JPH09105736A - 汚れ付着防止方法,洗浄方法およびその容器 - Google Patents
汚れ付着防止方法,洗浄方法およびその容器Info
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- JPH09105736A JPH09105736A JP7263863A JP26386395A JPH09105736A JP H09105736 A JPH09105736 A JP H09105736A JP 7263863 A JP7263863 A JP 7263863A JP 26386395 A JP26386395 A JP 26386395A JP H09105736 A JPH09105736 A JP H09105736A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】厳重な洗浄が要求される医薬品,化粧品および
食品の製造設備の洗浄で、汚れの残存の発生を即座に検
知することが可能な洗浄方法および汚れの付着を抑制す
る方法とそれらを実現する装置を提供する。 【解決手段】洗浄対象物内壁に少なくとも一組の薄膜電
極1Aを設置し、電極相互間の電位および/または電気
容量の変化を測定し、その結果を正常な洗浄が実施され
た時の結果と比較して洗浄異常発生の有無を判定する。
さらに、電極相互間の電位および/または電気容量を一
定に制御することにより汚れの付着を防止する。
食品の製造設備の洗浄で、汚れの残存の発生を即座に検
知することが可能な洗浄方法および汚れの付着を抑制す
る方法とそれらを実現する装置を提供する。 【解決手段】洗浄対象物内壁に少なくとも一組の薄膜電
極1Aを設置し、電極相互間の電位および/または電気
容量の変化を測定し、その結果を正常な洗浄が実施され
た時の結果と比較して洗浄異常発生の有無を判定する。
さらに、電極相互間の電位および/または電気容量を一
定に制御することにより汚れの付着を防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品を製造する
ための設備、および化粧品,食品を製造するための設備
で、これらの製造設備の洗浄方法および洗浄装置にかか
わる。特に、これら製造設備の洗浄異常の検出方法およ
び汚れの付着の防止方法とそれを実現する装置に関す
る。
ための設備、および化粧品,食品を製造するための設備
で、これらの製造設備の洗浄方法および洗浄装置にかか
わる。特に、これら製造設備の洗浄異常の検出方法およ
び汚れの付着の防止方法とそれを実現する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】医薬品や化粧品および食品の製造では、
その製品の品質や安全性を保証することが要求される。
このため、医薬品や化粧品の製造では、製品純度の維持
のため、不純物の混入が生じないように、製造設備の細
部まで厳密に洗浄することが要求される。また、同様
に、食品の製造でも、原材料品質の劣化や腐敗を防止
し、良好な衛生状態を保持するために、その製造設備を
確実に洗浄することが求められる。
その製品の品質や安全性を保証することが要求される。
このため、医薬品や化粧品の製造では、製品純度の維持
のため、不純物の混入が生じないように、製造設備の細
部まで厳密に洗浄することが要求される。また、同様
に、食品の製造でも、原材料品質の劣化や腐敗を防止
し、良好な衛生状態を保持するために、その製造設備を
確実に洗浄することが求められる。
【0003】このような医薬品等の製造設備の洗浄は、
近年の製造設備の大型化,運転制御の自動化にともな
い、製造設備を分解,解体して、人力により洗浄する方
法から、かかる設備を解体せずに、設備内部に洗浄液を
注入して洗浄する方法が使われるようになってきた。こ
の方法は、定置洗浄法と呼ばれる方法で、具体的には、
洗浄対象物である医薬品,化粧品、または、食品製造設
備を構成するタンク,配管等の表面の汚れに、温水,酸
性溶液,アルカリ性溶液,洗浄用界面活性剤溶液、およ
びそれらの混合溶液である洗浄液を注入して接触させる
ことにより、汚れ物質を取り除く方法である。
近年の製造設備の大型化,運転制御の自動化にともな
い、製造設備を分解,解体して、人力により洗浄する方
法から、かかる設備を解体せずに、設備内部に洗浄液を
注入して洗浄する方法が使われるようになってきた。こ
