JPH09110726A - 徐放性組成物 - Google Patents

徐放性組成物

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JPH09110726A
JPH09110726A JP8226203A JP22620396A JPH09110726A JP H09110726 A JPH09110726 A JP H09110726A JP 8226203 A JP8226203 A JP 8226203A JP 22620396 A JP22620396 A JP 22620396A JP H09110726 A JPH09110726 A JP H09110726A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物活性物質の徐放のためのポリ(乳酸/グ
リコール酸)(PLGA)デリバリーシステムを提供す
る。 【解決手段】 ポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマ
ー、生物活性物質、及び第四級アンモニウム界面活性剤
を含む徐放性組成物であって、PLGAマトリックスか
らの生物活性物質の放出挙動が、第四級アンモニウム界
面活性剤の濃度により制御される徐放性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、徐放型デリバリー
システム、特に生物活性物質の徐放のためのポリ(乳酸
/グリコール酸)(PLGA)デリバリーシステムに関
する。
【0002】
【発明の実施の形態】1つの面で本発明は、PLGAマ
トリックス、生物活性物質、及び第四級アンモニウム界
面活性剤を含む徐放性組成物であって、PLGAマトリ
ックスからの生物活性物質の放出挙動が、第四級アンモ
ニウム界面活性剤の濃度により制御される徐放性組成物
を提供するものである。
【0003】ポリ(乳酸/グリコール酸)(PLGA)
とは、一般に約50,000までの分子量を有する、乳
酸(L)とグリコール酸(G)のコポリマーをいう。好
ましくは、L:Gのモル比は、約100:0〜約25:
75である。ポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマーの
重量平均分子量は、好ましくは約4,500〜約50,
000、より好ましくは約4,500〜約18,000
である。追加のコモノマー及び/又は可塑剤や安定化剤
などの添加物は、このような任意に加えてもよい要素が
PLGAマトリックスからの生物活性物質の放出に悪影
響を及ぼさない限り、存在してもよい。
【0004】生物活性物質とは、生体中に導入されると
生物学的効果を示す、合成又は天然化合物である。この
ような物質としては、急性又は慢性症状の治療を目的と
した、高分子及び低分子の両方を含む診断用及び治療用
物質が挙げられる。この生物活性物質に関する唯一の限
定は、PLGAマトリックス中に組み込まれた後の目的
とする用途に、この物質が十分な効果を示すということ
である。
【0005】第四級アンモニウム界面活性剤は、界面活
性を示す一般式R4+- の、中心の窒素原子が4つ
の有機基と1つのアニオンに結合している、窒素を含む
カチオンの塩である。このような物質は、洗浄剤、湿潤
剤、又は乳化剤として類別することができる。第四級ア
ンモニウム界面活性剤では、一般に少なくとも1つのR
基が、長鎖(炭素原子6個以上)アルキル又はアリール
基である。代表的な第四級アンモニウム界面活性剤とし
ては、アルキルアンモニウム、ベンザルコニウム、及び
ピリジニウム類の界面活性剤が挙げられるが、これらに
限定されるわけではない。更に具体的には、第四級アン
モニウム界面活性剤は、アルキルトリメチルアンモニウ
ム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、なら
びにアルキルピリジニウム及びアルキルイミダゾリウム
塩から選択される。
【0006】徐放(又は放出制御)とは、PLGAマト
リックスから生物活性物質が一定の時間をかけて緩やか
に放出されることをいう。初期バースト相(initial bu
rstphase)はあってもよいが、放出は相対的に一定速度
で行なわれ、これにより放出される期間にわたって生物
活性物質が一定に供給されることが好ましい。放出期間
は、生物活性物質とその目的とする用途に応じて、数時
間から数ケ月の間で変化させることができる。生物活性
物質をマトリックスに過剰に加えて、その結果放出され
