JPH09111669A - ゴム補強用ガラス繊維及びその製造法 - Google Patents

ゴム補強用ガラス繊維及びその製造法

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JPH09111669A
JPH09111669A JP7293629A JP29362995A JPH09111669A JP H09111669 A JPH09111669 A JP H09111669A JP 7293629 A JP7293629 A JP 7293629A JP 29362995 A JP29362995 A JP 29362995A JP H09111669 A JPH09111669 A JP H09111669A
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JP
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glass fiber
rubber
liquid
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fiber bundle
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JP7293629A
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Koji Hattori
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Satoru Watanabe
渡辺  哲
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Asahi Fiber Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム中に埋設することにより、耐熱耐水耐屈
曲疲労性に優れたゴム製品を得ることができるゴム補強
用ガラス繊維及びその製造法を提供する。 【解決手段】 ガラス繊維束に、ゴムラテックスとレゾ
ルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物とを含む第1
液を付着させて第1被覆層を形成し、この第1被覆層上
に、シリコーンを含む第2液を付着させて第2被覆層を
形成し、更にこの第2被覆層上に、ハロゲン含有ポリマ
ーとイソシアネートとを含む第3液を付着させて第3被
覆層を形成してゴム補強用ガラス繊維とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴムベルト、タイ
ヤ等の繰り返し屈曲応力を受けるゴム製品の補強用に好
適なゴム補強用ガラス繊維及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴムベルト、タイヤ等の繰り返し屈曲応
力を受けるゴム製品の多くは、ゴムにガラス繊維等の補
強材を配合して、その強度を高くするようにされてい
る。これに用いるゴム補強用ガラス繊維は、ゴムマトリ
ックスとの接着力に優れ、強度を十分高め、また、長期
にそれらの効果を持続させることができるものである必
要があり、そのためにガラス繊維表面を特定の化合物で
被覆している。なお、これらのゴム製品は、繰り返し屈
曲応力を受けるので、屈曲疲労により性能が低下した
り、ゴムマトリックスと補強用ガラス繊維との間に剥離
が生じたり、補強用ガラス繊維が摩耗して強度が低下し
たりしやすい。なお、このような現象は、熱及び水分の
影響により、特に加速される傾向にある。
【0003】このような屈曲疲労による性能の低下を防
止し、補強効果を持続させるためには、ゴムマトリック
スと補強用ガラス繊維との馴染み、接着力をより大きく
し、かつ、耐熱耐水性をより向上させることが求められ
る。このため、補強用ガラス繊維の表面に付着させる化
合物について種々の検討がなされている。
【0004】例えば、本出願人による特公平2−471
5号には、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンのタ
ーポリマーラテックス、ゴムラテックス及びレゾルシン
−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物を含む第1液で処理
した後、ハロゲン含有ポリマー、イソシアネートを含む
第2液で処理することを特徴とするゴム補強用繊維の処
理方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らのその後の研究の結果、上記特公平2−4715号
に開示された方法では、補強用ガラス繊維の耐熱耐水性
が十分に得られず、したがって、高温、高湿の環境下で
は耐屈曲疲労性が不足することがわかった。この傾向
は、特に、クロロスルフォン化ポリエチレン、水素添加
ニトリルゴムのような接着性の乏しい耐熱ゴムに適用し
た場合に著しく現れる。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ゴムマトリックスとの接着力、及び耐
