JPH09110814A - 新規な第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料 - Google Patents

新規な第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料

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JPH09110814A
JPH09110814A JP7267041A JP26704195A JPH09110814A JP H09110814 A JPH09110814 A JP H09110814A JP 7267041 A JP7267041 A JP 7267041A JP 26704195 A JP26704195 A JP 26704195A JP H09110814 A JPH09110814 A JP H09110814A
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康規 大田和
Toru Kato
徹 加藤
Koshiro Sotodani
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維や毛髪の柔軟効果に優れ、かつ生分解性
がより優れ、柔軟剤基剤や毛髪処理基剤として適した化
合物の提供。 【解決手段】 一般式(1) で表される新規な第4級アン
モニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛
髪化粧料。 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3は炭素数1〜6のアルキル基等、
R4は炭素数1〜22のアルキル基等、R5は炭素数8〜22の
アルキル基等、 Aは炭素数2〜4のアルキレン基、 Bは
炭素数1〜10のアルキレン基等、 Xは陰イオン基、mは
1〜10、nは0〜20である。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な第4級アンモ
ニウム塩及びその製造方法、並びにそれを含有する毛髪
化粧料に関するものである。更に詳細には、新規な界面
活性剤で、布帛、毛髪等の柔軟剤の基剤として使用され
る新規な第4級アンモニウム塩及びその製造方法、並び
にそれを含有する毛髪化粧料に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
布帛や毛髪用の柔軟剤などに使用される界面活性剤は、
界面活性能のほかに安全性、皮膚に対して低刺激性、生
分解性などの諸特性に優れたものが要望されている。現
在、柔軟剤などに使用されている界面活性剤としては、
下記式(A)で表されるジ長鎖アルキルジメチルアンモ
ニウム塩、あるいは下記式(B)で表されるジ長鎖アル
キルイミダゾリンなどが良く知られている。
【0003】
【化13】
【0004】(式中、 Rは長鎖アルキル基を示す。)
【0005】
【化14】
【0006】(式中、R は前記と同じ意味を示し、R'は
長鎖アルキル基を示し、Eは-O-、-NH-又は-S- を示
す。) これらの界面活性剤を用いた柔軟剤は一般的に、布や毛
髪に対する柔軟性や、ふっくら感が優れており、広く使
用されてきた。しかし、これらの界面活性剤は一般的
に、安全性や柔軟剤の基剤としての性能に優れる反面、
生分解性に問題があり、使用後、川や海の中で分解せ
ず、長期に渡り存在する問題があった。
【0007】従って、本発明の課題は繊維や毛髪の柔軟
効果に優れ、かつ生分解性がより優れ、柔軟剤基剤や毛
髪処理基剤として適した化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記現状
に鑑み、布帛や毛髪用の柔軟剤として優れ、且つ安全性
が高く、更に生分解性の良好な化合物を得るべく鋭意検
討を行った結果、下記一般式(1) で表される新規第4級
アンモニウム塩が本発明の目的に合致することを見出
し、本発明を完成させるに到った。即ち、本発明は、一
般式(1) で表される新規な第4級アンモニウム塩及びそ
の製造方法、並びにそれを含有する毛髪化粧料を提供す
るものである。
【0009】
【化15】
【0010】〔式中、R1、R2及びR3は同一又は異なっ
て、炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキシアルキル
基を示し、R4は炭素数1〜22の直鎖又は分岐のアルキル
基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R5
は炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニ
ル基もしくはヒドロキシアルキル基を示す。 Aは炭素数
2〜4の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、n個の A
は同一でも異なっていてもよい。 Bは炭素数1〜10の直
鎖又は分岐のアルキレン基又はアルケニレン基を示し、
Xは陰イオン基を示す。mは1〜10の整数を示し、nは
アルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜20の
数である。〕 また、本発明は、上記一般式(1) で表される第4級アン
モニウム塩の製造中間体として有用である、下記一般式
(8) で表されるハロエステル、及び一般式(11)で表され
るアミノエステルを提供するものである。
【0011】
【化16】
【0012】〔式中、R4、R5、A 、B 、m及びnは前記
と同じ意味を示し、X'はハロゲン原子を示す。〕
【0013】
【化17】
【0014】〔式中、R1、R2、R4、R5、A 、B 、m及び
nは前記と同じ意味を示す。〕
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0016】前記一般式(1) で表される第4級アンモニ
