JPH09104648A - ハロゲン化ケトンの水素化方法 - Google Patents

ハロゲン化ケトンの水素化方法

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JPH09104648A
JPH09104648A JP7262693A JP26269395A JPH09104648A JP H09104648 A JPH09104648 A JP H09104648A JP 7262693 A JP7262693 A JP 7262693A JP 26269395 A JP26269395 A JP 26269395A JP H09104648 A JPH09104648 A JP H09104648A
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JP
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dichloroacetone
catalyst
reaction
mmol
gas
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JP7262693A
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English (en)
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Shuji Ichikawa
修治 市川
Hiroshi Iwane
寛 岩根
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン化ケトンの水素化方法の提供。 【解決手段】 ハロゲン化ケトンを置換シクロペンタジ
エノン化合物を配位子に有するルテニウム錯化合物の存
在下に水素化することによりハロゲン化アルコールを製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化ケトン
の水素化方法に関する。ハロゲン化ケトン、例えばα−
クロロケトンを水素化することにより得られる、α−ク
ロロアルコールは、医薬、農薬を初めとする各種有機化
合物の中間体として有用である。特に1,3−ジクロロ
アセトンを水素化することにより得られる1,3−ジク
ロロ−2−プロパノールは水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム或いは石灰乳によって容易に脱塩化水素が可能で
あり、エポキシ樹脂や合成ゴムの原料であるエピクロル
ヒドリンの製造用中間体として有用である。
【0002】
【従来の技術】ケトン類やアルデヒド類を還元すればア
ルコール類が得られるが、それらが炭素と塩素の結合を
含むとき、特にカルボニル基のα位にクロル基を有する
ときはその部分の還元も起きやすいので、カルボニル基
部分のみを選択的に水酸基に還元することは、それほど
容易ではない。米国特許第4,024,193号明細書
にはα位にクロル基等のハロゲン基又は水酸基を有する
アセトン或いはアセトフェノン誘導体を、ルテニウムト
リフェニルホスフィン錯体及び強酸存在下水素還元する
ことにより対応するアルコール体に還元する方法につい
て開示されている。しかしながら、本特許明細書実施例
には、原料ケトン体に対し触媒であるルテニウムトリフ
ェニルホスフィン錯体をモル比で0.012以上と高濃
度で使用しており、しかも、α位にハロゲン基又は水酸
基を有するアセトン誘導体を原料に用いた場合、収率、
選択率等の記載はなされていない。我々の検討では、ル
テニウムトリフェニルホスフィン錯体を触媒に用いた本
還元反応は、活性が著しく低いことが明らかとなり(比
較例)、工業的なα−クロロケトンの水素化方法として
は不満足である。
【0003】特公平7−23332号公報には1,3−
ジクロルアセトンとイソプロパノールとをアルミニウム
イソプロポキシドの存在下に反応させることを特徴とす
る1,3−ジクロル−2−プロパノールの製造法につい
て記載されている。本法はアルミニウムイソプロポキシ
ドの触媒作用によってイソプロパノールの水素原子がジ
クロロアセトン(以下DCAと略す)へ移動して、DC
Aをジクロロプロパノール(以下DCPと略す)に変換
するという、公知のメールワイン−ポンドルフーバリー
還元(例えばA.L.ワイルズ、オーガニック リアク
ションズ(Organic Reactions)第2
巻、第178頁(1944);ジョンワイリー アンド
サンズ、インコーポレーション(ニューヨーク)(J
OHNWILEY & SONS,INC(New Y
ork))を利用したものである。
