JP2001026788A - 合成ガスの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

合成ガスの製造方法及びその製造装置

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JP2001026788A
JP2001026788A JP11201060A JP20106099A JP2001026788A JP 2001026788 A JP2001026788 A JP 2001026788A JP 11201060 A JP11201060 A JP 11201060A JP 20106099 A JP20106099 A JP 20106099A JP 2001026788 A JP2001026788 A JP 2001026788A
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gasification
hydrogen
mpa
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Kazuaki Ota
和明 太田
Masatoshi Hanzawa
正利 半沢
Akira Tanaka
皓 田中
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Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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    • Y02P30/00Technologies relating to oil refining and petrochemical industry
    • Y02P30/40Ethylene production

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  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化炭素を大気中に放出させずに、メタン
及び水素を主成分とするガスを製造し、このガスを燃料
として高い効率で発電する。 【解決手段】 25〜35MPaで(a)〜(d)工程を行
う。380〜480℃で炭化水素資源と水を熱加水分解
してメタン、水素、一酸化炭素を含むガス、軽質油、残
渣を生成する((a)工程)。上記温度で上記ガス、水分
及び軽質油分と、上記残渣とを分離する((b)工程)。
600〜1200℃で工程(b)で分離した残渣を酸素雰
囲気下、燃焼して、水素、二酸化炭素、水分を含むガス
を生成する((c)工程)。650〜1000℃で工程(b)
で分離したメタン、水素、水分、軽質油分と工程(c)で
生成した水素、二酸化炭素、水分を含むガスとを反応さ
せてメタンを含むガスを生成する((d)工程)。工程(d)
で得られたガスから水分及び二酸化炭素を除去してメタ
ン及び水素を含むガスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石炭、重質油等の炭
化水素資源、或いはバイオマス等の再生可能な資源か
ら、化学原料用又は発電用のメタン及び水素を主成分と
する合成ガスを製造する方法及びその製造装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、炭化水素資源などから合成ガス
を製造する場合には、工業的にはガス化炉が普及してお
り、下記の反応式(1)〜(3)により、水素及び一酸
化炭素ガスに富んだ合成ガスが製造されている。 C + CO2 = 2CO …… (1) C + H2O = CO + H2 …… (2) CO + H2O = CO2 + H2 …… (3) 上記式(1)及び(2)では、反応が吸熱反応であるた
め、800〜1800℃の高温で加熱することにより反
応を促進し、また必要に応じて触媒を利用することによ
り炭素質を完全にガス化している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしこのガス化炉で
上記式(1)〜(3)の反応により水素ガスを製造する
場合、式(3)に基づく水性ガスシフト反応が十分に進
行しないため、生成物中に未反応の一酸化炭素ガスが残
留する。そのため、高価な触媒を使用したシフトコンバ
ータを通し、式(3)の反応を進ませる必要がある。ま
た原料の炭化水素資源には数%〜十数%の灰分、金属不
純物、硫黄、窒素等が含まれているため、これらを取除
くために生成物の精製を行う必要がある。また高温反応
ではコーキング現象が生じて反応装置の一部が反応で生
じたコークスにより閉塞され、反応装置に高価な耐熱材
料が必要となる等の不都合がある。更に副産物である二
酸化炭素ガスは回収が困難であるため、大気中に放出さ
れており、環境上問題がある。本発明の目的は、複雑な
プロセスを要することなく、メタン及び水素を主成分と
する合成ガスを製造する方法及び装置を提供することに
ある。本発明の別の目的は、二酸化炭素を大気中に放出
させずに、液体の状態で副産物として回収する合成ガス
の製造方法及び装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図3に示すように、(a) 温度380〜480℃、圧力2
5〜35MPaで炭化水素資源を水と反応させて炭化水
素資源の熱分解又は加水分解のいずれか一方又は双方を
行うことによりメタン、水素及び一酸化炭素を主成分と
する可燃性ガスと、軽質化した油分(以下、軽質油とい
う。)と、残渣を生成する工程と、(b) 温度380〜4
80℃、圧力25〜35MPaで上記可燃性ガス、水分