ウム塩に関する報告は従来の刊行物等になく、かかる本
発明の第4級アンモニウム塩は新規化合物である。
【0017】本発明の一般式(1) で表される第4級アン
モニウム塩において、R1、R2及びR3は同一又は異なっ
て、炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキシアルキル
基を示すが、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシエチル等の基が
挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基又はヒドロキ
シエチル基であり、更に好ましくはメチル基である。
【0018】また、R4は炭素数1〜22の直鎖又は分岐の
アルキル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を
示すが、具体的にはメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシエチル、オクチ
ル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、
オクタデシル、イソオクタデシル、ヒドロキシオクタデ
シル、ドコシル等の基が挙げられ、好ましくは炭素数6
〜22の直鎖アルキル基、更に好ましくはヘキシル基であ
る。
【0019】R5は炭素数8〜22の直鎖又は分岐のアルキ
ル基、アルケニル基もしくはヒドロキシアルキル基を示
すが、具体的にはオクチル、デシル、ドデシル、テトラ
デシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソオクタデシ
ル、ヒドロキシオクタデシル、ドコシル等の基が挙げら
れ、好ましくは炭素数8〜22の直鎖アルキル基、更に好
ましくはオクタデシル基もしくはヘキサデシル基又はこ
れらの混合基である。
【0020】A は炭素数2〜4の直鎖又は分岐のアルキ
レン基を示すが、好ましくはエチレン基又はプロピレン
基であり、更に好ましくはエチレン基である。nはアル
キレンオキサイドの平均付加モル数を示す0〜20の数で
あるが、好ましくは0〜10、更に好ましくは0である。
またn個の Aは同一でも異なっていてもよい。
【0021】Bは炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキ
レン基又はアルケニレン基を示すが、好ましくは炭素数
1〜10の直鎖アルキレン基、更に好ましくは炭素数10の
直鎖アルキレン基である。mは1〜10の整数を示すが、
好ましくは1〜3、更に好ましくは1である。
【0022】X は陰イオン基を示すが、好ましくはCl,
Br等のハロゲン原子、サルフェート、炭素数1〜4の水
酸基で置換されていてもよいカルボキシレート又は炭素
数1〜4のアルキルサルフェート(CH3SO4, C2H5SO
4等)、更に好ましくCl又はCH3SO4である。
【0023】一般式(1) で表される好ましい第4級アン
モニウム塩として、例えば次のようなものが挙げられ
る。
【0024】
【化18】
【0025】
【化19】
【0026】上記一般式(1) で表される本発明の第4級
アンモニウム塩(以下第4級アンモニウム塩(1) と略記
する)は、次の製造方法1及び2により製造することが
できる。
【0027】製造方法1 一般式(2)
【0028】
【化20】
【0029】〔式中、R4及びB は前記と同じ意味を示
し、R6は H、炭素数1〜6のアルキル基あるいはアルケ
ニル基、又は式(3)
【0030】
【化21】
【0031】(式中、Z 及びZ'は同一又は異なって、 H
又は
【0032】
【化22】
【0033】(R4及びB は前記と同じ意味を示す)を示
す)で表される基を示す。〕で表されるヒドロキシ基を
有する脂肪酸又は脂肪酸エステルと、一般式(4) R5NH2 (4) 〔式中、R5は前記と同じ意味を示す。〕で表される長鎖
第1級アミンとを反応させて得られる一般式(5)
【0034】
【化23】
【0035】〔式中、R4、R5及び Bは前記と同じ意味を
示す。〕で表されるアミドアルコール、又はこのアミド
アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付
加させて得られる一般式(6)
【0036】
【化24】
【0037】〔式中、R、R5、A 及びB は前記と同じ
意味を示し、n'はアルキレンオキサイドの平均付加モル
数を示す0より大きく20以下の数である。〕で表される
アミドアルコールのアルキレンオキサイド付加物を、一
般式(7) X'(CH2)mCOY (7) 〔式中、X'はハロゲン原子を示し、 Yはハロゲン原子又
は-OR6(R6は前記と同じ意味を示す)を示し、mは前記
と同じ意味を示す。〕で表される脂肪酸ハライド、脂肪
酸又は脂肪酸エステルと反応させて、一般式(8)
【0038】
【化25】
【0039】〔式中、R4、R5、A 、B 、X'、m及びnは
前記と同じ意味を示す。〕で表されるハロエステルを
得、このハロエステルと一般式(9)
【0040】
【化26】
【0041】〔式中、R、R2及びR3は前記と同じ意味
を示す。〕で表される第3級アミンとを反応させ、更に
必要に応じて塩交換を行い、第4級アンモニウム塩(1)
を得る方法。
【0042】製造方法2 前記一般式(8) で表されるハロエステルと、一般式(10)
【0043】
【化27】
【0044】〔式中、R1及びR2は前記と同じ意味を示
す。〕で表される第2級アミンとを反応させて、一般式
(11)
【0045】
【化28】
【0046】〔式中、R、R2、R4、R5、A 、B 、m及
びnは前記と同じ意味を示す。〕で表されるアミノエス
テルを得、さらに一般式(12) R3X (12) 〔式中、R3及び Xは前記と同じ意味を示す。〕で表され
る4級化剤を反応させ、必要に応じて塩交換を行い、第