【0004】このアルミニウムイソプロポキシドを用い
た還元反応は、目的DCPを高い選択率で与えるもの
の、触媒のアルミニウムイソプロポキシドは水分によっ
て分解し、その分解生成物は更にDCAやDCPの分解
等の副反応を誘発するので、還元反応中は系内への水分
の混入を極力低減する必要がある。また、DCAに対す
るアルミニウムイソプロポキシドのモル比は0.01〜
1が好ましい使用例であるが、特公平7−23332号
公報に記載されているように、DCAに対するアルミニ
ウムイソプロポキシドのモル比が0.01で反応を実施
した場合反応速度が著しく低下する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、上記方
法はアルミニウムイソプロポキシドを触媒に用い、DC
Pを製造するためには比較的大量の高価な触媒を使用
し、且つ通常数百ppm程度水分を含有するイソプロパ
ノールを反応に先立ち脱水処理を行い数十ppm程度に
減じてやること、並びに反応実施中水分が混入しないよ
う厳密に管理することが必要となり、工業的なDCPの
製造方法としては満足できるものではないという問題点
がある。本発明の目的は、工業的に有利にハロゲン化ケ
トンを水素化し、対応するハロゲン化アルコールを製造
する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために、反応系に含まれる水分、酸素又は熱等
に安定で、穏和な条件で、高い活性を有し且つカルボニ
ル基に対して高い選択性を有するハロゲン化ケトン用水
素化触媒を種々検討した結果、置換シクロペンタジエノ
ン化合物を配位子に有するルテニウム錯体を水素化触媒
として用いることにより課題が解決されることを見出し
本発明を完成するに到った。即ち、本発明は、ハロゲン
化ケトンを触媒の存在下で水素化する方法において、触
媒として置換シクロペンタジエノン化合物を配位子に有
するルテニウム錯化合物を用いることを特徴とするハロ
ゲン化ケトンの水素化方法にある。なお、置換シクロペ
ンタジエノン化合物を配位子に有するルテニウム錯体を
水素化触媒として用い、α−クロロケトンを還元し対応
するα−クロロアルコールを製造した例は、現在まで知
られていない。以下、本発明の水素化方法について詳細
に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
(原料)本発明において原料として用いられるハロゲン
化ケトンの中好ましいのはクロロケトンであり、本発明
は特にα−クロロケトンの場合に好適であるので、以
下、α−クロロケトンを例に本発明を説明する。原料の
α−クロロケトンとは、カルボニル基の隣接炭素にクロ
ル基の導入されたケトンを意味する。導入されるクロル
基の数は特に制限を受けず通常1から6の整数で示され
る。カルボニル基の両端の置換基はアルキル基、アルキ
ル基の組合わせ及びアルキル基、アリール基の組合わせ
いずれでも差し支えない。かかるα−クロロケトンとし
ては、1−クロロアセトン、1,3−ジクロロアセト
ン、1−クロロ−2−プロパノン、2−クロロ−3−プ
ロパノン、1,3−ジクロロ−2−プロパノン、α−ク
ロロアセトフェノン、2−クロロシクロヘキサノン、
2,6−ジクロロシクロヘキサノン、1,1−ジクロロ
アセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、1,1,
3−トリクロロアセトン、1,1,3,3−テトラクロ
ロアセトン、ヘキサクロロアセトン等が挙げられる。本
発明によれば、かかるα−クロロケトンを原料として用
いることにより対応するα−クロロアルコール体が高収
率で得られる。好ましくは、隣接炭素に1個クロル基が
導入された、α−クロロケトンを原料として用いた場合
であり、かかるα−クロロケトンとしては、1−クロロ
アセトン、1,3−ジクロロアセトン、1−クロロ−2
−プロパノン、2−クロロ−3−プロパノン、1,3−
ジクロロ−2−プロパノン、α−クロロアセトフェノ
ン、2−クロロシクロヘキサノン、2,6−ジクロロシ
クロヘキサノン等が挙げられる。特に好ましくは、1−
クロロアセトン、1,3−ジクロロアセトンであり、穏
和な条件で活性、選択性高く対応するα−クロロアルコ
ール体を高収率で得ることができる。
【0008】原料α−クロロケトンは、クロル基の置換
度及びカルボニル基の両端の置換基がアルキル基、アル
キル基の組合わせの場合、クロル基の置換する炭素の位
置等により、様々な方法で製造されるが、一般的には、
ケトンを塩素ガス、塩化スルフリルおよび塩化銅(II)
等の塩素化剤でクロロ化することにより容易に製造可能
である。例えば、1−クロロアセトンはアセトンと塩素