及び軽質油と、上記残渣とを分離する工程と、(c) 温度
600〜1200℃、圧力25〜35MPaで上記(b)
工程で分離した残渣を酸素雰囲気下、燃焼して、水素及
び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスを生成するガ
ス化工程と、(d) 温度650〜1000℃、圧力25〜
35MPaで上記工程(b)で分離したメタン、水素、水
分及び軽質油と、上記工程(c)で生成した水素及び二酸
化炭素を主成分とし水分を含むガスとを反応させてメタ
ンを主成分とするガスを生成するメタン化工程と、(e)
上記工程(d)で得られたガスから水分及び二酸化炭素を
除去してメタン及び水素を主成分とするガスを得る工程
とを含む合成ガスの製造方法である。請求項1に係る発
明では、温度380〜480℃、圧力25〜35MPa
の水は超臨界状態を示し、この水は流体密度が高いた
め、炭化水素資源の炭素粒子に対して効率良く接触す
る。(a)工程で生成した可燃性ガス、軽質油、残渣を(b)
工程で残渣とそれ以外の生成物とに分離した後、この残
渣を燃焼してガス化するため、残渣の処理が不要にな
る。(e)工程で残渣の燃焼で生じた二酸化炭素を分離し
てメタン及び水素を主成分とする合成ガスを効率よく製
造する。
【0005】請求項2に係る発明は、図5に示すよう
に、(f) 温度380〜480℃、圧力25〜35MPa
で炭化水素資源を水と反応させて上記炭化水素資源の熱
分解又は加水分解のいずれか一方又は双方を行うことに
よりメタン、水素及び一酸化炭素を主成分とする可燃性
ガスと、軽質油と、残渣を生成する工程と、(g) 温度3
80〜480℃、圧力25〜35MPaで上記可燃性ガ
ス、水分及び軽質油と、上記残渣とを分離する工程と、
(h) 温度600〜1200℃、圧力25〜35MPaで
上記(g)工程で分離した残渣を酸素雰囲気下、燃焼し
て、水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスを
生成するガス化工程と、(i) 上記(g)工程で分離した可
燃性ガスと水分及び軽質油とを更に分離する工程と、
(j) 温度650〜1000℃、圧力25〜35MPaで
上記(i)工程で分離した軽質油と、上記(h)工程で生成し
た水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスとを
反応させてメタンを主成分とするガスを生成するメタン
化工程と、(k) 上記(j)工程で得られたガスと上記(i)工
程で分離した可燃性ガスから水分及び二酸化炭素を除去
してメタン及び水素を主成分とするガスを得る工程とを
含む合成ガスの製造方法である。請求項2に係る発明で
は、(g)工程で分離した可燃性ガスと水分及び軽質油と
を(i)工程で更に分離して、軽質油をメタン化するた
め、(j)工程のメタン化効率が向上する。
【0006】請求項3に係る発明は、図6に示すよう
に、(l) 温度380〜480℃、圧力25〜35MPa
で炭化水素資源を水と反応させて上記炭化水素資源の熱
分解又は加水分解のいずれか一方又は双方を行うことに
よりメタン、水素及び一酸化炭素を主成分とする可燃性
ガスと、軽質油と、残渣を生成する工程と、(m) 温度3
80〜480℃、圧力25〜35MPaで上記可燃性ガ
ス及び軽質油と、上記残渣及び水分とを分離する工程
と、(n) 温度600〜1200℃、圧力25〜35MP
aで上記(m)工程で分離した残渣を酸素雰囲気下、燃焼
して、水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガス
を生成するガス化工程と、(o) 上記(m)工程で分離した
可燃性ガスと軽質油とを分離する工程と、(p) 上記(n)
工程で生成した水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を
含むガスから水を除去する工程と、(q) 温度350〜1
000℃、圧力7〜35MPaで上記(o)工程で分離し
た軽質油と、上記(p)工程で水分を除去された水素及び
二酸化炭素を主成分とするガスとを反応させてメタンを
主成分とするガスを生成するメタン化工程と、(r) 上記
(q)工程で得られたガスと上記(o)工程で分離した可燃性
ガスから二酸化炭素を除去してメタン及び水素を主成分
とするガスを得る工程とを含む合成ガスの製造方法であ
る。請求項3に係る発明では、(q)工程でメタン化する
前の(p)工程でガス化物から水分を除去して軽質油をメ
タン化するため、(q)工程のメタン化効率が向上する。
【0007】請求項4に係る発明は、図2に示すよう
に、両端が封止された管状の反応器10の中心部に設け
られた炭化水素資源の熱加水分解領域21と、熱加水分
解領域21の下端部に設けられこの領域21で生成した
残渣と残渣以外の分解生成物を分離する分離領域22
と、分離領域の上方の熱加水分解領域22の外周部に設
けられ分離領域22で分離した残渣以外の分解生成物を
導くガイド領域23と、ガイド領域23の外周部に設け
られたガス化領域24と、ガイド領域23とガス化領域
24の上方に位置し、かつガイド領域23に連続して設
けられたメタン化領域25と、ガス化領域24の外周部
と反応器10の内周部との間に設けられた超臨界水の流
路26と、上記熱加水分解、分離、ガス化及びメタン化
の各領域の圧力をいずれも25〜35MPaに維持しか
つ上記熱加水分解、分離、ガス化及びメタン化の各領域
の温度をそれぞれ380〜480℃、380〜480
℃、600〜1200℃及び650〜1000℃に維持
する手段11a,14,16〜20とを有し、熱加水分
解領域21とガイド領域23とが筒状の熱良導体からな
る耐熱性の仕切板27で区画され、ガイド領域23とガ
ス化領域24とが気体が通過可能に形成された多孔質隔
