JPH09108315A - 消臭機能を持つ組成物およびこれを使用した繊維布帛 - Google Patents

消臭機能を持つ組成物およびこれを使用した繊維布帛

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JPH09108315A
JPH09108315A JP7272366A JP27236695A JPH09108315A JP H09108315 A JPH09108315 A JP H09108315A JP 7272366 A JP7272366 A JP 7272366A JP 27236695 A JP27236695 A JP 27236695A JP H09108315 A JPH09108315 A JP H09108315A
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Japan
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activated carbon
deodorizing
odor
platinum
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JP7272366A
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English (en)
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Yasunao Shimano
泰尚 嶋野
Nobumasa Kanenori
順正 金法
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Komatsu Seiren Co Ltd
Original Assignee
Komatsu Seiren Co Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて優れた消臭機能を有する組成物および
優れた消臭性を有する繊維布帛を提供する。 【解決手段】 白金担持活性炭触媒を含む消臭用組成
物、および白金担持活性炭触媒を含む組成物が付与され
た繊維材料を含む繊維布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末状の消臭剤、
エアコンや空気清浄機の消臭フィルター、消臭性塗料、
消臭性繊維布帛などの加工に使用することのできる、消
臭機能を有する組成物に関する。本発明は、また、衣
料、カーテンなどのインテリア、衛生材料、靴の中敷き
や靴のライナー材、エアコンや空気清浄機のフィルター
などに広く応用することのできる、消臭機能を有する繊
維布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維、紙、塗料などの分野に
おいて消臭機能を有する製品が知られている。しかし、
これに使用されている消臭性の材料は、ごく一部を除
き、化学吸着(中和作用)や物理吸着などによるものが
主体であり、完全な消臭性を発揮するものではない。
【0003】例えば、酸性の酸化チタン、硫酸アルミニ
ウムなどは、塩基性のアンモニアなどの消臭には効果を
発揮しても、中性の悪臭に対しては無力である。また、
それ自体が塩基性である酸化亜鉛は、酸性の悪臭である
メチルメルカプタン、硫化水素などを中和して無臭物質
に変えることができるけれども、中性の悪臭に対しては
無力である。さらに、これらの酸や塩基を用いた中和作
用による消臭方法は、消臭剤自体が飽和されると効果を
発揮できない。よって、これらの消臭剤は悪臭の処理能
力に限度があり、しかも塩基性か酸性の物質に対してだ
け作用し、中性の悪臭や種々の成分が複合した悪臭に対
しては全く効果を発揮できない。
【0004】また、活性炭やシリカなど物理吸着を利用
した消臭剤もある。これらは悪臭成分を消臭剤に集め、
周囲の濃度を低下させるが、トータルで悪臭成分の量が
減少することは無いため、本質的な解決にはならない。
さらに、活性炭は、タバコ臭の除去作用を有するが、ア
ンモニアが残留したり、水分の吸着などにより性能が低
下するため、作用の持続性に問題がある。
【0005】消臭剤に必要な機能は、理想的には、悪臭
成分を完全に無臭の成分にまで分解させることであり、
このような作用を有することが知られている化学物質は
これまで皆無であると言ってよい。酸化チタン光触媒
は、紫外線照射下における酸化分解力に優れるが、被処
理物を無差別に酸化するため、繊維素材をも劣化させて
しまう。また、鉄/フタロシアニンは、酵素的に酸化分