の方法は、定置洗浄法と呼ばれる方法で、具体的には、
洗浄対象物である医薬品,化粧品、または、食品製造設
備を構成するタンク,配管等の表面の汚れに、温水,酸
性溶液,アルカリ性溶液,洗浄用界面活性剤溶液、およ
びそれらの混合溶液である洗浄液を注入して接触させる
ことにより、汚れ物質を取り除く方法である。
【0004】定置洗浄法については、ファームテックジ
ャパン1992年第8巻第8号31〜38頁(Pharm.Te
ch.Japan,8(8)p.31〜38,1992)にその概
要が記載されている。
ャパン1992年第8巻第8号31〜38頁(Pharm.Te
ch.Japan,8(8)p.31〜38,1992)にその概
要が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】定置洗浄法では、通
常、洗浄終了(リンス終了)の判定は、洗浄対象プラン
トの各部から排水用配管に集まってくる液の電導度を測
定することによって行われる。これは、リンス工程でリ
ンス液に混入してくる洗浄液のイオン成分の含有量を電
導度としてモニタし、電導度がゼロになったらリンス終
了(洗浄終了)と判断するものである。つまり、汚れ成
分自体をモニタしているのではなく、全ての汚れが洗浄
液により剥離・溶出することを前提に、洗浄液成分の残
存の有無をモニタして洗浄工程の終了を判定している。
よって、もし、万が一、洗浄液では除去されない汚れが
残存してしまった場合、これを検知することはできな
い。このような汚れの残存は、深刻な製品品質の低下を
もたらす原因となる。
常、洗浄終了(リンス終了)の判定は、洗浄対象プラン
トの各部から排水用配管に集まってくる液の電導度を測
定することによって行われる。これは、リンス工程でリ
ンス液に混入してくる洗浄液のイオン成分の含有量を電
導度としてモニタし、電導度がゼロになったらリンス終
了(洗浄終了)と判断するものである。つまり、汚れ成
分自体をモニタしているのではなく、全ての汚れが洗浄
液により剥離・溶出することを前提に、洗浄液成分の残
存の有無をモニタして洗浄工程の終了を判定している。
よって、もし、万が一、洗浄液では除去されない汚れが
残存してしまった場合、これを検知することはできな
い。このような汚れの残存は、深刻な製品品質の低下を
もたらす原因となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような従来技術の問
題点を解決するために、本発明では以下に述べる手段を
用いている。
題点を解決するために、本発明では以下に述べる手段を
用いている。
【0007】医薬品等の製造プラントは、洗浄性を考慮
して設計・製造されている。よって、上述したような汚
れの残存といった問題が生じる可能性の高い箇所、すな
わち、構造的に洗浄が難しい部分は容易に推測できる。
例えば、種々の配管の合流・分岐部,デッドエンド部,
立ち上がり部,センサポート,メカシール部等である。
して設計・製造されている。よって、上述したような汚
れの残存といった問題が生じる可能性の高い箇所、すな
わち、構造的に洗浄が難しい部分は容易に推測できる。
例えば、種々の配管の合流・分岐部,デッドエンド部,
立ち上がり部,センサポート,メカシール部等である。
【0008】本発明の洗浄方法では、これらの箇所の内
壁にあらかじめ少なくとも一つの薄膜電極を作用極とし
て設置するか、または、内壁の一部分、すなわち汚れが
付着しやすいと予想される部分を、そのまま作用極とし
て用いる。この作用極の近くには参照極を設置する。さ
らに、対極として洗浄が容易な部分にも薄膜電極を同様
に設置する。これらの電極間に所定の電圧を印加し、そ
の電位およびまたは電気容量を適時モニタする。作用極
の電極表面に何らかの汚れが付着した場合、その電位お
よびまたは電気容量が変化する。これらの変化を正常時
(汚れ未付着時)と比較することで、汚れの残存を直
接、感度よく、検知することができる。
壁にあらかじめ少なくとも一つの薄膜電極を作用極とし
て設置するか、または、内壁の一部分、すなわち汚れが
付着しやすいと予想される部分を、そのまま作用極とし
て用いる。この作用極の近くには参照極を設置する。さ
らに、対極として洗浄が容易な部分にも薄膜電極を同様
に設置する。これらの電極間に所定の電圧を印加し、そ
の電位およびまたは電気容量を適時モニタする。作用極
の電極表面に何らかの汚れが付着した場合、その電位お
よびまたは電気容量が変化する。これらの変化を正常時
