JPH09106587A - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JPH09106587A
JPH09106587A JP26304095A JP26304095A JPH09106587A JP H09106587 A JPH09106587 A JP H09106587A JP 26304095 A JP26304095 A JP 26304095A JP 26304095 A JP26304095 A JP 26304095A JP H09106587 A JPH09106587 A JP H09106587A
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layer
film
writing
magneto
magnetic
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JP26304095A
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Yasushi Hozumi
靖 穂積
Tsutomu Shiratori
力 白鳥
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録不十分なパワー領域を圧縮し、消去パワ
ー領域を拡張し、記録パワーPH を低減することが可能
な高感度の光磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 相対的に室温において高い保磁力及び低
いキュリー温度を示す第1の垂直磁化膜からなるメモリ
層2と、相対的に室温において低い保磁力及び高いキュ
リー温度を示す第2の垂直磁化膜からなる書き込み層3
の少なくとも2層構造を有する交換結合膜において、書
き込み層の最小臨界磁区直径を再生光のスポット径と略
同一になるように設計したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱磁気的に記録を
行い、磁気カー効果を利用して読み出すことのできる光
磁気記録媒体を利用した、重ね書き可能な光磁気記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】消去可能な大容量記録媒体の一つとして
光磁気記録媒体が知られている。光磁気記録媒体は、従
来の磁気ヘッドを使った磁気記録媒体と比べ、高密度記
録媒体でありながら可搬性を有する、非接触な記録再生
系による優れた耐久性などの長所がある。反面、記録前
に一度記録部分を消去しなければならず(一方向に着磁
しなければならない)、データ転送速度が遅くなってし
まうという欠点も有する。
【0003】この欠点を補うために、記録再生ヘッドと
消去用ヘッドを別々に設ける方式、あるいは、レーザー
の連続ビームを照射すると同時に磁界を変調しながら印
加して記録する方式などが提案されている。しかし、こ
れらの方法は、装置が大がかりとなりコストがかかると
いう欠点、あるいは、高速回転数によるデータ転送がで
きないなどの欠点を有する。
【0004】そこで、特開昭62−175948号、特
開昭63−52354号、特開昭63−153752号
などで提案されているような、相対的に室温において高
い保磁力及び低いキュリー温度を示す第一の垂直磁化膜
からなるメモリ層と、相対的に室温において低い保磁力
及び高いキュリー温度を示す第二の垂直磁化膜からなる
書き込み層の少なくとも二層構造を有する交換結合膜を
用いて、あるいは、特開昭63−268103号、WO
90/02400号、特開平3−219449号などで
提案されているような、情報ビットの保存が可能な第一
の垂直磁化膜からなるメモリ層と、該メモリ層よりも高
いキュリー温度を有し、情報ビットの書き込みが可能な
第二の垂直磁化膜からなる書き込み層と、該メモリ層の
キュリー温度よりも低く室温よりも高いキュリー温度を
有する第三の磁性膜からなるスイッチ層と、該書き込み
層よりも高いキュリー温度を有する第四の垂直磁化膜か
らなる初期化層との少なくとも4層の希土類−遷移金属
磁性薄膜からなる磁性層が互いに交換結合して順次積層
されている光磁気記録媒体を用いて、レーザービームの
パワーを変化させることにより、重ね書きを行う方法
(光変調オーバーライト方式)が提案されている。
【0005】上記の光磁気記録媒体による光変調オーバ
ーライト方式の基本プロセスを説明する。メモリ層と書
き込み層の二層構造を有する交換結合膜では、レーザー
照射による昇降温度過程で書き込み層に記録された情報
