JPH0910459A - 長尺スライドファスナーチェーンに生地片を一連に縫着する方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】硬軟、厚薄を問わず多様な形態及び材質をもつ
生地片の端部同士を確実に突き合わせた状態でスライド
ファスナーチェーンに自動縫着するための方法及び装置
を提供する。 【構成】縫着ステーション(2) において、先行生地片(P
1)をスライドファスナーチェーン(F) に対し、当該先行
生地片(P1)の先端から後端に達しない所定位置まで縫着
し、所定位置に達したとき縫着を停止させ、一方で生地
片供給ステーション(3) において、後続生地片(P2)を縫
着ステーション(2) に向けて且つ停止中の先行生地片(P
1)の後端から上流側に所定距離だけ離れた部位まで高速
で移送し、しかる後、後続生地片(P2)の先端が停止中の
先行生地片の後端に当接するまで低速で移送し、後続生
地片(P2)の先端が停止中の先行生地片(P1)の後端にほぼ
当接したことに呼応して、縫着を開始して、先行生地片
(P1)の残りの部分を縫着する。これらの駆動制御のタイ
ミングは複数の生地片検出器(18 〜20) の各検出信号に
基づき、制御部(CP)を介してシーケンス制御される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ズボン用前立、ワンピ
ースの身頃、スカートの生地片など主に衣服の開口部に
適用される複数の各種生地片を連続スライドファスナー
チェーンに互いに当接状態に近い接近状態で整列させな
がら連続して自動的に縫着する方法とその装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】複数の前立を長尺スライドファスナーチ
ェーンに１片ずつ自動的に縫着するための装置は、例え
ば特公昭６３−９８７８号公報（米国特許第４，５７
６，１０４号明細書）に開示されている。この公報によ
れば、縫着ステーションに移送される生地片の供給機構
は、供給駆動ローラと、同駆動ローラとの間で生地片を
軽く挟圧して移送する弾接ローラとからなる複数の上下
ローラ対を備え、上流側の駆動ローラの回転速度を下流
側の駆動ローラの回転速度より大きく設定すると共に、
下流側の駆動ローラ速度を縫着速度より僅かに大きく設
定している。また、各押圧ローラによる生地片に対する
押圧力は移送するに必要な最小限の大きさに設定されて
いる。

【０００３】そのため、生地片供給ステーションに断続
的に投入される生地片の先端は、先行して連続ファスナ
ーチェーンに縫着中の生地片の後端に急速に接近すると
共に当接するが、弾接ローラによる生地片に対する弾接
力が小さいため上下ローラ対による生地片に対する移送
力が先行する生地片の後端から受ける反力と同等か或い
は小さく、後続の生地片は駆動ローラ上をスリップし
て、先行の生地片に乗り上げることがなく、複数の生地
片の端部同士が互いに突き合わされた状態で連続スライ
ドファスナーチェーンに順次整列して縫着されるという
ものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
生地片供給機構では、例えば生地片がデニム等のように
剛直で厚手の生地からなる場合には押圧ローラと駆動ロ
ーラとの間で同生地片をスリップさせることが可能であ
るが、同機構を柔軟で且つ薄手の生地片に適用する場合
には、弾接ローラと駆動ローラとの間で同生地片を確実
にスリップさせることは不可能に近く、オーバーランし
て生地片の端部同士が容易に折れ曲がり或いは重なり合
ってしまうことが多く、製品としては使用できないもの
となる。また、弾接ローラと駆動ローラとの間の弾接力
が小さい場合には安定した移送が不可能となり、スライ
ドファスナーチェーンの廃棄部分が増大する。

【０００５】本発明は、かかる課題を解決すべくなされ
たものであり、詳しくは硬軟、厚薄を問わず多様な形態
と性能をもつ生地片の端部同士を確実に突き合わせた状
態でスライドファスナーチェーンに自動縫着するための
方法及び装置を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上述の目的は、本件の第
１発明である長尺スライドファスナーチェーンに複数の
生地片を整列させて一連に自動縫着する方法であって、
長尺スライドファスナーチェーンを縫着速度に同調させ
て縫着ステーションに連続的に供給する工程と、縫着ス
テーションにおいて、先行生地片をスライドファスナー
チェーンに対し、当該先行生地片の先端から後端に達し
ない所定位置まで縫着し、所定位置に達したとき縫着を
停止する工程と、生地片供給ステーションにおいて、後
続生地片を縫着ステーションに向けて且つ停止中の先行
生地片の後端から上流側に所定距離だけ離れた部位まで
高速で移送し、しかる後、後続生地片の先端が停止中の
先行生地片の後端に当接するまで低速で移送する工程
と、後続生地片の先端が停止中の先行生地片の後端に当
接したことに呼応して、縫着を開始して、先行生地片の
残りの部分を縫着する工程とを含んでなることを特徴を
する連続スライドファスナーチェーンに生地片を一連に
縫着する方法により達成される。