4級アンモニウム塩(1) を得る方法。
【0047】以下、第4級アンモニウム塩(1) の製造方
法の詳細を説明する。製造方法1においては、まずはじ
めに、一般式(2) で表されるヒドロキシ脂肪酸又はヒド
ロキシ脂肪酸エステル(2) (以下、ヒドロキシ脂肪酸又
はそのエステル(2) と略記する)と一般式(4) で表され
る長鎖第1級アミン(以下、長鎖第1級アミン(4) と略
記する)とを反応させて、一般式(5) で表されるアミド
アルコール(以下、アミドアルコール(5) と略記する)
を得る。
【0048】ここで使用される、ヒドロキシ脂肪酸又は
そのエステル(2) としては、例えば、10−ヒドロキシ−
トリデカン酸、11−ヒドロキシオクタデカトリエン酸、
12−ヒドロキシオクタデカン酸、3−ヒドロキシ−18−
メチルエイコサン酸、3−ヒドロキシ−5−メチルヘキ
サン酸、3−ヒドロキシブタン酸イソプロピルエステ
ル、3−ヒドロキシ−7−メチルノナン酸、3−ヒドロ
キシオクタデカン酸、3−ヒドロキシデカン酸、3−ヒ
ドロキシドデカン酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−
ヒドロキシペンタデカン酸、4−ヒドロキシオクタン
酸、4−ヒドロキシノナン酸、5−ヒドロキシ−6−ウ
ンデセン酸、5−ヒドロキシオクタデカン酸、6−ヒド
ロキシヘプタデカン酸、6−ヒドロキシミリスチン酸、
6−ヒドロキシ−12−ヘキサデセン酸、7−ヒドロキシ
オクタデカン酸、7−ヒドロキシウンデカン酸、7−ヒ
ドロキシテトラデカン酸、8−ヒドロキシ−9−ヘキサ
デセン酸、8−ヒドロキシノナン酸、9−ヒドロキシ−
10,12−ヘプタデカジエン酸、9−ヒドロキシペンタデ
カン酸、9−ヒドロキシ−10−オクタデセン酸、ひまし
油等を挙げることができる。
【0049】長鎖第1級アミン(4) としては、例えばオ
クチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラ
デシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミ
ン、ベヘニルアミン等が挙げられる。
【0050】ヒドロキシ脂肪酸又はそのエステル(2) と
長鎖第1級アミン(4) との反応の場合、アミド化反応に
おける反応温度は80〜240℃が好ましく、更に好ましく
は100〜 200℃である。反応温度がこの範囲であると適
度の収率で着色の少ない生成物が得られ好ましい。
【0051】このヒドロキシ脂肪酸又はそのエステル
(2) と長鎖第1級アミン(4) との反応における〔ヒドロ
キシ脂肪酸又はそのエステル(2) /長鎖第1級アミン
(4) 〕のモル比は 0.5/1〜2/1が好ましく、更に好
ましくは 0.9/1〜 1.5/1である。この範囲内では、
ヒドロキシ脂肪酸又はそのエステル(2) 及び長鎖第1級
アミン(4) の反応系内への残存量が少なく、反応率が向
上するため好ましい。反応圧力は、常圧又は減圧の何れ
でもよいが、副生する水又は低級アルコールを効率よく
除去するために減圧反応が好ましい。具体的には5〜40
0mmHg 、更に好ましくは10〜200mmHg である。反応圧力
を示す数値が5mmHg以上であると、反応途中に未反応の
ヒドロキシ脂肪酸又はそのエステル(2) 又は未反応の長
鎖第1級アミン(4) が系外に除外される恐れがなく、ま
た400mmHg 以下では生成するアミドアルコール(5) の収
率が低下しないので好ましい。
【0052】次に、必要に応じてアミドアルコール(5)
に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させて、
一般式(6) で表されるアミドアルコールのアルキレンオ
キサイド付加物(以下、アミドアルコールアルキレンオ
キサイド付加物(6) と略記する)を得る。
【0053】ここで用いられる炭素数2〜4のアルキレ
ンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド等が挙げられ、エチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイドが好ましく、エ
チレンオキサイドが更に好ましい。
【0054】アミドアルコール(5) とアルキレンオキサ
イドの反応温度は50〜 200℃が好ましく、更に好ましく
は80〜 150℃である。反応温度がこの範囲であると付加
反応率の低下もなく、熱暴走の恐れもないので好まし
い。
【0055】次に上記で得られたアミドアルコール(5)
又はアミドアルコールアルキレンオキサイド付加物(6)
と一般式(7) で表される脂肪酸ハライド、脂肪酸又は脂
肪酸エステル(以下、脂肪酸誘導体(7) と略記する)と
反応させ、一般式(8) で表されるハロエステル(以下、
ハロエステル(8) と略記する)を得る。
【0056】ここで用いられる脂肪酸誘導体(7) として
は、例えばクロロアセチルクロライド、モノクロロ酢
酸、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、ブロモ酢酸
エチル、クロロプロピオン酸エチル、ブロモプロピオン
酸エチル、クロロ酪酸エチル、ブロモ酪酸エチル、クロ
ロ吉草酸メチル、ブロモ吉草酸メチル、ブロモカプロン
酸エチル等が挙げられる。
【0057】アミドアルコール(5) 又はそのアルキレン
オキサイド付加物(6) と脂肪酸誘導体(7) の反応の場
合、エステル化反応における反応温度は80〜 240℃が好
ましく、更に好ましくは 100〜 200℃である。反応温度
がこの範囲であると適度の収率で着色の少ない生成物が
得られ好ましい。このエステル化反応における〔アミド
アルコール(5) 又はそのアルキレンオキサイド付加物
(6) /脂肪酸誘導体(7) 〕のモル比は 0.5/1〜2/1
が好ましく、更に好ましくは 0.9/1〜 1.5/1であ
る。この範囲内では、アミドアルコール(5) 又はそのア