ビット(磁区)がメモリ層に転写される。レーザーは記
録しようとする情報に応じて、書き込み層への記録を行
う高温レベルとメモリ層への転写を行う低温レベルとの
それぞれの温度状態を形成可能な2種類のレーザーパワ
ーで変調する。レーザーの照射後は、媒体温度が室温に
戻るとともに、所要の初期化磁界が印加されて書き込み
が初期化される。メモリ層に転写された情報ビットは、
この層の室温での保磁力が大きいために初期化磁界で消
去されることなく保持される。この結果、記録前のメモ
リ層の状態に関わらず、常に新しく書き込み層が記録さ
れた情報が、メモリ層に記録かつ保持されることとな
り、オーバーライトが成立する。
【0006】この方法は、所要の初期化磁界を印加する
手段を必要とするため、記録装置が大型化、複雑化する
という欠点がある。この問題を解決するための方法が、
前記の交換結合積層膜の書き込み層上に、メモリ層のキ
ュリー温度よりも低く室温よりも高いキュリー温度を有
するスイッチ層と、書き込み層よりも高いキュリー温度
を有する初期化層とを付加した構造の媒体を用いる。初
期化層はあらかじめ初期化された状態にしておく。レー
ザー照射後、媒体温度が室温に戻る過程で、スイッチ層
のキュリー温度以下になると、書き込み層と初期化層と
の間に交換結合力が作用して書き込み層が初期化され
る。この他は、前述のプロセスと同様にしてオーバライ
トが成立する。
【0007】上記光変調オーバーライト方式は、再生パ
ワーよりも高い高低2レベルのパワー(PH,PL )間で
レーザー光強度を変調することによって、媒体を周囲温
度よりも高温の高低2レベルの温度に加熱し、各々の温
度レベルに応じて2つの異なる磁化状態を形成させて、
情報の重ね書きを行う。したがって、図3に示すように
記録・消去・再生の3段階のパワーレベルに所定のマー
ジンを割り振った場合、記録と消去を同一温度レベルで
行う通常の記録方式に比べて、記録に要するレーザー出
力が原理的に大きくなってしまう。この問題を解決する
ためには、図3に領域A,Bとして示したような消去・
記録が不十分なパワー領域をできるだけ圧縮した上で、
H を下げるように媒体を設計することが重要である。
【0008】さらに、記録不十分なパワー領域(図3中
領域B)に関して図4を用いて詳述する。
【0009】図4は、従来の光変調オーバーライト方式
による光磁気記録媒体における、レーザーパワーに対す
るC/Nの動特性(光感度特性)及び、パワーのP1
レーザー光を照射した場合に書き込まれる記録磁区を表
した模式図である。従来の光磁気記録媒体ではレーザー
パワーP1 を照射すると記録磁区が形成されるが、その
記録磁区の巾は十分なC/Nを得るには不十分な大きさ
の磁区が記録される。すなわち、従来の光変調オーバー
ライト方式による光磁気記録媒体では、記録磁区の大き
さが十分でない記録不十分なレーザーパワー領域が存在
することを意味し、記録・消去・再生の3段階のパワー
レベルに所定のマージンを割り振る必要性があり、原理
的に記録レーザーパワーが大きくなる光変調オーバーラ
イト方式において、記録光の高感度化をさらに妨げる障
害となっていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点を解決するために、特に記録不十分なパワー領域
を圧縮し、消去パワー領域(PL マージン)の拡張、及
び高感度光磁気記録媒体の作製を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的は下記の手段
によって達成される。
【0012】すなわち、本発明は、相対的に室温におい
て高い保磁力及び低いキュリー温度を示す第一の垂直磁
化膜からなるメモリ層と、相対的に室温において低い保
磁力及び高いキュリー温度を示す第二の垂直磁化膜から
なる書き込み層の少なくとも二層構造を有する交換結合
膜において、書き込み層に用いる材料を適切に選択し、
書き込み層成膜前の表面状態の制御や書き込み層におけ
る膜組成の均一性の制御などの製造方法を適切に行なう
ことにより書き込み層の最小臨界磁区直径を再生光のス
ポット径と略同一になるように設計したことを特徴とす
る光磁気記録媒体を提案するものであり、また、情報ビ
ットの保存が可能な第一の垂直磁化膜からなるメモリ層
と、該メモリ層よりも高いキュリー温度を有し、情報ビ
ットの書き込みが可能な第二の垂直磁化膜からなる書き
込み層と、該メモリ層のキュリー温度よりも低く室温よ
りも高いキュリー温度を有する第三の磁性膜からなるス
イッチ層と、該書き込み層より高いキュリー温度を有す
る第四の垂直磁化膜からなる初期化層との少なくとも4
層の希土類−遷移金属磁性膜からなる磁性層が互いに交