なかった生物活性物質を無駄にする必要が生じることを
回避するため、治療期間にわたるマトリックスからの生
物活性物質の累積放出率は相対的に高いことが望まし
い。放出の持続時間は、特にマトリックスの量と形態、
活性物質の濃度、投与部位、マトリックスの分子量と分
子組成、及び本明細書に示されるように、放出挙動調節
剤の添加により制御することができる。
【0007】生物活性物質と放出調節剤のPLGAマト
リックス中への配合は、当業者に公知の任意の種々の方
法により行なうことができる。このような方法として
は、米国特許第4,675,189号と第4,954,
298号に開示されるマイクロカプセル化、本明細書に
例示される溶融押出法(melt extrusion processes)、
及びJ. Controlled Release, 9:111-122 (1989) に記載
される溶融圧縮法(meltpressing)が挙げられるが、こ
れらに限定されるわけではない。マトリックスの形態
(例えば、円筒体、ミクロスフェア体、繊維状物)は当
然加工法に基づき決まってくるのであって、以降の放出
速度に影響を与える;しかし本発明はマトリックスの形
態にかかわらず機能することが期待される。
【0008】生物活性物質の濃度は、その物質、その目
的とする用途(即ち、持続時間の長短)、及び加工の方
法に応じて変える。好ましい実施態様において、活性物
質の濃度は、約0.1重量%〜約20重量%、より好ま
しくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約2
重量%〜約6重量%である。第四級アンモニウム界面活
性剤の濃度も、その物質、マトリックス、目的とする放
出挙動などに応じて変える。好ましい実施態様におい
て、第四級アンモニウム界面活性剤の濃度は、約0.5
重量%〜約15重量%、より好ましくは約2重量%〜約
8重量%である。
【0009】本発明を例示するために、異なる物理学的
特性を有する、以下の3種類の生物活性物質を検討し
た:中程度の分子量の水溶性ペプチド(分子量=1,3
22)のナファレリン酢酸(nafarelin acetate)、低分
子量の水不溶性化合物(分子量=230)のナプロキセ
ン、及び低分子量の水溶性化合物(分子量=376)の
ケトロラクトロメタミン(ketorolac tromethamine)。
これらの生物活性物質を、2種類の代表的な第四級アン
モニウム界面活性剤(テトラデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド(TDBAC)とセチルピリジニウ
ムクロリド(CPC))と溶融混合した。比較用の生物
活性物質含有PLGAマトリックスを調製するために、
塩化ナトリウムを使用した。
【0010】4重量%の濃度の生物活性物質(薬剤)と
種々の濃度の界面活性剤を含む円筒体を、有機溶媒を使
用することなく溶融押出法により、4,500〜18,
000の重量平均分子量を有するPLGAで調製した。
【0011】50/50の乳酸/グリコール酸のコポリ
マー比を有し、各々4,500、10,000及び1
8,000の重量平均分子量を有するPLGA(PLG
A−4,500、PLGA−10,000及びPLGA
−18,000と略す)をタキ化学(株)(Taki Chemi
cal Co, Ltd.)から;テトラデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド(TDBAC)を日本油脂(株)
(Nippon Oil & Fats Co.,Ltd.)から;そしてセチルピ
リジニウムクロリド(CPC)を和光純薬工業(Wako P
ure Chemical Ind.)から購入した。他の化合物は試薬等
級のものであった。
【0012】島津(Shimadzu)HPLCシステム(6
A)〔カラム:ウォーターズ・ウルトラスチラゲル(Wa
ters ultrastyragel)102 、103 及び104 Å;移
動相:THF;流速:1.0ml/ 分;波長:230nm;
標準:ポリスチレン(スペルコ社(Supelco Inc.)、分
子量範囲760〜90,000)〕でPLGAの分子量
を測定した。
【0013】
【実施例】
実施例1 本実施例は、第四級アンモニウム塩が、PLGAマトリ
ックスからの水溶性で中程度の分子量のペプチド薬剤の
放出挙動を調節することができることを示すものであ
る。
【0014】以下に記載するように、添加物を含まず、