壁28で区画され、ガス化領域24と流路26が隔壁2
9で区画され、反応器10の上端に熱加水分解領域21
に炭化水素資源を供給する供給管10aと流路26に超
臨界水を供給する供給管10bがそれぞれ設けられ、反
応器10の下端にガス化領域24に酸化剤を供給する供
給管10cが設けられ、反応器10の上端にメタン及び
水素を主成分とするガスの排出管10eが設けられた合
成ガスの製造装置である。請求項4に係る発明では、ガ
ス化領域24では分離領域22で分離した残渣が供給管
10cから供給された酸素と反応してその一部が燃焼し
て高温となる。この高温雰囲気を作り出すことにより燃
焼しない残りの残渣がガス化反応を生じ、超臨界水中で
大部分の水素、二酸化炭素及び少量の一酸化炭素及びメ
タンを含むガスを生成する。
【0008】請求項5に係る発明は、請求項4に係る発
明であって、多孔質隔壁28に触媒金属が担持された合
成ガスの製造装置である。多孔質隔壁に触媒金属を担持
させることにより、ガス化反応が効率的に行われ、水素
及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスが多く生成
される。
【0009】請求項6に係る発明では、図4に示すよう
に、両端が封止された管状の反応器60の内部が筒状の
熱良導体からなる耐熱性の仕切板64により区画され、
筒状の仕切板64の外側に設けられた熱加水分解領域6
1と、筒状の仕切板64の内側に設けられたガス化領域
62と、筒状の仕切板64の内側に設けられ、ガス化領
域62の上方に位置し、かつガス化領域62に連続して
設けられたメタン化領域63と、熱加水分解、ガス化及
びメタン化の各領域の圧力をいずれも25〜35MPa
に維持しかつ熱加水分解、ガス化及びメタン化の各領域
の温度をそれぞれ380〜480℃、600〜1200
℃及び650〜1000℃に維持する手段11a,1
4,16〜20とを有し、反応器60の上端に熱加水分
解領域61に炭化水素資源を供給する供給管60aと超
臨界水を供給する供給管60bがそれぞれ設けられ、反
応器60の下端に熱加水分解領域61で分解した分解生
成物をガスと残渣に分離する反応器60の外部に設けら
れた分離器66に導入する導入管67が設けられ、分離
器66は内部圧力を25〜35MPaに維持しかつ内部
温度を380〜480℃に維持する手段を有し、反応器
60の下端にガス化領域62に酸化剤を供給する供給管
60cと分離器66で分離されたガスをメタン化領域6
3に供給する供給管60dと分離器66で分離された残
渣をガス化領域62に供給する供給管60eがそれぞれ
設けられ、反応器60の上端にメタン化領域63で生じ
たメタン及び水素を主成分とするガスの排出管60fが
設けられた合成ガスの製造装置である。請求項6に係る
発明では、請求項5に係る発明と比較して熱加水分解領
域で分解した生成物を反応器60の外部に設けた分離器
66で分離し残渣を酸化剤により燃焼させるため、高い
効率でガス化及びメタン化をすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における原料としては、石
炭、石炭コークス、石油コークス、チャー等の固体の炭
化水素資源、或いは石油蒸留残渣、天然タール等の重質
油からなる炭化水素資源が挙げられる。石炭としては、
草炭、褐炭、亜歴青炭、歴青炭、無煙炭等が例示され
る。また本発明の酸化剤には、酸素、過酸化水素水、溶
存オゾン水溶液等が挙げられる。炭化水素資源を水を含
むスラリー又はエマルジョンの形態にすることが合成ガ
スを生成する際の反応が促進され、コーキング現象が抑
制されるため、好ましい。炭化水素資源が石炭のような
固体の場合、スラリーに調製され、炭化水素資源が重質
油のような液体の場合、エマルジョンに調製される。ス
ラリー中の水に対する炭化水素資源の濃度が5〜60重
量%、好ましくは20〜40重量%になるように調製さ
れる。5重量%未満では炭化水素資源の分解効率に劣
り、60重量%を超えるとスラリーが流動性に欠け取扱
いにくくなる。このスラリー又はエマルジョンを水の超
臨界状態の温度及び圧力である380〜1000℃で2
5〜35MPaに維持して、メタン、水素等を含む可燃
性ガスを生成する。
【0011】本発明の第1実施の形態を図面に基づいて
説明する。図1に示すように、両端が封止された管状の
反応器10にはタンク11からスラリー又はエマルジョ
ンの液状の原料が、タンク12から水が、更にタンク1
3から酸化剤がそれぞれ供給される。タンク11に貯え
られた原料はヒータ11の周囲に設けられたヒータ11
aにより100〜200℃に加熱される。この原料はポ
ンプ14により予熱器16を介して供給管10aにより
反応器10に圧送される。タンク12に貯えられた水は
ポンプ17により予熱器18を介して供給管10bによ
り反応器10に圧送される。原料及び水は予熱器16及
び18でそれぞれ200〜400℃に加熱される。タン
ク13には濃度50〜60%の過酸化水素水からなる酸
化剤が貯えられ、この酸化剤はポンプ19により予熱器
20を介して供給管10cにより反応器10に圧送され
る。酸化剤は予熱器20で200〜600℃に加熱され
る。タンク11、13にはアルカリ金属又はアルカリ土
類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩等からなるアルカリ
触媒を添加することが、反応器内での炭化水素資源の分
解を促進し、かつ資源中の硫黄、重金属等の不純物を除
去するため、好ましい。
【0012】図2に示すように、管状の反応器10はそ
の長手方向を鉛直にして設置される。反応器10の外周
部には図示しないヒータが設けられる。単一の反応器1
0は温度の異なる5つの領域、即ち、熱加水分解領域2
1,分離領域22,ガイド領域23,ガス化領域24及
