JPH09107935A - 松の芽エキスを含む合成飲料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】松の芽エキスの苦みを除去し、松の独得の天然
の芳香を維持し、松の薬理効果を与える健康飲料の提
供。 【解決手段】松の芽エキス、松針葉エッセンス、ビタミ
ンＣ、白砂糖、フルクトース、クエン酸、リンゴ酸及び
クエン酸ナトリウムからなる飲料組成物。又松の芽及び
水を８０〜９０℃で１５〜１８時間加熱、濾過、濃縮
し、得られた濃縮物とグルコースシロップとを混合して
松の芽エキスを得、得られた松の芽エキスと前記添加剤
とを混合して飲料組成物を得るようにした飲料組成物の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、松の芽エキスを含
む飲料組成物に関し、特に松の芽エキスの苦みを除去
し、独特の天然の芳香及び香りのみならず、松の薬理学
的効果を与える健康飲料組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】松科(Pinaceae family）は、Pinus Dens
ifulora 、Pinus Koraiensis 及びPinus Thunbergiiか
らなる。関連する文献は、松の或る部分が種々の薬理効
果を示すことを報告している。例えば、それは血液クロ
ット(coagulum)を溶解し、血液の流れを促進し、悪寒、
通風、炎症、気管支喘息等を防ぎ、治し、鎮痛剤、特に
慢性関節リウマチのための鎮痛剤として働く。［例え
ば、Erganzungsbuch zum Deutschen Arzneibuch, Bunde
sanzeiger Nr. 173 vom 18.09.1986］。

【０００３】松の芽エキスは、喫煙、飲酒、乗り物排気
ガス、汚染物等の日常の「健康阻害」を打ち消し、都市
住民の健康を維持し、或は改善するのに薬理学的効果を
有することが分かっている。

【０００４】松の芽エキスは、そのような薬理効果を得
るために民間療法としてよく用いられてきた。上記文献
は、１／４リットルの水の中にティースプーン１〜２杯
の松の芽を１０〜１５分間煎じ、それをこすことにより
煎じ汁を作る方法を教えている。それはハチミツで甘く
してもよい。

【０００５】松の薬理効果を与える新鮮な美味しい健康
飲料が、生活のあらゆる方面から人々によって非常に望
まれている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、（ａ） 松の芽エキスの苦みを除去し、（ｂ） 松
の独特の天然の芳香及び香りを維持し、そして（ｃ）
松の薬理効果を与える、組成物を与えることである。

【０００７】我々は、松の芽エキスの１日の有効投与量
と種々の添加剤とを一緒にし、それらの比率を調節する
ことにより種々の松組成物を調製し、次に各松組成物に
ついて知覚試験を行なった。

【０００８】或る配合(constituency)が、松の芽エキス
に固有の苦みをもたない最良の味覚を与え、然もその配
合からの僅かな隔たりでも香り、芳香及び口触りに劇的
な影響を与えることが発見された。

【０００９】

【課題を解決するための手段】特に、０．２〜０．５％
の松の芽エキスを、０．０４〜０．１％の松針葉エッセ
ンス、０．１〜０．５％のビタミンＣ、３〜４％の白砂
糖、５〜６％のフルクトース、０．１〜０．２％のクエ
ン酸、０．０３〜０．０５％のリンゴ酸、及び０．０４
〜０．０５％のクエン酸ナトリウム（これらの％は組成
物の全重量に基づく）と一緒にすると、得られた組成物
は最良の味覚を与え、前記成分比の一つ以上の僅かな変
動でも、全体的良さに甚だしい影響を与えることになる
ことが見出された。

【００１０】本発明は、０．２〜０．５％の松の芽エキ
ス、０．０４〜０．１％の松針葉エッセンス、０．１〜
０．５％のビタミンＣ、３〜４％の白砂糖、５〜６％の
フルクトース、０．１〜０．２％のクエン酸、０．０３
〜０．０５％のリンゴ酸、及び０．０４〜０．０５％の
クエン酸ナトリウムからなる飲料組成物を与える。

【００１１】組成物の色を変えるため、天然産顔料を更
に添加してもよい。それらは０．０１〜０．０２％で用
いるのが好ましい。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明で用いる松の芽の原料は、
３月及び４月中に若い松の枝の茎頂から成長したもので
ある。しかし、当業者には、全ての種類の松が同じか又
は比較的類似した薬理効果を持つので、松の種類の選択
は重要ではないことが分かるであろう。

【００１３】本発明で用いる松の芽エキスは、次の手順
によって製造する。４００ｋｇのPinus Densifulora 芽
及び５０００リットルの精製を８０℃〜９０℃に１５〜
１８時間加熱することにより融合(coalesce)し、次に１
０μｍのナイロンフィルターで濾過する。濾液を真空薄
膜プレート蒸発器を用いて６０ｋｇの体積まで濃縮す
る。得られた濃縮物を４０ｋｇのグルコースシロップと
混合し、１００ｋｇの希望の松の芽エキスを生成する。
その抽出生成物は、６２〜６７体積％の固体を含む。

