JPH09106974A - 基板吸着水分の除去方法及び装置 - Google Patents

基板吸着水分の除去方法及び装置

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JPH09106974A
JPH09106974A JP26184995A JP26184995A JPH09106974A JP H09106974 A JPH09106974 A JP H09106974A JP 26184995 A JP26184995 A JP 26184995A JP 26184995 A JP26184995 A JP 26184995A JP H09106974 A JPH09106974 A JP H09106974A
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JP
Japan
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substrate
gas
processing apparatus
adsorbed
dehydration
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JP26184995A
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Inventor
Yoshio Ishihara
良夫 石原
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体基板表面の吸着水分を常温で簡略にか
つ確実に除去する方法と装置の提供。 【解決手段】 基板に、高純度塩化水素ガス、高純度臭
化水素ガス、高純度アンモニアガスからなる群より選択
される1種の脱水用ガスを接触させて基板表面の吸着水
分を除去することを特徴とする基板吸着水分の除去方
法、および、基板Pが収容される処理装置1と、該処理装
置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化水素ガス、高
純度アンモニアガスからなる群より選択される1種の脱
水用ガスを供給する脱水用ガス供給手段3とを備えた基
板吸着水分の除去装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路、
液晶パネル、太陽電池パネルなどの製造に使用される基
板の表面吸着水分を除去する方法及びその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路、半導体レーザなどの半
導体素子、アクティブマトリックス型液晶表示素子など
の半導体装置は、シリコン等の金属基板やサファイア、
ガラスなどのセラミックス基板にクリーニング、酸化膜
その他薄膜形成、不純物ドーピング、エッチングなど多
くの処理プロセスを順次施して製造される。これらの各
製造プロセスに使用される処理装置は、クリーンルーム
内に配置されており、クリーンルーム内で全処理工程が
行われる。その処理工程において、一つのプロセスから
次のプロセスへ半導体基板を搬送する際に、半導体基板
は搬送途中でクリーンルーム内の雰囲気に曝されること
になる。
【0003】クリーンルームは微粒子(パーティクル)
を除去した空気を循環しており、通常、温度20〜25
℃程度、相対湿度50%程度の雰囲気に維持されてい
る。一般に固体を前記クリーンルーム雰囲気に曝すと、
その表面には雰囲気中の水分が瞬時に吸着される。従っ
て、前記半導体基板も、クリーンルーム雰囲気に曝され
るとその表面に水分が吸着されることになる。薄膜形成
や不純物ドーピングなどの各プロセスにおいては、処理
を施す半導体基板に水分が吸着していると、処理操作の
障害となる。
【0004】そこで、半導体基板表面への水分の吸着を
防ぐために、窒素トンネル方式が提案されている。窒素
トンネル方式は、各処理装置を乾燥窒素を通気したトン
ネルで結び、トンネル内を通して半導体基板を搬送する
ものである。また、他の方式として、SMIF(Standa
rd Mechanical Interface)方式が提案されている。こ
