JPH09108850A - 電磁調理器用容器の鍛造圧接方法 - Google Patents

電磁調理器用容器の鍛造圧接方法

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JPH09108850A
JPH09108850A JP26584695A JP26584695A JPH09108850A JP H09108850 A JPH09108850 A JP H09108850A JP 26584695 A JP26584695 A JP 26584695A JP 26584695 A JP26584695 A JP 26584695A JP H09108850 A JPH09108850 A JP H09108850A
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Japan
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container
container body
clad material
aluminum
pressure welding
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JP26584695A
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English (en)
Inventor
Akinori Shibata
曉典 柴田
Koji Takeuchi
浩二 竹内
Susumu Koike
進 小池
Mamoru Nakada
守 中田
Hiroshi Iwamura
宏 岩村
Shojiro Oya
正二郎 大家
Kanji Yokoe
寛治 横江
Yoshio Takada
与男 高田
Hidekatsu Maeda
秀克 前田
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器の変形を金型にて拘束し、高い寸法精度
の容器を製造することができる電磁調理器用容器の鍛造
圧接方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウム又はアルミニウム合金製容
器本体2をその底部外面を上方にして下型4上に被ら
せ、この底部外面上に、フェライト系ステンレス鋼板と
アルミニウム又はアルミニウム合金板とからなるクラッ
ド材1を、そのアルミニウム又はアルミニウム合金板を
前記容器本体の底部外面に接触させて重ね、上型3を下
降させて容器本体2とクラッド材1とを上型と下型との
間で熱間固相接合する。この場合に、容器本体2の開口
端縁を台座5により拘束して、その下方への移動を規制
する。なお、この台座5には凸部5bが設けられてい
て、容器本体2の下型4への位置決めの機能を有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁調理器用鍋等に使
用される電磁調理器用容器の鍛造圧接方法に関し、特に
アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、双方を含め
てアルミニウムという)製容器の底部の外面に、ステン
レス鋼板とアルミニウム板とからなるクラッド材のアル
ミニウム板を熱間固相接合する際に、容器の変形を制限
し、高い寸法精度の容器を製造することができる電磁調
理器用容器の鍛造圧接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁調理器用鍋には、電磁誘導に
よる鍋自体の発熱を利用するために、アルミニウム製鍋
本体の底部に強磁性体の発熱体板が圧着されたものが使
用されている(実開昭61−23292号公報)。図6
(a)はこの従来技術の電磁調理器用鍋を示す断面図、
(b)はこの鍋を示す底面図である。図6に示すよう
に、鍋本体22の非磁性金属からなる底部24には、中
央部に鍋の内側に突出する凹部24cが設けられてお
り、凹部24cの周囲に沿って、発熱体板26が圧着さ
れている。この発熱体板26は円環形状をなしており、
その外径は、底部24の周縁の外径に比して、若干小さ
くなっている。また、発熱体板26の内周26cに沿っ
て、底部24に段部24dが形成されている。一方、発
熱体板26の外周26aに沿って、底部24には縁部2
4aが形成されており、縁部24aと外周26aとの境
界上には、段部24eが形成されている。更に、発熱体
板26には多数の貫通孔26bが設けられている。発熱
体板26は、JIS SUS430ステンレス板からな
る強磁性体からなり、電磁調理器からの磁束を受けて渦
電流が発生し、発熱する。
【0003】このように構成された電磁調理器用鍋にお
いては、アルミニウム等の非磁性金属からなる底部24
