JPH09112342A - 内燃機関のピストン - Google Patents

内燃機関のピストン

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JPH09112342A
JPH09112342A JP27136895A JP27136895A JPH09112342A JP H09112342 A JPH09112342 A JP H09112342A JP 27136895 A JP27136895 A JP 27136895A JP 27136895 A JP27136895 A JP 27136895A JP H09112342 A JPH09112342 A JP H09112342A
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JP
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oil
groove
ring
piston
head
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JP27136895A
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English (en)
Inventor
Masanori Sugiyama
雅則 杉山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J1/00Pistons; Trunk pistons; Plungers
    • F16J1/08Constructional features providing for lubrication
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J9/00Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
    • F16J9/06Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction using separate springs or elastic elements expanding the rings; Springs therefor ; Expansion by wedging
    • F16J9/064Rings with a flat annular side rail
    • F16J9/066Spring expander from sheet metal
    • F16J9/069Spring expander from sheet metal with a "C"-shaped cross section along the entire circumference
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J9/00Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
    • F16J9/12Details
    • F16J9/22Rings for preventing wear of grooves or like seatings

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ピストンにおいて、オイルリングの合口とオイ
ルリング溝の底壁に形成されるオイル通路との干渉に起
因する不具合を少なくする。 【解決手段】ピストンヘッド12の外周に設けられたオ
イルリング溝16に、シリンダボアに供給されるオイル
を掻き落とすためのオイルリング10を装着する。オイ
ルリング溝16に侵入したオイルを排除するために、同
リング溝16の底壁16aにヘッド12の半径方向へ延
びるオイル通路27を設ける。オイル通路27を凹溝2
8と切り欠き29により構成する。底壁16aと凹溝2
8の内壁とのなす角度θを90°以上に設定する。従っ
て、オイルリング10の合口10aがオイル通路27を
横切るときに、その合口10aが凹溝28に接触して
も、その合口10aが凹溝28に引っ掛かることなく凹