【０００７】更に、上記目的は本件の第２発明である長
尺スライドファスナーチェーンに複数の生地片を整列さ
せて一連に自動縫着する装置であって、縫着手段を有す
る縫着ステーションと、前記縫着ステーションに縫着速
度に同調してスライドファスナーチェーンを連続的に供
給する供給手段と、前記縫着ステーションの縫着線の上
流側に配備され、複数の生地片を順次供給する生地片供
給ステーションと、中央制御部とを備え、前記生地片供
給ステーションは、上流側に高速移送領域、中間に低速
移送領域、下流側に上記縫着ステーションにおける縫着
速度と同一速度で移送する縫着速度移送領域とを有し、
各移送領域に第１〜第３の生地片検出手段が配設され、
前記第１生地片検出手段は生地片の投入端部を検出して
前記中央制御部を介して高速移送領域を高速移送手段に
より高速移送する機能を有し、前記第２生地片検出手段
は高速移送される生地片の先端を検出してを中央制御部
を介して低速移送手段による低速移送に切替える機能
と、同生地片の後端を検出したのち中央制御部を介して
所定の時間経過後に前記縫着手段を停止させる機能とを
有し、前記第３生地片検出手段は後続の生地片の先端
が、先行して停止中の先行生地片の後端に当接すること
を検出して、前記中央制御部を介して上記縫着手段を起
動させると同時に縫着移送手段による縫着速度に切替え
る機能を有してなることを特徴とする連続スライドファ
スナーチェーンに生地片を一連に縫着する装置により達
成される。

【０００８】そして、好適には前記低速移送領域におけ
る低速移送手段が、所定の回転速度で回転する駆動供給
ローラと同駆動供給ローラを生地片を介して圧接・離間
する圧接供給ローラとを有し、同低速移送手段が作動中
は前記圧接供給ローラを断続的に昇降させて、前記駆動
供給ローラに対する圧接力の付与と解除を交互に行い生
地片の移送速度を低速にする手段であるか、或いは前記
低速移送手段における低速移送手段は、所要の低速で回
転する駆動供給ローラと同駆動供給ローラを生地片を介
して圧接・離間する圧接供給ローラとを有し、同低速移
送手段が作動中は前記圧接供給ローラを生地片を介して
前記駆動供給ローラに継続的に圧接させるものである。

【０００９】更には、前記第２生地検出手段と第３生地
片検出手段との間の距離は、前記第２生地片検出手段に
よる上記後続生地片の後端検出時の縫製手段停止信号の
出力後から上記所定の時間経過後に、同後続生地片の後
端が前記第３生地片検出手段の検出範囲内に入るに十分
な移送距離に設定されている。そのため更に好適には、
前記第１及び第２生地片検出手段の検出範囲をスポット
検出とし、前記第３生地片検出手段の検出範囲を前記先
行生地片の後端と後続生地片の先端とを検出するに十分
な範囲を有している。そして、上記所定の時間経過時に
は、先行する生地片が例えばカウンターにより縫い目の
数がカウントされ、予め設定された所定の範囲にある縫
い目数の縫着が終了するようにされる。

【００１０】

【作用】後続の生地片の投入直後は高速で移送させ、上
記第３生地片検出器の付近では低速で移送するようにし
て、装置の可動効率を向上させると共に、後続の生地片
が停止している先行の生地片上に乗り上げたり、双方が
互いに折れ曲がったりすることを防止している。

【００１１】そして、前記移送中の上記速度の切替え及
び制御タイミングは高速移送領域、低速移送領域及び縫
着速度移送領域の各領域に設置される第１〜第３の生地
片検出手段による生地片の端部検出信号に基づいて、中
央制御部に組み込まれたシーケンスに従って制御され
る。