解する作用を有し、レーヨン繊維に練り込まれて生産さ
れており、例えば、フトン綿に使用し、これによってア
ンモニアが消臭されることが確認されている。また、硫
化水素は硫黄に、メルカプタンはジスルフィドに、アル
デヒドはカルボン酸に、そしてアミンはケトンとアンモ
ニアにそれぞれ酸化されることが知られている。しかし
ながら、これらの分解物の中には臭気を持つものもあ
り、またこれらの消臭剤は多成分からなる複合臭気に対
しては有効とは言えない。
【0006】有機物が燃焼したり、熱分解する際には、
多数の成分が生成することが知られている。たとえば、
タバコの燃焼ガスは数千の成分を含んでおり、これを消
臭することは困難であるとされている。また、焼肉の臭
気、線香の香気なども多数の成分からなる複合臭気であ
り、既存の消臭剤ではこれらの複合臭気の一部を除去す
ることができても、実質的な消臭は技術的に不可能であ
った。
【0007】実生活における悪臭は、上記のように複雑
な成分が混合した臭気であり、法定4大悪臭のように単
一の成分からなる場合は少ないため、従来の消臭剤を用
いて十分な消臭効果を得ることは事実上困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従って、上
記した従来の問題点を一掃することのできる、極めて優
れた消臭機能を有する組成物を提供しようとするもので
ある。また、本発明は、優れた消臭性を有する繊維布帛
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、白金担持活性炭触媒を含む消臭用組成物を
提供する。本発明は、また、白金担持活性炭触媒と、金
属酸化物または金属酸化物および両性金属水酸化物とを
含む消臭用組成物を提供する。
【0010】本発明は、また、上記消臭用組成物におい
て、さらに無添着の活性炭を含む組成物を提供する。本
発明は、さらに、上記本発明の消臭用組成物が付与され
た繊維材料を含む繊維布帛を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いる白金担持活性炭触
媒とは、活性炭に白金が0.01〜10重量%の範囲で
担持されたものをいう。この触媒の作用機構は、常温で
酸化作用を行い、例えば、タバコ燃焼ガス中の悪臭成分
を分解することにより、臭気を減少させることにあるも
のと思われる。さらには、酸化作用による殺菌作用も見
られる。
【0012】貴金属担持触媒の酸化作用による有機物質
の分解は、従来から知られている。しかし、その利用
は、加熱条件下での使用に限られており、これまで遠赤
外ヒーターやパネルヒーターおよび冷蔵庫内の消臭に使
用されているが、あくまでも加熱が可能なヒーター部分
に取りつけられているのである。例えば、特開平4−3
54515には、600℃まで加熱できるヒーター部に
白金やパラジウムなどの貴金属をアルミナやシリカに担
持したものを取り付けた例が開示されているが、これは
高温における酸化分解による消臭作用を利用するもので
あって、常温での使用ではない。
【0013】また、常温での酸化分解を可能にした脱臭
触媒として、マンガン系触媒と金ゼオライト触媒からな
るハニカム型触媒を2層に形成したものが、特開平4−
265153に記載されているけれども、この組成物は
本発明の組成物とは構成が全く異なっている。すなわ
ち、タバコ臭気のように数千種ともいえる有機物を含む
悪臭を、常温下で分解することのできる手段を見出した
のは、本発明が初めてである。
【0014】タバコの燃焼ガスには、塩基性およひ酸性
の有機物をはじめ、中性の有機化合物が数千種以上含ま
れる。従って、タバコ燃焼ガスの悪臭は、多数の有機物
が混合した臭気である。これらの有機物の混合物を無臭
にすることは常識的には不可能に近いと考えられるが、
本発明においては白金担持活性炭触媒、または白金担持
活性炭触媒に金属酸化物または金属酸化物および両性金
属水酸化物を加えた組成物が、タバコ燃焼ガスを、酸化
分解および化学吸着(中和作用)により減少させ、タバ
コの悪臭を大幅に軽減することが図らずも見出されたの
である。
【0015】例えば、白金担持活性炭触媒の粉末にエチ
ルアルコールを加え、密封して、室温で数時間放置する
と、酸化生成物であるアセトアルデヒドの生成を確認す
ることができた。このことから、白金担持活性炭触媒に
は、有機物質の熱分解で生成する比較的低分子量の有機
物を酸化し、臭気を減少させる機能があるものと認めら
れる。
【0016】また、白金担持活性炭触媒と無添着の活性
炭とを併用すれば、活性炭のみでは除去することのでき
ない有機物を酸化分解して除去することができ、より広
い範囲の複合臭気成分の消臭用組成物が得られる。さら
