JPH09104757A - フッ素化ポリシロキサン及びその製造方法 - Google Patents

フッ素化ポリシロキサン及びその製造方法

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JPH09104757A
JPH09104757A JP14041796A JP14041796A JPH09104757A JP H09104757 A JPH09104757 A JP H09104757A JP 14041796 A JP14041796 A JP 14041796A JP 14041796 A JP14041796 A JP 14041796A JP H09104757 A JPH09104757 A JP H09104757A
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JP
Japan
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group
hydrogen atoms
silicon compound
substituted
general formula
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JP14041796A
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English (en)
Inventor
Koichi Iyanagi
宏一 井柳
Eiji Takahashi
栄治 高橋
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Pola Chemical Industries Inc
Original Assignee
Pola Chemical Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック、金属、皮膚等の各種基体上に
柔軟且つ強固な撥水撥油性被膜を薄く均一に形成するこ
とができる、化粧品被膜剤等として有用な新規な構造を
有する梯子型フッ素変性ポリシロキサンを提供すること
を課題とする。 【解決手段】 珪素化合物の加水分解重縮合反応等によ
って下記一般式(1)で表される構造を有するフッ素化
ポリシロキサンとする。 【化1】 [式(1)中、Rは一価の炭化水素基又は水素原子の少
なくとも一部がフッ素原子で置換された一価の炭化水素
基を表す。R’は下記一般式(2)で表される基又はR
を表す。 【化2】−O−Si(R)3 ・・・(2) ただし、Rのうちの少なくとも1つは、水素原子の少な
くとも一部がフッ素原子で置換された一価の炭化水素基
である。Qは二価の有機基を表す。nは10以上の整数
を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油脂との相溶性に
優れ、プラスチック、金属、皮膚等の各種基体の表面に
柔軟且つ強固で、しかも薄く均一な撥水撥油性保護膜を
与える被膜剤、特に化粧品被膜剤として有用な、新規な
構造を有する梯子型フッ素変性シリーン誘導体及びその
製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】シリコーンは、従来から撥水性の被膜を与
える被膜剤として広範囲に利用されている。このシリコ
ーン化合物にフッ素置換基を導入することにより、撥油
性を付与しようとする試みもなされている。このような
例としてはユニット−(R02SiO−(但し、R0
有機基を表す。以下同様)、及び(R03SiO1/2
ニットからなる高分子シリコーンや、これにR0SiO
2/3及び/またはユニットSiO2を添加したシリコーン
樹脂の側鎖または末端にフッ素置換基を導入したものが
挙げられる(特開昭64−83086、特開平5−78
491、特開平6−358185)。
【0003】しかしながら、従来のフッ素置換シリコー
ンの多くは二次元型(直鎖状)であり、三次元シリコー
ンであってもネットワ−ク構造が有機基R0によって切
断され、分子の連続性が低下するため、得られる撥水撥
油性の被膜は、柔軟性は有するものの、被膜強度が不十
分で、被膜の耐久性に問題があった。SiO2ユニット
の割合を増加させれば、ある程度被膜強度を向上させる
ことはできるが、この方法でも限界がある上、SiO2
ユニットの割合の増加により分子の可とう性が低下し、
ひいては被膜の強度が著しく低下するという欠点も生じ
る。また、厚く塗布すれば被膜強度は得られるが、薄く
均一に塗布した方が望ましいことは勿論である。さら
に、三次元フッ素置換シリコーンは、一般には種々の油
脂との相溶性が悪いという問題点も有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な状況に鑑みてなされたものであり、柔軟且つ強固で、
しかも薄く均一な撥水撥油性保護膜を与える、化粧品被
膜剤等として有用な、新規な構造を有する梯子型フッ素
変性ポリシロキサンを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、珪素−珪素原子間に有機
結合を有する特定構造を持ち、且つフッ素原子で置換さ
れた炭化水素基を有する新規な梯子型フッ素化ポリシロ
キサンを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明のフッ素化ポリシロキサ
ンは、下記一般式(1)で表される構造を有するもので
ある。
【0007】
【化4】
【0008】[式(1)中、Rは同一のものを含んでい
てもよく、異なったものを含んでいてもよく、一価の炭
化水素基又は水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で
置換された一価の炭化水素基を表す。R’は同一のもの
を含んでいてもよく、異なったものを含んでいてもよ
く、下記一般式(2)で表される基又はRを表す。
【0009】
【化5】−O−Si(R)3 ・・・(2)
【0010】ただし、Rのうちの少なくとも1つは、水
素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された一価
の炭化水素基である。Qは二価の有機基を表す。nは1
0以上の整数を表す。]
【0011】また、本発明のフッ素化ポリシロキサン
は、下記一般式(3)で表される珪素化合物を加水分解
重縮合させた後、これに下記一般式(4)で表される珪
素化合物及び/又は下記一般式(5)で表される珪素化
合物、もしくは下記一般式(6)で表される珪素化合物
を末端封鎖剤として反応させる工程を含む方法により製
造される。
【0012】
【化6】
【0013】[式(3)、(4)、(5)及び(6)
中、R及びQは、前記一般式(1)におけるのと同義で
ある。また、Xは加水分解性の基を表す。]
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。
【0015】<フッ素化ポリシロキサン>本発明の前記
一般式(1)で表される構造を有するフッ素化ポリシロ
キサンにおいて、前記一般式(1)中、Qは二価の有機
基、好ましくは、1)アルキレン基;2)ポリメチレン
基;3)フェニレン基;4)アリーレン基;5)前記
1)〜4)の基の水素原子の少なくとも一部が更にアル
キル基、フェニル基、及びアリール基からなる群のうち
の少なくとも1種で置換された基;6)前記1)〜5)
の基の構造中に、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有
する官能基を含む基;及び7)前記1)〜6)の基の水
素原子の少なくとも一部が塩素原子または臭素原子で置
換された基;よりなる群から選ばれる二価の有機基であ
る。
【0016】尚、アルキレン基としては炭素数3〜20
程度のもの、ポリメチレン基としては炭素数3〜20程
度のもの、アリーレン基としては炭素数6〜20程度の
ものが好ましい。また、置換されるアルキル基としては
炭素数1〜5程度のもの、アリール基としては炭素数6
〜12程度のものが好ましい。
【0017】また、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を
有する官能基としては、他の置換基と結合していても良
く、また多重結合を含んでいてもよい。具体的には、エ
ーテル、チオエーテル、エステル、ケトン、アミド、イ
ミド、アミン及びイミンからなる群から選ばれる少なく
とも1種の官能基が挙げられる。
【0018】Qの具体例としては、以下の有機基を例示
することができる。なお、以下の式中、a、b、c、d
は各々1以上の整数を表す。
【0019】
【化7】−(CH2)a− …(1)、 −CH(CH3)−(CH
2)a− …(2)、−(CH2)a−C(C25)(CH3)− …
(3)、 −C64− …(4)、−(CH2)a−C64−(CH
Cl)− …(5)、−CH(CH3)-C64-(CH2)a- …
(6)、−(CH2)a−S−(CH2)b- …(7)、 −(CH2)a
-S-C64- …(8)、−CH(CH3)−S−(CH2)a- …
(9)
【0020】
【化8】
【0021】前記一般式(1)中、Rは、一価の炭化水
素基又は水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換
された一価の炭化水素基であり、好ましくは、アルキル
基、フェニル基、アリール基及びこれらの基の水素原子
の少なくとも一部がフッ素原子で置換された基からなる
群から選ばれる基が挙げられる。前記一般式(1)中、
R’は、前記一般式(2)で表される基又は前記Rを表