ガスとの反応により(例えば、特開昭62−13417
8号公報)、また1,3−ジクロロアセトンは塩化ヨウ
素或いはヨウ素存在下アセトンと塩素ガスとの反応によ
り(例えば、特公平7−23332号及び特開昭54−
130511号各公報)工業的に製造可能である。
【0009】(触媒)本発明の方法においては触媒とし
て置換シクロペンタジエノン化合物を配位子に有するル
テニウム錯化合物が用いられる。ここで配位子として用
いる置換シクロペンタジエノンとは、2,4−シクロペ
ンタジエノンの2,3,4,5位に置換基が導入された
化合物を意味しており、置換基は、水素、ハロゲン、ア
ルキル、アリール等どのような置換基が導入されていて
も差し支えない。好ましくはアルキル基及びアリール基
であり、特に好ましくは、フェニル基及び置換基又は官
能基を有するフェニル基であり、またフルオロアルキル
基である。このような置換基としては、フェニル、4−
クロロフェニル、4−メトキシフェニル、4−フルオロ
フェニル、2,4−クロロフェニル、2,4−メトキシ
フェニル、2,4−フルオロフェニル、トリフルオロメ
チル、ペンタフルオロエチル等が挙げられる。これらを
配位子に有するルテニウム錯化合物は、穏和な条件で、
高い活性及び水素化選択性を示す。
【0010】また、導入される置換基の種類は、2,
3,4,5位のそれぞれが同一であっても又異なってい
ても差し支えない。該ルテニウム錯化合物については、
単核及び多核錯体として既に幾つか知られているが、本
発明の方法ではこれら従来公知のルテニウム錯化合物が
使用可能である。具体的には(Ph4 4 CO)2
(μ−H)(CO)4 Ru2 、(Ph4 4 CO)Ru
(CO)3 、[(CF3 4 4 CO)]Ru(CO)
3 、[(4−ClC6 4 4 4 CO]Ru(CO)
3 、[2,5−(C6 4 2 −3,4−(4−MeO
6 4 2 4 CO]Ru(CO)3 、[2,5−
(C6 4 2 −3,4−(4−FC6 4 2 4
O]Ru(CO)3 、[(4−ClC6 4 4 4
O]2 H(μ−H)(CO)4 Ru2 、[2,5−(C
6 4 2 −3,4−(4−MeOC64 2 4
O]2 H(μ−H)(CO)4 Ru2 、[2,5−(C
6 4 2 −3,4−(4−FC6 4 2 4 CO]
2 H(μ−H)(CO)4 Ru2等が挙げられる。これ
らは公知の方法(例えば、N.メナシュ等、オルガノメ
タリックス(Organo metallics)第1
0巻、第3885頁(1991))で合成することがで
きる。また、これまで報告されていない置換シクロペン
タジエノン化合物を配位子に有するルテニウム錯化合物
も用いることができる。ルテニウム錯化合物とはルテニ
ウムの有機金属化合物を意味し、その定義は現在広く知
られているが(例えば、1991年裳華房発行、山本明
夫著、有機金属化学第6頁)、主としてルテニウムと有
機基(配位子)が金属−炭素の直接結合により結び付い
た化合物を意味する。使用できるルテニウム錯化合物中
のルテニウム原子の形式酸化数は特に限定されず、また
置換シクロペンタジエノン化合物以外の配位子である有
機基の種類、数は限定されない。かかるルテニウム配位
子としては一酸化炭素、ハロゲン、ヒドリドが好まし
い。特に一酸化炭素、ヒドリドが好ましく、温和な条件
で効率よく酸化エステル化反応が進行する。触媒の使用
量は、原料のα−クロロケトンに対して、0.0000
001〜1(モル比)、好ましくは0.000001〜
0.01(モル比)の範囲である。触媒は、反応生成物
と蒸留、抽出等の一般の方法で分離され、繰返し使用す
ることができる。
【0011】(溶媒)本発明の反応は、特に溶媒を使用
せずに実施することができるが、使用するルテニウム錯
化合物が原料α−クロロケトンに難溶性の場合、これを
溶解するため、またその他の必要に応じて適当な溶媒中
で実施することができる。これらの溶媒としては、例え
ばヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;ジエ
チルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、ブチロラクトン等のエステル類などを挙げることが
できる。これら溶媒の使用量は特に制限はなく任意であ
る。
【0012】(反応方法)本反応は水素ガス存在下で実
施される。水素ガスの分圧は1気圧以下でも十分反応は
進行するが、より高い反応速度を得るために、通常より
高い圧力下で実施されることがある。また、α−クロロ
ケトンのカルボニル基の水素化の選択性を十分なものと
するためには、余り高い圧力を採用することは好ましく
ない。従って、通常実施される水素ガスの圧力は、0.
