JPH09111255A - 有機物ガス化・分解装置 - Google Patents
有機物ガス化・分解装置Info
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- JPH09111255A JPH09111255A JP27419495A JP27419495A JPH09111255A JP H09111255 A JPH09111255 A JP H09111255A JP 27419495 A JP27419495 A JP 27419495A JP 27419495 A JP27419495 A JP 27419495A JP H09111255 A JPH09111255 A JP H09111255A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 プラスチック、重質油、残渣油などの有機物
を部分ガス化し、すす及びタールが完全に分解され、水
素ガスモル比が高くてすす又はタールをほとんど含有し
ないクリーンなメタノール合成用の原料ガスを製造する
ことができる有機物ガス化・分解装置を提供すること。 【解決手段】 有機物原料供給手段と、水蒸気供給手段
と、支燃ガス供給手段と、噴流用ガス供給手段とを備え
たガス化炉と、このガス化炉の後流側に設けられたセラ
ミック多孔体を内装し、水蒸気供給手段及び支燃ガス供
給手段を備えたガス分解炉とを具備し、必要により前記
ガス化炉とガス分解炉との間にサイクロンを設けてなる
ことを特徴とする有機物ガス化・分解装置。
を部分ガス化し、すす及びタールが完全に分解され、水
素ガスモル比が高くてすす又はタールをほとんど含有し
ないクリーンなメタノール合成用の原料ガスを製造する
ことができる有機物ガス化・分解装置を提供すること。 【解決手段】 有機物原料供給手段と、水蒸気供給手段
と、支燃ガス供給手段と、噴流用ガス供給手段とを備え
たガス化炉と、このガス化炉の後流側に設けられたセラ
ミック多孔体を内装し、水蒸気供給手段及び支燃ガス供
給手段を備えたガス分解炉とを具備し、必要により前記
ガス化炉とガス分解炉との間にサイクロンを設けてなる
ことを特徴とする有機物ガス化・分解装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチック、重質
油、残渣油などの有機物を部分ガス化してメタノール合
成用の原料ガスを製造する装置に関する。
油、残渣油などの有機物を部分ガス化してメタノール合
成用の原料ガスを製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の装置の一例である有機物の
部分ガス化装置及びメタノール合成装置の概念を示す説
明図である。図5の装置において、装置の始動時にはガ
ス化炉51を予熱装置52によって約700℃に予熱
し、このガス化炉51に水封タンク56によってシール
された噴流用ガス供給ライン55から、例えば窒素ガ
ス、炭酸ガスなどのイナートガスである噴流用ガスを常
温で供給するとともに、水蒸気・酸素供給ライン53及
び原料供給装置54から、水蒸気と支燃ガスである酸素
との混合ガス及び例えばプラスチック廃棄物をペレット
状に粉砕した有機物原料を供給し、ガス化炉51内の高
温及び噴流用ガスの噴流によって有機物原料と水蒸気及
び酸素とを反応させてガス化し、メタノール合成用原料
ガス(H2 +CO+CO2 )を生成する。定常運転中の
ガス化炉51内は、この反応熱によって700℃前後の
温度が維持される。
部分ガス化装置及びメタノール合成装置の概念を示す説
明図である。図5の装置において、装置の始動時にはガ
ス化炉51を予熱装置52によって約700℃に予熱
し、このガス化炉51に水封タンク56によってシール
された噴流用ガス供給ライン55から、例えば窒素ガ
ス、炭酸ガスなどのイナートガスである噴流用ガスを常
温で供給するとともに、水蒸気・酸素供給ライン53及
び原料供給装置54から、水蒸気と支燃ガスである酸素
との混合ガス及び例えばプラスチック廃棄物をペレット
状に粉砕した有機物原料を供給し、ガス化炉51内の高
温及び噴流用ガスの噴流によって有機物原料と水蒸気及
び酸素とを反応させてガス化し、メタノール合成用原料
ガス(H2 +CO+CO2 )を生成する。定常運転中の