(汚れ未付着時)と比較することで、汚れの残存を直
接、感度よく、検知することができる。
【0009】さらに、本発明では、付着すると予想され
る汚れが電荷をもつ物質である場合は、検査極に、汚れ
と同じ極の電荷が生じるように電圧を印加し、汚れの付
着を積極的に防止するのが望ましい。例えば、付着する
と予測される汚れのゼータ電位が明らかな場合は、検査
極の電位を、ゼータ電位よりも貴側のように制御するこ
とにより、効率よく汚れの付着を防止することが可能で
ある。
る汚れが電荷をもつ物質である場合は、検査極に、汚れ
と同じ極の電荷が生じるように電圧を印加し、汚れの付
着を積極的に防止するのが望ましい。例えば、付着する
と予測される汚れのゼータ電位が明らかな場合は、検査
極の電位を、ゼータ電位よりも貴側のように制御するこ
とにより、効率よく汚れの付着を防止することが可能で
ある。
【0010】さらに、本発明では、電位および/または
電気容量の変化をモニタした結果から汚れが付着したと
判定された場合、電極に印加されている電圧の正負を逆
転させることによって、電気的な反発力により汚れを剥
離させることが可能である。本発明により洗浄の対象と
なる装置の内部に設置される薄膜電極は、電極自体の存
在が洗浄効率を妨げることのないように、白金や金のよ
うに薄膜を作製するのが容易であり、加えて、耐熱,耐
酸,耐アルカリ性の材料を用いるのがよい。以上述べた
ように、本発明の洗浄方法では、電極間の電位の変化と
してあらわれる、汚れ物質の付着状態の変化を直接モニ
タしているので、従来法では検知不可能であった洗浄異
常を検知することができ、より信頼性の高い洗浄を実施
することができる。
電気容量の変化をモニタした結果から汚れが付着したと
判定された場合、電極に印加されている電圧の正負を逆
転させることによって、電気的な反発力により汚れを剥
離させることが可能である。本発明により洗浄の対象と
なる装置の内部に設置される薄膜電極は、電極自体の存
在が洗浄効率を妨げることのないように、白金や金のよ
うに薄膜を作製するのが容易であり、加えて、耐熱,耐
酸,耐アルカリ性の材料を用いるのがよい。以上述べた
ように、本発明の洗浄方法では、電極間の電位の変化と
してあらわれる、汚れ物質の付着状態の変化を直接モニ
タしているので、従来法では検知不可能であった洗浄異
常を検知することができ、より信頼性の高い洗浄を実施
することができる。
【0011】医薬品等の製造プラントでは、製品品質維
持のために非常に厳密な洗浄が要求される。本発明で
は、洗浄の対象となる装置の内壁面に汚れの付着状態監
視するための白金等で作製した薄膜電極を設置する。薄
膜の電極を用いることにより、それ自体の存在が洗浄を
妨害することがなく、また、微少な領域への設置も可能
であり、電極の製造コストを低く押さえることが出来
る。本発明では、汚れ物質自体の電極表面への付着状態
の変化によって生じる電位および/または電気容量の変
化をモニタしている。よって、従来の洗浄液成分をモニ
タする方法では検知できなかった洗浄不良の発生を検知
できるので、より信頼性の高い洗浄を実施することが出
来る。
持のために非常に厳密な洗浄が要求される。本発明で
は、洗浄の対象となる装置の内壁面に汚れの付着状態監
視するための白金等で作製した薄膜電極を設置する。薄
膜の電極を用いることにより、それ自体の存在が洗浄を
妨害することがなく、また、微少な領域への設置も可能
であり、電極の製造コストを低く押さえることが出来
る。本発明では、汚れ物質自体の電極表面への付着状態
の変化によって生じる電位および/または電気容量の変
化をモニタしている。よって、従来の洗浄液成分をモニ
タする方法では検知できなかった洗浄不良の発生を検知
できるので、より信頼性の高い洗浄を実施することが出
来る。
【0012】本発明は付着すると考えられる汚れが電荷
をもつ物質である場合は特に有効である。設置した電極
に汚れと同じ極の電荷を生じさせることにより、積極的
に汚れの付着を防止することができる。さらに、印加電
圧の正負を反転させることで、電気的な反発力により汚
れを剥離させる。これらの効果により、洗浄時間の短縮
や洗浄液使用量の削減が可能であり、全体として洗浄に
かかるコストを削減することができる。
をもつ物質である場合は特に有効である。設置した電極
に汚れと同じ極の電荷を生じさせることにより、積極的
に汚れの付着を防止することができる。さらに、印加電