びメタン化領域25を有し、原料の炭化水素資源が超臨
界水により処理される。反応器10の中心部には炭化水
素資源の熱加水分解領域21が設けられ、この熱加水分
解領域21の下端部の反応器10の底部近傍にはこの領
域21で生成した残渣と残渣以外の分解生成物を分離す
る分離領域22が設けられる。この分離領域の上方の熱
加水分解領域21の外周部には分離領域22で分離した
残渣以外の分解生成物を導くガイド領域23が設けら
れ、ガイド領域23の外周部にはガス化領域24が設け
られる。ガイド領域23とガス化領域24の上方にはガ
イド領域23に連続してメタン化領域25が設けられ、
ガス化領域24の外周部と反応器10の内周部との間に
は超臨界水の流路26が設けられる。図1に示したポン
プ14,17,19、予熱器16,18,20、ヒータ
11a、反応器10のヒータ(図示せず)及びガス化領
域24での燃焼により、反応器10の内部が水の超臨界
状態に維持されるよう制御される。具体的には、反応器
10内の圧力は上記5つの領域21〜25で25〜35
MPaにそれぞれ維持され、熱加水分解領域21、分離
領域22及びガイド領域2は380〜480℃に、ガス
化領域24は600〜1200℃に、メタン化領域25
は650〜1000℃にそれぞれ維持されるように制御
される。
【0013】熱加水分解領域21とガイド領域23とは
筒状の熱良導体からなる耐熱性の仕切板27で区画され
る。この仕切板27は図示しない支持具により反応器1
0の内壁にこの内壁と間隔をあけて固定される。この仕
切板27は例えばNi−Crの耐熱合金(商品名:MC
アロイ、三菱マテリアル製)からなる。またガイド領域
23とガス化領域24とは気体が通過可能に形成された
多孔質隔壁28で区画される。この多孔質隔壁28は例
えば気孔率20〜80%のチタニア、ジルコニア、アル
ミナなどのセラミックからなる。この多孔質隔壁28に
はFe、Cr、Niなどの触媒金属を担持しておくこと
が反応を促進し、好ましい。ガス化領域24と流路26
とはセラミック又は耐熱性金属からなる多孔質隔壁29
で区画される。隔壁28及び29は仕切板27の周囲に
同心の筒状に設けられる。隔壁28の上部にはガス化領
域24の上部を塞ぐ封止壁30が隔壁28に一体的にか
つ隔壁29に接続して設けられる。
【0014】仕切板27の下端は反応器10の底部10
fから離間して設けられ、ここに分離領域22を形成す
る。隔壁28の下部には円筒状の分離筒31が隔壁28
と一体的に設けられる。分離領域22に臨んで、反応器
10の底部10fは仕切板27の中心に向って凹んで円
錐状に形成され、分離筒31の下端にはこの円錐面に平
行な円錐部31aが形成される。反応器10の頂部中心
には原料の供給管10aが貫通し、熱加水分解領域21
に相当する仕切板27内部中心まで延びて設けられる。
また反応器10の頂部周辺には水の供給管10bが貫通
し流路26に延びて設けられる。反応器10の底部には
酸化剤の供給管10cが貫通しガス化領域24まで延び
て設けられる。ガス化領域24に臨む供給管10cには
多数の孔10dが設けられ、供給管10cの先端は多孔
質隔壁28の中央に位置する。隔壁29の下端は有孔壁
29aを介して反応器10の底部に接続され、この有孔
壁29aには前述した供給管10cが貫通する。供給管
10b及び10cは、管状の反応器10の中心を囲むよ
うに複数本設置される。反応器10の頂部中心の供給管
10aの周りにはメタン及び水素を主成分とするガスの
排出管10eが反応器10の頂部を貫通して設けられ
る。
【0015】図1に戻って、排出管10eには分離器4
1が接続され、ここで各種ガスが分離される。この実施
の形態では分離器41はそれぞれ気液分離機能を有する
第1分離器42及び第2分離器43により構成される。
即ち、排出管10eには冷却器44を介して第1分離器
42が接続される。第1分離器42で分離された水分は
減圧弁46を介してタンク12に回収されるようになっ
ている。第1分離器42で分離された水分以外のガスは
冷却器47を介して第2分離器43に供給されるように
なっている。第2分離器43で分離された二酸化炭素は
減圧弁48を介して液化CO2の形態で貯蔵されるよう
になっている。第2分離器43で分離された可燃性ガス
は例えば高効率発電であるガスタービン複合発電装置4
9に供給されるようになっている。
【0016】このように構成された装置により、合成ガ
スを製造し、発電装置49により発電に利用する方法に
ついて説明する。図1に示すように、炭化水素資源のス
ラリーからなる原料はタンク11からポンプ14で圧力
を、予熱器16で熱を付与されて供給管10aに供給さ
れる。また水はタンク12からポンプ17で圧力を、予
熱器18で熱を付与されて供給管10bに供給される。
更に酸化剤はタンク13からポンプ19で圧力を、予熱
器20で熱を付与されて供給管10cに供給される。
【0017】図2に示すように、先ず供給管10bから
超臨界水を供給し、反応器10全体に満たした後、供給
管10cから酸化剤を供給する。供給管10bから供給
された水は、反応器10の外壁と隔壁29の間の流路2
6を通って有孔壁29aに至り、この有孔壁29aを通
って反応器10全体に行渡る。この状態で供給管10a
から仕切板27内の熱加水分解領域21に原料の炭化水
素資源を供給する。380〜480℃、25〜35MP
aの熱加水分解領域11において、炭化水素資源の熱分
解又は加水分解のいずれか一方又は双方が行われる。熱
加水分解の温度が380℃未満では、反応速度が遅く、
また熱加水分解の温度が480℃を超え、圧力が35M
Paを超えると、反応器に負荷がかかり過ぎ、効率的で
ない。原料にもよるが好ましい温度は380〜450℃
であり、好ましい圧力は25〜30MPaである。この
分解反応により、次の式(4)に示すようにメタン、水