の方式は、乾燥窒素をパージした搬送ロボットで半導体
基板を搬送するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記窒
素トンネル方式では、設備費や製造ラインの変更に対す
る順応性などに難点があり、実使用には至っていない。
また、SMIF方式は、SMIF内へのパージ及び搬送
時間などに難点があり、製造のスループットをあげるこ
とが困難である。
【0006】半導体基板の表面に吸着した水分は、それ
自体、後のプロセスに障害を及ぼすだけでなく二次的な
障害ともなる。つまり、シリコン基板に吸着した水分
は、雰囲気中に酸素が存在すると基板表面に自然酸化膜
を形成して、そのままでは薄膜形成や不純物ドーピング
などのプロセス処理が行えないという不都合を生じる。
例えば、液晶薄膜トランジスタ(以下、TFT)の製造
プロセスにおいて、SiNx(絶縁膜)を介して、アモ
ルファスシリコン(以下、a−Si)を形成する。この
とき、SiNx表面に吸着水分が存在すると、良質なa
−Si膜を所望の厚さに均一に形成できない。また、I
Cプロセスのゲート酸化工程では、nあるいはp表面に
吸着水分が存在するとSiO2とSiの界面にSiOx
膜が形成される。その結果、絶縁耐圧が変化したりゲー
トしきい値電圧が変動しMOSトランジスタがスイッチ
として機能しない。また、同じくICプロセスのキャパ
シタ電極形成工程では、キャパシタ表面に吸着水分があ
るとその界面にSiOxが形成され、キャパシタ電極へ
のチャージが貯まらなくなって記憶素子として機能しな
くなるおそれがある。また、配線形成工程では、W(タ
ングステン)膜を形成する前に、タングステンシリサイ
ドによるスパイク防止のためにTiN膜を形成するが、
基板に吸着水分が存在するとTiN膜の密着性が劣るな
どの不都合を生じる。その他、金属間配線部分にも不都
合を生じるので、それぞれの工程における基板上の水分
を除去する必要がある。
【0007】従来は、水分が吸着した基板を300℃程
度の高温まで加熱して基板表面に吸着されている水分を
除去する方法が実施されていた。ところが、TFTの場
合は、TFT基板の大表面化に伴い、上記のような加熱
による基板吸着水分の除去を行うと、その加熱により基
板の歪みが大きくなる。また加熱温度を下げると基板吸
着水分の除去に時間がかかるだけでなく、吸着水分の完
全除去が不可能となる。
【0008】IC基板の吸着水分の除去を高温加熱処理
によって行うと、n+層を形成するAs(砒素)やP
(リン)、あるいはp+層を形成するホウ素などの不純
物が拡散し不純物のプロファイルが変化して所定のデバ
イス性能が得られないなどの問題点がある。
【0009】このように基板表面に吸着した水分によっ
て種々の悪影響が生じるために、半導体製造の各プロセ
スの直前に基板表面にクリーニング処理を施す必要があ
る。基板表面の吸着水分や自然酸化膜などの汚染物を除
去するためには、現在上記した高温加熱処理以外に、ク
リーニングチャンバーを各工程のリアクターの前段に設
け、プラズマクリーニングを行う方法がある。
【0010】しかしながら、前記プラズマクリーニング
は、プラズマエネルギーによって半導体基板表面が損傷
を受け易いので、プラズマを正確に制御しなければなら
ないが、プラズマエネルギー及びプラズマ照射密度を同
時に制御することは困難である。また、吸着水分の除去
もプラズマ照射された部分のみしか行えず、プラズマが
照射されない半導体基板の裏側の吸着水が除去されない
ので、次の処理装置内に水分が入るおそれがあり、処理
操作の攪乱要因ともなる。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、プラズマクリーニングに代えて、半導体基板表面の
吸着水分を常温で簡略にかつ確実に除去する方法と装置
の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、基板に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化水素
ガス、高純度アンモニアガスからなる群より選択される
1種の脱水用ガスを接触させて基板表面の吸着水分を除
去することを特徴とする基板吸着水分の除去方法であ
