JPH09105592A - プレート積層型熱交換器及びその製造方法 - Google Patents

プレート積層型熱交換器及びその製造方法

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JPH09105592A
JPH09105592A JP25875195A JP25875195A JPH09105592A JP H09105592 A JPH09105592 A JP H09105592A JP 25875195 A JP25875195 A JP 25875195A JP 25875195 A JP25875195 A JP 25875195A JP H09105592 A JPH09105592 A JP H09105592A
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heat exchange
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plates
heat exchanger
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JP25875195A
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Shinji Nakadeguchi
真治 中出口
Yoshihiro Kashiba
良裕 加柴
Yoichi Hisamori
洋一 久森
Masatoshi Matsuki
正敏 松木
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱交換板、中間板及び端板を積層してろう付
するときに、余分なろう材が熱交換板の流路を閉塞す
る。 【解決手段】 熱交換板8、中間板9及び端板10の隣
接した少なくとも一方の面を燐を含むニッケルのろう材
でめっきし、各板8〜10を積層した状態で炉中で昇温
して、各板8〜10の銅とニッケルとの反応層を形成す
ることにより各板8〜10間を接合する。これにより、
ろう付の際の溶融層を薄く均一に形成できるので、ろう
付時にろう材が流路8aを閉塞するのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インバータ等の
電子機器の冷却に使用するプレート積層型熱交換器及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、例えば特開平2−30609
7号公報に記載された従来のプレート積層型熱交換器の
接合前の構成部品を示す斜視図である。図14は図10
の構成部品の接合を完成した状態を示す斜視図である。
【0003】図13及び図14において、1は銅、アル
ミニウム、あるいはステンレス等の鉄系材料の端板で、
後述の熱交換板2の流路2aと接続する穴1a、1bが
設けてある。2は流路2aを形成した銅、アルミニウ
ム、あるいはステンレス等の鉄系材料の熱交換板で、流
路2aの各端部が各穴1a、1bと接続するように積層
する。3は熱交換板2に積層した銅、アルミニウム、あ
るいはステンレス等の鉄系材料の端板、4は穴1aに接
続する銅、アルミニウム、あるいはステンレス等の鉄系
材料の入口管、5は穴1bに接続する銅、アルミニウ
ム、あるいはステンレス等の鉄系材料の出口管である。
これらの各板1〜3及び各管4、5の各部品を図14の
ように組み合わせて相互間にろう材を挟んで、ろう付温
度でろう付する。
【0004】次に動作について説明する。図13及び図
14において、端板3にパワーデバイス(図示せず)等
の発熱をする電子機器等の被冷却体を基板を介してはん
だ付する。そして、入口管4及び出口管5はろう付した
パイプ(図示せず)を介して熱交換流体を冷却する外部
の冷却手段(図示せず)に接続する。この状態におい
て、入口管4から冷却水等の熱交換流体を供給する。熱
交換流体は図13の矢印で示すように熱交換板2の流路
2aを通って出口管5から流出するが、この間に端板3
を介して被冷却体との熱交換を行うことにより冷却す
る。熱交換により昇温した熱交換流体は出口管5から外
部の冷却手段(図示せず)を経由して再び入口管4から
熱交換板2へと循環する。
【0005】図15は他の従来例を示すもので、熱交換
流体の入口及び出口を各板2、3をろう付して積層した
後に、各板2、3の板厚側に流路2aと接続した管用ね
じ6をあける。そして、ねじ穴6に管継手の外部接続体
7を螺合する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のプレート積層型