素及び一酸化炭素を主成分とする可燃性ガス、軽質油及
び残渣が生成する。分解生成物は超臨界水中に溶解す
る。
【0018】 Cxyz → mCx'Hy'Oz' + nCx"Hy"Oz" + aH2 + bCH4 + cCO2 + …… +coke(C) ……(4) 仕切板27を通過した分解生成物は、反応器10の底部
に達し、分離領域22において円錐部31aにより可燃
性ガス、軽質油と残渣とに分離される。可燃性ガス及び
軽質油は仕切板27の下端と円錐部31aの間を通って
ガイド領域23に導かれ、残渣は沈降して円錐部31a
と反応器10の底部の間を通ってガス化領域24に導か
れる。供給管10cから酸化剤が供給され、孔10dを
通ってガス化領域24に噴出する。600〜1200
℃、25〜35MPaのガス化領域24では導入してき
た残渣が孔10dから噴出する酸素と反応してその一部
が燃焼して高温となる。ガス化の温度が600℃未満、
圧力が25MPa未満では、ガス化速度が遅く、またガ
ス化の温度が1200℃を超え、圧力が35MPaを超
えると、反応器に負荷がかかり過ぎ、効率的でない。好
ましい温度は800〜1000℃であり、好ましい圧力
は25〜30MPaである。この高温雰囲気が作り出さ
れることにより燃焼しない残渣がガス化反応を生じ、超
臨界水中で水素及び二酸化炭素を含むガスが生成され
る。このガスには微量の一酸化炭素及びメタンを含む。
このガス化反応は式(5)及び(6)で、また燃焼反応
は式(7)及び(8)で示される。
【0019】 C + H2O → CO + H2 …… (5) CO + H2O → CO2 + H2 …… (6) 2C + O2 → 2CO …… (7) C + O2 → CO2 …… (8) ガス化領域24で生成したガスの一部は多孔質隔壁28
を透過してガイド領域23に流入し、前述した熱加水分
解領域21で生成したメタン、水素及び軽質油と合流し
て、メタン化領域25に入る。650〜1000℃、2
5〜35MPaのメタン化領域25ではこれらのガス及
び油分が反応して、メタン化反応、高温熱分解反応及び
水素化熱分解反応が行われる。反応温度が650℃未
満、圧力が25MPa未満では、反応速度が遅く、また
反応温度が1000℃を超え、圧力が35MPaを超え
ると、反応器に負荷がかかり過ぎ、効率的でない。好ま
しい温度は650〜800℃であり、好ましい圧力は2
5〜30MPaである。メタン化反応を次の式(9)〜
(11)に、高温熱分解反応を次の式(12)に、水素
化熱分解反応を次の式(13)にそれぞれ示す。 C + 2H2 → CH4 …… (9) CO + 3H2 → CH4 + H2O …… (10) CO2 + 4H2 → CH4 + 2H2O …… (11) Cx'Hy'Oz' → CH4 + CO2 + H2 …… (12) Cx'Hy'Oz' + H2 → CH4 + H2O …… (13) メタン化領域25で生成されたガスと軽質化された油分
と水分が排出管10eを通って反応器10から排出され
る。この反応器10では、熱加水分解領域21,分離領
域22,ガス化領域24及びメタン化領域25における
化学反応を通じて、軽質化されずに残留した残渣は反応
器10の底部に沈降し、ガス化される。
【0020】図1に戻って、反応器10の排出管10e
から排出された水素、二酸化炭素、水分を含み、メタン
を主成分とするガスは冷却器44で100〜250℃に
冷却された後、第1分離器42に入り、メタン、水素及
び二酸化炭素を含むガスと、水分とに分離される。分離
された水分は減圧弁46を通して減圧された後、水タン
ク12に回収されて原料の水として再使用される。分離
されたメタン、水素及び二酸化炭素を含むガスは冷却器
47で約10〜30℃に冷却されて第2分離器43に入
り、二酸化炭素が減圧弁48で減圧され、液化CO2
状態で副産物として容器に回収される。これにより地球
環境上問題のある二酸化炭素を封じ込めることができ
る。
【0021】二酸化炭素を取除かれたメタン及び水素を
含むガスは例えばガスタービン複合発電装置49のガス
タービン50に送られ、そこで燃焼され、その燃焼エネ
ルギによりガスタービン50を駆動する。図3は、図1
及び図2に示した製造装置により合成ガスを製造する工
程図である。図3において、図1に示した構成要素又は
工程と同一の構成要素又は工程は図1と同一符号で示
す。また図3の一点鎖線で囲んだ部分は反応器10内部
の反応を示す。上述したように分離領域22(分離工程
(b))で残渣から分離された水分を含む可燃性ガスと軽
質油はメタン化領域25(メタン化工程(d))に送ら
れ、ここでガス化領域24(ガス化工程(c))から供給
された水素、二酸化炭素及び水分を含むガスと反応して
水分を含む状態でメタン化される。
【0022】本発明の第2実施の形態を図4に基づいて
説明する。図4において、図1に示した構成要素又は工
程と同一の構成要素又は工程は図1と同一符号で示す。
この実施の形態における特徴ある構成は、図2及び図3
で示した分離領域22が反応器60の外部に設けられた
分離器66に設けられたことにある。反応器60はそれ
ぞれ圧力25〜35MPaであって温度の異なる3つの
領域、即ち、熱加水分解領域61,ガス化領域62及び
メタン化領域63を有する。この反応器60は両端が封
止された管状に形成される。反応器60の外周部には図
示しないヒータが設けられる。反応器60の内部は筒状
の熱良導体からなる耐熱金属の仕切板64で2つの空間
に区画される。この筒状の仕切板64の外側には熱加水
分解領域61が、また仕切板64の内側にはガス化領域
62がそれぞれ設けられる。更に仕切板64の内側のガ
ス化領域62の上方には、ガス化領域62に連続してメ
タン化領域63が設けられる。反応器60の外部にはサ
イクロン型の固気分離器66が設けられる。反応器60