る。請求項2に係る発明は、基板処理装置内に基板を配
置し、該基板処理装置内に、高純度塩化水素ガス、高純
度臭化水素ガス、高純度アンモニアガスからなる群より
選択される1種の脱水用ガスを流し、該基板処理装置内
の基板に該脱水用ガスを接触させて基板表面の吸着水分
を除去することを特徴とする基板吸着水分の除去方法で
ある。請求項3に係る発明は、基板処理装置内を通過し
て排出された排ガス中の水分濃度を測定し、その測定結
果を、予め設定された水分濃度若しくは該装置内に供給
される脱水用ガス中の水分濃度と比較して、その比較結
果に応じて基板処理装置内への脱水用ガスの供給量を制
御することを特徴とする請求項2記載の基板吸着水分の
除去方法である。請求項4に係る発明は、基板処理装置
内を通過して排出された排ガスの水分濃度を、赤外分光
法によって測定することを特徴とする請求項3記載の基
板吸着水分の除去方法である。請求項5に係る発明は脱
水用ガス中の水分濃度が0〜2ppmであることを特徴
とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板吸着水
分の除去方法である。請求項6に係る発明は、基板が収
容される処理装置と、該処理装置内に、高純度塩化水素
ガス、高純度臭化水素ガス、高純度アンモニアガスから
なる群より選択される1種の脱水用ガスを供給する脱水
用ガス供給手段とを備えた基板吸着水分の除去装置であ
る。請求項7に係る発明は、基板が収容される処理装置
と、該処理装置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化
水素ガス、高純度アンモニアガスからなる群より選択さ
れる1種の脱水用ガスを供給する脱水用ガス供給手段
と、該処理装置から排出される排ガス中の水分濃度を測
定する分析装置とを備えた基板吸着水分の除去装置であ
る。請求項8に係る発明は、基板が収容される処理装置
と、該処理装置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化
水素ガス、高純度アンモニアガスからなる群より選択さ
れる1種の脱水用ガスを供給する脱水用ガス供給手段
と、該処理装置から排出される排ガス中の水分濃度を測
定する分析装置と、該分析装置で測定された排ガス中の
水分濃度値を、予め設定された水分濃度値若しくは処理
装置内に供給される脱水用ガス中の水分濃度値と比較
し、その比較結果に応じて前記脱水用ガス供給手段の脱
水用ガス供給量を制御する制御手段とを備えた基板吸着
水分の除去装置である。請求項9に係る発明は、前記分
析装置が赤外分光分析法によって排ガス中の水分濃度を
測定する赤外分光分析装置であることを特徴とする請求
項7または8記載の基板吸着水分の除去装置である。請
求項10に係る発明は、前記処理装置が、半導体基板処
理装置であるかまたは半導体基板処理装置に連設された
基板脱水処理室であることを特徴とする請求項6から9
のいずれかに記載の基板吸着水分の除去装置である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図1
を参照して説明する。図1は、本発明の基板吸着水分の
除去装置の一例を示す図であって、この装置は基板Pが
収容される基板処理装置1と、該基板処理装置1の前段
側に連設された前室2と、基板処理装置1に接続され、
該装置1内に高純度窒素ガス(N2)、脱水用ガスであ
る高純度塩化水素ガス(HCl)等を供給するガス供給
部3と、基板処理装置1のガス供給部3と反対側に接続
され、基板処理装置1内を通過した排ガスを装置外に排
出するガス排気ライン4と、基板処理装置1の外方に配
設された加熱ヒータ5と、ガス排気ライン4の途中に設
けられた分析装置6と、ガス排気ライン4の端末に接続
された真空ポンプ7と、分析装置6で測定された水分濃
度値を入力し、その水分濃度値に応じてガス供給部3に
おける脱水用ガス(HCl)の供給量を制御する制御演
算部8を備えている。
【0014】基板処理装置1は、基板Pを収容する密閉
可能なチャンバーを備え、半導体製造プロセスにおいて
使用される各基板処理装置であって良く、例えば薄膜形
成工程で使用されるCVD装置や真空蒸着装置、不純物
ドーピング工程で使用される拡散炉、エッチング工程で