ガス化炉51内は、この反応熱によって700℃前後の
温度が維持される。
【0003】このメタノール合成用原料ガス(H2 +C
O+CO2 )を熱回収装置57によって所要の温度に冷
却し、ガス化炉51で副生したすす、タール、フライア
ッシュ、未反応の固体有機物等をガス洗浄装置58によ
って除去し、COシフト装置59によって一酸化炭素と
水蒸気とを水素ガスと炭酸ガスとに転換してメタノール
合成用の原料ガス組成に最適なH2 /CO/CO2 比と
し、次いでCO2 除去装置60によって余分の炭酸ガス
を除去し、メタノール合成装置61において、触媒存在
下でCO+2H2 →CH3 OH及びCO2 +3H2 →C
H3 OH+H2Oの化学反応によりメタノールを合成す
る。
O+CO2 )を熱回収装置57によって所要の温度に冷
却し、ガス化炉51で副生したすす、タール、フライア
ッシュ、未反応の固体有機物等をガス洗浄装置58によ
って除去し、COシフト装置59によって一酸化炭素と
水蒸気とを水素ガスと炭酸ガスとに転換してメタノール
合成用の原料ガス組成に最適なH2 /CO/CO2 比と
し、次いでCO2 除去装置60によって余分の炭酸ガス
を除去し、メタノール合成装置61において、触媒存在
下でCO+2H2 →CH3 OH及びCO2 +3H2 →C
H3 OH+H2Oの化学反応によりメタノールを合成す
る。
【0004】前述した従来の装置では、原料又はガス化
条件等によりガス化炉51においてすす、タールなどが
副生したり、未反応の有機物原料が残存することがあ
り、これらがガス化炉51、熱回収装置57、ガス洗浄
装置58間の配管壁や熱回収装置57、ガス洗浄装置5
8内に付着し、これらの配管や装置を閉塞したり、熱回
収装置57の性能を低下させたり、また、ガス洗浄装置
58の洗浄負荷が増大するばかりか、ガス洗浄装置58
で完全に除去することができない場合にはCOシフト装
置59、CO2 除去装置60、メタノール合成装置61
の触媒上に付着して触媒性能を低下させたり、これら装
置の間の配管に付着して、設備の操業を阻害させる原因
となる。
条件等によりガス化炉51においてすす、タールなどが
副生したり、未反応の有機物原料が残存することがあ
り、これらがガス化炉51、熱回収装置57、ガス洗浄
装置58間の配管壁や熱回収装置57、ガス洗浄装置5
8内に付着し、これらの配管や装置を閉塞したり、熱回
収装置57の性能を低下させたり、また、ガス洗浄装置
58の洗浄負荷が増大するばかりか、ガス洗浄装置58
で完全に除去することができない場合にはCOシフト装
置59、CO2 除去装置60、メタノール合成装置61
の触媒上に付着して触媒性能を低下させたり、これら装
置の間の配管に付着して、設備の操業を阻害させる原因
となる。
【0005】本発明者らは前記のような問題点を解決す
るものとして図4に示すような2段プロセスを開発し先
に出願した(特願平7−105180号)。図4の装置
において、装置の始動時に、ガス化炉1を予熱装置52
aによって約700℃に予熱し、同時にガス分解炉2を
予熱装置52bによって1000℃に予熱し、このガス
化炉1に水封タンク56によってシールされた噴流用ガ
ス供給ライン55から、例えば窒素ガス、炭酸ガスなど
のイナートガスである噴流用ガスを常温で供給するとと
もに、水蒸気・酸素供給ライン53及び原料供給装置5
4から、水蒸気酸素混合ガス及び例えばプラスチック廃
棄物をペレット状に粉砕した有機物原料を供給し、ガス
化炉1内の高温及び噴流用ガスの噴流によって有機物原
料と水蒸気及び酸素とを反応させてガス化し、メタノー
ル合成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )を生成する。
定常運転中のガス化炉1内は、この反応熱によって70
0℃前後の温度が維持される。次いでこのガスはサイク
ロン5を経てダストをダスト排出ライン6より除去した
のち、ガス分解炉2に導入され、水蒸気・酸素供給ライ
ン4の支燃ガスにより一部燃焼して1000℃の温度ま
で昇温され、このガス中に含まれるすす、タール及び未
反応原料ガスが分解される。引き続きこのメタノール合
成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )を熱回収装置57