熱耐水性に優れ、それによってどのような環境下でも優
れた耐屈曲疲労性を付与することができるゴム補強用ガ
ラス繊維及びその製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のゴム補強用ガラス繊維は、ガラス繊維束
と、このガラス繊維束に付着された、ゴムラテックスと
レゾルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物とを含む
第1被覆層と、この第1被覆層上に付着された、シリコ
ーンを含む第2被覆層と、更にこの第2被覆層上に付着
された、ハロゲン含有ポリマーとイソシアネートとを含
む第3被覆層とを有することを特徴とする。
【0008】また、本発明のゴム補強用ガラス繊維の製
造法は、ガラス繊維束に、ゴムラテックスとレゾルシン
−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物とを含む第1液を付
着させた後、シリコーンを含む第2液を付着させ、更に
ハロゲン含有ポリマーとイソシアネートとを含む第3液
を付着させることを特徴とする。
【0009】本発明において、ゴムラテックスとレゾル
シン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物とを含む第1液
は、ガラス繊維束に対する馴染みが良好であるため、こ
の第1液を付着して形成される第1被覆層は、ガラス繊
維束に強固に接着される。
【0010】また、シリコーンを含む第2液を付着させ
て形成される第2被覆層は、ガラス繊維束の摺動性、耐
水性を向上させ、ガラス繊維束間の摩耗が生じにくくす
る作用をもたらす。
【0011】更に、ハロゲン含有ポリマーとイソシアネ
ートとを含む第3液を付着して形成される第3被覆層
は、ゴムマトリックスと相溶性を有し、ゴムマトリック
スと強固に結合する。
【0012】本発明のゴム補強用ガラス繊維は、上記の
ような作用によって、ゴム補強材として用いられたと
き、高温、多湿の環境下においても、優れた耐屈曲疲労
性を発揮する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、ガラス繊維束と
しては、フィラメント径が好ましくは6〜10μm、よ
り好ましくは7〜9μmのガラス単繊維に、集束剤を付
与して好ましくは100〜400本集束したものが使用
される。このガラス繊維束は、必要により複数本、好ま
しくは2〜8本引き揃えて第1液による処理を施す。
【0014】本発明では、上記ガラス繊維束に、ゴムラ
テックスとレゾルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合
物を含有する第1液を付着させ、乾燥させることによ
り、第1被覆層を形成する。
【0015】ゴムラテックスとしては、ビニルピリジン
−スチレン−ブタジエンのターポリマーラテックス、ブ
タジエン−スチレン共重合体ラテックス、ジカルボキシ
ル化ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス、ブタジ
エンラテックス、クロロスルフォン化ポリエチレンラテ
ックス等を用いるのが好ましい。これらのうち、ビニル
ピリジン−スチレン−ブタジエンのターポリマーラテッ
クスとクロロスルフォン化ポリエチレンラテックスとの
混合物が、特に好ましく用いられる。
【0016】なお、ビニルピリジン−スチレン−ブタジ
エンのターポリマーラテックスとしては、周知の各種の
ターポリマー類を用いることができ、例えば、ビニルピ
リジンとスチレンとブタジエンとの重合割合が、10〜2
0:10〜20:60〜80のものが好ましく用いられる。この
ような配合割合のターポリマー類として、例えば「Nipo
l 2518FS」(商品名、日本ゼオン株式会社製)、「Pyra
tex 」(商品名、住友ノーガタック株式会社製)、「06
50」(商品名、日本合成ゴム株式会社製)等が市販され
ているので、これらを用いてもよい。
【0017】クロロスルフォン化ポリエチレンラテック
スとしては、塩素含有量が20〜40重量%で、スルフォン
基としての硫黄含有量が0.5 〜2.0 重量%のものが好ま
しく用いられる。
【0018】レゾルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮
合物としては、レゾルシンとホルムアルデヒドとを、水
酸化アルカリ、アンモニア、アミン等のアルカリ性触媒
の存在下に反応させて得られる、レゾルシンとホルムア
ルデヒドとのオキシメチル基に富んだ水溶性の初期の付
加縮合物であるレゾールを用いるのが好ましく、レゾル
シンとホルムアルデヒドとを、モル比1:0.3 〜2.5 の
割合で反応させたものがより好ましい。
【0019】本発明において第1液は、ゴムラテックス
とレゾルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物とを必
須成分として含有するが、必要に応じてゴムラテックス
の安定剤、老化防止剤、pHを調整するための塩基等を配
合してもよい。
【0020】ゴムラテックスとレゾルシン−ホルムアル