圧の正負を反転させることで、電気的な反発力により汚
れを剥離させる。これらの効果により、洗浄時間の短縮
や洗浄液使用量の削減が可能であり、全体として洗浄に
かかるコストを削減することができる。
【0013】さらに、本発明は動物細胞などの生体の細
胞、および酵母等の各種微生物を用いた培養プラントの
洗浄に特に有効である。これらの細胞の培養では、培養
槽の気液界面部の壁面に細胞の死骸が付着するといった
現象がよくみられる。これらは非常に粘着性や脂質に富
んだ汚れであり、洗浄するのが困難である。この場合、
本発明の薄膜電極を培養槽内部の気液界面部分の内壁面
に設置し、電極表面が負の電荷持つように電圧を印加す
る。通常、上述の生体の細胞は、その表面に負の電荷を
もっているので、静電的な反発効果により、壁面への付
着を積極的に抑制・防止することができるので、洗浄が
容易になる。
胞、および酵母等の各種微生物を用いた培養プラントの
洗浄に特に有効である。これらの細胞の培養では、培養
槽の気液界面部の壁面に細胞の死骸が付着するといった
現象がよくみられる。これらは非常に粘着性や脂質に富
んだ汚れであり、洗浄するのが困難である。この場合、
本発明の薄膜電極を培養槽内部の気液界面部分の内壁面
に設置し、電極表面が負の電荷持つように電圧を印加す
る。通常、上述の生体の細胞は、その表面に負の電荷を
もっているので、静電的な反発効果により、壁面への付
着を積極的に抑制・防止することができるので、洗浄が
容易になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例により詳細
に説明する。
に説明する。
【0015】図1は本発明の汚れの付着状態の監視手段
を具備し、本発明の洗浄を実現することができる製造設
備の一例を示す図である。
を具備し、本発明の洗浄を実現することができる製造設
備の一例を示す図である。
【0016】本装置は製造物を生産するタンク12と洗
浄液貯槽14と酸溶液貯槽15,アルカリ溶液貯槽1
6,熱交換器17、これらを接続する配管,バルブ,ポ
ンプからなる。さらに、製造物生産タンク12内には、
洗浄液が噴射されるノズル13と薄膜電極1A,2A,
3Aが設置されている。薄膜電極1A〜3Aはそれぞ
れ、ノズル13挿入部,培養槽の蓋の内壁面,培養液の
気液界面に円周状に設置されている。さらに、薄膜電極
1A〜3Aは、制御部11に接続されている。
浄液貯槽14と酸溶液貯槽15,アルカリ溶液貯槽1
6,熱交換器17、これらを接続する配管,バルブ,ポ
ンプからなる。さらに、製造物生産タンク12内には、
洗浄液が噴射されるノズル13と薄膜電極1A,2A,
3Aが設置されている。薄膜電極1A〜3Aはそれぞ
れ、ノズル13挿入部,培養槽の蓋の内壁面,培養液の
気液界面に円周状に設置されている。さらに、薄膜電極
1A〜3Aは、制御部11に接続されている。
【0017】本実施例による洗浄は次のように実施され
る。まず洗浄液貯槽14に所定量の市水(水道水)を貯
める。所定量の水が貯まったら、ポンプ18を稼働さ
せ、配管を通して、水をタンク12へ移送する。同時
に、ポンプ19または20を稼働させて所定量の酸溶液
またはアルカリ溶液を同配管内に注入,混合して、洗浄
液を調製する。調製された洗浄液は、熱交換器17を通
り、所定の温度に加温され、ノズル13からタンク12
内部に噴射される。これによりタンク12の内壁表面に
付着していた汚れが、剥離や溶出により除去される。タ
ンク12内の洗浄液は、ポンプ18により速やかにタン
ク12外に排出され、洗浄液は洗浄液貯槽14に戻る。
洗浄液を、以上述べた方法により所定時間循環させて、
タンク内壁面の汚れを溶出させる。ついで、洗浄液とは
別の経路で精製水をタンク12内部にノズル13から噴
射して、汚れを含んだ洗浄液を完全に取り除く(リンス
操作)。さらに、図示していないが、リンス操作時に排
出されてくるリンス液中の電気伝導度をオンラインで測
定し、電気伝導度がゼロになったところでリンス操作終
了、すなわち、洗浄工程終了と判定する。
る。まず洗浄液貯槽14に所定量の市水(水道水)を貯
める。所定量の水が貯まったら、ポンプ18を稼働さ
せ、配管を通して、水をタンク12へ移送する。同時
に、ポンプ19または20を稼働させて所定量の酸溶液
またはアルカリ溶液を同配管内に注入,混合して、洗浄
液を調製する。調製された洗浄液は、熱交換器17を通
り、所定の温度に加温され、ノズル13からタンク12