の熱膨張率と発熱体板26の熱膨張率との差から熱的歪
みが生じる。底部24の中央部では、発熱体板26が存
在せず、中空となっているので、熱膨張による底部24
の中央部の熱的歪みは、凹部24cの段部24dにて吸
収される。また、発熱体板26の外縁部26aの熱的歪
みは、段部24eにて吸収される。このため、鍋本体2
2と発熱体板26との密着性が劣化することを防止でき
る。また、発熱体板26には貫通孔26bが設けれられ
ているため、この貫通孔26bに鍋本体の材料を圧入す
ることにより、発熱体板26bと貫通孔26bとの間に
機械的な接合が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術には、以下に示す問題点がある。即ち、従来の
金型を使用した電磁調理器用鍋の熱間圧接方法において
は、鍛造圧接時に鍋の底部24が大きく変形し、底部2
4が凹面状に大きく盛り上がるため、鍋高さが設計寸法
よりも大きく変化する。このため、鍋の高さ等の寸法の
ばらつきが大きくなり、製品寸法及び形状の制御が困難
であるという難点がある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、鍛造圧接時の容器の変形を制限することが
でき、高い寸法精度の容器を製造することができる電磁
調理器用容器の鍛造圧接方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電磁調理器
用容器の鍛造圧接方法は、アルミニウム又はアルミニウ
ム合金製容器本体をその底部外面を上方にして下型上に
被らせ、この底部外面上に、フェライト系ステンレス鋼
板とアルミニウム又はアルミニウム合金板とからなるク
ラッド材を、そのアルミニウム又はアルミニウム合金板
を前記容器本体の底部外面に接触させて重ね、上型を下
降させて前記容器本体と前記クラッド材とを上型と下型
との間で熱間固相接合する電磁調理器用容器の鍛造圧接
方法において、前記上型が下降して前記クラッド材と容
器本体とを所定の圧下率で押圧し、圧下が終了する時点
よりも前の時点で前記容器本体の開口部端縁の下方への
移動を規制することを特徴とする。
【0007】この場合に、前記容器本体の前記底部外縁
を、前記上型に設けた底部拘束部により拘束しつつ変形
を制限し前記容器本体底部とクラッド材とを圧接するこ
とができる。
【0008】また、前記下型に弾性体を介して台座を支
持し、前記容器本体の開口部端縁を前記台座上に載置
し、前記クラッド材を前記容器本体の底部外面上に重
ね、前記上型を下降させ、前記容器本体を前記弾性体の
付勢力に抗して下降させて前記下型との間で押圧し、ク
ラッド材及び容器本体の圧下が終了する時点よりも前の
時点で前記台座が前記下型に当接して前記容器本体の開
口部端縁の下方への移動を規制することができる。
【0009】
【作用】本願発明者等は熱間圧接時の容器本体の変形を
防止すべく、種々実験研究を実施した結果、上型がクラ
ッド材を容器本体底部に対して圧下すると、容器本体底
部の塑性変形流動が生じ、下型に拘束されていない容器
本体底部の周縁部が上に凸に湾曲し、結果として容器本
体の開口部端縁が下方に移動する。この容器本体の開口
部端縁の下方への移動により容器本体の高さが設計値よ
りも大きくなる。
【0010】そこで、本願発明においては、熱間圧接時
に、容器本体の開口部端縁の下方への移動を規制するこ
とにより、下型に拘束されていない容器本体底部周縁部
の変形を抑制し、これにより、容器本体の大きな変形を
防止する。
【0011】この容器本体の開口部端縁の下方への移動
を規制する位置は、容器本体内面が下型に接触している
が圧下前の状態で、前記開口端縁を下型等に当接させて
規制してもよいし、上型がクラッド材に接触して圧下が
開始された後、即ち容器本体が若干変形を開始した後
に、前記開口端縁の下方への移動を規制することとして
もよい。いずれにしても、圧下が完了する前に、容器本
体の開口端縁が下型等に当接してその下方への移動が規
制されれば、容器本体の変形量を低減することができ、
本発明の効果を得ることができる。
【0012】また、容器本体底部の外縁、即ち底部の肩
部を底部拘束部により拘束することにより、下型に拘束
されていない容器本体底部周縁部の変形を抑制すること
ができ、容器本体の大きな変形を更に一層防止すること
ができる。
【0013】そして、容器本体底部とクラッド材とを熱
間圧接する際に、両者を弾性体により下型から離隔させ
て保持しておき、下降する上型により容器本体とクラッ
ド材とを押下させて下型に接触させ、その後上型と下型
との間で容器本体底部とクラッド材とを圧接するように
すると、素材設置時に接合部が金型に接触しないため、
その部分の温度低下が低減でき、それに起因する温度の
バラツキ、更には、変形のバラツキも低減できる。この