熱交換器は以上のように構成されているので、各板間を
ろう付して積層した後に、各板の板厚側に管用継手用の
ねじ穴を加工したり、管用継手の外部接続体を螺合する
場合に、各板間のろう付面にクラックが発生し、熱交換
流体の漏れが生じる恐れがあるという問題点があった。
【0007】また、熱交換流体の入口及び出口のねじ穴
を各板のろう付後に行う場合に、加工の際に発生する切
屑が流路内に侵入して流路を塞ぐため、熱交換流体の所
定の流速が得られずに熱伝達率が低下するという問題点
があった。
【0008】また、熱交換板に細い複数の流路を形成す
る場合に、各板間をシート状あるいはペースト状のろう
材で接合すると、余分なろう材が流路に溢れて流路を狭
くしてしまうという問題点があった。
【0009】さらに、各板間をろう付するときに高温に
するので、はんだ付性の改善用としてめっきした端板の
Niが溶融して、Cuが拡散するためにはんだ付性が低
下する。このために、ボイドが発生して所定の熱伝達率
が得られないという問題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るプ
レート積層型熱交換器は、熱交換流体の第1の流路をス
リット状に形成した熱交換板と、この熱交換板の第1の
流路に接続する熱交換流体の第2の流路を形成し熱交換
板に積層した中間板と、この中間板の熱交換板の反対側
の面及び熱交換板の中間板の反対側の面にそれぞれ積層
した一対の端板との隣接した各面間を接合し、第2の流
路に接続した熱交換流体の流入口及び流出口を備え、被
冷却体を端板に当接するようにしたプレート積層型熱交
換器において、一方の端板の面が他方の端板、熱交換板
及び中間板を一体化した各端部と対向した折り曲げ部を
形成し、折り曲げ部に流入口及び流出口とそれぞれ接続
した一対の外部接続体を設けたものである。
【0011】請求項2の発明に係るプレート積層型熱交
換器において、請求項1に記載のプレート積層型熱交換
器において、流入口及び流出口と第1の流路との間に流
入口及び流出口から、ねじ穴の加工の際などに侵入した
切屑などの異物を捕捉し、異物とともに流入口及び流出
口から排出可能な異物捕捉手段を設けたものである。
【0012】請求項3の発明に係るプレート積層型熱交
換器の製造方法は、熱交換流体の第1の流路をスリット
状に形成した銅製の熱交換板と、この熱交換板の第1の
流路に接続する熱交換流体の第2の流路を形成し熱交換
板に積層した銅製の中間板と、この中間板の熱交換板の
反対側の面及び熱交換板の中間板の反対側の面にそれぞ
れ積層した一対の銅製の端板との隣接した各面間を接合
し、第2の流路に接続した熱交換流体の流入口及び流出
口を備え、被冷却体を端板に当接するようにしたプレー
ト積層型熱交換器の製造方法において、熱交換板、中間
板及び端板の隣接した少なくとも一方の面を燐、あるい
はボロン等の元素を含むニッケルでめっきし、各板を積
層した状態で昇温して各板の銅とニッケルとの反応層を
形成することにより各板間を接合するようにしたもので
ある。
【0013】請求項4の発明に係るプレート積層型熱交
換器の製造方法は、請求項3に記載のプレート積層型熱
交換器の製造方法において、端板の被冷却体と当接する
面を燐、あるいはボロン等の元素を含むニッケルで、各
板間のめっき厚さより厚くなるようにめっきするもので
ある。
【0014】請求項5の発明に係るプレート積層型熱交
換器の製造方法は、請求項3に記載のプレート積層型熱
交換器の製造方法において、端板の被冷却体と当接する
面を各板間のろう材より融点が高いニッケルもしくは
燐、あるいはボロン等の元素を含むニッケルでめっき
し、各板間の接合を端板の被冷却体と当接する面のろう
材の融点より低い温度のろう材で行うようにしたもので
ある。
【0015】請求項6の発明に係るプレート積層型熱交
換器の製造方法は、請求項3から請求項5のいずれかに
記載のプレート積層型熱交換器において、各板間の両面
を合計しためっきの厚さを5μm〜40μmにしたもの
である。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1は実施の形態1による6枚重ねのプ
レート積層型熱交換器を分解した斜視図、図2は熱交換
板の斜視図、図3は熱交換板と中間板との関係を示す説
明図である。図1〜図3において、8は水などの液状の
熱交換流体が流通可能な幅が2mmの複数のスリット状
の流路8aを形成した厚さが2mmの銅製の熱交換板
で、入口側流路8b及び出口側流路8cが流路8aを挟
んで設けてある。なお、各流路8b、8cの端部には入
