JPH09107183A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JPH09107183A
JPH09107183A JP26516195A JP26516195A JPH09107183A JP H09107183 A JPH09107183 A JP H09107183A JP 26516195 A JP26516195 A JP 26516195A JP 26516195 A JP26516195 A JP 26516195A JP H09107183 A JPH09107183 A JP H09107183A
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猛 八月朔日
Toyoaki Kishi
豊昭 岸
Sei Nakamichi
聖 中道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アンダーコート剤をコートした内層回路板と
熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔とのラミネート後の一体
硬化が良好に行われること。 【解決手段】 エポキシ樹脂含浸ガラスクロス基板から
なる内層回路板に下記の(イ)〜(ホ)からなる光・熱
硬化型アンダーコート剤を塗工し、活性エネルギー線照
射によりタックフリー化させた後、熱硬化型絶縁性接着
剤層を有する銅箔をラミネートし、次いで、加熱により
一体硬化することを特徴とする多層プリント配線板の製
造方法。 (イ)分子量500以上の常温固形状態にあるエポキシ
樹脂、(ロ)エポキシ樹脂硬化剤、(ハ)グリシジルア
クリレート又はグリシジルメタクリレート、(ニ)ヒド
ロキシエチルアクリレート又はヒドロキシエチルメタク
リレート、(ホ)光重合開始剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
照射による低コストで生産性の高いタックフリー化と熱
による本硬化からなる新しい多層プリント配線板用光・
熱硬化型アンダーコート剤及び熱硬化型絶縁性接着剤層
を有する銅箔を提供するものであり、更に、このアンダ
ーコート剤と熱硬化型絶縁性接着剤層を有する銅箔を用
い、低コスト、短時間で製造できる簡素化された多層プ
リント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、電子機器の小型
化、多機能化が進み、更に高密度化の方向に移行してい
る。即ち、回路の細線化、高多層化、バイアホールの小
径化、薄型化等の方向に進んでいる。従来、多層プリン
ト配線板を製造する場合、回路作成された内層回路基板
上にガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸して半硬化
させたプリプレグシートを1枚以上重ね、更にその上に
銅箔を重ね熱板プレスにて加熱一体成形するという工程
を経ている。しかし、この工程では含浸樹脂を熱により
再流動させ一定圧力下で硬化させるため、均一に硬化成
形するには1〜1.5時間は必要である。このように製
造工程が長くかかる上に、多層積層プレス及びガラスク
ロスプリプレグのコスト等により高コストとなってい
る。加えてガラスクロスに樹脂を含浸させる方法のため
層間厚の極薄化も困難であった。
【0003】近年、これらの問題を解決するため、熱板
プレスによる加熱加圧成形を行わず、層間絶縁材料にガ
ラスクロスを用いない、ビルドアップ方式による多層プ
リント配線板の技術が改めて注目されている。ビルドア
ップ方式による多層プリント配線板において、銅箔の粗
面化面に絶縁樹脂層を形成した銅張絶縁シートを用いた
り、ガラスクロス基材にエポキシ樹脂を含浸して半硬化
させたプリプレグシートの代わりにフィルム状の層間絶
縁樹脂層を用いた場合、プリプレグで層間絶縁樹脂層を
形成する方法と比べて作業効率が著しく向上する。しか
し、内層回路板の絶縁基板と回路との段差部分にある空
気を完全に除去することができず、空気が残り、気泡が
発生し、絶縁不良やハンダ耐熱性が悪くなり、また層間
剥離が生じることがあり問題となっている。それを防止
するためは、減圧の環境下でラミネートを行わねばなら
ず、特殊な設備が必要になってくる。また、ラミネート
した絶縁層が内層回路板の絶縁基板と回路との段差に追
従するため、表面平滑性が得られず、部品実装時に半田
付け不良等が発生したり、エッチングレジスト形成工程
でレジストの剥離、パターン現像度低下が発生して安定
したレジスト形成ができない等の問題がある。
【0004】さらに、プリプレグを使用した場合も同様
であるが、内層回路パターンの銅箔残存率によって埋め
込む樹脂量が変化することから同じ銅張絶縁シートある
いはフィルム状の層間絶縁樹脂層を使用しても成形後の
板厚が同じにならない。つまり、銅箔残存率が大きく埋