内部に噴射される。これによりタンク12の内壁表面に
付着していた汚れが、剥離や溶出により除去される。タ
ンク12内の洗浄液は、ポンプ18により速やかにタン
ク12外に排出され、洗浄液は洗浄液貯槽14に戻る。
洗浄液を、以上述べた方法により所定時間循環させて、
タンク内壁面の汚れを溶出させる。ついで、洗浄液とは
別の経路で精製水をタンク12内部にノズル13から噴
射して、汚れを含んだ洗浄液を完全に取り除く(リンス
操作)。さらに、図示していないが、リンス操作時に排
出されてくるリンス液中の電気伝導度をオンラインで測
定し、電気伝導度がゼロになったところでリンス操作終
了、すなわち、洗浄工程終了と判定する。
【0018】本実施例では、このように電導度を測定す
るとともに、洗浄工程中に薄膜電極1Aと3Aおよび2
Aと3A間に所定の電圧を印加し、電極間の電位および
/または電気容量の経時変化をモニタする。これらの電
極間は、噴出される洗浄液および/またはリンス液の液
膜を介して接続されている。制御部11には、正常時、
すなわち、汚れ未付着時の電位および/または電気容量
の値があらかじめ記憶されており、この正常時の値と測
定値を比較して、汚れの付着の有無を判定する。
るとともに、洗浄工程中に薄膜電極1Aと3Aおよび2
Aと3A間に所定の電圧を印加し、電極間の電位および
/または電気容量の経時変化をモニタする。これらの電
極間は、噴出される洗浄液および/またはリンス液の液
膜を介して接続されている。制御部11には、正常時、
すなわち、汚れ未付着時の電位および/または電気容量
の値があらかじめ記憶されており、この正常時の値と測
定値を比較して、汚れの付着の有無を判定する。
【0019】汚れの付着は、電極間の電位および/また
は電気容量の変化として表れる。電位変化の一例を図3
に示す。汚れが付着していない場合、電位は一定値En
である。汚れが付着すると、その付着量に応じて電位は
Exまで上昇する(時間t1からt2の間)。洗浄(時
間t1からt2の間)により汚れが除去されると、電位
はEnまで低下する。
は電気容量の変化として表れる。電位変化の一例を図3
に示す。汚れが付着していない場合、電位は一定値En
である。汚れが付着すると、その付着量に応じて電位は
Exまで上昇する(時間t1からt2の間)。洗浄(時
間t1からt2の間)により汚れが除去されると、電位
はEnまで低下する。
【0020】よって、図4のaに示したように、洗浄後
に電位がEnまで復帰していれば、洗浄−リンス操作は
正常に実施され、汚れの残存はないと判定する。もし、
図4のbに示すように、電位がEnまで復帰せず、En
よりも大きな値を示すときは、汚れが残存していると判
定される。この場合は、洗浄不良と判定されるので、リ
ンス操作または洗浄−リンス操作を再度実施し、電位が
正常値に鳴った時点で洗浄終了とする。
に電位がEnまで復帰していれば、洗浄−リンス操作は
正常に実施され、汚れの残存はないと判定する。もし、
図4のbに示すように、電位がEnまで復帰せず、En
よりも大きな値を示すときは、汚れが残存していると判
定される。この場合は、洗浄不良と判定されるので、リ
ンス操作または洗浄−リンス操作を再度実施し、電位が
正常値に鳴った時点で洗浄終了とする。
【0021】さらに、本実施例では、製造タンク12で
生体の細胞を培養する培養工程で、薄膜電極3Aの電位
および/または電気容量を一定に制御する。細胞は表面
に微弱な負の電荷をもっている。よって、薄膜電極の電
荷が負にチャージしていれば電気的に反発しあうので、
培養液の気液界面への細胞の死骸の付着を抑制すること
ができる。このチャージは、培養する細胞のゼータ電位
の1.5 から数倍の値に制御するのがより望ましい。こ
れより、従来困難であった培養槽の気液界面付近の壁面
は容易に洗浄されうる。
生体の細胞を培養する培養工程で、薄膜電極3Aの電位
および/または電気容量を一定に制御する。細胞は表面
に微弱な負の電荷をもっている。よって、薄膜電極の電
荷が負にチャージしていれば電気的に反発しあうので、
培養液の気液界面への細胞の死骸の付着を抑制すること
ができる。このチャージは、培養する細胞のゼータ電位
の1.5 から数倍の値に制御するのがより望ましい。こ
れより、従来困難であった培養槽の気液界面付近の壁面
は容易に洗浄されうる。
【0022】図2に本発明の汚れの付着状態監視手段で
ある薄膜電極の配管部での設置例を示す。電極4Aは、