場合にも、容器本体を支持する台座が圧下完了前に下型
に当接するようにして、容器本体開口端縁の下方への移
動を規制する必要がある。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例方法について、添付の
図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1
実施例方法に係る電磁調理器用容器の鍛造圧接方法を示
す断面図であって、(a)は圧接前の金型、容器及びク
ラッド材を示す断面図、(b)は圧接中の金型、容器及
びクラッド材を示す断面図である。図1に示すように、
金型を上型3と下型4とから構成し、下型4の外周に沿
って、台座5を配置する。この台座5は、アルミニウム
ダイカスト製容器本体2の側部11の高さを規制する。
また、台座5には凸部5bが設けられており、凸部5b
を容器本体の開口部端縁12に嵌合させ、容器本体の中
心位置決めをする。
【0015】次に、クラッド材1のアルミニウム板が、
容器本体2の底部7外面に接触するように、クラッド材
1を底部7の中央部に位置決めする。この場合に、容器
本体2及びクラッド材1を所定温度に加熱後、位置決め
をしてもよく、また、クラッド材1を容器本体2に対し
て位置決めした後に、両者を加熱してもよい。次に、両
者の相対的な位置を保ちつつ、容器本体2を凸部5bの
外側で規制される位置に位置決めし、下型4に配置した
後、両者を圧接する。そうすると、図1(b)に示すよ
うに、容器本体2の側部11の高さ方向の変形は、台座
5により規制されているので、側部11が下方に移動す
ることがない。これにより、側部11の圧接する前の高
さ(h)と圧接後の高さ(h′)とが略等しくなると共
に、容器本体2の開口部端縁12の圧接した後の外周直
径(d′)が、測定箇所によらず略等しくなるという効
果を奏する。
【0016】次に、本発明の第2実施例方法について説
明する。図2は本発明の第2実施例方法に係る電磁調理
器用容器の鍛造圧接方法を示す断面図であって、(a)
は圧接前の金型、容器及びクラッド材を示す断面図、
(b)は圧接中の金型、容器及びクラッド材を示す断面
図である。本実施例は上型3周面に底部変形拘束用金型
6を取り付けて、鍛造圧接する方法である。図2におい
て、図1と同一物には同一符号を伏してその詳細な説明
は省略する。図2に示すように、第1実施例と同様に金
型を配置すると共に、更に上型3に、底部変形拘束用金
型(底部拘束部)6を配置する。この底部変形拘束用金
型6は、金型接触部6bと変形拘束部6aとから構成さ
れる。変形拘束部6aは、金型接触部6bの下面側に形
成されており、この変形拘束部6aは、圧接時に、アル
ミニウムダイカスト製容器本体2の外縁10近傍を外側
から規制する。また、台座5には、更に凸部5aが設け
られており、圧接時に容器本体2の開口部端縁12を外
側から規制する。
【0017】先ず、クラッド材1のアルミニウム板が、
容器本体2の底部7外面に接触するように、クラッド材
1を底部7の中央部に位置決めする。この場合に、第1
実施例と同様に、容器本体2及びクラッド材1を所定温
度に加熱後、位置決めしてもよく、また、クラッド材1
を容器本体2に対して位置決めした後に、両者を加熱し
てもよい。次に、両者の相対的な位置を保ちつつ、容器
本体2を凸部5bの外側で規制される位置に位置決め
し、下型4に配置した後、圧接する。そうすると、図2
(b)に示すように、容器本体2の側部11の高さ方向
の変形は、台座5により規制されているので、側部11
が下方に移動することがない。また、容器本体2の外縁
10は、底部変形拘束用金型6の変形拘束部6aによ
り、外側から拘束されているので、圧接中に底部7の外
周直径が大きく伸長することがない。これにより、第1
実施例方法の効果を奏することに加え、底部7の圧接後
の外周直径(D′)が、測定箇所によらず略等しくな
り、底部7が真円状になるという効果を奏する。
【0018】次に、本発明の第3実施例方法について説
明する。図3は本発明の第3実施例方法に係る電磁調理
器用容器の鍛造圧接方法を示す断面図であって、(a)
は圧接前の金型、容器及びクラッド材を示す断面図、
(b)は圧接中の金型、容器及びクラッド材を示す断面
図である。図3において、図1と同一物には同一符号を
伏してその詳細な説明は省略する。図3に示すように、
下型4の床部15に凹部14が設けられ、凹部14内に
弾性体13が配置され、この弾性体13は台座5を支持
する。
【0019】先ず、クラッド材1のアルミニウム板が、
容器本体2の底部7外面に接触するように、クラッド材
1を底部7の中央部に位置決めする。この場合に、上述
の実施例と同様に、容器本体2及びクラッド材1を所定
温度に加熱後、位置決めをしてもよく、また、クラッド