口部8d及び出口部8eが設けてある。9は入口側流路
9a及び出口側流路9bをそれぞれ熱交換板8の各流路
8b、8cと対向する位置に設けた厚さが2mmの銅製
の中間板で、各流路9a、9bの対向する側の端部9
c、9dが参照線9e、9fに示すように、熱交換板8
の流路8aの各端部より内側になるように形成してあ
る。したがって、流路8b、9aはスリット状の流路8
aを介して流路8c、9bと連通している。なお、各流
路9a、9bの端部には入口部9g及び出口部9hが設
けてある。10は熱交換板8及び中間板9を交互に積層
した最外側に積層した端板で、入口部10a及び出口部
10bが形成してある。なお、電子機器等の被冷却体は
端板10に搭載する。以上の各板8〜10は銅板をエッ
チング、レーザー切断板、ターレットパンチプレス機、
ワイヤカット放電加工機等で外形及び流路を加工する。
【0017】各板8〜10を所定の形状に加工した後、
図4の説明図に示すようにろう材11となる燐を含むニ
ッケル5〜40μm、好ましくは10μmの厚さのめっ
きを施す。めっきは各板8〜10の両面でなくても、対
向する面のどちらか一方のみでもよい。この場合は、最
小サイズの流路である幅2mm、高さ(板厚)が2mm
に対して対向する面内のめっきの合計厚さを10〜80
μmにする。この厚さが薄い場合には、ろう材11の量
が不足して接合不良や液漏れが発生する。また、めっき
厚さが最小流路の幅と高さの和の1/50を越えると、
ろう材11の流動が大きくなって流路を狭めたり、流路
を閉塞する恐れがある。次に、各板8〜10を図1に示
す順に積層し、ろう付不良を防止するために0.5kg
/cm2程度の加圧力を与えて、ろう付用炉の中に入れ
る。そして、例えば950℃で加熱して図5に示すよう
に一度に固着して一体化する。
【0018】ろう付のプロセスを説明する。まず、各板
8〜10を積層した場合、外形加工時に発生したばりや
うねりのために局部的な初期接触部が形成される。そし
て、この接触部で優先的にニッケルめっき中の拡散しや
すい燐が銅母材側へ拡散する。これによって、燐の含有
量が増加した銅表面は融点降下が生じて、714℃から
890℃の温度で溶融を始めるので、各板8〜10間の
密着が確保できる。さらに、890℃を越えると、ニッ
ケル−燐めっきが溶融を開始し、例えば950℃で10
分間程保持することによって、全面のろう付ができる。
【0019】ここで、燐の役割は、ニッケル−燐めっき
が溶融するまでに銅と反応して突起部分で優先的に低い
温度で溶融し、各板8〜10の全面密着を可能にするこ
とである。このように安定した全面ろう付プロセスは、
ニッケルめっき中の燐の含有量を8%〜20%にするこ
とによって、0.5kg/cm2程度の加圧力でも実現
できた。なお、燐の含有量が8%以下の場合は、銅の溶
融効果はみられなかった。
【0020】図6は各板8〜10をろう付して一体化し
たものを、中間板9が最外面になるように破断した破断
図である。図6において、12は各板8〜10の入口部
8d、9g、10aにねじ部を設けた流入口で、各流路
8b、9aと外部とを連通している。13は各板8〜1
0の出口部8e、9h、10bにねじ部を設けた流出口
で、各流路8c、9bと外部とを連通している。14は
流入口12に螺合した配管用管継手の外部接続体、15
は流出口13に螺合した配管用管継手の外部接続体、1
6は弾性シールである。
【0021】なお、流入口12及び流出口13に外部接
続体14、15を使用しない場合は、ねじ部を加工しな
い流入口12及び流出口13に丸パイプを嵌合して、銀
ろう付を行う。この場合、銀ろう付は850℃でニッケ
ルのろう付温度に比べて低いので、ニッケルが再溶融す
ることがなく、パイプのろう付部に悪影響を与える恐れ
がない。ろう付は、1×10-2torr以下の真空中で
行う場合もある。
【0022】次に動作について説明する。図1及び図6
において、熱交換流体は、例えば純水を使用する。外部
の冷却手段(図示せず)で冷却した熱交換流体は、配管
(図示せず)を通って流入口12から流路8b、9aに
流れ込む。そして、熱交換板8のスリット状の各流路8
aに分岐して流れて、流路8c、9bで再び合流して流
出口13から配管(図示せず)を経由して冷却手段(図
示せず)に戻る。この場合、熱交換流体が熱交換板8の
流路8aを流れるときに、端板10に搭載した被冷却体
(図示せず)で生じた熱交換する。
【0023】なお、上記実施の形態1では熱交換板8及
び中間板9を両端板10間に2組を配置したものについ
て説明したが、被冷却体の発熱量に応じて1組にしても
