JPH09110854A - 4‐アルコキシフラノン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

4‐アルコキシフラノン誘導体及びその製造方法

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JPH09110854A
JPH09110854A JP26452795A JP26452795A JPH09110854A JP H09110854 A JPH09110854 A JP H09110854A JP 26452795 A JP26452795 A JP 26452795A JP 26452795 A JP26452795 A JP 26452795A JP H09110854 A JPH09110854 A JP H09110854A
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JP
Japan
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methyl
ethyl
furanone
derivative
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Application number
JP26452795A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Sasaki
努 佐々木
Takanao Matsudo
隆直 松戸
Kenji Mori
謙治 森
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Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脂溶性が高く膜透過性に優れ、生体に取り込
まれて初めて抗酸化活性を示す新規なフラノン誘導体類
を提供する。 【解決手段】 一般式 【化1】 (式中のRはアルキル基を示し、R1、R2及びR3は同
一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を
示す)で表わされる4‐アルコキシフラノン誘導体。こ
れは、一般式 【化2】 で表わされる4‐ヒドロキシフラノン誘導体に、反応性
アルカリ金属化合物の存在下で一般式RX(式中のXは
ハロゲン原子である)のハロゲン化アルキルを反応させ
て得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脂溶性が高く膜透
過性に優れ、生体に取り込まれると初めて抗酸化活性を
示す新規なフラノン誘導体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、パイナップル又は牛肉の抽出
成分、あるいはコーヒーや醤油中の香気成分の一つとし
て、一般式
【化5】 (式中のR4及びR5は、同一又は異なっていてもよい、
水素原子又は低級アルキル基である)で表わされる4‐
ヒドロキシフラノン誘導体が知られており、またこのも
のは抗腫瘍活性を示すことから、抗腫瘍剤として使用す
ること(特開平5−255082号公報)も提案されて
いる。また、一般式
【化6】 (式中のR6及びR7は、互いに異なって、メチル基又は
エチル基を示す)で表わされる易水溶性のフラノン誘導
体が知られている。さらに、この誘導体のアセチル化物
も知られている(醤研,Vol.20,No.1,p.
7〜17)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の前記4‐ヒドロ
キシフラノン誘導体はそれぞれ特徴的な香りが強く、例
えば醤油から分離される2(又は5)‐エチル‐4‐ヒ
ドロキシ‐5(又は2)‐メチル‐3(2H)‐フラノ
ンは、本醸造醤油の代表的な香りの成分として見出され
たものであるが、抗酸化活性及び抗腫瘍活性が認めら
れ、香料としてのみならず、抗酸化剤、抗腫瘍剤として
も注目されている。
【0004】しかしながら、この化合物は特殊な臭気を
有し、また酸化に対して不安定で長期保存が困難である
上に、脂溶性を欠き、膜透過性が低く、経皮投与には適
していないため、抗酸化剤や抗腫瘍剤としての生体応用
への実用化が阻まれていた。
【0005】本発明は、このような事情の下、それ自身
特殊な臭気を有さず、保存安定性が良好で、しかも脂溶
性で膜透過性に優れ、生体に取り込まれて初めて抗酸化
活性を示す新規なフラノン誘導体を提供することを目的
としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2(又は
5)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル
‐3(2H)‐フラノンと同様な薬理作用を有し、しか
も特異臭を有することがなく、かつ酸化に対して安定な
フラノン誘導体を開発するために鋭意研究を重ねた結
果、4‐ヒドロキシフラノン類をアルコキシ化物に変換
することにより、その目的を達成しうることを見出し、
この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式
【化7】 (式中のRはアルキル基を示し、R1、R2及びR3は同
一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を
示す)で表わされる4‐アルコキシフラノン誘導体を提
供するものである。本発明の4‐アルコキシフラノン誘
導体は、一般式
【化8】 (式中のR1、R2及びR3は同一でも異なっていてもよ
く、水素原子又はアルキル基である)で表わされる4‐
ヒドロキシフラノン誘導体に、反応性アルカリ金属化合
物の存在下、一般式