の上端には熱加水分解領域61に炭化水素資源を供給す
る供給管60aと超臨界水を供給する供給管60bがそ
れぞれ設けられ、反応器60の下端には分離器66に導
入する導入管67が設けられる。分離器66は熱加水分
解領域61で分解した分解生成物をガスと残渣に分離す
るようになっている。
【0023】反応器60の下端にはガス化領域62に酸
化剤を供給する供給管60cと、分離器66で分離され
たガスをメタン化領域63に供給する供給管60dと、
分離器66で分離された残渣をガス化領域62に供給す
る供給管60eがそれぞれ設けられる。また反応器60
の上端にはメタン化領域63で生じたメタン及び水素を
主成分とするガスの排出管60fが設けられる。更に反
応器60は熱加水分解、ガス化及びメタン化の各領域の
圧力をいずれも25〜35MPaに維持され、熱加水分
解、ガス化及びメタン化の各領域の温度をそれぞれ38
0〜480℃、600〜1200℃及び650〜100
0℃に維持される。分離器66は内部圧力を25〜35
MPaに維持され、かつ内部温度を380〜480℃に
維持される。
【0024】この製造装置では、第1の実施の形態と同
様に炭化水素資源の原料が供給管60aから、また水が
供給管60bから熱加水分解領域61にそれぞれ導入さ
れる。熱加水分解領域61において、炭化水素資源は超
臨界水と反応して、メタン、水素及び一酸化炭素を主成
分とする可燃性ガス、軽質油及び残渣を生成する。生成
した可燃性ガス及び油分は超臨界水中に溶解し、生成し
た残渣とともに導入管67を通って分離器66に導入さ
れる。分離器66では可燃性ガス、水分及び軽質油が残
渣と分離される。分離器66で分離された残渣は供給管
60eを通ってガス化領域62に送られ、そこで酸化剤
の供給管60cからガス化領域62に供給された酸素と
反応してその一部が燃焼して高温となる。この高温雰囲
気が作り出されることにより燃焼しない残りの残渣がガ
ス化反応を生じ、超臨界水中で大部分の水素、二酸化炭
素及び少量の一酸化炭素及びメタンを含むガスを生成す
る。分離器66で分離された可燃性ガス、水分及び軽質
油は供給管60dを通ってメタン化領域63に送られ
る。メタン化領域63では分離器66で分離したメタ
ン、水素、水分及び軽質油とガス化領域62で上記残渣
のガス化反応により生成した水素及び二酸化炭素を主成
分とし水分を含むガスとが反応してメタン及び水素を主
成分とし、水分及び二酸化炭素を含むガスを生成する。
メタン化領域63で生成したメタン及び水素を主成分と
し、水分及び二酸化炭素を含むガスは排出管60fから
外部に排出された後、上述した第1の実施の形態の製造
装置の場合と同様に分離器41で処理されて、例えばガ
スタービン複合発電装置49の燃料として使用される。
この第2の実施の形態の各反応は前述した式(4)〜
(13)に基づいて行われる。
【0025】この製造装置では、熱加水分解領域で生成
した分解物を反応器の外部に設けられた分離器でガスと
残渣に分離するため、分離がより確実に行われ、分離さ
れた生成物を次の反応に適する領域に的確に供給するこ
とができる。なお、分離器66で分離された残渣は、燃
焼に不適当な不純物を除去した後、供給管60eに供給
することが好ましい。
【0026】本発明の第3実施の形態を図5に基づいて
説明する。図5は図示しない製造装置により合成ガスを
製造する工程図である。図5において、図1及び図3に
示した構成要素又は工程と同一の構成要素又は工程は図
1及び図3と同一符号で示す。また図5の一点鎖線で囲
んだ部分は反応器内部の反応を示す。この実施の形態の
特徴ある構成は、分離領域22(分離工程(g))で分離
した可燃性ガス、水分及び軽質油を分離工程(i)で軽質
油とそれ以外の成分に分離し、この軽質油をメタン化領
域25(メタン化工程(j))に供給し、ここで軽質油を
ガス化領域24(ガス化工程(h))で生成された水素、
二酸化炭素及び水分を含むガスと反応させてメタン、水
素を主成分とするガスを生成し、かつ軽質油以外の成分
をメタン化工程(j)の生成ガスとともに分離器42(分
離工程(k))で水分と、メタン、水素を主成分とするガ
スに分離することにある。この製造方法では分離工程
(g)で分離した可燃性ガスと水分及び軽質油とを分離工
程(i)で更に分離して、この軽質油をガス化工程(h)で残
渣をガス化した水素、二酸化炭素と混合してメタン化す
るため、メタン化工程(j)のメタン化効率を向上するこ
とができる。その他の作用効果は第1の実施の形態と同
様であるので、繰り返しの説明を省略する。
【0027】本発明の第4実施の形態を図6に基づいて
説明する。図6は図示しない製造装置により合成ガスを
製造する工程図である。図6において、図1及び図3に
示した構成要素又は工程と同一の構成要素又は工程は図
1及び図3と同一符号で示す。また図6の一点鎖線で囲
んだ部分は反応器内部の反応を示す。この実施の形態の
特徴ある構成は、分離領域22(分離工程(m))で分離
した水分を含まない可燃性ガス及び軽質油を分離工程
(o)で軽質油とそれ以外の成分に分離し、一方ガス化領
域24(ガス化工程(n))で生成したガスから分離工程
(p)で水分を分離し、この水分を除去したガスと分離工
程(o)で分離した軽質油とをメタン化領域25(メタン
化工程(q))でメタン化することにある。この製造方法
では分離工程(p)で水分を除去した可燃性ガスと、分離
工程(o)で分離した軽質油とを混合して軽質油をメタン
化するため、メタン化工程(q)のメタン化効率を向上す
ることができる。その他の作用効果は第1の実施の形態
と同様であるので、繰り返しの説明を省略する。
【0028】なお、上記第1〜4の実施の形態で、熱加
水分解工程以外のガス化工程及びメタン化工程を単一の
反応器の内部で行う例を示したが、ガス化工程及びメタ