同様の効果が期待できる。
【0024】実施の形態2.図7は実施の形態2の要部
である流入口側を示す断面図である。図7において、8
〜10、14、16は実施の形態1のものと同様のもの
である。17は各板8〜10をろう付で一体化した各端
部と対向するように折り曲げて折り曲げ部17aを形成
した端板で、熱交換板8に積層する。各板8〜10、1
7の表面に図4に示すように実施の形態1と同様にろう
材11でめっきを施す。さらに、各板8〜10の端部と
折り曲げ部17aとの間にニッケルの板状のろう材18
を挿入し、0.5kg/cm2程度の加圧力を与えて、
例えば950℃で加熱して一体化する。その後、ねじ部
を設けた流入口19を加工し、弾性シール16を押圧す
るように外部接続体14を螺合する。上記構成は、流入
口側について説明したが、流出口側についても同様に構
成する。
【0025】実施の形態3.図8は実施の形態3の要部
である入口部を示す断面図である。図8において、8〜
10、17、18は実施の形態2と同様に加工する。2
0は折り曲げ部17a及び熱交換板8を貫通した排気穴
で、熱交換板8の流路8bに接続している。21は排気
穴20に挿入したパイプで、ニッケルに濡れにくいカー
ボン製である。
【0026】図4のようにろう材11で表面をめっきし
た各板8〜10のろう付を行う場合、図1に示す各板
8、9の流路8a〜8c、9a、9b内の空気が閉じこ
められる。したがって、真空中の炉内でろう付を行う場
合には、これらの流路8a〜8c、9a、9b内の空気
を排気しないと、流路8a〜8c、9a、9b内と炉内
との圧力差により、各板8〜10に歪みが発生する。パ
イプ21を接続した流路8bは、各板8、9の他の各流
路8a、8c、9a、9bと接続しているので、各板8
〜10の流路8a〜8c、9a、9b内の空気を排気し
炉内の圧力と同じにすることができる。パイプ21は、
各板8〜10の入口部8d、9g、10a及び出口部8
e、9h、10bのいずれかの位置に設ければよい。
【0027】実施の形態4.図9は実施の形態4のもの
を一部破断した破断図である。図9において、8〜10
は実施の形態1のものと同様のものである。22は各板
8、9の入口部8d、9gの流路8b、9aの一部を閉
塞するように設けた異物捕捉手段で、切欠部22aを介
して各板8、9に固着している。23は各板8、9の出
口部8e、9hの流路8c、9bの一部を閉塞するよう
に設けた異物捕捉手段で、切欠部23aを介して各板
8、9に固着している。以上のように異物捕捉手段2
2、23を設けた各板8、9及び端板10を図4のよう
にろう材11で表面をめっきする。そして、ろう付して
図5に示すように一体化した後、図10に示すように入
口部8d、9g、10a及び出口部8e、9h、10b
に流入口12及び流出口13を切削加工により形成す
る。この切削加工時に発生した切屑24は異物捕捉手段
22、23が捕捉する。そして、切削加工の終了後に異
物捕捉手段22、23を切欠部22a、23aで切り離
すことにより、切屑24もともに排出する。
【0028】実施の形態5.図11は実施の形態5を模
式的に示した説明図である。図11において、8〜11
は実施の形態1のものと同様のものである。25はパワ
ーデバイス等の被冷却体(図示せず)を搭載する銅製の
端板、26は端板25の表面にめっきしたろう材で、燐
を含むニッケルを10〜80μm、好ましくは20μm
の厚さとする。以上の各板8〜10、25を図11のよ
うに積層して、900℃のろう付用炉の中で加熱し、ろ
う付により一度に固着する。この場合に、端板25の表
面のニッケルめっきが下地の銅と反応して合金となる
が、ろう材26の厚みを厚くしたので、最外層の銅の含
有量が少なくなる。したがって、銅の含有量が少ないの
で、銅の表面酸化が抑制できるため、はんだのぬれ性を
向上できる。しかし、ろう付温度を例えば950℃にす
ると、この効果が低減することが判った。そして、ろう
付温度は、ろうの溶融する温度より30℃〜40℃高く
するが好ましい。さらに、燐を含むニッケルのろう材1
1、26は、組成が共晶点近傍の場合に流動性が激しく
なるので好ましくない。なお、アルミニウムを積層板と
して使用する場合には銀や金めっきの組み合わせがあ
る。これらの組み合わせにおいては接合面にもろい層が
できるが、使用できないことはない。
【0029】実施の形態6.図12は実施の形態6を模
式的に示した説明図である。図12において、8〜11
は実施の形態1のものと同様のものであり、25は実施
の形態5のものと同様である。27は端板25の表面に
めっきしたニッケルのろう材で、5μmの厚みである。