使用されるプラズマエッチング装置など多くの基板処理
装置であって良い。なお、この例では、半導体製造プロ
セスにおいて使用される基板処理装置1を基板吸着水分
除去装置における処理装置として使用したが、これらの
基板処理装置1に連設された基板脱水処理室を設け、こ
の基板脱水処理室を基板吸着水分除去装置における処理
装置として用いても良い。また、この例ではシリコン基
板を用いた半導体基板の製造プロセスに本発明を適用さ
せた場合を例示しているが、基板Pとして、シリコン基
板以外の金属基板、サファイアやガラスなどのセラミッ
クス基板を用いても良い。
【0015】この基板処理装置1の前段側の設けられた
前室2は、その室内に高純度窒素ガス(N2)が供給可
能になっている。この前室2は、基板処理装置1に送ら
れた基板Pをクリーンルーム雰囲気下で受け取って、基
板処理装置1内に搬送して配置する前に高純度窒素ガス
でパージするためのものである。なお、この前室2に脱
水用ガス(HCl)のガス供給部3を配置し、前室2に
基板Pを収容し、高純度窒素ガスでパージした後、脱水
用ガス(HCl)を流し、この前室2内で基板Pの脱水
処理を行っても良い。
【0016】ガス供給部3は、基板処理装置1内に、配
管3a〜3cを通して、高純度窒素ガス(N2)、脱水
用ガスである高純度塩化水素ガス(HCl)、基板処理
装置1での基板処理に用いるための原料ガスや処理ガス
の供給量を制御するためのものである。これらガス供給
量の制御は、後述する制御演算部8による制御信号によ
って行われるようになっている。脱水用ガスである高純
度塩化水素ガス(HCl)は、水分濃度が0〜2ppm
程度、好ましくは1.5ppm以下のものである。この
脱水用ガス中の水分濃度が2ppmより高いと、基板表
面に吸着された水分の除去が困難となり、かつ装置系内
に腐食が生じ、発生した金属不純物によって基板が汚染
されるおそれがある。なお、この例では脱水用ガスとし
て高純度塩化水素ガスを用いたが、高純度塩化水素ガス
に代えて、高純度臭化水素ガス(HBr)、高純度アン
モニアガス(NH3)を用いても良い。
【0017】ガス排気ライン4は、真空ポンプ7によっ
て基板処理装置1内のガスを排気するとともに、基板P
の脱水処理終了後、この基板処理装置1にて実施される
薄膜形成などのいずれかのプロセス処理において、基板
処理装置1を減圧雰囲気或いは真空雰囲気とするために
使用される。ガス排気ライン4の真空ポンプ7の近傍
に、アルカリ剤などの塩化水素ガスの吸収剤を収容した
塩化水素ガス吸収部を設け、塩化水素ガスを系外に漏ら
さない構成とすることが望ましい。
【0018】このガス排気ライン4の途中に設けられた
分析装置6は、基板処理装置1を通ってガス排気ライン
4を経て排気された排ガス中の水分濃度を赤外分光分析
法によって測定する測定装置が好適であり、例えば、本
出願人によって特許出願された特開平5−99845号
公報に記載の分析方法を採用して実施可能である。
【0019】制御演算部8は、分析装置6で測定された
排ガス中の水分濃度値をCPUに入力し、この水分濃度
値と予め記憶させておいた終点水分濃度値とを比較し、
排ガス中の水分濃度が終点水分濃度値と等しいか、それ
以下となった時点で、ガス供給部3の複数の電磁弁の開
度を制御することによって、それぞれのガス供給量を制
御し、脱水用ガス(HCl)の供給量を減じるかゼロと
するように動作する。なお、制御演算部8による制御シ
ステムは、先の例に限定されることなく、ガス供給部3
から供給される脱水用ガス(HCl)と排ガス中の水分
濃度をそれぞれ測定して制御演算部8に入力し、それぞ
れの水分濃度値を比較し、双方の水分濃度が等しくなっ
た時点またはその後適宜の間隔をおいて、脱水用ガス
(HCl)の供給量を制御しても良い。
【0020】次に、本発明による基板吸着水分の除去方
法について、前記の基板吸着水分の除去装置を用いた場
合を例として説明する。脱水処理および基板処理装置1
において何らかの基板処理を施すべき基板Pは、クリー
ンルーム内を搬送されて前室2内に収容される。前室2
は、基板Pを収容した後に密閉され、室内に高純度窒素
ガスを流してパージし、完全に高純度窒素ガス雰囲気と
する。