【化9】 (式中のRはアルキル基、Xはハロゲン原子である)で
表わされるハロゲン化アルキルを反応させることにより
製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の4‐アルコキシフラノン
誘導体は文献未載の新規化合物であって、前記式(I)
で表わされる。この式中、Rで示されるアルキル基、並
びにR1、R2及びR3の少なくとも一つがアルキル基で
ある場合のそのアルキル基についてはいずれも特に制限
はないが、通常炭素原子数が1〜6の直鎖状又は分枝状
の低級アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n‐プ
ロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、イソブチル
基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペン
チル基、n‐ヘキシル基などである。本発明の4‐アル
コキシフラノン誘導体として好ましいのは、式(I)に
おいてR1及びR2がアルキル基の化合物、すなわちR、
1及びR2はアルキル基で、R3は水素又はアルキル基
である化合物である。
【0009】このような4‐アルコキシフラノン誘導体
の例としては、2‐エチル‐4‐メトキシ‐5‐メチル
‐3(2H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル
基、R3=水素、R=メチル基)、5‐エチル‐4‐メ
トキシ‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エ
チル基、R2=メチル基、R3=水素、R=メチル基)、
4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐
フラノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=水
素、R=エチル基)、4‐エトキシ‐5‐エチル‐2‐
メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2
メチル基、R3=水素、R=エチル基)、2‐エチル‐
5‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2H)‐フラノン
(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=プ
ロピル基)、5‐エチル‐2‐メチル‐4‐プロポキシ
‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル
基、R3=水素、R=プロピル基)、2‐エチル‐4‐
イソプロポキシ‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン
(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=イ
ソプロピル基)、5‐エチル‐4‐イソプロポキシ‐2
‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2
=メチル基、R3=水素、R=イソプロピル基)、4‐
ブトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラ
ノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R
=ブチル基)、4‐ブトキシ‐5‐エチル‐2‐メチル
‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル
基、R3=水素、R=ブチル基)、2‐エチル‐4‐イ
ソブトキシ‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1
=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=イソブチ
ル基)、5‐エチル‐4‐イソブトキシ‐2‐メチル‐
3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル
基、R3=水素、R=イソブチル基)、4‐sec‐ブ
トキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノ
ン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=
sec‐ブチル基)、4‐sec‐ブトキシ‐5‐エチ
ル‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル
基、R2=メチル基、R3=水素、R=sec‐ブチル
基)、4‐tert‐ブトキシ‐2‐エチル‐5‐メチ
ル‐3(2H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチ
ル基、R3=水素、R=tert‐ブチル基)、4‐t
ert‐ブトキシ‐5‐エチル‐2‐メチル‐3(2
H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル基、R3
=水素、R=tert‐ブチル基)、2‐エチル‐5‐
メチル‐4‐n‐ペントキシ‐3(2H)‐フラノン
(R1=メチル基、R2=エチル基、R 3=水素、R=n
‐ペンチル基)、5‐エチル‐2‐メチル‐4‐n‐ペ
ントキシ‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2
=メチル基、R3=水素、R=n‐ペンチル基)、2‐
エチル‐4‐n‐ヘキソキシ‐5‐メチル‐3(2H)
‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=水
