JP2013189885A - ピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】中子型を用いて鋳造されるものにおいて、生産性を損なうことなく剛性バランスを調整すること。
【解決手段】少なくとも5分割される中子型(7)を用いて一対のスカート部(42)の内面が形成されるピストン(4)において、一対のスカート部(42)の内面には、中子型(7)の型割りによって、スカート部(42)の幅方向における中央部分が薄肉部となり、当該中央部分を挟んだ両側が厚肉部となることで当該中央部分に形成される凹部(424)と、凹部(424)の底面から突出する横リブ(425)とが形成されており、横リブ(425)が凹部(424)の深さよりも短い突出長で、凹部(424)の底面から突出することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動二輪車の内燃機関用のピストンに関し、特に5分割式の中子型を用いて鋳造されるピストンに関する。
内燃機関用のピストンでは、シリンダブロック内のシリンダライナに対する均一な当たりを実現するために、スカート部の剛性バランスが調整されている。従来、この種のピストンとして、スカート部の内側にリブを設けて剛性バランスを調整したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のピストンは、スカート部の内面に形成された一対の縦リブによって、ピストン上下方向における曲げ剛性が高められることで、スカート部の剛性バランスが調整されている。
ところで、一般的なピストンは5分割の中子型を用いて鋳造されるのが主流であり、鋳造後のピストンにはスカート部の内面に縦方向に延びる段差(凹部)が形成される。この段差は、中子型の型割りによって製造の都合上生じるものであり、スカート部の幅方向における中央部分が薄肉になり、中央部分を挟んだ左右部分が厚肉になることで形成される。このような肉厚差によって、一般的なピストンにおいても、特許文献1に記載されたピストンと同様に剛性が高められている。
特開2011−17263号公報
しかしながら、型割りによる肉厚差は、製造方法に起因して生じるものであるため、スカート部の剛性バランスを意図的に調整することが困難であった。例えば、肉厚差が極端であり、さらに肉厚差の形成位置が不適切な場合には、スカート部の剛性に偏りが生じてピストンの変形が一部に集中する。この結果、スカート部の摺動面がシリンダライナの内周面に対して部分的に当たり、ピストン打音による騒音や摺動面の局部摩耗のような不具合が生じる可能性があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、中子型を用いて鋳造されるものにおいて、生産性を損なうことなく剛性バランスを調整できるピストンを提供することを目的とする。
本発明のピストンは、少なくとも5分割される中子型を用いて一対のスカート部の内面が形成されるピストンにおいて、前記一対のスカート部の内面には、前記中子型の型割りによって、前記スカート部の幅方向における中央部分が薄肉部となり、当該中央部分を挟んだ両側が厚肉部となることで当該中央部分に形成される凹部と、前記凹部の底面から突出するリブとが形成されており、前記リブが前記凹部の深さよりも短い突出長で、前記凹部の底面から突出することを特徴とする。
この構成によれば、スカート部にリブが設けられることで、製造の都合上生じる肉厚差によってバラツキが生じるスカート部の剛性バランスを設計に合わせて意図的に調整できる。また、単純にスカート部の肉厚を増加させて剛性を調整する場合と比較して、重量を増やすことなく剛性を調整できる。さらに、リブの突出長が、凹部の深さである肉厚差に収まるため、分割される中子型を用いても、型抜き時に中子型のスライドがリブによって阻害されることがない。よって、凹部にリブを設けたとしても、中子型を用いた製造が可能となり、ピストンの生産性が低下することがない。
また本発明の上記ピストンにおいて、前記中子型は、前記スカート部の幅方向における中央部分を内側から形作る中央型と、前記スカート部の中央部分を挟んだ両側を内側から形作る側方型とを有し、前記リブが前記中央型によって形成される。この構成によれば、中央型のみによってリブが形成されるため、リブの成型精度が向上し的確にスカート部の剛性バランスを調整できる。
