JPH0910793A - 有機性廃水処理装置 - Google Patents

有機性廃水処理装置

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JPH0910793A
JPH0910793A JP18795595A JP18795595A JPH0910793A JP H0910793 A JPH0910793 A JP H0910793A JP 18795595 A JP18795595 A JP 18795595A JP 18795595 A JP18795595 A JP 18795595A JP H0910793 A JPH0910793 A JP H0910793A
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JP
Japan
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tank
sludge
aerobic
carrier
anaerobic
Prior art date
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Application number
JP18795595A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Asano
英之 浅野
Rie Shigemori
理江 重森
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Publication date
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 浮遊汚泥による嫌気−無酸素−好気法を使用
した有機性廃水処理装置の好気性槽に固定床担体を配置
するに当たり、好気性槽に配置した固定床担体にイトミ
ミズが過剰増殖して付着することを防止し、処理水の水
質低下や、スカム、悪臭の発生を抑制しつつ、好気性槽
における硝化反応を良好かつ効率的に行って、被処理水
の滞留時間の短時間化を図る。 【構成】 好気性槽6を上流側から下流側にかけて配列
された2つの分割槽42、44に分割し、後段分割槽4
4に固定床担体46を設置する。また、後段分割槽44
に固定床担体46を定期的に洗浄するための洗浄機構4
8を設ける。この場合、固定床担体46としては、ネッ
ト状担体を用いることが好ましい。さらに、好気性槽6
の流入部より上流側に、被処理水中に存在する繊維質を
捕捉するための繊維質捕捉部材50を設置することが望
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、嫌気性槽、無酸素槽、
好気性槽及び沈澱槽を備え、下水、し尿、産業排水とい
ったリン、窒素及びBOD成分を含む有機性廃水を嫌気
性、無酸素性、好気性と続く条件下で生物学的に処理す
る装置に関し、さらに詳述すると、好気性槽の改良によ
って窒素化合物を生物学的に硝化する硝化反応を良好に
かつ効率的に行う有機性廃水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リン、窒素及びBOD成分を含む有機性
廃水、例えば下廃水中に含まれるリン、窒素、有機物
(BOD成分)を除去する方法として、浮遊汚泥による
嫌気−無酸素−好気法があり、この方法を使用した有機
性廃水処理装置として、従来図4に示すものが知られて
いる。
【0003】図4において、2は嫌気性槽、4は無酸素
槽、6は好気性槽、8は沈澱槽、10は嫌気性槽2に連
結された有機性廃水流入管、12、14、16はそれぞ
れ各槽2、4、6、8間の連絡管、18は沈澱槽8に連
結された処理水流出管、20は沈殿槽8で分離した汚泥
の一部を返送汚泥として嫌気性槽2に送る返送汚泥管、
22は沈殿槽8で分離した汚泥の残部を余剰汚泥として
系外に取り出す余剰汚泥管、24は好気性槽6における
好気性処理で生じた汚泥混合水の一部を循環混合水とし
て無酸素槽4に送る混合水循環管、26は好気性槽6に
設置された散気装置、28、30はそれぞれ嫌気性槽
2、無酸素槽4に設置された攪拌機を示す。
【0004】なお、嫌気性槽2、無酸素槽4及び好気性
槽6はそれぞれ別個の槽としてもよく、1つの槽内を仕