素、R=ヘキシル基)、5‐エチル‐4‐n‐ヘキソキ
シ‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル
基、R2=メチル基、R3=水素、R=ヘキシル基)、
2,5‐ジメチル‐2‐エチル‐4‐メトキシ‐3(2
H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3
=メチル基、R=メチル基)、2,2‐ジメチル‐5‐
エチル‐4‐メトキシ‐3(2H)‐フラノン(R1
エチル基、R2=メチル基、R3=メチル基、R=メチル
基)、2,2‐ジエチル‐4‐エトキシ‐5‐メチル‐
3(2H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル
基、R3=エチル基、R=エチル基)、2,5‐ジエチ
ル‐4‐エトキシ‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン
(R1=エチル基、R2=メチル基、R3=エチル基、R
=エチル基)、2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキ
シ‐2‐プロピル‐3(2H)‐フラノン(R1=メチ
ル基、R2=エチル基、R3=プロピル基、R=プロピル
基)、5‐エチル‐2‐メチル‐4‐プロポキシ‐2‐
プロピル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2
=メチル基、R3=プロピル基、R=プロピル基)、2
‐エチル‐4‐イソプロポキシ‐2‐イソプロピル‐5
‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R 1=メチル基、R2
=エチル基、R3=イソプロピル基、R=イソプロピル
基)、5‐エチル‐4‐イソプロポキシ‐2‐イソプロ
ピル‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチ
ル基、R2=メチル基、R3=イソプロピル基、R=イソ
プロピル基)、4‐n‐ブトキシ‐2‐n‐ブチル‐2
‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1
メチル基、R2=エチル基、R3=n‐ブチル基、R=n
‐ブチル基)、2‐エチル‐4‐イソブトキシ‐2‐イ
ソブチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1
メチル基、R2=エチル基、R3=イソブチル基、R=イ
ソブチル基)、5‐エチル‐4‐イソブトキシ‐2‐イ
ソブチル‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1
エチル基、R2=メチル基、R3=イソブチル基、R=イ
ソブチル基)、4‐sec‐ブトキシ‐2‐sec‐ブ
チル‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン
(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=sec‐ブチ
ル基、R=sec‐ブチル基)、4‐sec‐ブトキシ
‐2‐sec‐ブチル‐5‐エチル‐2‐メチル‐3
(2H)‐フラノン(R 1=エチル基、R2=メチル基、
3=sec‐ブチル基、R=sec‐ブチル基)、4
‐tert‐ブトキシ‐2‐tert‐ブチル‐2‐エ
チル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=メチ
ル基、R2=エチル基、R3=tert‐ブチル基、R=
tert‐ブチル基)、4‐tert‐ブトキシ‐2‐
tert‐ブチル‐5‐エチル‐2‐メチル‐3(2
H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル基、R3
=tert‐ブチル基、R=tert‐ブチル基)、2
‐エチル‐5‐メチル‐4‐n‐ペントキシ‐2‐n‐
ペンチル‐3(2H)‐フラノン(R1=メチル基、R2
=エチル基、R3=n‐ペンチル基、R=n‐ペンチル
基)、5‐エチル‐2‐メチル‐4‐n‐ペントキシ‐
2‐n‐ペンチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチ
ル基、R2=メチル基、R3=n‐ペンチル基、R=n‐
ペンチル基)、2‐エチル‐4‐イソペントキシ‐2‐
イソペンチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R
1=メチル基、R2=エチル基、R3=イソペンチル基、
R=イソペンチル基)、5‐エチル‐4‐イソペントキ
シ‐2‐イソペンチル‐2‐メチル‐3(2H)‐フラ
ノン(R1=エチル基、R2=メチル基、R3=イソペン
チル基、R=イソペンチル基)、2‐エチル‐4‐n‐
ヘキソキシ‐2‐n‐ヘキシル‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3
=n‐ヘキシル基、R=n‐ヘキシル基)、5‐エチル
‐4‐n‐ヘキソキシ‐2‐n‐ヘキシル‐2‐メチル
‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル
基、R3=n‐ヘキシル基、R=n‐ヘキシル基)など
が挙げられる。
【0010】この一般式(I)の4‐アルコキシフラノ
ン誘導体は、例えば前記一般式(II)の4‐ヒドロキ
シフラノン誘導体に、反応性アルカリ金属化合物の存在
下で前記一般式(III)のハロゲン化アルキルを反応
させることによって製造することができるが、これ以外
の方法によっても製造することができる。