また本発明の上記ピストンにおいて、前記中央型は、前記一対のスカート部の間において中央に配置された第1の型と、前記一対のスカート部の幅方向における中央部分を内側から形作るように、前記第1の型を前記スカート部の肉厚方向に挟んで配置された第2の型及び第3の型とからなり、前記側方型は、前記一対のスカート部の中央部分を挟んだ両側を内側から形作るように、前記第1の型、前記第2の型、前記第3の型を前記スカート部の幅方向に挟んで配置された第4の型及び第5の型とからなる。この構成によれば、5分割される中子型を用いて、スカート部の剛性バランスを設計に合わせて意図的に調整できる。
また本発明の上記ピストンにおいて、前記リブは、一対のピンボス部間に収まるように設けられる。
また本発明の上記ピストンにおいて前記リブは、前記ピンボス部と前記スカート部とを連ねるサイドウォール部の先端縁よりも、前記スカート部の先端側に設けることができる。この構成によれば、剛性の低いスカート部の先端側を補強して、スカート部の剛性バランスを調整できる。
また本発明の上記ピストンにおいて、前記リブは、前記凹部の両側に位置する前記厚肉部を繋ぐ横リブである。この構成によれば、横曲げに対するスカート部の剛性を容易に調整できる。
また本発明の上記ピストンにおいて、前記リブは、前記凹部の両側に位置する前記厚肉部を繋ぐ横リブ及び前記横リブに対して直交する縦リブである。この構成によれば、横曲げ及び縦曲げに対するスカート部の剛性を容易に調整できる。
また本発明の上記ピストンにおいて、前記リブは、前記凹部の両側に位置する前記厚肉部を斜めに繋ぐ斜めリブである。この構成によれば、横曲げ及び縦曲げに対するスカート部の剛性を容易に調整できる。
本発明のピストンによれば、中子型を用いて鋳造されるものにおいて、生産性を損なうことなく剛性バランスを調整して、ピストン打音による騒音やスカート部の摺動面の局部摩耗を低減できる。
シリンダブロック周辺の断面図である。 ピストンの断面図である。 ピストンの鋳造方法の説明図である。 ピストンを下方から見た斜視図及びリブ形状の断面図である。 ピストンの変形量のシミュレーション結果を示す図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、本発明に係るピストンを自動二輪車に適用した例について説明するが、適用対象はこれに限定されることなく変更可能である。例えば、本実施の形態に係るピストンを、自動車、船外機等に適用してもよい。図1及び図2を参照して、本実施の形態に係るレシプロエンジンについて説明する。なお、図1においては、説明の便宜上、クランクシャフトを二点鎖線にて示している。
図1に示すように、シリンダブロック1は、クランクケース2の上面に取り付けられ、またはクランクケース2の上面に一体形成されている。シリンダブロック1内には、中空円筒状のシリンダライナ3が別体または一体形成により組み込まれており、このシリンダライナ3の内側にピストン4が往復移動可能に収容されている。ピストン4には、ピストンピン45を介してコネクティングロッド5の小端部(スモールエンド)51が連結されている。コネクティングロッド5の大端部(ビッグエンド)52には、ピストン4の往復動を一次減速機構(不図示)に伝達するクランクシャフト6が連結されている。
クランクシャフト6は、クランクジャーナル61においてクランクケース2に回転可能に支持されている。また、クランクシャフト6は、クランクジャーナル61に対して偏芯して設けたクランクピン63においてコネクティングロッド5の大端部52に連結されている。クランクピン63は、滑り軸受53を介してコネクティングロッド5の大端部52に揺動可能に連結されている。クランクシャフト6に形成されるクランクウェブの一つには、一次伝達機構であるプライマリドライブギヤ64およびプライマリドリブンギヤ(不図示)が設けられている。
このレシプロエンジンでは、ピストン4の往復運動が、コネクティングロッド5を介してクランクピン63に伝達される。そして、クランクピン63がクランクジャーナル61を中心として回転することで、クランクシャフト6が回転される。クランクシャフト6の回転は、プライマリドライブギヤ64を介してプライマリドリブンギヤに伝達される。このような構成により、ピストン4の直線運動が、コネクティングロッド5とクランクシャフト6によって回転運動に変換される。
図2に示すように、ピストン4は、アルミニウム合金材料等によって鋳造され、薄型の略円筒形状のクラウン部41と、クラウン部41から下方に延びる一対のスカート部42及び一対のピンボス部43とにより一体成形されている。クラウン部41は、不図示の燃焼室の下面を形成するものであり、外周面に3つのリング溝が形成されている。3つのリング溝は、クラウン部41のうち外周壁を形成するランド部に、クラウン部41から下方に向って、トップリング溝411、セカンドリング溝412、オイルリング溝413を構成している。