切り板で仕切ることよって各槽2、4、6を形成しても
よい。また、混合水循環管24の流入端は、図示のごと
く好気性槽6と沈澱槽8との連結管16に接続してもよ
く、好気性槽6の後部に接続してもよい。
【0005】図4の装置による有機性廃水の処理は、下
記のように行われる。 リン、窒素及びBOD成分を含む有機性廃水を有機性
廃水流入管10から嫌気性槽2に供給するとともに、返
送汚泥管20を通して沈澱槽8から嫌気性槽2に返送汚
泥を供給して、嫌気性槽2で嫌気性処理を行う。ここで
は、原水中のBOD成分の一部は汚泥によって除去(B
OD成分が汚泥内に取り込まれる作用による)され、汚
泥からはリンの放出が起こる。
【0006】嫌気性槽2における嫌気性処理で生じた
汚泥混合水を無酸素槽4に供給するとともに、混合水循
環管24を通して好気性槽6から無酸素槽4に循環混合
水を供給して、無酸素槽4で無酸素処理を行う。ここで
は、汚泥中の脱窒菌の働きにより、循環混合水中の硝酸
性窒素を汚泥中や溶液中のBOD成分を利用して窒素ガ
スに還元する。
【0007】無酸素槽4における無酸素処理で生じた
汚泥混合水を好気性槽6に供給して、好気性槽6で好気
性処理を行うとともに、好気性槽6における好気性処理
で生じた汚泥混合水の一部を循環混合水として無酸素槽
4に供給する。ここでは、汚泥中及び溶液中のBOD成
分がBOD酸化菌の働きにより酸化分解を受けるととも
に、それに伴って脱リン菌の作用で急激なリンの汚泥中
への吸収が起こり、嫌気性槽2で放出されたリンと原水
中のリンのうち無酸素槽4で汚泥に吸収されなかったリ
ンが汚泥内に蓄積保持され、これによりBOD成分及び
リンが除去される。また、溶液中のアンモニア性窒素
は、汚泥中の硝化菌の働きにより硝酸性窒素に酸化され
る。この硝酸性窒素は、前述したように循環混合水と共
に無酸素槽4に運ばれ、窒素ガスに還元される。
【0008】好気性槽6における好気性処理で生じた
汚泥混合水の残部を沈澱槽8に供給して、沈澱槽8で固
液分離を行い、リン、窒素及びBOD成分が除去された
上澄み水を処理水流出管18から処理水として取り出
す。また、リンを蓄積保持した分離汚泥の一部を返送汚
泥として返送汚泥管20を介して嫌気性槽2に送るとと
もに、残部を余剰汚泥として余剰汚泥管22から系外に
取り出す。
【0009】上記のように、図4の装置では、原水中の
BOD成分は生物学的酸化分解により除去され、窒素は
生物学的硝化・脱窒により除去され、リンは汚泥中に蓄
積保持されて余剰汚泥という形で除去されるものであ
る。
【0010】しかし、図4に示した従来の嫌気−無酸素
−好気法による有機性廃水処理装置においては、嫌気性
槽2の入口から沈澱槽8の出口までの被処理水の滞留時
間(水理学的滞留時間)として約12〜15時間が必要
であり、滞留時間が長いという欠点を有している。すな
わち、図4の装置では、好気性槽6において、BOD成
分の酸化処理と、BOD成分の酸化処理より反応速度が
大幅に遅い硝化処理とを一緒に行うため、好気性槽6で
の被処理水の滞留時間が非常に長くなり、その結果全体
の滞留時間が長くなるものであった。
【0011】一方、既設の下水処理場は、主としてBO
D成分の除去を目的として、好気性槽(曝気槽)のみに
よって処理を行うところが多く、この好気性槽における
被処理水の滞留時間は、6〜8時間に設計されているの
が一般的である。したがって、既存の下水処理場の好気
性槽を分割して嫌気−無酸素−好気法による処理槽に改
造し、BOD成分の除去に加えてリン及び窒素の除去を
行おうとしても、必要な滞留時間が得られないので、前
述した嫌気−無酸素−好気法をそのまま適用することは
困難であった。
【0012】そこで、従来より、嫌気−無酸素−好気法
における被処理水の滞留時間を短くし、限られた滞留時
間の中で効率良くリン、窒素及びBOD成分を除去する
ことが要望されており、そのための技術として、好気性
槽に微生物担体を投入することが提案されている。すな
わち、嫌気−無酸素−好気法は、嫌気性槽、無酸素槽、
好気性槽を用いるが、この中で反応律速となっているの
は前記のように好気性槽における硝化反応であるため、
該硝化反応の効率化を図って好気性槽の滞留時間を短く
する目的で、好気性槽に微生物担体を投入するものであ
る。この場合、現状では、微生物担体として好気性槽に