材1を容器本体2に対して位置決めした後に、両者を加
熱してもよい。次に、両者の相対的な位置を保ちつつ、
容器本体2を凸部5bの外側で規制される位置に位置決
めし、下型4上部に配置する。配置後圧接前において
は、容器本体2は、台座5を介して、弾性体13により
支持されているため、容器本体2は下型4に接触してお
らず、ある距離を保って下型4上部に存在する。圧接を
開始すると、容器本体2は、台座5を介して、弾性体1
3により支持されているため、上型3が弾性体13の付
勢力に抗しつつ、クラッド材1を押圧し始めた直後か
ら、容器本体2の側部11は、弾性体13と上型3とに
より、緩やかに拘束される。更に上型3の下降が進行す
ると、図3(b)に示すように、台座5が床部15に当
接すると共に、容器本体2の底部内面は下型に接触す
る。そうすると、圧下が終了する時点よりも前の時点
で、側部11は台座5により、高さ方向の変形が規制さ
れ、側部11の変形はそれ以上進行することはない。即
ち、容器本体2の側部11が下方へ移動することがな
い。本実施例では、圧接開始初期に側部11の高さが若
干変動するものの、その変動は極めて僅かであるため、
第1実施例と略同様の効果を奏する。これに加え、素材
を載置する際、接合部が下型4に接触しないため、その
部分の温度低下が低減でき、それに起因する温度のバラ
ツキ、更には、変形のバラツキも低減できるという効果
を奏する。
【0020】上述の各実施例方法において、容器本体2
の材質は、Al−Si系アルミニウム合金(JIS A
DC1及びJIS ADC12等のダイカスト合金)、
工業用純アルミニウム(JIS 1100番等)及びA
l−Mn系アルミニウム(JIS 3003番等)を使
用することが好ましい。一方、クラッド材1のステンレ
ス鋼板8は、強磁性体である必要があるので、フェライ
ト系ステンレス鋼板である必要がある。クラッド1のア
ルミニウム板9は、工業用純アルミニウム(JIS 1
100番等)及びAl−Mn系アルミニウム(JIS
3003番等)等を使用することが好ましい。
【0021】また、圧接時の容器本体2及びクラッド材
1の温度(以下、素材温度という)、金型温度、プレス
面圧並びに圧下率は、特に規制されないものの、下記の
ように設定することが好ましい。
【0022】素材温度は、350乃至500℃であるこ
とが好ましい。素材温度が350℃未満では、容器本体
2とクラッド材1との間の接合が不十分である。一方、
素材温度が500℃を超えると、容器本体2がAl−S
i系ダイカスト合金である場合は、その表面にブリスタ
ーが発生する。特にブリスターの発生を確実に防止する
ためには、素材温度は450℃以下であることがより一
層好ましい。
【0023】金型温度は180乃至450℃であること
が好ましい。金型温度が180℃未満では、有効な接合
状態を得ることができない。また、金型温度が450℃
を超えた場合は、金型と容器本体及びクラッド材との潤
滑性が劣化すると共に、製品容器に焼付きが著しく生じ
やすくなる。
【0024】プレス面圧は1乃至5ton/cm2であ
ることが好ましい。プレス面圧が1ton/cm2未満
では、容器本体2とクラッド材1との間の接合強度が不
十分である。一方、プレス面圧が5ton/cm2を超
えた場合は、容器本体2の変形が大きくなり過ぎて、形
状の制御が難しくなる。
【0025】圧下率は、容器本体2とクラッド材1との
接合状態及び接合後の容器本体2の形状に影響を与え
る。圧下率を下記数式のように定義する。
【0026】
【数1】圧下率=(Al板厚の変化量)/(圧接前のA
l板厚)×100(%)
【0027】この定義において、容器本体2の底部7の
圧下率又はクラッド材1のアルミニウム板9の圧下率の
いずれかが、10乃至50%であることが好ましい。容
器本体2の底部7又はクラッド材1のアルミニウム板9
の圧下率が10%未満では、容器本体2の底部7とクラ
ッド材1のアルミニウム板9との接合界面において剥離
が生じやすい。一方、この圧下率が50%を超えた場合
は、容器本体2の底部7の外周直径Dの変化量及びばら
つきが大きくなり過ぎる。
【0028】次に、上述の第2実施例方法により実際に
アルミニウムダイカスト製容器本体2とフェライト系ス
テンレス鋼板8とアルミニウム板9とからなるクラッド
材1とを圧接した結果について、その比較例と比較しな
がら説明する。実施例及び比較例における圧接前の容器
形状は下記表1のように設定した。なお、クラッド材1
のアルミニウム板9には、位置決め用の貫通孔が中央部
に設けられており、アルミニウム製容器本体には前記貫
通孔に嵌合される突起が設けられている。この貫通孔の
直径(内周直径)についても下記表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】先ず、一連の圧接工程を比較例方法を例に