め込むべき部分が少ない場合は板厚が厚くなり、銅箔残
存率が小さく埋め込むべき部分が多い場合は板厚が薄く
なることから、銅箔残存率によってフィルム厚も変えな
ければ同じ板厚を達成することができない。また、一枚
の内層回路板でも場所により銅箔残存率に差がある場合
には得られた多層プリント配線板の板厚が均一にならな
い等欠点が生じ問題とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記熱板プ
レスで成形する方式や従来のビルトアップ方式で得られ
る多層プリント配線板に対して、薄型で、厚みのバラツ
キも小さい、表面が平滑な高密度実装に適した多層プリ
ント配線板の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ樹脂
含浸ガラスクロス基材からなる内層回路板に光・熱硬化
型アンダーコート剤を塗工し、活性エネルギー線照射に
よりタックフリー化させた後、熱硬化型絶縁性接着剤層
を有する銅箔をラミネートし、次いで、加熱により一体
硬化することを特徴とする多層プリント配線板の製造方
法である。即ち本発明は、エポキシ樹脂含浸ガラスクロ
ス基材からなる内層回路板にスクリーン印刷、ローラー
コーター、カーテンコーターなどで液状のアンダーコー
ト剤を塗工して、内層回路板の銅箔回路間隙を充填し、
UV照射コンベア等の露光機によって活性エネルギー線
照射により該アンダーコート剤をタックフリー化させ
る。その後、未硬化又は半硬化の熱硬化型絶縁性接着剤
付き銅箔をアンダーコート剤をコートした内層回路板に
加熱されたロール等で片面づつ又は両面同時にラミネー
トし接着させる。そして、ラミネート後加熱して光・熱
硬化型アンダーコート剤と熱硬化型絶縁性接着剤付き銅
箔とを同時一体硬化反応させることにより多層プリント
配線板を作成することができる。ラミネートする際、ア
ンダーコート剤もロールで加熱されることによりを再溶
融され、ロール圧により厚みが平均化されるため、銅箔
面の表面平滑性を得ることができる。またそのとき、銅
箔にコートされた熱硬化型絶縁接着剤は重量平均分子量
10000以上のエポキシ樹脂成分により形状を維持し
たまま、すなわち層間厚みを保った状態で接着されるた
め、内層銅箔残存率に依存することなく多層プリント配
線板の厚みもバラツキもなく平均化され、板厚精度に優
れた多層プリント配線板を作製することができる。
【0007】本発明において、アンダーコート層に用い
られるアンダーコート剤は内層回路板の銅箔回路間隙を
充填し、内層回路表面を平滑化するもので、下記の成分
(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)及び(ホ)からなるこ
とを特徴とするものである。 (イ)常温で固形状態にあるエポキシ樹脂、(ロ)エポ
キシ樹脂硬化剤、(ハ)光重合性及び熱反応性モノマー
として、1分子中に1個以上のアクリロイル基又はメタ
クリロイル基及び1個以上のグリシジル基を有する化合
物、(ニ)1分子中に1個以上のアクリロイル基又はメ
タクリロイル基及び1個以上のヒドロキシル基を有する
化合物、(ホ)光重合開始剤。
【0008】本発明に用いられる(イ)成分の常温で固
形状態のエポキシ樹脂は、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、または、これらの混合
物であり、常温で固形状のものである。融点は、通常、
50〜100℃の範囲にあれば良い。ビスフェノール型
エポキシ樹脂としては、A型またはF型等が使用され、
特にA型のものが好ましい。ノボラック型エポキシ樹脂
としては、フェノールノボラック型、クレゾールノボラ
ック型又はビスフェノールAノボラック型等が使用され
る。
【0009】(ロ)成分のエポキシ樹脂硬化剤として
は、一般に用いられる各種硬化剤が使用できる。例え
ば、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノジフェニルスルホン、m−フェニレンジアミ
ン、p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン;ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ヘキサメチレントリアミン、メンセ
ンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族ポリアミ
ン;無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メ
チルテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレン
テトラヒドロフタル酸、無水メチルブテニルテトラヒド
ロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘ
キサヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水
トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸等の酸無水物等が挙げられ、エポ
キシ樹脂硬化剤量としては、硬化剤の種類によって異な
るが、通常グリシジル基に対して0.1〜1.0当量で
ある。
【0010】また他のエポキシ樹脂硬化剤としては、イ
ミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ウンデシル
イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾー
ル、ビス(2−エチル−4−メチル−イミダゾール)、
2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミ
ダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチル
イミダゾール、あるいはトリアジン付加型イミダゾール
等のイミダゾール類;三フッ化ホウ素のアミン錯体、ジ
シアンジアミド又はその誘導体などが挙げられ、エポキ
シ樹脂硬化剤量としては、硬化剤の種類によって異なる
が、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜100
重量部である。またこれらをエポキシアダクト化したも
のやマイクロカプセル化したものも使用できる。
【0011】また、本発明においては、必要に応じてエ
ポキシ樹脂の硬化促進剤を添加しても良い。硬化促進剤
としては、一般に用いられる各種硬化促進剤が使用で
き、例えば、トリブチルアミン、ベンジルメチルアミ
ン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール等の第三級アミン類、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、N−ベンジルイミダゾール等のイミダゾー
ル類、尿素類、ホスフィン類、金属塩類等が挙げられ、
これらは単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
【0012】光・熱硬化型アンダーコート剤に使用され
る光重合及び熱反応性モノマーとしては、(ハ)1分子
中に1個以上のグリシジル基を有するアクリレート又は
メタクリレート化合物であり、好ましいモノマーとして
は、活性エネルギー線照射によるタックフリー化後、熱
硬化性に優れているグリシジルアクリレート又はグリシ
ジルメタクリレートである。また(ニ)1分子中に少な
くとも1個のヒドロキシル基を有するアクリレート又は
メタクリレート化合物であり、例えば、ヒドロキシエチ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロ
キシブチルメタクリレート、ブタンジオールモノアクリ
レートグリセロールメタクリレート、フェノキシヒドロ
キシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールア
クリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、
又はグリセロールジメタクリレート等があり、好ましい
モノマーは、ヒドロキシル基の活性が高いヒドロキシエ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシプロピルアクリレート又はヒドロキシプロピ
ルメタクリレートである。
【0013】通常、(ハ)及び(ニ)成分であるモノマ
ーの量は、(イ)成分のエポキシ樹脂100重量部に対
し、20〜100重量部、好ましくは30〜70重量部
の割合である。このようにして、光重合及び熱反応性モ
ノマーとして、1分子中に1個以上のアクリロイル基又
はメタクリロイル基及び1個以上のグリシジル基を有す
る化合物、及び1分子中に1個以上のアクリロイル基又
はメタクリロイル基及び1個以上のヒドロキシル基を有
する化合物を併用使用することにより、光照射によるア
ンダーコート剤のタックフリー化、及び熱硬化型絶縁接
着剤付き銅箔とのラミネート後の一体硬化が良好に行わ
れ、良好な多層プリント配線板を製造することができ
る。
【0014】(ホ)光重合開始剤としては、ベンゾフェ
ノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノ
ン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン
類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキ
ルエーテル類、4―フェノキシジクロロアセトフェノ
ン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t
