JPH09104936A - 形状記憶合金材料 - Google Patents

形状記憶合金材料

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JPH09104936A
JPH09104936A JP21154596A JP21154596A JPH09104936A JP H09104936 A JPH09104936 A JP H09104936A JP 21154596 A JP21154596 A JP 21154596A JP 21154596 A JP21154596 A JP 21154596A JP H09104936 A JPH09104936 A JP H09104936A
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JP
Japan
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shape memory
transformation point
memory alloy
alloy material
alloy
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Application number
JP21154596A
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English (en)
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Takasumi Shimizu
水 孝 純 清
Toshimitsu Fujii
井 利 光 藤
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Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 変態点(Af)が30℃以下の形状記憶合金
材料を提供する。 【構成】 Ni−Ti−X系合金において、Ni/T
iが重量比で1.20以上1.30以下であり、XがF
e,Cr,MnおよびCoのうち少なくともCoを含む
1種または2種以上の合計で5.0重量%以下である形
状記憶合金材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、各種機械装置、住宅
設備、医療器材などに利用される形状記憶合金材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、可逆性もしくは非可逆性の形状記
憶合金材料への関心が高まっており、産業上の広い分野
で形状記憶合金材料自体およびそれらの用途の開発が進
められている。
【0003】この種の形状記憶合金材料としては、Ni
−TiおよびNi−Ti−X系、Cu−ZnおよびCu
−Zn−X系、Cu−Sn系、Ni−Al系等々の数多
くの種類のものが開発されている。
【0004】これらのうち、化学量論的に1:1の組成
に近いNi−Ti合金についても種々の研究がなされて
おり、Ni濃度と形状記憶効果を示す変態点(Af)と
の間にはほぼ直線的な関係があり、Ni量が0.1重量
%変化することによって変態点(Af)が10〜15℃
変化することが知られている(日本国特許第86324
5号)。
【0005】また、Ni−Ti合金に形状記憶効果を持
たせるためには、通常の場合、冷間加工した材料を30
0〜500℃の中温度で熱処理する方法がとられてい
る。例えば、Ni−Ti合金に対して500℃で形状記
憶処理を行った場合のNi濃度と変態点(Af)との関
係を示すと図1のとおりである。
【0006】図1に示すように、Ni濃度が約55.2
重量%以上では変態点(Af)は一定値となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図1に示したように、
Ni−Ti合金の変態点(Af)はNi濃度が約55.
2重量%以上で一定値となるが、このNi−Ti合金に
おいて上記変態点(Af)をさらに低下させることが要
望されていた。また、変態点(Af)の低下と同時に熱
間加工性や冷間加工性についても良好なものにできるよ
うにすることが要望されていた。
【0008】この発明は、上述した従来の課題に着目し
てなされたもので、かなりの研究実績をもっているNi
−Ti系の形状記憶合金材料において、変態点(Af)
のコントロールをしやすくし、変態点(Af)が30℃
以下の低い材料を工業的に提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明による形状記憶
合金材料は、Ni−Ti−X系合金において、Ni/T
iが重量比で1.20以上1.30以下であり、XがF
e,Cr,MnおよびCoのうち少なくともCoを含む
1種または2種以上の合計で5.0重量%以下であるこ
とを特徴としている。
【0010】この発明による形状記憶合金材料は上記の
構成からなるものであり、加工性および形状記憶特性が
良好であって、しかも変態点(Af)が30℃以下の形
状記憶合金材料を提供することができるものである。
【0011】ところで、Ni−Ti−X系合金として
は、従来すでに数多くの合金が公知となっている。例え
ば、Ni1−xTiCu(日本国特許第959348
号)、TiNi1−x(M=Fe,Co)(日本国
特許第863245号)、Ti1−xNiM(M=
V,Cr,Mn)(特開昭51−125623号)など
がある。これらの合金はNiあるいはTiの一部を第三
元素で置換した合金であり、ごく少量置換の場合は別と
して一般に加工性が悪く、工業的製造に適さないこと、
また、通常の製造方法、すなわち溶解−鋳造−鍛造−圧
延−伸線−焼鈍−伸線の工程によっては変態点(Af)
を低下させることが不可能であること、が確認された。
【0012】そして、特に熱間における加工性について
種々検討した結果、Ni/Tiの重量比を1.20以上
1.30以下にし、かつまたFe,Co,Cr,Mnの
添加量を合計で5.0重量%以下とすることによって熱
間加工性が改善されることを確かめた。すなわち、Ni
/Tiの重量比が1.20よりも値が低くなると熱間加