絶縁体4B上に積層されて配管内壁面に設置されてい
る。これらの積層体は配管の接続部付近に設置される。
積層体が設置される配管接続部分のパッキン22は、そ
の表面に導電処理がなされており、パッキン22の導電
部分と電極4Aは接続している。さらに、電極6Aは、
電気的に絶縁体である普通のパッキン23とともに、汚
れの付着しやすい部分すなわち汚れの付着状態をモニタ
する部分である検査部5Aの近くに設置される。本実施
例では、電極4Aは対極,電極6Aは参照極,検査部5
Aは作用極となり、電圧計24,電流計25、および、
電圧印加部26とともに図2に示すように接続され、電
極4Aと電極6A間に電圧が印加される。
ある薄膜電極の配管部での設置例を示す。電極4Aは、
絶縁体4B上に積層されて配管内壁面に設置されてい
る。これらの積層体は配管の接続部付近に設置される。
積層体が設置される配管接続部分のパッキン22は、そ
の表面に導電処理がなされており、パッキン22の導電
部分と電極4Aは接続している。さらに、電極6Aは、
電気的に絶縁体である普通のパッキン23とともに、汚
れの付着しやすい部分すなわち汚れの付着状態をモニタ
する部分である検査部5Aの近くに設置される。本実施
例では、電極4Aは対極,電極6Aは参照極,検査部5
Aは作用極となり、電圧計24,電流計25、および、
電圧印加部26とともに図2に示すように接続され、電
極4Aと電極6A間に電圧が印加される。
【0023】本実施例では、導電性の配管の内壁をその
まま作用極として用いているが、これは特に限定するも
のではなく、別途、対極と同様に作用極として薄膜電極
を設置しても良い。制御部11には、電圧計24,電流
計25からの情報が送られる。この電極4Aと電極6A
間の電位変化および/または電気容量の変化を、制御部
11でモニタし、図1ないし図3で説明したのと同様の
方法で、検査部5A上への汚れの付着を監視し、確実に
正常な洗浄を実施する。
まま作用極として用いているが、これは特に限定するも
のではなく、別途、対極と同様に作用極として薄膜電極
を設置しても良い。制御部11には、電圧計24,電流
計25からの情報が送られる。この電極4Aと電極6A
間の電位変化および/または電気容量の変化を、制御部
11でモニタし、図1ないし図3で説明したのと同様の
方法で、検査部5A上への汚れの付着を監視し、確実に
正常な洗浄を実施する。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、医薬品,化粧品および
食品製造設備内部の洗浄異常発生すなわち汚れの残存の
有無を、装置を分解することなく簡便に検知することが
でき、洗浄不良が原因で生じる製造物の汚染や品質低下
を防ぐことができる。さらに、同時に、汚れの付着を積
極的に抑制することができるので、洗浄にかかるコスト
を削減できる。
食品製造設備内部の洗浄異常発生すなわち汚れの残存の
有無を、装置を分解することなく簡便に検知することが
でき、洗浄不良が原因で生じる製造物の汚染や品質低下
を防ぐことができる。さらに、同時に、汚れの付着を積
極的に抑制することができるので、洗浄にかかるコスト
を削減できる。
【図1】本発明の製造設備の一実施例の系統図。
【図2】本発明の汚れの監視手段の設置の一実施例の説
明図。
明図。
【図3】本発明の汚れの監視の一実施例の特性図。
【図4】本発明の汚れの監視の他の実施例の特性図。
1A〜3A…薄膜電極、11…制御部、12…製造物を
生産するタンク、13…洗浄液噴射ノズル、14…洗浄
液貯槽、15…酸溶液貯槽、16…アルカリ溶液貯槽、
17…熱交換器、19〜21…ポンプ。
生産するタンク、13…洗浄液噴射ノズル、14…洗浄
液貯槽、15…酸溶液貯槽、16…アルカリ溶液貯槽、
17…熱交換器、19〜21…ポンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 利克 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (7)
- 【請求項1】配管,弁,タンクを含む容器の内部を前記
容器を分解することなく洗浄する方法において、前記容
器の内壁面に少なくとも一組の薄膜電極を設置し、前記
薄膜電極の電位または電気容量の変化パターンから前記
薄膜電極の表面への汚れの付着状態を監視し、汚れの有
無を検知する工程を有することを特徴とする洗浄方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記薄膜電極を常に一