によって所要の温度に冷却し、ガス化炉1で副生しガス
分解炉2で分解しなかったすす、タールやガス中に含ま
れるフライアッシュ、未反応の固体有機物等をガス洗浄
装置58によって除去し、COシフト装置59によって
COとH2 Oとを触媒存在下でH2 とCO2 とに転換し
てメタノール合成用の原料ガス組成に最適なH2 /CO
/CO2 比とし、次いでCO2 除去装置60によって余
分の炭酸ガスを除去し、メタノール合成装置61におい
て、触媒存在下でCO+2H2→CH3 OH及びCO2
+3H2 →CH3 OH+H2 Oの化学反応によりメタノ
ールを合成する。
るものとして図4に示すような2段プロセスを開発し先
に出願した(特願平7−105180号)。図4の装置
において、装置の始動時に、ガス化炉1を予熱装置52
aによって約700℃に予熱し、同時にガス分解炉2を
予熱装置52bによって1000℃に予熱し、このガス
化炉1に水封タンク56によってシールされた噴流用ガ
ス供給ライン55から、例えば窒素ガス、炭酸ガスなど
のイナートガスである噴流用ガスを常温で供給するとと
もに、水蒸気・酸素供給ライン53及び原料供給装置5
4から、水蒸気酸素混合ガス及び例えばプラスチック廃
棄物をペレット状に粉砕した有機物原料を供給し、ガス
化炉1内の高温及び噴流用ガスの噴流によって有機物原
料と水蒸気及び酸素とを反応させてガス化し、メタノー
ル合成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )を生成する。
定常運転中のガス化炉1内は、この反応熱によって70
0℃前後の温度が維持される。次いでこのガスはサイク
ロン5を経てダストをダスト排出ライン6より除去した
のち、ガス分解炉2に導入され、水蒸気・酸素供給ライ
ン4の支燃ガスにより一部燃焼して1000℃の温度ま
で昇温され、このガス中に含まれるすす、タール及び未
反応原料ガスが分解される。引き続きこのメタノール合
成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )を熱回収装置57
によって所要の温度に冷却し、ガス化炉1で副生しガス
分解炉2で分解しなかったすす、タールやガス中に含ま
れるフライアッシュ、未反応の固体有機物等をガス洗浄
装置58によって除去し、COシフト装置59によって
COとH2 Oとを触媒存在下でH2 とCO2 とに転換し
てメタノール合成用の原料ガス組成に最適なH2 /CO
/CO2 比とし、次いでCO2 除去装置60によって余
分の炭酸ガスを除去し、メタノール合成装置61におい
て、触媒存在下でCO+2H2→CH3 OH及びCO2
+3H2 →CH3 OH+H2 Oの化学反応によりメタノ
ールを合成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記2段プロセスの装
置では、ガス化炉1で副生するすすやタールをガス分解
炉2で分解するようにしているが、すすやタールの副生
量がガス分解炉2の分解能力を越えると、これがガス化
炉1、サイクロン5、熱回収装置57、ガス洗浄装置5
8間の配管壁や熱回収装置57、ガス洗浄装置58内に
付着し、これらの配管、装置を閉塞したり、熱回収装置
57の性能を低下させることがある。また、ガス洗浄装
置58の洗浄負荷が増大するばかりでなく、ガス洗浄装
置58で完全に除去することができない場合はCOシフ
ト装置59、CO2 除去装置60、メタノール合成装置
61の触媒上に付着して触媒性能を低下させたり、これ
ら装置の間の配管に付着残留し、設備の操業を阻害させ
る原因となる。本発明は上記技術水準に鑑み、従来技術
におけるすすやタールなどの副生物による後続装置への
悪影響を防止することができ安定運転が可能な有機物の
ガス化・分解装置を提供するものである。
置では、ガス化炉1で副生するすすやタールをガス分解
炉2で分解するようにしているが、すすやタールの副生
量がガス分解炉2の分解能力を越えると、これがガス化
炉1、サイクロン5、熱回収装置57、ガス洗浄装置5
8間の配管壁や熱回収装置57、ガス洗浄装置58内に
付着し、これらの配管、装置を閉塞したり、熱回収装置
57の性能を低下させることがある。また、ガス洗浄装
置58の洗浄負荷が増大するばかりでなく、ガス洗浄装
置58で完全に除去することができない場合はCOシフ