工性が低下すると共に、変態点(Af)が高くなり、目
標とする変態点(Af)約30℃以下を得ることができ
なくなり、反対に1.30よりも値が大きくなると同様
に熱間加工性が低下する。また、X元素であるFe,C
o,Cr,Mnは変態点(Af)を下げ、温度の低いと
ころでも形状記憶効果を発揮させるのに有効であるが、
多すぎると前述のように熱間加工性を低下させるので
5.0重量%以下とした。
【0013】そして、上記の形状記憶合金材料を製造す
るに際し、700℃以上900℃以下の温度で溶体化処
理することによって変態点(Af)を低下させることが
できる。この場合、700℃未満では溶体化処理が不十
分であり、900℃を超えると合金の酸化が激しくな
り、工業的生産に不向きとなる。さらに、溶体化処理後
は500℃以上700℃以下の温度で焼なまし処理を施
すことにより、冷間加工性を著しく改善することがで
き、冷間加工が容易に可能となる。
【0014】このように、この発明による形状記憶合金
材料は、工業的製造性に優れており、しかも変態点(A
f)が中温処理でおよそ+30℃〜−30℃まで任意の
温度にコントロールできることを特徴としており、きわ
めて実用性の高い合金である。
【0015】
【実施例】表1に示す組成の合金(試料No.1〜4の
合金は本発明の合金組成を満足し、試料No.11の合
金はNi/Tiが低すぎ、試料No.12の合金はNi
/Tiが高すぎ、試料No.13の合金はX元素を含ま
ない。)が得られるように各々原料を秤量し、カルシア
るつぼ中で高周波誘導炉によって溶解した。次いで、溶
解材を鋳造して、直径60mm、長さ180mmの鋳塊
(重さ約3.5kg)をそれぞれ作製した。次いで、各
鋳塊の表面を旋削し、900℃に加熱して鍛造を行って
直径30mmの棒状体を得た。次に各棒状体を再び90
0℃に加熱して圧延を行うことにより直径8.5mmの
棒材を得た。続いて、前記各棒材に対してダイスによる
伸線および熱処理を繰り返し、最終段では直径1.2m
mの線材を得た。次いで、この線材に対して800℃×
30分の溶体化処理(ただし、試料No.3,4は除
く。)を施したのち、650℃×30分の焼なまし処理
を施し、その後再び伸線を行って(ただし、試料No.
11,12は除く。)直径1.0mmのコイルを得た。
そして、各々製造されたコイルより試料を切り出し、5
00℃×30分の形状記憶処理を行ったのち、示差走査
型熱量計によって各試料の変態点測定を行った(ただ
し、試料No.11,12を除く。)。これらの結果を
同じく表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】なお、表1において、熱間加工性の○は良
好であったこと、×は良好でなかったことを示し、冷間
加工性の○は冷間加工度30%以上、△は同じく10%
〜30%、×は同じく10%以下であったことを示して
いる。
【0018】表1に示すように、本発明の合金組成を満
足する試料No.1〜4ではいずれも変態点(Af)が
30℃以下と低く、熱間加工性にも優れていることが明
らかである。そして、特に溶体化処理および焼なまし処
理を施した試料No.1,2では、変態点(Af)がか
なり低くなっていると共に、熱間加工性および冷間加工
性にも優れたものとなっている。しかし、溶体化処理を
省略したNo.3,4では熱間加工性および冷間加工性
は良好であるものの変態点(Af)が高目となっている
ため、用途等に応じて溶体化処理を施すことがより望ま
しいことが明らかである。
【0019】これに対して、Ni/Tiが低いNo.1
1では熱間加工性が低下し、Ni/Tiが高いNo.1
2においても熱間加工性が低下し、X元素を含まないN
o.13では変態点(Af)が高くなるので好ましくな
いことが確かめられた。
【0020】
【発明の効果】以上説明してきたように、この発明によ
る形状記憶合金材料は、Ni−Ti−X系合金におい
て、Ni/Tiが重量比で1.20以上1.30以下で
あり、XがFe,Cr,MnおよびCoのうち少なくと
もCoを含む1種または2種以上の合計で5.0重量%
以下であるものであるから、変態点(Af)を例えば3
0℃以下の低い値にすることができ、温度の低い環境下
においても形状記憶効果を発揮させることができるよう
になり、また、熱間加工性も良好であるため工業的製造
性にも著しく優れたものであるという非常に優れた効果
がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ni−Ti合金を500℃で形状記憶処理した
場合のNi濃度と変態点(Af)との関係を示すグラフ
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni−Ti−X系合金において、Ni/
    Tiが重量比で1.20以上1.30以下であり、Xが
    Fe,Cr,MnおよびCoのうち少なくともCoを含
    む1種または2種以上の合計で5.0重量%以下である
    ことを特徴とする形状記憶合金材料。
JP21154596A 1996-08-09 1996-08-09 形状記憶合金材料 Pending JPH09104936A (ja)

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JP61011066A Division JPH0639648B2 (ja) 1986-01-23 1986-01-23 形状記憶合金材料およびその製造方法

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5928548A (ja) * 1982-08-06 1984-02-15 Kazuhiro Otsuka 超弾性、非可逆形状記憶性Ni−Ti基合金材とその製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5928548A (ja) * 1982-08-06 1984-02-15 Kazuhiro Otsuka 超弾性、非可逆形状記憶性Ni−Ti基合金材とその製造方法

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