トップリング溝411及びセカンドリング溝412には、それぞれコンプレッションリング(不図示)が装着され、燃焼室の気密性が維持されている。オイルリング溝413には、オイルリング(不図示)が装着され、シリンダライナ3の内周面に付着したオイルが掻き落とされる。また、オイルリング溝413には、ピストン4の内外を連通するようにオイルの戻し穴414が形成されている。オイルリングによって掻き落とされたオイルは、オイルリング溝413に集められて、この戻し穴414を介してピストン4の内側に排出される。
一対のスカート部42は、クラウン部41の外周面に沿って湾曲しており、吸排気方向において互いに対向している。スカート部42の外面は、シリンダライナ3の内周面に摺動する摺動面421となっている。摺動面421には、無数の細かな条痕が形成されており、この条痕の間にはオイルが保持される。この条痕に保持されたオイルによって、ピストン4とシリンダライナ3との潤滑性が確保されている。スカート部42の内面には、スカート部42の剛性バランスを調整するための横リブ425が形成されている。なお、横リブ425の詳細については後述する。
一対のピンボス部43は、コネクティングロッド5との連結部分であり、吸排気方向に対して直交方向(ピストンピン軸方向)においてコネクティングロッド5の小端部51を挟み込むようにお互いに対向している。一対のピンボス部43は、ピストンピン45を介してコネクティングロッド5の小端部51に揺動可能に連結されている。ピンボス部43とスカート部42との間は、サイドウォール部44によって接続されている。スカート部42において、サイドウォール部44よりも下側はサイドウォール部44よりも上側の肉厚に比べて薄肉に形成されている。
このピストン4が往復運動する際には、ピストン4の外周面とシリンダライナ3の内周面のクリアランス分だけ、ピストン4の首振り運動が起きる。このとき、スカート部42の摺動面421とシリンダライナ3との当たりが不均一だと、ピストン打音による騒音や摺動面421の局部摩耗のような不具合が生じる。特に摺動面421の局部摩耗の場合には、条痕が削れてスカート部42の潤滑性が保てなくなり、ピストン寿命が短くなる。そこで、本実施の形態ではシリンダライナ3に対するピストン4の均一な当たりを実現するために、スカート部42の内面に横リブ425を設けて剛性バランスを調整している。
図3を参照して、本実施の形態に係るピストン4の鋳造について説明する。本実施の形態においては、5分割方式の中子型7を用いてピストン4を鋳造する構成について説明するが、この構成に限定されない。ピストン4は、少なくとも5分割される中子型7を用いて鋳造される構成であればよい。なお、図3においては、説明の便宜上、ピストン4の外面形状を形成する外型を省略している。
図3Aに示すように、ピストン4は、外型(不図示)と中子型7との隙間にアルミニウム合金材料等の溶融金属を流し込むことで鋳造される。中子型7は、スカート部42の幅方向における中央部422を形作る中央型71と、中央部422を挟んだ両側部423を形作る側方型72とによって構成されている。中央型71は、平面視においてピストン中央に配置された第1の型75と、吸排気方向において第1の型75を挟んで配置された第2、第3の型76、77とで構成される。第1−第3の型75、76、77は、吸排気方向に沿った側面が段差なく連続的な面を形成している。
側方型72は、スカート部42の幅方向において第1−第3の型75、76、77を挟んで配置された一対の第4、第5の型78、79で構成される。このとき、平面視において、中央部422を形成する第2、第3の型76、77の端面の方が、両側部423を形成する第4、第5の型78、79の端面よりも吸排気方向へ向かって突出している。このため、スカート部42の内面は、中央部422が薄肉に形成され、この中央部422の両側の両側部423が厚肉に形成される。このスカート部42の中央部422と両側部423の肉厚差によって、スカート部42の内面には縦方向に延在する凹部424が形成される。
図3Bに示すように、鋳造後のピストン4から中子型7を外す場合には、最初に第1の型75がピストン4から紙面上方に取り外される。次に、第2の型76が、第4、第5の型78、79に沿ってピストン中央に向けてスライドされ、ピストン4のアンダーカット部分から外れた後に紙面上方に取り外される。次に、第3の型77が、第4、第5の型78、79に沿ってピストン中央に向けてスライドされ、ピストン4のアンダーカット部分から外れた後に紙面上方に取り外される。