デヒドの水溶性縮合物との配合割合は、ゴムラテックス
に対してレゾルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物
が固形物換算で2.5 〜25重量%となるようにするのが好
ましい。なお、ゴムラテックスとしてビニルピリジン−
スチレン−ブタジエンのターポリマーラテックスと他の
ゴムラテックスとの混合物を用いる場合、混合物に対す
る他のゴムラテックスの割合が、固形物換算で2.5 〜50
重量%となるようにするのが好ましい。
【0021】また、第1液中における、ゴムラテックス
とレゾルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物との合
計量は、固形分として10〜50重量%とするのが好まし
く、20〜40重量%とするのがより好ましい。これらの合
計量が10重量%未満の場合には、ガラス繊維束への付着
が不十分となり、また、50重量%を超える場合には、安
定性が悪くなって、ゲル化しやすくなるので好ましくな
い。
【0022】更に、ガラス繊維束に対する第1液の付着
量は、固形分として10〜30重量%とするのが好ましく、
15〜25重量%とするのがより好ましい。付着量が10重量
%未満の場合には、フィラメント摩耗により屈曲疲労性
が低下し、30重量%を超えると、被膜の柔軟性が乏しく
なって、屈曲疲労性が低下する。
【0023】上記第1被覆層を形成した後、シリコーン
を含有する第2液を付着させて乾燥させることにより、
第2被覆層を形成する。この場合、上記第1被覆層を形
成したガラス繊維束を下撚りして子縄を形成し、この子
縄に対して上記第2液を付着させることが好ましい。
【0024】シリコーンとしては、ジメチルポリシロキ
サンオイル、メチルハイドロジエンポリシロキサンオイ
ル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、アルコ
ール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオ
イル、メチルフェニルシリコーンオイル、ポリエーテル
変性シリコーンオイル等が好ましく用いられる。
【0025】第2液におけるシリコーンの濃度は、固形
分として2〜40重量%が好ましく、5〜20重量%がより
好ましい。
【0026】また、第1液を付着させたガラス繊維束に
対する第2液の付着量は、固形分として0.1 〜4.0 重量
%が好ましく、0.5 〜2.5 重量%がより好ましい。付着
量が0.1 重量%未満の場合には、耐熱耐水性を向上させ
る効果が十分得られなくなり、また、4.0 重量%を超え
るとマトリックスゴムに対する接着力が低くなる。
【0027】こうして第2被覆層を形成した後、ハロゲ
ン含有ポリマーとイソシアネートとを含有する第3液を
付着して乾燥させ、第3被覆層を形成する。なお、第1
被覆層を形成したガラス繊維束を下撚りして子縄にし、
第2被覆層を形成した場合には、上記子縄を9〜13本
引き揃えて上撚りした後、上記第3被覆層を形成するの
が好ましい。
【0028】ハロゲン含有ポリマーとしては、塩素化ゴ
ム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、塩素化エ
チレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリ塩化ビニル、
クロロスルフォン化ポリエチレン等が好ましく用いられ
る。これらのうち、クロロスルフォン化ポリエチレンが
特に好ましく用いられる。
【0029】イソシアネートとしては、メチレンジフェ
ニルイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネ
ート(TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、ナフタリンジイソシアネート等が好ましく用いられ
る。なお、イソシアネート単量体は揮発性が大きいの
で、比較的分子量が小さく、反応性に富んだポリイソシ
アネートを用いるのが好ましく、重合度2〜10のものが
好ましい。
【0030】第3液中におけるハロゲン含有ポリマーと
イソシアネートとの配合割合は、100 :10〜100 とする
のが好ましい。ハロゲン含有ポリマー100 に対するイソ
シアネートの割合が10未満の場合には、ゴム補強用ガラ
ス繊維束のマトリックスゴムに対する接着力が低くな
り、上記割合が100 を超えると、耐屈曲疲労性、耐熱性
が悪化する。
【0031】本発明において第3液は、ハロゲン含有ポ
リマーとイソシアネートとを必須成分として含有する
が、必要に応じて加硫剤、カーボンブラック等を配合す
ることもできる。
【0032】第3液中のハロゲン含有ポリマーとイソシ
アネートとの混合物の濃度は、2〜15重量%が好まし
く、5〜10重量%がより好ましい。
【0033】また、第1液と第2液とを付着させたガラ
ス繊維束に対する第3液の付着量は、固形分として0.5
〜5.0 重量%が好ましく、2.0 〜4.0 重量%がより好ま
しい。上記付着量が0.5 重量%未満の場合には、マトリ
ックスゴムに対する接着性が十分に得られず、また、5.