【0011】この際、出発原料として用いる一般式(I
I)の4‐ヒドロキシフラノン誘導体においてR1及び
2で表わされる基が互いに異なり、かつR3が水素原子
である場合には次式で表わされるような互変異性を示
し、各互変異性体すなわち一般式(IV)の化合物と一
般式(V)の化合物が平衡状態で存在する。
【化10】 (式中のA及びBは互いに異なっていて、水素原子又は
アルキル基である) 一般式(II)の4‐ヒドロキシフラノン誘導体の例と
しては、各種互変異性体、例えば2(又は5)‐エチル
‐4‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル‐3(2H)
‐フラノン、4‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル‐
2(又は5)‐n‐プロピル‐3(2H)‐フラノン、
4‐ヒドロキシ‐2(又は5)‐イソプロピル‐5(又
は2)‐メチル‐3(2H)‐フラノン、2(又は5)
‐n‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル
‐3(2H)‐フラノン、4‐ヒドロキシ‐2(又は
5)‐イソブチル‐5(又は2)‐メチル‐3(2H)
‐フラノン、5(又は2)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐
2(又は5)‐n‐プロピル‐3(2H)‐フラノン、
5(又は2)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐2(又は5)
‐イソブチル‐3(2H)‐フラノンをはじめ、2,5
‐ジメチル‐4‐ヒドロキシ‐3(2H)‐フラノン、
2,5‐ジエチル‐4‐ヒドロキシ‐3(2H)‐フラ
ノン、4‐ヒドロキシ‐3(2H)‐フラノン、4‐ヒ
ドロキシ‐2,2,5‐トリメチル‐3(2H)‐フラ
ノン、2,5‐ジエチル‐4‐ヒドロキシ‐2‐メチル
‐3(2H)‐フラノンなどが挙げられる。
【0012】また、この4‐ヒドロキシフラノン誘導体
と反応させる一般式(III)のハロゲン化アルキルの
例としては、ヨウ化メチル、臭化メチル、ヨウ化エチ
ル、臭化エチル、ヨウ化プロピル、臭化プロピル、塩化
プロピル、ヨウ化イソプロピル、臭化イソプロピル、塩
化イソプロピル、ヨウ化ブチル、臭化ブチル、塩化ブチ
ル、ヨウ化イソブチル、臭化イソブチル、塩化イソブチ
ル、ヨウ化sec‐ブチル、臭化sec‐ブチル、塩化
sec‐ブチル、ヨウ化tert‐ブチル、臭化ter
t‐ブチル、塩化tert‐ブチル、ヨウ化アミル、臭
化アミル、塩化アミル、ヨウ化イソアミル、臭化イソア
ミル、塩化イソアミル、ヨウ化ヘキシル、臭化ヘキシ
ル、塩化ヘキシルなどを挙げることができる。
【0013】反応は主に4位のヒドロキシル基の水素原
子のアルキル置換であり、前記一般式(II)の4‐ヒ
ドロキシフラノン誘導体として、前記一般式(IV)と
一般式(V)の互変異性体混合物を用いた場合には、各
互変異性体に対応する4位の水酸基の水素原子のアルキ
ル置換体、すなわち次の一般式(VI)及び一般式(V
II)で表わされる化合物が得られる。
【化11】
【化12】 また、2位に水素原子がある場合、そのアルキル置換反
応を伴うこともあり、この場合の反応生成物は前記一般
式(IV)の化合物に対しては下記一般式(VIII)
の化合物であり、一般式(V)の化合物に対しては下記
一般式(IX)の化合物である。
【化13】
【化14】
【0014】反応は、反応性アルカリ金属化合物、特に
水素化カリウムや水素化ナトリウムなどのアルカリ金属
水素化物の存在下で行われる。そのほか、相当するアル
コキシドと硫酸ジアルキル又は芳香族スルホン酸アルキ
ルエステルとの反応や、相当するアルコール同士の脱水
反応や、相当するアルコールのジアゾメタンによるメチ
ル化反応など種々の他の反応によることもできる。
【0015】反応は、出発原料の一般式(II)の4‐
ヒドロキシフラノン誘導体を好ましくは溶媒中に溶解
し、反応性アルカリ金属化合物を加えたのち、この中へ
ハロゲン化アルキルをそのままであるいは適当な溶媒に
溶解して加えることにより行われる。この際、所望なら
ば溶媒の沸点までの温度に加熱し、反応を促進させて行
うこともできる。
【0016】溶媒は、反応に対して不活性なものであれ
ばどのようなものでもよく特に制限はないが、通常は、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレンの
ような芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類、ジメチ
ルホルムアミド、ジエチルアセトアミドのようなアミド
類、ジメチルスルホキシドなどのエーテル化反応に慣用
されている有機溶媒が用いられる。また、ピリジンやジ
メチルアニリンのような塩基性触媒を用いるときは、こ
れらを溶媒として兼用することもできる。
【0017】このようにして得た反応混合物からの、目
的物質の4‐アルコキシフラノン誘導体の分離、精製
は、蒸留、溶媒抽出、分別晶出カラムクロマトグラフィ
ー、液体クロマトグラフィーなど、慣用されている方法
を用いて行うことができる。
【0018】このようにして得られた本発明の4‐アル
コキシフラノン誘導体の同定は、マススペクトル、赤外
吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルによって行うこ
とができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の4‐アルコキシフラノン誘導体
は、4‐ヒドロキシフラノン誘導体に比べ脂溶性が高
く、膜透過性に優れる上に、生体に取り込まれ生体内で
初めて所望の活性を示すとともに、水溶解後の安定性が