す。
【0022】Rにおけるアルキル基としては、炭素数1
〜5程度のもの、アリール基としては炭素数6〜12程
度のものが好ましい。また、Rは、各々1ポリシロキサ
ン分子中に同一の基を含んでいてもよく、また異なった
基を含んでいてもよい。更にRとR’が互いに同一でも
異なっていてもよい。
【0023】ただし、Rのうちの少なくとも1つは、水
素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された一価
の炭化水素基である。1分子中におけるR全量に対して
0.1〜99.9%、好ましくは15〜70%がフッ素
原子で置換された基であることが好ましい。
【0024】Rの具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル
基;フェニル基;メチルフェニル基、エチルフェニル基
等のアリール基;または、これらの基の水素原子の少な
くとも一部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
【0025】前記一般式(1)中、n(重合度)は10
以上の整数であり、好ましくは50〜5000、さらに
好ましくは100〜2000である。
【0026】<フッ素化ポリシロキサンの製造方法>次
に、本発明のフッ素化ポリシロキサンの製造方法につい
て説明する。本発明の製造方法では、まず前記一般式
(3)で表される加水分解性基Xを有する珪素化合物
(以下、珪素化合物(3)という。)の一種又は二種類
以上に水を添加し、加水分解重縮合反応を行う。ここ
で、水の添加量は、反応の進行を制御するため、用いた
珪素化合物(3)の加水分解性基Xを加水分解させるの
に必要な理論量以下の量とするのが好ましい。また、こ
のとき、反応を均一に進行させるために有機溶媒を用い
ることが好ましい。
【0027】前記加水分解重縮合反応の反応温度は、特
に制限はないが、0〜80℃が好ましい。この範囲であ
れば、反応温度が低すぎて溶媒の凝固が起こったり、高
すぎるて溶媒の極端な蒸発が起こったりして反応の進行
が不均一になるおそれが少ない。また、反応の進行を促
進するため、塩基及び/または酸を触媒として適宜用い
ることが好ましい。その添加量は反応に用いる珪素化合
物(3)の5モル%以下が好ましい。
【0028】次に、一定時間重縮合反応を行った後、得
られた重縮合体の反応末端を封鎖して重縮合体を安定に
取り出すため、末端封鎖剤を添加する。末端封鎖剤とし
ては、以下の1〜4のうちのいずれかが採用される。
【0029】1.前記一般式(4)の珪素化合物(以
下、珪素化合物(4)という。) 2.前記一般式(5)の珪素化合物(以下、珪素化合物
(5)という。) 3.珪素化合物(4)及び珪素化合物(5)の双方 4.前記一般式(6)の珪素化合物(以下、珪素化合物
(6)という。)
【0030】すなわち、前記加水分解重縮合反応によっ
て得られた重縮合体に、これらの末端封鎖剤を添加し
て、更に加水分解反応を行わせる。このとき、末端封鎖
剤の加水分解反応を促進して末端封鎖反応を進行し易く
するため、水及び適切な酸触媒を合わせて添加するのが
好ましい。水の添加量は特に限定されないが、添加した
末端封鎖剤を加水分解するのに必要な理論量以上の量を
添加することが好ましい。また酸触媒の添加量は末端封
鎖剤の2モル%以上が好ましい。また、この末端封鎖工
程は、反応を均一に進行させるため攪拌条件下で行う。
この反応時間は4〜20時間が好ましい。
【0031】反応終了後は重縮合体が相分離する場合は
デカンテーションで、相分離しない場合は溶媒留去、凍
結乾燥などの方法によって、目的物を取り出す。
【0032】以上の工程で使用される材料は次の通りで
ある。
【0033】珪素化合物(3):前記一般式(3)中、
Xは加水分解性の基であれば特に限定されないが、好ま
しくはアルコキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシアル
コキシ基を挙げることができる。アルコキシ基として
は、炭素数1〜5程度のものが好ましい。また、R及び
Qは前記一般式(1)におけるのと同義であり、Rは相
互に同一であっても異なっていてもよい。
【0034】珪素化合物(3)は、公知の珪素化合物を
原料として公知の有機反応によって合成することができ
る。例えば、アミノ基を有するアルコキシシランと酸ク
ロライド、酸無水物等の酸誘導体との反応;不飽和結合
を有する化合物へのハイドロジェンシランまたはメルカ
プトシランの付加反応;アルコキシシラン化合物又はク
ロロシラン化合物とグリニアール試薬又は有機リチウム
化合物との反応が挙げられる。
【0035】これらの反応による珪素化合物の合成を具
体的に示すと以下の通りである。ただし、以下の式中、
R、Q、及びXは前述したものと同義であり、A及びP
は二価の有機基を表す。また、Rfはフッ素で置換され
た一価の炭化水素基を表し、Zは臭素原子又はヨウ素原
子を表す。
【0036】1.フッ素置換基を持たない場合 <1>アミノ基を有するシランと酸クロライド等の酸誘
導体との反応;
【0037】
【化9】
【0038】<2>不飽和結合を有する化合物へのハイ
ドロジェンシランまたはメルカプトシランの付加反応;
【0039】
【化10】・2H−Si(R)X2 + CH2=CH-A-
CH=CH2→ X2(R)Si-(CH2)2-A-(CH2)2-S
i(R)X2 ・2HS-PSi(R)X2 + CH2=CH-A-CH=
CH2→ X2(R)SiP-S-(CH2)2-A-(CH2)2-S-
PSi(R)X2
【0040】<3>シラン化合物とグリニアール試薬又
は有機リチウム化合物との反応;
【0041】
【化11】・2Si(R)X3 + ZMgQMgZ →
2(R)SiQSi(R)X2 ・2Si(R)X3 + LiQLi → X2(R)SiQ
Si(R)X2
【0042】<4> <1>又は<2>と<3>の組合
せ;
【0043】
【化12】
【0044】2.フッ素置換基を有する場合 <1>フルオロシラン化合物とグリニアール試薬又は有
機リチウム塩との反応;
【0045】
【化13】・2Si(Rf)X3 + ZMgQMgZ →
2(Rf)SiQSi(Rf)X2 ・2Si(Rf)X3 + LiQLi → X2(Rf)Si
QSi(Rf)X2
【0046】<2>前述の1(フッ素を持たない場合)
の<1>〜<3>によって合成したX 3SiQSiX3
グリニアール試薬又は有機リチウム塩との反応;
【0047】
【化14】・X3SiQSiX3 + 2RfMgZ → X2
(Rf)SiQSi(Rf)X2 ・X3SiQSiX3 + 2RfLi → X2(Rf)Si
QSi(Rf)X2
【0048】珪素化合物(4):Rは前記一般式(1)
におけるのと同義であり、一価の炭化水素基又は水素原
子の一部がフッ素原子で置換された一価の炭化水素基を
表し、好ましくは、アルキル基、フェニル基、アリール
基及びこれらの基の水素原子の少なくとも一部がフッ素
原子で置換された基が挙げられる。また、1分子中に同
一のものを含んでもいてよく、異なったもの含んでいて
もよい。
【0049】Rの具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル
基;フェニル基;メチルフェニル基、エチルフェニル基
等のアリール基;または、これらの基の水素原子の少な
くとも一部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
【0050】前記一般式(4)中、Xは、一般式(3)
におけるのと同様、加水分解性の基であれば特に限定さ
れないが、アルコキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシ
アルコキシ基を好ましく挙げることができる。アルコキ
シ基としては、炭素数1〜5程度のものが好ましい。
【0051】このような珪素化合物(4)としては、具
体的には、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロ
シラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、フェ
ニルジメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、トリメチルエトキシシラン等が挙げられる。また、
フッ素置換基を有する場合の具体例としては、(CF3
CH23Si(OCH3)、[CF3(CF222(C
3)SiCl、[CF3(CF25](CH32Si
(OC25)、[CF3(CF23(CH222(C2
5)SiCl、[CF3(CF27](C252Si
(OCH3)、[CF3(CF24](C252SiC
l等が挙げられ、該当するフルオロアルキル基を有する
グリニアール試薬又は有機リチウム塩と公知の珪素化合
物との反応、公知のフッ素置換基を有する珪素化合物と
グリニアール試薬又は有機リチウム塩との反応によって
得られる。すなわち、以下の反応式で示される通りであ
る。尚、以下の式中、Rf、Zは上と同義である。ま
た、R1、R2は各々炭化水素基を表す。
【0052】
【化15】・(R1)nSi(OR2)4-n+mRfMgZ→(R
f)m(R1)nSi(OR2)4-n-m+mMg(OR2)Z ・(R1)nSiCl4-n+mRfMgZ→(Rf)m(R1)nSi
Cl4-n-m+mMgClZ ・(R1)nSiCl4-n+mRfLi→(Rf)m(R1)nSiC
4-n-m+mLiCl ・(Rf)nSi(OR2)4-n+mR1MgZ→(R1)m(Rf)n
Si(OR2)4-n-m+mMg(OR2)Z ・(Rf)nSiCl4-n+mR1MgZ→(R1)m(Rf)nSi