ルキレンオキサイド付加物(6) 及び脂肪酸誘導体(7) の
反応系内への残存量が少なく、反応率が向上するため好
ましい。
【0058】このエステル化反応における反応圧力は、
常圧又は減圧の何れでもよいが、副生する水又は低級ア
ルコールを効率よく除去するために減圧反応が好まし
い。具体的には、5〜400mmHg 、更に好ましくは10〜20
0mmHg である。反応圧力を示す数値が5mmHg以上である
と、反応途中に未反応の脂肪酸誘導体(7) が系外に除外
される恐れがなく、また400mmHg 以下では生成するハロ
エステル(8) の収率が低下しないので好ましい。
【0059】上記のようにして得られたハロエステル
(8) は新規化合物である。ハロエステル(8) の代表的な
化合物を以下に例示する。
【0060】
【化29】
【0061】
【化30】
【0062】最後に、上記で得られたハロエステル(8)
と一般式(9) で表される第3級アミン(以下、第3級ア
ミン(9) と略記する)とを反応させ、更に必要ならば、
イオン交換樹脂等を用いて塩交換を行い、必要な対イオ
ンを有する第4級アンモニウム塩(1) を得る。
【0063】ここで用いられる第3級アミン(9) として
は、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
エタノールアミン、トリプロピルアミン、トリブチルア
ミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチ
ルエタノールアミン、N,N−ジメチル−2−ヒドロキ
シプロピルアミン、N,N−ジメチルブチルアミン、
N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ジメチルイソ
プロピルアミン、N−メチルジブチルアミン等が挙げら
れる。
【0064】ハロエステル(8) と第3級アミン(9) との
4級化反応における反応温度は30〜120℃が好ましく、
更に好ましくは40〜 100℃である。この4級化反応にお
ける〔第3級アミン(9) /ハロエステル(8) 〕のモル比
は0.9〜5.0 が好ましく、更に好ましくは0.95〜2.0 で
ある。この範囲内では、第3級アミン(9) 及びハロエス
テル(8) の反応系内への残存量が少なく、反応率が向上
するため好ましい。
【0065】本発明の製造方法2においては、まず上記
製造方法1と同様にして得られたハロエステル(8) と、
一般式(10)で表される第2級アミン(以下第2級アミン
(10)と略記する)とを反応させて、一般式(11)で表され
るアミノエステル(以下アミノエステル(11)と略記す
る)を得る。
【0066】ここで用いられる第2級アミン(10)として
は、ジメチルアミン、N−エチルメチルアミン、ジエチ
ルアミン、N−メチルイソプロピルアミン、N−エチル
イソプロピルアミン、N−メチルブチルアミン、ジイソ
プロピルアミン、ジプロピルアミン、N−エチルブチル
アミン、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、N−メチル−2−ヒドロキシプロピルアミン、ジ
−(2−ヒドロキシプロピル)アミン等が挙げられる。
【0067】ハロエステル(8) と第2級アミン(10)との
反応温度は0〜90℃が好ましく、更に好ましくは30〜70
℃である。必要であれば水溶媒を用いて1〜20時間かけ
てアミノ化反応を行う。この反応における〔第2級アミ
ン(10)/ハロエステル(8)〕のモル比は 0.9〜5.0 が好
ましく、更に好ましくは0.95〜2.0 である。
【0068】上記のようにして得られたアミノエステル
(11)は新規化合物である。アミノエステル(11)の代表的
な化合物を以下に例示する。
【0069】
【化31】
【0070】
【化32】
【0071】次に上記で得られたアミノエステル(11)
を、一般式(12)で表される4級化剤(以下、4級化剤(1
2)と略記する)で4級化して、第4級アンモニウム塩
(1) を得る。
【0072】ここで用いられる4級化剤(12)としては、
メチルクロライド等の低級アルキルハライド、ジメチル
硫酸等のジ低級アルキル硫酸等があげられる。4級化反
応の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、アセトン等があげられる。このア
ミノエステル(11)と4級化剤(12)との反応温度は70〜 1
20℃が好ましい。またこの4級化反応における、〔4級
化剤(12)/アミノエステル(11)〕のモル比は 0.8〜2.0
が好ましく、更に好ましくは0.95〜1.5 である。この条
件で 0.5〜10時間かけて無溶媒あるいは溶媒中で4級化
反応を行えば反応が完結し、その後、常法に従い後処理
を行い、更に必要ならば、イオン交換樹脂等を用いて塩
交換を行えば、必要な対イオンを有する第4級アンモニ
ウム塩(1) を得ることができる。
【0073】本発明の第4級アンモニウム塩(1) 、ハロ
エステル(8) 、アミノエステル(11)は、赤外線吸収スペ
クトル、核磁気共鳴スペクトルでその構造を確認するこ
とができる。本発明の第4級アンモニウム塩(1) は、新
規な界面活性剤であり、繊維に対して優れた柔軟性を付
与でき、生分解性の優れた柔軟基剤として有用である。
また毛髪に対しても優れた柔軟性と平滑性を付与でき、
毛髪化粧料にも応用することができる。
【0074】本発明の毛髪化粧料は、第4級アンモニウ
ム塩(1) を必須成分として含有するものであり、ヘアリ
ンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘ
アパック、ヘアクリーム、スタイリングローション、ス
タイリングムース、コンディショニングムース、ヘアム
ース、ヘアスプレー、シャンプー、洗い流さないコンデ
ィショニング剤、永久又は塩基性ヘアカラー、パーマ剤
等に用いることができる。この場合、本発明の第4級ア