この第2、第3の型76、77によって、スカート部42の中央部422に横リブ425が形成される。横リブ425は、第2、第3の型76、77の表面76a、77a(図3A参照)に設けられた凹部(不図示)によって、凹部424の底面から突出するようにして形成される。このとき、横リブ425は、第2、第3の型76、77のスライド方向に沿って延設されているため、第2、第3の型76、77の型抜きに影響を与えることがない。横リブ425は、スカート部42の両側部423の厚肉部分を繋ぐように横方向に延びており、一対のピンボス部43間に収まるように配置されている。そのため、中央型71の側方に側方型72を配置することが可能となる。この横リブ425によって、横曲げに対するスカート部42の剛性が強化される。
次に、第4の型78が、一対のスカート部42の内面に沿ってピストン中央に向けてスライドされ、ピストン4のアンダーカット部分から外れた後に紙面上方に取り外される。最後に、第5の型79が、一対のスカート部42の内面に沿ってピストン中央に向けてスライドされ、ピストン4のアンダーカット部分から外れた後に紙面上方に取り外される。この第4、第5の型78、79の紙面上方へのスライドは、スカート部42の中央部に形成された凹部424が逃げとなってスカート部42の内面に阻害されることがない。
このように、スカート部42の凹部424(肉厚差)は、第4、第5の型78、79のスライド時の逃げを形成するために、製造の都合上生じるものである。本実施の形態では、肉厚差によってバラツキが生じるスカート部42の剛性バランスを、凹部424に横リブ425を設けることで設計に合わせて意図的に調整している。このため、横リブ425は、平面視において、凹部424の深さよりも短い突出長で凹部424の底面から吸排気方向に向かって突出されている。すなわち、横リブ425がスカート部42の両側部423の内面よりもピストンの径方向内側に突出することがなく、第4、第5の型78、79をスカート部42の内面に沿ってスライドさせる際の型抜きに影響を与えることがない。
図4を参照して、スカート部42に形成されるリブについて説明する。なお、図4A、図4Bは比較例に係るピストン、図4Cは本実施の形態に係るピストン、図4D、図4Eは変形例に係るピストンをそれぞれ示す。
図4Aに示す比較例に係るピストン81には、スカート部82の内面から突出するように縦リブ83が設けられている。縦リブ83は、中子型7の型割りによって製造の都合上生じるものではなく、意図的に形成されたものである。このため、ピストン81は、縦リブ83によってスカート部82の剛性を容易に調整することが可能である。しかしながら、ピストン81の縦リブ83は、スカート部42の肉厚差によって作られるものでないため、側方型72をスカート部82の内面に沿ってスライドさせる際の型抜き時のアンダーカットとなり、側方型72の型割り数を増やさない限り形成できない。
図4Bに示す比較例に係るピストン85には、スカート部86の肉厚差によって、スカート部86の内面に凹部87が形成される。凹部87は、中子型7の型割りによって製造の都合上生じるものであり、意図的に形成されたものではない。しかしながら、凹部87は厚肉差を生じさせることで、結果としてピストン81と同様に剛性を高めることが可能である。ただし、凹部87は製造方法に起因して生じるものであるため、スカート部86の剛性バランスを意図的に調整することができない。
図4Cに示す本実施の形態に係るピストン4は、比較例に係るピストン85に対して、さらに一対の横リブ425を設けたものである。横リブ425は、凹部424を挟んだ厚肉部分を繋ぐように延びており、横曲げに対するスカート部42の剛性を高めている。凹部424は中子型7の型割りによって製造の都合上生じるものであるが、横リブ425は意図的に形成されたものである。このため、ピストン4は、横リブ425によってスカート部42の剛性バランスを意図的に調整することが可能である。横リブ425は、上記したように中央型71(第2、第3の型76、77)のスライド方向、即ち、平面視において吸排気方向に突出しているものの、両側部423よりもピストン4の径方向内側に突き出ることがないため、側方型72をスカート部42の内面に沿ってスライドさせる際の型抜きを阻害しない。