定の電位に制御することにより、前記薄膜電極への汚れ
の付着を抑制する汚れ付着防止方法。 - 【請求項3】請求項1において、前記薄膜電極に印加す
る電圧の正負を適時逆転させることにより、前記薄膜電
極の表面の汚れを剥離させる洗浄方法。 - 【請求項4】請求項2において、前記薄膜電極の電位を
汚れ成分のゼータ電位よりも大きい値に制御する汚れ付
着防止方法。 - 【請求項5】配管,弁,タンクを含む容器において、前
記容器の内壁面に少なくとも一組の薄膜電極を設置し、
前記薄膜電極の電位を一定に制御する手段と、前記電極
間に印加する電圧の正負を反転させる手段と、前記薄膜
電極の電位または電気容量の変化を測定する手段と、前
記測定結果から前記薄膜電極表面への汚れの付着状態を
判定する手段を有する容器。 - 【請求項6】配管,弁,タンクを含む容器が、医薬品,
化粧品,食品のいずれかを製造する設備の容器である請
求項5に記載の容器。 - 【請求項7】配管,弁,タンクを含む容器が、生体の細
胞の培養装置を構成する容器である請求項5または6に
記載の容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7263863A JPH09105736A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | 汚れ付着防止方法,洗浄方法およびその容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7263863A JPH09105736A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | 汚れ付着防止方法,洗浄方法およびその容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09105736A true JPH09105736A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17395295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7263863A Pending JPH09105736A (ja) | 1995-10-12 | 1995-10-12 | 汚れ付着防止方法,洗浄方法およびその容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09105736A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100609246B1 (ko) * | 2005-02-02 | 2006-08-08 | 삼성토탈 주식회사 | 올레핀계 화합물의 파울링 생성 정도를 정량하는 방법 및상기 방법에 의해 얻어진 결과를 이용한 올레핀계화합물의 파울링 생성 억제 방법 |
CN102935438A (zh) * | 2012-10-16 | 2013-02-20 | 河南骏化发展股份有限公司 | 联碱碳化塔清洗系统与清洗方法 |
CN110346473A (zh) * | 2019-07-11 | 2019-10-18 | 广东石油化工学院 | 一种测定催化重整催化剂积碳速率的装置及方法 |
-
1995
- 1995-10-12 JP JP7263863A patent/JPH09105736A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100609246B1 (ko) * | 2005-02-02 | 2006-08-08 | 삼성토탈 주식회사 | 올레핀계 화합물의 파울링 생성 정도를 정량하는 방법 및상기 방법에 의해 얻어진 결과를 이용한 올레핀계화합물의 파울링 생성 억제 방법 |
CN102935438A (zh) * | 2012-10-16 | 2013-02-20 | 河南骏化发展股份有限公司 | 联碱碳化塔清洗系统与清洗方法 |
CN102935438B (zh) * | 2012-10-16 | 2015-09-16 | 河南骏化发展股份有限公司 | 联碱碳化塔清洗系统与清洗方法 |
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