−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセ
トフェノンなどのアセトフェノン類、チオキサンソン、
2-クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、
2,4−ジメチルチオキサンソンなどのチオキサンソン
類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノンなど
のアルキルアントラキノン類などを挙げることができ
る。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用
いられる。この光重合開始剤の添加量は、光重合及び熱
反応性モノマー100重量部に対して通常 0.1〜10
重量部%の範囲で用いられる。
【0015】その他、本発明の多層プリント配線板用光
・熱硬化型アンダーコート剤には必要に応じて、保存安
定性のために紫外線防止剤、熱重合防止剤、可塑剤など
が添加できる。また、粘度調整のためにアクリレートモ
ノマー、メタクリレートモノマー、ビニルモノマーなど
を添加してもよい。更には、溶融シリカ、結晶性シリ
カ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、
硫酸バリウム、マイカ、タルク、クレー、ホワイトカー
ボン、Eガラス粉末などの無機充填材を配合することが
でき、銅箔や内層回路板との密着性や耐湿性を向上させ
るためのエポキシシランカップリング剤、ボイドを防止
するための消泡剤、あるいは液状又は粉末の難燃剤等を
添加することもできる。
【0016】これらの成分からなる本発明の多層プリン
ト配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤は、実質的に
無溶剤系でありながら、内層回路板の銅箔回路間隙を充
填し、内層回路表面を平滑化する。また、活性エネルギ
ー線照射により容易に固形となりタックフリー化でき
る。特に、熱により乾燥・タックフリー化を行なう工程
が活性エネルギー線照射のみで可能であることについて
は、成分(イ)の常温で固形状態にあるエポキシ樹脂と
成分(ハ)及び(ニ)の光重合及び熱反応性モノマーか
らなる希釈剤とを用いることに特徴がある。調製された
本発明アンダーコート剤中の成分(ハ)及び(ニ)は、
まず溶剤として作用し、成分(イ)及びその他の成分を
溶解して内層回路板の銅箔回路間隙を充填、内層回路表
面の平滑化可能なワニス状態にしている。これに、活性
エネルギー線を照射して溶剤として作用している成分
(ハ)及び(ニ)を硬化させると、成分(ハ)及び
(ニ)は硬化固形化に伴い溶剤としての効果を失うため
成分(イ)が析出する。このとき、硬化した成分(ハ)
及び(ニ)並びにその他の成分は固形成分(イ)中に分
散される。従って、常温で適度なタックフリー固形状態
にある成分(イ)が選択されれば、本発明のアンダーコ
ート剤は、熱硬化反応することなくタックフリー化され
る。このようなタックフリー化機構が本発明の最大の特
徴である。また、活性エネルギー線を照射することによ
り硬化した本発明の成分(ハ)及び(ニ)は熱反応性の
官能基も有するため、後の加熱反応時に主剤のエポキシ
樹脂または硬化剤と硬化反応するので、その硬化物は、
耐熱性、耐薬品性等にも優れる。
【0017】次に、銅箔にコートする熱硬化型絶縁性接
着剤について説明する。一般に層間絶縁層である接着剤
のフィルム化や巻物化の手法としてはゴム系化合物やポ
リビニルブチラール、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹
脂などを配合しているが、これらの成分は多層プリント
配線板としての熱的性能を著しく低下させる。このた
め、本発明に用いる接着剤は前記アンダーコート剤との
一体化硬化させる際に流動性を小さく抑えて層間厚みを
保ち、且つフィルム成形性を持たせるために重量平均分
子量10000以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂
又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を配合している。
かかるエポキシ樹脂の配合割合は全エポキシ樹脂中30
〜90重量%、好ましくは50〜90重量%である。硬
化剤としては前述のアンダーコート剤に用いたものを使
用することができる。
【0018】本発明の目的を達成するための、アンダー
コート剤の塗工及び熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔をラ
ミネートし硬化する方法について概要を図1を用いて説
明する。 (A) 内層回路板(1)上に液状のアンダーコート剤
(3)をスクリーン印刷、ローラーコーター、カーテン
