出手段は、基台と、この基台に設けられた球面軸受により揺動自在に支持されてローダが工作機械に渡したワークの前側に当て付けられる当て付け部材と、この当て付け部材の傾斜を検出する検出手段とよりなるものであっても良い。
この構成の場合、当て付け部材をワークに当て付けて検出するため、ワークの姿勢不良を確実に検出することができる。
この発明の工作機械のワークチャッキング不良検出装置は、工作機械にワークを渡すローダに設けられてローダが工作機械に渡したワークの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段と、検出したワークの姿勢が所定のワーク姿勢と異なることを判断するワーク姿勢不良判断手段とを備えたものであるため、着座面が得られないような特殊形状のワークであっても、ローダから工作機械に受け渡されたワークの姿勢不良を検出することができ、またローダから工作機械に渡されたワークの姿勢不良を直ぐに検出することができる。
前記ワーク姿勢検出手段は、工作機械に渡すワークを把持するローダヘッドとは別の箇所に設けられたものである場合は、ローダヘッドがチャッキング不良の検出のための手段を設けることができない構成であっても、ローダへの設置を可能とすることができる。
前記ワーク姿勢検出手段は、基台と、この基台に設けられた球面軸受により揺動自在に支持されてローダが工作機械に渡したワークの前側に当て付けられる当て付け部材と、この当て付け部材の傾斜を検出する検出手段とよりなる場合は、ワークに当てて検出するので、チャッキング不良の検出が確実となる。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。図1は、この実施形態の工作機械のワークチャッキング不良検出装置が適用されるローダおよび工作機械を概略的に示す正面図である。工作機械1は旋盤であり、主軸2と加工手段5とを備える。主軸2は、その先端にワーク支持手段である主軸チャック3を有し、ベッド7の上に設けられた主軸台4に回転自在に支持されている。主軸チャック3は、ワークWを把持する複数のチャック爪3aを有している。加工手段5は、前記主軸チャック3に支持されたワークWを加工する刃物台5aを有し、刃物台5aはタレットとされている。刃物台5aは、送り台6を介して主軸軸心に沿う方向(Z軸方向)と主軸軸心に直交する水平方向(X軸方向)とに移動可能とされる。前記主軸チャック3へはローダ11によってワークWの受け渡しが行われる。
ローダ11は、工作機械1の上方に設置されて、直交座標系で駆動されるガントリ式のものである。このローダ11は、図1および図2に正面図および側面図で示すように、架設レール12に沿って走行する走行体13に前後移動台14を介して昇降アーム15を設け、その下端にローダヘッド16を設けたものである。
ローダヘッド16は、図2に示すようにワークWを把持する2個のローダチャック17A,17Bを取付けた回転台18を有し、回転台18が傾斜した回転中心Q回りで回転することにより、両ローダチャック17A,17Bが、下向き位置と主軸チャック対面位置とに入れ替えられる。各ローダチャック17A,17Bは、それぞれ連動してチャック中心に対して径方向に遠近移動する複数のチャック爪23によりワークWを把持するものである。
図3は、上記ローダヘッド16およびその近傍部を、一部破断して示す側面図である。同図において、両ローダチャック17A,17Bはそれぞれ爪ガイド部材19を有し、この爪ガイド部材19に形成されたガイド孔(図示せず)に案内されて、各チャック爪23がチャック中心に対して径方向に遠近移動可能とされている。このローダヘッド16で扱われるワークWは、概形が円筒状のものである。ローダチャック17Aは、それらの複数の爪23をワークWの中央孔aに挿入してから外径側に移動して、ワークWの内径面に押し付けることにより、ワークWを把持するものとされている。
ローダ11における上記ローダヘッド16とは別の箇所には、ローダチャック17A,17Bから工作機械1の主軸チャック3に渡したワークWの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段21が設けられている。ここでは、昇降アーム15の下端部におけるローダヘッド16の近傍で、ローダヘッド16の昇降により主軸チャック3に対向可能な位置に、前記ワーク姿勢検出手段21が設けられている。