換結合して順次積層されている光変調オーバライト可能
な光磁気記録媒体において、書き込み層に用いる材料を
適切に選択し、書き込み層成膜前の表面状態の制御や書
き込み層における膜組成の均一性の制御などの製造方法
を適切に行なうことにより書き込み層の最小臨界磁区直
径を再生光のスポット径と略同一になるように設計した
ことを特徴とする光磁気記録媒体を提案するものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照してさ
らに詳細に説明する。
【0014】図2は、本発明による光磁気記録媒体にお
ける、C/Nの光感度特性、及び、レーザーパワーP
1 ,P2 を投入した場合に書き込まれる記録磁区を表し
た模式図である。本発明では、パワーP1 のレーザー光
を照射した場合、そこで書き込もうとする記録磁区は書
き込み層の最小臨界磁区直径(安定に形成することので
きる最小磁区直径)よりも小さく、その記録磁区は安定
に形成することなく消滅する。そして、書き込み層の最
小臨界磁区直径と等しい大きさの磁区を書き込むことが
できるレーザーパワーP2 で、初めて磁区が形成され
る。すなわち、P2未満のレーザーパワーでは記録磁区
は形成されることはなく消去状態を維持し、P2 以上の
レーザーパワーで磁区が形成され、情報が記録される。
また、このとき、その記録磁区巾は十分な再生信号を得
るのに必要な磁区巾(再生光のスポット径と略同一)に
相当する。したがって、本発明におけるC/Nの光感度
特性では、従来の光磁気記録媒体と比べ、その記録不十
分なパワー領域を圧縮することを可能にし、それに伴
う、PL マージンの拡張、記録パワーの低減を可能にし
た。
【0015】本発明に用いるような光磁気記録媒体の基
本構成は、図1に示すような透光性基板1上に少なくと
も第一磁性層であるメモリ層2と第二磁性層である書き
込み層3を順次積層したものである。メモリ層2は、室
温において高い保磁力及び比較的低いキュリー温度を示
し、書き込み層3は、室温において比較的低い保磁力及
び高いキュリー温度を示す。ここでの「高い」・「低
い」という表現は、両磁性層を比較した場合の相対的な
関係を表す。具体的には第一磁性層であるメモリ層2の
保磁力は7KOe以上であり、キュリー温度は120〜
180℃が好ましい。また第二磁性層である書き込み層
3の保磁力は2KOe〜5KOe、キュリー温度は16
0〜220℃が好ましい。
【0016】各磁性層の材料には、垂直磁気異方性を示
しかつ比較的大きな磁気光学効果を呈するものが利用で
きるが、メモリ層2はTb−Fe,Tb−Dy−Fe,
Dy−Fe,Tb−Fe−Co,Tb−Dy−Fe−C
o,Dy−Fe−Co,Gd−Tb−Fe,Gd−Dy
−Feなど、書き込み層はTb−Fe,Tb−Dy−F
e,Dy−Fe,Tb−Fe−Co,Tb−Dy−Fe
−Co,Dy−Fe−Co,Gd−Tb−Fe,Gd−
Tb−Dy−Fe,Gd−Dy−Fe,Gd−Tb−F
e−Co,Gd−Tb−Dy−Fe−Co,Gd−Dy
−Fe−Coなどの希土類元素と鉄族元素との非晶質磁
性合金が好ましい。
【0017】また、メモリ層の情報を読み出す側に再生
特性のよい磁性層を積層したり、メモリ層と書き込み層
の間に交換結合の大きさを制御するための適当な磁性層
や非磁性層(調整層)を挟んでもよい。
【0018】さらに、書き込み層よりも大きなキュリー
温度を有する、初期化磁石の役割を果たす磁性層である
初期化層8と、その初期化層8と書き込み層3との間に
位置し、メモリ層よりも低いキュリー温度を有し、室温
において書き込み層3と初期化層8とを磁気的に結合さ
せる磁性層であるスイッチ層7を、書き込み層3積層後
に、スイッチ層7、初期化層8の順で積層してもよい。
【0019】なお、透光性の基板と磁性層の間や磁性層
の該基板と反対側に、耐久性を向上させるための、ある
いは、記録消去感度と磁気光学効果を向上させるための
適当な誘電体層、あるいは、反射層を設けてもよい。
【0020】誘電体層の材料にはSiN,SiO,Si
C,SiAlON,ZnS等が用いられる。スイッチ層
7のキュリー温度は100〜150℃が好ましく、初期
化層8のキュリー温度は300℃以上が好ましい。また
調整層6のキュリー温度は170〜210℃が好まし
い。
【0021】
【実施例】以下本発明を実施例に基づき、さらに具体的
に説明する。
【0022】実施例1 図1に示すように、プリグルーヴ、プリフォーマット信
号の刻まれたポリカーボネート製の透光性ディスク形状
基板上に、第一の誘電体層、磁性層、第二の誘電体層、
反射層の順に、スパッタ法により成膜した。磁性層は二