に、白金担持活性炭触媒に金属酸化物または金属酸化物
および両性金属水酸化物を加えた組成物は、活性炭のみ
では除去することのできないタバコ臭気中のアンモニア
やアミン類、さらには分解生成物である低分子量の有機
物を極めて効果的に吸着することができる。
【0017】本発明に有用な金属酸化物としては、アン
モニアなどの塩基性の物質を消臭(化学吸着)する多孔
質二酸化珪素、酸化チタンなどが例示されるが、有機酸
などの酸性物質を消臭(化学吸着)する酸化亜鉛、酸化
マグネシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウムなどを
併用してもよい。もちろん、金属酸化物を2種類以上併
用することは何ら問題がない。
【0018】さらに、本発明では、両性金属水酸化物
を、上記成分とともに用いてもよい。かかる両性金属水
酸化物の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化
亜鉛などを挙げることができる。タバコ燃焼ガスの消臭
効果は、白金担持触媒に金属酸化物を併用した場合に向
上するが、これに両性金属水酸化物を併用すればさらに
高くなるのである。これは、有機酸などの酸性物質が、
両性金属水酸化物により、より容易に化学吸着されるこ
とによるものと思われる。
【0019】本発明の組成物は、種々の方法で用いるこ
とができる。例えば、本発明に係る、白金担持活性炭触
媒、多孔質酸化珪素および水酸化アルミニウムを含む組
成物は、粉末状で消臭剤として使用したり、樹脂と併用
して消臭性の塗料としたり、繊維材料に樹脂バインダー
を併用して固定して、消臭機能を有する繊維布帛として
使用することができる。
【0020】これらの組成物の粒子径は、10μ以下で
あるのが好ましく、粉末状もしくは溶剤や水に微粒子状
に分散したものとして用いることができる。次に、本発
明の組成物を用いた繊維布帛について説明する。本発明
に有用な繊維材料としては、ポリエステル、ナイロン、
アクリルなどの合成繊維やレーヨンなどの再生繊維、
綿、羊毛、絹などの天然繊維およびそれらの混繊もしく
は混紡品を挙げることができ、またそれらの形態も糸、
織物、編物、不織布などであってよく、通常の染色加工
やプリントが施されたものを使用することもできる。ま
た、綿(わた)のような状態であってもよい。
【0021】本発明の組成物は、本来、粉末固体状のも
のであるが、これを繊維材料に付与し、固定する場合に
は、水または溶剤に分散させた形態で樹脂バインダーと
併用する方法を用いるのが便利である。樹脂バインダー
としては、水溶解型、水分散型または溶剤可溶型の樹脂
を使用することができる。具体的には、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂などであり、特に限定はない。
【0022】繊維材料に固定する方法としては、例え
ば、本発明の組成物を微細粒子に粉砕し、次に、水分散
液とし、次いでこの水分散液と、水分散性の樹脂バイン
ダーもしくは水溶解性の樹脂バインダーとを混合し、樹
脂溶液を調製し、この樹脂溶液で繊維材料を含浸し、マ
ングルロールで絞り、乾燥するなどの方法を採用するこ
とができる。
【0023】また、本発明の組成物と樹脂バインダーを
含む水性液を増粘し、ナイフコーターなどの公知の装置
でコーティングすることも可能である。あるいは、本発
明の組成物を微細粒子状に粉砕したものを、溶剤可溶性
の樹脂バインダーとともに溶剤中に分散させ、さらに適
当な粘度に溶剤で希釈し、得られた樹脂液で繊維材料を
含浸し、マングルロールで絞り、乾燥する方法を使用す
ることができる。また、かかる樹脂液を、繊維材料の片
面にナイフコーターなどの公知の装置を使用してコーテ
ィングしたり、グラビヤロールを使用して繊維材料の片
面もしくは両面に付着させることもできる。
【0024】本発明の組成物の繊維布帛に対する付着量
は、0.1g/m2 以上であるのが好ましい。付着量が
少な過ぎる場合には、消臭のスピードが低く、実用性が
なくなる。また、付着量が多過ぎる場合は、消臭効果が
高くなることで問題はないが、繊維布帛の用途によって
は手ざわりが非常に硬くなり、商品価値がなくなる場合
がある。
【0025】また、本発明に係る組成物を紡糸段階で紡
糸原料樹脂に混合して用いることもできる。本発明で得
られる消臭性の組成物および繊維布帛は、タバコ燃焼ガ
スから発生する悪臭や、肉を焼くときに発生する臭気、
線香が燃えるときの香気などの消臭に有効である。これ
らの臭気は、全て、有機物の分解により生じる、極めて
多くの成分を含む複合臭気であるため、従来においては
消臭が困難であるとされていたものである。
【0026】しかして、活性炭のような吸着材料による