ンモニウム塩(1) は、1種又は2種以上を組み合わせて
用いることができ、本発明の毛髪化粧料中に 0.1重量%
以上配合するのが好ましく、特に 0.1〜20重量%、更に
0.1〜10重量%配合するのが好ましい。
【0075】本発明の毛髪化粧料には、本発明の第4級
アンモニウム塩(1) に加え、更に油脂類やシリコーン類
を単独又は組み合わせて用いることができる。油脂類と
しては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を
有する高級アルコール、流動パラフィン、ワセリン、固
形パラフィン等の炭化水素類、液状ラノリン、ラノリン
脂肪酸等のラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、高
級脂肪酸類、アルキル基又はアルケニル基を有する長鎖
アミドアミン等の油脂類、ミンクオイル、オリーブ油等
の動植物性油脂等を挙げることができる。これらの中で
も炭素数12〜24の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の脂肪
酸由来のモノグリセリド、炭素数12〜26の直鎖又は分岐
のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール
及び高級脂肪酸が好ましく、特にオレイン酸モノグリセ
リド、パルミチン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリ
セリド、イソステアリン酸モノグリセリド等の脂肪酸モ
ノグリセリド、セチルアルコール、ステアリルアルコー
ル、アラキンアルコール、ベヘニルアルコール、カラナ
ービルアルコール、セリルアルコール等の高級アルコー
ル、ステアリン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、イソステ
アリン酸、18−メチルイコサン酸、ヤシ油脂肪酸等の
高級脂肪酸が好ましい。
【0076】シリコーン類としては、ジメチルポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサンの他、アミノ変
性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等の各種変
性シリコーンが挙げられる。これら油脂類やシリコーン
類を配合する場合には、本発明の毛髪化粧料中に0.01重
量%以上配合するのが好ましく、特に0.01〜30重量%、
更に0.05〜20重量%配合するのが好ましい。
【0077】本発明の毛髪化粧料には、上記成分以外
に、必要に応じて従来型のモノ又はジ(長鎖アルキル)
第4級アンモニウム塩のようなカチオン性活性剤やノニ
オン活性剤、グリセリン、尿素等の保湿剤、カチオン性
ポリマー、多糖類、ポリペプタイド等の高分子物質、α
−ヒドロキシカルボン酸類、芳香族スルホン酸類、色
素、香料、噴射剤、溶剤、キレート剤、pH調整剤、防
腐剤、抗フケ剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で
適宜配合することができる。
【0078】
【実施例】以下、本発明の第4級アンモニウム塩(1) の
製造実施例、及び本発明の毛髪化粧料の処方例により本
発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施
例、処方例に限定されるものではない。
【0079】実施例1 攪拌機、温度計、蒸留塔を備えた 500ml容−4ツ口フラ
スコに、12−ヒドロキシオクタデカン酸150.2g(0.5モ
ル)、オクタデシルアミン 149.3g(0.55モル)を仕込
み、 150℃で攪拌した。反応途中で生成する水を蒸留塔
で留去しながら反応を行った。ガスクロマトグラフィー
にて9時間後に反応系内における12−ヒドロキシオクタ
デカン酸が消失したのを確認した後、反応系を 220℃、
0.1mmHg にして、反応によって生成した水や、過剰のオ
クタデシルアミンを系外に除去した。得られた物質を、
IR分析、NMR分析にて、下記構造式を有する12−ヒ
ドロキシオクタデカン酸オクタデシルアミドであること
を確認した。
【0080】
【化33】
【0081】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1644cm-1 (6.08μ) においてアミド特有の
強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.4ppm(s,1H) C-NH、 3.6ppm(dd,1H) CH 3.2ppm(dt,2H) C-N-CH2 、 2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N 攪拌機、温度計、脱水管を備えた 500ml容−4ツ口フラ
スコに、上記で得られた12−ヒドロキシオクタデカン酸
オクタデシルアミド 200g(0.36モル)、モノクロロ酢酸
41g(0.43モル) を仕込み、 130℃で攪拌した。ガスクロ
マトグラフィーにて4時間後に反応系内における12−ヒ
ドロキシオクタデカン酸オクタデシルアミドが消失した
のを確認した後、反応系を85℃にした。水を 200g入れ
30分攪拌した。攪拌を停止し、静置を行った後、下層の
水層を除去した。反応系内を 100torrにして残存する水
を留去した。得られた物質を、IR分析、NMR分析に
て、下記構造式を有する12−(クロロアセチルオキシ)
オクタデカン酸オクタデシルアミドであることを確認し
た。
【0082】
【化34】
【0083】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1644cm-1 (6.08μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.4ppm(s,1H) C-NH、 4.9ppm(dd,1H) CH 4.1ppm(s,2H) Cl-CH2 -C、3.3ppm(dt,2H) C-N-CH2