ト装置59、CO2 除去装置60、メタノール合成装置
61の触媒上に付着して触媒性能を低下させたり、これ
ら装置の間の配管に付着残留し、設備の操業を阻害させ
る原因となる。本発明は上記技術水準に鑑み、従来技術
におけるすすやタールなどの副生物による後続装置への
悪影響を防止することができ安定運転が可能な有機物の
ガス化・分解装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)有機物
原料を水蒸気及び支燃ガスによって部分ガス化反応及び
同時にもしくはシリーズに反応で生成したガス中の炭化
水素成分を分解させてメタノール合成用の原料ガスを生
成する装置であって、有機物原料供給手段と、水蒸気供
給手段と、支燃ガス供給手段と、噴流用ガス供給手段と
を備えたガス化炉と、このガス化炉の後流側に設けられ
たセラミック多孔体を内装し、水蒸気供給手段及び支燃
ガス供給手段を備えたガス分解炉とを具備してなること
を特徴とする有機物ガス化・分解装置及び(2)有機物
原料を水蒸気及び支燃ガスによって部分ガス化反応及び
同時にもしくはシリーズに反応で生成したガス中の炭化
水素成分を分解させてメタノール合成用の原料ガスを生
成する装置であって、有機物原料供給手段と、水蒸気供
給手段と、支燃ガス供給手段と、噴流用ガス供給手段と
を備えたガス化炉と、このガス化炉の後流側に設けられ
たセラミック多孔体を内装し、水蒸気供給手段及び支燃
ガス供給手段を備えたガス分解炉とを具備し、前記ガス
化炉とガス分解炉との間にサイクロンを設けてなること
を特徴とする有機物ガス化・分解装置である。
原料を水蒸気及び支燃ガスによって部分ガス化反応及び
同時にもしくはシリーズに反応で生成したガス中の炭化
水素成分を分解させてメタノール合成用の原料ガスを生
成する装置であって、有機物原料供給手段と、水蒸気供
給手段と、支燃ガス供給手段と、噴流用ガス供給手段と
を備えたガス化炉と、このガス化炉の後流側に設けられ
たセラミック多孔体を内装し、水蒸気供給手段及び支燃
ガス供給手段を備えたガス分解炉とを具備してなること
を特徴とする有機物ガス化・分解装置及び(2)有機物
原料を水蒸気及び支燃ガスによって部分ガス化反応及び
同時にもしくはシリーズに反応で生成したガス中の炭化
水素成分を分解させてメタノール合成用の原料ガスを生
成する装置であって、有機物原料供給手段と、水蒸気供
給手段と、支燃ガス供給手段と、噴流用ガス供給手段と
を備えたガス化炉と、このガス化炉の後流側に設けられ
たセラミック多孔体を内装し、水蒸気供給手段及び支燃
ガス供給手段を備えたガス分解炉とを具備し、前記ガス
化炉とガス分解炉との間にサイクロンを設けてなること
を特徴とする有機物ガス化・分解装置である。
【0008】本発明の装置においては、ガス化装置を2
段に分け、第1段のガス化炉の後流側に、このガス化炉
で副生するすすやタール及び未反応の原料ガス等を分解
するため第2段のガス分解炉を設置し、さらにガス分解
炉中でのすすやタールの分解効率を上げるためガス分解
炉内にセラミック多孔体(セラミックフィルタ)を内装
させ、このセラミック多孔体内部の孔中にすすやタール
を付着させ、これらのすすやタールを第2段ガス分解炉
内に滞留させるようにしている。
段に分け、第1段のガス化炉の後流側に、このガス化炉
で副生するすすやタール及び未反応の原料ガス等を分解
するため第2段のガス分解炉を設置し、さらにガス分解
炉中でのすすやタールの分解効率を上げるためガス分解
炉内にセラミック多孔体(セラミックフィルタ)を内装
させ、このセラミック多孔体内部の孔中にすすやタール
を付着させ、これらのすすやタールを第2段ガス分解炉
内に滞留させるようにしている。
【0009】ここで使用するセラミック多孔体(セラミ
ックフィルタ)はアルミナ、ムライト、コージエライト
等の耐熱性(≧1000℃)に優れ、孔径0.2〜4m
mφ、気孔率80〜90%のものであり、すす及びター
ルなどを表面や内部孔に捕捉できる構造体である。
ックフィルタ)はアルミナ、ムライト、コージエライト
等の耐熱性(≧1000℃)に優れ、孔径0.2〜4m
mφ、気孔率80〜90%のものであり、すす及びター
ルなどを表面や内部孔に捕捉できる構造体である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、第1段のガス化炉に