【0021】次いで、前室2と基板処理装置1との隔壁
を開放し、前室2内の基板Pを基板処理装置1内に移送
する。このとき、基板処理装置1内は高純度窒素ガス
(N2)雰囲気としておく。基板処理装置1内の所定位
置に基板Pを配置した後、前室2との隔壁を閉じ、基板
処理装置1内に、ガス供給部3の管路3bを通して脱水
用ガス(HCl)を供給し、必要に応じて真空ポンプ7
を駆動させて装置1内のガスをガス排気ライン4を通し
て抜き出す。
【0022】基板処理装置1内に供給された脱水用ガス
(HCl)は、基板Pの表面に接触すると、表面の吸着
水分を奪い、塩化水素分子と水分子とが水素結合するこ
とにより容易にクラスターを形成し、余剰の脱水用ガス
(HCl)とともに基板表面から離れ、ガス排気ライン
4を通って装置外に排出される。その結果、基板Pの表
裏両面が同時に脱水処理され、所定時間継続して脱水用
ガスを接触させることによって、基板表面の吸着水分を
完全に除去することができる。この脱水用ガス(HC
l)による脱水処理は、高純度塩化水素ガス100%雰
囲気で行われる他、高純度塩化水素ガスを高純度窒素ガ
スやアルゴンガス、ヘリウムガスを混合した雰囲気とし
ても良い。また、この脱水処理は、クリーンルーム内の
設定温度、例えば20〜25℃と同じであっても良い
し、基板処理装置1の外方に配設された加熱ヒータ5に
よって基板Pを25〜150℃に加熱しながら行っても
良い。また、この脱水処理の圧力は、大気圧或いは減圧
下のいずれであっても良い。
【0023】この脱水処理の開始から、ガス排気ライン
4を経て排気される排ガス中の水分濃度を分析装置6に
よって測定する。ここで得られた水分濃度値は、制御演
算部8に送られる。制御演算部8は、入力された排ガス
中の水分濃度値(測定値)を、予め記憶された終了水分
濃度値(設定値)と比較し、測定値が設定値と等しくな
るか、設定値を下回った時点、あるいはその後所定の間
隔をおいて、出力部からガス供給部3に制御信号を送
り、ガス供給部3の電磁弁の開度を調節することによっ
て、基板処理装置1に供給される脱水用ガス(HCl)
の供給量を徐々に減じるか或いは供給を停止する。この
時点で、基板Pの表面の吸着水分は完全に除去されてい
る。その後、基板処理装置1内の脱水用ガス(HCl)
雰囲気を必要に応じて高純度窒素ガス雰囲気に置換し、
更に原料ガスを供給して薄膜形成処理などの何らかの半
導体基板処理プロセスを実行することができる。
【0024】この基板吸着水分の除去方法によれば、半
導体基板処理プロセスにおいて使用される何れかの基板
処理装置内に脱水用ガスである高純度塩化水素ガスを導
入し、基板P表面に接触させるだけで、基板表面に吸着
している水分を完全に除去することができるので、従来
法のように基板を高温に加熱したり、プラズマによって
クリーニングする必要がない。従って、処理装置を簡略
化できるとともに、クリーニングに要するエネルギーが
不要となり、半導体基板の製造コストを低減することが
できる。また、基板処理装置1から排出された排ガス中
の水分濃度を分析することで、脱水用ガス(HCl)の
供給を制御し、水分除去の終了点を判断することができ
るので、脱水用ガスの無駄をなくすことができる。さら
に、この方法では、基板Pの表裏両面を同時に脱水処理
することができるので、基板Pの表面から吸着水分を完
全に除去することができ、後の処理プロセスに残存吸着
水を持ち込むことがなくなり、基板吸着水分に起因する
処理プロセスの攪乱を取り除くことができる。また、基
板Pの表面に脱水用ガスを接触させるだけで、基板Pの
表裏両面に吸着している水分を完全に取り除くことが可
能となったことにより、従来の窒素トンネル方式やSM
IF方式などの大掛りな水分吸着防止対策を採用する必
要がなくなり、多大な設備投資を要することなく、基板
吸着水分の問題を一挙に解決することができる。
【0025】
【実施例】基板Pとして、総表面積が8.95m2のア
ルミナ基板を用い、図1と同じ構成の水分除去装置によ
って、基板表面の脱水処理を実施した。基板処理装置1
としては、30cmφ×90cmの円筒状の処理槽を備
えたCVD装置を用い、このCVD装置の原料ガス供給
部に、脱水用ガスとしての高純度塩化水素ガスと高純度