【００１２】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
具体的に説明する。図１は連続的且つ効率的に一連の生
地片Ｐを、生地片の端部同士がほぼ当接した状態で、連
続スライドファスナーチェーンＦに縫着するための装置
１の主要部を示している。同縫着装置１は、縫着ステー
ション２と、複数の生地片Ｐを縫着ステーション２に自
動供給するための生地片供給ステーション３とを有す
る。生地片Ｐは、供給ステーション３に不規則的および
断続的に送り込まれる。

【００１３】縫着ステーション２には、通常市販されて
いる工業用ミシンが据え付けられており、同ミシンは縫
着される生地片Ｐを支持案内するためのミシン台４と、
押え金５と、前記生地片ＰをファスナーチェーンＦに縫
着するための１対のミシン針６ａと、同生地片Ｐの縁か
がり縫い用のミシン針６ｂと、図示せぬ送り金とを有し
ている。連続スライドファスナーチェーンＦは、縫着ス
テーション２の上方部に支持された図示せぬリールか
ら、前記ミシン台４と押え金５との間の空間を通って、
生地片Ｐと共に上下一対の供給ローラ７によりミシン針
６ａ，６ｂに断続的に供給される。前記供給ローラ７は
例えばミシンのタイミングベルトを介して上記送り金の
駆動に同調して縫着速度と同一速度でタイミング駆動さ
れる。なお、生地編に対するかがり縫いが不要な場合に
はかがり縫い用ミシン針６ｂは外される。

【００１４】生地片供給ステーション３は、前記供給ロ
ーラ７を挟んで上記縫着ステーション２の上流側に配備
された生地片供給台９と、同供給台９から上方に向けて
突設された逆Ｌ字型のフレーム８ａと、同フレーム８ａ
の長手方向に連設された第１〜第４のエアシリンダー１
０〜１３と、各エアシリンダー１０〜１３のロッド端に
圧縮スプリングを介して取り付けられた第１〜第４の圧
接供給ローラ１４ａ〜１７ａと、生地片供給面を挟んで
第１〜第４の前記圧接供給ローラ１４ａ〜１７ａと相対
して下方のフレーム８ｂを介して駆動軸に軸支された第
１〜第４の駆動供給ローラ１４ｂ〜１７ｂと、第１及び
第２生地片供給ローラ対１４，１５の間に設置された第
１生地片検出器１８と、第３及び第４生地片供給ローラ
対１６，１７の間に設置される第２生地片検出器１９
と、第４生地片供給ローラ対１７及び上記供給ローラ７
の間に設置される第３生地片検出器２０とを有してい
る。なお、本発明において、上記エアシリンダー１０〜
１３に代えて油圧シリンダーを使用する場合もある。

【００１５】そして、上記ミシン、供給ローラ７、第１
〜第４のエアシリンダー１０〜１３及び第１〜第４の駆
動供給ローラ１４ｂ〜１７ｂの図示せぬ各駆動源は、そ
れぞれ中央制御部ＣＰに直接又は間接的に連結され、上
記第１〜第３検出器１８〜２０からの検出信号を受けて
前記中央制御部ＣＰからの指令によりシーケンス制御駆
動がなされる。本実施例における前記中央制御部ＣＰに
は、スライドファスナーチェーンＦに対する１片の生地
片Ｐの１縫着サイクルのシーケンスが組み込まれてお
り、前記第１〜第３検出器１８〜２０からの検出信号に
基づいて、以下に述べるごとく上記ミシンを所定のタイ
ミングで起動・停止させ、供給ローラ７を制御駆動し、
第１〜第４のエアシリンダー１０〜１３を制御作動させ
る。なお、通常は前記第１〜第４の駆動供給ローラ１４
ｂ〜１７ｂを縫着作業時に常に駆動回転させておくが、
前記第１〜第４のエアシリンダー１０〜１３の作動タイ
ミングに合わせて間欠駆動してもよい。