有機物原料供給手段、水蒸気供給手段、支燃ガス供給手
段及び噴流ガス供給手段によって有機物原料、水蒸気、
支燃ガス及び噴流用ガスを供給し、高温で反応させてガ
ス化し、原料用ガスを生成させる。このガス化反応で副
生されたフライアッシュや残留する未反応の固体有機物
等の固体物をサイクロンによって除去し、未反応の有機
物ガスと前記反応で副生するすす及びタールを含むメタ
ノール合成用原料ガスを第2段のガス分解炉に供給する
とともに新たに支燃ガス及び水蒸気をガス分解炉に供給
し、この温度を少なくとも第1段のガス化炉の温度より
も上昇させ、その条件下で実質的に無限時間前記すす及
びタールを保持することによりこれらをガス化、分解す
る。実際には、多孔質のセラミック多孔体を前記ガス分
解炉に内装し、この表面や内部孔中にすす及びタールを
捕捉し、保持することでガス化、分解時間を確保する。
なお、第1段のガス化炉で生成した原料用ガス中のフラ
イアッシュや未反応固体有機物等が少ない場合にはサイ
クロンの設置を省略することができる。以上の作用によ
って、原料用ガス中に、フライアッシュ、未反応の固体
有機物及びタールなどの重質分の無いクリーンなメタノ
ール合成用原料ガスを生成でき、下流機器を安定して運
転することが可能になる。
有機物原料供給手段、水蒸気供給手段、支燃ガス供給手
段及び噴流ガス供給手段によって有機物原料、水蒸気、
支燃ガス及び噴流用ガスを供給し、高温で反応させてガ
ス化し、原料用ガスを生成させる。このガス化反応で副
生されたフライアッシュや残留する未反応の固体有機物
等の固体物をサイクロンによって除去し、未反応の有機
物ガスと前記反応で副生するすす及びタールを含むメタ
ノール合成用原料ガスを第2段のガス分解炉に供給する
とともに新たに支燃ガス及び水蒸気をガス分解炉に供給
し、この温度を少なくとも第1段のガス化炉の温度より
も上昇させ、その条件下で実質的に無限時間前記すす及
びタールを保持することによりこれらをガス化、分解す
る。実際には、多孔質のセラミック多孔体を前記ガス分
解炉に内装し、この表面や内部孔中にすす及びタールを
捕捉し、保持することでガス化、分解時間を確保する。
なお、第1段のガス化炉で生成した原料用ガス中のフラ
イアッシュや未反応固体有機物等が少ない場合にはサイ
クロンの設置を省略することができる。以上の作用によ
って、原料用ガス中に、フライアッシュ、未反応の固体
有機物及びタールなどの重質分の無いクリーンなメタノ
ール合成用原料ガスを生成でき、下流機器を安定して運
転することが可能になる。
【0011】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。図1は本発明の一実施例である有機物の部分ガ
ス化装置及びメタノール合成装置の概念を示す説明図で
ある。図1において、第2段のガス分解炉2には、例え
ばアルミナ、ムライト、コージエライトなどのセラミッ
ク多孔体が水平方向に複数段内装され、その入側には水
蒸気・酸素供給ライン4が設けられていて、第1段のガ
ス化炉1の後流にサイクロン5を介して配置されてい
る。このサイクロン5の下部にはダスト排出ライン6が
設けられている。第1段のガス化炉1には、従来の装置
と同様に、予熱装置52、水蒸気・酸素供給ライン5
3、原料供給装置54及び水封タンク56でシールされ
た噴流用ガス供給ライン55が設けられている。ガス分
解炉2の後流には、熱回収装置57、ガス洗浄装置5
8、COシフト装置59、CO2 除去装置60及びメタ
ノール合成装置61が配置されている。
明する。図1は本発明の一実施例である有機物の部分ガ
ス化装置及びメタノール合成装置の概念を示す説明図で
ある。図1において、第2段のガス分解炉2には、例え
ばアルミナ、ムライト、コージエライトなどのセラミッ
ク多孔体が水平方向に複数段内装され、その入側には水
蒸気・酸素供給ライン4が設けられていて、第1段のガ
ス化炉1の後流にサイクロン5を介して配置されてい
る。このサイクロン5の下部にはダスト排出ライン6が
設けられている。第1段のガス化炉1には、従来の装置
と同様に、予熱装置52、水蒸気・酸素供給ライン5
3、原料供給装置54及び水封タンク56でシールされ
た噴流用ガス供給ライン55が設けられている。ガス分
解炉2の後流には、熱回収装置57、ガス洗浄装置5