Cl4-n-m+mMgClZ ・(Rf)nSiCl4-n+mR1Li→(R1)m(Rf)nSiC
4-n-m+mLiCl
【0053】珪素化合物(5):前記一般式(5)中、
Rは、一般式(4)におけるのと同義であり、1分子中
に同一のものを含んでいてもよく、異なったものを含ん
でいてもよい。このような珪素化合物としては、具体的
には、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチルジシロ
キサン、ヘキサプロピルジシロキサン、ヘキサフェニル
ジシロキサン等が挙げられる。
【0054】珪素化合物(6):前記一般式(6)中、
R及びQは前記一般式(1)及び(3)におけるのと同
義であり、また各々1分子中に同一のものを含んでいて
もよく、異なったものを含んでいてもよい。Xは一般式
(3)におけるのと同義である。
【0055】このような珪素化合物は、前記珪素化合物
(3)と同様に、公知の珪素化合物を原料として公知の
有機反応によって合成することができる。例えば、アミ
ノ基を有するアルコキシシラン等と酸クロライド、酸無
水物等の酸誘導体との反応;不飽和結合を有する化合物
へのハイドロジェンシランまたはメルカプトシランの付
加反応;アルコキシシラン化合物又はクロロシラン化合
物とグリニアール試薬又は有機リチウム化合物との反応
が挙げられる。
【0056】これらの反応による珪素化合物の合成を具
体的に示すと以下の通りである。ただし、以下の式中、
R、Rf、Q、X、A、P、Zは前述したものと同義で
ある。
【0057】1.フッ素置換基を持たない場合 <1>アミノ基を有するシランと酸クロライド等の酸誘
導体との反応;
【0058】
【化16】
【0059】<2>不飽和結合を有する化合物へのハイ
ドロジェンシランまたはメルカプトシランの付加反応;
【0060】
【化17】・2H−Si(R)2X + CH2=CH-A-
CH=CH2→ X(R)2Si(CH2)2-A-(CH2)2Si
(R)2X ・2HS-PSi(R)2X + CH2=CH-A-CH=
CH2→ X(R)2SiP-S-(CH2)2-A-(CH2)2-S-
PSi(R)2
【0061】<3>シラン化合物とグリニアール試薬又
は有機リチウム化合物との反応;
【0062】
【化18】・2Si(R)22 + ZMgQMgZ →
X(R)2SiQSi(R)2X ・2Si(R)22 + LiQLi → X(R)2Si
QSi(R)2
【0063】<4>珪素化合物(3)とグリニアール試
薬又は有機リチウム化合物との反応;
【0064】
【化19】・X2(R)SiQSi(R)X2 + 2RMgZ
→ X(R)2SiQSi(R)2X ・X2(R)SiQSi(R)X2 + 2RLi → X(R)2
SiQSi(R)2
【0065】2.フッ素置換基を有する場合 <1>前記1(フッ素置換基を持たない場合)の<1>
〜<3>によって合成したX3SiQSiX3とグリニア
ール試薬又は有機リチウム塩との反応;
【0066】
【化20】・X3SiQSiX3 + 4RfMgZ → X
(Rf)2SiQSi(Rf)2X ・X3SiQSiX3 + 4RfLi → X(Rf)2Si
QSi(Rf)2
【0067】<2>珪素化合物(3)とグリニアール試
薬又は有機リチウム塩との反応;
【0068】
【化21】・X2(R)SiQSi(R)X2 + 2RfMg
Z→ X(Rf)(R)SiQSi(Rf)(R)X ・X2(R)SiQSi(R)X2 + 2RfLi→ X(Rf)
(R)SiQSi(Rf)(R)X
【0069】加水分解重縮合反応に用いる溶媒:珪素化
合物(3)、水、触媒などを溶解することができるもの
であれば特に限定されないが、具体的にはメチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の
アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソ
ルブ類;テトラヒドロフラン;ジメチルスルフォキシド
等が挙げられる。
【0070】加水分解重縮合反応に用いる塩基及び/又
は酸触媒:前記加水分解重縮合反応に用いる塩基及び/
又は酸触媒としては、通常の加水分解反応に用いられる
ものであれば特に制限されないが、具体的には塩酸、硝
酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;水酸化ナト
リウム、水酸化アンモニウム等の無機塩基;アミン、モ
ルフォリン等の有機塩基;3−アミノプロピルアルコキ
シシランのような塩基性基含有シラン等が挙げられる。
【0071】末端封鎖反応に用いる酸触媒:前記末端封
鎖反応に用いる酸触媒としては、通常の加水分解反応に
用いられるものであれば特に制限されないが、具体的に
は塩酸、硝酸等の無機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;
等が挙げられる。
【0072】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0073】
【製造例1】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器に
1,3−ブタジエン5.4g、モノハイドロジェンメチ
ルジクロロシラン23.0gを採り混合した。次に塩化
白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフラン中
で加熱し、白金0.2ミリモルに相当するこの溶液を前
述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4時間
加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフラン及
び塩化白金酸を除去して目的化合物を得た。IR、1
−NMR、13C−NMR、及び29Si−NMRスペクト
ル測定を行ったところ、下記式(1a)で表される目的
化合物が単離されていることが確認された。
【0074】
【化22】
【0075】
【製造例2】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器に
1,3−ブタジエン5.4g、モノハイドロジェントリ
クロロシラン27.1gを採り混合した。次に塩化白金
酸H2PtCl6・6H 2Oをテトラヒドロフラン中で加
熱し、白金0.2ミリモルに相当するこの溶液を前述の
混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4時間加熱
した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフラン及び塩
化白金酸を除去して透明液体を得た。
【0076】充分乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及
びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグネシウム
5.8gを採り、乾燥窒素ガスで充分置換を行なった。
さらに、この反応容器に金属ナトリウムと蒸留によって
生成脱水したテトラヒドロフラン200mlを採り、攪
拌混合した。
【0077】攪拌を続けながら、この溶液に、前述のテ
トラヒドロフラン200mlに2,2,2,−トリフル
オロエチルヨーダイド42.0gを溶解した溶液を滴下
した。さらに、氷冷下で、前述のテトラヒドロフラン2
00mlに上記で得た透明液体32.5gを溶解した溶
液を滴下した。
【0078】滴下終了後、テトラヒドロフランの沸点で
還流を24時間行って反応を完結させた。尚、全ての操
作は乾燥窒素ガス気流下で行った。生成した沈殿をろ別
後、分留を行って目的化合物を得た。IR、1H−NM
R、13C−NMR、及び29Si−NMRスペクトル測定
を行ったところ、下記式(2a)で表される目的化合物
が単離されていることが確認された。
【0079】
【化23】
【0080】
【製造例3】 <珪素化合物(3)の製造>還流冷却器、攪拌装置及び
ガス導入管付き三つ口フラスコに、ビニルトリメトキシ
シラン29.6g、3−メルカプトトリメトキシシラン
39.3g、ベンゼン400mlを採り、攪拌混合し
た。さらにこの溶液に、アゾビスイソブチロニトリル
0.2gをベンゼン100mlに溶解した溶液を添加
し、攪拌混合した。攪拌を続けながら、室温で乾燥窒素
ガスによるバブリングを1時間行った後、加熱してベン
ゼンの沸点で24時間還流を行って反応を完結させた。
ロータリーエバポレーターでベンゼンを除去して透明液
体を得た。
【0081】充分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置
及びガス導入管付き三つ口フラスコに、上記の透明液体
68.9g、金属ナトリウムによる還流と蒸留によって
脱水精製したジエチルエーテル400mlを採り、乾燥
窒素ガスで充分置換を行った。冷却攪拌を続けながら、
この溶液にエチルマグネシウムブロミド53.3gを前
述のジエチルエーテル200mlに溶解した溶液を滴下
した。滴下終了後、室温で20時間攪拌を続け、反応を
完結させた。全ての操作は乾燥窒素ガス気流下で行っ
た。生成した沈殿を除去後、さらに分留を行って目的化
合物を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記式(3
a)で表される目的化合物が単離されていることが確認
された。
【0082】
【化24】
【0083】
【製造例4】 <珪素化合物(3)の製造>還流冷却器、攪拌装置及び
ガス導入管付き三つ口フラスコに、ビニルトリメトキシ
シラン29.6g、3−メルカプトトリメトキシシラン