2〜150バール、好ましくは0.5〜100バールの
範囲である。なお、水素ガスは必ずしも純度の高いもの
でなくとも、必要に応じて目的反応を妨害しない不活性
ガス、例えば窒素、二酸化炭素、アルゴン等を任意の割
合で混合することができる。
【0013】反応の進行は室温でも認められるが、より
高い反応速度を得るために通常加熱下に実施される。反
応温度は一般に、10〜200℃、好ましくは20〜1
50℃の範囲である。反応時間は反応の条件により変化
するので、一般にはガスの吸収が認められなくなった時
点を反応の終了点と見做す。一般的には、0.1〜50
時間、好ましくは0.2〜30時間の範囲である。
【0014】本発明の製造方法により得られる反応生成
物は、α−クロロアルコールである。更に詳しくは、α
−クロロケトンのカルボニル基が水素化され、水酸基に
なることにより生じる、第二級アルコールであり、ま
た、水酸基の隣接炭素には原料α−クロロケトンに由来
するクロル基を有するα−クロロアルコールである。ク
ロル基の還元に伴う、脱クロル化物は殆んど生成せず、
目的α−クロロアルコール体を高選択率、高収率で得る
ことができる。触媒を含む反応混合物からの生成物の分
離は、蒸留、抽出、吸着等の公知の方法で行うことがで
きる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の方法を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定
されるものではない。なお、生成物は、ガスクロマトグ
ラフィーを用い、ノナンを内部標準物質とした内部標準
法によって定量分析し、下式により転化率および選択率
を求めた。
【0016】
【数1】
【0017】
【数2】 また、例中で用いたターンオーバー数は下式に従って計
算した。
【0018】
【数3】
【0019】実施例1 内容積100mlのガラス製オートクレーブに、撹拌
子、(Ph4 4 CO) 2 H(μ−H)(CO)4 Ru
2 3.5mg(0.0034ミリモル)、1,3−ジク
ロロアセトン884.5mg(6.90ミリモル)、溶
媒としてトルエン2.69g及び分析用内部標準物質と
して、ノナン0.17gを仕込み、密封した後、水素ガ
スで系内気相を置換した後、4バールまでこのガスを圧
入した。撹拌しつつ、80℃で3.5時間の反応を行っ
た。この間、吸収されるガスは外部から補給し、反応器
の圧力は所定の圧力に保った。反応器を室温に冷却し開
封して得た均一な溶液をガスクロマトグラフィーにより
定量した。その結果、1,3−ジクロロアセトンは完全
に消失し、1,3−ジクロロ−2−プロパノール88
4.5mg(6.76ミリモル)が生成した。原料1,
3−ジクロロアセトンの転化率は100%であり、1,
3−ジクロロ−2−プロパノールの選択率は98.0%
又、ターンオーバー数は1987(モル/モル)であっ
た。
【0020】実施例2 ステンレス製オートクレーブ(内容積30ml)に、撹
拌子、(Ph4 4 CO)2 H(μ−H)(CO)4
2 3.7mg(0.0036ミリモル)、1,3−ジ
クロロアセトン871.5mg(6.79ミリモル)、
溶媒としてトルエン2.86g及び分析用内部標準物質
として、ノナン0.20gを仕込み、密封した後、水素
ガスで系内気相を置換した後、8バールまでこのガスを
圧入した。撹拌しつつ、80℃で1.5時間の反応を行
った。この間、吸収されるガスは外部から補給し、反応
器の圧力は所定の圧力に保った。反応器を室温に冷却し
開封して得た均一な溶液をガスクロマトグラフィーによ
り定量した。その結果、1,3−ジクロロアセトンは完
全に消失し、1,3−ジクロロ−2−プロパノール81
1.2mg(6.29ミリモル)が生成した。原料1,
3−ジクロロアセトンの転化率は100%であり、1,
3−ジクロロ−2−プロパノールの選択率は92.6%
又、ターンオーバー数は1749(モル/モル)であっ
た。
【0021】実施例3 ステンレス製オートクレーブ(内容積30ml)に、撹
拌子、(Ph4 4 CO)2 H(μ−H)(CO)4
2 1.5mg(0.0015ミリモル)、1,3−ジ
クロロアセトン1899.0mg(14.80ミリモ
ル)、溶媒としてトルエン8.81g及び分析用内部標
準物質として、ノナン0.24gを仕込み、密封した
後、水素ガスで系内気相を置換した後、40バールまで
このガスを圧入した。撹拌しつつ、80℃で7.0時間
の反応を行った。この間、吸収されるガスは外部から補
給し、反応器の圧力は所定の圧力に保った。反応器を室
温に冷却し開封して得た均一な溶液をガスクロマトグラ
フィーにより定量した。その結果、1,3−ジクロロア
セトン343.0mg(2.70ミリモル)、1,3−
ジクロロ−2−プロパノール1420.6mg(11.