層構造になっており、第一の誘電体層上に、メモリ層
2、書き込み層3の順に積層した。
【0023】第一の誘電体層は、透光性基板1上にAr
・N2 混合ガス雰囲気中でSiをターゲットに用いて、
スパッタ法によりSiN層4を膜厚90nmで形成し
た。
【0024】その後、第一の誘電体膜上に二層構造から
なる磁性層を作製した。
【0025】第一の磁性層として、Tb,Fe,Coの
3個のターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.7
7Paの雰囲気中で、膜組成Tb26Fe70Co4 、膜厚
35nmのメモリ層2を形成した。メモリ層2のキュリ
ー温度は150℃である。
【0026】第二の磁性層としては、Gd45Dy55,F
e,Co3個のターゲットを用いて、スパッタArガス
圧0.40Paの雰囲気中で、膜組成Gd9 Dy11Fe
69Co11、膜厚60nmの書き込み層3を形成した。書
き込み層3のキュリー温度は205℃である。
【0027】さらに、第二の誘電体層として、前記膜上
にAr,N2 混合ガス雰囲気中でSiターゲットに用い
て、スパッタ法により、SiN層4を膜厚10nmで形
成した。
【0028】最後は、反射層として、前記膜上にArガ
ス雰囲気中でAlのターゲットを用いて、スパッタ法に
より、Al層5を膜厚40nmで作製した。
【0029】以上のようにして作製された光磁気記録媒
体を光磁気記録再生装置にセットし光感度特性を測定し
た。光感度特性測定は、線速9.04m/sで回転さ
せ、スポット径約1μmに集光させた波長780nmの
レーザービームを用いて行った、最初に、レーザーパワ
ー10mWの連続光を照射しつつ、バイアス磁界−50
0Oeの磁界発生部に光磁気記録媒体が通過することに
より記録媒体の消去を行った。その後、バイアス磁界3
50Oeを印加しつつ、レーザービームを33%デュー
ティ比、5.8MHzの周波数で変調させて任意のレー
ザーパワーで記録を行い、光感度特性を測定した。この
とき、記録ビットをレーザーパワー1.5mWで再生し
た。以上のようにして測定された光感度特性から、信号
が書き始めるレーザーパワーをPwth 、信号が最大値を
示すときのレーザーパワーをPwmaxとしてPwth /P
wmaxを求めることにより、媒体の記録不十分なパワー領
域の指標とした。上記の媒体においては、表1に示すよ
うにPwth /Pwmax=0.86であった。
【0030】比較例1 第三の磁性層として、Gd25Dy75,FeCoの3個の
ターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.54Pa
の雰囲気中で、膜組成Gd5 Dy15Fe67Co 13、膜厚
60nmの書き込み層3を形成した。書き込み層3のキ
ュリー温度は205℃である。その他は実施例と全く同
様の構成の光磁気記録媒体であり、実施例と同じ条件の
光感度特性測定を行った。表1に示すようにPwth /P
wmax=0.65であった。
【0031】表1に示す結果から、本発明の実施例1は
比較例1に比してPwth /Pwmaxの値が1に近く、記録
不十分なパワー領域が圧縮されており、良好な特性を示
していることが分かる。また、本発明の実施例1、及び
比較例1における書き込み層3の最小臨界磁区直径d
min は、それぞれ磁気特性から
【0032】
【数1】 dmin=σW/MSC を用いて概算すると、実施例1では760nm、比較例
1では30nmであり、実施例1の最小臨界磁区直径の
方がレーザー光のスポット径(約1μm)に近い値を示
していた。ここで、σW、MS,HCは、それぞれ書き込
み層3のブロッホ磁壁エネルギー、飽和磁化、保磁力を
表している。
【0033】
【表1】 実施例2 実施例2に関して、図面を参照しながら説明する。図5
に示すように、プリグルーヴ、プリフォーマット信号の
刻まれたポリカーボネート製の透光性ディスク形状基板
1上に、第一の誘電体層、磁性層、第二の誘電体層、反
射層の順に、スパッタ法により成膜した。磁性層は三層
構造になっており、第一の誘電体層上に、メモリ層2、
調整層6、書き込み層3の順に積層した。
【0034】第一の誘電体層は、透光性基板1上にAr
・N2 混合ガス雰囲気中でSiをターゲットに用いて、
スパッタ法によりSiN層4を膜厚90nmで形成し
た。
【0035】その後、第一の誘電体膜上に三層構造から
なる磁性層を作製した。
【0036】第一の磁性層として、Tb,Fe,Coの
3個のターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.7