直径が5mm程度の包括固定化担体あるいは結合固定化
担体を投入し、この担体を好気性槽で流動化させる流動
床法が主流である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、嫌気
−無酸素−好気法による有機性廃水処理装置では、好気
性槽における硝化反応の効率化を図るために、好気性槽
に流動床担体を投入することが行われている。しかし、
この流動床法には、主に次のような欠点がある。 (イ)好気性槽から担体を流出させないために、流動化担
体より小さい目開きのウエッジワイヤースクリーン等を
用いた担体流出防止機構が必要となる。このような小さ
い目開きの担体流出防止機構を設けると、被処理水中の
夾雑物が担体流出防止機構に付着して該機構が目詰まり
し、処理が良好に行われなくなる。 (ロ)流動床担体は大きさ及び比重が小さいため、好気性
槽にスカムが発生した場合、スカムにより流動床担体が
浮上してしまい、微生物担体としての機能を果たさなく
なる。
【0014】これに対し、好気性槽に設置する微生物担
体を固定床担体とした場合には、担体流出防止機構は不
要となり、また担体が浮上することもないので、前記
(イ)、(ロ)の問題は解消される。そこで、本発明者らは、
嫌気−無酸素−好気法による有機性廃水処理装置の好気
性槽に微生物担体として固定床担体を設置することを目
的として、まず、好気性槽内に直径15〜25mmの多
孔質の焼成骨材を充填して実験を行った。
【0015】しかし、その結果、処理開始1ヶ月後には
貧毛類の後生動物であるイトミミズが大量に増殖して上
記多孔質担体に付着し、窒素、リンの除去能が劣化して
処理水の水質が低下した。また、好気性槽にはイトミミ
ズの排泄物に起因すると考えられるスカムや悪臭が発生
した。本発明者らの検討によれば、イトミミズが異常増
殖するのは、固定床担体に付着した汚泥を補食しつつイ
トミミズが増殖するためであり、また処理水の水質低下
及びスカム、悪臭の発生は、異常増殖したイトミミズが
可溶性の窒素、リン、有機物を排出するためであると考
えられた。さらに、このような状況は、固定床法のみな
らず、流動床法においても多孔質担体、例えばポリウレ
タン担体、多孔質セルロース担体などを用いた場合にも
同様に生じることが報告されている。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、嫌気−無酸素−好気法による有機性廃水処理装置に
おいて、好気性槽に配置した固定床担体にイトミミズが
過剰増殖して付着することを防止し、好気性槽での硝化
処理を良好にかつ効率的に行うことができるようにした
有機性廃水処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】イトミミズは、
活性汚泥系では通常に発生するものであり、過剰に増殖
しなければ問題が生じるものではないため、本発明者ら
は、好気性槽の固定床担体におけるイトミミズの過剰増
殖のみを防止するという観点で検討を行った。その結
果、イトミミズの餌となる細菌の担体への付着量、
好気性槽における担体と汚泥混合水との相対流速、担
体の材質及び形状、好気性槽への流入繊維質の4つの
要因がイトミミズの過剰増殖に影響し、中でもとの
影響が大きいことを見い出した。そして、さらに検討を
行った結果、下記の知見を得た。
【0018】(A)のイトミミズの餌となる細菌の担
体への付着量については、次の通りである。すなわち、
好気性槽においてはBOD酸化反応と硝化反応が起こる
が、イトミミズの餌となる担体への付着汚泥の増加はB
OD酸化反応時に盛んになる。このBOD酸化反応は主
に好気性槽の上流側で起こり、その後硝化反応が進む。
硝化菌は、BOD酸化菌に比較して汚泥転換率や増殖速
度が低いため、硝化反応時には担体への付着汚泥の増加
量も少ない。よって、好気性槽を上流側から下流側にか
けて配列された2以上の分割槽により構成し、最前段の
分割槽より後段の分割槽の少なくとも1つに固定床担体
を設置すること、つまり好気性槽の前段側でBOD成分
を除去し、硝化機能向上のための担体は、好気性槽の後
段側に設置することにより、担体への付着汚泥量を減少
させてイトミミズの異常増殖を防止することができる。
【0019】(B)の好気性槽における担体と汚泥混