【００１６】また本実施例においては、上記第１及び第
２生地片供給ローラ対１４，１５により移送される領域
が本発明の高速移送領域ＨＴをなし、第３生地片供給ロ
ーラ対１６により移送される領域が本発明の低速移送領
域ＬＴをなし、第４生地片供給ローラ対１７により移送
される領域が本発明の縫着移送領域ＳＴをなしている。
そして、本実施例によれば前記第１、第２及び第３の各
生地片供給ローラ対１４，１５，１６の移送速度比は
２．５：２．５：１であり、第４生地片供給ローラ対１
７の移送速度は上記供給ローラ７と同一で縫着速度に等
しい。因みに、本実施例では上記第１〜第４の駆動供給
ローラ１４ｂ〜１７ｂは２５ｍｍ径であり、第１及び第
２駆動供給ローラ１４ｂ，１５ｂの回転速度は２００ｒ
ｐｍ、第３駆動供給ローラ１６ｂの回転速度は８０ｒｐ
ｍに設定されている。また、この場合の縫着速度は４０
００ｓｐｍである。勿論、本発明は前述の数値に限定さ
れるものではなく、また生地片供給ローラ対の数も本実
施例に限定されず、例えば上記第２生地片供給ローラ対
１５が省略される場合もあり、その場合には第１生地片
検出器１９は第１生地片供給ローラ対１４と第３生地片
供給ローラ対１６との間に設けられる。

【００１７】このように複数の生地移送ローラ対により
高速移送領域ＨＴと低速移送領域ＬＴとを設ける意義
は、生地片Ｐの投入直後は高速で移送し、上記第３生地
片検出器２０の付近では低速で移送して、装置の可動効
率を向上させると共に、後続の生地片Ｐ２が停止してい
る先行の生地片Ｐ１に乗り上げたり、双方が互いに折れ
曲がったりすることを防止することにある。しかるに、
機械スペースの関係から高速移送領域ＨＴと低速移送領
域ＬＴとの移送速度比を上述のごとく２．５：１とせざ
るを得ないため、本実施例にあっては上記第３エアシリ
ンダー１２を生地片移送中に間欠的に昇降作動させ、第
３圧接供給ローラ１６ａの生地片Ｐに対する第３駆動供
給ローラ１６ｂへの圧接・開放を繰り返し、生地片Ｐを
間欠的に移送するようにして、その移送速度を更に低速
にしている。

【００１８】勿論、前記第３駆動供給ローラ１６ｂの回
転が、高速移送領域ＨＴと低速移送領域ＬＴとの要求さ
れる移送速度比を満足するに十分な所望の速度で直接低
速回転させることが可能である場合には、第３供給ロー
ラ対１６の作動中は上記第３エアシリンダー１２を継続
的に伸長方向に作動して第３圧接供給ローラ１６ａを生
地片Ｐを介して第３駆動供給ローラ１６ｂに連続して圧
接させ、生地片Ｐを所要の低速で移送することができ
る。

【００１９】また、本実施例にあっては板バネ材からな
る生地片押え２１を、第２及び第３生地片供給ローラ対
１５，１６の間に設けて、高速で移送される生地片Ｐの
オーバーランを防止している。

【００２０】かかる第１〜第３駆動供給ローラ対１４〜
１６の制御駆動は、上記第１〜第３の生地片検出器１８
〜２０による生地片Ｐの端部検出によりなされる。図２
〜図６は本実施例による上記生地片供給ステーション３
の生地片供給動作説明図である。本実施例にあっては、
装置の稼働時、第１〜第３駆動供給ローラ１４ｂ〜１６
ｂは常に上述の設定速度で連続回転しており、生地片Ｐ
の移送制御は第１〜第３のエアシリンダー１０〜１２に
よりなされ、また第４駆動供給ローラ１７ｂはミシンの
縫着速度に同調して所定のタイミングで回転・停止を繰
り返す。

【００２１】図２はミシンの縫着動作が停止して、先行
する生地片Ｐ１の後端が第３生地片検出器２０の検出範
囲内にあり、後続の生地片Ｐ２が第１供給ローラ対１４
に投入される時点における後続の生地片投入時の状態を
示している。このとき第１〜第４のエアシリンダー１０
〜１３は全て縮長位置にあり、従って第１〜第４圧接ロ
ーラ１４ａ〜１７ａは矢印で示すように第１〜第４駆動
供給ローラ１４ｂ〜１７ｂから離間した上限位置にあ
る。