説明する。図4(a)乃至(d)は、比較例方法におけ
る圧接工程を示す断面図である。先ず、図4(a)に示
すように、アルミニウムダイカスト製容器本体2を底部
7が上となるように配置し、この底部7外面にステンレ
ス鋼板8とアルミニウム板9とからなるクラッド材1の
アルミニウム板9を重ねる。この場合にクラッド材1の
アルミニウム板9が底部7の外面に接触するようにす
る。次に加熱後、図4(b)に示すように、両者の相対
的な位置を保ちながら、容器本体2とクラッド材1とを
下型4に設置する。その後で、図4(c)に示すよう
に、上型3と下型4とにより、容器本体2とクラッド材
1とを圧接する。そうすると、容器本体2とクラッド材
1とのアルミニウム板9とが熱間固相接合し、図4
(d)に示すように、電磁調理器用の容器を得ることが
できる。なお、実施例方法では、図2に示すように、台
座5及び底部変形拘束用金型6を使用して、同様の圧接
工程により圧接した。底部変形拘束用金型6は、容器本
体2の底部7の外周直径が250mmとなった場合に、
底部7が拘束されるように設置した。また、台座5の凸
部5aは、容器本体2の開口部端縁12の外周直径が2
62mmとなった場合に、開口部端縁12が拘束される
ように設置した。
【0031】表2に、圧接前後でのダイカスト容器の形
状変化(実施例方法及び比較例方法)を示す。表中の容
器高さの変化量は、図2に示すように、圧接前の側部1
1の高さ(h)と圧接後の側部11の高さ(h′)との
差を示す。h及びh′の定義を以下に示す。 h:圧接前の底部7とクラッド材1との境界から開口部
端縁12までの高さ h′:圧接後の底部7とクラッド材1との接合面から開
口部端縁12までの高さ また容器高さのばらつき量は、以下のようにして求め
た。1容器について圧接後の側部11の高さ(h′)を
任意の5か所にて測定し、最大値と最小値との差を求め
る。この差を20個の容器に対して求め、得られた値を
平均し、この平均値を容器高さのばらつき量とする。同
様に、1容器について圧接後の底部7の外周直径
(D′)を任意の5か所にて測定し、最大値と最小値と
の差を求め、この差を20個の容器に対して求め、得ら
れた値を平均し、この平均値を容器底部外周直径のばら
つき量とする。更に、1容器について開口部端縁12の
外周直径(d′)を任意の5か所にて測定し、最大値と
最小値との差を求め、この差を20個の容器に対して求
め、得られた値を平均し、この平均値を容器口側外周直
径のばらつき量とする。
【0032】
【表2】
【0033】上記表2に示すように、実施例の容器高さ
の変化量及びばらつき量、容器底部外周直径のばらつき
量並びに容器口側外周直径のばらつき量は、いずれも極
めて小さくなっている。一方、比較例の容器高さの変化
量及びばらつき量、容器底部外周直径のばらつき量並び
に容器口側外周直径のばらつき量は、いずれも実施例に
比して、極めて大きくなった。図5は、比較例方法に係
る電磁調理器用容器の鍛造圧接方法を示す断面図であっ
て、(a)は圧接前の金型、容器及びクラッド材を示す
断面図、(b)は圧接中の金型、容器及びクラッド材を
示す断面図である。図5において、図1と同一物には同
一符号を伏してその詳細な説明は省略する。比較例にお
いては、図2に示した台座5が設置されていないため、
側部11が下方に移動してしまうので、圧接後の側部1
1の高さ(h′)が圧接前の側部11の高さ(h)に比
して長くなる。h及びh′の定義を以下に示す。 h:圧接前の底部7とクラッド材1との境界から開口部
端縁12までの高さ h′:圧接後の底部7とクラッド材1との接合面から開
口部端縁12までの高さ また図2に示した底部変形拘束用金型6が設置されてい
ないため、底部7の圧接後の外周直径(D′)のばらつ
き量が大きくなる。
【0034】このように、上型及び下型のみを使用した
圧接方法においては、容器の高さの変化量が大きくな
る。その結果、容器の各部の寸法のばらつきが大きくな
る。従って、比較例のように容器の高さの変化を特に規
制しない場合は、圧接時の容器の変形が大きくなり、製
品寸法の制御が困難である。一方、実施例方法において
は、口部拘束用金型及び底部拘束用金型を使用している
ので、寸法精度が極めて高い製品を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る電磁
調理器用容器の鍛造圧接方法によれば、アルミニウム又
はアルミニウム合金製容器本体の開口部端縁の変形を防
止しつつ、この容器にフェライト系ステンレス鋼板とア
ルミニウム又はアルミニウム合金板とからなるクラッド
材のアルミニウム又はアルミニウム合金板を圧接するの
で、高さが均一な容器を得ることができると共に、寸法
精度が高い容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例方法に係る電磁調理器用容