合水との相対流速については、固定床担体を設置した分
割槽に該担体を洗浄する洗浄機構を設け、担体を通常処
理時より速い流速で定期的に洗浄して担体に付着したイ
トミミズを剥離して排除することにより、イトミミズの
異常増殖を防止することができる。
【0020】(C)の担体の材質及び形状について
は、次の通りである。すなわち、当初の実験では直径1
5〜25mmの多孔質の焼成骨材からなる担体を使用し
たが、焼成骨材にイトミミズが絡まりやすく、また焼成
骨材と焼成骨材の間隙部分が汚泥によって閉塞してその
部分にイトミミズが過剰増殖した。これに対し、ネット
状担体、特に目開きが20mm以上で表面が平滑な担体
は、イトミミズがネットに絡まりにくく、また汚泥によ
って目開き部分が閉塞されにくいので、分割槽に設置す
る固定床担体をネット状担体とすることにより、イトミ
ミズの異常増殖を防止することができる。
【0021】(D)の好気性槽への流入繊維質につい
ては、流入する繊維質は担体に絡まりやすく、そこにイ
トミミズが付着しやすい。そこで、嫌気性槽から好気性
槽の流入部に至る間に水中に存在する繊維質を捕捉する
繊維質捕捉部材を設置し、好気性槽に流入する繊維質を
なくすことにより、イトミミズの異常増殖を防止するこ
とができる。
【0022】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、前段側から後段側にかけて順次設置された嫌気性
槽、無酸素槽、好気性槽及び沈澱槽と、沈殿槽で分離し
た汚泥の一部を返送汚泥として嫌気性槽に送る返送汚泥
管と、好気性槽における好気性処理で生じた汚泥混合水
の一部を循環混合水として無酸素槽に送る混合水循環管
とを具備し、リン、窒素及びBOD成分を含む有機性廃
水を嫌気性槽に供給するとともに、返送汚泥管を通して
沈澱槽から嫌気性槽に返送汚泥を供給して、該嫌気性槽
で嫌気性処理を行い、次いで嫌気性槽における嫌気性処
理で生じた汚泥混合水を無酸素槽に供給するとともに、
混合水循環管を通して好気性槽から無酸素槽に循環混合
水を供給して、該無酸素槽で無酸素処理を行い、次いで
無酸素槽における無酸素処理で生じた汚泥混合水を好気
性槽に供給して、該好気性槽で好気性処理を行うととも
に、好気性槽における好気性処理で生じた汚泥混合水の
一部を前記循環混合水とし、次いで好気性槽における好
気性処理で生じた汚泥混合水の残部を沈澱槽に供給し
て、該沈澱槽で固液分離を行い、分離した汚泥の一部を
前記返送汚泥とするとともに、残部を余剰汚泥として系
外に取り出す有機性廃水処理装置において、前記好気性
槽を上流側から下流側にかけて配列された2以上の分割
槽により構成し、最前段の分割槽より後段の分割槽の少
なくとも1つに固定床担体を設置するとともに、固定床
担体を設置した分割槽に該固定床担体を洗浄する洗浄機
構を設けたことを特徴とする有機性廃水処理装置(第1
発明)を提供する。
【0023】また、本発明は、分割槽に設置する固定床
担体がネット状担体である前記の有機性廃水処理装置
(第2発明)を提供する。さらに、本発明は、嫌気性槽
から好気性槽の流入部に至る間に水中に存在する繊維質
を捕捉する繊維質捕捉部材を設置した前記の有機性廃水
処理装置(第3発明)を提供する。
【0024】第1〜第3発明において、好気性槽は、通
常は2つの分割槽で構成するが、3つ以上の分割槽で構
成してもよい。分割槽を3つ以上設けた場合、固定床担
体は最前段の分割槽より後段の分割槽の1つに設置して
もよく、2つ以上に設置してもよいが、最後段の分割槽
のみに設置することが担体への付着汚泥量を減少させる
点で望ましい。また、分割槽は、好気性槽を仕切り板で
仕切ることにより形成してもよく、複数の分割槽を別個
に形成してもよい。
【0025】第1発明における固定床担体としては、必
ずしも制限されないが、ネット状担体、例えば合成樹脂
製のネット状担体を用いることが担体にイトミミズが絡
まることを防止する点で好ましい(第2発明)。かかる
合成樹脂製のネット状担体としては、例えば、図2
(a)〜(d)において60で示すような合成樹脂製の
筒状ネット、図3(a)〜(b)において70で示すよ
うな合成樹脂製の平面状ネットが挙げられる。この場
合、ネット状担体としては、表面が平滑で目開き(目の
大きさ)が10mm以上、特に20〜40mmのものが