ワーク姿勢検出手段21は、基台24と、この基台24に設けられた球面軸受25により揺動自在に支持された当て付け部材26と、この当て付け部材26の傾斜を検出する傾斜検出手段27とよりなる。前記基台24は、主軸チャック3に対向する向きに開口する円筒状のガイド孔24aを有し、このガイド孔24aに前記球面軸受25が前後(Z軸方向)に進退自在に嵌合している。球面軸受25は先端部に凹球面25aを有する円筒状とされ、コイルばね28により進出側に付勢されている。
当て付け部材26は、主軸チャック3に渡したワークWの前側に当て付けられる円板状の板部26aと、この板部26aの中心部から背面側に突出するように形成され前記球面軸受25の凹球面25aに摺接する凸球面部26bとでなる。この凸球面部26bから球面軸受25に貫通させたボルト29により、当て付け部材26が球面軸受25に揺動自在に支持されている。
傾斜検出手段27は、前記当て付け部材26における円板状板部26aの裏面側の周縁部に対面させて配置された近接スイッチからなり、支持部材30を介して基台24に取付けられている。ここでは1つの近接スイッチで傾斜検出手段27が構成されているが、当て付け部材26の中心回りの周方向に複数の近接スイッチを等配して傾斜検出手段を構成しても良い。
ワーク姿勢検出手段21が検出するワークWの姿勢の情報、つまり傾斜検出手段27の出力は、ワーク姿勢不良判断手段22に入力される。ワーク姿勢不良判断手段22は、ワーク姿勢検出手段21が検出したワークWの姿勢が所定のワーク姿勢と異なることを判断するものである。このワーク姿勢不良判断手段22は、電子回路またはコンピュータ等からなり、例えばローダ11の制御を行うコンピュータ式のローダ制御装置(図示せず)等に設けられる。ワーク姿勢不良判断手段22は、工作機械1を制御する数値制御装置(図示せず)等に設けても良い。
このワーク姿勢不良判断手段22と前記ワーク姿勢検出手段21とにより、この実施形態の工作機械のワークチャッキング不良検出装置20が構成される。
図6は、ワークWの一例を示す。このワークWは外周溝付きプーリであり、円筒状の芯金Waの外周に合成樹脂製のプーリ本体Wbを設けたものである。プーリ本体Wbは、外周に円周溝からなるベルト溝Wcを有しており、主軸チャック3aのチャック爪3aは、同図のように並びの一端のベルト溝Wcに噛み込み状態にワークWをチャックする。この場合、ベルト溝Wcの内周面を基準面としてワークWのチャック時の位置決めを行い、芯金Waの内径面の旋削を行う。したがって、ワークWは主軸チャック3に対する着座面を有しない形状となる。また、同図のように複数のベルト溝Wcを有するため、主軸チャック3の一部のチャック爪3aが、正規の位置決め用のベルト溝Wcの隣のベルト溝Wcに噛み込むことなどで、ワークWのチャック姿勢の傾きが生じる。
次に、上記工作機械1におけるワークチャッキング不良検出装置20の動作を説明する。未加工のワークWの待機位置(図示せず)でワークWを把持したローダ11は、架設レール12に沿って走行する走行体13の左右移動(X軸方向)と、前後移動台14の前後移動(Z軸方向)と、昇降アーム15の昇降(Y軸方向)とにより、ワークWを主軸チャック3の前面まで搬送する。ワークWを把持した例えばローダチャック17Aは、回転台18の回転により、下向き姿勢から主軸チャック3に対面する横向き姿勢に入れ替えられる。この状態で、図4のように、ローダチャック17Aの把持するワークWが主軸チャック3に対して所定の軸方向位置に近づくまで、ローダヘッド16が主軸チャック3に向けて進出する。次に、ワークWを主軸チャック3のチャック爪3aが把持し、ローダチャック17Aのチャック爪23が把持を解くことにより、ワークWが主軸チャック3に受け渡される。
この後、ローダヘッド16は主軸チャック3から後退し、ついで、前記ワーク姿勢検出手段21が主軸チャック3に対面する高さまで下降し、この高さ位置で、所定距離まで主軸チャック3に向けて進出する。この進出距離は、主軸チャック3に受け渡されたワークWにワーク姿勢検出手段21における当て付け部材26の円板状板部26aが当て付けられる規定の距離である。このとき、ワークWの姿勢が所定のワーク姿勢(正常の姿勢)の場合には、これに当て付けられる前記円板状板部26aは垂直姿勢となる。このとき円板状板部26aと傾斜検出手段27との間には所定の隙間δが保たれる。