0 重量%を超えると、被膜の柔軟性が低下し、耐屈曲疲
労性が悪化するので好ましくない。
【0034】このようにして得られた本発明のゴム補強
用ガラス繊維は、未加硫のゴム基材中に通常行われてい
る方法で配合し、加圧下に加熱加硫してゴム製品とされ
る。本発明のゴム補強用ガラス繊維を適用することがで
きるゴムの種類は特に限定されず種々のゴムに用いるこ
とができるが、例えば、クロロスルフォン化ポリエチレ
ン、水素化ニトリルゴム等に好ましく用いられる。本発
明のゴム補強用ガラス繊維により補強されたゴムを用い
て製造されたゴム製品は、ゴムマトリックスと補強用ガ
ラス繊維との接着力及び耐熱耐水耐屈曲疲労性に優れて
いる。したがって、ゴムベルト、タイヤ等の繰り返し屈
曲応力を受けるゴム製品に、特に好ましく適用される。
【0035】
【実施例】
実施例 ビニルピリジン−スチレン−ブタジエンのターポリマー
ラテックスである「Nipol 2518FS」(商品名、日本ゼオ
ン株式会社製、固形分40重量%)65重量部と、ジカルボ
キシル化ブタジエン−スチレン共重合体ラテックスであ
る「Nipol 2570×5 」(商品名、日本ゼオン株式会社
製、固形分40重量%)10重量部と、レゾルシンとホルム
アルデヒドとの付加縮合物であるレゾールを20重量%含
む水溶液15重量部と、水12重量部とを混合した後、この
混合物に、老化防止剤である、鉱油含有量55重量%の鉱
油乳化物1重量部と、25%アンモニア水1重量部とを添
加して第1液を得た。
【0036】また、メチルフェニルシリコーンエマルジ
ョンである「SH 8627 」(商品名、東レダウコーニング
シリコーン株式会社製、固形分35重量%)30重量部と、
水70重量部とを混合して第2液を得た。
【0037】更に、クロロスルフォン化ポリエチレンで
ある「ハイパロン40」(商品名、昭和電工デュポン株式
会社製)10重量部と、ポリイソシアネートである「MR-2
00」(商品名、日本ポリウレタン工業株式会社製)5重
量部と、カーボンブラックである「HAF 」(商品名、三
菱化成工業株式会社製)3重量部との混合物に、トルエ
ンを加えて、濃度10重量%の第3液を得た。
【0038】第1液、第2液、第3液のそれぞれに含有
される成分の配合割合及び固形分換算値を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】繊維径9μmのガラス単繊維200 本に、ゴ
ムラテックス系集束剤をガラス繊維に対して0.4 〜0.5
重量%付着させて集束し、 140℃で12時間乾燥させて
ガラス繊維束を得た。
【0041】このガラス繊維束を3本引き揃え、上記第
1液を常法にしたがって付与し、250 ℃で2分間熱処理
して、第1液の固形分としての付着量がガラス繊維束に
対して18重量%の、第1被覆層が形成されたガラス繊維
束を得た。
【0042】次いで、この第1被覆層が形成されたガラ
ス繊維束に、2.54cm当たり2.0 回のZ方向(及びS方
向)の下撚りを与えた後、上記第2液を常法にしたがっ
て付与し、150 ℃で1分間熱処理して、第2液の固形分
としての付着量が、第1被覆層が形成されたガラス繊維
束に対して1.0 重量%で、第1被覆層上に第2被覆層が
形成され、下撚りされたガラス繊維束を得た。
【0043】続いて、第1被覆層上に第2被覆層が形成
されたガラス繊維束を11本合糸し、2.54cm当たり2.0 回
のS方向(及びZ方向)の上撚りを施し、ECG150 3/11
2.0S(Z) のガラス繊維コードを得た。
【0044】次に、このガラス繊維コードに、上記第3
液を常法にしたがって付与し、130℃で1分間熱処理し
て、第3液の固形分としての付着量が、第1被覆層及び
第2被覆層が形成されたガラス繊維束に対して3.5 重量
%の、第1被覆層上に第2被覆層が形成され、更にその
上に第3被覆層が形成されたゴム補強用ガラス繊維を得
た。このゴム補強用ガラス繊維を実施例品とする。
【0045】比較例 実施例と同様のガラス繊維、及び第1液、第3液を用い
て、第2液での処理工程だけ行わず、後は実施例と同様
にしてゴム補強用ガラス繊維を得た。このゴム補強用ガ
ラス繊維を比較例品とする。
【0046】試験例 表2に示す配合のゴムに、実施例品、比較例品のゴム補
強用ガラス繊維のS撚り、Z撚りを交互に入れて、幅19
mm、長さ920mm の歯付ベルトを作製した。なお、表2に
示す水素化ニトリルゴムとしては、「ゼットポール202
0」(商品名、日本ゼオン株式会社製)を用いた。ま
た、「チオコール TP95」(商品名、東レチオコール株
式会社製)は、老化防止剤である。
【0047】
【表2】
【0048】こうして得られたそれぞれの歯付ベルト
を、図1に示す注水走行試験機に装着した。図1におい
て、1〜4は直径5cmのプーリ、5〜8はアイドラであ
り、9は歯付ベルトである。1つのプーリ1には、図示
しないテンショナによって20kgの張力Aがかけられ
ている。この試験機を室温にてプーリを5500rpm で回転