2.1ppm(t,2H) C −C−N 次に、攪拌機、温度計、圧力計の付いた 0.5リット
ルオートクレーブに上記で得られた12−(クロロアセチ
ルオキシ)オクタデカン酸オクタデシルアミド 100g、
トリメチルアミン15g、イソプロピルアルコール 200g
を入れ、70℃まで昇温した。そのままの温度で5時間攪
拌し、反応を終結させた。反応後、過剰のトリメチルア
ミンを留去し、下記の構造式を有する12−(N,N,N
−トリメチルアンモニオアセチルオキシ)オクタデカン
酸オクタデシルアミドを含む反応混合物を 300g得た。
【0084】
【化35】
【0085】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1641cm-1 (6.09μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.6ppm(s,1H) C-NH、 4.9ppm(dd,1H) CH 4.8ppm(s,2H) N-CH2 -C-O- 、 3.7ppm(s,9H) CH3 -N 3.3ppm(dt,2H) C-N-CH2 、 2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N 実施例2 原料脂肪酸ハライドとして4−ブロモ酪酸エチルをモノ
クロロ酢酸の代わりに用いる以外実施例1と同様に行
い、得られた化合物は下記の構造を有する12−(ブロモ
ブチリルオキシ)オクタデカン酸オクタデシルアミドで
あることを実施例1と同様の方法で確認した。
【0086】
【化36】
【0087】次に得られた12−(ブロモブチリルオキ
シ)オクタデカン酸オクタデシルアミドを12−(クロロ
アセチルオキシ)オクタデカン酸オクタデシルアミドの
代わりに用いる以外は実施例1と同様に行い、得られた
化合物は下記の構造を有するものであることを実施例1
と同様の方法で確認した。
【0088】
【化37】
【0089】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1641cm-1 (6.09μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.6ppm(s,1H) C-NH、4.9ppm(dd,1H) CH 3.7ppm(s,9H) CH3 -N、3.3ppm(dt,2H) C-O-N-CH2 、3.1pp
m(t,2H) N-CH2 -C-C-C-O、2.3ppm(t,2H) N-C-C-CH2 -C-O 2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N 実施例3 7−ヒドロキシオクタデカン酸を12−ヒドロキシオクタ
デカン酸の代わりに用いる以外は実施例1と同様に行
い、得られた化合物は下記の構造を有する7−ヒドロキ
シオクタデカン酸オクタデシルアミドであることを実施
例1と同様の方法で確認した。
【0090】
【化38】
【0091】次に得られた7−ヒドロキシオクタデカン
酸オクタデシルアミドを12−ヒドロキシオクタデカン酸
オクタデシルアミドの代わりに用いる以外は実施例1と
同様に行い、得られた化合物は下記の構造を有する7−
(クロロアセチルオキシ)オクタデカン酸オクタデシル
アミドであることを実施例1と同様の方法で確認した。
【0092】
【化39】
【0093】次に得られた7−(クロロアセチルオキ
シ)オクタデカン酸オクタデシルアミドを12−(クロロ
アセチルオキシ)オクタデカン酸オクタデシルアミドの
代わりに用いる以外は実施例1と同様に行い、得られた
化合物は下記の構造を有するものであることを実施例1
と同様の方法で確認した。
【0094】
【化40】
【0095】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1641cm-1 (6.09μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.6ppm(s,1H) C-NH、4.9ppm(dd,1H) CH 4.8ppm(s,2H) N-CH2 -C-O- 、3.7ppm(s,9H) CH3 -N 3.3ppm(dt,2H) C-N-CH2 、2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N 実施例4 原料ヒドロキシ脂肪酸として、ヒマシ油を12−ヒドロキ
シオクタデカン酸の代わりに用いる以外実施例1と同様
に行い、得られた化合物は下記の構造を有する12−ヒド
ロキシ−9−オクタデセン酸オクタデシルアミドである
ことを実施例1と同様の方法で確認した。
【0096】
【化41】
【0097】次に得られた12−ヒドロキシ−9−オクタ
デセン酸オクタデシルアミドを12−ヒドロキシオクタデ
カン酸オクタデシルアミドの代わりに用いる以外は実施
例1と同様に行い、得られた化合物は下記の構造を有す
る12−(クロロアセチルオキシ)−9−オクタデセン酸
オクタデシルアミドであることを実施例1と同様の方法
で確認した。
【0098】
【化42】
【0099】次に得られた12−(クロロアセチルオキ
シ)−9−オクタデセン酸オクタデシルアミドを12−
(クロロアセチルオキシ)オクタデカン酸オクタデシル
アミドの代わりに用いる以外は実施例1と同様に行い、
得られた化合物は下記の構造を有するものであることを
実施例1と同様の方法で確認した。
【0100】
【化43】
【0101】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1641cm-1 (6.09μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.6ppm(s,1H) C-NH、5.3ppm(m,2H) CH=CH 4.9ppm(dd,1H) CH、4.8ppm(s,2H) N-CH2 -C-O- 3.7ppm(s,9H) CH3 -N、3.3ppm(dt,2H) C-N-CH2 2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N 実施例5 攪拌機、温度計、圧力計の付いた 0.5リットルオートク