【００１４】松針葉エッセンス(pine needle essence）
は、次の手順に従い製造する。スイスのエミルフラクス
マン社(Emilflachsmann AG）から商品名パイン・フレー
バー(Pine Flavor）として入手された松針葉油を、タン
ク中でエチルアルコール及び精製水と混合し、低い速度
（約１０ｒｐｍ）で１０分間撹拌する。次にその混合物
を低温で少なくとも２０時間放置し、次に濾過する。濾
液を更に室温で２４時間放置し、松針葉エッセンスを形
成する。松針葉エッセンスは淡黄色で、濃厚な松の芳香
を有する。

【００１５】本発明の飲料組成物は、次の手順に従って
製造する。抽出生成物を、クエン酸、リンゴ酸、及びク
エン酸ナトリウムと混合し、穏やかに撹拌する。ビタミ
ンＣ、松針葉エッセンス及び天然産顔料を混合物に添加
し、再び撹拌する。別法として、クエン酸、リンゴ酸、
クエン酸ナトリウム、ビタミンＣ、松針葉エッセンス及
び天然産顔料を一緒に混合し、撹拌した後、松抽出生成
物を添加する。

【００１６】人間が飲むのに適したようにする、組成物
の最終段階は、次の手順に従って完了させる。上で得ら
れた組成物を精製水に完全に溶解させる。それから得ら
れた溶液を少なくとも２００メッシュに通し、然る後、
缶又は瓶に詰める。次にそれを９０℃で５〜１０分間殺
菌し、冷蔵庫に保存する。別法として、少なくとも２０
０メッシュに通した溶液を４〜８℃に冷却し、然る後、
炭酸ガスの圧力を１〜１．５ｋｇ／ｃｍ² に調節したタ
ンクを用いて溶液中に炭酸ガスを注入する。後の殺菌を
７０℃〜７５℃の温度で５〜１０分行う。

【００１７】本発明による飲料組成物を製造する全手順
は、次のように図示することができる。 松の芽の秤量（４００ｋｇ） ｜ 精製水（５０００リットル）の添加 ｜ 融合及び加熱（８０〜９０℃、１５〜１８時間） ｜ 濾過（１０μｍナイロンフィルター） ｜ 濃縮（真空薄膜プレート蒸発器） ｜ グルコースシロップ（４０ｋｇ）を添加して松の芽エキス（１００ｋｇ）を生 成する ｜ クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、フルクトース、砂糖、ビタミンＣ 、松針葉エッセンス、及び天然産顔料を秤量する ｜ クエン酸、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸、フルクトース、及び砂糖を撹拌器 中で水に溶解させる ｜ 松の芽エキスの添加 ｜ ビタミンＣ、松針葉エッセンス及び天然産顔料を添加する ｜ 精製水を１００％まで添加する ｜ ビタミンＣ、松針葉エッセンス及び天然産顔料を添加する ｜ 撹拌 ｜ 濾過（少なくとも２００メッシュ） ／ ＼ 濾液を缶又は瓶に詰める 濾液の冷却（４〜８℃）、炭酸ガス注入 ｜ （１〜１．５ｋｇ／ｃｍ² ） 殺菌（９０℃、５〜１０分） ｜ ｜ 缶又は瓶に詰める 冷却保存 ｜ 殺菌（７０〜７５℃、５〜１０分） ｜ 冷却保存

【００１８】別の態様として、本発明は、飲料組成物
で、その組成物の全重量に基づき、０．２〜０．５％の
松の芽エキスと、０．０４〜０．１％の松針葉エッセン
ス、０．１〜０．５％のビタミンＣ、３〜４％の白砂
糖、５〜６％のフルクトース、０．１〜０．２％のクエ
ン酸、０．０３〜０．０５％のリンゴ酸、及び０．０４
〜０．０５％のクエン酸ナトリウムからなる飲料組成物
の製造方法であって、松の芽及び水を８０℃〜９０℃の
温度に１５〜１８時間加熱することにより融合し、その
融合物を１０μｍのナイロンフィルターに通して濾過
し、濾液を濃縮し、得られた濃縮物とグルコースシロッ
プとを６：４の比で混合して松の芽エキスを得、得られ
た松の芽エキスと前記添加剤とを混合して飲料組成物を
得るようにした飲料組成物の製造方法を与える。