ン化工程を各別の反応器で行ってもよい。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は炭化水素資
源を超臨界状態の水で熱加水分解し、分離し、ガス化
し、メタン化して、メタン及び水素を主成分とするガス
を生成させ、そのガスの燃焼エネルギを利用するように
したので、複雑なプロセスを要することなく、メタン及
び水素を主成分とする合成ガスを製造できる。また二酸
化炭素を大気中に放出させずに、液体の状態で副産物と
して回収できる。更に生成したガスは例えばガスタービ
ン複合発電に供給することにより高効率発電に用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態の合成ガスを製造する
装置の構成図。
【図2】図1の装置の要部である反応器の断面構成図。
【図3】第1実施の形態の合成ガスの製造工程を示す
図。
【図4】本発明の第2実施の形態の合成ガスを製造する
装置の構成図。
【図5】本発明の第3実施の形態の合成ガスの製造工程
を示す図。
【図6】本発明の第4実施の形態の合成ガスの製造工程
を示す図。
【符号の説明】
10 反応器 10a 炭化水素資源の供給管 10b 超臨界水の供給管 10c 酸化剤を供給する供給管 10e ガスの排出管 10f 反応器の底部 21 熱加水分解領域 22 分離領域 23 ガイド領域 24 ガス化領域 25 メタン化領域 26 超臨界水の流路 27 仕切板 28 多孔質隔壁 29 隔壁 49 ガスタービン複合発電装置 60 反応器 60a 炭化水素資源の供給管 60b 超臨界水の供給管 60c 酸化剤を供給する供給管 60d 分離器で分離したガスの供給管 60e 分離器で分離した残渣の供給管 60f ガスの排出管 61 熱加水分解領域 62 ガス化領域 63 メタン化領域 64 仕切板 66 分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 皓 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三菱 マテリアル株式会社システム事業センター 内 Fターム(参考) 4G040 EA03 EA06 EB03 EB14 EB16 EB23 EB33 EB43 EB46 4H029 AA11 AA18 AB06 AB10 AB11 AB12 AC03 AC04 AC12 AE08 AE23 AE28 4H060 AA01 AA02 BB04 BB05 BB08 BB13 BB15 BB24 CC18 DD02 DD05 GG01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 温度380〜480℃、圧力25〜
    35MPaで炭化水素資源を水と反応させて前記炭化水
    素資源の熱分解又は加水分解のいずれか一方又は双方を
    行うことによりメタン、水素及び一酸化炭素を主成分と
    する可燃性ガスと、軽質化した油分と、残渣を生成する
    工程と、 (b) 温度380〜480℃、圧力25〜35MPaで前
    記可燃性ガス、水分及び軽質化した油分と、前記残渣と
    を分離する工程と、 (c) 温度600〜1200℃、圧力25〜35MPaで
    前記(b)工程で分離した残渣を酸素雰囲気下、燃焼し
    て、水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスを
    生成するガス化工程と、 (d) 温度650〜1000℃、圧力25〜35MPaで
    前記(b)工程で分離したメタン、水素、水分及び軽質化
    した油分と、前記(c)工程で生成した水素及び二酸化炭
    素を主成分とし水分を含むガスとを反応させてメタンを
    主成分とするガスを生成するメタン化工程と、 (e) 前記(d)工程で得られたガスから水分及び二酸化炭
    素を除去してメタン及び水素を主成分とするガスを得る
    工程とを含む合成ガスの製造方法。
  2. 【請求項2】 (f) 温度380〜480℃、圧力25〜
    35MPaで炭化水素資源を水と反応させて前記炭化水
    素資源の熱分解又は加水分解のいずれか一方又は双方を
    行うことによりメタン、水素及び一酸化炭素を主成分と
    する可燃性ガスと、軽質化した油分と、残渣を生成する
    工程と、 (g) 温度380〜480℃、圧力25〜35MPaで前
    記可燃性ガス、水分及び軽質化した油分と、前記残渣と
    を分離する工程と、 (h) 温度600〜1200℃、圧力25〜35MPaで
    前記(g)工程で分離した残渣を酸素雰囲気下、燃焼し
    て、水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスを
    生成するガス化工程と、 (i) 前記(g)工程で分離した可燃性ガスと水分及び軽質
    化した油分とを更に分離する工程と、 (j) 温度650〜1000℃、圧力25〜35MPaで
    前記(i)工程で分離した軽質化した油分と、前記(h)工程
    で生成した水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含む
    ガスとを反応させてメタンを主成分とするガスを生成す
    るメタン化工程と、 (k) 前記(j)工程で得られたガスと前記(i)工程で分離し
    た可燃性ガスから水分及び二酸化炭素を除去してメタン
    及び水素を主成分とするガスを得る工程とを含む合成ガ
    スの製造方法。
  3. 【請求項3】 (l) 温度380〜480℃、圧力25〜
    35MPaで炭化水素資源を水と反応させて前記炭化水
    素資源の熱分解又は加水分解のいずれか一方又は双方を