2重量%のTDBAC、4重量%のTDBAC、2重量
%のCPC、4重量%のCPC、2重量%のNaCl、
又は20重量%のNaClを含む、PLGA−4,50
0中に4重量%のナファレリン酢酸(シンテックス(Sy
ntex)、パロアルト、カリフォルニア州)を含有する円
筒体を調製した。薬剤とPLGAとの混合物(200m
g)と選択された量の界面活性剤をガラス試験管に入
れ、75℃の溶融温度で加熱して、ポリマーを溶融し
た。この溶融物を均一に混合し、ポリプロピレンシリン
ジに充填し、押し出した。直径1.3mmの円筒体を得、
長さ5mmに切断し、以下に記載するように高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により、調製工程中のこれ
らの安定性を確認するために薬剤含有量とPLGAの分
子量を測定した。円筒体からのナファレリンの回収率は
90%以上であり、PLGAの分子量はそのまま変わら
なかった。
【0015】アセトニトリルとリン酸カリウム水溶液の
混合溶液(23:77)でPLGA円筒体からナファレ
リンを抽出し、HPLC〔カラム:ワコーシル(Wakosi
l)C8、4.6mm×25cm;移動相:0.1M NH4
2 PO4 −CH3 OH−CH3 CN(72:25:2
5);流速:1.0ml/ 分;波長:225nm〕により測
定した。
【0016】回転ボトル装置を使用して、37℃で薬剤
放出性を試験した。円筒体を0.2M リン酸緩衝液(pH
7.0)5mlを含有するガラスボトルに入れた。所定の
時間に媒質を新しいものと交換し、上述のものと同じ条
件下でHPLCにより、放出された薬剤を分析した。
【0017】図1に、異なる添加物〔各々(A):TD
BAC、(B):CPC及び(C):塩化ナトリウム〕
を含むPLGA円筒体(分子量=4,500)からのナ
ファレリンのin vitroでの放出挙動を示した。添加物を
含まないPLGA円筒体からのナファレリン放出は、有
意に徐放化され、Higuchi (1963)により示唆されたマ
トリックス放出メカニズムに従っていた。即ち、放出さ
れたナファレリンの累積百分率は、時間の平方根に比例
した(相関係数;r=0.985)。放出試験の21日
間で放出されたナファレリンの全百分率は、42%にと
どまった。しかし、添加物としてTDBAC又はCPC
を含むPLGA円筒体からのナファレリン放出は、全試
験期間についてレベルが下がることなくはるかに一定に
近く、使用した添加物の量に依存して速度が速くなっ
た。TDBAC(2%又は4%)を含む円筒体は、14
日間でナファレリンが完全に放出されたことを示した。
一方、CPC(2%)を含む円筒体から放出されたナフ
ァレリンの百分率は、21日間で約75%であった。T
DBACとCPCの分子量は同じくらい(各々368と
340)であるため、PLGAマトリックスからのナフ
ァレリン放出の速度を速めることに関してTDBACが
CPCに勝ると考えられる。PLGA円筒体への塩化ナ
トリウムの添加(2%又は20%)は、ナファレリン放
出挙動に有意な変化を起こさなかった。
【0018】実施例2 本実施例は、第四級アンモニウム塩が、PLGAマトリ
ックスからの低分子量で水不溶性の薬剤の放出挙動を調
節することができることを示すものである。
【0019】以下に記載するように、添加物を含まず、
2重量%のTDBAC、4重量%のTDBAC、4重量
%のNaCl、又は8重量%のNaClを含む、PLG
A−10,000中に4重量%のナプロキセン(シンテ
ックス(Syntex)、パロアルト、カリフォルニア州)を
含有する円筒体を調製した。薬剤とPLGAとの混合物
(200mg)と選択された量の界面活性剤をガラス試験
管に入れ、80℃の溶融温度で加熱して、ポリマーを溶
融した。この溶融物を均一に混合し、ポリプロピレンシ
リンジに充填し、押し出した。直径1.3mmの円筒体を
得、長さ5mmに切断し、以下に記載するように高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)により、調製工程中の
これらの安定性を確認するために薬剤含有量とPLGA
の分子量を測定した。円筒体からのナプロキセンの回収
率は90%以上であり、PLGAの分子量はそのまま変
わらなかった。
【0020】アセトニトリルとリン酸カリウム水溶液の
混合溶液(23:77)でPLGA円筒体からナプロキ
センを抽出し、HPLC〔カラム:スフェリソルブ(Sp
herisorb)C18、4.6mm×25cm;移動相:CH3