【００１９】

【実施例】次の実施例は単に例示のためにのみ与えられ
ており、全ての％は重量による。 実施例１ ０．０５％の松針葉エッセンス、０．１％のビタミン
Ｃ、５．８５％のフルクトース、３．８７％の白砂糖、
０．１２％のクエン酸、０．０３％のリンゴ酸、０．０
４％のクエン酸ナトリウム、及び０．０２％のガルデニ
ア(Gardenia)ブルー顔料を少量の精製水に完全に溶解
し、０．２％の別に調製した松の芽エキスをその溶液に
添加し、希釈飲料組成物を生成させる。その組成物をマ
スシリンダー(mass cylinder）中に入れ、その中に次に
８９．７７％の精製水を添加して希釈飲料組成物を生成
した。このようにして得られた飲料組成物を２００メッ
シュに通し、缶に詰め、それを次に９０℃の温度で１０
分間殺菌した。

【００２０】実施例１による飲料組成物２５０ｍｌは、
松の最低限の薬理効果を示すと考えられる松の芽２ｇに
相当する。

【００２１】実施例２ 実施例１で用いたのと同じ量の松針葉エッセンス、ビタ
ミンＣ、フルクトース、白砂糖、クエン酸、リンゴ酸、
クエン酸ナトリウム、及び天然産顔料を少量の精製水に
完全に溶解させ、０．２％の別に調製した松の芽エキス
をその溶液に添加して飲料組成物を製造した。その組成
物をマスシリンダー中に入れ、その中に次に８９．７７
％の精製水を添加して希釈飲料組成物を生成した。この
ようにして得られた飲料組成物を２００メッシュに通
し、８℃に冷却した。８℃の温度を維持しながら、炭酸
ガスをその冷却組成物中に、炭酸ガスを１．５ｋｇ／ｃ
ｍ²に加圧したタンクを用いて注入した。注入が完了し
た後、得られた溶液を缶に詰め、それを次に７５℃の温
度で８分間殺菌した。

【００２２】実施例３ 実施例１の場合と同様なやり方で飲料組成物を製造し
た。但し、次の組成を用いた。

【００２３】実施例４ 実施例１の場合と同様なやり方で飲料組成物を製造し
た。但し、次の組成を用いた。

【００２４】実施例５ 実施例１の場合と同様なやり方で飲料組成物を製造し
た。但し、次の組成を用いた。

【００２５】実施例６ 実施例１の場合と同様なやり方で飲料組成物を製造し
た。但し、次の組成を用いた。

【００２６】実施例７ 実施例１の場合と同様なやり方で飲料組成物を製造し
た。但し、次の組成を用いた。

【００２７】知覚試験実施例１〜７の飲料組成物につい
て知覚試験を２度行い、１回目の試験と２回目の試験と
の間を一週間あけた。この試験に２０名の専門の食通が
参加した。飲料組成物を次の基準に従って評価した。 １＝不可（very unpleasant)。 ２＝可(unpleasant)。
３＝良(moderate)。４＝優（excellent)。 ５＝秀
（outstanding)。

【００２８】試験の結果を下の表Ｉに示す。その値は２
回の結果の平均値として示してある。

【００２９】 表Ｉ 試験項目 実施例番号 １ ３ ４ ５ ６ ７ 芳香 3.8 4.0 3.8 3.9 3.9 4.0 香り 4.2 4.1 4.3 4.2 4.0 4.2 口当たり 4.1 4.0 4.1 4.2 4.3 4.1 色 4.0 4.2 4.1 3.9 4.2 4.2 全体的良さ 4.3 4.2 4.0 4.1 4.2 4.0

【００３０】表Ｉの結果は、本発明の飲料組成物が味覚
及び生理学的効果に関して商業的に有利であることを示
していることは当業者に認められるであろう。

【００３１】実施例８〜１２による飲料組成物を、実施
例１に記載したようにして製造した。但し、成分を下の
表IIに例示するように変えた。

【００３２】 表II 成分 実施例番号 ８ ９ １０ １１ １２ 松の芽エキス 0.25 0.2 0.3 0.2 0.25 松針葉エッセンス 0.03 0.04 0.035 0.05 0.045 ビタミンＣ 0.1 0.15 0.1 0.1 0.1 フルクトース 7 6 5.5 6 5 白砂糖 3 5 5 4.5 5 クエン酸 0.13 0.15 0.17 0.15 0.13 クエン酸ナトリウム 0.05 0.04 0.03 0.03 0.04 リンゴ酸 0.03 0.03 0.04 0.045 0.045 顔料 0.01 0.02 0.015 0.015 0.02 精製水 89.4 89.37 88.81 88.91 90.37

【００３３】実施例８〜１２の飲料組成物に知覚試験を
適用した。その結果を下の表III に示す。

【００３４】 表III 試験項目 実施例番号 ８ ９ １０ １１ １２ 芳香 3.2 3.6 3.3 3.4 3.2 香り 3.0 3.2 3.1 2.9 3.1 口当たり 3.1 3.2 3.0 2.8 3.2 色 3.9 4.1 4.2 4.1 4.2 全体的良さ 3.0 3.2 3.1 3.1 3.0