溝28から抜け出る方向へ案内される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は内燃機関に適用さ
れ、シリンダボアに組み付けられるピストンに係る。詳
しくは、ピストンのヘッド外周に設けられたリング溝に
同溝からオイルを排除するためのオイル通路を設けた内
燃機関のピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関において、シリンダボア
の中で往復運動するピストンは、そのヘッド外周の下寄
りの位置にオイルリング溝を有する。このリング溝には
オイルリングが装着される。このオイルリングはピスト
ンとシリンダボアとの間に供給される潤滑オイルを適度
に掻き落とす。このリング溝にはオイルリングにより掻
き落とされたオイルの一部が侵入する。このオイルは、
その消費の観点から、リング溝から円滑に排除される必
要がある。
【0003】ここで、実開平4−134650号公報
は、オイルリング溝に侵入した潤滑オイルを好適に排除
する構成を備えたピストンを開示する。図13,14に
示すように、このピストン41は、そのヘッド42の外
周の下寄りの位置にオイルリング溝43を有する。この
リング溝43の底壁43aの一部に形成された切り欠き
44は、下方へ、且つピストンピン孔45の方へ向かっ
て開口する。従って、リング溝43に侵入したオイル
は、この切り欠き44を通ってヘッド42の下方へ落下
し、その一部はピン孔45へと供給される。
【0004】一般に、ピストンに上記のような切り欠き
を設けるには、鋳造後のピストンを加工するよりも、鋳
造と同時に鋳抜きにより切り欠きを成形する方が工程数
等の点で有利である。鋳造時に切り欠きを鋳抜くには、
鋳型に突起を設ける必要がある。この突起が小さ過ぎる
と、高温の湯によって突起の磨滅が早まり、鋳型等の交
換の必要性が高まる。突起の磨滅を抑えるには、突起の
サイズをある程度大きくする必要がある。その場合に
は、切り欠きのサイズが結果的に大きくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のオイ
ルリング溝43にはオイルリングが装着される。従っ
て、このリング溝43の底壁43aに形成される切り欠
き44のサイズが大きくなると、その切り欠き44とオ
イルリングとの間に干渉が起きるおそれが多くなる。即
ち、ピストン41の運動時に、オイルリングはリング溝
43に沿って摺動することになる。更に、オイルリング
は合口を有することから、その合口の端が切り欠き44
を通過する際、その合口の端が切り欠き44の角に引っ
掛かるおそれがある。特に、図15に示すように、底壁
43aと切り欠き44の内壁とのなす角度、即ち切り欠
き44の開き角度θが鋭角をなす場合には、オイルリン
グ46の合口46aの端が切り欠き44の角に引っ掛か
ると、合口46aの端が切り欠き44の中へ落ち込むこ
とになる。この結果、リングスティックが発生したり、
オイルリング46が損傷したり、切り欠き44の角に異
常な摩耗等が発生したりするおそれがある。
【0006】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、オイルリングが装着される
リング溝の底壁にオイルを排除するためのオイル通路を
形成したものであって、リング溝に装着されるオイルリ
ングの合口とオイル通路との干渉に起因する不具合を少
なくすることを可能にした内燃機関のピストンを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の第1の発明では、内燃機関のシ
リンダボアの中で往復運動するピストンであって、その
ヘッドの外周にリング溝を有し、そのリング溝にはシリ
ンダボアに供給される潤滑オイルを掻き落とすためのオ
イルリングが装着され、そのオイルリングは合口を有
し、リング溝は同溝に侵入した潤滑オイルを排除するた
めにヘッドの半径方向へ延びるオイル通路を底壁に有す
る内燃機関のピストンにおいて、底壁とオイル通路の内
壁とのなす角度を90°以上に設定したことを趣旨とす
る。
【0008】第1の発明の構成によれば、リング溝の底
壁とオイル通路の内壁とのなす角度が90°以上である
ことから、オイルリングの合口がオイル通路上を通過す
る際、オイル通路に合口の端が接触しても、その端は同
通路に引っ掛かることなく、同通路から抜け出る方向へ