【００２２】いま、後続の生地片Ｐ２が第１供給ローラ
対１４の間に投入されて、図２に示すようにその先端が
第１生地片検出器１８により検出されると、その信号が
中央制御部ＣＰに送られ、同中央制御部ＣＰからの指令
信号により第１及び第２エアシリンダー１０，１１が伸
長方向に作動され、第１及び第２圧接供給ローラ１４
ａ，１５ａが同生地片Ｐ２を第１及び第２駆動供給ロー
ラ１４ｂ，１５ｂに圧接させて、同生地片Ｐ２を高速で
第３供給ローラ対１６に向けて移送する。

【００２３】次に図３に示すように、高速で移送された
後続の生地片Ｐ２が第３供給ローラ対１６に達して、そ
の先端が第２生地片検出器１９により検出されると、前
記中央制御部ＣＰからの指令により第１及び第２エアシ
リンダー１０，１１が縮長方向に作動すると共に第３エ
アシリンダー１２が伸長方向に作動して、前記第１及び
第２圧接駆動ローラ１４ａ，１５ａが第１及び第２駆動
供給ローラ１４ｂ，１５ｂから離間すると共に第３圧接
供給ローラ１６ａが下降して前記生地片Ｐ２を第３駆動
供給ローラ１４ｂに圧接し、以降は同生地片Ｐ２を低速
で移送する。

【００２４】本実施例によれば、前述のごとく第３エア
シリンダー１２に中央制御部ＣＰから作動信号が発せら
れると、図３に矢印で示すごとく同エアシリンダー１２
は前記生地片Ｐ２の先端が上記第３生地片検出器２０の
検出範囲に到達するまで微少時間間隔で縮長及び伸長動
作を繰り返し、第３圧接供給ローラ１６ａを後続の生地
片Ｐ２を介して第３駆動供給ローラ１６ｂに圧接と離間
を繰り返して、同生地片Ｐ２の移送速度を更に低速とし
ている。因みに、本実施例における前記昇降は０．０３
〜０．０５秒サイクルで行われるが、これらの値に限定
されない。なお、上記第３供給ローラ対１６に要求され
る低速駆動が直接実現できる場合には、当然に同第３供
給ローラ対１６の駆動中に第３圧接供給ローラ１６ａを
第３駆動供給ローラ１６ｂに向けて連続して圧接させ、
後続の生地片Ｐ２を所要の低速で連続的に移送する。

【００２５】図４に示すように、低速で移送される後続
の生地片Ｐ２の先端が上記第３生地検出器２０の検出範
囲内に入り、停止している先行の生地片Ｐ１の後端に後
続の生地片Ｐ２の先端が当接したことを同検出器２０が
検出すると、同検出器２０からの検出信号を受けて中央
制御部ＣＰが第３エアシリンダー１２の縮長方向の作動
が終了し、第３圧接供給ローラ１４ａが第３駆動供給ロ
ーラ１４ｂから離間しことを確認した時点で第３エアシ
リンダー１２の作動停止信号を発する。このとき、同時
に第４エアシリンダー１３を伸長方向に作動する作動信
号とミシンの起動信号が発せられ、第４供給ローラ対１
７を駆動して先行する生地片Ｐ１の残り部分をスライド
ファスナーチェーンＦに縫着すると共に、図４に示す如
く後続の生地片Ｐ２を縫着速度で移送する。

【００２６】縫着速度で移送される後続の生地片Ｐ２
は、スライドファスナーチェーンＦに縫着された先行す
る生地片Ｐ１に引き続いて、同スライドファスナーチェ
ーンＦと合流して縫着される。このようにして縫着速度
で移送される後続の生地片Ｐ２の後端が、図５に示すご
とく上記第２生地片検出器１９に達すると、同検出信号
を受けて中央制御部ＣＰからミシンの停止信号が発せら
れるが、ミシンは即座に停止することなく或る所定の遅
れ時間を経て停止する。そのため、本実施例ではこの遅
れ時間を考慮して、同遅れ時間の間に縫着される縫い目
数を越える所定の縫い目数が形成されるに十分な所定の
時間が設定されており、同時間は例えば前記ミシンの停
止指令信号が発せられたのちタイマーにより計時される
所定の時間、或いはカウンタ等により前記設定された所
定の針動作をカウントして、同カンウト数が所定の値を
越えるに十分な時間をいい、同時間の経過後に始めてミ
シンが停止されるようにすると共に、その時間経過後に
は後続生地片Ｐ２の先端が図６に示すごとく前記遅れ時
間に左右されることなく先行する生地片Ｐ１の後端に当
接或いは近接することを検出する前記第２生地片検出器
１９の検出範囲内に達するように、第２生地片検出器１
９と第３生地片検出器２０との間に所定の距離Ｓを設定
している。従って、本発明における前記所定の時間経過
とは、上記ミシンの停止信号が発せられてから所定の縫
い目数が形成されるに十分な時間経過をいう。