39.3g、ベンゼン400mlを採り攪拌混合した。
さらにこの溶液に、アゾビスイソブチロニトリル0.2
gをベンゼン100mlに溶解した溶液を添加し、攪拌
混合した。攪拌を続けながら、室温で乾燥窒素ガスによ
るバブリングを1時間行った後、加熱してベンゼンの沸
点で24時間還流を行って反応を完結させた。ロータリ
ーエバポレーターでベンゼンを除去して透明液体を得
た。
【0084】充分乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及
びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグネシウム
5.3g及びヨウ素0.05gを採り、乾燥窒素ガスで
充分置換を行う。さらに、この反応容器に、金属ナトリ
ウムと蒸留によって生成脱水したジエチルエーテル50
0mlにパーフルオロブチルヨーダイド69.2g及び
上記で得た透明液体34.5gを溶解した溶液を滴下し
た。滴下終了後、攪拌を続けながら室温で2時間放置し
反応を完結させた。尚、全ての操作は乾燥窒素ガス気流
下で行った。生成した沈殿をろ別後分留を行って目的化
合物を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記式(4
a)で表される目的化合物が単離されていることが確認
された。
【0085】
【化25】
【0086】
【製造例5】 <珪素化合物(3)の製造>充分に乾燥を行った還流冷
却器、攪拌装置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金
属マグネシウム7.3g、フェニルトリメトキシシラン
198.3g、ヨウ素0.3g、金属ナトリウムによる
還流と蒸留によって脱水精製したテトラヒドロフラン3
00mlを採り、乾燥窒素ガスで充分置換を行ないなが
ら攪拌混合した。攪拌を続けながら、テトラヒドロフラ
ンの沸点での還流条件下、この溶液に1,4−ジブロモ
ベンゼン23.6gを前述のテトラヒドロフラン100
mlに溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、還流を2
4時間続け、反応を完結させた。
【0087】全ての操作は乾燥窒素ガス気流下で行っ
た。生成した沈殿を除去後、さらに分留を行って目的化
合物を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記式(5
a)で表される目的化合物が単離されていることが確認
された。
【0088】
【化26】
【0089】
【製造例6】 <珪素化合物(3)の製造>充分に乾燥を行った還流冷
却器、攪拌装置及びガス導入管付き三つ口フラスコに、
金属マグネシウム0.7g、1H,1H,2H,2H−
ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン29.4g、
ヨウ素0.01g、金属ナトリウムによる還流と蒸留に
よって脱水精製したテトラヒドロフラン100mlを採
り、乾燥窒素ガスで充分置換を行ないながら攪拌混合し
た。攪拌を続けながら、テトラヒドロフランの沸点での
還流条件下、この溶液に1,4−ジブロモベンゼン2.
4gを前述のテトラヒドロフラン50mlに溶解した溶
液を滴下した。
【0090】滴下終了後、還流を24時間続け、反応を
完結させた。全ての操作は乾燥窒素ガス気流下で行っ
た。生成した沈殿を除去後、さらに分留を行って目的化
合物を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記下記式
(6a)で表される目的化合物が単離されていることが
確認された。
【0091】
【化27】
【0092】
【製造例7】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にパ
ラジビニルベンゼン26.0g、モノハイドロジェンメ
チルジエトキシシラン53.6gを採り混合した。次に
塩化白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフラ
ン中で加熱し、白金0.2ミリモルに相当するこの溶液
を前述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4
時間加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフラ
ン及び塩化白金酸を除去して目的化合物を得た。IR、
1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRスペクト
ル測定を行ったところ、下記式(7a)で表される目的
化合物が単離されていることが確認された。
【0093】
【化28】
【0094】
【製造例8】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にパ
ラジビニルベンゼン26.0g、モノハイドロジェント
リエトキシシラン65.7gを採り混合した。次に塩化
白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフラン中
で加熱し、白金0.2ミリモルに相当するこの溶液を前
述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4時間
加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフラン及
び塩化白金酸を除去して透明液体を得た。
【0095】充分乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及
びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグネシウム
3.0gを採り、乾燥窒素ガスで充分置換を行なった。
さらに、この反応容器に金属ナトリウムと蒸留によって
生成脱水したテトラヒドロフラン200mlを採り攪拌
混合した。攪拌を続けながら、この溶液に、前述のテト
ラヒドロフラン400mlにパーフルオロヘキシルヨー
ダイド44.6gを溶解した溶液を滴下した。さらに、
氷冷下で、前述のテトラヒドロフラン100mlに上記
で得た透明液体22.9gを溶解した溶液を滴下した。
【0096】滴下終了後、テトラヒドロフランの沸点で
還流を24時間行って反応を完結させた。尚、全ての操
作は乾燥窒素ガス気流下で行った。生成した沈殿をろ別
後分留を行って目的化合物を得た。 IR、1H−NM
R、13C−NMR、29Si−NMRスペクトル測定を行
ったところ、下記式(8a)で表される目的化合物が単
離されていることが確認された。
【0097】
【化29】
【0098】
【製造例9】 <珪素化合物(3)の製造>還流冷却器、攪拌装置及び
ガス導入管付き三つ口フラスコに3−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン153.0g、、テトラヒドロフ
ラン700ml、トリエチルアミン300mlを採り、
氷冷しつつ攪拌混合した。さらに氷冷攪拌を続けながら
この溶液に、アジピン酸クロライド73.2gをテトラ
ヒドロフラン300mlに溶解した溶液を滴下した。滴
下終了後さらに1時間攪拌を続けた。生成した白色沈殿
をろ別した後、ロータリーエバポレーターでベンゼン、
トリエチルアミンを除去して目的化合物を得た。IR、
1H−NMR、13C−NMR、2 9Si−NMRスペクト
ル測定を行ったところ、下記式(9a)で表される目的
化合物が単離されていることが確認された。
【0099】
【化30】
【0100】
【製造例10】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にテ
レフタル酸ジアリル123.0g、モノハイドロジェン
トリメトキシシラン122.2gを採り混合した。次に
塩化白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフラ
ン中で加熱し、白金0.2ミリモルに相当するこの溶液
を前述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4
時間加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフラ
ン及び塩化白金酸を除去して透明液体を得た。
【0101】乾燥窒素ガスで充分置換を行った還流冷却
器、攪拌装置及びガス導入管付き三つ口フラスコに、1
H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシルリチウム
50.8g及び金属ナトリウムによる還流と蒸留とによ
って脱水精製したジエチルエーテル400mlを採り、
攪拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液に前述のジ
エチルエーテル100mlに上記で調製した透明液体4
9.1gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、さら
に2時間攪拌を続けた後、還流を8時間行って反応を完
結させた。生成した沈殿をろ別後、分留を行って目的化
合物を得た。
【0102】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記式(1
0a)で表される目的化合物が単離されていることが確
認された。
【0103】
【化31】
【0104】
【製造例11】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にジ