物理吸着では吸着容量に限度があり、中和機構によるも
のでは中和薬剤が全部消費されれば性能は失われるのに
対して、本発明で得られる繊維布帛の消臭機構は化学分
解とイオン的な吸着(中和)を組み合わせたものであ
り、消臭効果の持続性に優れる。
【0027】
【実施例】以下に、実施例により、本発明をさらに説明
する。なお、例中、「部」は重量部を示す。また、これ
らの例では、粉末状の消臭剤組成物は、あらかじめボー
ルミルで48時間粉砕し、粒子径10ミクロン以下のも
のを分別して使用し、それ以外のものに関してはその粒
子径を記載した。
【0028】実施例1 平均粒子径10μの1%白金担持活性炭を使用し、以下
のようにして、タバコ消臭試験を行った。また、比較の
ため、活性炭粉末(キントールHFG−3、キャタラー
工業製)を用いて同じ試験を行った。タバコに火を付
け、両面粘着テープの上に垂直に立てた。この上に30
0mlの三角フラスコをかぶせ、10秒間かけて煙を集め
た。次に、この中に上記の粉末1gを入れ、密栓して3
0分間放置した。その後、栓をとり、中の臭気を嗅ぎ、
その強さを6段階臭気強度で評価した。また、同じ試験
を20回繰り返し、持続性を評価した。
【0029】結果を図1に示す。図1の結果より、白金
担持活性炭は、活性炭に比較して、優れたタバコ臭の消
臭作用を有し、消臭作用の持続性にも巣くれることが判
る。 実施例2 下記の組成を有する消臭剤の水分散液を調製した。
【0030】 1.0%白金担持活性炭 5部 サイリシア430 10部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア化学製) 水酸化アルミニウム 10部 (粒子径8μ、住友化学製) ポイズ521 5部 (分散剤、花王製) メトローズ 1部 (メチルセルロース、信越化学製) 水 69部 これを、ガラスビーズを充填したサンドミルにより微粉
砕した。
【0031】この分散液と水分散アクリル樹脂ボンコー
トR−3380(大日本インキ製)とを1:1の重量比
で混合して、水系塗料とした。アルミ板の上に上記水系
塗料を150g/m2 の量で塗布した後、乾燥機に入
れ、80℃で10分間乾燥した。処理されたアルミ板を
用い、タバコ燃焼ガスの消臭試験を以下のように行っ
た。
【0032】フィルター付きタバコに火をつけ、両面粘
着テープを使用してガラス板の上に垂直に立てた。30
0mlのポリエチレン製の袋をこの上にかぶせ、約1秒間
かけて燃焼ガスを集めた。次に、10cm×10cmの大き
さの処理アルミ板を入れ、密封した。比較のため、未処
理アルミ板についても同様に試験した。
【0033】1時間経過後に、ポリエチレン製の袋の中
の臭気を官能的に判定した。処理アルミ板側はタバコ臭
気が明らかに減少しているのに対して、未処理アルミ板
側は強いタバコ臭がした。 実施例3 下記の組成を有する消臭剤組成物を調製した。
【0034】 1.0%白金担持活性炭 20部 サイリシア430 20部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア化学製) 水酸化アルミニウム 70部 (粒子径8μ、住友化学製) 実施例1と同様にして300mlの三角フラスコの中にタ
バコ燃焼ガスを5秒間かけて集めた後、上記組成物の粉
末1gを投入して密閉した。次いで、10秒間三角フラ
スコを振ってガスと接触させた。その後、20分間放置
した後、フラスコ内の臭気を判定した。
【0035】比較のため、組成物粉末を入れない場合、
および粒状やし殻活性炭(白鷺Gc4/8、武田薬品
製)1gを使用した場合についても同様に試験を行っ
た。結果を下記表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】比較例1 実施例3の組成物に代え、前記成分をいくつかに分け
て、下記AおよびBの組成物を調合した。 組成物A 1.0%白金担持活性炭 20部 水酸化アルミニウム 80部 (粒子径8μ、住友化学製) 組成物B サイリシア430 20部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア化学製) 水酸化アルミニウム 70部 (粒子径8μ、住友化学製) それぞれの粉末を使用し、実施例3と同じ手順によりタ
バコ臭の消臭試験を行った。
【0038】結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例4 ポリエステル100%からなる目付50g/m2 の不織
布を試験に用いた。下記組成の消臭成分を含有樹脂液を