コーター等の従来のコーティング設備を使用して内層回
路(2)を完全に覆う厚さまで塗工する。埋め込み量が
不十分であると、この後のラミネートで空気を巻き込む
ことになる。その後、UV照射コンベア等の露光機で活
性エネルギー線照射によりタックフリー化する。 (B) 表面に熱硬化型絶縁性接着剤(4)付き銅箔
(5)をラミネートする。ラミネーターは表面平滑性を
達成するためにロール(6)を使用するのがよく、この
2枚ロール(6)により両面に銅箔(5)がラミネート
される。ラミネート条件としては内層回路のパターンに
よって異なるが、圧力は 0.5〜6kgf/cm2程度、表面
温度は常温から100℃程度、ラミネートスピードは
0.1〜6m/分程度で行い、硬質ロールを用いること
で表面平滑性を達成することができる。このとき内層回
路(2)と銅箔(5)との層間厚は熱硬化型絶縁性接着
剤の厚みで達成することができる。 (C) 次いで、加熱して同時一体硬化反応を行うことに
よりアンダーコート剤(3)と銅箔にコートされた熱硬
化型絶縁接着剤(4)とを一体成形した多層プリント配
線板を形成することができる。5層以上の多層板にする
場合は同様のことを繰り返し行えばよい。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
「部」は重量部を表す。 《実施例1》ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量6400、重量平均分子量30000)150部
とビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量17
5、大日本インキ化学工業(株)製エピクロン830)3
0部をMEKに撹拌しながら溶解し、そこへ硬化剤とし
て2−フェニル4−メチルイミダゾール5部とシランカ
ップリング剤(日本ユニカー(株)製 A-187)10部
を添加して熱硬化型絶縁性接着剤ワニスを作成した。こ
のワニスを厚さ18μmの銅箔のアンカー面に乾燥後の
厚さが40μmとなるようにローラーコーターにて塗
布、乾燥し熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔を作製した。
次に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量
約470、重量平均分子量約900)100部をメタク
リル酸グリシジル30部及びヒドロキシエチルメタクリ
レート30部に溶解し、そこへ硬化剤として、2−フェ
ニルイミダゾール4部と光重合開始剤(チバガイギー製
イルガキュア651)3部を添加し、ホモミキサーにて
十分撹拌してアンダーコート剤とした。更に、基材厚
0.1mm、銅箔厚35μmのガラスエポキシ両面銅張
積層板をパターン加工して内層回路板を得た。銅箔表面
を黒化処理した後、上記アンダーコート剤をカーテンコ
ーターにより厚さ約40μmに塗工した。その後、UV
コンベア機にて80W/cm高圧水銀灯2本で約2J/
cm2 の条件で紫外線照射し、活性エネルギー線照射によ
りタックフリー化したアンダーコート剤上に温度100
℃、圧力2kg/cm2 、ラミネートスピード 0.8m/分
の条件により、硬質ロールを用いて上記熱硬化型絶縁性
接着剤付き銅箔をラミネートし、150℃、30分間加
熱硬化させ多層プリント配線板を作製した。
【0020】《実施例2》アンダーコート剤において、
エポキシ樹脂の硬化剤として、2−フェニルイミダゾー
ルの代わりに、2−メチルイミダゾール、2−フェニル
−4−メチルイミダゾール、ビス(2−エチル−4−メ
チル−イミダゾール)、2−フェニル−4−メチル−5
−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,
5−ジヒドロキシメチルイミダゾールをそれぞれ使用し
た以外は実施例1と同様にして多層プリント配線板を作
製した。その結果それぞれ同様の特性が得られた。
【0021】《比較例1》アンダーコート剤において、
メタクリル酸グリシジル及びヒドロキシエチルメタクリ
レートの代わりに、メタクリル酸グリシジル60部を使
用した以外は実施例1と全く同様にして多層プリント配
線板を作製した。 《比較例2》アンダーコート剤において、メタクリル酸
グリシジル及びヒドロキシエチルメタクリレートの代わ
りに、ヒドロキシエチルメタクリレート60部を使用し
た以外は実施例1と全く同様にして多層プリント配線板
を作製した。 《比較例3》アンダーコート剤を塗工しない以外は実施
例1と同様にして多層プリント配線板を作製した。得ら
れた多層プリント配線板は表1に示すような特性を有し
ている。
【0022】(試験方法) 内層回路板試験片:線間150μmピッチ、クリアラン
スホール 2.54mmφ 1.表面平滑性:JIS B 0601 R(max) 2.吸湿半田耐熱試験 吸湿条件:プレッシャークッカー処理、125℃、2.