8、COシフト装置59、CO2 除去装置60及びメタ
ノール合成装置61が配置されている。
【0012】装置の始動時には、ガス化炉1を予熱装置
52によって約700℃に予熱し、このガス化炉1に、
噴流用ガス供給ライン55から、例えば窒素ガス、炭酸
ガスなどのイナートガスである常温の噴流用ガスを供給
するとともに、水蒸気・酸素供給ライン53及び原料供
給装置54から水蒸気と支燃ガスである酸素との混合ガ
ス及び例えばプラスチック廃棄物をペレット状に粉砕し
た有機物原料を供給し、予熱された熱によって有機物原
料と水蒸気及び支燃ガスである酸素とを反応させてガス
化し、メタノール合成用原料ガス(H2 +CO+C
O2 )を生成させる。定常反応時には第1段のガス化炉
1内は、この反応熱によって700℃前後の温度に維持
される。第1段のガス化炉1内では、有機物原料がガス
化されてメタノール合成用原料ガスが生成し、フライア
ッシュ、すす、タールなどの重質分が副生され、未反応
の固体有機物及び未反応の有機物ガスが残留する。
52によって約700℃に予熱し、このガス化炉1に、
噴流用ガス供給ライン55から、例えば窒素ガス、炭酸
ガスなどのイナートガスである常温の噴流用ガスを供給
するとともに、水蒸気・酸素供給ライン53及び原料供
給装置54から水蒸気と支燃ガスである酸素との混合ガ
ス及び例えばプラスチック廃棄物をペレット状に粉砕し
た有機物原料を供給し、予熱された熱によって有機物原
料と水蒸気及び支燃ガスである酸素とを反応させてガス
化し、メタノール合成用原料ガス(H2 +CO+C
O2 )を生成させる。定常反応時には第1段のガス化炉
1内は、この反応熱によって700℃前後の温度に維持
される。第1段のガス化炉1内では、有機物原料がガス
化されてメタノール合成用原料ガスが生成し、フライア
ッシュ、すす、タールなどの重質分が副生され、未反応
の固体有機物及び未反応の有機物ガスが残留する。
【0013】この副生物及び残留物を含有したメタノー
ル合成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )をサイクロン
5に供給してフライアッシュ、固体有機物等の固体物を
除去し、ダスト排出ライン6から排出する。原料ガス中
のダスト成分が少ない場合にはサイクロン5を省略して
もよいことはもちろんである。フライアッシュ等が除去
され、有機物ガス、すす、タールなどが残留した原料ガ
スをガス分解炉2に供給すると共に、水蒸気と酸素の混
合ガスを水蒸気・酸素供給ライン4から供給して、燃焼
熱及び反応熱により少なくともガス化炉1よりも温度を
上昇させ、内装されたセラミック多孔体の表面あるいは
内部孔内に付着し又は捕捉され長時間保持されているす
すやタールを、より軽質なガス、例えばCO、H2 、C
O2 、CH4 、H2 Oなどに反応及び分解する。
ル合成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )をサイクロン
5に供給してフライアッシュ、固体有機物等の固体物を
除去し、ダスト排出ライン6から排出する。原料ガス中
のダスト成分が少ない場合にはサイクロン5を省略して
もよいことはもちろんである。フライアッシュ等が除去
され、有機物ガス、すす、タールなどが残留した原料ガ
スをガス分解炉2に供給すると共に、水蒸気と酸素の混
合ガスを水蒸気・酸素供給ライン4から供給して、燃焼
熱及び反応熱により少なくともガス化炉1よりも温度を
上昇させ、内装されたセラミック多孔体の表面あるいは
内部孔内に付着し又は捕捉され長時間保持されているす
すやタールを、より軽質なガス、例えばCO、H2 、C
O2 、CH4 、H2 Oなどに反応及び分解する。
【0014】ガス化炉及びセラミック多孔体を内装した
ガス分解炉からなる実験炉(石英ガラス製、外熱式電気
炉付)により、第1段のガス化炉及び第2段のガス分解
炉の温度をそれぞれ700℃及び1000℃に設定し、
原料としてポリエチレンペレットを使用し、原料供給量
0.2g/minの条件でガス化・分解試験を行い、ガ
ス分解炉を出たメタノール合成用原料ガス中のタール及
びすすの濃度を測定することによって、タール及びすす
の分解効果を調べた。セラミック多孔体としてアルミナ
多孔体を使用し、セラミック多孔体を使用しない場合の