【００３５】表II及びIII に例示したように、本発明の
特徴的配合から僅かにずれただけでも味覚に劇的な影響
を与える結果になることが分かる。

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１１月１７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項２

【補正方法】変更

【補正内容】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１３】本発明で用いる松の芽エキスは、次の手順
によって製造する。４００ｋｇのPinus Densifulora 芽
を８０℃〜９０℃に保たれた精製水５０００リットル中
に１５〜１８時間浸漬し、次にこれを１０μｍのナイロ
ンフィルターで濾過する。濾液を真空薄膜プレート蒸発
器を用いて６０ｋｇの体積まで濃縮する。得られた濃縮
物を４０ｋｇのグルコースシロップと混合し、１００ｋ
ｇの希望の松の芽エキスを生成する。その抽出生成物
は、６２〜６７体積％の固体を含む。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】別の態様として、本発明は、飲料組成物
で、その組成物の全重量に基づき、０．２〜０．５％の
松の芽エキスと、０．０４〜０．１％の松針葉エッセン
ス、０．１〜０．５％のビタミンＣ、３〜４％の白砂
糖、５〜６％のフルクトース、０．１〜０．２％のクエ
ン酸、０．０３〜０．０５％のリンゴ酸、及び０．０４
〜０．０５％のクエン酸ナトリウムからなる飲料組成物
の製造方法であって、松の芽を予め８０℃〜９０℃に加
熱した水に漬け、その水温を１５〜１８時間持続させて
松の芽から水溶性の成分を抽出し、その抽出された成分
を含む水を１０μｍのナイロンフィルターに通して濾過
し、濾液を濃縮し、得られた濃縮物とグルコースシロッ
プとを６：４の比で混合して松の芽エキスを得、得られ
た松の芽エキスと前記添加剤とを混合して飲料組成物を
得るようにした飲料組成物の製造方法を与える。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ６１Ｋ 35/78 ＡＣＢ Ａ６１Ｋ 35/78 ＡＣＤ ＡＣＤ ＡＤＭ ＡＤＭ Ａ２３Ｌ 2/00 Ｆ (71)出願人 595156388 Ｃｈｅｉｌ Ｂｕｉｌｄｉｎｇ，ＮａｍＤ ａｅＭｏｏｎ−ｒｏ ５−ｋａ 500，Ｊ ｕｎｇ− Ｋｕ，Ｓｅｏｕｌ，Ｋｏｒｅａ (72)発明者 ソー、ミン、パーク 大韓民国、ソウル、ガングソオ−ク、ガヤ ング−ドング146−５ (72)発明者 ジエオング、ワン、キム 大韓民国、ソウル、ノウオン−ク、サング グキア−ドング 670、ジユゴング アパ ート 909−ドング 605−ホー (72)発明者 ホー、キム 大韓民国、キユンギ−ドー、ゴヤング市、 マドー−ドング、ガングチヨン 309− 2102 (72)発明者 ウオーン、ヨウング、ゴング 大韓民国、ソウル、ガングナム−ク、サム スング−ドング、サンガアパート ３−ド ング 906−ホー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料組成物で、その組成物の全重量に基
   づき、０．２〜０．５％の松の芽エキス、０．０４〜
   ０．１％の松針葉エッセンス、０．１〜０．５％のビタ
   ミンＣ、３〜４％の白砂糖、５〜６％のフルクトース、
   ０．１〜０．２％のクエン酸、０．０３〜０．０５％の
   リンゴ酸、及び０．０４〜０．０５％のクエン酸ナトリ
   ウムからなる飲料組成物。
2. 【請求項２】 飲料組成物で、その組成物の全重量に基
   づき、０．２〜０．５％の松の芽エキスと、０．０４〜
   ０．１％の松針葉エッセンス、０．１〜０．５％のビタ
   ミンＣ、３〜４％の白砂糖、５〜６％のフルクトース、
   ０．１〜０．２％のクエン酸、０．０３〜０．０５％の
   リンゴ酸、及び０．０４〜０．０５％のクエン酸ナトリ
   ウムとからなる飲料組成物の製造方法であって、松の芽
   及び水を８０℃〜９０℃の温度に１５〜１８時間加熱す
   ることにより融合し、その融合物を濾過し、濾液を濃縮
   し、得られた濃縮物とグルコースシロップとを混合して
   松の芽エキスを得、得られた松の芽エキスと前記添加剤
   とを混合して飲料組成物を得るようにした飲料組成物の
   製造方法。
3. 【請求項３】 濾過を１０μｍのナイロンフィルターを
   用いて行う、請求項２に記載の方法。
4. 【請求項４】 前記濃縮物対グルコースシロップの比が
   ６：４である、請求項２に記載の方法。