28は各板8〜10、25の相対する面にめっきした銀
のろう材で、各板8〜10、25の面にそれぞれ2μm
の厚みで施す。
【0030】以上のように、ろう材27、28をめっき
した各板8〜10、25を図12のように積層して80
0℃の炉中で加熱すると、銀めっきと銅とが共晶反応し
て溶融する。このとき、銀2μmに対して銅が約6μm
溶融するので、接合界面には合計16μmの溶融領域が
形成されて、ろう付が行われる。この場合、被冷却体
(図示せず)をはんだ付で搭載する端板25のニッケル
めっきは、銀と銅とが反応した溶融物と接触するが、ニ
ッケルめっきと溶融物との反応がわずかであり、5μm
のニッケルめっきの表面が溶融することはなかった。ニ
ッケルめっきが溶融して銀や銅と反応するのを避けるこ
と、及び溶融量が増加して熱交換流体の流路を閉塞した
り、流路の面積を減少させるのを防止するため、加熱温
度を銀と銅との共晶温度の779℃からニッケルめっき
の融点の間に設定する。銀と銅との共晶温度以下では接
合強度が十分でなく、ニッケルめっきの融点以上では、
端板25の被冷却体(図示せず)を搭載する面が、はん
だ付にとって好ましくない状態となる。
【0031】ニッケルめっきとしては、ニッケル−燐を
用いることができるが、ニッケル−ボロンや電気ニッケ
ルめっきの方が融点が高い。なお、銅を積層板として用
いる場合は、銀めっきの代わりに亜鉛やすずめっきも融
点が低いので使用可能であるが、接合界面にもろい層が
形成される。以上の結果から、長期信頼性において、銅
の積層板に対して銀とニッケルとの組み合わせが最も工
業的に有用であった。さらに、アルミニウムを積層板と
して使用する場合は、銀や金めっきの組み合わせがあ
る。これらの組み合わせにおいては接合界面にもろい層
ができるが、使用できないことはない。
【0032】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
一方の端板の折り曲げ部と対向するように他方の端板、
熱交換板及び中間板の各端部を配置し、折り曲げ部に流
入口及び流出口を設けて外部接続部を接続することによ
り、ろう付のときに各板の端部が面一にならなくても外
部接続部からの熱交換流体の漏れを防止できる。
【0033】請求項2の発明によれば、流入口及び流出
口と第1の流路との間に異物捕捉手段を設けたことによ
り、流入口及び流出口の切削加工時に発生する切屑を捕
捉し、異物捕捉手段とともに切屑が流路内に侵入するの
を防止できるため、熱交換効率の低下を防止できる。
【0034】請求項3の発明によれば、積層した端板、
熱交換板及び中間板の相互間にニッケル−燐、もしくは
ニッケル−ボロンめっきを施して接合することにより、
溶融層を薄く均一に形成できるので、ろう付時にろう材
が流路を閉塞したり、流路面積を減少させるのを防止で
きるため、熱交換効率の低下を防止できる。
【0035】請求項4の発明によれば、端板の被冷却体
が搭載される面を燐を含むニッケルで、各板間のめっき
厚さより厚くなるようにめっきしたことにより、各板を
ろう付するときに端板の銅とニッケルが反応して合金化
しても、最外層の銅の含有量が少ないので、銅の表面酸
化を抑制するため、はんだのぬれ性を向上しはんだ付時
のボイドの発生を防止できる。
【0036】請求項5の発明によれば、端板の被冷却体
が搭載される面を各板間のろう材より融点が高い例えば
ニッケルもしくは燐を含むニッケルでめっきし、各板間
の接合を端板の被冷却体と当接する面のろう材の融点よ
り低い温度で行うことにより、各板間のろう付時に端板
にめっきしたニッケルが銅と反応するのを防止できるの
で、はんだのぬれ性を向上しはんだ付時のボイドの発生
を防止できる。
【0037】請求項6の発明によれば、各板間の両面を
合計しためっきの厚さを5μm〜40μmにしたことに
より、余分なろう材が熱交換板の流路を閉塞したり、流
路面積を減少させることを防止できるので、熱交換効率
の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の構成を分解した斜視図であ
る。
【図2】 図1の要部を示す斜視図である。
【図3】 図1の要部の相互関係を示した説明図であ
る。
【図4】 図1の要部を模式的に示した説明図である。
【図5】 図1の各板のろう付後を模式的に示した説明
図である。
【図6】 実施の形態1の要部を破断した破断図であ
る。
【図7】 実施の形態2の要部を示す断面図である。
【図8】 実施の形態3の要部を示す断面図である。
【図9】 実施の形態4の要部を破断した破断図であ
る。
【図10】 実施の形態4の説明図である。