レーブに実施例1で得られた12−ヒドロキシオクタデカ
ン酸オクタデシルアミド 200g(0.36モル) 、エチレンオ
キサイド 79.2g(1.8モル)、水酸化ナトリウム 0.15g
(3.6ミリモル) を仕込み、 110℃で3時間攪拌した。得
られた12−ヒドロキシオクタデカン酸オクタデシルアミ
ドのエチレンオキサイド5モル付加体を12−ヒドロキシ
オクタデカン酸オクタデシルアミドの代わりに用いる以
外は実施例1と同様に行い、得られた化合物は下記の構
造を有するものであることを実施例1と同様の方法で確
認した。
【0102】
【化44】
【0103】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1641cm-1 (6.09μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.6ppm(s,1H) C-NH、5.3ppm(m,2H) CH=CH 4.9ppm(dd,1H) CH、4.8ppm(s,2H) N-CH2 -C-O- 3.7ppm(29H) CH3 -N, C-O-(C 2H4 O)5-、3.3ppm(dt,2H) C-
N-CH2 2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N 実施例6 攪拌機、温度計、冷却管のついた4ツ口フラスコに実施
例1と同様の方法で得た12−(クロロアセチルオキシ)
オクタデカン酸オクタデシルアミド 100g、50%ジメチ
ルアミン水溶液57g、イオン交換水50gを入れ、50℃ま
で昇温した。そのままの温度で12時間攪拌した後、水洗
により過剰のジメチルアミンを除去した。得られた化合
物は下記の構造を有する12−(N,N−ジメチルアミノ
アセチルオキシ)オクタデカン酸オクタデシルアミドで
あることをIR分析、NMR分析で確認した。
【0104】
【化45】
【0105】IR分析、NMR分析結果 <IR分析>1743cm-1 (5.73μ) においてエステル特有
の強い吸収が認められた。1641cm-1 (6.09μ) において
アミド特有の強い吸収が認められた。 <NMR分析結果>溶媒CDCl3 、内部標準TMS 5.5ppm(s,1H) C-NH、4.9ppm(dd,1H) CH 3.2ppm(dt,2H) C-N-CH2 、3.1ppm(s,2H) N-CH2 -C-O 2.3ppm(6H) CH3 -N、2.1ppm(t,2H) CH2 -C-N- 次に、攪拌機、温度計、圧力計の付いたオートクレーブ
に12−(N,N−ジメチルアミノアセチルオキシ)オク
タデカン酸オクタデシルアミド 100g、メチルクロライ
ド12g、イソプロピルアルコール80gを入れ、90℃で6
時間反応させた。反応後、アセトンによる晶析を行い、
乾燥後、IR分析、NMR分析から実施例1で合成した
ものと同様の構造の以下の構造を確認した。
【0106】
【化46】
【0107】処方例1(ヘアリンス) 下記組成のヘアリンスを製造した。得られたヘアリンス
は、毛髪に対して優れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0108】 <組成> 第4級アンモニウム塩(実施例1) 1.0重量% セチルアルコール 3.0重量% ベヘン酸 1.0重量% ジエチレングリコールモノエチルエーテル 3.0重量% ヒドロキシエチルセルロース 0.5重量% 水 91.1重量% 香料 0.4重量% 処方例2(スタイリングローション) 下記組成のスタイリングローションを製造した。得られ
たスタイリングローションは、毛髪に対して優れた柔軟
性と平滑性を付与できた。
【0109】 <組成> 第4級アンモニウム塩(実施例2) 0.5重量% ポリエチレングリコール 0.5重量% アクリル樹脂アルカノールアミン液 5.0重量% 2−ベンジルオキシエタノール 1.0重量% メタクリルエステル重合体 1.0重量% エタノール 20.0重量% 香料 0.4重量% 水 バランス ─────────────────────────────── 100.0重量% 処方例3(コンディショニングフォーム) 下記組成のコンディショニングフォームを製造した。得
られたコンディショニングフォームは、毛髪に対して優
れた柔軟性と平滑性を付与できた。
【0110】 <組成> 第4級アンモニウム塩(実施例3) 0.5重量% ミリスチン酸オクチルドデシル 1.0重量% ジプロピレングリコール 1.0重量% グリセリン 2.5重量% 流動パラフィン 2.5重量% モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 0.2重量% グリコール酸 0.5重量% イソステアリルペンタエリスリルグリシジルエーテル の1モル付加体 0.5重量% エタノール 5.0重量% メチルパラベン 0.1重量% 香料 0.1重量% 噴射剤(LPG) 10.0重量% 水 バランス ──────────────────────────────────── 100.0重量%
【0111】
【発明の効果】本発明によって得られた第4級アンモニ
ウム塩(1) は柔軟性を有し、且つ微生物による分解性も
容易である。かかる第4級アンモニウム塩(1) を主成分
とした毛髪化粧料は、毛髪に対して優れた柔軟性を示
し、皮膚に対して低刺激性である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 231/12 C07C 231/12 235/08 9547−4H 235/08 C11D 1/62 C11D 1/62