案内される。
【0009】上記の目的を達成するために、請求項2に
記載の第2の発明では、内燃機関のシリンダボアの中で
往復運動するピストンであって、そのヘッドの外周にリ
ング溝を有し、そのリング溝にはシリンダボアに供給さ
れる潤滑オイルを掻き落とすためのオイルリングが装着
され、そのオイルリングは合口を有し、リング溝は同溝
に侵入した潤滑オイルを排除するためにヘッドの半径方
向へ延びるオイル通路を底壁に有する内燃機関のピスト
ンにおいて、オイル通路をヘッドの半径方向へ延びる凹
溝と、その凹溝に連なりヘッドの最外周にて同ヘッドを
その軸線方向に貫通する切り欠きとにより構成し、リン
グ溝の底壁と凹溝の内壁とのなす角度を90°以上に設
定すると共に、ヘッドの外周方向における切り欠きの第
1の幅をヘッドの外周方向における凹溝の第1の幅より
も大きく設定し、更にヘッドの半径方向における切り欠
きの第2の幅をヘッドの半径方向におけるオイルリング
の第2の幅よりも小さく設定したことを趣旨とする。
【0010】第2の発明の構成によれば、リング溝の底
壁と凹溝の内壁とのなす角度が90°以上であることか
ら、オイルリングの合口が凹溝上を通過する際、凹溝に
合口の端が接触しても、その端は凹溝に引っ掛かること
なく凹溝から抜け出る方向へ案内される。更に、切り欠
きの第1の幅が凹溝の第1の幅よりも大きいことから、
オイルリングの合口は凹溝を通過する前に切り欠きに差
し掛かることになる。ここで、切り欠きの第2の幅がオ
イルリングの第2の幅よりも小さいことから、同リング
の合口が切り欠きを通過する際、合口の一部はリング溝
の底壁上を移動することになり、合口が切り欠きに引っ
掛かることはない。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る内燃機関の
ピストンを具体化した一つの実施の形態を図面を参照し
て詳細に説明する。
【0012】図1はこの実施形態のピストン11を示す
正面図であり、図2は図1の2−2線に沿った断面図で
ある。図3は図1の主要部を示す拡大図であり、図4は
図2の主要部を示す拡大図である。更に、図5はエンジ
ンに組み付けられたピストン11を示す図である。ピス
トン11はほぼ円盤状をなすヘッド12と、そのヘッド
12の下側に設けられたピンボス13とを有する。ヘッ
ド12はその外周に、互いに平行に延びる三つのリング
溝14,15,16を有する。図5に示すように、ヘッ
ド12の上寄りに位置する二つのリング溝14,15は
コンプレッションリング溝であり、両リング溝14,1
5にはコンプレッションリング8,9がそれぞれ装着さ
れる。ヘッド12の下寄りに位置するリング溝16はオ
イルリング溝であり、このリング溝16には三片タイプ
のオイルリング10が装着される。
【0013】ピンボス13はピストン11の前後方向へ
向かって開口する。このピンボス13にはピストンピン
が装着される。ヘッド12の下側において、ピンボス1
3の軸線L1を中心に対称に配置された一対のスカート
17は、ヘッド12の外周に沿って延び、且つ下方へ延
びる。両スカート17は同じ形状を有する。ヘッド12
の下側において、ピンボス13の両端に位置するサイド
ウォール18は両スカート17とピンボス13とをつな
ぐ。サイドウォール18はその外側と内側とを連通する
孔19を有する。ピンボス13の両端に位置する二つの
孔19は互いに連通する。
【0014】このピストン11は内燃機関(エンジン)
に適用される。図5に示すように、ピストン11は各リ
ング溝14〜16にコンプレッションリング8,9及び
オイルリング10が装着された状態で、クランクシャフ
ト20に連結されたコンロッド21に対してピストンピ
ン22を介して連結される。この連結状態において、ピ
ストン11はエンジンに設けられたシリンダボア23に
組み付けられる。エンジンの運転時に、ピストン11は
シリンダボア23の中を往復運動する。コンロッド21
に設けられたオイルノズル24は、エンジンの運転時に
クランクシャフト20のオイル通路25に圧送される潤
滑オイルをピストン11及びシリンダボア23に向けて
噴射する。ピストン11へ向けて噴射されたオイルは両
スカート17の間において、ヘッド12の下面12aに
吹き付けられる。
【0015】図2,4示すように、上記下面12aは潤
滑オイルを受けるための凹部26を有する。この凹部2