目開き部分の汚泥による閉塞を防止する点で望ましい。
【0026】固定床担体としては、図2に示したような
合成樹脂製の筒状ネットを水平にして積み重ねた状態で
配置することが特に好ましい。この場合、筒状ネットと
しては、目開きが前記の範囲で、比表面積が20〜20
0m2/m3、かつ空隙率(ネット骨格の容積/筒体容
積)が80%以上、特に90〜98%のものを好適に使
用することができる。また、分割槽への筒状ネットの設
置量(充填量)は、該分割槽の容量に対し10〜100
容量%とすることが適当である。
【0027】固定床担体を洗浄する洗浄機構の構成に限
定はなく、担体に付着したイトミミズを除去できるもの
であればどのような構成であってもよいが、例えば、気
体のバブリングにより固定床担体を洗浄するもの、水流
により固定床担体を洗浄するもの等を好適に採用するこ
とができる。
【0028】第3発明で用いる繊維質捕捉部材として
は、例えば、目開き(目の大きさ)が1mm以上、特に
5〜30mmの平板状の格子スクリーンを用いることが
できるが、これに限定されるものではない。繊維質捕捉
部材の設置位置は、好気性槽に繊維質が流入することを
防止できればよいので、好気性槽の流入部より上流側で
あればどこでもよいが、嫌気性槽の原水流入部に設置す
ることが適当である。
【0029】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。図
1は本発明に係る有機性廃水処理装置の一実施例を示す
フロー図である。図1において、図4の装置と同一構成
の部分には同一の参照符号を付してその説明を省略す
る。
【0030】図1の装置においては、好気性槽6内が前
後方向ほぼ中間部で仕切り板40によって仕切られ、こ
れにより好気性槽6が前段分割槽42及び後段分割槽4
4の2つの分割槽に分割されている。そして、仕切り板
40の下方を通って前段分割槽42から後段分割槽44
に汚泥混合水が流れるようになっている。また、後段分
割槽44内には、固定床担体46が配置されているとと
もに、該固定床担体46を洗浄する洗浄機構として洗浄
用散気装置48が設置され、洗浄用散気装置48からの
空気のバブリングによって固定床担体46が洗浄される
ようになっている。さらに、嫌気性槽2の原水入口部に
は、原水中に存在する繊維質を捕捉するための繊維質捕
捉部材50が取り付けられている。なお、図1の装置に
よる処理原理については、図4の装置と同様であるから
説明を省略する。
【0031】[実験例]図1の装置を用いてリン、窒素
及びBOD成分を含む有機性廃水の処理を行った(本発
明例)。原水としては下水の初沈流出水を用い、混合水
循環管24による循環混合水の循環量は原水量に対して
100容量%、返送汚泥管20による返送汚泥量は原水
量に対して30容量%、処理水温は14℃とした。固定
床担体46としては、外径110mm、内径100m
m、目開き20mm×20mm、比表面積42m2
(m3担体)、空隙率97%のポリエチレンからなる筒
状ネット(図2(a)のもの)を用い、この筒状ネット
を水平にして積み重ねた状態で後段分割槽44の容量に
対し40容量%充填した。繊維質捕捉部材50として
は、目開き5mm×5mmの平板状の格子スクリーンを
用いた。また、洗浄用散気装置48による固定床担体4
6の洗浄は、1日1回20分間行った。この場合、洗浄
用散気装置48からの空気の散気量は、通常運転時の散
気量(散気装置26からの散気量)の約3倍とした。
【0032】比較のため、図4に示した従来の装置を用
い、同じ原水、同じ条件によりリン、窒素及びBOD成
分を含む有機性廃水の処理を行った(比較例)。ただ
し、好気性槽6(分割せず)には、固定床担体として、
本発明例と同じ筒状ネットを水平にして積み重ねた状態
で好気性槽6全体の容量に対し20容量%充填した。ま
た、繊維質捕捉部材は設置せず、固定床担体の定期的な
洗浄は行わなかった。
【0033】処理条件及び処理開始1ヶ月後の処理水の
水質を表1に示す。処理水の水質を比較すると、好気性
槽6を分割することなく固定床担体を配置した比較例
は、NH4 +−Nは11.7mg/l、PO4 3-−Pは
1.84mg/lであったのに対し、好気性槽6を分割
して後段分割槽44に固定床担体46を配置した本発明
例は、NH4 +−Nは0.68mg/l、PO4 3-−Pは