7Paの雰囲気中で、膜組成Tb26Fe70Co4 、膜厚
25nmのメモリ層2を形成した。メモリ層2のキュリ
ー温度は150℃である。
【0037】第二の磁性層としては、Gd,Fe,Fe
Co30の3個のターゲットを用いて、スパッタArガス
圧0.21Paの雰囲気中で、膜組成Gd34Fe56Co
10、膜厚10nmの調整層6を形成した。
【0038】第三の磁性層としては、Gd45Dy55,F
e,Coの3個のターゲットを用いて、スパッタArガ
ス圧0.40Paの雰囲気中で、膜組成Gd9 Dy11
69Co11、膜厚40nmの書き込み層3を形成した。
書き込み層3のキュリー温度は205℃である。
【0039】実施例2は実施例1に比べ膜厚20nm薄
くすることを可能にし、さらなる高感度化が達成され
た。
【0040】さらに、第二の誘電体層として、前記膜上
にAr,N2 混合ガス雰囲気中でSiターゲットに用い
て、スパッタ法により、SiN層4を膜厚10nmで形
成した。
【0041】最後は、反射層として、前記膜上にArガ
ス雰囲気中でAlのターゲットを用いて、スパッタ法に
より、Al層5を膜厚40nmで作製した。
【0042】以上のようにして作製された光磁気記録媒
体を実施例1と同じ条件の下で光感度特性測定を行っ
た。表2に示すようにPwth /Pwmax=0.82であっ
た。
【0043】比較例2 第三の磁性層として、Gd25Dy75,Fe,Coの3個
のターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.54P
aの雰囲気中で、膜組成Gd5 Dy15Fe67Co13、膜
厚40nmの書き込み層3を形成した。書き込み層3の
キュリー温度は205℃である。その他の実施例2と全
く同様の構成の光磁気記録媒体であり、実施例1と同じ
条件下の光感度特性測定を行った。表2に示すようにP
wth /P wmax=0.61であった。
【0044】表2に示す結果から、本発明の実施例2は
比較例2に比してPwth /Pwmaxの値が1に近く、記録
不十分なパワー領域が圧縮されており、良好な特性を示
していることが分かる。また、本発明の実施例2、及び
比較例2における書き込み層3の最小臨界磁区直径d
min は、実施例2では760nm、比較例2では30n
mであり、実施例2の最小臨界磁区直径の方がレーザー
光のスポット径(約1μm)に近い値を示していた。
【0045】
【表2】 実施例3 本発明の実施例3を図面を参照しながら説明する。図6
に示すように、プリグルーヴ、プリフォーマット信号の
刻まれたポリカーボネート製の透光性ディスク形状基板
1上に、第一の誘電体層、磁性層、第二の誘電体層、反
射層の順に、スパッタ法により成膜した。磁性層は五層
構造になっており、第一の誘電体層上に、メモリ層2、
調整層6、書き込み層3、スイッチ層7、初期化層8の
順に積層した。
【0046】第一の誘電体層は、透光性基板1上にAr
・N2 混合ガス雰囲気中でSiをターゲットに用いて、
スパッタ法により、SiN層4を膜厚90nmで形成し
た。その後、第一の誘電体膜上に五層構造からなる磁性
層を作製した。
【0047】第一の磁性層として、Tb,Fe,Coの
3個のターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.7
7Paの雰囲気中で、膜組成Tb26Fe70Co4 、膜厚
25nmのメモリ層2を形成した。メモリ層2のキュリ
ー温度は150℃である。
【0048】第二の磁性層としては、Gd,Fe,Fe
Co30の3個のターゲットを用いて、スパッタArガス
圧0.21Paの雰囲気中で、膜組成Gd34Fe56Co
10、膜厚10nmの調整層6を形成した。
【0049】第三の磁性層としては、Gd45Dy55,F
e,Coの3個のターゲットを用いて、スパッタArガ
ス圧0.40Paの雰囲気中で、膜組成Gd9 Dy11
69Co11、膜厚40nmの書き込み層3を形成した。
書き込み層3のキュリー温度は205℃である。
【0050】第四の磁性層として、Tb,Feの2個の
ターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.50Pa
の雰囲気中で、膜組成Tb25Fe75、膜厚5nmのスイ
ッチ層7を形成した。
【0051】第五の磁性層として、Tb,Fe,Coの
3個のターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.2
2Paの雰囲気中で、膜組成Tb22Fe16Co62、膜厚
30nmの初期化層8を形成した。
【0052】この第四、第五磁性層により、初期化磁石
を必要としない。