図4Dに示す変形例に係るピストン91は、ピストン4に対して横リブ94の数を増やし、さらに縦リブ95を設けたものである。縦リブ95は、複数の横リブ94に対して直交する方向に延びており、縦曲げに対するスカート部92の剛性を高めている。このため、ピストン91は、横リブ94及び縦リブ95によって、スカート部92の剛性バランスを意図的に精度よく調整することが可能である。このピストン91の横リブ94及び縦リブ95も、中央型71(第2、第3の型76、77)のスライド方向に突出し、両側部423よりもピストン91の径方向内側に突き出ることがないため、側方型72をスカート部92の内面に沿ってスライドさせる際の型抜きを阻害しない。
また、ピストン91の横リブ94及び縦リブ95も、中央型71の表面に設けられた凹部(不図示)によって形成される。このピストン91は、縦リブ95によって縦曲げに対するスカート部92の剛性が高められるため、スカート部92のスカート長が大きなものに有用である。特に、スカート部92を長くとることでピストン91の首振りを小さくし、騒音を低下させることを優先させたエンジンに有用である。
図4Eに示す変形例に係るピストン96は、ピストン91の横リブ94や縦リブ95の代わりに、一対の斜めリブ99を設けたものである。斜めリブ99は、凹部98を挟んだ厚肉部分を斜めに繋ぐように延びており、横曲げ及び縦曲げに対するスカート部97の剛性を高めている。このため、ピストン96は、斜めリブ99によって、スカート部97の剛性バランスを意図的により精度よく調整することが可能である。このピストン96の斜めリブ99も、中央型71(第2、第3の型76、77)のスライド方向に突出し、両側部423よりもピストン91の径方向内側に付き出ることがないため、側方型72をスカート部97の内面に沿ってスライドさせる際の型抜きを阻害しない。
また、ピストン96の斜めリブ99も、中央型71の表面に設けられた凹部(不図示)によって形成される。このピストン96は、斜めリブ99によって横曲げに対するスカート部97の剛性だけでなく、縦曲げに対するスカート部92の剛性も高められるため、スカート部97のスカート長が大きなものに有用である。また、ピストン96は、少ないリブ本数で横曲げ及び縦曲げに対するスカート部97の剛性を同時に高めることができ、軽量化を実現できる。
図5を参照して、本実施の形態に係るスカート部42の剛性について説明する。図5は、従来形状のピストン101と本実施の形態に係るピストン4とを比較したものであり、変形量のシミュレーション結果を示している。なお、図5において、図示左側が従来形状のピストン、図示中央が本実施の形態に係るピストン、図示右側が肉厚を増加させた従来形状のピストンをそれぞれ示している。
図5Aに示すように、従来形状のピストン101は、リブが設けられておらず、本実施の形態に係るピストン4と略同じ重量で形成されている。従来形状のピストン101に矢印F方向から負荷を作用させたところ、変形量が0.159mmとなった。これに対し、図5Bに示す本実施の形態に係るピストン4は、横リブ425が設けられて、剛性が高められている。本実施の形態に係るピストン4に対し、従来形状のピストン101と同じ大きさの負荷を矢印F方向から作用させたところ、変形量が0.143mmとなった。このように、本実施の形態に係るピストン4は、従来形状のピストン101と重量が略同一であるにも関わらず、剛性が高められている。
ところで図5Cに示すように、従来形状のピストン101は、単純に肉厚を増加させることで、本実施の形態に係るピストン4と同様な剛性を得ることが可能である。しかしながら、従来形状のピストン101において、本実施の形態に係るピストン4と同じ変形量にするためには、0.35gだけ重量を増加させる必要がある。このように、図5Bに示す本実施の形態に係るピストン4は、単純に肉厚を増加させて剛性を調整する場合と比較して、重量を増やすことなく剛性を調整することが可能となっている。
以上のように、本実施の形態に係るピストン4によれば、製造の都合上生じる肉厚差によってバラツキが生じるスカート部42の剛性バランスを設計に合わせて意図的に調整できる。また、単純にスカート部42の肉厚を増加させて剛性を調整する場合と比較して、重量を増やすことなく剛性を調整できる。さらに、横リブ425の突出長が、凹部424の深さである肉厚差に収まるため、中子型7を用いた製造が横リブ425によって阻害されることがない。よって、凹部424に横リブ425を設けたとしても、中子型7を用いた製造が可能となり、ピストン4の生産性が低下することがない。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、本実施の形態においては、5分割される中子型を用いてピストンを鋳造する構成について説明したが、この構成に限定されない。ピストンは、少なくとも5分割される中子型を用いて鋳造されればよく、例えば7分割される中子型を用いて鋳造されてもよい。