器の鍛造圧接方法を示す断面図であって、(a)は圧接
前の金型、容器及びクラッド材を示す断面図、(b)は
圧接中の金型、容器及びクラッド材を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例方法に係る電磁調理器用容
器の鍛造圧接方法を示す断面図であって、(a)は圧接
前の金型、容器及びクラッド材を示す断面図、(b)は
圧接中の金型、容器及びクラッド材を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の第3実施例方法に係る電磁調理器用容
器の鍛造圧接方法を示す断面図であって、(a)は圧接
前の金型、容器及びクラッド材を示す断面図、(b)は
圧接中の金型、容器及びクラッド材を示す断面図であ
る。
【図4】(a)乃至(d)は、比較例方法における圧接
工程を示す断面図である。
【図5】比較例方法に係る電磁調理器用容器の鍛造圧接
方法を示す断面図であって、(a)は圧接前の金型、容
器及びクラッド材を示す断面図、(b)は圧接中の金
型、容器及びクラッド材を示す断面図である。
【図6】(a)は従来技術の電磁調理器用鍋を示す断面
図、(b)はこの容器を示す底面図である。
【符号の説明】
1;クラッド材 2;容器本体 3;上型 4;下型 5;台座 5a;凸部 5b;凸部 6;底部変形拘束用金型 6a;変形拘束部 6b;金型接触部 7,25;底部 8;鋼板 9;アルミニウム板 10;外縁 11;側部 12;開口部端縁 13;弾性体 14;凹部 15;床部 22;鍋本体 24;底部 24a;縁部 24d,24e;段部 26;発熱体板 26a;外周 26b;貫通孔 26c;内周
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A47J 36/02 A47J 36/02 A B21D 51/18 B21D 51/18 G (72)発明者 中田 守 三重県員弁郡大安町大字梅戸字東山1100番 株式会社神戸製鋼所大安工場内 (72)発明者 岩村 宏 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 大家 正二郎 栃木県真岡市鬼怒ケ丘15番地 株式会社神 戸製鋼所真岡製造所内 (72)発明者 横江 寛治 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株 式会社神戸製鋼所東京本社内 (72)発明者 高田 与男 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株 式会社神戸製鋼所東京本社内 (72)発明者 前田 秀克 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 株 式会社神戸製鋼所東京本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム又はアルミニウム合金製容
    器本体をその底部外面を上方にして下型上に被らせ、こ
    の底部外面上に、フェライト系ステンレス鋼板とアルミ
    ニウム又はアルミニウム合金板とからなるクラッド材
    を、そのアルミニウム又はアルミニウム合金板を前記容
    器本体の底部外面に接触させて重ね、上型を下降させて
    前記容器本体と前記クラッド材とを上型と下型との間で
    熱間固相接合する電磁調理器用容器の鍛造圧接方法にお
    いて、前記上型が下降して前記クラッド材と容器本体と
    を所定の圧下率で押圧し、圧下が終了する時点よりも前
    の時点で前記容器本体の開口部端縁の下方への移動を規
    制することを特徴とする電磁調理器用容器の鍛造圧接方
    法。
  2. 【請求項2】 前記容器本体の前記底部外縁を、前記上
    型に設けた底部拘束部により拘束しつつ変形を制限し前
    記容器本体底部とクラッド材とを圧接することを特徴と
    する請求項1に記載の電磁調理器用容器の鍛造圧接方
    法。
  3. 【請求項3】 前記下型に弾性体を介して台座を支持
    し、前記容器本体の開口部端縁を前記台座上に載置し、
    前記クラッド材を前記容器本体の底部外面上に重ね、前
    記上型を下降させ、前記容器本体を前記弾性体の付勢力
    に抗して下降させて前記下型との間で押圧し、クラッド
    材及び容器本体の圧下が終了する時点よりも前の時点で
    前記台座が前記下型に当接して前記容器本体の開口部端
    縁の下方への移動を規制することを特徴とする請求項1
    又は2に記載の電磁調理器用容器の鍛造圧接方法。
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