01ミリモル)が生成した。原料1,3−ジクロロアセ
トンの転化率は91.0%であり、1,3−ジクロロ−
2−プロパノールの選択率は91.0%又、ターンオー
バー数は7555(モル/モル)であった。
【0022】実施例4 ステンレス製オートクレーブ(内容積30ml)に、撹
拌子、(Ph4 4 CO)2 H(μ−H)(CO)4
2 1.5mg(0.0015ミリモル)、1,3−ジ
クロロアセトン1895.6mg(14.78ミリモ
ル)、溶媒としてトルエン7.85g及び分析用内部標
準物質として、ノナン0.24gを仕込み、密封した
後、水素ガスで系内気相を置換した後、100バールま
でこのガスを圧入した。撹拌しつつ、80℃で6.0時
間の反応を行った。この間、吸収されるガスは外部から
補給し、反応器の圧力は所定の圧力に保った。反応器を
室温に冷却し開封して得た均一な溶液をガスクロマトグ
ラフィーにより定量した。その結果、1,3−ジクロロ
アセトン542.9mg(4.27ミリモル)、1,3
−ジクロロ−2−プロパノール1263.0mg(9.
79ミリモル)が生成した。原料1,3−ジクロロアセ
トンの転化率は71.1%であり、1,3−ジクロロ−
2−プロパノールの選択率は91.0%又、ターンオー
バー数は6718(モル/モル)であった。
【0023】実施例5 ガラス製オートクレーブ(内容積100ml)に、撹拌
子、(Ph4 4 CO)2 H(μ−H)(CO)4 Ru
2 3.5mg(0.0034ミリモル)、1,3−ジク
ロロアセトン865.2mg(6.74ミリモル)、溶
媒としてトルエン4.17g及び分析用内部標準物質と
して、ノナン0.19gを仕込み、密封した後、水素ガ
スで系内気相を置換した後、10バールまでこのガスを
圧入した。撹拌しつつ、50℃で6.0時間の反応を行
った。この間、吸収されるガスは外部から補給し、反応
器の圧力は所定の圧力に保った。反応器を室温に冷却し
窒素気流下で採取した試料のガスクロマトグラフィーに
よる定量分析を行った。その結果、1,3−ジクロロア
セトン27.1mg(0.21ミリモル)、1,3−ジ
クロロ−2−プロパノール772.53mg(5.99
ミリモル)が生成した。原料1,3−ジクロロアセトン
の転化率は91.0%であり、1,3−ジクロロ−2−
プロパノールの選択率は91.7%又、ターンオーバー
数は1761(モル/モル)であった。
【0024】この反応液に、トルエン1.55gに溶解
した1,3−ジクロロアセトン875.0mg(6.8
9ミリモル)を加え、上記と同様な操作で前処理し、水
素ガス圧10バール、50℃、8.0時間反応を行っ
た。反応器を室温に冷却し窒素気流下で採取した試料を
ガスクロマトグラフィーで定量分析した。その結果、
1,3−ジクロロアセトンは完全に消失し、通算で1,
3−ジクロロ−2−プロパノール1702.0mg(1
3.19ミリモル)が生成していた。原料1,3−ジク
ロロアセトンの転化率は100.0%であり、1,3−
ジクロロ−2−プロパノールの選択率は97.3%又、
ターンオーバー数は3880(モル/モル)であった。
更に、トルエン1.77gに溶解した1,3−ジクロロ
アセトン883.0mg(6.95ミリモル)反応液に
加え、上記と同様な操作で前処理し、水素ガス圧10バ
ール、50℃、7.0時間反応を行った。反応器を室温
に冷却し窒素気流下で採取した試料をガスクロマトグラ
フィーで定量分析した。その結果、1,3−ジクロロア
セトンは完全に消失し、通算で1,3−ジクロロ−2−
プロパノール2559.5mg(19.84ミリモル)
が生成していた。原料1,3−ジクロロアセトンの転化
率は100.0%であり、1,3−ジクロロ−2−プロ
パノールの選択率は97.0%又、ターンオーバー数は
5834(モル/モル)であった。
【0025】この反応液に、トルエン3.89gに溶解
した1,3−ジクロロアセトン2227mg(17.5
3ミリモル)を加え、上記と同様な操作で前処理し、水
素ガス圧10バール、50℃、12.0時間反応を行っ
た。反応器を室温に冷却し窒素気流下で採取した試料を
ガスクロマトグラフィーで定量分析した。その結果、
1,3−ジクロロアセトンは完全に消失し、通算で1,
3−ジクロロ−2−プロパノール4560.4mg(3
5.35ミリモル)が生成していた。原料1,3−ジク
ロロアセトンの転化率は100.0%であり、1,3−
ジクロロ−2−プロパノールの選択率は93.5%又、
ターンオーバー数は10395(モル/モル)であっ
た。