高いという特有の効果を奏するので、抗酸化剤や医薬と
して有用である。
【0020】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。
【0021】実施例1 2(又は5)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐5(又は2)
‐メチル‐3(2H)‐フラノン2.0gをテトラヒド
ロフラン2.0mlに溶解し、これをよく洗滌乾燥した
水素化カリウム2.83gをテトラヒドロフラン20m
lに溶解したものに氷冷下で添加し、室温で1時間撹拌
した。さらにヨウ化エチル1.13mlを添加したの
ち、アルゴン雰囲気下にて2時間還流させた。これを氷
水にあけ、ジエチルエーテル30mlにて3回抽出し、
芒硝で乾燥し、減圧濃縮した。この濃縮物をヘキサン‐
酢酸エチル系溶離液を用いたシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにて分離し、先に溶出する画分としてエトキ
シジエチルメチルフラノン誘導体混合物を、および後に
溶出する画分としてエトキシエチルメチルフラノン誘導
体混合物を得た。エトキシエチルメチルフラノン誘導体
混合物はODSカラムにリン酸‐アセトニトリル系溶離
液を用いた高速液体クロマトグラフィーにて分離し、以
下の理化学的性質を有する、先に溶出する4‐エトキシ
‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R
1=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=エチル
基)0.7gおよび後に溶出する4‐エトキシ‐5‐エ
チル‐2‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1=エチ
ル基、R2=メチル基、R3=水素、R=エチル基)0.
2gを得た。また、エトキシジエチルメチルフラノン誘
導体混合物は同様にODSカラムにリン酸‐アセトニト
リル系溶離液を用いた高速液体クロマトグラフィーにて
分離し、以下の理化学的性質を有する、先に溶出する
2,2‐ジエチル‐4‐エトキシ‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3
=エチル基、R=エチル基)0.2gおよび後に溶出す
る2,5‐ジエチル‐4‐エトキシ‐2‐メチル‐3
(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル基、
3=エチル基、R=エチル基)0.07gを得た。 4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2H)‐
フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):170.0944(M実測値),170.09
43(C9143としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1430,1320,1
200,1040 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.97(t,J=7.1Hz,3
H),1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.7
1〜1.89(m,2H),2.20(s,3H),
4.06(q,J=7.1Hz,2H),4.20〜
4.43(m,1H) 4‐エトキシ‐5‐エチル‐2‐メチル‐3(2H)‐
フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):170.0938(M実測値),170.09
43(C9143としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1430,1320,1
200,1040 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):1.13(t,J=7.1Hz,3
H),1.26(t,J=7.1Hz,3H),1.4
3(d,J=7.1Hz,3H),2.57(q,J=
7.1Hz,2H),4.06(q,J=7.1Hz,
2H),4.20〜4.43(m,1H) 2,2‐ジエチル‐4‐エトキシ‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):198.1251(M実測値),198.12
56(C11183としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1460,1240,1
120,1060 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.80(t,J=7.5Hz,6
H),1.21(t,J=7.0Hz,3H),1.7
6(q,J=7.5Hz、4H),2.22(s,3
H),4.05(q,J=6.9Hz,2H) 2,5‐ジエチル‐4‐エトキシ‐2‐メチル‐3(2
H)‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):198.1260(M実測値),198.12
56(C11183としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1460,1240,1
120,1060 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.80(t,J=7.5Hz,3
H),1.21(t,J=7.0Hz,3H),1.2
6(t,J=7.0Hz,3H),1.38(s,3