アリルエーテル58.9g、モノハイドロジェンメチル
ジクロロシラン138.0gを採り混合した。次に塩化
白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフラン中
で加熱し、白金0.6ミリモルに相当するこの溶液を前
述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4時間
加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフラン及
び塩化白金酸を除去して目的化合物を得た。IR、1
−NMR、13C−NMR、29Si−NMRスペクトル測
定を行ったところ、下記式(11a)で表される目的化
合物が単離されていることが確認された。
【0105】
【化32】
【0106】
【製造例12】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にジ
アリルエーテル58.9g、モノハイドロジェントリク
ロロシラン53.6gを採り混合した。次に塩化白金酸
2PtCl6・6H 2Oをテトラヒドロフラン中で加熱
し、白金0.6ミリモルに相当するこの溶液を前述の混
合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4時間加熱し
た。ろ過、分留を行ってテトラヒドロフラン、塩化白金
酸を除去して透明液体を得た。
【0107】充分乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及
びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグネシウム1
1.6gを採り、乾燥窒素ガスで充分置換を行った。さ
らに、この反応容器に金属ナトリウムによる還流と蒸留
とによって脱水精製したテトラヒドロフラン400ml
を採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液に、
前述のテトラヒドロフラン400mlに2,2,2−ト
リフルオロエチルヨーダイド84.0gを溶解した溶液
を滴下した。
【0108】さらに、攪拌を続けながら、氷冷下で、前
述のテトラヒドロフラン400mlに上記で調製した透
明液体73.8gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了
後、テトラヒドロフランの沸点で還流を行って、反応を
完結させた。精製した沈殿をろ別後分留を行って目的化
合物を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記式(1
2a)で表される目的化合物が単離されていることが確
認された。
【0109】
【化33】
【0110】
【製造例13】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にア
ジピン酸ジビニル39.6g、モノハイドロジェンメチ
ルジエトキシシラン53.6gを採り混合した。次に塩
化白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフラン
中で加熱し、白金0.3ミリモルに相当するこの溶液を
前述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で4時
間加熱した。ろ過、分留を行ってテトラヒドロフラン、
塩化白金酸を除去して目的化合物を得た。IR、1H−
NMR、13C−NMR、29Si−NMRスペクトル測定
を行ったところ、下記式(13a)で表される目的化合
物が単離されていることが確認された。
【0111】
【化34】
【0112】
【製造例14】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器に1
H,1H,2H−パーフルオロデカ−1−エン89.2
g、ジハイドロジェンジエトキシシラン24.0gを採
り混合した。次に塩化白金酸H2PtCl6・6H2Oを
テトラヒドロフラン中で加熱し、白金0.2ミリモルに
相当するこの溶液を前述の混合溶液に添加した後、反応
容器を80℃で4時間加熱した。冷却後、さらにアジピ
ン酸ジビニル19.8gを添加して再び反応容器を80
℃で4時間加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒド
ロフラン及び塩化白金酸を除去して目的化合物を得た。
IR、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRス
ペクトル測定を行ったところ、下記式(14a)で表さ
れる目的化合物が単離されていることが確認された。
【0113】
【化35】
【0114】
【製造例15】 <珪素化合物(3)の製造>耐圧ビン型の反応容器にア
リルメチルジクロロシラン46.5g、モノハイドロジ
ェンフェニルジクロロシラン53.1gを採り混合し
た。次に塩化白金酸H 2PtCl6・6H2Oをテトラヒ
ドロフラン中で加熱し、白金0.2ミリモルに相当する
この溶液を前述の混合溶液に添加した後、反応容器を8
0℃で4時間加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒ
ドロフラン及び塩化白金酸を除去して目的化合物を得
た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NM
Rスペクトル測定を行ったところ、下記式(15a)で
表される目的化合物が単離されていることが確認され
た。
【0115】
【化36】
【0116】
【製造例16】 <珪素化合物(6)の製造>耐圧ビン型の反応容器に、
パラジビニルベンゼン19.5g、モノハイドロジェン
ジメチルエトキシシラン31.3gを採り混合した。次
に塩化白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフ
ラン中で加熱し、白金0.1ミリモルに相当するこの溶
液を前述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で
4時間加熱した。ろ過、分留を行って、テトラヒドロフ
ラン及び塩化白金酸を除去して目的化合物を得た。I
R、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NMRスペ
クトル測定を行ったところ、下記式(16a)で表され
る目的化合物が単離されていることが確認された。
【0117】
【化37】
【0118】
【製造例17】 <珪素化合物(6)の製造>充分に乾燥を行った還流冷
却器、攪拌装置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金
属マグネシウム0.1g、ジフェニルジエトキシシラン
81.7g、ヨウ素0.01g、金属ナトリウムによる
還流と蒸留によって脱水精製したテトラヒドロフラン1
00mlを採り、乾燥窒素ガスで充分置換を行ないなが
ら攪拌混合した。攪拌を続けながら、テトラヒドロフラ
ンの沸点での還流条件下、この溶液に1,4−ジブロモ
ベンゼン7.1gを前述のテトラヒドロフラン50ml
に溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、還流を24時
間続け、反応を完結させた。全ての操作は乾燥窒素ガス
気流下で行った。
【0119】生成した沈殿を除去後、さらに溶媒を除去
して目的化合物を得た。IR、1H−NMR、13C−N
MR、29Si−NMRスペクトル測定を行ったところ、
下記式(17a)で表される目的化合物が単離されてい
ることが確認された。
【0120】
【化38】
【0121】
【製造例18】 <珪素化合物(6)の製造>充分乾燥を行った還流冷却
器、攪拌装置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金属
マグネシウム5.8gを採り、乾燥窒素ガスで充分置換
を行った。さらに、この反応容器に金属ナトリウムによ
る還流と蒸留とによって脱水精製したテトラヒドロフラ
ン200mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、
この溶液に、前述のテトラヒドロフラン200mlに
2,2,2−トリフルオロエチルヨーダイド42.0g
を溶解した溶液を滴下した。さらに、撹拌を続けなが
ら、氷冷下で、前述のテトラヒドロフラン200mlに
前記製造例11で得られた珪素化合物32.8gを溶解
した溶液を滴下した。滴下終了後、テトラヒドロフラン
の沸点で還流を行って反応を完結させた。精製した沈殿
をろ別後、分留を行って目的化合物を得た。
【0122】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、下記式(1
8a)で表される目的化合物が単離されていることが確
認された。
【0123】
【化39】
【0124】
【製造例19】 <フッ素置換基を有する珪素化合物(4)の製造>充分
に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付
き三つ口フラスコにエチルマグネシウムブロミド19
2.0g、金属ナトリウムによる還流と蒸留によって脱
水精製したジエチルエーテル800mlを採り、乾燥窒
素ガスで充分置換を行った。攪拌を続けながら、この溶
液に1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカノイル
トリメトキシシラン374.9gを前述のジエチルエー
テル400mlに溶解した溶液を滴下した。滴下終了