    行うことによりメタン、水素及び一酸化炭素を主成分と
    する可燃性ガスと、軽質化した油分と、残渣を生成する
    工程と、 (m) 温度380〜480℃、圧力25〜35MPaで前
    記可燃性ガス及び軽質化した油分と、前記残渣及び水分
    とを分離する工程と、 (n) 温度600〜1200℃、圧力25〜35MPaで
    前記(m)工程で分離した残渣を酸素雰囲気下、燃焼し
    て、水素及び二酸化炭素を主成分とし水分を含むガスを
    生成するガス化工程と、 (o) 温度380〜480℃、圧力25〜35MPaで前
    記(m)工程で分離した可燃性ガスと軽質化した油分とを
    分離する工程と、 (p) 前記(n)工程で生成した水素及び二酸化炭素を主成
    分とし水分を含むガスから水を除去する工程と、 (q) 温度350〜1000℃、圧力7〜35MPaで前
    記(o)工程で分離した軽質化した油分と、前記(p)工程で
    水分を除去された水素及び二酸化炭素を主成分とするガ
    スとを反応させてメタンを主成分とするガスを生成する
    メタン化工程と、 (r) 前記(q)工程で得られたガスと前記(o)工程で分離し
    た可燃性ガスから二酸化炭素を除去してメタン及び水素
    を主成分とするガスを得る工程とを含む合成ガスの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 両端が封止された管状の反応器(10)の中
    心部に設けられた炭化水素資源の熱加水分解領域(21)
    と、 前記熱加水分解領域(21)の下端部に設けられ前記領域(2
    2)で生成した残渣と残渣以外の分解生成物を分離する分
    離領域(22)と、 前記分離領域の上方の熱加水分解領域(21)の外周部に設
    けられ前記分離領域(22)で分離した残渣以外の分解生成
    物を導くガイド領域(23)と、 前記ガイド領域(23)の外周部に設けられたガス化領域(2
    4)と、 前記ガイド領域(23)とガス化領域(24)の上方に位置し、
    かつ前記ガイド領域(23)に連続して設けられたメタン化
    領域(25)と、 前記ガス化領域(24)の外周部と前記反応器(10)の内周部
    との間に設けられた超臨界水の流路(26)と、 前記熱加水分解、分離、ガス化及びメタン化の各領域の
    圧力をいずれも25〜35MPaに維持しかつ前記熱加
    水分解、分離、ガス化及びメタン化の各領域の温度をそ
    れぞれ380〜480℃、380〜480℃、600〜
    1200℃及び650〜1000℃に維持する手段(11
    a,14,16〜20)とを有し、 前記熱加水分解領域(21)と前記ガイド領域(23)とが筒状
    の熱良導体からなる耐熱性の仕切板(27)で区画され、 前記ガイド領域(23)と前記ガス化領域(24)とが気体が通
    過可能に形成された多孔質隔壁(28)で区画され、 前記ガス化領域(24)と前記流路(26)が隔壁(29)で区画さ
    れ、 前記反応器(10)の上端に前記熱加水分解領域(21)に炭化
    水素資源を供給する供給管(10a)と前記流路(26)に超臨
    界水を供給する供給管(10b)がそれぞれ設けられ、 前記反応器(10)の下端に前記ガス化領域(24)に酸化剤を
    供給する供給管(10c)が設けられ、 前記反応器(10)の上端にメタン及び水素を主成分とする
    ガスの排出管(10e)が設けられた合成ガスの製造装置。
  5. 【請求項5】 多孔質隔壁(28)に触媒金属が担持された
    請求項4記載の合成ガスの製造装置。
  6. 【請求項6】 両端が封止された管状の反応器(60)の内
    部が筒状の熱良導体からなる耐熱性の仕切板(64)により
    区画され、 前記筒状の仕切板(64)の外側に設けられた熱加水分解領
    域(61)と、 前記筒状の仕切板(64)の内側に設けられたガス化領域(6
    2)と、 前記筒状の仕切板(64)の内側に設けられ、前記ガス化領
    域(62)の上方に位置し、かつガス化領域(62)に連続して
    設けられたメタン化領域(63)と、 前記熱加水分解、ガス化及びメタン化の各領域の圧力を
    いずれも25〜35MPaに維持しかつ前記熱加水分
    解、ガス化及びメタン化の各領域の温度をそれぞれ38
    0〜480℃、600〜1200℃及び650〜100
    0℃に維持する手段(11a,14,16〜20)とを有し、 前記反応器(60)の上端に前記熱加水分解領域(61)に炭化
    水素資源を供給する供給管(60a)と超臨界水を供給する
    供給管(60b)がそれぞれ設けられ、 前記反応器(60)の下端に前記熱加水分解領域(61)で分解
    した分解生成物をガスと残渣に分離する前記反応器(60)
    の外部に設けられた分離器(66)に導入する導入管(67)が
    設けられ、 前記分離器(66)は内部圧力を25〜35MPaに維持し
    かつ内部温度を380〜480℃に維持する手段を有
    し、 前記反応器(60)の下端に前記ガス化領域(62)に酸化剤を
    供給する供給管(60c)と前記分離器(66)で分離されたガ
    スを前記メタン化領域(63)に供給する供給管(60d)と前
    記分離器(66)で分離された残渣を前記ガス化領域(62)に
    供給する供給管(60e)がそれぞれ設けられ、 前記反応器(60)の上端に前記メタン化領域(63)で生じた
    メタン及び水素を主成分とするガスの排出管(60f)が設
    けられた合成ガスの製造装置。
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