データと比較した結果を図2及び図3に示す。
ガス分解炉からなる実験炉(石英ガラス製、外熱式電気
炉付)により、第1段のガス化炉及び第2段のガス分解
炉の温度をそれぞれ700℃及び1000℃に設定し、
原料としてポリエチレンペレットを使用し、原料供給量
0.2g/minの条件でガス化・分解試験を行い、ガ
ス分解炉を出たメタノール合成用原料ガス中のタール及
びすすの濃度を測定することによって、タール及びすす
の分解効果を調べた。セラミック多孔体としてアルミナ
多孔体を使用し、セラミック多孔体を使用しない場合の
データと比較した結果を図2及び図3に示す。
【0015】図2及び図3から、ガス分解炉にセラミッ
ク多孔体を内装させることにより、メタノール合成用原
料ガス中のタール及びすすが高温のセラミック多孔体上
で分解され、それらの濃度をほとんど零にできることが
わかる。
ク多孔体を内装させることにより、メタノール合成用原
料ガス中のタール及びすすが高温のセラミック多孔体上
で分解され、それらの濃度をほとんど零にできることが
わかる。
【0016】このようにして生成した、すす、タールそ
の他の副生物をほとんど含有せず、H2 /COモル比の
高いメタノール合成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )
を熱回収装置57によって所要の温度に冷却し、ガス分
解炉2で僅かに発生するフライアッシュをガス洗浄装置
58によって除去し、このメタノール合成用原料ガスを
COシフト装置59、CO2 除去装置60に供給し、メ
タノール合成用原料ガス中のH2 /CO比の調整及びC
O2 の一部もしくは全量の除去を行い、H2 、CO、C
O2 比を調整してメタノール合成装置61に供給し、メ
タノール合成装置61において2H2 +CO→CH3 O
H及びCO2 +3H2 →CH3 OH+H 2 Oの化学反応
でメタノールを合成することができる。また、メタノー
ル合成用原料ガスの組成によってはCOシフト装置59
及びCO2 除去装置60を省略することもできる。
の他の副生物をほとんど含有せず、H2 /COモル比の
高いメタノール合成用原料ガス(H2 +CO+CO2 )
を熱回収装置57によって所要の温度に冷却し、ガス分
解炉2で僅かに発生するフライアッシュをガス洗浄装置
58によって除去し、このメタノール合成用原料ガスを
COシフト装置59、CO2 除去装置60に供給し、メ
タノール合成用原料ガス中のH2 /CO比の調整及びC
O2 の一部もしくは全量の除去を行い、H2 、CO、C
O2 比を調整してメタノール合成装置61に供給し、メ
タノール合成装置61において2H2 +CO→CH3 O
H及びCO2 +3H2 →CH3 OH+H 2 Oの化学反応
でメタノールを合成することができる。また、メタノー
ル合成用原料ガスの組成によってはCOシフト装置59
及びCO2 除去装置60を省略することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明の装置によれば、第1段のガス化
炉において副生するすすやタールを、第2段のガス分解
炉に、それらの分解が終了するまで保持することができ
るのですす及びタールが完全に分解され、水素ガスモル
比が高くてすす又はタールをほとんど含有しないクリー
ンなメタノール合成用原料ガスを生成させることができ
る。
炉において副生するすすやタールを、第2段のガス分解
炉に、それらの分解が終了するまで保持することができ
るのですす及びタールが完全に分解され、水素ガスモル
比が高くてすす又はタールをほとんど含有しないクリー
ンなメタノール合成用原料ガスを生成させることができ
る。
【図1】本発明の一実施例である有機物の部分ガス化・
分解装置及びメタノール合成装置の概念を示す説明図。
分解装置及びメタノール合成装置の概念を示す説明図。
【図2】実施例におけるタールの分解効果を示すグラ
フ。
フ。
【図3】実施例におけるすすの分解効果を示すグラフ。
【図4】特願平7−105180号による有機物の部分
ガス化装置及びメタノール合成装置の概念を示す説明
図。
ガス化装置及びメタノール合成装置の概念を示す説明
図。
【図5】従来の装置の一例である有機物の部分ガス化装
置及びメタノール合成装置の概念を示す説明図。