また、本実施の形態においては、凹部が縦方向に溝状に延びる構成としたが、この構成に限定されない。凹部は、中子型の型割りによって製造の都合上生じる形状であれば、どのような形状でもよい。
また、本実施の形態においては、スカート部の剛性が横リブ、縦リブ、斜めリブによって強化される構成としたが、この構成に限定されない。リブは、スカート部の剛性を強化できるものであればよく、例えば、環状に形成されてもよいし、矩形枠状に形成されてもよい。
また、本実施の形態においては、スカート部の厚肉部分を繋ぐようにリブを設けたが、この構成に限定されない。リブは、スカート部の凹部の底面から突出していれば、スカート部の厚肉部分を繋がなくてもよい。
また、本実施の形態においては、スカート部の長さ方向における中間部分にリブが設けられたが、この構成に限定されない。リブは、スカート部の凹部の底面であれば、どの位置に設けられてもよい。例えば、サイドウォール(図2参照)よりもスカート部の先端側に設けられてもよい。この構成により、剛性の低いスカート部の先端側を補強して、例えば、スカート長が大きなスカート部の剛性バランスを調整できる。
以上説明したように、本発明は、生産性を損なうことなく剛性バランスを調整できるという効果を有し、特に、5分割式の中子型を用いて鋳造されるピストンに有用である。
4 ピストン
7 中子型
41 クラウン部
42 スカート部
43 ピンボス部
44 サイドウォール部
71 中央型
72 側方型
75 第1の型
76 第2の型
77 第3の型
78 第4の型
79 第5の型
421 摺動面
422 中央部
423 両側部
424 凹部
425 横リブ

Claims (8)

  1. 少なくとも5分割される中子型を用いて一対のスカート部の内面が形成されるピストンにおいて、
    前記一対のスカート部の内面には、前記中子型の型割りによって、前記スカート部の幅方向における中央部分が薄肉部となり、当該中央部分を挟んだ両側が厚肉部となることで当該中央部分に形成される凹部と、前記凹部の底面から突出するリブとが形成されており、
    前記リブが前記凹部の深さよりも短い突出長で、前記凹部の底面から突出することを特徴とするピストン。
  2. 前記中子型は、前記スカート部の幅方向における中央部分を内側から形作る中央型と、前記スカート部の中央部分を挟んだ両側を内側から形作る側方型とを有し、
    前記リブが前記中央型によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 前記中央型は、前記一対のスカート部の間において中央に配置された第1の型と、前記一対のスカート部の幅方向における中央部分を内側から形作るように、前記第1の型を前記スカート部の肉厚方向に挟んで配置された第2の型及び第3の型とからなり、
    前記側方型は、前記一対のスカート部の中央部分を挟んだ両側を内側から形作るように、前記第1の型、前記第2の型、前記第3の型を前記スカート部の幅方向に挟んで配置された第4の型及び第5の型とからなることを特徴とする請求項2に記載のピストン。
  4. 前記リブは、一対のピンボス部間に収まるように設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のピストン。
  5. 前記リブは、前記ピンボス部と前記スカート部とを連ねるサイドウォール部の先端縁よりも、前記スカート部の先端側に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のピストン。
  6. 前記リブは、前記凹部の両側に位置する前記厚肉部を繋ぐ横リブであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のピストン。
  7. 前記リブは、前記凹部の両側に位置する前記厚肉部を繋ぐ横リブ及び前記横リブに対して直交する縦リブであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のピストン。
  8. 前記リブは、前記凹部の両側に位置する前記厚肉部を斜めに繋ぐ斜めリブであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のピストン。
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