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) で表される新規な第4級アン
    モニウム塩。 【化1】 〔式中、R1、R2及びR3は同一又は異なって、炭素数1〜
    6のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示し、R4
    炭素数1〜22の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル
    基又はヒドロキシアルキル基を示し、R5は炭素数8〜22
    の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基もしくはヒ
    ドロキシアルキル基を示す。 Aは炭素数2〜4の直鎖又
    は分岐のアルキレン基を示し、n個の Aは同一でも異な
    っていてもよい。 Bは炭素数1〜10の直鎖又は分岐のア
    ルキレン基又はアルケニレン基を示し、 Xは陰イオン基
    を示す。mは1〜10の整数を示し、nはアルキレンオキ
    サイドの平均付加モル数を示す0〜20の数である。〕
  2. 【請求項2】 一般式(1) において、R1、R2及びR3がメ
    チル基、エチル基又はヒドロキシエチル基、R4が炭素数
    6〜22の直鎖アルキル基、R5が炭素数8〜22の直鎖アル
    キル基、 Aがエチレン基又はプロピレン基、B が炭素数
    1〜10の直鎖アルキレン基、X がハロゲン原子、サルフ
    ェート、炭素数1〜4の水酸基で置換されていてもよい
    カルボキシレート又は炭素数1〜4のアルキルサルフェ
    ート、mが1〜3、nが0〜10である請求項1記載の第
    4級アンモニウム塩。
  3. 【請求項3】 一般式(1) において、R1、R2及びR3がメ
    チル基、R4がヘキシル基、R5がオクタデシル基もしくは
    ヘキサデシル基又はこれらの混合基、 Aがエチレン基、
    Bが炭素数10の直鎖アルキレン基、 XがCl又はCH3SO4
    mが1、nが0である請求項1記載の第4級アンモニウ
    ム塩。
  4. 【請求項4】 一般式(2) 【化2】 〔式中、R4及びB は前記と同じ意味を示し、R6は H、炭
    素数1〜6のアルキル基あるいはアルケニル基、又は式
    (3) 【化3】 (式中、Z 及びZ'は同一又は異なって、 H又は 【化4】 (R4及びB は前記と同じ意味を示す)を示す)で表され
    る基を示す。〕で表されるヒドロキシ基を有する脂肪酸
    又は脂肪酸エステルと、一般式(4) R5NH2 (4) 〔式中、R5は前記と同じ意味を示す。〕で表される長鎖
    第1級アミンとを反応させて得られる一般式(5) 【化5】 〔式中、R、R5及び Bは前記と同じ意味を示す。〕で
    表されるアミドアルコール、又はこのアミドアルコール
    に炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを付加させて得
    られる一般式(6) 【化6】 〔式中、R4、R5、A 及びB は前記と同じ意味を示し、n'
    はアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す0より
    大きく20以下の数である。〕で表されるアミドアルコー
    ルのアルキレンオキサイド付加物を、一般式(7) X'(CH2)mCOY (7) 〔式中、X'はハロゲン原子を示し、 Yはハロゲン原子又
    は-OR6(R6は前記と同じ意味を示す)を示し、mは前記
    と同じ意味を示す。〕で表される脂肪酸ハライド、脂肪
    酸又は脂肪酸エステルと反応させて、一般式(8) 【化7】 〔式中、R4、R5、A 、B 、X'、m及びnは前記と同じ意
    味を示す。〕で表されるハロエステルを得、このハロエ
    ステルと一般式(9) 【化8】 〔式中、R1、R2及びR3は前記と同じ意味を示す。〕で表
    される第3級アミンとを反応させ、更に必要に応じて塩
    交換を行うことを特徴とする請求項1記載の一般式(1)
    で表される第4級アンモニウム塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(8) で表されるハロエステル
    と、一般式(10) 【化9】 〔式中、R1及びR2は前記と同じ意味を示す。〕で表され
    る第2級アミンとを反応させて、一般式(11) 【化10】 〔式中、R1、R2、R4、R5、A 、B 、m及びnは前記と同
    じ意味を示す。〕で表されるアミノエステルを得、さら
    に一般式(12) R3X (12) 〔式中、R3及び Xは前記と同じ意味を示す。〕で表され
    る4級化剤を反応させ、必要に応じて塩交換を行うこと
    を特徴とする請求項1記載の第4級アンモニウム塩の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(8) で表されるハロエステル。 【化11】 〔式中、R4、R5、A 、B 、X'、m及びnは前記と同じ意
    味を示す。〕
  7. 【請求項7】 一般式(11)で表されるアミノエステル。 【化12】 〔式中、R1、R2、R4、R5、A 、B 、m及びnは前記と同
    じ意味を示す。〕
  8. 【請求項8】 請求項1記載の第4級アンモニウム塩を
    含有することを特徴とする毛髪化粧料。
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EP1922926A1 (de) * 2006-11-14 2008-05-21 Evonik Goldschmidt GmbH Antimikrobielle Zusammensetzungen
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