させ、別のプーリ3に水Bを1リットル/時の量で滴下
しながら、ベルトが切断するまで走行させて、その屈曲
回数を求めた。
【0049】また、得られたそれぞれの歯付ベルトを、
上記図1と同様の構造からなる耐熱走行試験機に装着し
た。そして、100 ℃の雰囲気下で、上記のような注水は
せずに、プーリを5500rpm で回転させ、ベルトが切断す
るまで走行させてその屈曲回数を求めた。これらの結果
を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】表3の結果から、ゴム補強用ガラス繊維と
して実施例品を用いた歯付ベルトは、比較例品を用いた
歯付ベルトより、注水走行試験及び耐熱走行試験のいず
れの場合も、ベルト破断までの屈曲回数が著しく多くな
ることがわかる。すなわち、シリコーンを含む第2液で
の処理を加えることにより、耐水耐屈曲疲労性及び高温
環境下での耐屈曲疲労性が向上することがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガラス繊維束に、ゴムラテックスとレゾルシン−ホルム
アルデヒドの水溶性縮合物とを含む第1液を付着させて
第1被覆層を形成し、この第1被覆層上に、シリコーン
を含む第2液を付着させて第2被覆層を形成し、更にこ
の第2被覆層上に、ハロゲン含有ポリマーとイソシアネ
ートとを含む第3液を付着させて第3被覆層を形成する
ことにより、耐水耐熱耐屈曲疲労性に優れたゴム製品を
得ることができるゴム補強用ガラス繊維を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例で用いた注水走行及び耐熱走行試験機の
構造を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 プーリ 5、6、7、8 アイドラ 9 歯付ベルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // D06M 101:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維束と、このガラス繊維束に付
    着された、ゴムラテックスとレゾルシン−ホルムアルデ
    ヒドの水溶性縮合物とを含む第1被覆層と、この第1被
    覆層上に付着された、シリコーンを含む第2被覆層と、
    更にこの第2被覆層上に付着された、ハロゲン含有ポリ
    マーとイソシアネートとを含む第3被覆層とを有するこ
    とを特徴とするゴム補強用ガラス繊維。
  2. 【請求項2】 前記ゴムラテックスが、ビニルピリジン
    −スチレン−ブタジエンのターポリマーと、クロロスル
    フォン化ポリエチレンラテックスとの混合物である請求
    項1記載のゴム補強用ガラス繊維。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン含有ポリマーが、クロロス
    ルフォン化ポリエチレンである請求項1又は2記載のゴ
    ム補強用ガラス繊維。
  4. 【請求項4】 前記イソシアネートがポリイソシアネー
    トである請求項1〜3のいずれか一つに記載のゴム補強
    用ガラス繊維。
  5. 【請求項5】 ガラス繊維束に、ゴムラテックスとレゾ
    ルシン−ホルムアルデヒドの水溶性縮合物とを含む第1
    液を付着させた後、シリコーンを含む第2液を付着さ
    せ、更にハロゲン含有ポリマーとイソシアネートとを含
    む第3液を付着させることを特徴とするゴム補強用ガラ
    ス繊維の製造法。
  6. 【請求項6】 前記ガラス繊維束に前記第1液を付着さ
    せた後下撚りし、この下撚りしたガラス繊維束に前記第
    2液を付着させ、この第2液を付着させたガラス繊維束
    を複数本合糸して上撚りし、この上撚りしたガラス繊維
    束に前記第3液を付着させる請求項5記載のゴム補強用
    ガラス繊維の製造法。
JP7293629A 1995-10-16 1995-10-16 ゴム補強用ガラス繊維及びその製造法 Pending JPH09111669A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019103133A1 (ja) * 2017-11-27 2019-05-31 住友精化株式会社 アニオン性水性分散体及びその製造方法、成形体、接着液、ゴム補強用繊維並びにゴム補強用繊維複合体

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WO2019103133A1 (ja) * 2017-11-27 2019-05-31 住友精化株式会社 アニオン性水性分散体及びその製造方法、成形体、接着液、ゴム補強用繊維並びにゴム補強用繊維複合体

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