H),1.76(q,J=7.5Hz、2H),2.5
9(q,J=7.0Hz,2H),4.05(q,J=
6.9Hz,2H)
【0022】実施例2 ヨウ化エチルに変えてヨウ化メチルを用い、かきまぜ時
間を15時間30分に変えた以外は実施例1と全く同様
にして、以下の理化学的性質を有する、2‐エチル‐4
‐メトキシ‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノン(R1
=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=メチル
基)0.6g、5‐エチル‐4‐メトキシ‐2‐メチル
‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル
基、R3=水素、R=メチル基)0.2g、2‐エチル
‐2,5‐ジメチル‐4‐メトキシ‐3(2H)‐フラ
ノン(R1=メチル基、R2=エチル基、R3=メチル
基、R=メチル基)0.2gおよび2,2‐ジメチル‐
5‐エチル‐4‐メトキシ‐3(2H)‐フラノン(R
1=エチル基、R2=メチル基、R3=メチル基、R=メ
チル基)0.07gを得た。 2‐エチル‐4‐メトキシ‐5‐メチル‐3(2H)‐
フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):156.0789(M実測値),156.07
86(C8123としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1450,1320,1
210,1180,1040 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.98(t,J=7.5Hz,3
H),1.64〜2.07(m,2H),2.21
(s,3H),3.81(s,3H),4.25〜4.
40(m,1H) 5‐エチル‐4‐メトキシ‐2‐メチル‐3(2H)‐
フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):156.0778(M実測値),156.07
86(C8123としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1450,1320,1
210,1180,1040 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):1.22(t,J=7.9Hz,3
H),1.44(d,J=7.5Hz,3H),2.5
7(q,J=8.0Hz,2H),3.81(s,3
H),4.25〜4.40(m,1H) 2,5‐ジメチル‐2‐エチル‐4‐メトキシ‐3(2
H)‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):170.0940(M観測値),170.09
43(C9143としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1620,1450,1250,1
060 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.82(t,J=7.3Hz,3
H),1.33(s,3H),1.75(q,J=7.
3Hz,2H),2.20(s,3H),3.80
(s,3H) 5,5‐ジメチル‐2‐エチル‐4‐メトキシ‐3(2
H)‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):170.0948(M観測値),170.09
43(C9143としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1620,1450,1250,1
060 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):1.21(t,J=7.7Hz,3
H),1.36(s,6H),2.52(q,J=7.
7Hz,2H),3.80(s,3H)
【0023】実施例3 ヨウ化エチルに変えてヨウ化プロピルを用い、かきまぜ
時間を2時間45分に変えた以外は実施例1と全く同様
にして、以下の理化学的性質を有する、2‐エチル‐5
‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2H)‐フラノン(R
1=メチル基、R2=エチル基、R3=水素、R=プロピ
ル基)0.8g、5‐エチル‐2‐メチル‐4‐プロポ
キシ‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メ
チル基、R3=水素、R=プロピル基)0.3g、2‐
エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐2‐プロピル‐
3(2H)‐フラノン(R1=メチル基、R2=エチル
基、R3=プロピル基、R=プロピル基)0.3g、5
‐エチル‐2‐メチル‐2‐プロピル‐4‐プロポキシ
‐3(2H)‐フラノン(R1=エチル基、R2=メチル
基、R3=プロピル基、R=プロピル基)0.1gを得
た。 2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2H)
‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):184.1101(M実測値),184.10
99(C10163としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1430,1320,1
200,1030 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.97(t,J=7.5Hz,3