6は軸線L1を中心に対称な形状を有する。この凹部2
6はオイルノズル24から噴射されたオイルを受けて四
方へ飛散させる。凹部26はヘッド12の下面の一部を
肉抜きすることにより得られる。凹部26の周縁は凹状
に滑らかに湾曲した断面形状を有する。
【0016】ここで、コンプレッションリング8,9
は、ヘッド12の上方に位置する燃焼室(図示しない)
の中の燃焼ガスが抜けないように、ピストン11とシリ
ンダボア23との間をシールする。オイルリング10は
シリンダボア23に供給された潤滑オイルを掻き落と
す。各リング8〜10は、各リング溝14〜16に対す
る装着の便宜のために設けられた合口8a,9a,10
aを有する。
【0017】オイルリング10により掻き落とされたオ
イルの一部はオイルリング溝16に侵入することにな
る。そこで、このオイルをオイルリング溝16から排除
するために、図1〜5に示すように、オイルリング溝1
6の下側の底壁16aには、複数のオイル通路27が設
けられる。これらオイル通路27はヘッド12の外周部
であって、ピンボス13の軸線L1の方向においてピス
トン11の前後両側に各々一対ずつ、軸線L1を中心に
対称に設けられる。図6はヘッド12の一部を垂直方向
に切断して示す拡大図である。この図に示すように、各
オイル通路27はヘッド12の半径方向へ沿って延び
る。このオイル通路27は二つの部分、即ちヘッド12
の半径方向へ沿って延びる凹溝28と、その凹溝28に
連なりヘッド12の最外周に位置する切り欠き29とか
ら構成される。凹溝28は断面円形状をなす。凹溝28
の内端はオイルリング溝16よりもヘッド12の中心に
向かって深く位置し、この深い部分がポケット28aを
形成する。切り欠き29はヘッド12をその軸線方向、
即ち垂直方向に沿って下方へ貫通する。図6に示すよう
に、オイルリング10は上下一対のサイドレール10
b,10cと、両レール10b,10cの間に位置する
スペーサエキスパンダ10dとから構成される。上側の
サイドレール10bはリング溝16の上側の底壁16b
に圧接し、下側のサイドレール10cはリング溝16の
下側の底壁16aに圧接する。
【0018】ここで、図3に示すように、リング溝16
の底壁16aと凹溝28の内壁とのなす角度を凹溝28
の開き角度θとすると、この開き角度θは90°以上に
設定される。この実施形態では、その開き角度θが「約
105°」に設定される。図7は図4の一つのオイル通
路27の部分を破断し拡大して示す。この図に示すよう
に、ピストン11では、ヘッド12の外周方向における
切り欠き29の第1の幅WR1は、同じく外周方向にお
ける凹溝28の第1の幅WG1よりも大きく設定され
る。この実施形態において、切り欠き29の第1の幅W
R1は「6.0mm」に、凹溝28の第1の幅WG1は
「2.5mm」にそれぞれ設定される。更に、ヘッド1
2の半径方向における切り欠き29の第2の幅WR2
は、同じく半径方向におけるオイルリング10(サイド
レール10b,10c)の第2の幅WL2よりも小さく
設定される。この実施形態において、切り欠き29の第
2の幅WR2は「1.5mm」に、オイルリング10の
第2の幅WL2は「2.0mm」にそれぞれ設定され
る。
【0019】この実施形態において、ピストン11は外
型と中子との協働により鋳造される。図8はその外型3
0の一部を示す。オイル通路27はピストン11の鋳造
と同時に成形される。そのために、外型30のキャビテ
ィにはオイルル通路27を成形するための突起31が設
けられる。この突起31は切り欠き29を成形するため
の凸部32と、凹溝28を成形するためのピン33とを
含む。凸部32は外型30の可動方向(図8に矢印Fで
示す。)と直角をなす平面32aを有する。ピン33は
可動方向Fと同一方向に沿って延びる。ここで、突起3
1が小さ過ぎると、鋳造時に高温の湯により突起31の
磨滅が早まる。そこで、この実施形態では、突起31の
磨滅を極力抑えるために、上記のような諸元WR1,W
G1,WR2,WL2の設定により、突起31のサイズ
がある程度大きくなっている。更に、ピン3は凸部32
に対して着脱可能であり、凸部32はピン33を取り付
けるための座をなす。従って、ピン33が消耗したとき
には、そのピン33を凸部32から取り外し、新しいも
のと交換することが可能である。
【0020】次に、この実施形態の構成による作用及び