OH−H2 O−CH3 COOH(55:44:1);流
速:0.8ml/ 分;波長:254nm〕により測定した。
【0021】回転ボトル装置を使用して、37℃で薬剤
放出性を試験した。円筒体を0.2M リン酸緩衝液(pH
7.0)5mlを含有するガラスボトルに入れた。所定の
時間に媒質を新しいものと交換し、上述のものと同じ条
件下でHPLCにより、放出された薬剤を分析した。
【0022】TDBACと塩化ナトリウムを含むPLG
A円筒体(分子量=10,000)からのナプロキセン
の放出挙動を各々図2(A)と(B)に示した。図2に
示すように、全部の円筒体から90%以上のナプロキセ
ンが7日間で放出されるのが観察された。しかし、ナプ
ロキセンの放出挙動は、使用した添加物により影響を受
けた。添加物を含まないPLGA円筒体ではナプロキセ
ンの64%の初期バースト放出があったが、2%又は4
%のTDBACの添加により、PLGA円筒体は、TD
BAC含有量には依存せずに、ナプロキセンを完全に一
定に放出することが示された。塩化ナトリウム(4%又
は8%)を含むPLGA円筒体についてもナプロキセン
の高い初期バースト放出が観察されたが、これに続く放
出も速くなり、4日間で放出されたナプロキセンの全百
分率は約90%であった。塩化ナトリウムの添加によ
り、低分子量化合物のための水の細孔が形成されたこと
により、PLGAマトリックスの透過性が増加したと考
えられる。
【0023】実施例3 本実施例は、第四級アンモニウム界面活性剤が、PLG
Aマトリックスからの低分子量で水溶性の薬剤の放出挙
動を調節することができることを示すものである。
【0024】以下に記載するように、添加物を含まず、
2重量%のTDBAC、4重量%のTDBAC、4重量
%のNaCl、又は8重量%のNaClを含む、PLG
A−18,000中に4重量%のケトロラクトロメタミ
ン(シンテックス(Syntex)、パロアルト、カリフォル
ニア州)を含有する円筒体を調製した。薬剤とPLGA
との混合物(200mg)と選択された量の界面活性剤を
ガラス試験管に入れ、95℃の溶融温度で加熱して、ポ
リマーを溶融した。この溶融物を均一に混合し、ポリプ
ロピレンシリンジに充填し、押し出した。直径1.3mm
の円筒体を得、長さ5mmに切断し、以下に記載するよう
に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、調
製工程中のこれらの安定性を確認するために薬剤含有量
とPLGAの分子量を測定した。円筒体からのケトロラ
クの回収率は90%以上であり、PLGAの分子量はそ
のまま変わらなかった。
【0025】アセトニトリルとリン酸カリウム水溶液の
混合溶液(23:77)でPLGA円筒体からケトロラ
クを抽出し、HPLC〔カラム:スフェリソルブ(Sphe
risorb)C18、4.6mm×25cm;移動相:CH3
H−H2 O−CH3 COOH(55:44:1);流
速:0.8ml/ 分;波長:254nm〕により測定した。
【0026】回転ボトル装置を使用して、37℃で薬剤
放出性を試験した。円筒体を0.2M リン酸緩衝液(pH
7.0)5mlを含有するガラスボトルに入れた。所定の
時間に媒質を新しいものと交換し、上述のものと同じ条
件下でHPLCにより、放出された薬剤を分析した。
【0027】図3に、TDBACと塩化ナトリウム〔各
々(A):TDBACと(B):塩化ナトリウム〕を含
むPLGA円筒体(分子量=18,000)からのケト
ロラクの放出挙動を示した。ケトロラクが低分子量であ
り、水への高い溶解性を有するにもかかわらず、添加物
を含まないPLGA円筒体では薬剤がほとんど放出され
ないラグタイムが観察された。7日間のラグタイムの
後、続く7日間でケトロラクの急速な放出が観察され、
放出量は約70%に達した。添加物を含む円筒体では、
塩化ナトリウムはケトロラクの放出に影響を与えなかっ
たが、TDBACの量を増加すると放出挙動におけるラ
グタイムが短縮され、放出の完了までの放出速度が一定
に近づいた。この結果は、高分子量(18,000)P
LGAマトリックスは密につまりすぎて水の適切な透過
をさせにくくしていたが、TDBACの添加によりその
透過性が改善されたことを示した。
【0028】前記実施例は、説明目的でのみ示すもので
あり、本発明をいかようにも制限するものと解釈しては
ならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】異なる量の添加物:(A)TDBAC;(B)