0.26mg/lと良好であることがわかった。また、
処理開始1ヶ月後において、比較例では固定床担体にイ
トミミズが異状に増殖して付着し、しかもスカムや悪臭
が発生したのに対し、本発明例ではイトミミズの異常増
殖は起こらず、スカムや悪臭の発生も抑制されていた。
したがって、本実験例により、本発明の効果が確認され
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、好気性
槽に投入した固定床式担体の付着汚泥量の増加を抑制し
て、イトミミズの過剰増殖を防止することができ、した
がって処理水の水質低下や、スカム、悪臭の発生を抑制
しつつ、好気性槽における硝化反応の効率化、被処理水
の滞留時間の短時間化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機性廃水処理装置の一実施例を
示すフロー図である。
【図2】(a)〜(d)はそれぞれ合成樹脂製の筒状ネ
ットの一例を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(b)はそれぞれ合成樹脂製の平面状
ネットの一例を示す正面図である。
【図4】従来の有機性廃水処理装置の一例を示すフロー
図である。
【符号の説明】 2 嫌気性槽 4 無酸素槽 6 好気性槽 8 沈澱槽 10 有機性廃水流入管 18 処理水流出管 20 返送汚泥管 22 余剰汚泥管 24 混合水循環管 26 散気装置 40 仕切り板 42 前段分割槽 44 後段分割槽 46 固定床担体 48 洗浄用散気装置 50 繊維質捕捉部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前段側から後段側にかけて順次設置され
    た嫌気性槽、無酸素槽、好気性槽及び沈澱槽と、沈殿槽
    で分離した汚泥の一部を返送汚泥として嫌気性槽に送る
    返送汚泥管と、好気性槽における好気性処理で生じた汚
    泥混合水の一部を循環混合水として無酸素槽に送る混合
    水循環管とを具備し、リン、窒素及びBOD成分を含む
    有機性廃水を嫌気性槽に供給するとともに、返送汚泥管
    を通して沈澱槽から嫌気性槽に返送汚泥を供給して、該
    嫌気性槽で嫌気性処理を行い、次いで嫌気性槽における
    嫌気性処理で生じた汚泥混合水を無酸素槽に供給すると
    ともに、混合水循環管を通して好気性槽から無酸素槽に
    循環混合水を供給して、該無酸素槽で無酸素処理を行
    い、次いで無酸素槽における無酸素処理で生じた汚泥混
    合水を好気性槽に供給して、該好気性槽で好気性処理を
    行うとともに、好気性槽における好気性処理で生じた汚
    泥混合水の一部を前記循環混合水とし、次いで好気性槽
    における好気性処理で生じた汚泥混合水の残部を沈澱槽
    に供給して、該沈澱槽で固液分離を行い、分離した汚泥
    の一部を前記返送汚泥とするとともに、残部を余剰汚泥
    として系外に取り出す有機性廃水処理装置において、前
    記好気性槽を上流側から下流側にかけて配列された2以
    上の分割槽により構成し、最前段の分割槽より後段の分
    割槽の少なくとも1つに固定床担体を設置するととも
    に、固定床担体を設置した分割槽に該固定床担体を洗浄
    する洗浄機構を設けたことを特徴とする有機性廃水処理
    装置。
  2. 【請求項2】 分割槽に設置する固定床担体がネット状
    担体である請求項1に記載の有機性廃水処理装置。
  3. 【請求項3】 嫌気性槽から好気性槽の流入部に至る間
    に水中に存在する繊維質を捕捉する繊維質捕捉部材を設
    置した請求項1又は2に記載の有機性廃水処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007105974A1 (en) * 2006-03-10 2007-09-20 Tecnia-Processos E Equipamentos Industriais E Ambientais Biological process for wastewater treatment

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