窒素ガスの供給ラインと電磁弁を付設してガス供給部3
とし、さらに特開平5−99845号公報に記載された
水分分析装置と同じ構成の分析装置8を設け、CVD装
置のガス排気ライン4の途中で排ガス中の水分濃度を測
定可能とし、この分析装置に接続したコンピュータに測
定値を入力し、データの演算処理を行った。
【0026】(基板の水分吸着特性)基板の脱水処理に
先だって、使用したアルミナ基板を60ppmの水分を
含む窒素ガス気流中に置いて、基板表面の水分吸着特性
を調べた。CVD装置(基板処理装置1)の前室2内に
前記アルミナ基板を配置し、室内に水分濃度1ppb以
下の高純度N2ガスを通気し、22℃、1気圧の状態で
10分間パージし、その後、高純度N2ガス雰囲気とし
たCVD装置内に基板を移送した。次に、CVD装置内
に高純度N2ガスを流しながら、基板を約400℃に加
熱して、吸着水分を完全に除去した。その後温度を22
℃に低下させた。次に、ガス供給部3から、60ppm
の水分を含むN2ガスを200ml/分の流速で流し、
22℃、1気圧の状態を保ちつつ、CVD装置からガス
排気ライン4を経て排出される排ガス中の水分濃度を赤
外分光分析装置8で測定し、排ガス中の水分濃度値の経
時変化を調べた。なお水分濃度の測定は、1380.64nmに
おける吸光度を測定し、ガス中の水分濃度を求めた。そ
の結果を図2に示す。
【0027】図2に示すように、60ppmの水分を含
むN2ガスの通気開始直後から数分間は、排ガス中の水
分は全く計測されないが、その後、時間の経過に伴っ
て、排ガス中の水分濃度は増加し、通気開始から約20
0分経過後に60ppmとなり、その後は一定となっ
た。これは、窒素ガス中の水分がアルミナ基板表面に気
相中水分濃度とアルミナ基板表面の水分濃度が平行状態
になるまで窒素ガス中の水分が選択的に吸着することを
示している。この結果からアルミナ基板表面に吸着した
水の分子数を求めることができ、このアルミナ基板表面
に吸着した総水分子数は、2.3×1019分子(2.5
×1014分子/cm2)であった。
【0028】(脱水処理)60ppmの水分を含むN2
ガスの通気の後、基板が配置されたままのCVD装置内
に高純度N2ガスを通気してパージし、その後、ガス供
給部3から、水分濃度1.3ppmの高純度塩化水素ガ
ス(HCl)を、22℃、1気圧の状態で、200cc
/分の流速で約100分流した。この高純度塩化水素ガ
スの通気開始から、排ガス中の水分濃度を赤外分光分析
装置で測定し、排ガス中の水分濃度の経時変化を調べ
た。その結果を図3に示す。
【0029】図3に示すように、高純度塩化水素ガスの
通気開始した直後から、排ガス中の水分濃度が100p
pmにまで上昇した。その後、排気ガス中の水分濃度は
時間の経過とともに減少し、通気開始から約75分後
に、排ガス中の水分濃度が、供給した塩化水素ガス中の
水分濃度と同じ1.3ppmに達し、その後は1.3p
pmで一定した。この結果から、塩化水素ガスの供給に
よって、基板表面に吸着していた水分が除去されている
ことが分かる。この塩化水素ガスの供給によって除去さ
れた水の分子数を求めた。乾燥N2ガスでパージしてか
ら、水分濃度1.3ppmの塩化水素ガスに切り替える
と、基板の吸着水分を取り込み、排出される塩化水素ガ
ス(排ガス)中の水分濃度が上昇する。排ガス中の水分
濃度は時間の経過とともに減衰し、やがて、排ガス中の
水分濃度は、供給されるガスの水分濃度(1.3pp
m)となる。ここが終点となる(図4)。ここで、塩化
水素ガスの流速を、v(l/分)とし、図4のグラフに
おける時間t(分)のときの水分濃度c(水分子数/
l)とする(濃度cはppm)。時間tからt+Δtの
間に塩化水素ガスが運んだ水分量をΔQとすると、 ΔQ =v(l/分)×Δt(分)×c×(10-6×NA/24.2)(分子数/l) =v×c×(10-6×NA/24.2)×Δt(分子数) (ただし、NAはアボガドロ数)となる。したがって、
図4に示す全水分量Qは、cをt1からt2まで積分すれ
ばよく、グラフに示した面積となる。即ち全水分量Q
は、次式(A)により求められる。
【0030】
【数1】
【0031】このようにして、排ガス中に排出された全
水分量(水分子数)を計算した結果、総水分子数は2.