CPC;(C)NaClを含むPLGA−4,500円
筒体からのナファレリン酢酸の放出挙動を示す。それぞ
れの値は、平均±標準偏差(n=3)で示した。
【図2】異なる量の添加物:(A)TDBAC;(B)
NaClを含むPLGA−10,000円筒体からのナ
プロキセンの放出挙動を示す。それぞれの値は、平均±
標準偏差(n=3)で示した。
【図3】異なる量の添加物:(A)TDBAC;(B)
NaClを含むPLGA−18,000円筒体からのケ
トロラクトロメタミンの放出挙動を示す。それぞれの値
は、平均±標準偏差(n=3)で示した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】ポリ(乳酸/グリコール酸)(PLGA)
とは、一般に約50,000までの分子量を有する、乳
酸(L)とグリコール酸(G)のコポリマーをいう。好
ましくは、L:Gのモル比は、約100:0〜約25:
75である。ポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマーの
重量平均分子量は、好ましくは約4,500〜約50,
000、より好ましくは約4,500〜約18,000
である。追加のモノマー及び/又は可塑剤や安定化剤な
どの添加物は、このような任意に加えてもよい要素がP
LGAマトリックスからの生物活性物質の放出に悪影響
を及ぼさない限り、存在してもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】生物活性物質と放出調節剤のPLGAマト
リックス中への配合は、当業者に公知の任意の種々の方
法により行なうことができる。このような方法として
は、米国特許第4,675,189号と第4,954,
298号に開示されるマイクロカプセル化、本明細書に
例示される溶融押出法(melt extrusion processes)、
及びJ. Controlled Release, 9:111-122 (1989) に記載
される溶融圧縮法(meltpressing)が挙げられるが、こ
れらに限定されるわけではない。マトリックスの形態
(例えば、円筒体、ミクロスフェア体、ファイバー)は
当然加工法に基づき決まってくるのであって、以降の放
出速度に影響を与える;しかし本発明はマトリックスの
形態にかかわらず機能することが期待される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】本発明を例示するために、異なる物理学的
特性を有する、以下の3種類の生物活性物質を検討し
た:中程度の分子量の水溶性ペプチド(分子量=1,3
22)の酢酸ナファレリン(nafarelin acetate)、低分
子量の水不溶性化合物(分子量=230)のナプロキセ
ン、及び低分子量の水溶性化合物(分子量=376)の
ケトロラクトロメタミン(ketorolac tromethamine)。
これらの生物活性物質を、2種類の代表的な第四級アン
モニウム界面活性剤(テトラデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド(TDBAC)とセチルピリジニウ
ムクロリド(CPC))と溶融混合した。比較用の生物
活性物質含有PLGAマトリックスを調製するために、
塩化ナトリウムを使用した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】50/50の乳酸/グリコール酸のコポリ
マー比を有し、各々4,500、10,000及び1
8,000の重量平均分子量を有するPLGA(PLG
A−4,500、PLGA−10,000及びPLGA
−18,000と略す)を多木化学(株)(Taki Chemi
cal Co, Ltd.)から;テトラデシルジメチルベンジルア
ンモニウムクロリド(TDBAC)を日本油脂(株)
(Nippon Oil & Fats Co.,Ltd.)から;そしてセチルピ
リジニウムクロリド(CPC)を和光純薬工業(Wako P
ure Chemical Ind.)から購入した。他の化合物は試薬等
級のものであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】以下に記載するように、添加物を含まず、
2重量%のTDBAC、4重量%のTDBAC、2重量
%のCPC、4重量%のCPC、2重量%のNaCl、
又は20重量%のNaClを含む、PLGA−4,50
0中に4重量%の酢酸ナファレリン(シンテックス(Sy