【図11】 実施の形態5の要部を模式的に示した説明
図である。
【図12】 実施の形態6の要部を模式的に示した説明
図である。
【図13】 従来のプレート積層型熱交換器の構成部品
を示した斜視図である。
【図14】 図13の組立完了後を示した斜視図であ
る。
【図15】 図13とは別の従来例の要部を示す断面図
である。
【符号の説明】
8 熱交換板、8a,8b,8c,9a,9b 流路、
9 中間板、10,17,25 端板、11,26,2
7 ろう材、12,19 流入口、13 流出口、17
a 折り曲げ部、22,23 異物捕捉手段、24 異
物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松木 正敏 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換流体の第1の流路をスリット状に
    形成した熱交換板と、この熱交換板の上記第1の流路に
    接続する上記熱交換流体の第2の流路を形成し上記熱交
    換板に積層した中間板と、この中間板の上記熱交換板の
    反対側の面及び上記熱交換板の上記中間板の反対側の面
    にそれぞれ積層した一対の端板との隣接した各面間を接
    合し、上記第2の流路に接続した上記熱交換流体の流入
    口及び流出口を備え、被冷却体を上記端板に当接するよ
    うにしたプレート積層型熱交換器において、一方の上記
    端板の面が他方の上記端板、上記熱交換板及び上記中間
    板を一体化した各端部と対向した折り曲げ部を形成し、
    上記折り曲げ部に上記流入口及び上記流出口とそれぞれ
    接続した一対の外部接続体を設けたことを特徴とするプ
    レート積層型熱交換器。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のプレート積層型熱交換
    器において、流入口及び流出口と第1の流路との間に上
    記流入口及び上記流出口から侵入した異物を捕捉し、上
    記異物とともに上記流入口及び上記流出口から排出可能
    な異物捕捉手段を設けたことを特徴とするプレート積層
    型熱交換器。
  3. 【請求項3】 熱交換流体の第1の流路をスリット状に
    形成した銅製の熱交換板と、この熱交換板の上記第1の
    流路に接続する上記熱交換流体の第2の流路を形成し上
    記熱交換板に積層した銅製の中間板と、この中間板の上
    記熱交換板の反対側の面及び上記熱交換板の上記中間板
    の反対側の面にそれぞれ積層した一対の銅製の端板との
    隣接した各面間を接合し、上記第2の流路に接続した上
    記熱交換流体の流入口及び流出口を備え、被冷却体を上
    記端板に当接するようにしたプレート積層型熱交換器の
    製造方法において、上記熱交換板、上記中間板及び上記
    端板の隣接した少なくとも一方の面を燐、あるいはボロ
    ン等の元素を含むニッケルでめっきし、上記各板を積層
    した状態で昇温して上記各板の銅とニッケルとの反応層
    を形成することにより上記各板間を接合することを特徴
    とするプレート積層型熱交換器の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のプレート積層型熱交換
    器の製造方法において、端板の被冷却体と当接する面を
    燐、あるいはボロン等の元素を含むニッケルで、各板間
    のめっき厚さより厚くなるようにめっきしたことを特徴
    とするプレート積層型熱交換器の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のプレート積層型熱交換
    器の製造方法において、端板の被冷却体と当接する面を
    各板間のろう材より融点が高いニッケルもしくは燐、あ
    るいはボロン等の元素を含むニッケルでめっきし、上記
    各板間の接合を上記端板の上記被冷却体と当接する面の
    ろう材の融点より低い温度のろう材で行うことを特徴と
    するプレート積層型熱交換器の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3から請求項5のいずれかに記載
    のプレート積層型熱交換器において、各板間の両面を合
    計しためっきの厚さを5μm〜40μmにしたことを特
    徴とするプレート積層型熱交換器の製造方法。
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