【００２７】しかしながら、後続の生地片Ｐ２の後端の
停止位置が僅かに変動することと、引き続いて移送され
てくる更に後続の図示せぬ生地片Ｐとの突き合わせ状態
を常に確実に検出可能とすることをも考慮して、第３生
地片検出器２０の検出範囲を移送方向に略１０ｍｍの長
さに設定している。一方、第１及び第２生地片検出器１
８，１９は生地片Ｐの端部を検出すれば十分であるた
め、スポット検出としている。そして、本実施例では全
ての生地片検出器として生地片Ｐの移送路を挟んで上下
に配された投受光器からなる光電式センサーを使用して
いるが、当然に他の適当な検出手段も採用できる。

【００２８】以上の操作が繰り返されて、連続するスラ
イドファスナーチェーンＦに複数の生地片Ｐがそれぞれ
端部同士を接近した整列状態で連続的に縫着される。図
７は、本発明により連続する長尺のスライドファスナー
チェーンに順次近接して複数の生地片が一連に縫着され
た縫着製品を示している。

【００２９】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の長尺スライドファスナーチェーンに生地片を一連に縫
着する方法及び装置によれば、連続する長尺のスライド
ファスナーチェーンに硬軟・厚薄に左右されず複数の生
地片が互いに端部同士を近接状態で整列して確実に且つ
効率的に縫着されるようになり、従来のように生地片の
形態や材質によっては、その端部同士が折れ曲がった
り、或いは重なり合った状態でスライドファスナーチェ
ーンに縫着されることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の代表的な実施例である生地片縫着装置
の一部を切開して示す全体斜視図である。

【図２】前記生地片縫着装置の生地片供給ステーション
に対する生地片投入時の状態を示す動作説明図である。

【図３】同装置において、後続生地片の先端が第２生地
片検出器に検出された状態を示す動作説明図である。

【図４】同装置において、後続生地片の先端が先行生地
片の後端に当接した状態を示す動作説明図である。

【図５】同装置において、後続生地片の後端が第２生地
片検出器に到達した状態を示す動作説明図である。

【図６】同装置において、後続生地片の後端が第３生地
片検出器に到達した状態を示す動作説明図である。

【図７】本発明による連続スライドファスナーチェーン
に端部同士を当接状態で複数の生地片が一連に縫着され
た縫着製品の一部を示す平面図である。

【符号の説明】

Ｆ 長尺スライドファスナーチェーン Ｐ 生地片 Ｐ１ 先行生地片 Ｐ２ 後続生地片 ＨＴ 高速移送領域 ＬＴ 低速移送領域 ＳＴ 縫着速度移送領域 ＣＰ 中央制御部 １ 縫着装置 ２ 縫着ステーション ３ 生地片供給ステーション ４ ミシン台 ５ 押え金 6a,6b ミシン針 ７ 供給ローラ 8a,8b フレーム ９ 生地片供給台 １０〜１３ 第１〜第４エアシリンダー １４〜１７ 第１〜第４供給ローラ対 14a 〜17a 第１〜第４圧接供給ローラ 14b 〜17b 第１〜第４駆動供給ローラ １８〜２０ 第１〜第３生地片検出器 ２１ 生地片押え