3気圧、30分間 試験条件:n=5で、全てが280℃、120秒間で膨
れが無かったものを○とし、膨れたものを×とした。 3.埋込み性:外層銅箔を剥離後、内層回路への埋め込
み性を光学顕微鏡を用い目視によって判断し、完全に埋
め込まれているものを○とし、埋め込みが不完全のもの
を×とした。 4.層間絶縁層厚:多層プリント配線板を切断し、その
断面を光学顕微鏡で観察し、内層回路と表面銅箔との層
間絶縁層厚さを測定した。 5.成形ボイド残り:多層プリント配線板の表面を全部
エッチングし、ボイドの有無を目視により測定した。ボ
イド残りのないものを○とし、わずかボイド残りのある
ものを△とし、完全にボイドが認められるものを×とし
た。
【0023】 表 1 ───────────────────────────────── 表面平滑性 吸湿半田 埋込み性 層間絶縁 成形ボイド (μm) 耐熱性 層厚(μm) 残り ───────────────────────────────── 実施例1 3 ○ ○ 35 ○ 実施例2 3 ○ ○ 35 ○ 比較例1 5 ○ ○ 40 △ 比較例2 5 × × 30 ○ 比較例3 30 × × 30 × ─────────────────────────────────
【0024】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、熱硬化型絶縁接
着剤付き銅箔を硬質ロール等でラミネートすることによ
り、内層回路に塗工後光硬化したアンダーコート剤が再
溶融して表面が平滑化し、銅箔にコートされた熱硬化型
絶縁接着剤が厚さを維持しているため、内層銅箔残存率
に依存することなく板厚制御に優れた多層プリント配線
板を作製することができ、ラミネート後加熱して同時一
体硬化反応を行うことによりアンダーコート剤と銅箔に
コートされた熱硬化型絶縁接着剤とを一体成形すること
ができる。さらに、光重合及び熱反応性モノマーとし
て、1分子中に1個以上のアクリロイル基又はメタクリ
ロイル基及び1個以上のグリシジル基を有する化合物、
及び1分子中に1個以上のアクリロイル基又はメタクリ
ロイル基及び1個以上のヒドロキシル基を有する化合物
を併用使用することにより、光照射によるアンダーコー
ト剤のタックフリー化、及び熱硬化型絶縁接着剤付き銅
箔とのラミネート後の一体硬化が良好に行われ、多層プ
リント配線板の製造が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層プリント配線板を作製する工程の
1例を示す概略断面図
【符号の説明】
1 内層回路板 2 内層回路 3 アンダーコート剤 4 熱硬化型絶縁性接着剤 5 銅箔 6 硬質ロール 7 多層プリント配線板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂含浸ガラスクロス基板から
    なる内層回路板に光・熱硬化型アンダーコート剤を塗工
    し、活性エネルギー線照射によりタックフリー化させた
    後、熱硬化型絶縁性接着剤層を有する銅箔をラミネート
    し、次いで、加熱により一体硬化することを特徴とする
    多層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 光・熱硬化型アンダーコート剤が、下記
    の成分(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)及び(ホ)から
    なる請求項1記載の多層プリント配線板の製造方法。
    (イ)分子量500以上の常温固形状態にあるエポキシ
    樹脂、(ロ)エポキシ樹脂硬化剤、(ハ)1分子中に1
    個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基及び1個
    以上のグリシジル基を有する化合物、(ニ)1分子中に
    1個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基及び1
    個以上のヒドロキシル基を有する化合物、(ホ)光重合
    開始剤。
  3. 【請求項3】 1分子中に1個以上のアクリロイル基又
    はメタクリロイル基及び1個以上のグリシジル基を有す
    るモノマーがグリシジルアクリレート又はグリシジルメ
    タクリレートである請求項2記載の多層プリント配線板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 1分子中に1個以上のアクリロイル基又
    はメタクリロイル基及び1個以上のヒドロキシル基を有
    するモノマーがヒドロキシエチルアクリレート又はヒド
    ロキシエチルメタクリレートである請求項2又は3記載
    の多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱硬化型絶縁性接着剤がエポキシ樹脂及
    びその硬化剤からなり、エポキシ樹脂の主成分が、重量
    平均分子量10000以上のビスフェノール型エポキシ
    樹脂、及びエポキシ当量500以下のビスフェノール型
    エポキシ樹脂からなる請求項1、2、3又は4記載の多
    層プリント配線板の製造方法。
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