ntex)、パロアルト、カリフォルニア州)を含有する円
筒体を調製した。薬剤とPLGAとの混合物(200m
g)と選択された量の界面活性剤をガラス試験管に入
れ、75℃の溶融温度で加熱して、ポリマーを溶融し
た。この溶融物を均一に混合し、ポリプロピレンシリン
ジに充填し、押し出した。直径1.3mmの円筒体を得、
長さ5mmに切断し、以下に記載するように高速液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により、調製工程中のこれ
らの安定性を確認するために薬剤含有量とPLGAの分
子量を測定した。円筒体からのナファレリンの回収率は
90%以上であり、PLGAの分子量はそのまま変わら
なかった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】異なる量の添加物:(A)TDBAC;(B)
CPC;(C)NaClを含むPLGA−4,500円
筒体からの酢酸ナファレリンの放出挙動を示す。それぞ
れの値は、平均±標準偏差(n=3)で示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/40 A61K 31/40 38/00 37/02 (72)発明者 木村 章男 栃木県宇都宮市大谷町1180−1 (72)発明者 大山 竹彦 東京都日野市日野本町3−6−12 ハイブ リッジ日野403 (72)発明者 高橋 靖侑 神奈川県相模原市下溝410−6

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマ
    ー、生物活性物質、及び第四級アンモニウム界面活性剤
    を含む徐放性組成物。
  2. 【請求項2】 該界面活性剤の第四級アンモニウムイオ
    ンが、アルキルアンモニウム、ベンザルコニウム、及び
    ピリジニウムイオンよりなる群から選択される、請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 第四級アンモニウムイオンが、アルキル
    トリメチルアンモニウム、アルキルジメチルベンジルア
    ンモニウム、ならびにアルキルピリジニウム及びアルキ
    ルイミダゾリウムイオンよりなる群から選択される、請
    求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 第四級アンモニウムイオンが、テトラデ
    シルジメチルベンジルアンモニウムとセチルピリジニウ
    ムから選択される、請求項3記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該ポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマ
    ーが、4,500〜50,000の重量平均分子量を有
    する、請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 【請求項6】 該ポリ(乳酸/グリコール酸)コポリマ
    ーが、4,500〜18,000の分子量を有する、請
    求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 該第四級アンモニウム界面活性剤を、組
    成物の0.5〜15重量パーセント含有する、請求項1
    〜6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 【請求項8】 該第四級アンモニウム界面活性剤を、組
    成物の2〜8重量パーセント含有する、請求項1〜6の
    いずれか1項記載の組成物。
  9. 【請求項9】 該生物活性物質を、組成物の0.1〜2
    0重量パーセント含有する、請求項1〜8のいずれか1
    項記載の組成物。
  10. 【請求項10】 該生物活性物質を、組成物の1〜10
    重量パーセント含有する、請求項1〜8のいずれか1項
    記載の組成物。
  11. 【請求項11】 該生物活性物質を、組成物の2〜6重
    量パーセント含有する、請求項1〜8のいずれか1項記
    載の組成物。
  12. 【請求項12】 該生物活性物質が、ナファレリン、ナ
    プロキセン、及びケトロラクよりなる群から選択され
    る、請求項1〜11のいずれか1項記載の組成物。
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