効果について説明する。エンジンの運転時にピストン1
1がシリンダボア23の中で上下運動することにより、
オイルノズル24からピストン11へ向けて潤滑オイル
が噴射される。このオイルはヘッド12の下面12aの
凹部26に当たって四方へ飛散する。このとき、凹部2
6の周縁が滑らかに湾曲していることから、オイルが凹
部26の外方へ向かって効率良く飛散する。飛散したオ
イルはピンボス13に当たり、その軸線L1に平行に飛
んで孔19を通じてシリンダボア23に当たり、或いは
スカート17の内側面に当たる。このように凹部26に
より飛散したオイルがヘッド12の下側でピストン11
の各部に効率良く当たることから、ピストン11が効率
良く冷却される。更に、孔19を通じてシリンダボア2
3に当たったオイルにより、ピストン11とシリンダボ
ア23との間の潤滑を更に向上させる。
【0021】シリンダボア23に当たったオイルはオイ
ルリング10により掻き落とされ、その一部はオイルリ
ング溝16に侵入することになる。このリング溝16に
侵入したオイルは、図6に矢印で示すように、オイル通
路27、即ち凹溝28及び切り欠き29を通って下方へ
落下してリング溝16から円滑に排除される。この実施
形態では、ピストン11の前後両側に各々一対ずつのオ
イル通路27が設けられている。そのため、オイルリン
グ溝16に侵入したオイルをピストン11の前後両側か
ら効率良く排除することができる。これらの結果とし
て、エンジンにおけるオイルの消費量を少なくすること
ができる。更に、各オイル通路27は軸線L1を中心に
対称に配置されていることから、ピンボス18を中心と
したピストン11の動きを安定させることができる。
【0022】特に、この実施形態では、凹溝28がポケ
ット28aを有することから、リング溝16に侵入した
オイルがそのポケット28aに積極的に回収され、その
上で各部28,29を通って排除される。この意味か
ら、エンジンにおけるオイルの消費量を更に少なく抑え
ることができる。
【0023】ここで、ピストン11の運動時におけるオ
イルリング10の動きに注目すると、同リング10はリ
ング溝16を周方向に沿って摺動することになる。従っ
て、オイルリング10の移動に伴い、その合口10aが
移動することになる。このオイルリング10の移動は、
同リング10がシリンダボア23からオイルを掻き落と
す作用を良好にする。
【0024】このピストン11の構成によれば、オイル
リング溝16の底壁16aとオイル通路27の内壁、即
ち凹溝28の内壁とのなす角度(開き角度)θが90°
以上をなしている。このため、図9に示すように、オイ
ルリング10の合口10aがオイル通路27の上を通過
する際、その凹溝28に合口10aの端が接触したとし
ても、その端は凹溝28に引っ掛かることはなく凹溝2
8から抜け出る方向へと案内される。その結果、合口1
0aと凹溝28との干渉が少なくなり、リングスティッ
クやオイルリング10の損傷、更には凹溝28の異常な
摩耗等の発生を未然に防止することができる。
【0025】更に、このピストン11では、切り欠き2
9の第1の幅WR1が凹溝28の第1の幅WG1よりも
大きいことから、オイルリング10の合口10aは凹溝
28を通過する前に切り欠き29に差し掛かることにな
る。そして、このピストン11の構成によれば、切り欠
き29の第2の幅WR2がオイルリング10の第2の幅
WL2よりも小さいことから、同リング10の合口10
aが切り欠き29を通過する際、その合口10aの一部
がリング溝16の底壁16a上に沿って移動することに
なり、合口10aが切り欠き29に引っ掛かることはな
い。その結果、その合口10aと切り欠き29との干渉
が少なくなり、リングスティックやオイルリング10の
損傷、更には切り欠き29の異常な摩耗等の発生を未然
に防止することができる。
【0026】この実施形態によれば、凹溝28が交換可
能なピン33により成形される。従って、ピン33が磨
滅しても、そのピン33を交換すればよく、外型30そ
のものを交換する必要がない。この結果、凹溝28にお
けるオイルの流れが悪化しない範囲で凹溝28の第1の
幅WG1、即ちピン33の外形を小さく設定することが
できる。この意味から、凹溝28とオイルリング10と
の干渉を更に少なくすることができる。
【0027】この実施形態によれば、外型30の可動方