H),1.13(t,J=7.1Hz,3H),1.5
2〜1.89(m,4H),2.21(s,3H),
3.96(t,J=6.6Hz,2H),4.23〜
4.42(m,1H) 5‐エチル‐2‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2H)
‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):184.1097(M実測値),184.10
99(C10163としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1320,1200,1
030 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):1.13(t,J=7.1Hz,3
H),1.21(t,J=6.7Hz,3H),1.4
3(d,J=7.1Hz,3H),1.52〜1.89
(m,2H),2.57(q,J=6.7Hz,2
H),3.96(t,J=6.6Hz,2H),4.2
3‐4.42(m,1H) 2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐2‐プロピ
ル‐3(2H)‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):226.1569(M実測値),226.15
69(C13223としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1460,1380,1
300,1240,1120,1060 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.79(t,J=7.5Hz,3
H),0.80(t,J=7.5Hz,3H),1.1
3(t,J=7.1Hz,3H),1.39〜1.90
(m,8H),2.21(s,3H),3.96(t,
J=6.6Hz,2H) 5‐エチル‐2‐メチル‐4‐プロポキシ‐2‐プロピ
ル‐3(2H)‐フラノン (a)性状:無色液体 (b)インビームEI高分解能マススペクトル(m/
z):226.1560(M実測値),226.15
69(C13223としての計算値) (c)赤外吸収スペクトルνmax(film,c
-1):1710,1630,1460,1380,1
300,1240,1120,1060 (d)1H‐核磁気共鳴スペクトルδ(ppm in
CDCl3):0.79(t,J=7.5Hz,3
H),1.13(t,J=7.1Hz,3H),1.2
1(t,J=6.7Hz,3H),1.38(s,3
H),1.39〜1.90(m,8H),3.96
(t,J=6.6Hz,2H)
【0024】応用例1(本発明のフラノン誘導体の抗酸
化活性試験例) 有賀らの方法[Agric.Bio.Chem.,5
2,2717(1988)]に準じて行った。すなわ
ち、50%(v/v)メタノール水溶液に後記表1記載
の各種試料を添加溶解し、0.02%(w/v)の試料
溶液を調製し、この0.2mlにリノール酸‐β‐カロ
チン緩衝液6mlを加え、精製水で8mlに定容して試
験溶液を調製した。このときの試験溶液の各成分の初発
濃度については、試験溶液1リットル当たり、β‐カロ
チンを1.4×10-5M、リノール酸を2×10-3M、
ツイーン20を0.06%、トリス塩酸緩衝液(pH
7.0)を1Mとした。また、ブランクとして、これら
各成分中、β‐カロチンのみを除外した試験溶液を用い
た。試験方法としては、460nmにおける吸光度を測
定し、その減少初速度の値よりβ‐カロチンの減少初速
度を算出した。反応開始後5分間のβ‐カロチンの分解
速度を試料添加の試験溶液と試料無添加の対照について
測定し、その比(対照/試験溶液)を以て相対抗酸化活
性とした。その結果を表1に示す。
【0025】また、胃内類似処理は、若林らの方法(P
roc.Natl.Acad.Sci.USA,80,
2919(1983))に準じて行った。すなわち、
0.2%の4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3
(2H)‐フラノンを含むメタノール溶液5mlを調製
し、0.1Mクエン酸‐リン酸ナトリウム緩衝液5ml
を加え、塩酸でpH3.0に調整した。これを遮光下に
30℃で1時間放置した。これを50%メタノール溶液
で5倍に希釈して上記と同様に相対抗酸化活性を測定し
たところ、2.05であった。なお、相対抗酸化活性は
1であると全く活性を有していないが、それより大きく
なるほど抗酸化活性は大きいことを示す。
【0026】
【表1】
【0027】注) :2‐エチル‐4‐メトキシ‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン :4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン :2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2
H)‐フラノン
【0028】表1の結果から、本発明のフラノン誘導体
は相対抗酸化活性が1付近の値を示すことから、直接的
には酸化を受けにくいため抗酸化活性をもたないか、あ
るいは微弱であるが、これを胃内類似処理すると抗酸化
活性を発現し、その値は2倍となることから、β‐カロ
チンの分解速度が約1/2に抑制されることが分る。こ
のことから、本発明のフラノン誘導体は、生体内に取り
込まれて初めて抗酸化活性を示す薬剤、例えば抗酸化剤
や医薬としての有用性を大いに期待しうる。
【0029】応用例2(本発明のフラノン誘導体の脂溶
性試験例) エタノールに後記表2に記載の各種試料を溶解し、0.