3×1019分子となった。これは、塩化水素ガスの流通
前の基板に吸着していた水分子数と完全に一致してい
る。その結果、基板に塩化水素ガスを常温で接触させる
という簡単な処理によって、基板の表面に吸着していた
水分を完全に除去できることが判明した。また、この方
法では、基板の表裏に関係なく、基板の全ての面の吸着
水分を同時に除去可能である。なお、同様の脱水処理
を、高純度塩化水素ガスに代えて、高純度臭化水素ガス
と、高純度アンモニアガスにおいて実施した結果、これ
らのガスについても、前述した塩化水素ガスと同様に、
基板の吸着水分を完全に除去できることが確認された。
【0032】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、基
板を高純度塩化水素ガスなどの脱水用ガスに接触させる
という簡単な処理によって、基板表面に吸着している水
分を完全に除去することができるので、従来法のように
基板を高温に加熱したり、プラズマクリーニングする必
要がない。従って、処理装置を簡略化できるとともに、
クリーニングに要するエネルギーが不要となり、半導体
基板の製造コストを低減することができる。
【0033】また、基板処理装置から排出された排ガス
中の水分濃度を分析することで、脱水用ガスの供給量を
制御し、水分除去の終了点を確実に判断することができ
るので、脱水用ガスの無駄をなくすことができる。
【0034】さらに、本発明によれば、基板の表裏両面
を同時に脱水処理することができるので、基板表面から
吸着水分を完全に除去することができ、後の基板処理プ
ロセスに残存水分を持ち込むことがなくなり、基板吸着
水に起因する処理プロセスの攪乱を取り除くことができ
る。
【0035】また、基板表面に脱水用ガスを接触させる
だけで、基板の表裏両面に吸着している水分を完全に取
り除くことができるので、従来の窒素トンネル方式やS
MIF方式などの大掛りな水分吸着防止対策を採用する
必要がなくなり、多大な設備投資を要することなく、基
板吸着水分の問題を一挙に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る基板吸着水分の除去装置の
一例を示す概略構成図である。
【図2】図2は基板の水分吸着特性を示すグラフであ
る。
【図3】図3は本発明による基板吸着水分の除去方法の
結果を示すグラフである。
【図4】図4は除去された水分量の計算を説明するため
のグラフである。
【符号の説明】
1……基板処理装置、2……前室、3……ガス供給部、
4……ガス排気ライン、5……加熱ライン、6……分析
装置、7……真空ポンプ、8……制御演算部、P……基
板。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に、高純度塩化水素ガス、高純度臭
    化水素ガス、高純度アンモニアガスからなる群より選択
    される1種の脱水用ガスを接触させて基板表面の吸着水
    分を除去することを特徴とする基板吸着水分の除去方
    法。
  2. 【請求項2】 基板処理装置内に基板を配置し、該基板
    処理装置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化水素ガ
    ス、高純度アンモニアガスからなる群より選択される1
    種の脱水用ガスを流し、該基板処理装置内の基板に該脱
    水用ガスを接触させて基板表面の吸着水分を除去するこ
    とを特徴とする基板吸着水分の除去方法。
  3. 【請求項3】 基板処理装置内を通過して排出された排
    ガス中の水分濃度を測定し、その測定結果を、予め設定
    された水分濃度若しくは該装置内に供給される脱水用ガ
    ス中の水分濃度と比較して、その比較結果に応じて基板
    処理装置内への脱水用ガスの供給量を制御することを特
    徴とする請求項2記載の基板吸着水分の除去方法。
  4. 【請求項4】 基板処理装置内を通過して排出された排
    ガスの水分濃度を、赤外分光法によって測定することを
    特徴とする請求項3記載の基板吸着水分の除去方法。
  5. 【請求項5】 脱水用ガス中の水分濃度が0〜2ppm
    であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
    記載の基板吸着水分の除去方法。
  6. 【請求項6】 基板が収容される処理装置と、該処理装
    置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化水素ガス、高
    純度アンモニアガスからなる群より選択される1種の脱
    水用ガスを供給する脱水用ガス供給手段とを備えた基板
    吸着水分の除去装置。
  7. 【請求項7】 基板が収容される処理装置と、該処理装
    置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化水素ガス、高
    純度アンモニアガスからなる群より選択される1種の脱
    水用ガスを供給する脱水用ガス供給手段と、該処理装置
    から排出される排ガス中の水分濃度を測定する分析装置
    とを備えた基板吸着水分の除去装置。
  8. 【請求項8】 基板が収容される処理装置と、該処理装
    置内に、高純度塩化水素ガス、高純度臭化水素ガス、高
    純度アンモニアガスからなる群より選択される1種の脱
    水用ガスを供給する脱水用ガス供給手段と、該処理装置
    から排出される排ガス中の水分濃度を測定する分析装置
    と、該分析装置で測定された排ガス中の水分濃度値を、
    予め設定された水分濃度値若しくは処理装置内に供給さ
    れる脱水用ガス中の水分濃度値と比較し、その比較結果
    に応じて前記脱水用ガス供給手段の脱水用ガス供給量を
    制御する制御手段とを備えた基板吸着水分の除去装置。
  9. 【請求項9】 前記分析装置が赤外分光分析法によって
    排ガス中の水分濃度を測定する赤外分光分析装置である
    ことを特徴とする請求項7または8記載の基板吸着水分
    の除去装置。
  10. 【請求項10】 前記処理装置が、半導体基板処理装置
    であるかまたは半導体基板処理装置に連設された基板脱
    水処理室であることを特徴とする請求項6から9のいず
    れかに記載の基板吸着水分の除去装置。
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