置及びメタノール合成装置の概念を示す説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平野 正樹 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 山田 守雄 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電力株式会社内 (72)発明者 米沢 鴻一 広島県広島市中区小町4番33号 中国電力 株式会社内 (72)発明者 島田 裕 広島県広島市中区小町4番33号 中国電力 株式会社内 (72)発明者 徳政 賢治 広島県広島市中区小町4番33号 中国電力 株式会社内 (72)発明者 金子 雅人 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 橋本 律男 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 新屋 謙治 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 伊藤 義文 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内
Claims (2)
- 【請求項1】 有機物原料を水蒸気及び支燃ガスによっ
て部分ガス化反応及び同時にもしくはシリーズに反応で
生成したガス中の炭化水素成分を分解させてメタノール
合成用の原料ガスを生成する装置であって、有機物原料
供給手段と、水蒸気供給手段と、支燃ガス供給手段と、
噴流用ガス供給手段とを備えたガス化炉と、このガス化
炉の後流側に設けられたセラミック多孔体を内装し、水
蒸気供給手段及び支燃ガス供給手段を備えたガス分解炉
とを具備してなることを特徴とする有機物ガス化・分解
装置。 - 【請求項2】 有機物原料を水蒸気及び支燃ガスによっ
て部分ガス化反応及び同時にもしくはシリーズに反応で
生成したガス中の炭化水素成分を分解させてメタノール
合成用の原料ガスを生成する装置であって、有機物原料
供給手段と、水蒸気供給手段と、支燃ガス供給手段と、
噴流用ガス供給手段とを備えたガス化炉と、このガス化
炉の後流側に設けられたセラミック多孔体を内装し、水
蒸気供給手段及び支燃ガス供給手段を備えたガス分解炉
とを具備し、前記ガス化炉とガス分解炉との間にサイク
ロンを設けてなることを特徴とする有機物ガス化・分解
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27419495A JPH09111255A (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 有機物ガス化・分解装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27419495A JPH09111255A (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 有機物ガス化・分解装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09111255A true JPH09111255A (ja) | 1997-04-28 |
Family
ID=17538350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27419495A Pending JPH09111255A (ja) | 1995-10-23 | 1995-10-23 | 有機物ガス化・分解装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09111255A (ja) |
-
1995
- 1995-10-23 JP JP27419495A patent/JPH09111255A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20040519 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20041207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050517 |