後、20時間攪拌を続け、反応を完結させた。全ての操
作は乾燥窒素ガス気流下で行った。
【0125】生成した沈殿を除去後、さらに分留を行っ
て目的化合物を得た。IR、1H−NMR、13C−NM
R、29Si−NMRスペクトル測定を行ったところ、下
記式(19a)で表される目的化合物が単離されている
ことが確認された。
【0126】
【化40】
【0127】
【製造例20】 <フッ素置換基を有する珪素化合物(4)の製造>充分
に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付
き三つ口フラスコに金属マグネシウム5.6gを採り、
乾燥窒素ガスで充分置換を行った。さらに、この反応容
器に金属ナトリウムによる還流と蒸留によって脱水精製
したテトラヒドロフラン100mlを採り、攪拌混合し
た。攪拌を続けながら、この溶液に前述のテトラヒドロ
フラン300mlにパーフルオロプロピルブロミド5
2.3gを溶解した溶液を滴下した。さらに攪拌を続け
ながら、氷冷下で、前述のテトラヒドロフラン100m
lにテトラクロロシラン11.9gを溶解した溶液を滴
下した。滴下終了後、テトラヒドロフランの沸点で還流
を24時間行って、反応を完結させた。全ての操作は乾
燥窒素ガス気流下で行った。
【0128】生成した沈殿を除去後、さらに溶媒を除去
して目的化合物を得た。IR、1H−NMR、13C−N
MR、29Si−NMRスペクトル測定を行ったところ、
下記式(20a)で表される目的化合物が単離されてい
ることが確認された。
【0129】
【化41】 [CF3(CF223SiCl ・・・(20a)
【0130】
【実施例1】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例1の珪素化合物28.4g、
製造例2の珪素化合物42.0g、メチルアルコール1
60mlを採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこの
溶液に水10.8gをメチルアルコール40mlに溶解
した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続けながら4
0℃で8時間放置した。この混合溶液に、トリメチルク
ロロシラン21.7g、水8.0g、濃塩酸1.0m
l、メチルアルコール40mlからなる溶液を添加し、
40℃で4時間放置した。
【0131】反応終了後、系は二相に分離したので、デ
カンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸
水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーシ
ョンにより水を除去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重
縮合体を単離した。
【0132】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(1b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりn1、n2はそれぞれ100〜200、10
0〜200であった。
【0133】
【化42】
【0134】[式(1b)中、Qは−(CH24−を表
す。]
【0135】
【実施例2】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例3の珪素化合物71.5、製
造例4の珪素化合物62.0gエチルアルコール250
mlを採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶液
にトリエタノールアミン1.3g、水7.2gをエチル
アルコール50mlに溶解した溶液を添加した。添加終
了後、攪拌を続けながら40℃で6時間放置した。この
混合溶液に、ヘキサプロピルジシロキサン132.3
g、水10.8g、濃硝酸2.0ml、エチルアルコー
ル100mlからなる溶液を添加し40℃で2時間放置
した。
【0136】反応終了後、系は二相に分離したので、デ
カンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸
水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーシ
ョンにより水を除去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重
縮合体を単離した。IR、1H−NMR、13C−NM
R、29Si−NMRスペクトル測定を行ったところ、重
縮合体が下記式(2b)で表される梯子型シリコーンで
あることが確認された。また、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフ測定よりn1、n2はそれぞれ30〜10
0、70〜300であった。
【0137】
【化43】
【0138】[式(2b)中、Qは−(CH22S(C
23−を表す。]
【0139】
【実施例3】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例5の珪素化合物82.2g、
製造例6の珪素化合物225.0g、メチルエチルケト
ン500mlを採り、混合溶解した。攪拌を続けながら
この溶液に酢酸1.2g、水25.2gをメチルエチル
ケトン100mlに溶解した溶液を添加した。添加終了
後、攪拌を続けながら60℃で4時間放置した。20℃
に冷却した後この混合溶液に、ヘキサメチルジシロキサ
ン113.7g、水18.9g、濃塩酸4.0ml、エ
チルアルコール100mlからなる溶液を添加し20℃
で16時間放置した。
【0140】反応終了後、系は二相に分離したので、デ
カンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸
水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーシ
ョンにより水を除去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重
縮合体を単離した。
【0141】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(3b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりn1、n2はそれぞれ150〜300、25
0〜500であった。
【0142】
【化44】
【0143】[式(3b)中、Qは−C64−を表
す。]
【0144】
【実施例4】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例7の珪素化合物31.9g、
製造例8の珪素化合物20.1g、3アミノプロピルト
リメトキシシラン1.5g、イソプロピルアルコール1
00mlを採り混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶
液に水3.6gをイソプロピルアルコール50mlに溶
解した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続けながら
70℃で6時間放置した。20℃に冷却した後この混合
溶液に、製造例16の珪素化合物6.8g、水1.5
g、濃硝酸0.5ml、イソプロピルアルコール20m
lからなる溶液を添加し20℃で12時間放置した。反
応終了後系は二相に分離したので、デカンテーションに
より溶媒相を除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウム溶
液及び水で洗浄後、再びデカンテーションにより水を除
去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重縮合体を単離し
た。
【0145】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(4b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりn1、n2はそれぞれ200〜300、60
0〜700であった。
【0146】
【化45】
【0147】[式(4b)中、Qは−(CH2)26
4(CH2)2−を表す。]
【0148】
【実施例5】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例9の珪素化合物45.2g、
メチルセロソルブ200mlを採り混合溶解した。攪拌
を続けながらこの溶液に塩酸0.1ml、水6.5gを
メチルセロソルブ50mlに溶解した溶液を添加した。
添加終了後、攪拌を続けながら20℃で6時間放置し
た。この混合溶液に、製造例19の珪素化合物89.4
g、水12.2g、濃硝酸1.0ml、イソプロピルア
ルコール100mlからなる溶液を添加し20℃で12
時間放置した。凍結乾燥により溶媒、水を除去し、さら
に80℃で一昼夜真空乾燥して重縮合体を単離した。
【0149】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(5b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりnは200〜600であった。
【0150】
【化46】
【0151】[式(5b)中、Qは下記式で表される基
を表す。]
【0152】
【化47】
【0153】
【実施例6】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに、製造例10の珪素化合物273.