調製し、ボールミルで10時間分散処理した。 消臭成分 0.1%白金担持活性炭 5部 サイリシア730 35部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア化学製) 水酸化アルミニウム 70部 (粒子径1μ、住友化学製) アクリル樹脂(固形分20%) 100部 トルエン 200部 酢酸エチル 10部 コロネートHL(イソシアネート架橋剤) 1部 上記樹脂液を、グラビヤコーターを使用して不織布の両
面にそれぞれ30g/m2 の量で塗布したのち、130
℃で2分間乾燥した。得られた処理不織布を用い、タバ
コ燃焼ガスの消臭試験を以下のようにして行った。
【0041】タバコに火をつけ、両面粘着テープを使用
して垂直に立てた。300mlの三角フラスコをこの上に
かぶせ、約5秒間かけて燃焼ガスを集めた。次に、10
cm×10cmの大きさの処理不織布をフラスコに入れ、密
栓した。30分経過後、臭気を嗅覚評価した。比較のた
め、未処理の不織布についても同じ手順で試験した。
【0042】結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】フラスコの臭気を嗅いだところ、未処理不
織布側はタバコ臭があるのに対して処理不織布側はほと
んど臭気が認められなかった。さらに、不織布を取り出
して付着した臭気を判定したところ、未処理のものは強
いタバコ臭がするのに対して、処理したものは臭気が殆
どなかった。 実施例5 実施例4で作成した処理不織布を使用し、次のようにし
て線香の消臭試験を行った。
【0045】線香に火を付け、垂直に立て、300mlの
三角フラスコに煙を5秒間かけて集めた。20cm×30
cmの処理不織布を入れて密栓し、30分間放置後、不織
布の入った容器の匂い、および取り出した不織布の匂い
を嗅覚評価した。比較のため、未処理の不織布について
も同じ手順で試験した。結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】実施例6 ポリエステル100%からなるサテン織物(目付200
g/m2 )を試験に用いた。下記の組成からなる消臭剤
組成物を、ボールミル分散処理して調合した。 ウレタン樹脂 100部 1%白金担持活性炭 20部 水酸化アルミニウム 70部 (住友化学製、粒子径1μ) サイリシア740 30部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア製) メチルエチルケトン 300部 上記組成物を、100メッシュのグラビヤロールを使用
して織物の片面に8g/m2 の量で塗布し、乾燥した。
得られた処理織物を用い、焼き肉臭気の消臭試験を以下
の手順で実施した。
【0048】牛カルビ肉を焼き、煙を10秒間づつ、3
0cm×30cmのポリエチレン袋2枚の中に集めた。この
袋のそれぞれに、20cm×30cmの処理布と、比較のた
めの未処理布とを入れ、密閉して、1時間放置した。そ
の後、袋の中の臭気をコスモス電機製ニオイセンサーX
P329を使用して測定した。さらに、袋の中の臭気お
よび取り出した生地の臭気を嗅覚により判定した。
【0049】結果を表5に示す。この結果より、処理布
は焼き肉臭を消臭することがわかる。
【0050】
【表5】
【0051】実施例7 下記の組成を有する消臭剤組成物を調製した。 5.0%白金担持活性炭 20部 活性炭粉末 20部 ポイズ521 4部 (分散剤、花王製) 水 56部 これを、ガラスビーズを充填したサンドミルにより微粉
砕した。
【0052】この分散液と水分散アクリル樹脂ボンコー
トR−3380(大日本インキ製)とを1:1の重量比
で混合した。次いで、ポリエステルからなるフィルター
用不織布に上記配合液を800g/m2 の量で含浸させ
た後、乾燥した。比較のため、上記の組成物において、
5.0%白金担持活性炭を用いず、活性炭粉末の量を4
0部に変更したものを用い、上記と同様にして、処理不
織布を調製した。
【0053】これらの処理不織布を用い、タバコ燃焼ガ
スの消臭試験を以下のようにして行った。タバコに火を
付け、両面粘着テープの上に垂直に立てた。この上に3
00mlの三角フラスコをかぶせ、10秒間かけて煙を集
めた。次に、この中に上記の不織布(10cm×10cm)
を入れ、密栓して30分間放置した。その後、栓をと
り、中の臭気を嗅覚評価した。
【0054】結果を表6に示す。
【0055】
【表6】
【0056】実施例8 下記の組成を有する消臭剤組成物を調製した。 1.0%白金担持活性炭 15部 サイロイド740 2部 (二酸化珪素、富士シリシア製) KフレッシュMZ0 3部 (酸化亜鉛、テイカ製) ボンコートR−3380 20部 (アクリル樹脂、大日本インキ製) 水 60部 これを、ポリエステルからなる不織布(目付40g/m