向Fと直角をなす平面32aを有する凸部32を座とし
てピン33が取り付けられる。このため、ピン33を可
動方向Fに沿ってより正確に取り付けることが可能とな
り、ピン33の取り付け精度が向上する。
【0028】加えて、このピストン11では、サイドウ
ォール18が孔19を有することに加え、ヘッド12が
その下面12aに凹部26を有する。このため、孔19
と凹部26の分だけピストン11を軽量化することがで
きる。
【0029】併せて、このピストン11では、オイル通
路27において切り欠き29の部分のみがヘッド12の
下方へ貫通している。従って、このピストン11では、
オイル通路の全部がヘッドの下方へ貫通しているタイプ
のピストンに比べ、ヘッド12の下面12aに吹き付け
られるオイルがオイル通路27を通じてオイルリング溝
16に侵入する量が少なくなる。その意味で、エンジン
におけるオイルの消費量を少なくすることができる。
【0030】尚、この発明は次の別の実施形態に具体化
することもできる。以下の別の実施形態でも前記実施形
態と同等の作用及び効果を得ることができる。 (1)前記実施形態では、図3に示すような特定の形状
を有するオイル通路27を設けたが、そのオイル通路2
7の形状を以下のように変更してもよい。即ち、図10
に示すように、凹溝28を縦長な円形状に変更したり、
図11に示すように、凹溝28を横長な円形状に変更し
たりしてもよい。或いは、図12に示すように、切り欠
き29の横幅(第1の幅)を凹溝28の内径(第1の
幅)よりも小さく設定することにより、凹溝28の断面
形状を錠孔形状に設定することもできる。
【0031】(2)前記実施形態では、切り欠き29の
部分のみがヘッド12の下方へ貫通するオイル通路27
を設けたが、全体がヘッドの下方へ貫通するオイル通路
を設けてもよい。
【0032】(3)前記実施形態では、両スカート17
とピンボス13との間をつなぐサイドウォール18に孔
19を有するピストン11に具体化した。これに対し、
サイドウォールに孔を持たないピストンをはじめとする
各種タイプのピストンに具体化することができる。
【0033】(4)前記実施形態では、両スカート17
を互いに同一の形状を有するものとしたが、それらを互
いに非対称な形状を有するものとしてもよい。 (5)前記実施形態では、ヘッド12の下面12aに凹
部26を設けたが、その凹部26を省略することもでき
る。
【0034】(6)前記実施形態では、三つのリング溝
14〜16を有するピストン11に具体化したが、コン
プレッションリング溝、オイルリング溝の数を増減する
ことにより、三つ以外の数のリング溝を有するピストン
に具体化してもよい。
【0035】更に、上記各実施形態には、特許請求の範
囲に記載した技術的思想に係る次のような各種の実施態
様が含まれることを、以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項1又は2に記載の発明において、前記ピス
トンの前後両側の各々に複数のオイル通路を設ける。
【0036】この構成によれば、リング溝に侵入したオ
イルをピストンの前後両側から効率良く排除することが
できる。 (ロ)請求項1又は2に記載の発明において、前記ピス
トンの前後両側の各々に複数のオイル通路を設けると共
に、それらオイル通路を前記ピストンの左右において対
称に配置する。
【0037】この構成によれば、ピストンの動きを安定
させることができる。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載の第1の発明によれば、
リング溝の底壁とオイル通路の内壁とのなす角度を90
°以上に設定している。
【0039】従って、オイルリングの合口の端がオイル
通路に接触しても、その端が同通路に引っ掛かることな
く、同通路から抜け出る方向へ案内される。そのため、
リング溝に装着されるオイルリングの合口とオイル通路
との干渉に起因するリングスティック、オイルリングの
損傷、或いはオイル通路の摩耗等の不具合の発生を少な
くすることができるという効果を発揮する。
【0040】請求項2に記載の第2の発明によれば、オ
イル通路をヘッドの半径方向へ延びる凹溝と、その凹溝
に連なる切り欠きとにより構成する。リング溝の底壁と
凹溝の内壁とのなす角度を90°以上に設定し、ヘッド
の外周方向における切り欠きの第1の幅をヘッドの外周