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺スライドファスナーチェーン(F) に
   複数の生地片(P) を整列させて一連に自動縫着する方法
   であって、 長尺スライドファスナーチェーン(F) を縫着速度に同調
   させて縫着ステーション(2) に連続的に供給する工程
   と、 縫着ステーション(2) において、先行生地片(P1)をスラ
   イドファスナーチェーン(F) に対し、当該先行生地片(P
   1)の先端から後端に達しない所定位置まで縫着し、所定
   位置に達したとき縫着を停止する工程と、 生地片供給ステーション(3) において、後続生地片(P2)
   を縫着ステーション(2) に向けて且つ停止中の先行生地
   片(P1)の後端から上流側に所定距離だけ離れた部位まで
   高速で移送し、しかる後、後続生地片(P2)の先端が停止
   中の先行生地片の後端に当接するまで低速で移送する工
   程と、 後続生地片(P2)の先端が停止中の先行生地片(P1)の後端
   に当接したことに呼応して、縫着を開始して、先行生地
   片(P1)の残りの部分を縫着する工程と、を含んでなるこ
   とを特徴をする連続スライドファスナーチェーンに生地
   片を一連に縫着する方法。
2. 【請求項２】 長尺スライドファスナーチェーン(F) に
   複数の生地片(P) を整列させて一連に自動縫着する装置
   (1) であって、 縫着手段を有する縫着ステーション(2) と、前記縫着ス
   テーション(2) に向けて縫着と同調してスライドファス
   ナーチェーンを連続的に供給する供給手段(7)と、前記
   縫着ステーション(2) の縫着線の上流側に配備され、複
   数の生地片(P)を順次供給する生地片供給ステーション
   (3) と、中央制御部(CP)とを備え、 前記生地片供給ステーション(3) は、上流側に高速移送
   領域(HT)、中間に低速移送領域(LT)、下流側に上記縫着
   ステーション(2) における縫着速度と同一速度で移送す
   る縫着速度移送領域(ST)とを有し、各移送領域(HT,LT,S
   T)に第１〜第３の生地片検出手段(18,19,20)が配設さ
   れ、 前記第１生地片検出手段(18)は生地片(P2)の投入端部を
   検出して前記中央制御部(CP)を介して高速移送領域(HT)
   を高速移送手段(14,15) により高速移送する機能を有
   し、 前記第２生地片検出手段(19)は高速移送される生地片(P
   2)の先端を検出して中央制御部(CP)を介して低速移送手
   段(16)による低速移送に切替える機能と、同生地片(P2)
   の後端を検出したのち中央制御部(CP)を介して所定の時
   間経過後に縫着手段を停止させる機能とを有し、 前記第３生地片検出手段(20)は後続の生地片(P2)の先端
   が、先行して停止中の先行生地片(P1)の後端に近接した
   ことを検出して、前記中央制御部(CP)を介して上記縫着
   手段を起動させると同時に縫着移送手段(7,17)による縫
   着速度に切替える機能を有して、なることを特徴とする
   連続スライドファスナーチェーンに生地片を一連に縫着
   する装置。
3. 【請求項３】 前記低速移送領域(LT)における低速移送
   手段(16)は、所定の速度で回転する駆動供給ローラ(16
   b) と同駆動供給ローラ(16b) を生地片(P) を介して圧
   接・離間する圧接供給ローラ(16a) とを有し、同低速移
   送手段(16)が作動中は前記圧接供給ローラ(16a) を断続
   的に昇降させて、前記駆動供給ローラ(16b) に対する圧
   接力の付与と解除を交互に行い生地片(P) の移送速度を
   低速にする手段である請求項２記載の装置。
4. 【請求項４】 前記低速移送手段(LT)における低速移送
   手段(16)は、所要の低速で回転する駆動供給ローラ(16
   b) と同駆動供給ローラ(16b) を生地片(P) を介して圧
   接・離間する圧接供給ローラ(16a) とを有し、同低速移
   送手段(16)が作動中は前記圧接供給ローラ(16a) を生地
   片(P) を介して前記駆動供給ローラ(16b)に継続的に圧
   接させるものである請求項２記載の装置。
5. 【請求項５】 前記第２生地検出手段(19)と第３生地片
   検出手段(20)との間の距離を、前記第２生地片検出手段
   (19)による上記後続生地片(P2)の後端検出時の縫製手段
   停止信号の出力後から上記所定の時間経過後に、同後続
   生地片(P2)の後端が前記第３生地片検出手段(20)の検出
   範囲内に入るに十分な移送距離(S) に設定されてなる請
   求項２記載の装置。
6. 【請求項６】 前記所定の時間経過の間に、先行生地片
   は予め設定された所定範囲の縫い目数の縫着がなされる
   請求項２又は５記載の装置。
7. 【請求項７】 前記第１及び第２生地片検出手段(18,1
   9) の検出範囲をスポット検出とし、前記第３生地片検
   出手段(20)の検出範囲を前記先行生地片(P1)と後端の後
   続生地片(P2)の先端とを同時に検出するに十分な範囲を
   有してなる請求項５記載の装置。