8g、3−(4,5−ジヒドロイミダゾール)プロピル
トリエトキシシラン4.0g、エチルアルコール/テト
ラヒドロフラン混合溶媒(重量比で7/3)350ml
を採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶液に水
6.5gを前述の混合溶媒100mlに溶解した溶液を
添加した。添加終了後、攪拌を続けながら60℃で4時
間放置した。20℃に冷却した後この混合溶液に、製造
例17の珪素化合物5.3g、水1.0g、濃硝酸0.
5ml、前述の混合溶媒100mlからなる溶液を添加
し、20℃で12時間放置した。
【0154】反応終了後、系は二相に分離したので、デ
カンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸
水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーシ
ョンにより水を除去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重
縮合体を単離した。
【0155】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(6b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりnは400〜600であった。
【0156】
【化48】
【0157】[式(6b)中、Q1は下記式で表される
基を表し、Q2は−C64−を表す。]
【0158】
【化49】
【0159】
【実施例7】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例11の珪素化合物49.2
g、製造例12の珪素化合物162.4g、エチルアル
コール500mlを採り混合溶解した。攪拌を続けなが
らこの溶液にクエン酸4.7g、水12.6gをエチル
アルコール100mlに溶解した溶液を添加した。添加
終了後、攪拌を続けながら40℃で4時間放置した。こ
の混合溶液に、製造例18の珪素化合物8.5g、水
0.5g、クエン酸3.2g、エチルアルコール100
mlからなる溶液を添加し40℃で12時間放置した。
【0160】反応終了後、系は二相に分離したので、デ
カンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸
水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーシ
ョンにより水を除去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重
縮合体を単離した。
【0161】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(7b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりn1、n2はそれぞれ300〜400、70
0〜1000であった。
【0162】
【化50】
【0163】[式(7b)中、Qは−(CH23O(C
23−を表す。]
【0164】
【実施例8】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例13の珪素化合物74.7
g、製造例14の珪素化合物52.4g、テトラヒドロ
フラン300mlを採り混合溶解した。攪拌を続けなが
らこの溶液に濃塩酸0.3ml、水13.0gをテトラ
ヒドロフラン100mlに溶解した溶液を添加した。添
加終了後、攪拌を続けながら20℃で4時間放置した。
この混合溶液に、トリメチルメトキシシラン26.1
g、水14.4g、濃塩酸2.0ml、テトラヒドロフ
ラン100mlからなる溶液を添加し20℃で12時間
放置した。
【0165】反応終了後、少量の水を添加すると、系は
二相に分離したので、デカンテーションにより溶媒相を
除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗
浄後、再びデカンテーションにより水を除去し、80℃
で一昼夜真空乾燥して重縮合体を単離した。
【0166】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(8b)で表される梯子型シリコーンであること
が確認された。また、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフ測定よりn1、n2は150〜300、250〜50
0であった。
【0167】
【化51】
【0168】[式(8b)中、Qは下記式で表される基
を表す。]
【0169】
【化52】
【0170】
【実施例9】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例1の珪素化合物136.4
g、製造例12の珪素化合物148.5g、エチルアル
コール700mlを採り混合溶解した。攪拌を続けなが
らこの溶液にモルフォリン6.2g、水34.6gをエ
チルアルコール200mlに溶解した溶液を添加した。
添加終了後、攪拌を続けながら20℃で8時間放置し
た。この混合溶液に、製造例18の珪素化合物33.8
g、水2.0g、濃塩酸1.0ml、エチルアルコール
200mlからなる溶液を添加し20℃で16時間放置
した。反応終了後少量の水を添加すると系は二相に分離
したので、デカンテーションにより溶媒相を除去し、さ
らに5%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再び
デカンテーションにより水を除去し、80℃で一昼夜真
空乾燥して重縮合体を単離した。IR、1H−NMR、
13C−NMR、29Si−NMRスペクトル測定を行った
ところ、重縮合体が下記式(9b)で表される梯子型シ
リコーンであることが確認された。また、1H−NMR
の積分値、ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定よ
りn1、n2はそれぞれ300〜500、300〜500
であった。
【0171】
【化53】
【0172】[式(9b)中、Q1は−(CH24−を
表し、Q2は−(CH23O(CH23−を表す。]
【0173】
【実施例10】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例15の珪素化合物232.5
g、エチルセロソルブ500mlを採り混合溶解した。
攪拌を続けながらこの溶液に濃アンモニア水2.5m
l、水30.2gをエチルセロソルブ100mlに溶解
した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続けながら5
0℃で8時間放置した。20℃に冷却後この混合溶液
に、製造例20の珪素化合物439.3g、水12.6
g、濃塩酸8.0ml、エチルセロソルブ200mlか
らなる溶液を添加し20℃で12時間放置した。
【0174】反応終了後、系は二相に分離したので、デ
カンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸
水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーシ
ョンにより水を除去し、80℃で一昼夜真空乾燥して重
縮合体を単離した。
【0175】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(10b)で表される梯子型シリコーンであるこ
とが確認された。また、ゲルパーミエーションクロマト
グラフ測定よりnは1400〜1600であった。
【0176】
【化54】
【0177】[式(10b)中、Qは−(CH23−を
表す。]
【0178】
【実施例11】 <フッ素化ポリシロキサンの製造>冷却器、攪拌装置付
き三つ口フラスコに製造例14の珪素化合物314.5
g、製造例7の珪素化合物23.9g、イソプロピルア
ルコール300mlを採り混合溶解した。攪拌を続けな
がらこの溶液に濃塩酸0.4ml、水19.4gをイソ
プロピルアルコール50mlに溶解した溶液を添加し
た。添加終了後、攪拌を続けながら20℃で8時間放置
した。この混合溶液に、トリエチルクロロシシラン4
5.2g、ヘキサエチルジシロキサン49.3g、水1
0.8g、濃塩酸3.0ml、イソプロピルアルコール
100mlからなる溶液を添加し20℃で16時間放置
した。
【0179】反応終了後、少量の水を添加すると、系は
二相に分離したので、デカンテーションにより溶媒相を
除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗
浄後、再びデカンテーションにより水を除去し、80℃
で一昼夜真空乾燥して重縮合体を単離した。
【0180】IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMRスペクトル測定を行ったところ、重縮合体が
下記式(11b)で表される梯子型シリコーンであるこ
とが確認された。また、1H−NMRの積分値、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフ測定よりn1、n2はそれ
ぞれ300〜500、700〜1000であった。
【0181】
【化55】
【0182】[式(11b)中、Q1は−(CH226
4(CH22−を表し、Q2は下記一般式で表される基
を表す。]
【0183】
【化56】
【0184】
【比較例1】 [C49(CH22Si(OCH33の製造]十分に乾