方向における凹溝の第1の幅よりも大きく設定し、ヘッ
ドの半径方向における切り欠きの第2の幅をヘッドの半
径方向におけるオイルリングの第2の幅よりも小さく設
定している。
【0041】従って、オイルリングの合口の端が凹溝に
接触しても、その端が凹溝に引っ掛かることなく凹溝か
ら抜け出る方向へ案内される。更に、オイルリングの合
口の一部がリング溝の底壁上を移動することから、その
合口が切り欠きに引っ掛かることはない。そのため、リ
ング溝に装着されるオイルリングの合口と、オイル通路
を構成する凹溝及び切り欠きとの干渉に起因するリング
スティック、オイルリングの損傷、或いはオイル通路の
摩耗等の不具合の発生を少なくすることができるという
効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態に係るピストンを示す正面図。
【図2】 図1の2−2線に沿った断面図。
【図3】 図1の主要部を示す拡大図。
【図4】 図2の主要部を示す拡大図。
【図5】 シリンダボアにおけるピストンの組付図。
【図6】 ヘッドの一部を垂直方向に切断して示す拡大
図。
【図7】 図4の一つのオイル通路の部分を破断して示
す拡大図。
【図8】 ピストン鋳造用の外型の一部は破断して示す
斜視図。
【図9】 オイル通路とオイルリングとの関係を示す拡
大図。
【図10】 別の実施形態に係るオイル通路の部分を示
す拡大図。
【図11】 同じく別の実施形態に係るオイル通路の部
分を示す拡大図。
【図12】 同じく別の実施形態に係るオイル通路の部
分を示す拡大図。
【図13】 従来のピストンを示す正面図。
【図14】 図13の主要部を垂直方向に切断して示す
拡大図。
【図15】 従来のピストンに係り、切り欠きとオイル
リングとの関係を示す拡大図。
【符号の説明】
10…オイルリング、10a…合口、11…ピストン、
12…ヘッド、16…オイルリング溝、16a…底壁、
23…シリンダボア、27…オイル通路、28…凹溝、
29…切り欠き、θ…開き角度、WR1,WG1…第1
の幅、WR2,WL2…第2の幅。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のシリンダボアの中で往復運動
    するピストンであって、そのヘッドの外周にリング溝を
    有し、そのリング溝には前記シリンダボアに供給される
    潤滑オイルを掻き落とすためのオイルリングが装着さ
    れ、そのオイルリングは合口を有し、前記リング溝は同
    溝に侵入した潤滑オイルを排除するために前記ヘッドの
    半径方向へ延びるオイル通路を底壁に有する内燃機関の
    ピストンにおいて、 前記底壁と前記オイル通路の内壁とのなす角度を90°
    以上に設定したことを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 【請求項2】 内燃機関のシリンダボアの中で往復運動
    するピストンであって、そのヘッドの外周にリング溝を
    有し、そのリング溝には前記シリンダボアに供給される
    潤滑オイルを掻き落とすためのオイルリングが装着さ
    れ、そのオイルリングは合口を有し、前記リング溝は同
    溝に侵入した潤滑オイルを排除するために前記ヘッドの
    半径方向へ延びるオイル通路を底壁に有する内燃機関の
    ピストンにおいて、 前記オイル通路を前記ヘッドの半径方向へ延びる凹溝
    と、その凹溝に連なり前記ヘッドの最外周にて同ヘッド
    をその軸線方向に貫通する切り欠きとにより構成し、前
    記リング溝の底壁と前記凹溝の内壁とのなす角度を90
    °以上に設定すると共に、前記ヘッドの外周方向におけ
    る前記切り欠きの第1の幅を前記ヘッドの外周方向にお
    ける前記凹溝の第1の幅よりも大きく設定し、更に前記
    ヘッドの半径方向における前記切り欠きの第2の幅を前
    記ヘッドの半径方向における前記オイルリングの第2の
    幅よりも小さく設定したことを特徴とする内燃機関のピ
    ストン。
JP27136895A 1995-10-19 1995-10-19 内燃機関のピストン Pending JPH09112342A (ja)

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