これに対して、主軸チャック3に受け渡されたワークWが、例えば図5のように傾斜したワーク姿勢の場合には、前記円板状板部26aもワークWに倣って傾斜することから、円板状板部26aと傾斜検出手段27との間の隙間は正常時の隙間δに対して異なる値となる。この隙間情報を、傾斜検出手段27がワーク姿勢情報として検出する。この検出値を受けたワーク姿勢不良判断手段22は、その検出値を前記正常時の隙間δと比較することで、ワーク姿勢が不良であるか否かを判定する。
このように、このワークチャッキング不良検出装置20は、ローダ11が工作機械1に渡したワークWの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段21をローダ11に設け、このワーク姿勢検出手段21の検出したワークWの姿勢が所定のワーク姿勢と異なることをワーク姿勢不良判断手段22で判断するようにしたので、着座面を持たないような特殊形状のワークであっても、ローダ11から主軸チャック3に受け渡されたワークWの姿勢不良を短時間で検出することができる。
また、前記ワーク姿勢検出手段21は、工作機械1に渡すワークWを把持するローダヘッド16とは別の箇所に設けられているので、ローダヘッド16と複合した構成とする必要がない。そのため、既設のローダ11に対しても、ワーク姿勢検出手段21を容易に設置することができる。
また、この実施形態では、前記ワーク姿勢検出手段21を、基台24と、この基台24に設けられた球面軸受25により揺動自在に支持された当て付け部材26と、この当て付け部材26の傾斜を検出する傾斜検出手段27とで構成し、ワークWに当て付け部材26を実際に当ててワークWの姿勢を検出するため、ワークWの傾斜等のチャック姿勢不良を確実に検出することができる。
なお、上記実施形態は、ローダ11がガントリ式のものである場合につき説明したが、この発明は、ローダ11が多関節式等のものや、その他種々の形式のものである場合にも適用することができる。また、工作機械1も旋盤に限らず、各種のものに適用できる。
この発明の一実施形態にかかるワークチャッキング不良検出装置が適用される工作機械およびローダの概略構成を示す正面図である。 同ローダの側面断面図である。 同ローダにおけるローダヘッドの拡大側面図である。 同ローダによるワークの工作機械への受渡し動作の説明図である。 ワーク姿勢検出手段の動作説明図である。 ワークの一例を示す断面図である。
符号の説明
1…工作機械
11…ローダ
16…ローダヘッド
20…ワークチャッキング不良検出装置
21…ワーク姿勢検出手段
22…ワーク姿勢不良判断手段
24…基台
25…球面軸受
26…当て付け部材
27…傾斜検出手段
W…ワーク

Claims (3)

  1. 工作機械にワークを渡すローダに設けられてこのローダが工作機械に渡したワークの姿勢を検出するワーク姿勢検出手段と、検出したワークの姿勢が所定のワーク姿勢と異なることを判断するワーク姿勢不良判断手段とを備えた工作機械のワークチャッキング不良検出装置。
  2. 前記ワーク姿勢検出手段は、工作機械に渡すワークを把持するローダヘッドとは別の箇所に設けられた請求項1記載の工作機械のワークチャッキング不良検出装置。
  3. 前記ワーク姿勢検出手段は、基台と、この基台に設けられた球面軸受により揺動自在に支持されてローダが工作機械に渡したワークの前側に当て付けられる当て付け部材と、この当て付け部材の傾斜を検出する検出手段とよりなる請求項1または請求項2記載の工作機械のワークチャッキング不良検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008036730A (ja) * 2006-08-02 2008-02-21 Citizen Holdings Co Ltd ワーク搬送装置を備えたワーク加工機
WO2013031375A1 (ja) * 2011-08-26 2013-03-07 村田機械株式会社 ワーク傾き検出機能付きローダ

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