【0053】さらに、第二の誘電体層として、前記膜上
にAr,N2 混合ガス雰囲気中でSiターゲットに用い
て、スパッタ法により、SiN層4を膜厚10nmで形
成した。
【0054】最後は、反射層として、前記膜上にArガ
ス雰囲気中でAlのターゲットを用いて、スパッタ法に
より、Al層5を膜厚40nmで作製した。
【0055】以上のようにして作製された光磁気記録媒
体を実施例1と同じ条件の下でで光感度特性測定を行っ
た。表3に示すようにPwth /Pwmax=0.83であっ
た。
【0056】比較例3 第三の磁性層として、Gd25Dy75,Fe,Coの3個
のターゲットを用いて、スパッタArガス圧0.54P
aの雰囲気中で、膜組成Gd5 Dy15Fe67Co13、膜
厚30nmの書き込み層3を形成した。書き込み層3の
キュリー温度は205℃である。その他の実施例3と全
く同様の構成の光磁気記録媒体であり、実施例1と同じ
条件下の光感度特性測定を行った。表3に示すようにP
wth /P wmax=0.62であった。
【0057】表3に示す結果から、本発明の実施例3は
比較例3に比してPwth /Pwmaxの値が1に近く、記録
不十分なパワー領域が圧縮されており、良好な特性を示
していることが分かる。また、本発明の実施例3、及び
比較例3における書き込み層3の最小臨界磁区直径d
min は、実施例3では760nm、比較例3では30n
mであり、実施例3の最小臨界磁区直径の方がレーザー
光のスポット径(約1μm)に近い値を示していた。
【0058】
【表3】
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、交換結合膜
による光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体にお
いて、書き込み層の最小臨界磁区直径を、再生光のスポ
ット径に近く、十分な再生信号が得られる記録磁区巾と
略同一となるように設計したことにより、記録不十分な
パワー領域を圧縮し、PL マージンを拡張し、記録パワ
ーPH を低減することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における光磁気記録媒体の基本構成図で
ある。
【図2】本発明によって得られる光感度特性及びその現
像を説明するための概略図である。
【図3】光変調オーバーライト方式光磁気記録媒体の一
般的な光感度特性を表した概念図である。
【図4】光変調オーバーライト方式光磁気記録媒体の一
般的な光感度特性及びその現像を説明するための概念図
である。
【図5】実施例2における光磁気記録媒体の構成図であ
る。
【図6】実施例3における光磁気記録媒体の構成図であ
る。
【符号の説明】
1 透光性基板 2 メモリ層 3 書き込み層 4 SiN層 5 Al層 6 調整層 7 スイッチ層 8 初期化層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に室温において高い保磁力及び低
    いキュリー温度を示す第一の垂直磁化膜からなるメモリ
    層と、相対的に室温において低い保磁力及び高いキュリ
    ー温度を示す第二の垂直磁化膜からなる書き込み層の少
    なくとも二層構造を有する交換結合膜において、書き込
    み層の最小臨界磁区直径を再生光のスポット径と略同一
    になるように設計したことを特徴とする光磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 情報ビットの保存が可能な第一の垂直磁
    化膜からなるメモリ層と、該メモリ層よりも高いキュリ
    ー温度を有し、情報ビットの書き込みが可能な第二の垂
    直磁化膜からなる書き込み層と、該メモリ層のキュリー
    温度よりも低く室温よりも高いキュリー温度を有する第
    三の磁性膜からなるスイッチ層と、該書き込み層より高
    いキュリー温度を有する第四の垂直磁化膜からなる初期
    化層との少なくとも4層の希土類−遷移金属磁性膜から
    なる磁性層が互いに交換結合して順次積層されている光
    変調オーバライト可能な光磁気記録媒体において、書き
    込み層の最小臨界磁区直径を再生光のスポット径と略同
    一になるように設計したことを特徴とする光磁気記録媒
    体。
JP26304095A 1995-10-11 1995-10-11 光磁気記録媒体 Pending JPH09106587A (ja)

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