【0026】実施例6 ステンレス製オートクレーブ(内容積30ml)に、撹
拌子、(Ph4 4 CO)2 H(μ−H)(CO)4
2 3.5mg(0.0034ミリモル)、1−クロロ
アセトン641.4mg(6.59ミリモル)、溶媒と
してトルエン2.85g及び分析用内部標準物質とし
て、ノナン0.20gを仕込み、密封した後、水素ガス
で系内気相を置換した後、8バールまでこのガスを圧入
した。撹拌しつつ、80℃で4.0時間の反応を行っ
た。この間、吸収されるガスは外部から補給し、反応器
の圧力は所定の圧力に保った。反応器を室温に冷却し開
封して得た均一な溶液をガスクロマトグラフィーにより
定量した。その結果、1−クロロアセトン149.2m
g(1.61ミリモル)、1−クロロ−2−プロパノー
ル462.3mg(4.89ミリモル)が生成した。原
料1−クロロアセトンの転化率は75.5%であり、1
−クロロ−2−プロパノールの選択率は98.3%又、
ターンオーバー数は1438(モル/モル)であった。
【0027】比較例1 ガラス製オートクレーブ(内容積100ml)に、撹拌
子、RuCl2 (PPh3 3 15.1mg(0.01
58ミリモル)、1,3−ジクロロアセトン757.1
mg(5.90ミリモル)、水1000mg、溶媒とし
てN−メチルピロリドン4.95g、2−メトキシエタ
ノール7.11g及び分析用内部標準物質として、ノナ
ン0.22gを仕込み、密封した後、水素ガスで系内気
相を置換した後、5バールまでこのガスを圧入した。撹
拌しつつ、80℃で4.0時間の反応を行った。この
間、吸収されるガスは外部から補給し、反応器の圧力は
所定の圧力に保った。反応器を室温に冷却し窒素気流下
で採取した試料のガスクロマトグラフィーによる定量分
析を行った。その結果、1,3−ジクロロアセトン74
7.6mg(5.89ミリモル)、1,3−ジクロロ−
2−プロパノールは生成していなかった。原料1,3−
ジクロロアセトンの転化率は0.26%であり、1,3
−ジクロロ−2−プロパノールの選択率は0%又、ター
ンオーバー数は0(モル/モル)であった。
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、温和な条件で、
工業的に有利にハロゲン化ケトン特にα−クロロケトン
を水素化することが可能となり、これにより対応するα
−クロロアルコールを製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化ケトンを触媒の存在下で水素
    化する方法において、触媒として置換シクロペンタジエ
    ノン化合物を配位子に有するルテニウム錯化合物を用い
    ることを特徴とするハロゲン化ケトンの水素化方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化ケトンがα−クロロケトンで
    あり、水素化生成物がα−クロロアルコールである請求
    項1に記載のハロゲン化ケトンの水素化方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化ケトンが1,3−ジクロロア
    セトンであり、水素化生成物が1,3−ジクロロ−2−
    プロパノールである請求項1に記載のハロゲン化ケトン
    の水素化方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化ケトンが1−クロロアセトン
    であり、水素化生成物が1−クロロ−2−プロパノール
    である請求項1に記載のハロゲン化ケトンの水素化方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003064357A1 (en) * 2002-01-29 2003-08-07 Dow Global Technologies Inc. PROCESS FOR REDUCING α-HALOKETONES TO SECONDARY α-HALOALCOHOLS
US7456322B2 (en) 2004-05-21 2008-11-25 Dow Global Technologies Inc. Process for preparing 1,3-dibromoacetone, 1-3-dichloroacetone and epichlorohydrin

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