燥を行った還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き三
つ口フラスコに金属マグシウム2.9gを採り、乾燥窒
素ガスで十分置換を行った。さらに、この反応容器に金
属ナトリウムによる還流と蒸留とによって脱水精製した
テトラヒドロフラン150mlを採り、攪拌混合した。
攪拌を続けながら、この溶液に、前述のテトラヒドロフ
ラン200mlに1H,1H,2H,2H−ノナフルオ
ロヘキシルヨーダイド37.4gを溶解した溶液を滴下
した。
【0185】さらに攪拌を続けながら、氷冷下で、前述
のテトラヒドロフラン150mlにテトラメトキシシラ
ン15.2gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、
テトラヒドロフランの沸点で還流を24時間行って反応
を完結させた。生成した沈殿をろ別後、分留を行って目
的とする珪素化合物を単離した。なお、全ての操作は乾
燥窒素ガス気流下で行った。
【0186】[フッ素化ポリシロキサンの製造]上で得
られた珪素化合物及び下記珪素化合物を用いて実施例と
同様な操作を行った。すなわち、冷却器、攪拌装置付き
三つ口フラスコに上で得られた珪素化合物[C49(C
22Si(OCH33]77.3g、Si(OC
34の珪素化合物13.7g、3−アミノプロピルト
リメトキシシラン0.8gおよびエチルアルコール/テ
トラヒドロフラン混合溶媒(重量比で7/3)300m
lを採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶液
に、水8.9gを前述の混合溶媒100mlに溶解した
溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続けながら25℃
で4時間放置した。
【0187】この混合溶液に(CH33SiOCH3
25.0g、水97.2g、前述の混合溶媒200m
l、濃塩酸3.5mlからなる溶液を添加し、攪拌をさ
らに続けながら25℃で10時間放置した。以下、実施
例と同様に操作して[(CH33SiO1/2]のユニッ
ト、[C49(CH22SiO3/2]及び[SiO2]の
ユニットからなるフッ素化ポリシロキサンを調製した。
【0188】
【実施例12】 <被膜の性能試験>実施例1〜11及び比較例1で得ら
れた各フッ素化ポリシロキサンをテトラヒドロフランに
溶解して、10重量%濃度の溶液を調製した。この溶液
を市販のスライドグラス上にスプレー法で塗布し、室温
で12時間乾燥後、さらに60℃で12時間乾燥して被
膜を形成した。
【0189】次に、この被膜を流水下、スポンジで一定
の強さで強く擦って被膜の撥水撥油性を観察した。その
結果、実施例1〜11のフッ素化ポリシロキサンから得
られた被膜は剥がれ難く、比較例1のフッ素化ポリシロ
キサンから得られた被膜に比べて長時間の撥水撥油性を
示した。
【0190】以上の試験により、本発明のフッ素化ポリ
シロキサンが従来型のシリコーン樹脂と比較して強固で
柔軟な撥水撥油性被膜を与えることがわかった。
【0191】
【発明の効果】本発明のフッ素化ポリシロキサンは、下
記一般式(7)で表される骨格構造によって分子の連続
性を向上させ、柔軟且つ強固な被膜を与えることができ
る。また、フッ素置換基によって被膜に撥水撥油性が付
与され、Qで表される有機基の存在及び梯子型分子の疑
似二次元構造によって、油脂への溶解性が優れる。
【0192】よって、本発明のフッ素化ポリシロキサン
は、プラスチック、金属、皮膚等の各種基体上に柔軟で
強固な耐久性のある撥水撥油性被膜を薄く均一に形成す
ることができ、化粧品被膜剤等として有効に利用するこ
とができる。
【0193】
【化57】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造を有す
    るフッ素化ポリシロキサン。 【化1】 [式(1)中、Rは同一のものを含んでいてもよく、異
    なったものを含んでいてもよく、一価の炭化水素基又は
    水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された一
    価の炭化水素基を表す。R’は同一のものを含んでいて
    もよく、異なったものを含んでいてもよく、下記一般式
    (2)で表される基又はRを表す。 【化2】−O−Si(R)3 ・・・(2) ただし、Rのうちの少なくとも1つは、水素原子の少な
    くとも一部がフッ素原子で置換された一価の炭化水素基
    である。Qは二価の有機基を表す。nは10以上の整数
    を表す。]
  2. 【請求項2】 一般式(1)におけるQが、1)アルキ
    レン基;2)ポリメチレン基;3)フェニレン基;4)
    アリーレン基;5)前記1)〜4)の基の水素原子の少
    なくとも一部が更にアルキル基、フェニル基、及びアリ
    ール基からなる群のうちの少なくとも1種で置換された
    基;6)前記1)〜5)の基の構造中に、酸素原子、窒
    素原子又は硫黄原子を有する官能基を含む基;及び7)
    前記1)〜6)の基の水素原子の少なくとも一部が塩素
    原子または臭素原子で置換された基;よりなる群から選
    ばれる基である、請求項1記載のフッ素化ポリシロキサ
    ン。
  3. 【請求項3】 一般式(1)におけるQが、1)アルキ
    レン基;2)ポリメチレン基;3)フェニレン基;4)
    アリーレン基;5)前記1)〜4)の基の水素原子の少
    なくとも一部が更にアルキル基、フェニル基、及びアリ
    ール基からなる群のうちの少なくとも1種で置換された
    基;6)前記1)〜5)の基の構造中にエーテル、チオ
    エーテル、エステル、ケトン、アミド、イミド、アミン
    及びイミンからなる群のうちの少なくとも1種の官能基
    を含む基;及び7)前記1)〜6)の基の水素原子の少
    なくとも一部が塩素原子または臭素原子で置換された
    基;よりなる群から選ばれる基である、請求項1記載の
    フッ素化ポリシロキサン。
  4. 【請求項4】 一般式(1)におけるRが、アルキル
    基、フェニル基、アリール基及びこれらの基の水素原子
    の少なくとも一部がフッ素原子で置換された基よりなる
    群から選ばれる基であり、且つRのうちの少なくとも1
    つが、水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換さ
    れた基である、請求項1記載のフッ素化ポリシロキサ
    ン。
  5. 【請求項5】 下記一般式(3)で表される珪素化合物
    を加水分解重縮合させた後、これに下記一般式(4)で
    表される珪素化合物及び/又は下記一般式(5)で表さ
    れる珪素化合物、もしくは下記一般式(6)で表される
    珪素化合物を末端封鎖剤として反応させる工程を含む、
    請求項1記載のフッ素化ポリシロキサンの製造方法。 【化3】 [式(3)、(4)、(5)及び(6)中、R及びQ
    は、前記一般式(1)におけるのと同義である。また、
    Xは加水分解性の基を表す。]
  6. 【請求項6】 一般式(3)及び一般式(6)における
    Qが、1)アルキレン基;2)ポリメチレン基;3)フ
    ェニレン基;4)アリーレン基;5)前記1)〜4)の
    基の水素原子の少なくとも一部が更にアルキル基、フェ
    ニル基、及びアリール基からなる群のうちの少なくとも
    1種で置換された基;6)前記1)〜5)の基の構造中
    に、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を有する官能基を
    含む基;及び7)前記1)〜6)の基の水素原子の少な
    くとも一部が塩素原子または臭素原子で置換された基;
    よりなる群から選ばれる基である、請求項5記載の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 一般式(3)及び一般式(6)における
    Qが、1)アルキレン基;2)ポリメチレン基;3)フ
    ェニレン基;4)アリーレン基;5)前記1)〜4)の
    基の水素原子の少なくとも一部が更にアルキル基、フェ
    ニル基、及びアリール基からなる群のうちの少なくとも
    1種で置換された基;6)前記1)〜5)の基の構造中
    にエーテル、チオエーテル、エステル、ケトン、アミ
    ド、イミド、アミン及びイミンからなる群のうちの少な
    くとも1種の官能基を含む基;及び7)前記1)〜6)
    の基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子または臭素
    原子で置換された基;よりなる群から選ばれる基であ
    る、請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(3)、(4)、(5)及び
    (6)におけるRが、アルキル基、フェニル基、アリー
    ル基及びこれらの基の水素原子の少なくとも一部がフッ
    素原子で置換された基よりなる群から選ばれる基であ
    る、請求項5記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 一般式(3)、(4)及び(6)におけ
    るXが、アルコキシ基、ハロゲン基及びアルコキシアル
    コキシ基よりなる群から選ばれる基である、請求項5記
    載の製造方法。
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