1%(w/v)の試料溶液を調製した。この0.5ml
を容量12mlのネジ口試験管に採取し、これに精製水
4.75ml及びn‐ヘキサン4.75mlを順次加
え、密栓後、室温で10分間強く振とうした。これを室
温で3000rpmで15分間遠心し、上層(n‐ヘキ
サン層)及び下層(水層)に分離した。各層から5μl
を採取し、それぞれ高速液体クロマトグラフィーにより
下記の条件下でヘキサン層及び水層に溶解したそれぞれ
の濃度A及びBの試料濃度を測定し、後者に対する前者
の比(A/B)を求めた。 カラム:カプセルパックODS120UG(資生堂社
製)(内径4.6mm、長さ250mm) 流速:1ml/分 溶離液:A液=20%メタノール水溶液、B液=80%
メタノール水溶液、分析5分後より35分経過するまで
B液量を0%から100%まで直線的に変化させる。 検出:UV290nm その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】注) :2(又は5)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐5(又は
2)‐メチル‐3(2H)‐フラノン :4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン :2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2
H)‐フラノン :2,5‐ジメチル‐2‐エチル‐4‐メトキシ‐3
(2H)‐フラノン :2,2‐ジエチル‐4‐エトキシ‐5‐メチル‐3
(2H)‐フラノン :2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐2‐プ
ロピル‐3(2H)‐フラノン
【0032】表2の結果から、いずれのフラノン誘導体
も修飾前のフラノンすなわち2(又は5)‐エチル‐4
‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル‐3(2H)‐フ
ラノンに比べてヘキサン中に分配される割合(A/B)
が増加しており、脂溶性効果の高いことが分る。
【0033】応用例3(本発明のフラノン誘導体の水溶
解安定性試験例) セーレンセン(Sorensen)緩衝液(pH7.
4)に2‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチル‐3
(2H)‐フラノン及び4‐エトキシ‐2‐エチル‐5
‐メチル‐3(2H)‐フラノンを別々に100ppm
となるように添加溶解し、それぞれ2種類の試料溶液を
調製した。各試料溶液の5mlをそれぞれ容量100m
lのネジ付き三角フラスコに採取して密栓し、140r
pmで振とうしつつ30℃で遮光下に3日間保持し、経
時的に5μl採取し、高速液体クロマトグラフィーによ
り各フラノン誘導体濃度を測定し、その残存率を求め
た。その結果を図1に4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐
メチル‐3(2H)‐フラノンは実線で、また2(又は
5)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル
‐3(2H)‐フラノンは破線でそれぞれ示す。なお、
30℃、3日間保持の条件は、室温で1〜2か月保持の
条件に相当する。
【0034】図1の結果から、4‐エトキシ‐2‐エチ
ル‐5‐メチル‐3(2H)‐フラノンは、2(又は
5)‐エチル‐4‐ヒドロキシ‐5(又は2)‐メチル
‐3(2H)‐フラノンに比べても、また絶対的にも水
溶解後の安定性が極めて高いことが分る。下記フラノン
誘導体も4‐エトキシ‐2‐エチル‐5‐メチル‐3
(2H)‐フラノンとほぼ同様な効果を奏することが確
認された。 2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐3(2H)
‐フラノン 2,5‐ジメチル‐2‐エチル‐4‐メトキシ‐3(2
H)‐フラノン 2,2‐ジエチル‐4‐エトキシ‐5‐メチル‐3(2
H)‐フラノン 2‐エチル‐5‐メチル‐4‐プロポキシ‐2‐プロピ
ル‐3(2H)‐フラノン
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフラノン誘導体の1例及び比較のた
めのフラノン誘導体の2(又は5)‐エチル‐4‐ヒド
ロキシ‐5(又は2)‐メチル‐3(2H)‐フラノン
についての水溶解後の経過時間とその残存率との関係を
示すグラフ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のRはアルキル基を示し、R1、R2及びR3は同
    一でも異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を
    示す)で表わされる4‐アルコキシフラノン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式 【化2】 (式中のR1、R2及びR3は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子又はアルキル基である)で表わされる4‐
    ヒドロキシフラノン誘導体に、反応性アルカリ金属化合
    物の存在下で一般式 【化3】 (式中のRはアルキル基、Xはハロゲン原子である)で
    表わされるハロゲン化アルキルを反応させることを特徴
    とする、一般式 【化4】 (式中のR、R1、R2及びR3は前記と同じ意味をも
    つ)で表わされる4‐アルコキシフラノン誘導体の製造
    方法。
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