2 )にウエット重量で3500g/m2 の量で含浸させ
た後、乾燥した。
【0057】比較のため、消臭剤組成物の組成を下記の
ように変更したものを用い、上記と同様にして、処理不
織布を調製した。 活性炭粉末 20部 (キントールHFG−3、キャラクター工業製) ボンコートR−3380 20部 (アクリル樹脂、大日本インキ製) 水 60部 これらの処理不織布を用い、タバコ燃焼ガスの消臭試験
を以下のようにして行った。
【0058】タバコに火を付け、両面粘着テープの上に
垂直に立てた。この上に500mlの三角フラスコをかぶ
せ、約10秒間かけて煙を集めた。次に、この中に上記
の不織布(10cm×10cm)を入れ、密栓して30分間
放置した。その後、栓をとり、中の臭気を嗅覚評価し
た。結果を表7に示す。
【0059】
【表7】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、優れた消臭性を有する
組成物が提供される。この組成物は粉末状で、スプレー
式の消臭剤や消臭フィルター等に用いることができる。
また、本発明の繊維布帛は、消臭フィルター、衣料、カ
ーテンなどのインテリア、衛生材料、靴のライナー材な
どに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた消臭試験の結果を示すグラフ
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年11月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】比較例1 実施例3の組成物に代え、前記成分をいくつかに分け
て、下記AおよびBの組成物を調合した。 組成物A 1.0%パラジウム担持活性炭 20部 水酸化アルミニウム 80部 (粒子径8μ、住友化学製) 組成物B サイリシア430 20部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア化学製) 水酸化アルミニウム 70部 (粒子径8μ、住友化学製) それぞれの粉末を使用し、実施例3と同じ手順によりタ
バコ臭の消臭試験を行った。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】実施例4 ポリエステル100%からなる目付50g/m2 の不織
布を試験に用いた。下記の組成を有する樹脂液を調製
し、ボールミルで10時間分散処理した。 消臭成分 1.0%白金担持活性炭 5部 サイリシア730 35部 (多孔性二酸化珪素、富士シリシア化学製) 水酸化アルミニウム 70部 (粒子径1μ、住友化学製) アクリル樹脂(固形分20%) 100部 トルエン 200部 酢酸エチル 10部 コロネートHL(イソシアネート架橋剤) 1部 上記樹脂液を、グラビヤコーターを使用して不織布の両
面にそれぞれ30g/m2 の量で塗布したのち、130
℃で2分間乾燥した。得られた処理不織布を用い、タバ
コ燃焼ガスの消臭試験を以下のようにして行った。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金担持活性炭触媒を含む消臭用組成
    物。
  2. 【請求項2】 さらに金属酸化物または金属酸化物およ
    び両性金属水酸化物を含む、請求項1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】 さらに無添着の活性炭を含む、請求項1
    項または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 金属酸化物が塩基性物質を消臭する少な
    くとも1種の成分を含む、請求項1〜3のいずれかに記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 金属酸化物が酸性物質を消臭する少なく
    とも1種の成分と塩基性物質を消臭する少なくとも1種
    の成分とを含む、請求項1〜4項のいずれかに記載の組
    成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の消臭用
    組成物が付与された繊維材料を含む繊維布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002095914A (ja) * 2000-09-25 2002-04-02 Sanyo Electric Co Ltd 空気清浄フィルタおよびそれを用いた空気処理装置

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